JP2003291530A - 感熱記録材料用水分散体 - Google Patents

感熱記録材料用水分散体

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JP2003291530A
JP2003291530A JP2002098129A JP2002098129A JP2003291530A JP 2003291530 A JP2003291530 A JP 2003291530A JP 2002098129 A JP2002098129 A JP 2002098129A JP 2002098129 A JP2002098129 A JP 2002098129A JP 2003291530 A JP2003291530 A JP 2003291530A
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heat
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JP2002098129A
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Tomio Hashimoto
富雄 橋本
Katsuyuki Sakamoto
勝之 坂本
Yoshiyuki Sakai
禎之 酒井
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Artience Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、バックコート層が、溶液重合、塊状
重合などから得られた高分子乳化剤を使用した乳化重合
体でありながら、耐可塑剤性、耐溶剤性、耐水性の良好
な塗膜を形成することのできる水分散体を提供すること
を課題とする。 【解決手段】紙支持体を含んでなり、紙支持体の片面に
感熱記録層を設けてなり、かつ、紙支持体の感熱記録層
を設けていない側の面にバックコート層を設けてなる感
熱記録材料において、バックコート層が、カルボキシル
基含有単量体と芳香族系単量体とを含むラジカル重合可
能な不飽和単量体(X)を重合してなる重合体を、塩基
性物質で中和して1次重合体(a)とし、前記重合体
(a)を高分子乳化剤として、芳香族系単量体を含むラ
ジカル重合可能な不飽和単量体(Y)を、乳化重合して
得られる水分散体(b)より形成したものである感熱記
録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料の保
護層として用いられる感熱記録材料用水分散体に関し、
更に詳しくは、印字発色性と保存性、耐溶剤性、耐水性
を有する感熱記録紙を得ることが可能な感熱記録材料用
水分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、通常、無色または淡色
の塩基性ロイコ染料と有機あるいは無機顕色剤との呈色
反応を利用し、熱エネルギーによって溶融させることで
反応が起こり発色記録画像を得ることができる。このよ
うな記録方式は、記録装置が簡単であること、安価であ
ること、かつ保守が容易であることなどの利点から、フ
ァクシミリや自動券売機、科学計測機の記録用媒体等に
広く使用されている。さらに近年POS(Point Of Sale
s)システムの拡大化に伴うラベル用として使用される
ケースが増大している。
【0003】特にラベル用感熱記録紙は、可塑剤が含ま
れているラップ類に貼り付けて使用することが多く、裏
面からの可塑剤による記録の褪色を防ぐことが強く要望
されている。一般的なラベル用感熱記録紙は、紙支持体
の表面に発色層及び保護層が設けられ、さらに紙支持体
の裏面にバックコート層を介して粘着剤層とその下に剥
離紙が積層されている。
【0004】通常、粘着剤層の粘着剤はゴム系、アクリ
ル系等が使用されており可塑剤が含まれているラップ類
に張り付けて使用すると可塑剤が紙中を浸透し感熱記録
層まで達し、その結果感熱記録体の発色が消えてしまう
問題があった。
【0005】そのため、水溶性高分子を主体としたバッ
クコート層を設けた感熱記録体が提案されている。こう
した例はポリアクリルアミド等の水溶性高分子(特開昭
57−123088号公報)、イソブチレンー無水マレ
イン酸共重合体(特開昭59−9091号公報)、ポリ
ビニルアルコール/アクリルアミド又はメタクリルアミ
ド/アクリロニトリル(特開昭59−78887号公
報)コロイダルシリカ(特開昭62−32081号公
報)、離型剤とワックス類(特開平2−165988号
公報)等を塗布する方法が開示されている。しかしなが
らこうした従来のバックコート層を設けた感熱記録用ラ
ベルはラップ類で包んだ食品等に添付すると、消色作用
や高湿度下では被着体から剥がれる等必ずしも満足され
たものではない。これは、従来の感熱記録紙は耐可塑剤
性、耐溶剤性、耐水性が低いという問題点を有している
と考察できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、バ
ックコート層が、溶液重合、塊状重合などから得られた
高分子乳化剤を使用した乳化重合体でありながら、耐可
塑剤性、耐溶剤性、耐水性の良好な塗膜を形成すること
のできる水分散体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、紙
支持体を含んでなり、紙支持体の片面に感熱記録層を設
けてなり、かつ、紙支持体の感熱記録層を設けていない
側の面にバックコート層を設けてなる感熱記録材料にお
いて、バックコート層が、カルボキシル基含有単量体と
芳香族系単量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単量
体(X)を重合してなる重合体を、塩基性物質で中和し
て1次重合体(a)とし、前記重合体(a)を高分子乳化
剤として、芳香族系単量体を含むラジカル重合可能な不
飽和単量体(Y)を乳化重合してなる水分散体(b)より
形成したものである感熱記録材料に関する。
【0008】また、本発明は、重合体(a)のラジカル重
合可能な不飽和単量体(x)に由来する部分と、ラジカ
ル重合可能な不飽和単量体(Y)との重量比が、2:8
〜5:5であることを特徴とする上記感熱材料に関す
る。
【0009】また、本発明は、水分散体(b)の粒子径
が、10〜100nmであることを特徴とする上記感熱記
録材料に関する。
【0010】
【発明の実施形態】以下に、本発明の好ましい実施形態
を説明するが、本発明は以下の説明に限定されるもので
はない。
【0011】本発明では、目的とする水分散体(b)を
製造するために2回の重合を行う。1次重合体(a)を
重合する工程では、カルボキシル基含有単量体と芳香族
系単量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単量体
(X)を溶液重合または、塊状重合を行う。
【0012】1次重合体(a)においては、ラジカル重
合可能な不飽和単量体(X)は、カルボキシル基含有単
量体、芳香族系単量体、および、その他のラジカル重合
可能な不飽和単量体からなる。
【0013】本発明に使用するカルボキシル基含有単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などの重合性不飽
和カルボン酸およびそれらの無水物などから1種または
2種以上を選択することができる。
【0014】カルボキシル基含有単量体は、1次重合体
(a)で使用するラジカル重合可能な不飽和単量体(X)
中の5〜35重量%であることが望ましい。カルボキシ
ル基含有単量体が5重量%より少ないと、後からの高分
子乳化剤としての効果が著しく悪い。一方、35重量%
より多いと、高分子乳化剤としての効果は良好であるが
コーティング剤に使用した場合、塗膜の耐水性が悪くな
る。
【0015】本発明に使用する芳香族系単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ベンジルア
クリレート、ベンジルメタクリレート、ビニルトルエン
等から1種または2種以上を選択することができる。
【0016】芳香族系単量体は、1次重合体(a)で使
用するラジカル重合可能な不飽和単量体(X)中の65
〜95重量%であることが望ましい。芳香族系不飽和単
量体は疎水性が高いため、これを多く含む分散体を用い
たコーティング剤の塗膜は高い耐水性をもつ。そのた
め、高耐水性を得るには1次重合体(a)についても芳
香族系単量体をできるだけ多量に使用した方が有利であ
る。
【0017】本発明に使用するその他のラジカル重合可
能な不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミ
ル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアク
リル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル
酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタク
リル酸ドデシルなどのメタクリル酸アルキルエステル
類;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有モノマ
ー;N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミドなどのN−
置換アクリル、メタクリル系モノマー;アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有
モノマー;並びにアクリロニトリルなどから1種または
2種以上を選択することができる。
【0018】本発明の重合体を、塩基性物質で中和して
1次重合体(a)とする。この操作により1次重合体
(a)は高分子乳化剤としての機能を十分発揮できるよ
うになる。
【0019】中和する際の塩基性物質としては、アンモ
ニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルア
ミン等のアルキルアミン類;2−ジメチルアミノエタノ
ール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ア
ミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類;モル
ホリン等の塩基で中和することができる。
【0020】本発明では、中和とは、カルボキシル基含
有単量体のカルボキシル基と、塩基性物質の塩基とを反
応させることを意味し、必ずしも、中和後のpHが7付
近である必要はない。従って、中和の程度は特に制限は
なく、1次重合体(a)が高分子乳化剤として機能する
範囲で行うことができる。
【0021】1次重合体でのカルボキシル基含有重合体
(a)は、市販されている重合体を使用しても良い。例
えば、スチレン・アクリル共重合体((株)岐阜セラッ
ク製GSA-2302、GSA-804、東亜合成(株)製UC-3900
等)がある。さらにアクリル重合体(東亜合成(株)製
UC-3000等)がある。これらの重合体を塩基性物質
で中和して1次重合体(a)としても良い。またこれら
の1種または2種以上を混合して用いても良い。
【0022】水分散体(b)においては、ラジカル重合
可能な不飽和単量体(Y)は、芳香族系単量体、およ
び、芳香族系単量体以外のラジカル重合可能な不飽和単
量体からなる。
【0023】芳香族系単量体は、前記で説明した芳香族
系単量体から1種または2種以上を選択することができ
る。1次重合体で用いる芳香族系単量体と、水分散体
(b)で用いる芳香族単量体とは、同じであっても異な
っていてもよい。
【0024】水分散体(b)では、芳香族系単量体は、
1次重合体で使用するラジカル重合可能な不飽和単量体
(Y)中の1〜80重量%であることが望ましい。前述
したように芳香族系不飽和単量体を多く含む化合物を用
いたコーティング剤の塗膜は高い耐水性をもつため、2
次重合体(b)においても20重量%以上の芳香族系不
飽和単量体が必要である。
【0025】芳香族系単量体以外のラジカル重合可能な
不飽和単量体としては、1次重合体(a)で説明したカ
ルボキシル基含有単量体、およびその他のラジカル重合
可能な不飽和単量体の中から1種または2種以上から選
択することができる。1次重合体で用いるラジカル重合
可能な不飽和単量体(X)と、2次工程で用いるラジカ
ル重合可能な不飽和単量体(Y)とは、同じであっても
異なっていてもよい。カルボキシル基含有単量体は、必
ずしも必要ではない。
【0026】本発明は、この2つの工程で重合を行い、
2次重合体(b)を作成することを特徴とする。この工
程における2次重合体(b)の重合安定性は、塩基性物
質により中和された1次重合体(a)の高分子乳化剤と
しての性能に大きく依存する。1次重合体(a)にはそ
の水溶化のためにカルボキシル基含有単量体を使用して
いるが、本発明では耐水性の良好な水分散体とするため
その使用量をできるだけ少なくしている。これにより耐
水性は向上するが、1次重合体を中和して水溶化した1
次重合体(a)の水溶性が充分ではないまま、2次重合
体(b)を作成すると、凝集物が多量に発生する。
【0027】この場合、1次重合体の量をある程度多く
することで凝集物の量を減らすことはできるが、高分子
乳化剤とほとんど同じ物性の樹脂溶液が得られるだけと
なる。このような不具合を解消するため、1次重合体の
ラジカル重合可能な不飽和単量体(X)と、2次の工程
のラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)との比が重要
である。2:8〜5:5が良好である。好ましくは3:
7〜4:6である。その結果、2次の工程で行う乳化重
合の安定化が図れ、目的とする水分散体(b)を得るこ
とができる。
【0028】1次重合体(a)および2次重合体(b)
の乳化重合時に使用する開始剤としては、アンモニウム
パーオキサイド、ソディウムパーオキサイド等の無機系
過酸化物重合開始剤や水溶性アゾ系開始剤を使用する。
場合によればベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどの油溶性の開始剤を併用することも
できる。これら開始剤は単独で使用することもできる
が、ロンガリット等の還元剤との併用によるレドックス
型で使用してもよい。
【0029】また分子量調整のために連鎖移動剤とし
て、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メト
キシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカ
プトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプ
タン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー
などを使用することができる。連鎖移動剤は、特に1次
重合体(a)の重合での使用が重要であり、1次重合体
(a)の分子量によりその高分子乳化剤としての性能も
左右される。1次重合体(a)の重量平均分子量につい
ては5000〜50000が適当であり、この調整には
連鎖移動剤を用いるのが最も有効である。さらに水分散
体(b)の分子量を調整するために2次重合体(b)の乳
化重合時にも使用することができる。
【0030】本発明で製造された水分散体(b)の粒子
径は、10〜100nmであることが好ましい。水分散体
(b)の粒子径は、コーティング剤として用いた場合の
成膜性に大きな影響を与える。粒子径が100nmより
大きい場合であると得られた塗膜の耐可塑剤性、耐水性
が低く、また塗膜の割れなどの塗膜欠陥にもつながる。
また、通常の手法では、粒子径が10nmより小さい水
分散体は得られにくい。なお、粒子径はレーザー光散乱
法(日機装マイクロトラックUPA)で測定した。
【0031】本発明で製造された水分散体は、感熱紙の
バックコート剤としてコーティングする。バックコート
層の塗布乾燥方法は、従来からの公知の技術に従って形
成することができる。例えばエアーナイフコーティン
グ、ブレードコーティング、ロールコーティング、バー
コーティング、グラビアコーティング、カーテンコーテ
ィング等の塗布方法により塗布乾燥して形成される。塗
布量は、乾燥重量で0.5〜20g/m2、好ましくは
0.9〜5g/m2程度の範囲で調整される。紙支持体
は、特に限定されず、紙、合成紙等適時用いられる。な
お、紙支持体の裏面にバックコート層を形成する際の塗
布順序については、特に限定されるものではなく、感熱
記録層の形成の前であっても後であってもよい。このコ
ーティング剤は保存安定性、成膜性が良好であり、コー
ター適性に優れ、耐可塑剤性、耐溶剤性、耐水性、耐ブ
ロッキング性、密着性の良好な塗膜を形成する。
【0032】またこれらのコーティング剤には必要に応
じて無機顔料を使用してもよい。無機顔料として例えば
マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、アルミ
ニウム、亜鉛等の各種金属の酸化物、水酸化物、硫化
物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩など必要に応じて2種類以
上を併用してもよい。
【0033】粘着剤としてはゴム系、アクリル系、ビニ
ルエーテル系等のエマルジョンや溶剤、無溶剤型の各種
粘着剤が使用される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。
【0035】(合成例1)「溶液重合」 温度計、滴下ロート、還流冷却管を備え窒素ガスで置換
した反応容器に、表1に示すイソプロピルアルコールと
重合開始剤アゾビスイソブチロニトリルを全量仕込ん
だ。内温を80℃に昇温した後、表1の不飽和単量体
(X)と連鎖移動剤を2時間かけて滴下した。内温を80
℃に保ちながら、さらにその温度で4時間反応した。次
に内温50℃以下で25%アンモニア水、イオン交換水
を添加して20分間撹拌を続けた。次に内温を80〜8
5℃に昇温しイソプロピルアルコールを脱アルコールし
た。規定量抜いた後、冷却、調整水で調整を行い固形分
42%、粘度3240mPa・s、 pH8.4の水溶性樹脂組
成物(a)を得た。
【0036】(合成例2)「塊状重合」 温度計を備え窒素ガスで置換した加圧反応容器に、表1
に示す全量を仕込んだ。内温を280℃に昇温した後、
内温を保ちながら1時間反応した。次に撹拌機を止めて
内温50℃以下まで冷却をし、25%アンモニア水、イ
オン交換水を添加して1時間撹拌を続け固形分39%、
粘度820mPa・s、pH8.2の水溶性組成物(a)を
得た。
【0037】
【表1】
【0038】(合成例3)次に、上記重合体(a)を温
度計、滴下ロート、還流冷却管を備え窒素ガスで置換し
た反応容器に、表2に示す合成例1の水溶性重合体
(a)を仕込み80℃に昇温した。次に不飽和単量体
(Y)を3時間かけて滴下した。初期及び途中6回重合
開始剤を添加し、さらに2時間反応した。固形分45
%、粘度770mPa.s、pH8.4、粒子径83nmの安定
な重合体(c)が得られた。
【0039】(合成例4〜7)表2に示す組成を実施例
3と同様の方法で重合して、それぞれの水分散体を得
た。
【0040】合成例3〜7の固形分、pH、粘度、粒子径
は表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】(比較合成例1〜3)表3に示す組成を合
成例1と同様の方法で重合して、それぞれの水分散体を
得た。比較合成例1は重合途中でゲル化した。
【0043】
【表3】
【0044】(実施例1〜5および比較例1〜3)次に
得られた合成例3〜7および比較合成例1〜3の水分散
体の物性を評価した。評価試験方法は下記に示した方法
で行った。各試験で得られた試料の物性結果を表4に示
した。
【0045】
【表4】
【0046】得られた水分散体を用いて、下記の処方で
コート剤を調整し、耐可塑剤性、耐水性を評価した。
【0047】 処方 水性樹脂分散体 22.0 重量部 イオン交換水 78.0 重量部 100.0 重量部評価方法 1.市販ファクシミリ感熱紙の裏面に、バーコーターを
用いて乾燥塗膜厚が1〜1.3g/mとなるように塗布
し、直ちに60℃の熱風循環式乾燥機に60秒入れて乾
燥させた。2.離型紙上にアクリルエマルジョン系粘着
剤をバーコーターを用いて乾燥塗膜が20g〜22g/m
となるように塗布し、直ちに105℃の熱風循環乾燥
機に75秒入れて乾燥させ、上記1のコート面に反転さ
せた。
【0048】耐可塑剤性―(A) 上記試料の感熱面を熱傾斜プレート(83℃〜130
℃)で30秒間圧着し発色させた。試料のバックコート
/粘着剤層面に塩化ビニリデンラップを貼りつけ50℃
中に3日間放置し、褪色度合いを処理前のものと比較、
目視評価した。なお、原紙のみを発色/処理なしのもの
を5とし、黒色感ほとんど無しのものを1とした。4以
上は実用レベルである。
【0049】耐可塑剤性―(B) 上記試料のバックコート/粘着剤層面に塩化ビニリデン
ラップを貼りつけ50℃中に3日間放置した後、感熱面
を熱傾斜プレート(83℃〜130℃)で30秒間圧着
し発色させ、発色度合いを目視評価した。なお、原紙の
みを発色/処理なしのものを5とし、黒色感ほとんど無
しのものを1とした。4以上は実用レベルである。
【0050】耐水性―(A) 上記試料を用いて、水浸漬24時間おこなった。引上げ
直後、脱落、白化、膨潤、粘着剤層との層間状態を観
察、手もみ試験を行い異常のないものを5とし、5−1
の評価をした。3以上は実用レベルである。
【0051】耐水性―(B) 上記試料を用いて、発色させたものを40℃―100%
RH中3日間放置後発色度合い及びバックコート層/粘着
剤層の異常について観察し、異常のないものを5とし、
5−1の評価をした。3以上は実用レベルである。
【0052】
【発明の効果】本発明により保存安定性、成膜性が良好
であり、感熱記録紙のバックコート層に用いるとコータ
ー適性に優れ、耐可塑剤性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロ
ッキング性、密着性の良好な塗膜を形成することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA07 DD14 DD17 DD48 DD58 EE03 FF01 FF17 4J011 AA08 KA15 KA19 KB08 KB29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体を含んでなり、紙支持体の片面に
    感熱記録層を設けてなり、かつ、紙支持体の感熱記録層
    を設けていない側の面にバックコート層を設けてなる感
    熱記録材料において、バックコート層が、カルボキシル
    基含有単量体と芳香族系単量体とを含むラジカル重合可
    能な不飽和単量体(X)を重合してなる重合体を、塩基
    性物質で中和して1次重合体(a)とし、前記重合体
    (a)を高分子乳化剤として、芳香族系単量体を含むラ
    ジカル重合可能な不飽和単量体(Y)を乳化重合してな
    る水分散体(b)より形成したものである感熱記録材
    料。
  2. 【請求項2】重合体(a)のラジカル重合可能な不飽和
    単量体(X)に由来する部分と、ラジカル重合可能な不
    飽和単量体(Y)との重量比が、2:8〜5:5である
    ことを特徴とする請求項1記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】水分散体(c)の粒子径が、10〜100
    nmであることを特徴とする請求項1または2記載の感
    熱記録材料。
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