JP2001151975A - 不織布用バインダー - Google Patents

不織布用バインダー

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JP2001151975A
JP2001151975A JP33574599A JP33574599A JP2001151975A JP 2001151975 A JP2001151975 A JP 2001151975A JP 33574599 A JP33574599 A JP 33574599A JP 33574599 A JP33574599 A JP 33574599A JP 2001151975 A JP2001151975 A JP 2001151975A
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JP
Japan
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copolymer
polymerization
emulsion
nonwoven fabric
monomer
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JP33574599A
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English (en)
Inventor
Misao Nakamura
みさを 中村
Toshihiro Inoue
利洋 井上
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた湿潤強度を有し、ホルマリンの発生が
ない不織布を与える不織布用バインダーを提供するこ
と。 【解決手段】 重合度550のポリビニルアルコールで
分散安定化された、スチレン単位49重量%、アクリル
酸エチル単位50重量%及びメタクリル酸単位1重量%
から成る単量体混合物から得られる共重合体のエマルシ
ョンであって、その表面張力が47mN/mであり、分
散安定化に使用した該ポリビニルアルコールの一部が該
共重合体にグラフトしていて、共重合体にグラフト結合
した該ポリビニルアルコールの、該ポリビニルアルコー
ルがグラフト結合した共重合体と該ポリビニルアルコー
ルがグラフト結合していない共重合体との合計量に対す
る比率(グラフト率)が、3.7重量%である共重合体
のエマルションから成る不織布用バインダーを使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布の製造に好
適に使用される不織布用バインダーに関する。さらに詳
しくは、特定の化合物で分散安定化された、(共)重合
体のエマルションを有効成分とする不織布用バインダー
に関する。本発明の不織布用バインダーは、人体に有害
なホルマリンを発生することがなく、しかも得られる不
織布は湿潤強度その他の特性に優れている。
【0002】
【従来の技術】不織布は、洋服芯地、和服芯地、下着等
の衣類や、フィルター、研磨布、断熱材等の工業資材
や、マスク、ガーゼ、白衣等の衛生材料等として広く利
用されている。この不織布を製造するためのバインダー
としては、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、
エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、スチレン−ブタジエン系共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体等が知られて
おり、これらの重合体の水性分散液に、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を添加し
たバインダー組成物として用いられる。また、不織布用
バインダーとして広く用いられるポリアクリル酸エステ
ル系重合体は、その主原料であるアクリル酸エステル系
単量体が、容易に各種の単量体と共重合するため、例え
ば、N−メチロールアクリルアミド等の架橋性を有する
官能性単量体を共重合させて、上記熱硬化性樹脂併用が
不要な自己架橋性のバインダーとして用いられることが
多い。
【0003】上記のバインダーないしバインダー組成物
は、加熱により、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂又は自
己架橋性官能基に縮合反応を起こさせることによって、
分子内又は分子間で架橋を生じさせるものである。この
ような架橋により、得られる不織布の、引張強度、伸
び、引裂強度、硬さなどの機械的特性が向上するととも
に、寸法安定性、耐水性、耐薬品性、耐熱性などの性能
が改善される。ところが、この架橋反応により得られる
不織布の風合いが硬くなるという問題がある。更に重大
なことは、メラミン樹脂やN−メチロールアクリルアミ
ド等のメチロール基の縮合を利用する架橋系では、有害
なホルマリン(ホルムアルデヒド)が発生することであ
る。製造中に生成されるホルマリンの大部分は、乾燥工
程等で揮散するものの、相当量が製品である不織布に残
留し、また未反応のまま残存するメチロール基等がその
後徐々に架橋反応を起こして製品中でホルマリンを発生
するため、衣類や衛生材料への使用は不適当である。従
って、ホルマリンが残留し又は発生せず、しかも、各種
特性に優れた不織布を得ることができる不織布用バイン
ダーが求められている。
【0004】ところで、不織布用バインダーは、通常、
界面活性剤を使用した乳化重合によって製造される。と
ころが、この界面活性剤を使用する乳化重合によって得
た水性エマルションは、放置安定性、機械的安定性、化
学的安定性、凍結融解安定性、顔料混和性等の分散安定
性が不十分であり、また、界面活性剤のマイグレーショ
ンにより、最終製品の各種機械的特性等が低下するとい
う問題がある。更に、一般に、界面活性剤を使用して得
られる水性エマルションは、低粘度であるために、高粘
度化が要求される用途においては、増粘剤の添加や不飽
和酸の共重合によるアルカリ増粘が必要であり、これに
より、最終製品の湿潤時強度低下等の問題が生じる。
【0005】一方、ポリビニルアルコールやヒドロキシ
エチルセルロース等の水溶性高分子化合物を乳化分散安
定剤として乳化重合を行うことが知られている。この方
法によれば、機械的安定性、化学的安定性その他の各種
分散安定性に優れ、また、重合処方により所望の粘度を
有するエマルションを得ることができる。
【0006】しかしながら、このような水溶性高分子化
合物を用いて重合できるのは、ラジカル反応性の大きい
酢酸ビニルや塩化ビニルに限られており、上記不織布等
の用途において接着剤として使用されるアクリル酸エス
テル系単量体、芳香族ビニル系化合物単量体、共役ジエ
ン系単量体等に適用しても、安定なエマルションが得ら
れないという問題があった。
【0007】このため、このような水溶性高分子を用い
て安定なエマルションを得る方法が、種々検討されてい
る(例えば、特開昭60−197229号公報、特開平
8−81665号公報、特開平8−325312号公
報、特開平8−104703号公報等)。しかしなが
ら、これらの方法は、特殊な変性ポリビニルアルコール
または特定の重合度を有するポリビニルアルコールを使
用するため、経済的に不利であったり、また、得られる
ポリマーの分子量が低下し、ポリマー強度が低下したり
するという問題点を抱えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、強度等の各種特性に優れた不織布が得ら
れ、良好な機械的安定性や各種添加剤との混和安定性を
有し、しかも、ホルマリンを発生することのない不織布
用バインダーを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、水性媒体中、アル
コールの存在下で、特定の水溶性高分子化合物を反応系
に添加しながら、特定の重合開始剤を使用して、アクリ
ル酸エステル系単量体等より成る単量体混合物を重合す
ることによって、各種分散安定性に優れる水性エマルシ
ョンを得ることができること、この水性エマルションは
特に湿潤時強度等に優れる不織布用バインダーとなりう
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0010】かくして、本発明によれば、アクリル酸エ
ステル系単量体単位、メタクリル酸エステル系単量体単
位、芳香族ビニル系単量体単位及び共役ジエン系単量体
単位よりなる群から選ばれた1種の単量体単位から成る
単独重合体又は該単量体単位群から選ばれた少なくとも
1種の単量体単位を主成分とし、重合体に対して0.5
〜8重量%の酸基含有単量体単位を有する共重合体のエ
マルションであって、その表面張力が50mN/m以下
であり、アルコール性水酸基を含有する重量平均分子量
2,000以上の水溶性高分子化合物で分散安定化され
ていて、分散安定化に使用した該アルコール性水酸基を
含有する水溶性高分子化合物の少なくとも一部が該単独
重合体又は共重合体にグラフトしていて、単独重合体又
は共重合体にグラフト結合した該アルコール性水酸基を
含有する水溶性高分子化合物の、該アルコール性水酸基
を含有する水溶性高分子化合物がグラフト結合した単独
重合体又は共重合体と該アルコール性水酸基を含有する
水溶性高分子化合物がグラフト結合していない単独重合
体又は共重合体との合計量に対する比率(グラフト率)
が、0.5〜30重量%である共重合体のエマルション
から成る不織布用バインダーが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の不織布用バインダーを構
成する重合体の調製に用いられる単量体は、(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル系単量体及び
共役ジエン系単量体よりなる群から選ばれた1種の単量
体、又は、これらの単量体の少なくとも1種を主成分と
する単量体混合物である。なお、本明細書において、
(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸
を総称して指す。
【0012】本発明で使用する(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体に、特に限定はない。前記(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ド
デシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、エチレ
ングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0013】本発明で使用する芳香族ビニル系単量体
に、特に限定はない。前記芳香族ビニル系単量体の具体
例としては、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロ
ルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、
モノメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、ビニルトルエン、p−スチレンスルホン酸及び
そのナトリウム塩やカリウム塩などが挙げられる。
【0014】本発明で使用する共役ジエン系単量体に、
特に限定はない。前記共役ジエン系単量体の具体例とし
ては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
クロル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキ
サジエン類などが挙げられる。
【0015】本発明の不織布用バインダーを構成する共
重合体において、酸基含有単量体単位が0.05〜8重
量%含有されていることが必要である。その量は、好ま
しくは0.1〜5重量%、更に好ましくは、0.2〜3
重量%である。この酸基含有単量体単位の存在により、
重合時の凝集物発生量が低下し、得られるエマルション
の機械的安定性が向上する等の利点がある。使用量が上
記下限より低いと効果がなく、逆に上限より多いとエマ
ルションの粘度が上昇しすぎて取り扱いが困難になる、
湿潤強度が低下する等の不利が生じる恐れがある。酸基
含有単量体は、カルボン酸基、スルホン酸基等の硫黄含
有酸基、リン酸基等のリン含有酸基のいずれでもよい
が、入手のし易さ等からカルボン酸基含有単量体が、通
常、用いられる。カルボン酸基含有単量体の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸等の一価のカルボン
酸;フマール酸、マレイン酸、イタコン酸の多価カルボ
ン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の多価カルボ
ン酸無水物;マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノブ
チルなどの多価カルボン酸の部分エステル等をあげるこ
とができる。
【0016】本発明においては、共重合体の主成分とな
る(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル
系単量体及び共役ジエン系単量体並びにこれらと共重合
させる酸基含有単量体のほかに、これらと共重合可能な
その他の単量体を使用することができる。これらその他
の単量体は、前記主成分となる単量体等と共重合可能な
ものであれば特に限定されず、不織布の用途等を勘案し
て選択すればよい。これらその他の単量体は本発明の目
的、効果を損なわない範囲内において、通常、全単量体
の50重量%未満の範囲で使用することができる。
【0017】上記その他の単量体の具体例としては、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデンなどハロゲン化ビニル単量体;ギ酸ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、酢酸イソプロペニルなどのカルボン
酸ビニルエステル単量体;エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブテンなどのオレフィン系単量体;メチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプ
ロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、
ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量
体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニ
トリル類;酢酸アリル、酢酸メタリル、塩化アリル、塩
化メタリルなどのアリル化合物及びメタリル化合物;フ
マール酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジ
イソプロピルなどの不飽和多価カルボン酸のエステル;
ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;
ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンなどを挙げるこ
とができる。
【0018】本発明においては、N−メチロールアクリ
ルアミド等のホルマリン発生源となる単量体は使用しな
いのが好ましいが、少量の使用であれば、ホルマリン捕
捉剤等の添加により発生量を抑制する事は不可能ではな
い。
【0019】本発明の不織布用バインダーにおいて、こ
れを構成する共重合体は、その用途等に応じて適宜最適
組成を選択すればよい。例えば、衣料用不織布用バイン
ダーとしては、風合いに優れドライクリーニング等にお
ける耐溶剤性等に優れる(メタ)アクリルエステル系共
重合体が好ましい。
【0020】本発明の不織布用バインダーは、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル系単量
体単位及び共役ジエン系単量体単位より選ばれた1種の
単量体単位からなる単独重合体又は該単量体単位群から
選ばれた少なくとも1種の単量体単位を主成分とする共
重合体をその主構成成分とするが、その重合時に分散安
定化剤として添加したアルコール性水酸基含有水溶性高
分子化合物の少なくともその一部が該単独重合体又は該
共重合体にグラフト結合している。本発明の不織布用バ
インダーの優れた安定性は、このグラフト結合されたア
ルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物によるものと
考えられる。
【0021】アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物がグラフト結合した(共)重合体の比率は、アルコー
ル性水酸基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合した
(共)重合体とアルコール性水酸基含有水溶性高分子化
合物がグラフト結合していない(共)重合体との合計量
に基づき、0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重
量%、更に好ましくは5〜10重量%である。この比率
が0.5重量%未満では、湿潤強度が悪くなる。30重
量%を超えると、エマルションの粘度が高くなり取り扱
いが困難になり、また、得られる繊維製品の風合いが硬
くなる問題が生じ、粘度を低くする為に重合濃度を低く
すると生産性が悪くなる。
【0022】なお、本発明の不織布用バインダーを構成
する水性エマルション中に存在する遊離のアルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物と、アルコール性水酸基
含有水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重合体と
は、例えば、遠心分離によって、分離することができ
る。すなわち、遊離のアルコール性水酸基含有水溶性高
分子化合物は水層中に残り、アルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物がグラフト結合した共重合体は、沈殿
する。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物がグ
ラフト結合した共重合体は、例えば、これをさらに過酸
化物ラジカルで処理をすることにより不溶化して、該水
溶性高分子化合物がグラフト結合していない共重合体と
分離することができる。ここで、アルコール性水酸基含
有水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重合体中の
該水溶性高分子化合物の量は、例えば、水酸基をアセチ
ル化するなどの手法により適切な誘導体に変換した後、
例えば、NMRなどにより分析することができる。
【0023】本発明の不織布用バインダーを構成する共
重合体の水性エマルションは、好適には、以下のように
して製造することができる。即ち、水性媒体(水又は水
と所望により併用するアルコールなどの水溶性有機溶媒
との混合物をいう。)中において、分解して過酸化物ラ
ジカルを発生する重合開始剤を用いて、アルコール及び
アルコール性水酸基を含有する重量平均分子量2,00
0以上の水溶性高分子化合物(以下、「アルコール性水
酸基含有水溶性高分子化合物」という。)の存在下で、
単量体を重合させる。
【0024】上記の水性エマルションの製造プロセスで
は、重合をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の存在下で行うことが重要である。界面活性剤を用いた
乳化(共)重合又は後乳化法によって得られた水性エマ
ルションに該水溶性高分子化合物を後添加する方法や乳
化(共)重合以外の方法で得られた(共)重合体又はそ
れらの水溶液を水に後乳化(強制乳化又は自己乳化)分
散させる時に分散剤としてアルコール性水酸基含有水溶
性高分子化合物を用いる方法で得られるエマルション
は、各種の安定性が上記方法で得られたものよりも遥か
に劣る。
【0025】上記の水性エマルションの製造プロセスで
は、重合の進行と並行して単量体を反応系に添加してい
くことが重要である。単量体の全量を重合初期に一括し
て重合容器に投入して重合を開始する方法では、反応系
が不安定化するなどの問題が生じるので、望ましくな
い。
【0026】また、上記の水性エマルションの製造プロ
セスでは、重合の進行と並行してアルコール性水酸基含
有水溶性高分子化合物を反応系に添加していくことが重
要である。
【0027】単量体とアルコール性水酸基含有水溶性高
分子化合物とは、それぞれ別々に添加しても、単量体、
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物及び水を混
合して得られる単量体乳化物の形態で添加しても構わな
い。単量体とアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に
開始するのが望ましい。単量体のみが先に多量に添加さ
れると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加される
と重合系が増粘する、又は凝集物が発生しやすくなるな
どの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同
時である必要はないがほぼ同時であることが望ましい。
単量体及びアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の添加は、連続的又は断続的に行われる。
【0028】重合の開始は、即ち、単量体の存在下にお
ける開始剤ラジカルの発生は、アルコールの存在下に行
われることが必須である。重合開始時にアルコールを系
中に存在させるためには、重合開始剤添加前に反応容器
にアルコールを添加しておく、アルコールを重合開始剤
の溶媒又はその一部として重合系に添加する等の方法を
採用することができる。重合の開始が、アルコールの不
存在下、かつ、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化
合物の存在下に行われると、重合系が凝集する等の問題
が起きる。また、上記水性エマルションの製造方法にお
いては、重合の進行をアルコールの存在下に行うことが
各種安定性に優れたエマルションを得るために必須であ
る。
【0029】上記の水性エマルションの製造方法におい
て、アルコールを存在させない場合又はアルコールの使
用量が過少である場合は、安定性に優れた水性エマルシ
ョンを得ることができない。アルコールの存在により水
性エマルションの安定性が向上する理由は、本願発明を
何ら限定するものではないが、以下のような機構による
と解される。すなわち、過酸化物ラジカルは、アルコー
ル性水酸基含有水溶性高分子化合物から水素を容易に引
き抜いて、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
ラジカルを生成する。また、過酸化物ラジカルは、アル
コールから水素を引き抜いて、アルコールラジカルを生
成する。この過酸化物ラジカルによるアルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物ラジカルの生成速度とアルコ
ールラジカルの生成速度とでは、アルコールラジカルの
生成速度の方が圧倒的に大きい。このため、アルコール
の不存在下では、過酸化物ラジカルによって生成したア
ルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジカル同士
の結合により容易に不溶化物が生じるのに対して、アル
コールの存在下では、アルコール性水酸基含有水溶性高
分子化合物が反応するよりも速くアルコールが過酸化物
ラジカルと反応して、アルコールラジカルが生成するた
めアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジカル
の生成が抑制される。従って、アルコール性水酸基含有
水溶性高分子化合物ラジカル同士の結合による不溶化物
の生成が抑制される。これにより、重合反応系の不安定
化が起こり難くなると考えられる。
【0030】本発明において使用しうるアルコールは、
格別限定されることはなく、1価及び多価のいずれでも
よいが、水溶性のものが好ましい。このようなアルコー
ルの具体例としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセロールなどを挙げること
ができる。
【0031】上記重合においては、重合開始剤として、
過酸化物ラジカルを発生するものを使用することが必須
である。過酸化物ラジカルとは、過酸化物のO−O結合
が切断して生成する構造を有するラジカルをいう。過酸
化物ラジカルを発生する重合開始剤の具体例としては、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など
の水溶性過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイドなどの油溶性過酸化物;過酸化物と重亜硫酸水
素ナトリウムなどの各種還元剤との組み合わせによるレ
ドックス系開始剤などを挙げることができるが、中でも
水溶性過酸化物が好適であり、過硫酸塩が特に好適であ
る。これら重合開始剤の使用量は、単量体100重量部
に対して、通常、0.05〜3重量部、好ましくは0.
1〜2重量部である。過酸化物ラジカルを発生すること
のない上記以外の重合開始剤を使用した場合は安定性に
優れた水性エマルションを得ることができない。
【0032】重合開始剤の添加方法には特に制限はない
が、重合開始前の重合容器に全量を投入する方法や、重
合開始前の重合容器に一部を投入して重合を開始した
後、残部をある特定の時期に追加添加する方法、重合開
始前に重合容器に一部を投入して重合を開始した後、残
部を単量体やアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物の添加と並行して連続的又は断続的に重合系に添加す
る方法などを採り得る。
【0033】本発明においては、重合時の分散安定化剤
として、重量平均分子量2,000以上のアルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物を使用することが必要で
ある。重量平均分子量が2,000未満では、重合を安
定的に行うことができない。アルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール及びその各種変性物などのビニルアルコール系重合
体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マ
レイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロー
ス、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキ
シアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロース
などのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシル
メチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴ
ム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどを
挙げることができる。中でも、工業的に品質が安定した
ものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体
が好ましい。
【0034】前記ビニルアルコール系重合体は、実質的
に水溶性であって安定なエマルションが得られるもので
あれば、その他の条件には制限はなく、ビニルエステル
系単量体を主体とするビニル系単量体を従来公知の方法
で重合して得たビニルエステル系重合体(すなわち、ビ
ニルエステル系単量体の単独重合体、2種以上のビニル
エステル系単量体の共重合体、及びビニルエステル系単
量体と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体)を常
法によりけん化して得られる。また、分子の主鎖、側鎖
又は末端にメルカプト基などの変性基を導入したものを
使用できる。前記ビニルエステル系単量体はラジカル重
合可能なものであればいずれも使用でき、その具体例と
しては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、酢酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン
酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安
息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどを挙げることができる。なかでも工業的に製造
され安価な酢酸ビニルが一般的である。
【0035】また、ビニルエステル系単量体と共重合可
能な単量体を共存させ、共重合することも可能である。
これら共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;ア
クリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメ
ット酸又は無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルな
どのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどの
メタクリル酸エステル類;フマール酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピルなどの不飽和
カルボン酸エステル;メチルビニルエーテル、n−プロ
ピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n
−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、
t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、
ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル
類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、
塩化アリルなどのアリル化合物;エチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン
酸基含有化合物;ビニルトリメトキシシランなどのビニ
ルシラン化合物;及び3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4
級アンモニウム基を有する単量体などを挙げることがで
きる。
【0036】前記ビニルエステル系重合体のけん化度
は、変性基の有無及びその種類に依存して変るが、得ら
れるビニルアルコール系重合体の水溶性などの観点か
ら、40〜99.99モル%であることが好ましく、5
0〜99.9モル%がより好ましく、60〜99.5モ
ル%がさらに好ましい。けん化度が40モル%未満の場
合には粒子の分散安定性が低下する。前記ビニルエステ
ル系重合体の粘度平均重合度は、通常、50〜8,00
0、好ましくは100〜6,000、より好ましくは1
00〜5,000である。前記重合度が50未満の場
合、重合安定性が不十分であり、また重合度が8,00
0を越えるとエマルションの粘度が非常に高くなり、エ
マルション製造時の除熱が困難になるなどの問題があ
る。
【0037】アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物の使用量は、単量体100重量部当たり0.5〜10
0重量部であり、好ましくは0.5〜50重量部、さら
に好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満
では、重合時の安定性が悪く凝集物が多量に発生する、
得られるエマルションの機械的安定性及び化学的安定性
が低下する、皮膜強度が低下するなどの問題があり、1
00重量部を超えて使用すると、重合系の粘度上昇によ
る反応熱除去が困難になる、得られるエマルションの粘
度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となる、さらには、
エマルションから形成した皮膜の耐水性が低下するとい
った問題が起きる。
【0038】乳化重合において、ノニオン性、アニオン
性、カチオン性又は両性界面活性剤などの通常使用され
る各種の乳化剤を使用することも可能ではあるが、得ら
れる水性エマルションを不織布用バインダーとして使用
したときの強度等を勘案すると、できる限り少量とする
のが好ましい。
【0039】重合に使用する水性媒体100重量部に対
する単量体の量は、特に制限されないが、通常10〜7
0重量部、好ましくは20〜50重量部である。単量体
の添加速度は、特に制限はないが、反応中の重合転化率
が10重量%以上を保つように制御するのが好ましい。
反応途中の好ましい重合転化率は20重量%以上、さら
に好ましくは30重量%以上である。単量体の添加速度
が速すぎると重合転化率が低くなり、粗大粒子が発生し
やすくなる。逆に、遅すぎると、重合系の粘度が上昇し
やすくなる。通常、単量体及びアルコール性水酸基含有
水溶性高分子化合物の添加に要する時間は、1時間以上
であり、好ましくは2時間以上、20時間以下である。
【0040】重合温度は特に制限はないが通常、0〜1
00℃、好ましくは5〜95℃である。単量体添加終了
後、必要ならば、重合をさらに続行して所望の重合転化
率に到達した後、重合を停止する。重合の停止は、重合
停止剤を添加するか又は単に重合系を冷却することによ
って行うことができる。また、重合終了後に、所望によ
り、未反応の単量体を除去することができる。上記以外
の重合条件や重合方法には特に制限はなく、各種の従来
公知の乳化重合方法を採用することができる。
【0041】重合に際しては、必須ではないが、連鎖移
動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、連
鎖移動が起こるものであれば特に制限はなく、例えば、
n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメル
カプタンなどのメルカプタン、チオグリコール酸、チオ
リンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどの
メルカプト基を有する化合物;ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファ
イドなどのキサントゲン化合物;α−メチルスチレンダ
イマー、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテ
ン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、
1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンなどの
α−メチルスチレンダイマー類;ターピノレン;テトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなど
のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、スチレン化フェノールなどのフェノー
ル系化合物;アリルアルコール、アクロレイン、メタク
ロレインなどのアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロ
モメタン、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭
化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベン
ジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアク
リルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタ
ン、ペンタフェニルエタン;などを挙げることができ
る。
【0042】これらの中では、連鎖移動の効率の点でメ
ルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカプト基を
有する化合物としては、炭素数50以下の化合物が好ま
しく、炭素数30以下の化合物がより好ましく、炭素数
20以下の化合物が特に好ましく、具体的には、n−オ
クチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、2
−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸
などが挙げられる。
【0043】連鎖移動剤を使用する場合、その添加量
は、単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5
重量部である。連鎖移動剤が、0.01重量部未満で
は、重合安定性向上効果が小さく実用的ではない。ま
た、5重量部を越える場合には、重合安定性が低下する
うえ、得られる重合体の分子量が著しく低下し、エマル
ションの各種物性の低下が起こる。連鎖移動剤の添加方
法は、特に限定されず、一括添加しても、断続的に又は
連続的に重合系に添加してもよい。本発明で使用する水
性エマルションに、可塑剤、消泡剤などの助剤を重合時
又は重合後に併用することは何ら差し支えない。
【0044】本発明の不織布用バインダーは、その表面
張力が50mN/m以下であることが必要である。不織
布用バインダーには、その使用時に繊維との濡れがよい
ことが求められる。ところが、上記の重合法によって得
られた水性エマルションは、重合時に界面活性剤を使用
しないときは、その表面張力は、通常、50mN/m以
上と高い。従って、必要ならば、重合後に、界面活性剤
等を添加してその表面張力を50mN/m以下にする。
【0045】界面活性剤としては、特に限定されず、ア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤及び両性界面活性剤のいずれをも使用する
ことができる。その種類の選択は、目的とする不織布の
用途等に応じて決定すればよい。その使用量は、不織布
用バインダーの表面張力を50mN/m以下にできる量
であればよく、できる限り、少量であるのが好ましい。
使用量が多くなると、製品不織布の湿潤時強度等に影響
を及ぼす恐れがある。
【0046】アニオン性界面活性剤の例としては、高級
アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールスルホン酸塩、ポリリン酸塩などを、ノニオ
ン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール
のアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型又
はアルキルエーテル型のものなどを、カチオン性界面活
性剤の例としては、脂肪族アミン塩及びその4級アンモ
ニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アン
モニウム塩などを、両性界面活性剤の例としては、カル
ボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリン誘導体を挙げることができる。これら
の乳化剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよ
い。
【0047】本発明の不織布用バインダーに使用する水
性エマルションは、その平均粒径が0.05〜5μm、
好ましくは0.2〜2μmである。また、そのpH8に
おける機械的安定性は、マーロン安定性試験における発
生凝固物量が0.1重量%以下であって、非常に優れて
いる。このため、不織布製造工程において、バインダー
付着量を調整するための絞りロール等においてもガムア
ップ等の問題を生じない。また、本発明の不織布用バイ
ンダーに使用する水性エマルションは、優れた化学的安
定性を有している。特に2価の無機塩に対する安定性
は、非常に優れており、例えば、30重量%の固形分濃
度で同量の30重量%塩化カルシウム水溶液を添加混合
しても凝固しない。本発明のエマルションの塩化カルシ
ウム化学的安定性指数は、20以上、好ましくは30以
上である。このため、不織布製造時において、各種副資
材を添加するときに凝固物を発生させる等の問題がな
い。塩化カルシウム化学的安定性指数については、後述
する。
【0048】本発明の不織布用バインダーを適用できる
繊維は、特に限定されず、有機繊維又は無機繊維のいず
れでもよく、有機繊維としては、パルプ、羊毛、木綿、
麻、絹等の天然繊維;ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、
ポリフェニルフェニレン繊維、ポリイミド繊維、ポリ塩
化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリフルオロ
ビニリデン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポ
リカーボネート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ
パラフェニレンテレフタレート繊維、再生セルロース繊
維等の合成繊維を、無機繊維としては、ガラス繊維、各
種セラミックス繊維、カーボン繊維等を例示することが
できる。
【0049】不織布の製造に当たって、本発明の水性エ
マルションを適用する形態としては、含浸、塗布、スプ
レー等を例示することができるが、これらに限定されな
い。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるも
のではない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に
ことわりのない限り、それぞれ「重量%」及び「重量
部」を示す。なお、ラテックスの重量は固形分換算であ
る。また、実施例中の粒径は重量平均粒径である。
【0051】また、各種試験データの測定法は下記のと
おりである。 (1)重量平均粒子径(μm) コールターLS230(コールター社製粒子径測定機)
で測定する。 (2)グラフト率(%) 重合で得られた水性エマルションの固形分濃度を10%
に調整して、その60gを試料とする。試料を5℃×1
3,000rpm×60分の条件で遠心分離し、上澄み
液を40g回収する。沈降層(20g)に蒸留水40g
を添加して均一にした後、同一条件で再度遠心分離し
て、上澄み液40gを回収し、沈降層について再度同一
操作を繰り返す。3回の遠心分離で得られた上澄み液合
計120gの固形分を測定し、上澄み液中の固形分量を
計算する。これが、単独重合体又は共重合体にグラフト
しなかったアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の量(A)である。試料中のアルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物の重量(B)[単独重合体又は共重合
体にグラフトしたアルコール性水酸基含有水溶性高分子
化合物と単独重合体又は共重合体にグラフトしていない
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物との和]か
ら(A)を差し引いて、単独重合体又は共重合体にグラ
フトしたアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の
量(C)を得る。本発明において、グラフト率とは、該
アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子化合物がグ
ラフト結合した単独重合体又は共重合体の重量(グラフ
ト結合した該アルコール性水酸基を含有する水溶性高分
子化合物の重量を除く。)と該アルコール性水酸基を含
有する水溶性高分子化合物がグラフト結合していない単
独重合体又は共重合体の重量との合計量に対する、単独
重合体又は共重合体にグラフトしたアルコール性水酸基
含有水溶性高分子化合物の重量の比率をいう。即ち、グ
ラフト率は、下記式で与えられる。 グラフト率=〔C/(6−B)〕×100(%) (3)B型粘度(mPa・s) 固形分濃度35%、pH8.0に調整したエマルション
をブルックフィールズ粘度計を用いて、25℃において
1分間回転させた後、粘度を測定した。
【0052】(4)表面張力(mN/m) 固形分濃度30%の重合体エマルションについて、オー
トテンションメーター(Type6801ES:離合社
製)を用いて20℃で測定する。
【0053】(5)化学的安定性(塩化カルシウム化学
的安定性指数) エマルションを100メッシュ金網で濾過した後、固形
分濃度を30%に調整する。次に、これと同量の濃度3
0%の塩化カルシウム水溶液を添加・撹拌した後、再び
100メッシュ金網で濾過して、金網に固形物があるか
否かを観察する。各種濃度の塩化カルシウム水溶液を用
いて同様の試験を繰り返し、凝固物が発生しなかった塩
化カルシウム水溶液の最高濃度(X)を、化学的安定性
指数とする。この数値が高い方が化学的安定性がよい。
上記試験は、塩化カルシウム化学的安定性指数である
が、電解質の種類を変えて、例えば塩化ナトリウム化学
的安定性指数なども求めることができる。
【0054】(6)機械的安定性(%) pHを8±0.1に調整したエマルションを100メッ
シュ金網で濾過した後、固形分濃度を30%に調整す
る。これを100メッシュ金網で濾過した後、マーロン
式機械的安定性試験に供する。条件は、回転数1000
rpm、加重15kg、10分間である。試験後のエマ
ルションを100メッシュ金網で濾過し、金網上に濾取
された凝集物を乾燥後、秤量して凝集物発生量を求め、
この供試エマルション固形分重量に対する割合(%)を
求める。
【0055】不織布に関する具体的評価方法は以下のと
おりである。 (1)不織布の作製条件 パルプウェブの一片面に固形分濃度5%のポリマーエマ
ルションをスプレー含浸して、140℃で3分間乾燥さ
せた。他の片面にも同様の操作を行った後、20℃、湿
度65%の恒温恒湿室で一晩調湿して不織布を得た。得
られた不織布中のポリマー含有量は、9g/mであっ
た。この不織布を2.5cm×13cmに裁断し、試験
片とした。 (2)不織布の常態強度測定法 上記試験片について、次の測定条件により、テンシロン
(オリエンテック株式会社製:RTC−1225A)を
用いて、引張り試験を行い、最大点応力を測定した。 測定環境:20℃、65%相対湿度 クロスヘッド速度:200mm/分 (3)不織布の湿潤強度測定法 上記試験片を常温の水道水に30分間浸漬した後に、
(2)と同様の条件で引張り試験を行い、最大点応力を
測定した。
【0056】(4)ホルマリン量の測定 (ア)試料溶液の作成 試料不織布を約1cm角の大きさに裁断して、その
約2.5gを精秤する。 これを200ミリリットルのガラス製共栓フラスコに
投入する。 これに蒸留水100ミリリットルを添加して密栓し、
40℃の恒温槽中で、時々振り混ぜながら、1時間抽出
処理する。 これを、ガラスフィルターG2を用いて濾過し、試験
溶液とする。 (イ)測定溶液作成 酢酸アンモニウム15gに適量の蒸留水を加えて溶
解する。これに、氷酢酸0.3ミリリットル及びアセチ
ルアセトン0.2ミリリットルを加え、更に蒸留水を加
えて、100ミリリットルとし、アセチルアセトン溶液
とする。 フラスコに、試料溶液及びアセチルアセトン溶液を、
それぞれ5ミリリットルピペットで測り取り、40℃の
恒温槽中に30分間静置して、発色反応を起こさせる。 その後、恒温槽から取り出し、室温下に30分間静置
して、これを測定溶液(a)とする。 同様に、試料溶液と蒸留水とから、測定溶液(b)を
調製する。 同様に、アセチルアセトン溶液と蒸留水とから、測定
溶液(c)を調製する。 (ウ)ホルマリン量の測定 分光光度計を用いて、測定溶液(c)を対照として
測定溶液(a)の、波長413nmにおける吸光度Aを
測定する。 同様に、蒸留水を対照として測定溶液(b)の吸光度
を測定する。(エ)ホルマリン量の計算 下記の計算式により、ホルマリン量を測定する。 ホルマリン量(ppm)=K×(A−A)/As×E
/W 但し、 K:ホルマリンの標準液濃度(4μg/ミリリットル) As:ホルマリン標準液の吸光度(0.495) E:液量(100ミリリットル) W:試料不織布重量(上記(ア))
【0057】(製造例1)脱イオン水90部に、スチレ
ン49部、アクリル酸エチル50部及びメタクリル酸1
部よりなる単量体混合物及びポリビニルアルコール(P
VA−205、クラレ社製、重合度550、けん化度8
8.5モル%)5部を混合、撹拌して、単量体乳化物を
得た。別途、還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹
込口、撹拌機を備えたガラス製反応容器に、蒸留水57
部及びエタノール8部を装入して温度を60℃に昇温
し、60℃を維持した状態で、過硫酸カリウム0.5部
を脱イオン水10部に溶解した開始剤溶液を添加した。
2分後に反応容器に前記単量体乳化物の添加を開始し、
4時間かけて添加を終了した。添加終了後、さらに2時
間撹拌を継続した後、冷却して反応を終了させた。この
時の重合転化率は97%、粒径は0.3μmであった。
これに、ポリマーに対して1%のソルビタンモノラウレ
ート(ノニオン界面活性剤、花王社製、エマゾールL−
10(F))を添加し、濃度を調整して、固形分濃度3
5%、B型粘度95mPa・s、表面張力47mN/m
のエマルション(a)を得た。得られたエマルションの
固形分濃度を10%に調整し、その60gを用いて、グ
ラフト率を求めた。なお、遠心分離器としては、国産遠
心機社製H−2000Aを使用した。回収した上澄み液
合計液の固形分濃度は0.14%、回収上澄み液中に分
離された総固形分量0.084gであった。サンプル6
0g中の水溶性高分子保護コロイド(ポリビニルアルコ
ール)量Bは、6g×(5/(97+5))=0.29
4g。これから、グラフト率は、下記式のとおり、3.
7%となる。 (0.294−0.084)/(6−0.294)×1
00=3.7% なお、この実験において、使用したポリビニルアルコー
ルのうち、共重合体にグラフトしたものの割合(グラフ
ト効率)は71%である(下記式)。 ((0.294−0.084)/0.294)×100
=71%
【0058】(製造例2〜5)単量体組成、アルコール
性水酸基含有水溶性高分子化合物の種類もしくは量又は
後添加する界面活性剤の種類もしくは量を表1に示すよ
うに変えるほかは、実施例1と同様にして、エマルショ
ン(b)〜(e)を得た。なお、PVA220Eは、ク
ラレ社製、重合度2050、けん化度88モル%のポリ
ビニルアルコールである。これらのエマルションの特性
を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に示す。
【0059】(製造例6)窒素吹き込み口を備えた耐圧
オートクレーブに、脱イオン水90部、メタクリル酸メ
チル49部、メタクリル酸1部、t−ドデシルメルカプ
タン1部、ポリビニルアルコール(PVA−205、ク
ラレ社製、重合度550、けん化度88.0モル%)4
部を仕込み、窒素置換を行った後、ブタジエン50部を
耐圧計量器より圧入して、混合、撹拌して単量体乳化物
を得た。別途、窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オ
ートクレーブに、脱イオン水57部、エタノール8部を
仕込み、窒素置換後、60℃に昇温し、60℃を維持し
た状態で、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部
に溶解した開始剤溶液を圧入し、直ちに前記単量体乳化
物を5時間かけて添加した。添加終了後、さらに3時間
撹拌を継続した後、冷却して反応を終了させた。この時
の重合転化率は95%、粒径は0.35μmであった。
これに、ポリマーに対して1%のソルビタンモノラウレ
ート(ノニオン界面活性剤、花王社製、エマゾールL−
10(F))を添加し、濃度を調整して、固形分濃度3
5%、B型粘度255mPa・s、表面張力43mN/
mのスチレン−ブタジエン共重合体エマルション(f)
を得た。得られたエマルション(f)について実施例1
と同様の評価を行った。この結果を表1に示す。
【0060】(比較製造例1)[通常の界面活性剤によ
るエマルションの例(1)] PVA205に代えてラウリル硫酸ナトリウムを使用し
たほかは製造例2と同様にして、エマルション(g)を
得た。得られたエマルションについて製造例1と同様の
評価を行った。この結果を表1に示す。
【0061】(比較製造例2)[通常の界面活性剤によ
るエマルションの例(2)] 単量体組成を表に示すようにN−メチロールアミドを必
須成分として使用するように変更したほかは、比較製造
例1と同様にして、エマルション(h)を得た。得られ
たエマルションについて製造例1と同様の評価を行っ
た。この結果を表1に示す。
【0062】(比較製造例3)[PVA使用。低グラフ
ト率エマルションの例] ラウリル硫酸ナトリウム3部を併用したほかは製造例1
と同様にして、エマルション(i)を得た。得られたエ
マルションについて製造例1と同様の評価を行った。こ
の結果を表1に示す。
【0063】(実施例1〜6,比較例1〜3)エマルシ
ョン(a)〜(i)を用いて、不織布を作成し、その強
度、ホルマリン量を測定した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1の評価結果から、通常のアニオン性界
面活性剤を乳化剤として使用して得たエマルション
(g)を使用して得た不織布(比較例1)は、常態強度
は良好であるが、湿潤強度が非常に低いことが分かる。
また、同様に通常のアニオン性界面活性剤を乳化剤とし
て使用して、N−メチロールアクリルアミドを単量体成
分に使用して得たエマルション(h)を使用して得た不
織布(比較例2)は、比較例1の不織布に比べて、湿潤
強度は改良されるものの、多量のホルマリンを発生する
ことが分かる。また、水溶性高分子化合物のグラフト率
が本発明の規定範囲より低いエマルション(i)を使用
して得た不織布(比較例3)は、比較例1に比べて湿潤
強度が僅かによいに過ぎず、湿潤強度は劣る。これに対
して、本発明の不織布用バインダーを用いた実施例1〜
6の不織布は、常態強度に対する湿潤強度の比率が非常
に高い、即ち、湿潤時でも強度が低下しないことがわか
る。また、本発明の不織布用バインダーを用いて得られ
た不織布は、ホルマリンを発生しないことが分かる。
【0066】
【発明の効果】かくして本発明によれば、湿潤強度に優
れ、ホルマリンの発生がない不織布を与える不織布用バ
インダーを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AB014 AD004 AH004 BB124 BC07W BD044 BD104 BD144 BD154 BE02X BE024 BG04W BG05W BG06W BG104 BN123 CE004 CF004 CF164 CG004 CL004 CM044 DA016 DL006 DM006 FA044 FA046 FD310 GK02 4J026 AA01 AA02 AA30 AA38 AB20 BA04 BA13 BA27 BB02 DB04 DB08 DB40 GA06 4L047 AB10 BC05 BC07 CB01 CC01 CC03 CC08 CC12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸エステル系単量体単位、メタ
    クリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体
    単位及び共役ジエン系単量体単位よりなる群から選ばれ
    た1種の単量体単位から成る単独重合体又は該単量体単
    位群から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を主成分
    とし、重合体に対して0.5〜8重量%の酸基含有単量
    体単位を有する共重合体のエマルションであって、その
    表面張力が50mN/m以下であり、アルコール性水酸
    基を含有する重量平均分子量2,000以上の水溶性高
    分子化合物で分散安定化されていて、分散安定化に使用
    した該アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子化合
    物の少なくとも一部が該単独重合体又は共重合体にグラ
    フトしていて、単独重合体又は共重合体にグラフト結合
    した該アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子化合
    物の、該アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子化
    合物がグラフト結合した単独重合体又は共重合体と該ア
    ルコール性水酸基を含有する水溶性高分子化合物がグラ
    フト結合していない単独重合体又は共重合体との合計量
    に対する比率(グラフト率)が、0.5〜30重量%で
    ある共重合体のエマルションから成る不織布用バインダ
    ー。
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