JP2001146582A - 水性エマルション接着剤 - Google Patents
水性エマルション接着剤Info
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Abstract
接着性、耐熱クリープ性、耐水性に優れる上、高い初期
接着力及び接着強度を兼ね備えた、特に木、紙、布、プ
ラスチックなどの異種または同種材料の接着に好適に用
いられる水性エマルション接着剤を提供すること。 【解決手段】 アクリル酸エステル系単量体単位、メタ
クリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体
単位及び共役ジエン系単量体単位よりなる群から選ばれ
た1種の単量体単位から成る単独重合体又は該単量体単
位群から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を主成分
とする共重合体の水性エマルション接着剤であって、ア
ルコ−ル性水酸基を含有する重量平均分子量2,000
以上の水溶性高分子化合物で分散安定化されており、分
散安定化に使用した該アルコ−ル性水酸基を含有する水
溶性高分子化合物の少なくとも一部が該単独重合体又は
共重合体にグラフトしていて、そのグラフト率が0.5
〜30重量%であることを特徴とする共重合体のエマル
ションから成る水性エマルション接着剤。
Description
着剤に関し、さらに詳しくは、耐熱クリープ性や耐水性
に優れるとともに接着強度が高く、特に木、紙、布、プ
ラスチックなどの異種または同種材料の接着に好適に用
いられる水性エマルション接着剤に関する。
ラスチックなどの同種材料または異種材料間の接着剤と
しては、水を媒体とすることから本質的に無公害であ
り、かつ、高固形分である割に適当な流動特性を有し、
しかも作業性に優れるなどの特徴を有する水性エマルシ
ョンが賞用されている。中でも、ポリビニルアルコール
(PVA)を保護コロイドとする乳化重合法によって製
造されている酢酸ビニル樹脂エマルションやエチレン−
酢酸ビニル樹脂エマルションなどは、優れた流動特性と
接着性能(初期接着性、接着強度)及び耐熱クリープ性
を有しているため、主として紙工用や木工用接着剤とし
て多く用いられている。しかしながら、上記酢酸ビニル
系エマルションは、塩化ビニル樹脂をはじめとするプラ
スチックへの接着性、耐水性が不充分であるという欠点
を有している。更に、酢酸ビニルエマルションの場合、
酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度が高いために、こ
れに主として支配される最低造膜温度(MFT)も高く
なる。この結果、酢酸ビニル系接着剤を用いて低温で接
着を行おうとする場合、接着温度において接着剤を造膜
させるためには、可塑剤や造膜助剤などが必要となるこ
とがある。また、高温では、皮膜の軟化が起こるため、
一般に耐熱性は発現しにくい。
なガラス転移温度の設定の観点からは、(メタ)アクリ
ル酸エステル(本発明において、アクリル酸及びメタア
クリル酸を総称して(メタ)アクリル酸ということがあ
る。同様に、(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル
酸エステル及びメタアクリル酸エステルの総称であ
る。)、ジエン系単量体、スチレン系単量体から得られ
た単独あるいは共重合体樹脂エマルションが望ましい。
しかしながら、これらのエマルションは、PVAを保護
コロイドとした乳化重合では安定的に得ることができ
ず、専ら界面活性剤を用いた乳化重合により製造されて
いる。そのため、所望の粘度、粘性を有するエマルショ
ンを得ることが難しく、しかも、得られた樹脂エマルシ
ョンは、初期接着力が発現しにくい、皮膜強度が低い、
耐熱クリープ性が低いなどの多くの問題点を有してい
る。
事情のもとで、適度の流動特性(粘度)を有し、プラス
チックへの接着性、耐熱クリープ性、耐水性に優れ、更
に、初期接着力及び接着強度の高い水性エマルション接
着剤を提供することを目的としてなされたものである。
ましい性質を有する水性エマルション接着剤を開発すべ
く鋭意研究を重ねた結果、アクリル酸エステル系単量体
単位等から成る単独重合体又は共重合体の水性エマルシ
ョンであって、アルコ−ル性水酸基を含有する水溶性高
分子化合物で分散安定化されており、分散安定化に使用
した該アルコ−ル性水酸基を含有する水溶性高分子化合
物の少なくとも一部が該単独重合体又は共重合体にグラ
フトしていて、そのグラフト率が特定の範囲にある水性
エマルションを用いることにより、上記課題が達成され
ることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成す
るに至った。
ル系単量体単位、メタクリル酸エステル系単量体単位、
芳香族ビニル系単量体単位及び共役ジエン系単量体単位
よりなる群から選ばれた1種の単量体単位から成る単独
重合体又は該単量体単位群から選ばれた少なくとも1種
の単量体単位を主成分とする共重合体の水性エマルショ
ン接着剤であって、アルコ−ル性水酸基を含有する重量
平均分子量2,000以上の水溶性高分子化合物で分散
安定化されており、分散安定化に使用した該アルコ−ル
性水酸基を含有する水溶性高分子化合物の少なくとも一
部が該単独重合体又は共重合体にグラフトしていて、そ
のグラフト率が0.5〜30重量%であることを特徴と
する共重合体のエマルションから成る水性エマルション
接着剤が提供される。
においては、分散質として、(メタ)アクリル酸エステ
ル単位、ジエン系単量体単位及びスチレン系単量体単位
の中から選ばれた少なくとも一種の単量体単位から成る
単独重合体又は該単量体単位群から選ばれた少なくとも
1種の単量体単位を主成分とする共重合体が使用され
る。該単独重合体または共重合体は、ガラス転移温度が
−50〜+100℃、好ましくは−40〜+50℃の範
囲にあることが、望ましい。このガラス転移温度が10
0℃より高い場合は、接着に際して皮膜化するときに高
温を必要とし、実用的でない。また、−50℃よりも低
い場合には、皮膜が柔軟になりすぎて、接着強度が充分
に発揮されない。
調製に用いられる単量体は、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体、芳香族ビニル系単量体及び共役ジエン系単
量体よりなる群から選ばれた1種の単量体、又は、これ
らの単量体の少なくとも1種を主成分とする単量体混合
物である。
テル系単量体に、特に限定はない。前記(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ド
デシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル及びこれらの四級化物、エチレ
ングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
は、特に限定されず、その具体例としては、スチレン、
α−メチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルス
チレン、トリクロルスチレン、モノメチルスチレン、ジ
メチルスチレン、トリメチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩やカ
リウム塩などが挙げられる。
体にも、特に限定はなく、その具体例としては、1,3
−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,
3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,
3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、置換直鎖共役
ペンタジエン類、置換及び側鎖共役ヘキサジエン類など
が挙げられる。
る(メタ)アクリル酸エステル系単量体、芳香族ビニル
系単量体及び共役ジエン系単量体のほかに、これらと共
重合可能なその他の単量体を使用することができる。こ
れらその他の単量体は、前記主成分となる単量体と共重
合可能なものであれば特に限定されない。これらその他
の単量体は本発明の目的、効果を損なわない範囲内にお
いて、通常、全単量体の50重量%未満の範囲で使用す
ることができる。
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデンなどハロゲン化ビニル単量体;ギ酸ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、酢酸イソプロペニルなどのカルボン
酸ビニルエステル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、
フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、マレイン酸ブチル、イタコン酸ブ
チルなどの不飽和モノカルボン酸又は多価カルボン酸も
しくはその部分エステル;エチレン、プロピレン、1−
ブテン、イソブテンなどのオレフィン系単量体;メチル
ビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプ
ロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、
ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量
体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニ
トリル類;酢酸アリル、酢酸メタリル、塩化アリル、塩
化メタリルなどのアリル化合物及びメタリル化合物;フ
マール酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、イタコン酸ジ
イソプロピルなどの不飽和多価カルボン酸の塩又はその
エステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリ
ル化合物;ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンなど
を挙げることができる。
タ)アクリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル系
単量体単位及び共役ジエン系単量体単位より選ばれた1
種の単量体単位からなる単独重合体又は該単量体単位群
から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を主成分とす
る共重合体のエマルションから成り、重合時に分散安定
化剤として添加したアルコール性水酸基含有水溶性高分
子化合物の少なくともその一部が該単独重合体又は該共
重合体にグラフト結合している。本発明の水性エマルシ
ョン接着剤の優れた安定性は、このグラフト結合された
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物によるもの
と考えられる。
有する水溶性高分子化合物がグラフト結合した単独重合
体又は共重合体の重量(グラフト結合した該アルコール
性水酸基を含有する水溶性高分子化合物の重量を除
く。)と該アルコール性水酸基を含有する水溶性高分子
化合物がグラフト結合していない単独重合体又は共重合
体の重量との合計量に対する、単独重合体又は共重合体
にグラフトした該アルコール性水酸基含有水溶性高分子
化合物の重量の比率を、グラフト率という。
5〜30重量%であることが必要であり、好ましくは1
〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。
このグラフト率が0.5重量%未満では、耐水強度が悪
くなる。30重量%を超えると、エマルションの粘度が
高くなり取り扱いが困難になり、また、耐熱クリープ性
が低下する問題が生じ、粘度を低くする為に重合濃度を
低くすると生産性が悪くなる。
のアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物と、アル
コール性水酸基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合
した共重合体とは、例えば、遠心分離によって、分離す
ることができる。即ち、遊離のアルコール性水酸基含有
水溶性高分子化合物は水層中に残り、アルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重合体
は、沈殿する。アルコール性水酸基含有水溶性高分子化
合物がグラフト結合した共重合体は、例えば、これをさ
らに過酸化物ラジカルで処理をすることにより不溶化し
て、該水溶性高分子化合物がグラフト結合していない共
重合体と分離することができる。ここで、アルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物がグラフト結合した共重
合体中の該水溶性高分子化合物の量は、例えば、水酸基
をアセチル化するなどの手法により適切な誘導体に変換
した後、例えば、NMRなどにより分析することができ
る。
適には、以下のようにして製造することができる。即
ち、水性媒体(水又は水と所望により併用するアルコー
ルなどの水溶性有機溶媒との混合物をいう。)中におい
て、分解して過酸化物ラジカルを発生する重合開始剤を
用いて、アルコール及びアルコール性水酸基を含有する
重量平均分子量2,000以上の水溶性高分子化合物
(以下、「アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物」という。)の存在下で、単量体を重合させる。
は、重合をアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の存在下で行うことが重要である。界面活性剤を用いた
乳化(共)重合又は後乳化法によって得られた水性エマ
ルションに該水溶性高分子化合物を後添加する方法や乳
化(共)重合以外の方法で得られた(共)重合体又はそ
れらの水溶液を水に後乳化(強制乳化又は自己乳化)分
散させる時に分散剤としてアルコール性水酸基含有水溶
性高分子化合物を用いる方法で得られるエマルション
は、各種の安定性が上記方法で得られたものよりも遥か
に劣る。
は、重合の進行と並行して単量体を反応系に添加してい
くことが重要である。単量体の全量を重合初期に一括し
て重合容器に投入して重合を開始する方法では、反応系
が不安定化するなどの問題が生じるので、望ましくな
い。
セスでは、重合の進行と並行してアルコール性水酸基含
有水溶性高分子化合物を反応系に添加していくことが重
要である。
分子化合物とは、それぞれ別々に添加しても、単量体、
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物及び水を混
合して得られる単量体乳化物の形態で添加しても構わな
い。単量体とアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物とを別々に添加する場合は、両者の添加をほぼ同時に
開始するのが望ましい。単量体のみが先に多量に添加さ
れると凝集物が発生しやすく、逆に、アルコール性水酸
基含有水溶性高分子化合物のみが先に多量に添加される
と重合系が増粘する、又は凝集物が発生しやすくなるな
どの問題が起きやすい。両者の添加終了は、必ずしも同
時である必要はないがほぼ同時であることが望ましい。
単量体及びアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の添加は、連続的又は断続的に行われる。
ける開始剤ラジカルの発生は、アルコールの存在下に行
われることが必須である。重合開始時にアルコールを系
中に存在させるためには、重合開始剤添加前に反応容器
にアルコールを添加しておく、アルコールを重合開始剤
の溶媒又はその一部として重合系に添加する等の方法を
採用することができる。重合の開始が、アルコールの不
存在下、かつ、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化
合物の存在下に行われると、重合系が凝集する等の問題
が起きる。また、上記水性エマルションの製造方法にお
いては、重合の進行をアルコールの存在下に行うことが
各種安定性に優れたエマルションを得るために必須であ
る。
て、アルコールを存在させない場合又はアルコールの使
用量が過少である場合は、安定性に優れた水性エマルシ
ョンを得ることができない。アルコールの存在により水
性エマルションの安定性が向上する理由は、本願発明を
何ら限定するものではないが、以下のような機構による
と解される。即ち、過酸化物ラジカルは、アルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物から水素を容易に引き抜
いて、アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジ
カルを生成する。また、過酸化物ラジカルは、アルコー
ルから水素を引き抜いて、アルコールラジカルを生成す
る。この過酸化物ラジカルによるアルコール性水酸基含
有水溶性高分子化合物ラジカルの生成速度とアルコール
ラジカルの生成速度とでは、アルコールラジカルの生成
速度の方が圧倒的に大きい。このため、アルコールの不
存在下では、過酸化物ラジカルによって生成したアルコ
ール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジカル同士の結
合により容易に不溶化物が生じるのに対して、アルコー
ルの存在下では、アルコール性水酸基含有水溶性高分子
化合物が反応するよりも速くアルコールが過酸化物ラジ
カルと反応して、アルコールラジカルが生成するためア
ルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物ラジカルの生
成が抑制される。従って、アルコール性水酸基含有水溶
性高分子化合物ラジカル同士の結合による不溶化物の生
成が抑制される。これにより、重合反応系の不安定化が
起こり難くなると考えられる。
格別限定されることはなく、1価及び多価のいずれでも
よいが、水溶性のものが好ましい。このようなアルコー
ルの具体例としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセロールなどを挙げること
ができる。アルコールの使用量は単量体100重量部に
対して1〜50重量部、好ましくは3〜20重量部であ
る。
過酸化物ラジカルを発生するものを使用することが必須
である。過酸化物ラジカルとは、過酸化物のO−O結合
が切断して生成する構造を有するラジカルをいう。過酸
化物ラジカルを発生する重合開始剤の具体例としては、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など
の水溶性過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイドなどの油溶性過酸化物;過酸化物と重亜硫酸水
素ナトリウムなどの各種還元剤との組み合わせによるレ
ドックス系開始剤などを挙げることができるが、中でも
水溶性過酸化物が好適であり、過硫酸塩が特に好適であ
る。これら重合開始剤の使用量は、単量体100重量部
に対して、通常、0.05〜3重量部、好ましくは0.
1〜2重量部である。過酸化物ラジカルを発生すること
のない上記以外の重合開始剤を使用した場合は安定性に
優れた水性エマルションを得ることができない。
が、重合開始前の重合容器に全量を投入する方法や、重
合開始前の重合容器に一部を投入して重合を開始した
後、残部をある特定の時期に追加添加する方法、重合開
始前に重合容器に一部を投入して重合を開始した後、残
部を単量体やアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合
物の添加と並行して連続的又は断続的に重合系に添加す
る方法などを採り得る。
として、重量平均分子量2,000以上のアルコール性
水酸基含有水溶性高分子化合物を使用することが必要で
ある。重量平均分子量が2,000未満では、重合を安
定的に行うことができない。アルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール及びその各種変性物などのビニルアルコール系重合
体;酢酸ビニルとアクリル酸、メタクリル酸又は無水マ
レイン酸との共重合体のけん化物;アルキルセルロー
ス、ヒドロキシアルキルセルロース、アルキルヒドロキ
シアルキルセルロース、カルボキシルメチルセルロース
などのセルロース誘導体;アルキル澱粉、カルボキシル
メチル澱粉、酸化澱粉などの澱粉誘導体;アラビアゴ
ム、トラガントゴム;ポリアルキレングリコールなどを
挙げることができる。中でも、工業的に品質が安定した
ものを入手しやすい点から、ビニルアルコール系重合体
が好ましい。
に水溶性であって安定なエマルションが得られるもので
あれば、その他の条件には制限はなく、ビニルエステル
系単量体を主体とするビニル系単量体を従来公知の方法
で重合して得たビニルエステル系重合体(即ち、ビニル
エステル系単量体の単独重合体、2種以上のビニルエス
テル系単量体の共重合体、及びビニルエステル系単量体
と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体)を常法に
よりけん化して得られる。また、分子の主鎖、側鎖又は
末端にメルカプト基などの変性基を導入したものを使用
できる。前記ビニルエステル系単量体はラジカル重合可
能なものであればいずれも使用でき、その具体例として
は、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢
酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸
ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビニルな
どを挙げることができる。なかでも工業的に製造され安
価な酢酸ビニルが一般的である。
能な単量体を共存させ、共重合することも可能である。
これら共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;ア
クリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメ
ット酸又は無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルな
どのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどの
メタクリル酸エステル類;フマール酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、イタコン酸ジイソプロピルなどの不飽和
カルボン酸エステル;メチルビニルエーテル、n−プロ
ピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n
−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、
t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、
ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル
類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリル、
塩化アリルなどのアリル化合物;エチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン
酸基含有化合物;ビニルトリメトキシシランなどのビニ
ルシラン化合物;及び3−アクリルアミドプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミド
プロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4
級アンモニウム基を有する単量体などを挙げることがで
きる。
は、変性基の有無及びその種類に依存して変るが、得ら
れるビニルアルコール系重合体の水溶性などの観点か
ら、40〜99.99モル%であることが好ましく、5
0〜99.9モル%がより好ましく、60〜99.5モ
ル%がさらに好ましい。けん化度が40モル%未満の場
合には粒子の分散安定性が低下する。前記ビニルエステ
ル系重合体の粘度平均重合度は、通常、50〜8,00
0、好ましくは100〜6,000、より好ましくは1
00〜5,000である。前記重合度が50未満の場
合、重合安定性が不十分であり、また重合度が8,00
0を越えるとエマルションの粘度が非常に高くなり、エ
マルション製造時の除熱が困難になるなどの問題があ
る。
物の使用量は、単量体100重量部当たり0.5〜10
0重量部であり、好ましくは0.5〜50重量部、さら
に好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部未満
では、重合時の安定性が悪く凝集物が多量に発生する、
得られるエマルションの機械的安定性及び化学的安定性
が低下する、皮膜強度が低下するなどの問題があり、1
00重量部を超えて使用すると、重合系の粘度上昇によ
る反応熱除去が困難になる、得られるエマルションの粘
度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となる、さらには、
エマルションから形成した皮膜の耐水性が低下するとい
った問題が起きる。
性、カチオン性又は両性界面活性剤などの通常使用され
る各種の乳化剤は、必須ではなく、本発明の目的、効果
を損なわない範囲で併用してもよい。これらの中では、
アニオン性界面活性剤が好適である。
アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールスルホン酸塩、ポリリン酸塩などを、ノニオ
ン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール
のアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型又
はアルキルエーテル型のものなどを、カチオン性界面活
性剤の例としては、脂肪族アミン塩及びその4級アンモ
ニウム塩、芳香族4級アンモニウム塩、複素環4級アン
モニウム塩などを、両性界面活性剤の例としては、カル
ボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリン誘導体を挙げることができる。これら
の乳化剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよ
い。これらの乳化剤を使用する場合の使用量は単量体1
00重量部に対して、通常、0.1〜5重量部であり、
多すぎるとアルコール分散性が低下する。
する単量体の量は、特に制限されないが、通常10〜7
0重量部、好ましくは20〜50重量部である。単量体
の添加速度は、特に制限はないが、反応中の重合転化率
が10重量%以上を保つように制御するのが好ましい。
反応途中の好ましい重合転化率は20重量%以上、さら
に好ましくは30重量%以上である。単量体の添加速度
が速すぎると重合転化率が低くなり、粗大粒子が発生し
やすくなる。逆に、遅すぎると、重合系の粘度が上昇し
やすくなる。通常、単量体及びアルコール性水酸基含有
水溶性高分子化合物の添加に要する時間は、1時間以上
であり、好ましくは2時間以上、20時間以下である。
00℃、好ましくは5〜95℃である。単量体添加終了
後、必要ならば、重合をさらに続行して所望の重合転化
率に到達した後、重合を停止する。重合の停止は、重合
停止剤を添加するか又は単に重合系を冷却することによ
って行うことができる。また、重合終了後に、所望によ
り、未反応の単量体を除去することができる。上記以外
の重合条件や重合方法には特に制限はなく、各種の従来
公知の乳化重合方法を採用することができる。
動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、連
鎖移動が起こるものであれば特に制限はなく、例えば、
n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメル
カプタンなどのメルカプタン、チオグリコール酸、チオ
リンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどの
メルカプト基を有する化合物;ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファ
イドなどのキサントゲン化合物;α−メチルスチレンダ
イマー、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテ
ン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、
1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダンなどの
α−メチルスチレンダイマー類;ターピノレン;テトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジ
スルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなど
のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、スチレン化フェノールなどのフェノー
ル系化合物;アリルアルコール、アクロレイン、メタク
ロレインなどのアリル化合物;ジクロルメタン、ジブロ
モメタン、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭
化水素化合物;α−ベンジルオキシスチレン、α−ベン
ジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアク
リルアミドなどのビニルエーテル;トリフェニルエタ
ン、ペンタフェニルエタン;などを挙げることができ
る。
ルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカプト基を
有する化合物としては、炭素数50以下の化合物が好ま
しく、炭素数30以下の化合物がより好ましく、炭素数
20以下の化合物が特に好ましく、具体的には、n−オ
クチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、2
−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸
などが挙げられる。
は、単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5
重量部である。連鎖移動剤が、0.01重量部未満で
は、重合安定性向上効果が小さく実用的ではない。ま
た、5重量部を越える場合には、重合安定性が低下する
うえ、得られる重合体の分子量が著しく低下し、エマル
ションの各種物性の低下が起こる。連鎖移動剤の添加方
法は、特に限定されず、一括添加しても、断続的に又は
連続的に重合系に添加してもよい。
ルションは、以下の特性を有している。本発明の水性エ
マルションは、その平均粒径が0.05〜5μm、好ま
しくは0.2〜2μmである。本発明の水性エマルショ
ンのpH8における機械的安定性は、マーロン安定性試
験における発生凝固物量が0.1重量%以下であって、
非常に優れている。また、重合体にカルボキシル基を導
入する必要がないので、pHによるエマルションの粘度
変化がなく、また、エマルションから成膜した皮膜は耐
水性に優れている。また、本発明の水性エマルション
は、優れた化学的安定性を有している。特に2価の無機
塩に対する安定性は、非常に優れており、例えば、30
重量%の固形分濃度で同量の30重量%塩化カルシウム
水溶液を添加混合しても凝固しない。本発明のエマルシ
ョンの塩化カルシウム化学的安定性指数は、20以上、
好ましくは30以上である。塩化カルシウム化学的安定
性指数については、後述する。また、本発明の水性エマ
ルションは、界面活性剤を使用しないとき、表面張力が
45mN/m以上、好ましくは50mN/m以上と高
い。
は、そのままで、又は所望の各種添加剤を配合して、本
発明の水性エマルション接着剤として使用することがで
きる。添加剤としては、特に限定はない。その例として
は、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉
などの充填剤;小麦粉などの増量剤;ホウ酸、硫酸アル
ミニウムなどの反応促進剤;防腐剤;防錆剤などを挙げ
ることができる。
ション接着剤中に、でんぷん、変性でんぷん、酸化でん
ぷん、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、無水マレイン酸/イソブテン共重合体、無水マレイ
ン酸/スチレン共重合体、無水マレイン酸/メチルビニ
ルエーテル共重合体などの水溶性高分子化合物や、尿素
/ホルマリン樹脂、尿素/メラミン/ホルマリン樹脂、
フェノール/ホルマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、また
ポリ酢酸ビニル系エマルション、界面活性剤存在下で製
造された(メタ)アクリル酸エステル、ジエン系、スチ
レン系エマルション、ポリ塩化ビニルエマルション、ポ
リ塩化ビニリデンエマルション、ポリウレタンエマルシ
ョンなどの他の水性エマルションを添加することも可能
である。
説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるも
のではない。なお、実施例中の「%」及び「部」は特に
ことわりのない限り、それぞれ「重量%」及び「重量
部」を示す。なお、ラテックスの重量は固形分換算であ
る。また、実施例中の粒径は重量平均粒径である。
おりである。 (1)重量平均粒子径(μm) コールターLS230(コールター社製粒子径測定機)
で測定する。
に調整して、その60gを試料とする。試料を5℃×1
3,000rpm×60分の条件で遠心分離し、上澄み
液を40g回収する。沈降層(20g)に蒸留水40g
を添加して均一にした後、同一条件で再度遠心分離し
て、上澄み液40gを回収し、沈降層について再度同一
操作を繰り返す。3回の遠心分離で得られた上澄み液合
計120gの固形分を測定し、上澄み液中の固形分量を
計算する。これが、単独重合体又は共重合体にグラフト
しなかったアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物
の量(A)である。試料中のアルコール性水酸基含有水
溶性高分子化合物の重量(B)[単独重合体又は共重合
体にグラフトしたアルコール性水酸基含有水溶性高分子
化合物と単独重合体又は共重合体にグラフトしていない
アルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物との和]か
ら(A)を差し引いて、単独重合体又は共重合体にグラ
フトしたアルコール性水酸基含有水溶性高分子化合物の
量(C)を得る。従って、上記測定条件において、グラ
フト率は、下記式で与えられる。 グラフト率=〔C/(6−B)〕×100(%)
をブルックフィールズ粘度計を用いて、25℃において
1分間回転させた後、粘度を測定した。
トテンションメーター(Type6801ES:離合社
製)を用いて20℃で測定する。
的安定性指数) エマルションを100メッシュ金網で濾過した後、固形
分濃度を30%に調整する。次に、これと同量の濃度3
0%の塩化カルシウム水溶液を添加・撹拌した後、再び
100メッシュ金網で濾過して、金網に固形物があるか
否かを観察する。各種濃度の塩化カルシウム水溶液を用
いて同様の試験を繰り返し、凝固物が発生しなかった塩
化カルシウム水溶液の最高濃度(X)を、化学的安定性
指数とする。この数値が高い方が化学的安定性がよい。
上記試験は、塩化カルシウム化学的安定性指数である
が、電解質の種類を変えて、例えば塩化ナトリウム化学
的安定性指数なども求めることができる。
シュ金網で濾過した後、固形分濃度を30%に調整す
る。これを100メッシュ金網で濾過した後、マーロン
式機械的安定性試験に供する。条件は、回転数1000
rpm、加重15kg、10分間である。試験後のエマ
ルションを100メッシュ金網で濾過し、金網上に濾取
された凝集物を乾燥後、秤量して凝集物発生量を求め、
この供試エマルション固形分重量に対する割合(%)を
求める。
0℃/minでDSC(示差走査熱量計)により測定
し、求めた。固形分濃度:105℃、16時間乾燥後の
重量から求めた。粘度:30℃、60rpmでBM型粘
度計を用いて測定した。
以下のとおりである。 (ア)被着材:カバ材(マサ目)2ply、比重0.6
2〜0.68 (イ)接着面積:25×25(mm2) (ウ)塗布量:125g/m2(wet) (1)常態接着力:6.25kgf/cm2で16時間
圧締したのち、20℃、65%RH下で、7日間圧締
し、ブロック剪断接着力を測定した。 (2)耐水接着力:6.25kgf/cm2で16時間
圧締したのち、20℃、65%RH下で、7日間圧締
し、それを20℃の水中に24時間浸漬後、ブロック剪
断接着力を測定した。 (3)初期接着力:6.25kgf/cm2で30分間
圧締したのち、ブロック剪断接着力を測定した。
的評価方法は、以下のとおりである。 (ア)被着材:軟質ポリ塩化ビニルシート(厚さ500
μm) (イ)合板(厚さ5.5mm、3ply、タイプ1ラワ
ン合板) (ウ)塗布量:120g/m2圧締:20℃、65%R
H以下、0.5kgf/cm2×16時間 (エ)養生:7日間(20℃、65%RH下) (1)接着力:25mm巾、90゜剥離強度を測定し
た。 (2)耐熱クリープ:60℃、荷重500g/25mm
巾で1時間後のクリープ長さを測定した。
ン50部とアクリル酸エチル50部とよりなる単量体混
合物及びポリビニルアルコール(PVA−205、クラ
レ社製、重合度550、けん化度88.5モル%)5部
を混合、撹拌して、単量体乳化物を得た。別途、還流冷
却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機を備え
たガラス製反応容器に、蒸留水57部及びエタノール8
部を装入して温度を60℃に昇温し、60℃を維持した
状態で、過硫酸カリウム0.5部を脱イオン水10部に
溶解した開始剤溶液を添加した。2分後に反応容器に前
記単量体乳化物の添加を開始し、4時間かけて添加を終
了した。添加終了後、さらに2時間撹拌を継続した後、
冷却して反応を終了させた。この時の重合転化率は97
%、粒径は0.3μmであった。エマルションを調整し
て、固形分濃度35%、B型粘度は80mPa・sのエ
マルション(a)を得た。
%に調整し、その60gを用いて、グラフト率を求め
た。なお、遠心分離器としては、国産遠心機社製H−2
000Aを使用した。回収した上澄み液合計液の固形分
濃度は0.08%、回収上澄み液中に分離された総固形
分量0.09gであった。サンプル60g中の水溶性高
分子保護コロイド(ポリビニルアルコール)量Bは、6
g×(5/(97+5))=0.294g。これから、
グラフト率は、下記式のとおり、3.6%となる。 (0.294−0.09)/(6−0.294)×10
0=3.6% なお、この実施例において、使用したポリビニルアルコ
ールのうち、共重合体にグラフトしたものの割合(グラ
フト効率)は69%である(下記式)。 ((0.294−0.09)/0.294)×100=
69%
ル性水酸基含有水溶性高分子化合物(ポリビニルアルコ
ール)の種類又は量を表1に示すように変えるほかは、
製造例1と同様にして、エマルション(b)〜(d)を
得た。なお、PVA220Eは、クラレ社製、重合度2
050、けん化度88モル%のポリビニルアルコールで
ある。これらのエマルションの特性を製造例1と同様に
測定した。その結果を表1に示す。
オートクレーブに、脱イオン水90部、スチレン50
部、t−ドデシルメルカプタン1部、ポリビニルアルコ
ール(PVA−205、クラレ社製、重合度550、け
ん化度88.5モル%)4部を仕込み、窒素置換を行っ
た後、ブタジエン50部を耐圧計量器より圧入して、混
合、撹拌して単量体乳化物を得た。別途、窒素吹き込み
口、温度計を備えた耐圧オートクレーブに、脱イオン水
57部、エタノール8部を仕込み、窒素置換後、60℃
に昇温し、60℃を維持した状態で、過硫酸カリウム
0.5部を脱イオン水10部に溶解した開始剤溶液を圧
入し、直ちに前記単量体乳化物を5時間かけて添加し
た。添加終了後、さらに3時間撹拌を継続した後、冷却
して反応を終了させた。この時の重合転化率は95%、
粒径は0.35μmであった。エマルションを調整し
て、固形分濃度35%、B型粘度は120mPa・sの
スチレン−ブタジエン共重合体エマルション(e)を得
た。得られたエマルション(e)について製造例1と同
様の測定を行った。この結果を表1に示す。
るエマルションの例] PVA205に代えてラウリル硫酸ナトリウムを使用し
たほかは製造例2と同様にして、エマルション(f)を
得た。得られたエマルションについて製造例1と同様の
測定を行った。この結果を表1に示す。
ョンの例] ラウリル硫酸ナトリウム3部を併用したほかは製造例1
と同様にして、エマルション(g)を得た。得られたエ
マルションについて製造例1と同様の測定を行った。こ
の結果を表1に示す。
ョンの例] メタクリル酸2部をメタクリル酸メチルに変え、PVA
220Eの量を50部としたほかは製造例2と同様にし
て、エマルション(h)を得た。得られたエマルション
について製造例1と同様の測定を行った。この結果を表
1に示す。
ョン(a)〜(h)を用いて、その接着性能を評価し
た。結果を表2に示す。
面活性剤を乳化剤として使用して得た水性エマルション
接着剤(比較例1)は、常態強度は良好であるが、耐水
強度が非常に低いことが分かる。また、水溶性高分子化
合物のグラフト率が本発明の規定範囲より低いエマルシ
ョン(g)を使用して得た水性エマルション接着剤(比
較例2)は、比較例1に比べて耐水強度が僅かによいに
過ぎない。更に、水溶性高分子化合物のグラフト率が本
発明の規定範囲より高いエマルション(h)を使用して
得た水性エマルション接着剤(比較例3)は、常態強度
が優れているが、風合いが硬く、耐水強度は、やはり劣
る。これに対して、本発明の水性エマルション接着剤
は、常態強度に対する耐水強度の比率が非常に高い、即
ち、湿潤時でも強度が低下しないことがわかる。
散安定性を有するとともに、木材等の接着剤として使用
した場合に、充分な耐水強度を与える水性エマルション
接着剤を得ることができる。以上の結果から明らかなよ
うに、本発明の水性エマルション接着剤は、適度の流動
性を有し、かつプラスチックへの接着性、耐熱クリープ
性、耐水性に優れる上、高い初期接着力及び接着強度を
兼ね備えた極めて優れたものであって、特に木、紙、
布、プラスチックなどの異種または同種材料の接着に好
適に用いられる。
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリル酸エステル系単量体単位、メタ
クリル酸エステル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体
単位及び共役ジエン系単量体単位よりなる群から選ばれ
た1種の単量体単位から成る単独重合体又は該単量体単
位群から選ばれた少なくとも1種の単量体単位を主成分
とする共重合体の水性エマルション接着剤であって、ア
ルコ−ル性水酸基を含有する重量平均分子量2,000
以上の水溶性高分子化合物で分散安定化されており、分
散安定化に使用した該アルコ−ル性水酸基を含有する水
溶性高分子化合物の少なくとも一部が該単独重合体又は
共重合体にグラフトしていて、そのグラフト率が0.5
〜30重量%であることを特徴とする共重合体のエマル
ションから成る水性エマルション接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33094699A JP2001146582A (ja) | 1999-11-22 | 1999-11-22 | 水性エマルション接着剤 |
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