JP4539853B2 - 感熱記録体用オーバーコート剤 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録体用オーバーコート剤、特に感熱記録紙用オーバーコート剤に関する。
感熱記録体は、一般には、感熱カラー(ロイコ染料、顕色剤、助剤(充填剤、結合剤、滑剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤、顔料、安定剤、分散剤、消泡剤等)等を含有するものをいう)を感熱発色層として支持体(紙、フィルム、合成紙等)上に塗工してなるものである。この種の感熱記録体は印字が容易であり、また記録像が鮮明である等の理由から、現在においてもファクシミリやプリンター等の記録媒体として広く用いられている。
ところで、感熱記録体は印字部の退色、消色、変色や未記録部の発色等の問題を有している。例えば、当該感熱記録体用いたレシートを塩化ビニル性のケースに長期間挟んでおくと、可塑剤(ジブチルフタレート等)が感熱発色層へ移行して記録部(印字部)の消色や未記録部の発色等が生じてしまい、感熱記録体の記録媒体としての価値が低下する。また、当該感熱記録体を食品・薬品用容器のラベルに用いる場合には、内容物によっては記録部(印字部)の変色等が生じうる。そのため、感熱記録体には耐可塑剤性、耐水性、耐油性、耐アルコール性、耐食酢性、耐薬品性等の各種基本性能が要求されている。
そこで従来、前記感熱発色層の上に水溶性樹脂(ポリビニルアルコール等)や樹脂エマルジョン等からなるオーバーコート剤層を設けることによって前記要求に応じている。例えば本願人は、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の中和塩を分散剤とし、水とポリビニルアルコールの存在下に特定のアクリル系単量体を共重合してなるエマルジョンが、当該オーバーコート剤層として有用であることを提案している(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1のオーバーコート剤を構成するエマルジョンは粘度が比較的高いので製造時(乳化重合時)の操業性に劣るという欠点を有する。また、当該エマルジョンは経時的に不溶物を発生する傾向が強く、凝集物が次第に沈降するなど機械的安定性や貯蔵安定性等の各種安定性の点において劣るため、品質管理上の問題を有する。
特開平1−171882号公報
本発明は、前記安定性の問題を解決しうる、エマルジョン型のオーバーコート剤を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、下記の構成からなるエマルジョンによれば前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸エステル類と(メタ)アクリル酸類を含有する単量体(a)を2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下で反応させてなる水溶性重合体(A)とポリビニルアルコール(B)とを含む水溶液中で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類および(メタ)アクリル酸類を含有する単量体(b)を乳化重合して得られるエマルジョン(C)を含んでなることを特徴とする、感熱記録体用オーバーコート剤(以下、オーバーオート剤と略すことがある)に関する。
本発明のオーバーコート剤は、これを構成するエマルジョンが経時的な不溶物の発生・沈降を生じないなど前記安定性に優れることから長期保存に適しており、また当該オーバーコート剤は前記基本性能を満足するものであるため、発色濃度に優れる感熱記録体を提供できる。
水溶性重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エステル類と(メタ)アクリル酸類を含有する単量体(a)を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下で反応させてなる、ランダム、交互、ブロック、グラフト等の結合様式からなるポリマーであり、本発明のオーバーコート剤を構成するエマルジョンの分散剤として作用するものである。当該水溶性重合体(A)を用いることによって、乳化重合工程におけるエマルジョンの安定性が向上し、不溶物の発生や沈降等の問題が著しく軽減される。
該(メタ)アクリル酸エステル類は、化学式:CH=C(R)−COOR(式中、Rは水素またはメチル基を、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基であって、いずれも炭素原子数1〜22程度のものを示す)で表される不飽和単量体であり、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸N−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸N−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデセニル、(メタ)アクリル酸イコシル、(メタ)アクリル酸ドコシル(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等を例示できる。これらの中でも特に、Rがメチル、エチル、N−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、およびベンジルエステル基のいずれかであるものがエマルジョンの前記安定性の観点より好ましい。なお、これらは2種以上を併用してもよい。なお、前記(メタ)アクリル酸メチルは後述する単量体(b)の一構成でもある。
該(メタ)アクリル酸類(後述する単量体(b)の一構成でもある)は、化学式:CH=C(R)−COOM(式中、Rは水素またはメチル基を、Mは水素またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、有機塩基類、アンモニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を示す)で表される不飽和単量体であり、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸等やこれらを各種公知の中和剤で中和してなるアルカリ金属塩〔例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等による塩〕;アルカリ土類金属塩〔例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等による塩〕;有機塩基類の塩〔メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピリジン、アニリン、シクロヘキシルアミン、モルホリン等による塩〕;アンモニウム塩等を例示できる。なお、(メタ)アクリル酸類は2種以上を併用してもよい。
なお、該水溶性共重合体(A)の中和率、すなわち用いる(メタ)アクリル酸類のカルボキシル基の中和率は該水溶性重合体(A)の水溶性を考慮して少なくとも50%以上、より好ましくは80〜100%であるのがよい。なお、本発明では該水溶性共重合体(A)が結果的に中和されていればよいので、例えば未中和の(メタ)アクリル酸類を用いて水溶性重合体(A)を製造した後に該水溶性重合体(A)を中和処理してもよいし、中和した(メタ)アクリル酸類を用いて水溶性重合体(A)を製造してもよいし、これらを組み合わせることによってもよい。
また、単量体(a)にはその他の各種公知の不飽和単量体(以下、他の単量体という)を含有させてもよい。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類(後述する単量体(b)の一構成でもある)〔例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール等〕;ジカルボン酸系不飽和単量体のモノエステル類〔例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノN−オクチル、マレイン酸モノ2−エチルヘキシル、マレイン酸モノドデシル、マレイン酸モノオクタデシル、マレイン酸モノオクタデセニル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノベンジル、フマール酸モノメチル、フマール酸モノエチル、フマール酸モノプロピル、フマール酸モノブチル、フマール酸モノN−オクチル、フマール酸モノ2−エチルヘキシル、フマール酸モノドデシル、フマール酸モノオクタデシル、フマール酸モノオクタデセニル、フマール酸モノシクロヘキシル、フマール酸モノベンジル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノN−オクチル、イタコン酸モノ2−エチルヘキシル、イタコン酸モノオクタデシル、イタコン酸モノドデシル、イタコン酸モノシクロヘキシル、イタコン酸モノオクタデセニル、イタコン酸モノベンジル等〕;アミド系不飽和単量体類〔例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルミド、(メタ)アクリルアミドグリコール酸等〕;アミノアルキル系不飽和単量体類〔例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノブチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノブチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル等〕;ポリオキシアルキレン系不飽和単量体類〔例えば、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレンモノアルキル(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレンモノアルケニル(メタ)アクリル酸エステル類、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシアルキレングリセリン(メタ)アリルエーテル等(なお、ポリオキシアルキレンの原料であるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等から選ばれる1種類以上の化合物が使用される。アルキレンオキシドの繰り返し単位は1〜50程度であって、結合形式はランダム、交互、ブロックのいずれであってもよい。また、アルキル基、アルケニル基の炭素原子数は1〜22個程度である)〕;スルホン酸系不飽和単量体類〔例えば、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルアミド−N−メチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドフェニルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル、(メタ)アクリル酸スルホ2−ヒドロキシプロピル等〕;硫酸エステル系不飽和単量体類〔例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルの硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ポリオキシアルキレン硫酸エステル、硫酸(メタ)アリルエステル、アリロキシポリオキシアルキレン硫酸エステル等〕;ジカルボン酸系不飽和単量体類〔例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、無水メサコン酸、ならびに対応するものについての無水物等〕;スチレン類〔スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、クロルビニルトルエン等〕等を例示できる。他にも、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体類、(メタ)アクリルニトリル等のニトリル系単量体類を用いることもできる。なお、これらは2種以上を併用してもよい。
該単量体(a)は、(メタ)アクリル酸エステル類を90〜10重量%(好ましくは80〜20重量%)、(メタ)アクリル酸類を10〜90重量%程度(好ましくは20〜80重量%)、他の不飽和単量体を0〜40重量%程度(好ましくは0〜30重量%)含有するものであるのが好ましい。これらの数値範囲を逸脱すると、前記安定性が低下する傾向にある。
該2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンは、前記水溶性重合体(A)の製造時に連鎖移動剤として必須使用されるものである。本発明では、該連鎖移動剤を用いることによって水溶性重合体(A)の分子量分布幅を狭くすることができる。そのため前記エマルジョンを極めて微細な分散体粒子が分散した非常に安定なものにできるようになり、該エマルジョン中における経時的な不溶物の発生・沈降がほとんどなくなるなど前記安定性が改善される。また、該エマルジョンの粘度を低くできるようになるため、塗膜欠損がなく平滑なオーバーコート剤層が得られるようになる。なお、該2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンはその製造時に生ずる副生成物(2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンや1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダン等)を含む混合物であってもよく、該副生成物も連鎖移動剤として作用する。
なお、本発明ではその他の各種公知の連鎖移動剤を併用してもよい。具体的には、例えばチオール系連鎖移動剤〔例えば、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、α−ナフタレンチオール、β−ナフタレンチオール、メルカプトメタノール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトブタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸のエステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ベンジルエステル)、β−チオプロピオン酸、β−チオプロピオン酸のエステル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ベンジルエステル、メトキシブチル)、トリメチロールプロパントリス−(β−チオプロピオネート)等〕;ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤〔例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、ブロモトリクロロエタン、ブロモベンゼン等〕;アミン系連鎖移動剤〔例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等〕;アルコール系連鎖移動剤〔例えば、sec−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等〕;ニトロ化合物系連鎖移動剤〔例えば、m−ジニトロベンゼン等〕等を例示できる。他にも、スルフィド系、スルホキシド系、スルホン酸系、ジスルフィド系、アルデヒド系、クメン系、アントラセン系、アリル化合物系等の連鎖移動剤を用いてもよい。水溶性重合体(A)の分子量分布幅を狭くするという前記目的を考慮すると、かかる連鎖移動剤の使用量は、当該2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの重量に対して通常0〜10重量%程度とするのがよい。
該2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの使用量は、前記単量体(a)の総重量に対して通常0.01〜20重量%程度、好ましくは0.01〜10重量%である。その使用量が0.01重量%未満であると水溶性重合体(A)の分子量分布が大きくなりすぎて前記安定性を得難くなる傾向にあり、またその使用量が20重量%を超えると重合反応がうまく進行しなくなる傾向にある。
該水溶性重合体(A)の製造方法は特に制限されず、各種公知の重合方法、例えば溶液重合、乳化重合、懸濁重合または塊状重合法を採用することができる。具体的には、攪拌機や加熱装置を備えた適当な反応容器に前記単量体(a)および前記2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを所定量仕込み、また各種公知の重合開始剤を仕込み(同時、連続、分割のいずれの方法でもよい)、必要に応じて各種公知の溶媒(水(市水、軟水、脱イオン水、蒸留水等)や有機溶剤等)、乳化剤を仕込み、通常40〜200℃程度(好ましくは60〜160℃)の温度において、通常1〜12時間程度反応を進行させ、次いで前記中和剤で水溶性重合体(A)を中和することにより得ることができる。なお、反応系は窒素等の不活性ガスでパージしたり、バブリングしてもよい。なお、溶媒を用いる場合には、反応系の固形分濃度は通常5〜80重量%程度、好ましくは10〜70重量%とするのが操業性や反応効率の観点より好ましい。
該重合開始剤としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クミルパーオキシド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)−ヒドロクロライド、レドックス系開始剤(過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸アンモニウム−酸性亜硫酸ナトリウム等)等のラジカル供与剤を例示できる。なお、これらは2種以上を併用してもよい。該重合開始剤の使用量は、単量体(a)の総重量に対して通常0.01〜5重量%程度とするのがよい。
該溶媒のうち有機溶剤としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば低級アルコール類〔例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等〕;芳香族炭化水素類〔例えば、ベンゼン、トルエン等〕;低級ケトン類〔例えば、アセトン、メチルエチルケトン等〕;その他酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等を例示できる。なお、環境負荷や作業空間の衛生状態を考慮し、これらの有機溶剤は最終的に反応系から減圧蒸留等の各種公知の手段により除去しておくのが好ましい。
前記乳化剤としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、例えばアニオン性界面活性剤〔例えば、脂肪酸塩、ロジン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル塩等〕;非イオン性界面活性剤〔例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルケニルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリトールアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン等〕;両性界面活性剤〔例えば、アミノ酸型、ベタイン型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型のもの等〕を例示できる。なお、本発明の所期の効果を損なわない限りにおいて、各種公知のカチオン性界面活性剤〔例えば、アルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルアラルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルピコリニウム塩等〕を併用してもよい。他にも、カゼイン、β−ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリカルボン酸塩、スチレン−マレイン酸共重合体塩等の高分子型界面活性剤を用いることもできる。なお、これらは2種以上を併用してもよい。該乳化剤の使用量は、単量体(a)の総重量に対して通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下とするのがよい。
こうして得られる水溶性重合体(A)は、分散剤としての性能を考慮して、重量平均分子量を通常1000〜300000程度、好ましくは5000〜100000に設定するのが好ましい。また乳化効率の観点より、pHを通常6〜10程度、好ましくは8〜10のpHに調整するのが好ましい。また操業性の観点より、25重量%の固形分濃度おける粘度を通常10〜1000mPa・s(25℃)程度、好ましくは50〜200mPa・s(25℃)に調整するのが好ましい。
該水溶性重合体(A)の使用量は、後述する単量体(b)の総重量に対し、固形分重量で通常2.5〜40重量%程度、好ましくは5〜20重量%である。2.5重量%未満であるとエマルジョンの前記安定性が低下する傾向にあり、また40重量%を超えるとオーバーコート剤層の耐薬品性が低下する傾向にある。
ポリビニルアルコール(B)は、オーバーコート剤の造膜性を改善することにより、特にオーバーコート剤層の前記耐水性や耐薬品性、耐可塑剤性の基本性能を向上させるために用いるものである。ポリビニルアルコール(B)は各種公知の水溶性のものを特に制限なく使用することができ、具体的には、例えば重合度が200〜2500程度、ケン化度が75〜100%程度のものが好ましく好ましく利用できる。
該ポリビニルアルコール(B)の使用量は、後述する単量体(b)の総重量に対し、固形分重量で通常5〜100重量%程度、好ましくは15〜80重量%とするのが好ましい。5重量%未満であると前記造膜性が低くなり、前記耐薬品性が損なわれ、感熱発色層の発色性が低下する傾向にある。また100重量%を超えるとオーバーコート剤層の耐水性が低下するとともに、エマルジョン(C)の粘度が増加して塗工作業が困難になる傾向にある。
該エマルジョン(C)は、前記水溶性重合体(A)および前記ポリビニルアルコール(B)とを含む水溶液中で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類、および(メタ)アクリル酸類を含有する単量体(b)を乳化重合して得られるものである。なお、当該(メタ)アクリル酸メチルは前記〔0012〕で例示したものと同一のものであり、また当該(メタ)アクリル酸類は前記〔0013〕で示したものと同一のものであり、また当該(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類は前記〔0015〕で例示したものと同一のものである。なお、かかる単量体(b)は、一部が前記ポリビニルアルコール(B)と部分的にグラフト共重合すると考えられ、このことが、本発明が奏する効果の一要因になっていると思われる。
該(メタ)アクリル酸メチルは、オーバーコート剤層の耐水性を高めるために必須使用される。かかる目的より、該(メタ)アクリル酸メチルは単量体(b)において、通常15〜80重量%程度(好ましくは25〜70重量%)含有されているのが好ましい。15重量%に満たない場合には耐水性だけでなく前記耐スティッキング性が低下する傾向にあり、一方80重量%を超えるとオーバーコート剤の造膜性が低下して耐薬品性が損なわれる傾向にある。
該(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類は、オーバーコート剤層の耐薬品性および耐可塑剤性を高めるために必須使用される。かかる目的より、該アクリル酸ヒドロキシアルキル類は単量体(b)において、通常15〜75重量%程度(好ましくは20〜45重量%)含有されているのが好ましい。15重量%に満たない場合には耐薬品性や耐可塑剤性等が十分でなくなる傾向にあり、また75重量%を超える場合にはエマルジョン(C)の製造時に反応系が過度に高粘度化してしまい、場合によってはゲル化する等して操業性が低下することがある。また、該アクリル酸ヒドロキシアルキル類としては、かかる耐薬品性や耐可塑剤性の観点より(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルが好ましい。なお、これらは2種以上を併用してもよい。
該(メタ)アクリル酸類は、オーバーコート剤層の耐薬品性を改善して感熱発色層の発色濃度を向上させ、またエマルジョン(C)の製造時における分散安定性を改善する目的で必須使用される。かかる目的より、該(メタ)アクリル酸類は単量体(b)において、通常5〜70重量%程度(好ましくは10〜45重量%)含有されているのが好ましい。5重量%に満たない場合にはエマルジョン(C)の当該安定性が低下する傾向にあり、また45重量%を超えるとオーバーコート剤層の耐水性が低下し、またエマルジョン(C)の貯蔵安定性が低下する傾向にある。該(メタ)アクリル酸類としては、エマルジョン(C)の安定性の観点より(メタ)アクリル酸が好ましい。
なお、単量体(b)としては、前記〔0015〕で述べた他の不飽和単量体を含有させたものを用いてもよい(アクリル酸ヒドロキシアルキル類を除く)。好ましくは、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン類、(メタ)アクリルアミド等を用いるのがよい。これらは単量体(b)の総重量の0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)程度を用いればよい。なお、これらは2種以上を併用できる。
乳化重合時の単量体(b)の反応系における重量%は特に制限されないが、通常は反応効率等を考慮して10〜50重量%程度、好ましくは15〜40重量%程度とすればよい。
エマルジョン(C)の製造方法は特に制限されず、各種公知の方法に従えばよい。具体的には、攪拌機や加熱装置を備えた適当な反応容器に前記水溶性重合体(A)、前記ポリビニルアルコール(B)の所定量と水(市水、軟水、脱イオン水、蒸留水等)を仕込み、反応系を攪拌して水溶液を調整した後に、前記単量体(b)を所定量仕込む。この際、単量体(b)の反応系における重量%が10〜50重量%程度(好ましくは15〜40重量%程度)となるようにするのが反応効率や操業性の観点より好ましい。次いで前記同様の重合開始剤を反応系に供給し(同時、連続、分割のいずれの方法でもよい)、通常60〜90℃程度の温度において通常1〜10時間程度反応を進行させればよい。また、必要に応じて前記同様の連鎖移動剤を用いることにより、エマルジョン(C)の芯をなすポリマーの分子量を調整することもできる。また、必要に応じて前記中和剤を用い、単量体(b)の(メタ)アクリル酸類に由来するカルボキシル基を中和することもできる。
こうして得られるエマルジョン(C)は、オーバーコート剤としての性能を考慮して、pHを通常4.5〜9.5程度に調整するのが好ましい。また、支持体へ塗工する際の作業性を考慮して、固形分濃度を10〜50重量%程度、粘度は50〜500mPa・s(25℃)程度に調整するのが好ましい。
前記エマルジョン(C)からなる本発明のオーバーコート剤は、感熱カラー(ロイコ染料、顕色剤、助剤(充填剤、結合剤、滑剤、酸化防止剤、耐水化剤、造膜助剤、顔料、顔料、安定剤、分散剤、消泡剤等)等を含有するものをいう)を感熱発色層に有する支持体(紙、フィルム、合成紙等)の上に塗工して用いる。かかる塗工方法は特に限定されず、例えばワイヤーバー、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター等の各種塗工手段を利用することができる。その際、塗工量は感支持体の種類を考慮して適宜決定すればよく、通常は固形分付着量が0.5〜15g/m程度の範囲となるようにすればよい。なお、本発明のオーバーコート剤には必要に応じて各種公知の添加物を加えてもよい。具体的には、例えば耐水化剤としてポリアミドポリアミン樹脂のエピクロルヒドリン変性物、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂等を併用すれば、オーバーコート剤層の耐水性を更に改善できる。
前記感熱カラーを構成するロイコ染料としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。具体的には分子内にラクトン環を有するラクトン系、あるいはこれを有さない非ラクトン系のいずれをも用いることができる。好ましくは、フルオラン系のラクトン化合物〔例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(メチルシクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(エチルイソベンジルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−フルオロアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチルー6−(p−トルイジノエチルアミノ)フルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−メチルー6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−フルオロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチルー6−ピペリジノフルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロー6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン等〕;トリアリールメタン系化合物〔例えば、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェノール)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェノール)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェノール)−3−(1,2−ジメチルアミノインドール−3−イル)フタリド等〕を用いることができる。なお、これらは2種以上を併用できる。
前記感熱カラーを構成する顕色剤としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。具体的には、例えばp−オクチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−チオビスフェノール、4,4−スルホニルジフェノール、ビス(3−アリル−4−ひどりきしフェニル)−スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ノボラック型フェノール樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル、3,5−ターシャリーブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸等のフェノール系物質を好ましく用いうる。なお、芳香族カルボン酸の多価金属塩を用いてもよい。なお、これらは2種以上を併用できる。
前記感熱カラーを構成する助剤のうち、特に充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、タルク等の無機系微粉末のほか、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂等の有機系微粉末を例示することができる。また結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メトキシセルロール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デンプンやその誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩等の水溶性高分子量化合物や、スチレン−ブタジエンラテックス等の水不溶性高分子量化合物を例示できる。また滑剤としては、例えば高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等、ステアリン酸アミドエマルジョン等の高級脂肪酸金属(塩)を例示できる。これらは2種以上を併用できる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、各例における成分量を示す「部」は全て「重量部」を意味する。
(感熱カラーの調製)
表1に示す組成からなる混合物(ア)、(イ)および(ウ)を調製し、それぞれを平均粒子径が2μm以下となるようにサンドミルで分散させた。次いで、分散後の(ア)液6部、(イ)液20部、(ウ)液20部、更に20%ステアリン酸アミドエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名「ハイドリンM−7」)25部を攪拌混合して感熱発色層用の塗液を調製した。
Figure 0004539853
次いで、前記塗液を、坪量60g/mの市販上質紙に乾燥塗工量が6g/mとなるようにワイヤーバーで塗工した。次いで、得られた被塗工紙を乾燥し、感熱発色層を有する支持体を得た。
重合例1(水溶性重合体(A)の製造)
攪拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えた反応容器にアクリル酸n−ブチル60部、メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸30部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン5部を仕込み、更にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩5部、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩5部、過硫酸アンモニウム0.3部、過酸化水素1部および水387部を仕込み、これらを混合してから80℃で6時間反応系を攪拌した。次いで48%の水酸化カリウム40.7部を加え、25℃まで冷却した。得られた水溶性重合体(A−1)は、固形分濃度が25重量%、重量平均分子量が10,000、pHが9.5、粘度が100mPa・s(25℃)であった。
重合例2(水溶性重合体(A)の製造)
重合例1と同様の反応容器にメタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル30部、メタクリル酸40部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン2.5部を仕込み、更にジ-2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩16部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)−ヒドロクロライド1部および水384部を仕込み、これらを混合してから70℃で5時間反応系を攪拌した。次いで10%水酸化リチウム64.8部を加えて25℃まで冷却した。得られた水溶性重合体(A−2)は、固形分濃度が25重量%、重量平均分子量が200,000、pHが9.8、粘度が180mPa・s(25℃)であった。
重合例3(水溶性重合体(A)の製造)
重合例1と同様の反応容器にアクリル酸シクロヘキシル40部、アクリル酸40部、N−メチロールアクリルアミド10部、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン20部を仕込み、更にビニルスルホン酸5部、イタコン酸5部、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテルスルホコハク酸モノエステルナトリウム塩5部、過硫酸ナトリウム10部、水347部を仕込み、これらを混合してから90℃で3時間反応系を攪拌した。次いで48%水酸化ナトリウム54.0部を加えて25℃まで冷却した。得られた水溶性共重合体(A−3)は固形分濃度が25重量%、重量平均分子量が1,200、pHが9.4、粘度が50mPa・s(25℃)であった。これを、分散剤として用いる。
比較重合例1
重合例1において2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン5部を1−ブタンチオール1部に替えた以外は同様にして水溶性共重合体(A’−1)を得た。このものは固形分濃度が25重量%、重量平均分子量が10,000、pHが9.4、粘度が90mPa・s(25℃)であった。
比較重合例2
重合例1において、前記2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン5部を四臭化炭素10部に替えた以外は同様にして水溶性共重合体(A’−2)を得た。このものは固形分濃度が25重量%、重量平均分子量が10,000、pHが9.6、粘度が110mPa・s(25℃)であった。
比較重合例3(ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体の中和塩)
重合例1と同様の反応器に無水マレイン酸45部およびトルエン100部を加え、攪拌しながら加熱し温度を105℃まで上昇させた。これにジイソブチレン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテンを76%含有)67.7部と、t−ブチルパーオキシベンゾネイト2.5部とトルエン47.5部を混合した重合開始剤溶液を2時間で全量滴下した後、4時間攪拌継続して反応を完結させた。その後、トルエンを留去し、冷却後28%アンモニア水溶液50部と水352部を加えた。得られた水溶性共重合体(A’−3)は、固形分濃度が25重量%、重量平均分子量が12,000、pHが9.1、粘度が600mPa・s(25℃)であった。これを比較用の分散剤として用いる。
製造例1(エマルジョン(C)の製造)
重合例1と同様の反応容器に重合度1100の完全ケン化ポリビニルアルコール40部(固形分換算)および水580部を仕込み、反応容器を加熱しながら系を攪拌して水溶液とした。次いでこの水溶液に、メタクリル酸メチル40部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル35部、メタクリル酸25部を加え、更に前記水溶性重合体(A−1)40部を加え、系を室温にて30分間攪拌した。次いで、当該容器内に過硫酸アンモニウム1.0部を加え、系を80℃まで昇温し、当該温度で2時間拡販しながら保温して乳化重合を完結させた。得られたエマルジョン(C−1)は固形分濃度が20重量%、pHが6.0、粘度が210mPa・s(25℃)であった。
製造例2〜12(エマルジョン(C)の製造)
製造例1と同様の方法により、各原料を表2に示す量において使用した他は同様にしてエマルジョン(C−2)〜(C−12)を得た。

Figure 0004539853
表中;PVAはポリビニルアルコールを、MMAはメタクリル酸を、2HEAはアクリル酸2−ヒドロキシエチルを、MMAはメタクリル酸メチルを示す。
実施例、比較例
(エマルジョン(C)の安定性評価)
前記エマルジョン(C−1)〜(C−12)につき、下記の項目について評価を行った。結果を表3に示す。
・機械的安定性(重量%);マーロン式安定性試験機(荷重5kg,1000rpm×10分,200メッシュオン)による。
・貯蔵安定性(重量%);10日、20日、30日静置した後に、発生した凝集物の固形分量(重量%)を測定(40℃)する。
(発色濃度)
前記エマルジョン(C−1)〜(C−12)をオーバーコート剤としてそのまま用い、これを前記支持体の発色層の上に乾燥後の固形分付着量が3.5g/m程度となるように塗工し、次いで乾燥して感熱記録紙をそれぞれ得た。次いで当該感熱記録紙にラベル印刷機(石田ハカリ(株)製、「DIGITAL SCALA 805−P」)を用いて印字した。次いで、印字した感熱記録紙の発色濃度(動的)をマクベス濃度計RD−514(ラッテンNo.106)を用いて測定した。また、ブランクとして地肌部(未記録部)も同様に測定した。
Figure 0004539853

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル酸エステル類と(メタ)アクリル酸類を含有する単量体(a)を2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下で反応させてなる水溶性重合体(A)とポリビニルアルコール(B)とを含む水溶液中で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類および(メタ)アクリル酸類を含有する単量体(b)を乳化重合して得られるエマルジョン(C)を含んでなることを特徴とする、感熱記録体用オーバーコート剤。
  2. 単量体(a)が、(メタ)アクリル酸エステル類を90〜10重量%、(メタ)アクリル酸類を10〜90重量%、他の不飽和単量体を0〜40重量%含有するものである、請求項1に記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  3. 2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの使用量が、単量体(a)の総重量に対して0.01〜20重量%である、請求項1または2に記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  4. 水溶性重合体(A)の使用量が、前記単量体(b)の総重量に対して2.5〜40重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  5. ポリビニルアルコール(B)の使用量が、前記単量体(b)の総重量に対して5〜100重量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録体用オーバーコート剤。
  6. 単量体(b)が、(メタ)アクリル酸メチルを15〜80重量%、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類を15〜75重量%、(メタ)アクリル酸類を5〜70重量%含有するものである、請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録体用オーバーコート剤。









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