JP2528968B2 - 感熱記録材料の製造方法 - Google Patents

感熱記録材料の製造方法

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JP2528968B2 JP1205720A JP20572089A JP2528968B2 JP 2528968 B2 JP2528968 B2 JP 2528968B2 JP 1205720 A JP1205720 A JP 1205720A JP 20572089 A JP20572089 A JP 20572089A JP 2528968 B2 JP2528968 B2 JP 2528968B2
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喬晴 三浦
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱記録材料に関するものである。更に詳し
く述べるならば、本発明は、すぐれた画像発色性、記録
適性、および保存性を保持すると共に光沢性の改良され
た印字表面を有する感熱記録材料に関するものである。
〔従来の技術〕
感熱記録材料は、一般に紙、合成紙、プラスチックフ
ィルム等のシート状支持体上に、電子供与性のロイコ染
料のような、実質的に無色の発色性染料と、電子受容性
のフェノール性化合物等の有機酸性物質のような、前記
発色性染料と、加熱下に反応してこれを発色させる顕色
剤とを含む感熱記録層を形成したものであって、感熱記
録層中の前記発色性染料と顕色剤とを熱エネルギーによ
って反応させて記録画像を形成することが出来る。この
ような感熱記録方式は、その記録装置がコンパクト、安
価、かつ保守が容易であることから、電子計算機のアウ
トプット、ファクシミリ、自動券売機、化学計測器のプ
リンター、あるいはCRT医療計測用のプリンターなどに
広範囲に使用されている。これらの記録装置はサーマル
ヘッドや熱ペンなどの熱素子を備えており、この熱素子
を加熱し、これを画像に対応して感熱記録材料の記録表
面に接触させることにより発色記録画像を得ることが出
来る。最近では用途の多様化に応じて、装置の高性能
化、および小型化が進み、これに伴ない、感熱記録材料
に対して、すぐれた耐水性、耐熱性および、耐溶剤性な
どを要求するとともに、印字部のドット均一性や、銀塩
写真のような階調性および表面光沢性などについて極め
て高度な要求をするようになってきている。
支持体上に、発色性染料、顕色剤および結着剤の混合
物を有効成分とする感熱発色層塗工しただけの従来の感
熱記録材料では、耐水性および耐溶剤性が不十分であ
り、更に記録濃度が低いこと、地肌カブリなどを生じる
ことなどの欠点がある。またこのような従来の感熱記録
材料の感熱記録層は、前記の混合物を主成分とするため
に、記録表面の画像部および非画像部の光沢がかなり低
いという欠点も生じていた。このような欠点を解決する
ためには、感熱記録層上に表面層を設ける方法(例え
ば、特開昭54−128347、実開昭56−125354)が提案され
ている。しかしこのような改良は新たな欠点を伴なうこ
とが認められている。例えば、感熱記録層上に水性樹脂
を主成分とする表面層を設けた場合、得られる感熱記録
材料に高温乾燥による地発色を起こさせないためには、
この乾燥温度を制限せざるをえず、この為樹脂の硬化が
不十分となり、得られる感熱記録材料がスティッキング
を引き起こすという不都合があり、またその耐水性、お
よび耐溶剤性も不十分であった。これらの諸欠点を解消
するために、感熱記録層上に紫外線によって硬化する樹
脂形成材料、あるいは電子線により硬化する樹脂形成材
料を塗布し、これに紫外線、又は電子線を照射してこれ
を硬化させて表面層を形成することが提案されている
(例えば特公昭58−35478等)。しかしこの方法でも、
形成された印字画像の保存性が十分でなく、更に前記表
面層樹脂が感熱記録層に触れて地発色を起こしてしまう
という欠点を有していた。特開昭62−279980号には、こ
の欠点を解消するために感熱記録層上に水性樹脂からな
る中間層を設け、その上に電子線照射により硬化した樹
脂被覆層を形成することが提案されている。この方法で
は、十分な記録濃度を得るためには、中間層にスーパー
カレンダー等による処理を施して、その表面平滑度を高
めておく必要がある。しかし、このような処理は、時と
して地肌カブリを引き起こす原因となることが認められ
る。また印字濃度や表面光沢を改善するためには表面樹
脂層はある程度の厚さを持たなければならず、この厚い
表面樹脂層が感熱記録層の感度の低下を招く結果となる
ことが認められている。さらにこのようにして得られた
感熱記録層の表面の平滑性は、必ずしも十分とはいえ
ず、したがって、高密度ドットの場合、要求される表面
平滑性が不十分であってドット均一性にも問題があっ
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、高感度、
および高画質を保持し、かつ、耐水性、耐可塑剤性、お
よび耐油性に優れ、しかも、銀塩系印画紙と同等の光沢
度を有し、さらに、優れた表面平滑度を有するような感
熱記録材料の製造方法を提供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る感熱記録材料の製造方法は、シート状支
持体の1表面上に、実質的に無色の発色性染料と、前記
染料と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤と、結
着剤との混合物を主成分として含む感熱記録層を形成
し、前記感熱記録層上に、水溶性高分子物質を主成分と
して含む中間層を形成して、感熱基体を作成し、前記感
熱基体の前記中間層上に樹脂被覆層を形成する方法であ
って、 前記感熱基体が、電子線透過性であり、前記樹脂被覆
層の形成に際し、前記感熱基体の中間層上に、電子線照
射により重合硬化するモノマーおよびオリゴマーから選
ばれた少なくとも1種を含む塗料液を塗布し、この塗料
液層上に、成形基体の0.1μm以下の中心線平均粗さRa
を有する成形表面を押し当てながら、前記感熱基体を通
して前記塗料液層に電子線を照射して重合硬化した樹脂
被覆層を形成し、前記成形基体から前記樹脂被覆層を分
離して、平滑な樹脂被覆層表面を形成することを特徴と
するものである。
また、本発明に係る感熱記録材料の他の製造方法は、
シート状支持体の1表面上に、実質的に無色の発色性染
料と、前記染料と加熱下に反応してこれを発色させる顕
色剤と、結着剤との混合物を主成分として含む感熱記録
層を形成し、次に前記感熱記録層上に、水溶性高分子物
質を主成分として含む中間層を形成して、感熱基体を作
成し、更に、前記感熱基体の前記中間層上に樹脂被覆層
を形成する方法であって、 前記感熱基体の中間層上に、電子線照射により重合硬
化するモノマーおよびオリゴマーから選ばれた少なくと
も1種を含む塗料液を塗布し、この塗料液層上に、電子
線透過性成形基体の0.1μm以下の中心線平均粗さRaを
有する成形表面を押し当てながら、前記成形基体を通し
て前記塗料液層に電子線を照射して重合硬化した樹脂被
覆層を形成し、前記成形基体から、前記樹脂被覆層を分
離して平滑な樹脂被覆層表面を形成することを特徴とす
るものである。
以下に本発明方法に用いられる構成要件について詳述
する。
本発明の感熱記録材料製造方法においては、支持体
と、その上に設けられた感熱記録層と、その上に設けら
れた中間層とからなる感熱基体を作成し、その上に平滑
な表面を有する樹脂被覆層が形成される。
本発明方法に用いられる支持体はシート状であって、
上質紙、中質紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、
薄葉紙などの紙類が一般に使用されるが、その他、プラ
スチックフィルム、合成紙、ラミネート紙、アルミ箔な
どを用いることができる。
支持体上に形成される感熱記録層は実質的に無色の発
色性染料と、加熱下に染料と反応してこれを発色させる
顕色剤と、これらを結着する結着剤との混合物を主成分
として形成されたものであり、このような感熱記録層
は、公知の方法によって形成できる。発色性染料として
は、例えば2,2ビス{4−(6′−(N−シクロヘキシ
ル−N−メチルアミノ)−3′−メチルスピロ〔フタリ
ド−3,9′−キサンテン〕−2′−イルアミド〕フェニ
ル}プロパン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチルN−シクロヘ
キシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラ
ン、3−〔N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ〕−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(メタトリフルオロメチル)アリニ
ノフルオラン、3−〔N−エチル−N−テトラヒドロフ
ルフリル〕アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−〔N−エチル−イソペンチル〕アミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、および3−〔N,Nジブ
チル〕アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等
のフルオラン系染料を代表的なものとして挙げることが
できる。
本発明方法に用いられる顕色剤としては、常温以上、
好ましくは70℃以上で液化または気化し、前記発色性染
料と反応してこれを発色させるものであれば格別の制限
はなく、例えば、4,4′−イソプロピリデンジフェノー
ル〔ビスフェノールA〕、4,4′−イソプロピリデンビ
ス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプロピリデ
ンビス(2−メチルフェノール)、4,4′−イソプロピ
リデンビス(2,1−tert−ブチルフェノール)、4,4′−
sec−ブチリデンジフェノール、4,4′−シクロヘキシリ
デンジフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−
フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノキシド、
ナフトール、β−ナフトール、メチル−4−ヒドロキシ
ペンゾエート、4−ヒドロキシ−アセトフェノン、サリ
チル酸アニリド、ノボラック型フェノール樹脂、ハロゲ
ン化ノボラック型フェノール樹脂、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、p−ヒ
ドロオキシ安息香酸プロピル、p−ヒドロオキシ安息香
酸イソプロピル、p−ヒドロオキシ安息香酸ブチル、p
−ヒドロオキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロオキシ安
息香酸メチルベンジル、シュウ酸、マレイン酸、酒石
酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カル
ボン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、フタル
酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル
酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,7−ジ(4
−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタ
ン、p−ニトロ安息香酸、上記有機顕色剤と、例えば亜
鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタ
ン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との塩、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキ
シ−ジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソ
プロピルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−
イソプロピルオキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキ
シ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、2,4−
ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキ
シ−4′−メチルジフェニルスルホン、および3,4−ジ
ヒドロキシフェニル−p−トリスルホン等が挙げられ
る。この顕色剤は通常、発色性染料1重量部に対し1〜
5重量部、好ましくは1.5〜3重量部の配合量で用いら
れる。
感熱記録層の結着剤としては、公知のものが全て使用
可能である。ただし、前記発色性染料および前記顕色剤
の各分散液と混合した時に、得られる混合液が発色した
り、凝集したり、或いは高粘度となったりするようなこ
とのないものが好ましく、また強靭な感熱記録層皮膜を
形成すること、減感作用のないこと、更に、上記スティ
ッキングに関して適性のあることが要求される。
本発明に有用な結着剤のうち、通常の水系結合剤とし
ては、ポリビニルアルコール、変性澱粉、アラビアゴ
ム、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアマイド、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体、イソプロピレン−無水
マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエンラテック
ス、およびアクリル酸エステル共重合体の乳化物等が使
用できる。感熱記録層は膜にすぐれた耐水性を付与する
ためには、反応基、例えばアセトアセチル基、カルボキ
シル基、アミド基等を含有する水溶性高分子物質に、架
橋剤を組み合わせて用いることが好ましい。
上記架橋剤としては、グリオキザール、ポリアルデヒ
ド等のジアルデヒド系、ポリエチレンアミン等のポリア
ミン系、エポキシ系、ポリアミド樹脂、グリセリンジグ
リシジルエーテル等のジグリシジル系ジメチロールウレ
ア等の他過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、塩化マグネ
シウム等の公知の化合物を用いる。
感熱記録層は顔料を含んでいてもよい。このような顔
料としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、
ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理
された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、
尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合
体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げること
ができる。
感熱発色層には、必要に応じ、上記成分に加えて更
に、この種の感熱記録材料に慣用されている補助添加成
分、例えば、填料、界面活性剤、熱可融性物質(または
滑剤)等を添加含有させてもよい。
熱可塑性物質としては、例えば、ステアリン酸アミ
ド、ステアリン酸エチレンビスアミド、オレイン酸アミ
ド、パルミチル酸アミド、ヤシ脂肪酸アミド、ベヘニン
酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバ
ロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワッ
クス類、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸
ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジルエステル、
イソフタル酸ジブチルエステル、1−ヒドロキシナフト
エ酸フェニルエステル、1,2−ジ(3−メチルフェノキ
シ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−フェノキ
シ−2−(4−メチルフェノキシ)エタン、炭酸ジフェ
ニル、p−ベンジルビフェニル、2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−
ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−
5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2′−メチレンビ
ス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−
ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、4,4′−チオ
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のヒ
ンダードフェノール類、2−(2′−ヒドロキシ−5′
−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、および2−ヒ
ドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン等が用い
られ、これらは増感剤、滑剤、酸化防止剤、又は紫外線
防止剤などの各種熱可融性物質として用いられる。
熱可融性物質の添加量は、一般に顕色剤1重量部に対
して4重量部以下の範囲内にあることが好ましい。
本発明方法において中間層は水溶性高分子物質を主成
分として形成され、一般にはこれに顔料および架橋剤な
どが含まれている。中間層は、感熱記録材料の耐水性、
耐可塑剤性、および耐油性を向上させることを目的とす
るものである。これらの性質の改善に伴い、感熱記録材
料に対する水、可塑剤および油等による悪影響例えば発
色部の退色を確実に避けることができる。この目的のた
めに使用する水溶性高分子物質としては、ポリビニルア
ルコール系樹脂とかカゼインのようなバリヤー性のある
ものが使用できる。ポリビニルアルコール系樹脂として
は、任意の重合度、ケン化度を有するポリビニルアルコ
ールが使用できる。更に、不飽和カルボン酸またはその
部分または完全エステル、塩、無水物、ニトリル、アミ
ド、不飽和スルホン酸またはその塩、炭素数2〜30のα
−オレフィン、ビニルエーテル、飽和分岐脂肪酸ビニル
等で共重合変性したポリビニルアルコールやウレタン
化、アセタール化、エーテル化、グラフト化、燐酸エス
テル化、硫酸エステル化、アセト酢酸エステル化等した
変性ポリビニルアルコールも使用することができる。そ
の重合度は300〜1700の範囲のものが好ましく、特に500
〜1000のものが塗料粘度、塗工性の面から望ましい。
中間層組成中、水溶性高分子物質は一般に架橋剤とと
もに用いられ、その合計量は、中間層全体の50重量%以
上としなければならない。これ以下になると得られる中
間層の耐可塑剤性、耐油性、耐溶剤性を低下させるので
適当でない。
水溶性の架橋剤としては、グリオキザール、ポリアル
デヒド等のジアルデヒド系、ポリエチレンイミン等のポ
リアミン系、エポキシ系ポリアミド樹脂、グリセリンジ
グリシジルエーテル系のジグリシジル系、ジメチロール
尿素、その他過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、塩化マ
グネシウム等の金属塩、塩化アンモニウム、ホウ酸等の
公知の化合物等を挙げることができる。
中間層には更に平滑度を高めるために顔料を添加して
もよい。
このような顔料としては、カオリン、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソ
ウ土、シリカ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸マ
グネシウム、酸化アルミニウム、ポリスチレン微粒子、
尿素−ホルマリン樹脂微粒子などを用いることができ
る。
中間層の塗布量は、サーマルヘッドから発色層への熱
伝導が阻害されない程度に適宜調節されるものである
が、通常1〜10g/m2、好ましくは2〜7g/m2とすること
がよい。このようにすれば、感熱記録層の熱感度を低下
させることなく所望の効果を得ることができる。
本発明方法において、塗料液層に対する電子線照射を
感熱基体を通して行う場合、感熱基体は全体として、お
よびその成分各層は電子線透過性であることが必要であ
る。上記各層の主要成分はいづれも電子線を透過するこ
とのできるものである。
本発明方法において樹脂被覆層の形成に用いられる電
子線硬化性塗料液は電子線照射により重合硬化しうる化
合物(モノマーおよびオリゴマー)と、必要に応じて無
機顔料およびその他の添加剤からなるものである。
本発明の、電子線照射によって重合硬化する不飽和有
機化合物としては、1分子中に2個以上の炭素−炭素二
重結合を含む、アクリル系およびメタクリルオリゴマ
ー、および多官能性アクリル系およびメタクリル系モノ
マー、並びに1分子中に少なくとも1個の炭素−炭素二
重結合を含む単官能性アクリルおよびメタクリルモノマ
ーおよびビニルモノマーなどを挙げることができる。こ
れらの不飽和有機化合物は、電子線照射によりラジカル
を発生して重合し、かつ分子間に架橋を生じて硬化し、
重合硬化樹脂を形成する。
アクリル系及びメタクリル系オリゴマーとしては、ポ
リウレタンのアクリル又はメタクリル酸エステル、ポリ
エーテルアルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エス
テル、ビスフェノールAのアクリル酸又はメタクリル酸
エステル、ポリエステルのマレイン酸又はフマル酸エス
テルなどをあげることができる。また、多官能性アクリ
ルモノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ネオペンチルジアクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールペンタアクリレートなどをあげる
ことができる。また単官能性アクリルモノマー及びビニ
ルモノマーとしては、スチレン、N−ビニルピロリド
ン、ポリオキシエチレンフェニルアルコールのアクリル
酸エステル、2−エチルヘキシルアクリレート、などを
あげることができる。
本発明の樹脂被覆層を形成するための電子線硬化性塗
料液は、感熱基体の中間層表面上に塗布され、この塗布
液層上に、成形基体の、0.1μ以下の中心線平均粗さRa
を有する成形表面が押し当てられる。このとき、成形基
体の平滑な成形表面上に塗料液を塗布し、これを中間層
表面に転写してもよい。
次に、塗料液層に対する電子線の照射は、感熱基体が
電子線透過性の場合は、その背面からそれを透過して行
われる。或は、成形基体が電子線透過性の場合は、その
背面から、それを透過して塗料液層に電子線が照射され
る。
本発明方法において、各層形成のために使用される塗
布方法に格別の限定はなく、例えばバーコート法、エア
ードクターコート法、ブレードコート法、スクイズコー
ト法、エアーナイフコート法、リバースロールコート
法、およびトランスファーコート法などのいずれを用い
てもよい。更に各層形成のためにファウンテンコーター
あるいはスリットダイコーター方式を用いることも出来
る。
本発明方法に用いられる平滑な表面を付与する成形基
体は、強光沢鏡面となる様にメッキ加工された金属製の
(例えばアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステン
レススチール、又はチタン)製のプレート、又はドラム
を用いることができる。また、表面が平滑であれば金属
製のベルトであってもよい。また、電子線に対して安定
で、かつこれを透過するプラスチック製の(例えば、ポ
リエステル樹脂又はポリプロピレン樹脂)プレート、シ
ート、もしくは、ドラムを用いることも出来る。
成形基体の平滑表面は、中心線平均粗さRaが0.1μm
以下の、好ましくは0.05μm以下の表面平滑度を有する
ものである。
上記中心線平均粗さRaはJIS B 0601記載の方法により
測定したものである。
成形面の中心線平均粗さRaが0.1μmより大きくなる
と、得られる樹脂被覆層の平滑度が不十分になり、得ら
れる感熱記録材料の表面光沢度および画像品質が不十分
になる。
電子線照射に用いる電子線加速機は、いかなるタイプ
のものでもよいが比較的安価で大出力が得られるカーテ
ンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の
際の加速電圧は100−300kvであることが好ましく、吸収
線量としては、0.5−10Mradであることが好ましい。
本方法では電子線照射中に電子線硬化性塗料液が直接
空気に触れることがなく、従って、電子線照射時におけ
る雰囲気中の酸素濃度を、特に低減させる必要はない
が、電子線照射によるオゾン発生を抑制する目的のた
め、あるいは、電子線が通過する際に発熱するウィンド
ウの冷却などの目的のために、雰囲気ガスとして不活性
ガスを使用することはもちろんかまわない。
〔実施例〕
以下実施例により本発明方法を更に説明するが、もち
ろん本発明はこれらの態様に制限されるものではない。
各実施例中の「部」は特に断らない限り「重量部」を
示している。
実施例1 (1)シート状支持体として坪量64g/m2の上質紙を用い
た。
(2)感熱記録層の形成 下記A液およびB液を下記組成により別々に調製し
た。
A液 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 5部 10%メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体水
溶液 5部 水 8部 B液 2,4−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン 30部 10%メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体水
溶液 30部 水 22部 上記A液およびB液を、それぞれ別々にサンドグライ
ンダー中で平均粒径が1μ以下になるまで分散、粉砕し
た。
次にA液およびB液を下記の割合で混合し感熱記録層
用塗料液を調製した。
A 液 12部 B 液 46部 60%炭酸カルシウム 40部 10%ポリビニルアルコール水溶液 150部 水 18部 次に、上記塗料液を支持体の表面上に、乾燥重量が7g
/m2になるように塗工し、乾燥して感熱記録層を形成し
た。
(3)中間層の形成 下記組成の中間層用塗液を調製した。
10%カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液 100部 30%ポリアミド樹脂 3部 60%カオリン水分散液 70部 水 20部 上記組成の混合物を攪拌機で完全に均一な溶液になる
まで攪拌して、中間層用塗料液を調製した。
この塗料液を感熱発色層上に、乾燥重量が3g/m2にな
るように塗工・乾燥し、1.74μmの表面中心線平均粗さ
Raを有する中間層を形成した。
これによって感熱基体が形成された。
(4)樹脂被覆層の形成 中間層上にポリウレタンアクリレート(商標:BS−552
C、荒川化学工業社製)からなる塗料液を、塗布量が5g/
m2となる様に塗布し、クロムメッキを施し、0.04μmの
中心線平均粗さRaを有する成形面を有するステンレスス
チール製成形板の前記成形板面を塗料液層中に気泡が入
らない様に押し当てながら感熱基体背面から電子線を照
射した。この照射は、エレクトロカーテン型電子線照射
装置を使用175kv 2Mradの線量で行った。硬化した樹脂
被覆層面を成形面から剥離して、電子線硬化樹脂からな
り、かつ平滑な表面を有する樹脂被覆層を有する感熱記
録紙を得た。
この樹脂被覆層の表面の中心線平均粗さRaは0.11μm
であった。
上記感熱記録紙を室温で3日間放置した後、その感
度、地肌カブリ、印字画質、光沢度を評価した。感熱記
録紙の上記特性評価に用いた試験法は下記の通りであ
る。
<感 度> TP−8300(商標:メディカル感熱プリンター、東芝社
製)を用いて供試感熱記録紙上でベタ黒記録により発色
させ、その黒発色画像濃度をマクベス反射濃度計(RD−
514)を用いて、測定した。
<地肌カブリ> ハンター白色度計(アンバーフィルターを使用)を用
いて感熱記録操作を受けた供試記録紙の非画像部分の白
色度を測定し評価した。
<ドットサイズ均一性> 東芝社製16dots/mmサーマルヘッドTPH256R8ヘッドを
装着した感熱記録装置を用いて、供試記録紙上に画像を
記録し、そのドットサイズの均一性を目視により評価し
た。
<光沢度> JIS P8142−1965による紙及び板紙の75度鏡面光沢度
試験方法に従って供試記録紙の光沢度を測定した。
上記各テストの結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1と同一の操作を行った。但し樹脂被覆層を形
成する塗料液を金属製成形基体の0.04μmの中心線平均
粗さRaを有する成形面上に塗布し、この塗布液面に感熱
基体の中間層表面を接触させ押し当てながら、感熱基体
背面側から、電子線照射を施した。得られた感熱記録材
料の樹脂被覆層表面は0.10μmの中心線平均粗さRaを有
していた。
テスト結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1と同様の操作を行った。但し、成形基体とし
てポリプロピレン樹脂製平板を用い、電子線照射を、成
形基体の背面から施した。この成形基体の成形面は、0.
06μmの中心線平均粗さRaを有し、得られた樹脂被覆層
の表面は0.12μmの中心線平均粗さRaを有していた。
得られた感熱記録紙のテスト結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1と同じ操作を行った。但し、金属製成型基体
を用いず、塗料液層に、その表面から直接電子線を照射
した。得られた樹脂被覆層表面の中心線平均粗さRaは1.
02μmであった。得られた感熱記録紙のテスト結果を第
1表に示す。
比較例2 比較例1と同じ操作を行った。但し、樹脂被覆層用塗
料液の塗布量を10g/m2(乾燥重量)とした。得られた樹
脂被覆層表面の中心線平均粗さRaは0.82μmであった。
得られた感熱記録紙のテスト結果を第1表に示す。
比較例3 比較例1と同じ操作を行った。但し、中間層にスーパ
ーカレンダー処理を施して、その表面の中心線平均粗さ
Raを1.21μmとした。得られた樹脂被覆層表面の中心線
平均粗さRaは0.68μmであった。得られた感熱記録紙の
テスト結果を第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明方法により製造さ
れた実施例1〜3の感熱記録紙は感度、画像品質および
光沢度にすぐれ、地肌カブリが少なく、白色度が高いと
いうすぐれた性能を有するものであった。
〔発明の効果〕
本発明方法において表面樹脂層表面を、成形基体の平
滑な成形面を押し当てながら硬化形成することにより、
感度(記録濃度)、画像品質(ドットサイズの均一性)
および光沢度にすぐれ、かつ、地肌カブリの少ない高品
質の感熱記録材料の製造が可能になった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状支持体の1表面上に、実質的に無
    色の発色性染料と、前記染料と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤と、結着剤との混合物を主成分として
    含む感熱記録層を形成し、前記感熱記録層上に、水溶性
    高分子物質を主成分として含む中間層を形成して、感熱
    基体を作成し、前記感熱基体の前記中間層上に樹脂被覆
    層を形成する方法であって、 前記感熱基体が、電子線透過性であり、前記樹脂被覆層
    の形成に際し、前記感熱基体の中間層上に、電子線照射
    により重合硬化するモノマーおよびオリゴマーから選ば
    れた少なくとも1種を含む塗料液を塗布し、この塗料液
    層上に、成形基体の、0.1μm以下の中心線平均粗さRa
    を有する成形表面を押し当てながら、前記感熱基体を通
    して前記塗料液層に電子線を照射して重合硬化した樹脂
    被覆層を形成し、前記成形基体から前記樹脂被覆層を分
    離して、平滑な樹脂被覆層表面を形成することを特徴と
    する感熱記録材料の製造方法。
  2. 【請求項2】シート状支持体の1表面上に、実質的に無
    色の発色性染料と、前記染料と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤と、結着剤との混合物を主成分として
    含む感熱記録層を形成し、次に前記感熱記録層上に、水
    溶性高分子物質を主成分として含む中間層を形成して、
    感熱基体を作成し、更に、前記感熱基体の前記中間層上
    に樹脂被覆層を形成する方法であって、 前記感熱基体の中間層上に、電子線照射により重合硬化
    するモノマーおよびオリゴマーから選ばれた少なくとも
    1種を含む塗料液を塗布し、この塗料液層上に、電子線
    透過性成形基体の、0.1μm以下の中心線平均粗さRaを
    有する成形表面を押し当てながら、前記成形基体を通し
    て前記塗料液層に電子線を照射して重合硬化した樹脂被
    覆層を形成し、前記成形基体から、前記樹脂被覆層を分
    離して平滑な樹脂被覆層表面を形成することを特徴とす
    る感熱記録材料の製造方法。
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