JP2609895B2 - 感熱記録体用オーバーコート剤 - Google Patents

感熱記録体用オーバーコート剤

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JP2609895B2 JP63059067A JP5906788A JP2609895B2 JP 2609895 B2 JP2609895 B2 JP 2609895B2 JP 63059067 A JP63059067 A JP 63059067A JP 5906788 A JP5906788 A JP 5906788A JP 2609895 B2 JP2609895 B2 JP 2609895B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は感熱記録体、特に感熱記録紙に対して優れた
耐水性、耐可塑剤性、耐薬品性、耐スティッキング性、
発色性等を付与し得るオーバーコート剤に関する。
従来の技術及びその課題 無色又は淡色のロイコ染料と該染料を熱時発色させ得
る顕色剤を使用した感熱記録体は広く実用化されてい
る。通常の感熱記録体はロイコ染料とフェノール性物質
等の顕色剤をそれぞれ別々に湿式磨砕機にかけて数μm
以下の微粒子となるまで分散粉砕した後、両者を混合
し、更に結合剤、増感剤、充填剤、滑剤、安定剤、分散
剤、消泡剤等の助剤を添加して塗液とし、紙、フィル
ム、合成紙等の支持体に塗布することによって得られ
る。前記感熱記録体とは加熱されるとロイコ染料及び顕
色剤の一方又は両方が溶融、接触して起こる化学反応に
より発色記録を得るものである。この種の感熱記録体は
印字が容易であり、且つ得られた記録が鮮明であること
等の利点によりファクシミリ、プリンター用の記録体と
して汎用されている。
ところが昨今の情報媒体の多様化に伴ない、定期券の
如き自動発券機用の券紙、POSシステムにおけるバーコ
ード紙、商品等の表示ラベル等への利用等その他の用途
も拡大してきており、これ等新規用途では従来の使用環
境に比べ過酷な条件にさらされることが多くなってき
た。例えばジブチルフタレート等の可塑剤を含有する塩
化ビニル製の定期入れ等に接触した場合には、記録部が
消色したり未記録部が発色したりして記録体としての価
値を低下させることとなるため耐可塑剤性が要求され
る。また、食品用ラベルに使用される場合には耐可塑剤
性に加えて耐水性、耐アルコール性、耐油性、耐食酢性
等が必要とされる。
かかる要求性能を満たすために、支持体上の感熱発色
層の上に水溶性樹脂または非水溶性樹脂エマルジョン等
のオーバーコート剤(例えばスチレン−マレイン酸エス
テル共重合体(特開昭62-280073号)、ポリビニルアル
コール−酢酸ビニルエマルジョン(特開昭61-229590
号)、ポリビニルアルコール−アクリルアミド共重合物
水溶液(特開昭62-278086号)等)を塗布して水、薬品
等の侵入を防止せんとする方法が種々試みられている。
しかしながら、これらの方法によりある程度は前記要求
性能を満たし得るが、耐スティッキング性や発色性はも
とより耐水性、耐可塑剤性及び耐薬品性を到底同時に満
足し得るものではない。
また、従来よりオーバーコート剤は単独では十分な耐
スティッキング性がないため種々の填料、例えば炭酸カ
ルシウム、タルク等の無機顔料や高級脂肪酸、高級脂肪
酸の金属塩又は高級脂肪酸アミド等の滑剤を塗工時に添
加して用いられている。しかしながら、これらの添加剤
を加えることにより塗工液の調製が煩雑になり、更には
塗工液の安定性が悪くなるという問題が生じている。
課題を解決するための手段 本発明は、従来のオーバーコート剤では十分には解決
できなかった諸性能、即ち耐水性、耐可塑剤性、耐薬品
性、耐スティッキング性、発色性等の全ての欠点を改良
することを目的とするものであり、後述する特定のグラ
フト共重合体を有効成分とするオーバーコート剤を用い
ることにより優れた感熱記録体を提供せんとするもので
ある。
即ち本発明は、(i)ショ糖脂肪酸エステル及び水の
存在下でポリビニルアルコールに、単量体(A)(メ
タ)アクリルアミド、単量体(B)(メタ)アクリル酸
メチル及び単量体(C)(メタ)アクリル酸並びに必要
に応じて単量体(D)前記各単量体と共重合しうるその
他の単量体をグラフト共重合せしめてなるグラフト共重
合体エマルジョンを有効成分とする感熱記録体用オーバ
ーコート剤、並びに (ii)ショ糖脂肪酸エステル及び水の存在下でポリビニ
ルアルコールに、単量体(E)(メタ)アクリル酸メチ
ル、単量体(F)(メタ)アクリル酸低級ヒドロキシア
ルキル及び単量体(G)(メタ)アクリル酸並びに必要
に応じて単量体(H)前記各単量体と共重合しうるその
他の単量体をグラフト共重合せしめてなるグラフト共重
合体エマルジョンを有効成分とする感熱記録体用オーバ
ーコート剤に係る。
本発明の感熱記録体用オーバーコート剤(以下、オー
バーコート剤という)はポリビニルアルコール水溶液中
にショ糖脂肪酸エステルを乳化剤として用い、該ポリビ
ニルアルコールに(i)単量体(A)、(B)及び
(C)並びに必要に応じ(D)、または(ii)単量体
(E)、(F)及び(G)並びに必要に応じ(H)をグ
ラフト共重合体させることにより収得でき、得られたオ
ーバーコート剤を使用して初めて本発明の目的を達成し
得るのである。
本発明で使用されるポリビニルアルコールは、特に制
限はされず、水溶性である限り従来公知のいずれをも採
用することができる。即ち、ポリビニルアルコールは部
分ケン化物でもよく、完全ケン化物でもよい。また、シ
リコン変性、カルボキシル変性、アセトアセチル変性等
の変性ポリビニルアルコールでもよい。これらの中でも
重合度が200〜2500程度であり、ケン化度が75〜100%で
ある部分ケン化物又は完全ケン化物が好ましい。ポリビ
ニルアルコールは、得られるオーバーコート剤の造膜
性、耐水性、耐薬品性及び耐可塑剤性に影響を及ぼすた
め、その使用量はこれら性能を考慮して適宜決定され、
通常は後述する単量体の全量100重量部(以下、部とい
う)に対して5〜50部、好ましくは10〜30部とされる。
ここで該使用量が5部に満たない場合はオーバーコート
剤の造膜性、耐薬品性、発色性が低下する傾向があり、
また50部を越える場合はオーバーコート剤の耐水性が低
下すると共に得られる塗液の粘度が上昇する傾向があ
る。
本発明においてグラフト共重合体に供するグラフト錯
単量体は、(i)必須成分たる前記単量体(A)、
(B)及び(C)並びに該必須成分と共重合しうる任意
成分たる単量体(D)からなる単量体、または(ii)必
須成分たる前記単量体(E)、(F)及び(G)並びに
該必須成分と共重合しうる任意成分たる単量体(H)か
らなる単量体を用いる。
まず、単量体(A)、(B)、(C)及び(D)から
なる単量体について説明する。
単量体(A)は、得られるオーバーコート剤の造膜
性、耐薬品性、発色濃度を高める効果があるため必須成
分とされる。単量体(A)の使用量は本発明に用いられ
る単量体の全量100重量%のうち5〜40重量%程度、好
ましくは10〜35重量%とするのがよい。使用量が5重量
%未満の場合は前記性能を発揮し得ず、40重量%を越え
る場合は塗液の粘度が高くなる傾向があり、安定したエ
マルジョンが得られにくくなる。
単量体(B)は、得られるオーバーコート剤の耐水性
を高める効果があるため必須成分とされる。単量体
(B)の使用量は得られるオーバーコート剤の耐水性を
考慮して適宜決定され、本発明に用いられる単量体の全
量100重量%のうち40〜90重量%程度、好ましくは50〜8
0重量%とされる。使用量が40重量%未満の場合は耐水
性が不十分となる傾向があり、90重量%を越える場合は
耐溶剤性が劣る傾向がある。
単量体(C)は、得られるオーバーコート剤の耐薬品
性、発色濃度、特に動的発色時のスティッキング性に影
響を及ぼすため必須成分とされる。単量体(C)の使用
量は前記性能を考慮して適宜決定することができ、通常
は本発明に用いられる単量体の全量100重量%のうち1
〜20重量%、好ましくは1〜15重量%とするのがよい。
使用量が1重量%未満の場合は安定なエマルジョンを得
難くなる傾向があり、また20重量%を越える場合は耐薬
品性が低下する傾向がある。
単量体(D)は、本発明においては任意の単量体成分
とされ、その具体例としては(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。単量体(D)の
使用量は限られるオーバーコート剤が本発明の目的を逸
脱せず、本発明の効果を維持し得る範囲内で適宜決定す
ることができるが、通常は本発明に用いられる単量体の
全量100重量%のうち30重量%程度以下であるのが好ま
しい。
次いで、単量体(E)、(F)、(G)及び(H)か
らなる単量体の群について説明する。
単量体(E)は、得られるオーバーコート剤の耐水性
を高める効果があるため必須成分とされる。単量体
(E)の使用量は本発明に用いられる単量体の全量100
重量%のうち15〜85重量%程度、好ましくは25〜60重量
%とするのがよい。使用量が15重量%未満の場合は耐水
性、耐スティッキング性が低下する傾向があり、85重量
%を越える場合は造膜性の低下に起因して耐薬品性も低
下する傾向がある。
単量体(F)は、得られるオーバーコート剤の耐薬品
性及び耐可塑剤性を高める効果があるため必須成分とさ
れる。単量体(F)の具体例としては(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル等が挙げられる。単量体(F)の使用量
は得られるオーバーコート剤の耐薬品性及び耐可塑剤性
を考慮して決定され、本発明に用いられる単量体の全量
100重量%のうち15〜75重量%程度、好ましくは20〜45
重量%とされる。使用量が15重量%未満の場合は耐薬品
性及び耐可塑剤性が不十分となる傾向がある。75重量%
を越える場合は重合反応時にゲル化を生じたり、生成物
が高粘度化する傾向がある。
単量体(G)は、得られるオーバーコート剤の耐薬品
性、発色濃度及びグラフト重合時のエマルジョンの安定
性に影響を及ぼすため必須成分とされる。単量体(G)
の使用量は前記性能を考慮して適宜決定することがで
き、通常は本発明に用いられる単量体の全量100重量%
のうち5〜50重量%程度、好ましくは10〜30重量%とす
るのがよい。使用量が5重量%未満の場合は安定なエマ
ルジョンを得難くなる傾向があり、また50重量%を越え
る場合は耐水性、エマルジョンの安定性が低下する傾向
がある。
単量体(H)は、本発明においては任意の単量体成分
である。その具体例としては(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリルアミド等が挙
げられる。単量体(H)の使用量は得られるオーバーコ
ート剤が本発明の目的を逸脱せず、本発明の効果を維持
しうる範囲内で適宜決定することができるが、通常は本
発明に用いられる単量体の全量100重量%のうち30重量
%程度以下であるのが好ましい。
本発明では、乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを用
いることが必須とされる。これは本発明では、(i)前
記単量体(A)、(B)及び(C)並びに必要に応じ
(D)、または(ii)単量体(E)、(F)及び(G)
並びに必要に応じ(H)をグラフト共重合せしめるため
に公知のアニオン系、ノニオン系の低分子量の界面活性
剤を用いた場合には、得られるオーバーコート剤の耐水
性、耐スティッキング性が著しく低下し到底本発明の目
的を達成し得ず、ショ糖脂肪酸エステルを用いることに
よってのみ(i)前記単量体(A)、(B)及び(C)
並びに必要に応じ(D)、または(ii)単量体(E)、
(F)及び(G)並びに必要に応じ(H)を微小な油滴
状に乳化させつつ重合反応を行ない、安定なグラフト共
重合体エマルジョンを得ることができる。更には得られ
たグラフト共重合体エマルジョンは填料、添加剤等を加
えることなく耐スティッキング性に優れたオーバーコー
ト剤として使用できる。
ショ糖脂肪酸エステルはショ糖と脂肪酸とのエステル
であり、本発明ではショ糖脂肪酸モノエステルからショ
糖の脂肪酸による完全エステル化物まで各種公知のもの
をいずれも使用しうる。ここに脂肪酸とは炭素数が通常
6〜22個程度、好ましくは10〜20個程度の高級脂肪酸で
あるのがよい。具体的にはカプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、ベヘニン酸等が挙げられる。また、シ
ョ糖脂肪酸エステルのHLB価は特に制限はされないが1
〜16程度、好ましくは5〜16であるのがよい。これはHL
B価が高くなるほど平滑な塗面が得られるためである。
ショ糖脂肪酸エステルの使用量は本発明に用いられる
単量体の全量100部に対して通常1〜30部程度、好まし
くは5〜15部とされる。使用量が1部未満の場合は安定
なエマルジョンを得難く、また耐スティッキング性が低
下する傾向がある。30部を越える場合は重合時に発泡が
多くなり、また耐薬品性が不十分となる傾向がある。
本発明の有効成分であるグラフト共重合体の製造方法
は、特に制限はされず種々の方法を採用することがで
き、例えば下記の方法により容易に製造しうる。反応容
器にポリビニルアルコール、前記の乳化剤であるショ糖
脂肪酸エステル及び水をそれぞれ所定量ずつ仕込み攪拌
して水溶液とした後、(i)前記単量体(A)、(B)
及び(C)並びに必要に応じ(D)、または(ii)単量
体(E)、(F)及び(G)並びに必要に応じ(H)と
ラジカル重合開始剤を加えた同時反応による方法の他、
連続滴下、分割仕込み等の方法により反応系に供給し、
通常、60〜90℃程度、1〜4時間程度の条件下で反応を
行ない重合を完結させる。重合時の単量体の濃度は前記
したいずれかの重合方法においてはもちろん、他のいか
なる方法においても特に制限されないが、通常は反応混
合溶液中10〜50重量%程度、好ましくは15〜40重量%で
ある。また、ラジカル重合開始剤は特に制限はされず、
過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の
公知の水溶性のものを適宜選択して使用でき、その使用
量は本発明に用いられる単量体の全量100部に対して通
常0.1〜5部程度である。尚、ラジカル重合開始剤のほ
かに還元剤を併用してレドックス系としてもよく、また
重合度を調節して所望の粘度とするためにメルカプタン
類の如き連鎖移動剤を使用することもできる。
本発明のオーバーコート剤の有効成分である、前述の
ようにして得られたグラフト共重合体エマルジョンは、
前記の如く自動発売機用の券紙、POSシステムのバーコ
ード紙等の各種感熱記録体に対するオーバーコート剤と
してそのまま適用することができ、優れた耐水性、耐薬
品性、耐可塑剤性、耐スティッキング性及び感熱発色層
の発色性を低下させない特性等を発揮しうるが、必要に
よりポリアミドポリアミン樹脂のエピクロルヒドリン変
性物、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂等の公知の耐水化
剤をグラフト共重合体エマルジョンと併用して耐水性を
更に改良することができる。また、本発明では前記グラ
フト共重合体エマルジョンのみで耐スティッキング性に
優れたオーバーコート剤が得られるが、耐スティッキン
グ性をより向上させるために高級脂肪酸、高級脂肪酸ア
ミド、高級脂肪酸金属塩等を添加して耐スティッキング
性をより向上させることができる。耐水化剤の使用量は
グラフト共重合体エマルジョン100部に対して通常は5
〜30部程度(固形分比)であるのが好ましく、前記の高
級脂肪酸金属塩等の使用量はグラフト共重合体エマルジ
ョン100部に対して通常5〜20部程度(固形分比)であ
るのが好ましい。
本発明のオーバーコート剤を感熱記録体に塗工する際
の濃度及び粘度は特に制限はされないが、通常はそれぞ
れ10〜30重量%程度、50〜500cps程度、pH4.5〜9.5程度
であるのが好ましい。塗布方法は特に制限はされない
が、通常はワイヤーバー、ブレードーコーター、エアナ
イフコーター、ロールコーター等を用いることができ
る。また、塗布量も制限されず、感熱記録体の種類等を
勘案して適宜決定しうるが、通常は該オーバーコート剤
の固形分付着量が0.5〜15g/m2程度の範囲となるよう調
節するのが好ましい。
乾燥は、オーブン、ドラムドライヤー等の公知の乾燥
装置を用いて行なえばよい。
本発明のオーバーコート剤が適用される感熱記録体と
しては従来公知のものをそのまま採用できる。即ち、該
記録体とは、支持体上にロイコ染料及び顕色剤を各種結
合剤を使用して結合せしめて得られる感熱層を有する記
録体であって、前記の如く自動発売機用の券紙、POSシ
ステムのバーコード紙、商品等の表示ラベル等の各種感
熱記録体である。
前記結合剤としては、ポリビニルアルコール、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
メトキシセルロース、カルボキシ変性ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デンプン
及びその誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子化合
物及びスチレン−ブタジエンラテックス等の水不溶性樹
脂が挙げられる。
ロイコ染料としては、各種公知のものを採用でき、分
子内にラクトン環を有するラクトン系とラクトン環を有
さない非ラクトン系のいずれをも使用でき、殊にトリフ
エニルメタン系及びフルオラン系のラクトン化合物が好
適である。
フルオラン系化合物としては、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−(メチルシクロヘキシルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(エチルイソ
ベンジルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリ
ノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−(p−フルオロアニリノ)−3−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(p−トルイジノエチルアミノ)フルオラン、2−(p
−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−(o−フルオロアニリノ)−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−(o−フルオロアニリ
ノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ピペリジノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−エトキ
シエチルアミノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン等が
挙げられ、トリアリールメタン系化合物としては、3,3
−ビス−(p−ジメチルアミノフェノール)−6−ジメ
チルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラ
クトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェノー
ル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェノール)
−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)
フタリド等が挙げられ、これらのロイコ染料は単独もし
くは混合して用いられる。
また顕色剤としては、p−オクチルフェノール、p−
tert−ブチルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、4,4−チオビスフェノール、4,4−
スルホニルジフェノール、ビス(3−アリル−4−ヒド
ロキシフェニル)−スルホン、ノボラック型フェノール
樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、4−ヒドロキ
シフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメ
チル、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α
−メチルベンジルサリチル酸等が挙げられるが、芳香族
カルボン酸に於てはその多価金属塩を用いてもよい。
充填剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、水酸化アルミニウ
ム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク、表面
処理したカルシウムやシリカの無機系微粉末の他、尿素
−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機系微粉末
を挙げることができる。
その他の添加物質としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド等の滑剤、各
種の界面活性剤、消泡剤、乳化剤、安定剤、増感剤等の
助剤が必要に応じて加えられる。
感熱発色層を設ける支持体としては、紙、合成紙、フ
ィルム等が用いられる。
実施例 以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳し
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
実施例1 撹拌機及び還流冷却器を付した反応装置に、重合度11
00の完全ケン化ポリビニルアルコール(以下、PVA110と
いう)40重量部(以下、部という)及び水560部を仕込
み、加熱下に攪拌して溶解させ水溶液とした。この水溶
液にアクリルアミド20部、メタクリル酸メチル75部、メ
タクリル酸5部を加え、更にショ糖脂肪酸エステル
(「リョートーシュガーエステルS1570」、HLB価15、三
菱化成食品(株)製)10部を加え室温にて30分間攪拌乳
化を行なった。次いで、重合開始剤として過硫酸アンモ
ニウム1.0部を加え、80℃まで昇温し2時間保温して反
応を完結させた後、アンモニア中和を行なってグラフト
共重合体エマルジョン750部を得た。このものの不揮発
分は20重量%、pHは6.2、25℃における粘度は300cpsで
あった。
つづいて該エマルジョンのみからなるオーバーコート
剤を市販感熱紙(キャノン感熱紙G III用、秤量60g/
m2)上に固形分付着量が3.0〜4.0g/m2になるように塗布
及び乾燥を行ない、感熱発色層をオーバーコート剤でコ
ートした感熱記録紙(以下、感熱記録紙という)を得
た。以上のようにして得た感熱記録紙に下記のように印
字を行なった。
動的印字……感熱紙発色試験装置「TH-PMD」(大倉電気
(株)製)を用いて印字した。
静的印字……「アイロンテスターNo.137」(安田精機製
作所(株)製)を用いて印字した。
印字した感熱記録紙の発色性、耐水性、耐可塑剤性、
耐スティッキング性、耐溶剤性について下記の方法に従
って性能試験を行なった。その結果を第2表に示す。
[発色性] 印字した感熱記録紙の印字部分の発色濃度(動的、静
的)をサクラ濃度計「PDA65」を用いて測定した。ま
た、地肌部濃度をサクラ濃度計「PDA65」を用いて発色
濃度と同様にして測定した。
[耐水性] 印字後の感熱記録紙を20℃の水に24時間浸漬させたと
きの退色と浸漬後の下地の膜強度を観察した。
試験結果の評価 A:良好 B:やや良好 C:不良 [耐可塑剤性] 印字後の感熱記録紙の印字部にフタル酸ジオクチルを
刷毛で塗り2時間後の退色の程度から判定した。
試験結果の評価 A:良好 B:やや良好 C:不良 [耐スティッキング性] 感熱紙発色試験装置で印字させた時に生じるスティッ
キング音で判断した。
試験結果の評価 A:スティッキング音なし B:スティッキング音ほとんどなし C:スティッキング音がかなりあり [耐溶剤性] 赤色フェルトペン(ぺんてる(株)製)を地肌部に塗
りにじみ方から判定した。
試験結果の評価 A:全然にじまない B:少しにじむ C:裏面までにじむ 実施例2〜13及び比較例1〜3 ポリビニルアルコール、乳化剤、単量体(A)、
(B)及び(C)必要に応じ(D)の種類、使用量を第
1表に示すように代えたほかは実施例1と同様にして感
熱記録紙を製造し、実施例1と同様の性能試験に供し
た。得られたオーバーコート剤の組成及び性質を第1表
に示し、感熱記録体の性能試験の結果を第2表に示す。
第1表中〜は次のものを示す。
日本合成化学工業(株)製、アセトアセチル化ポリ
ビニルアルコール (株)クラレ製、完全ケン化ポリビニルアルコール ショ糖脂肪酸エステル(「リョートーシュガーエス
テルS570」、HLB価5、三菱化成食品(株)製) ショ糖脂肪酸エステル(「リョートーシュガーエス
テルS1570」、HLB価15、三菱化成食品(株)製) ショ糖脂肪酸エステル(「リョートーシュガーエス
テルP1570」、HLB価15、三菱化成食品(株)製) S1570/S570=1/1(重量比)混合物 第一工業製薬(株)製、ノニオン系乳化剤(ポリプ
ロピレングリコールポリエチレングリコールエーテル) また、第1表中、AMはアクリルアミド、MMAはメタア
クリル酸メチル、MAAはメタクリル酸、AAはアクリル酸
を示す。
実施例14〜24及び比較例4、5 ポリビニルアルコール、乳化剤、単量体(E)、
(F)及び(G)必要に応じ(H)の種類、使用量を第
3表に示すように代えたほかは、実施例1と同様にして
感熱記録紙を製造し、実施例1と同様の性能試験に供し
た。得られたオーバーコート剤の組成及び性質を第3表
に示し、感熱記録体の性能試験の結果を第4表に示す。
第3表中MMAはメタクリル酸メチル、HEAはアクリル酸
2−ヒドロキシエチル、MAAはメタクリル酸を示す。
また、〜は第1表と同じ。は、第一工業製薬
(株)製のアニオン系乳化剤(ジアルキルスルホコハク
酸エステルソーダ塩)である。
発明の効果 特定乳化剤の存在下に、ポリビニルアルコールと特定
単量体をグラフト重合させて得られる本発明のオーバー
コート剤は、種々の感熱記録体に適用でき、特に感熱記
録紙に対して優れた耐水性、耐薬品性、耐スティッキン
グ性、発色性等を付与しうるため、従来のオーバーコー
ト剤を塗布して得られる感熱記録体に比して今日の要請
に合致した優れた感熱記録体を提供しうる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ショ糖脂肪酸エステル及び水の存在下でポ
    リビニルアルコールに、単量体(A)(メタ)アクリル
    アミド、単量体(B)(メタ)アクリル酸メチル及び単
    量体(C)(メタ)アクリル酸並びに必要に応じて単量
    体(D)前記各単量体と共重合しうるその他の単量体を
    グラフト共重合せしめてなるグラフト共重合体エマルジ
    ョンを有効成分とする感熱記録体用オーバーコート剤。
  2. 【請求項2】グラフト共重合体エマルジョンが単量体の
    全量100重量%のうち単量体(A)を5〜40重量%、単
    量体(B)を40〜90重量%及び単量体(C)を1〜20重
    量%並びに単量体(D)を0〜30重量%グラフト共重合
    せしめてなるグラフト共重合体エマルジョンである請求
    項1記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  3. 【請求項3】ショ糖脂肪酸エステル及び水の存在下でポ
    リビニルアルコールに、単量体(E)(メタ)アクリル
    酸メチル、単量体(F)(メタ)アクリル酸低級ヒドロ
    キシアルキル及び単量体(G)(メタ)アクリル酸並び
    に必要に応じて単量体(H)前記各単量体と共重合しう
    るその他の単量体をグラフト共重合せしめてなるグラフ
    ト共重合体エマルジョンを有効成分とする感熱記録体用
    オーバーコート剤。
  4. 【請求項4】グラフト共重合体エマルジョンが単量体の
    全量100重量%のうち単量体(E)を15〜85重量%、単
    量体(F)を15〜75重量%及び単量体(G)を5〜50重
    量%並びに単量体(H)を0〜30重量%グラフト共重合
    せしめてなるグラフト共重合体エマルジョンである請求
    項3記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  5. 【請求項5】ポリビニルアルコールが単量体の全量100
    重量部に対して5〜50重量部用いられてなる請求項1〜
    4のいずれかに記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  6. 【請求項6】ショ糖脂肪酸エステルが単量体の全量100
    重量部に対して1〜30重量部用いられてなる請求項1〜
    4のいずれかに記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  7. 【請求項7】ショ糖脂肪酸エステルのHLB価が1〜16で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録体用オー
    バーコート剤。
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