JP2003292874A - 剥離性材料及び剥離剤 - Google Patents

剥離性材料及び剥離剤

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JP2003292874A
JP2003292874A JP2002378656A JP2002378656A JP2003292874A JP 2003292874 A JP2003292874 A JP 2003292874A JP 2002378656 A JP2002378656 A JP 2002378656A JP 2002378656 A JP2002378656 A JP 2002378656A JP 2003292874 A JP2003292874 A JP 2003292874A
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JP2002378656A
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Yuichi Sakai
裕一 酒井
Junichi Yamamoto
淳一 山元
Kazuo Hirano
和雄 平野
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙等の浸透性基材を用いる場合もアンダーコ
ート剤の塗布が不要で基材への直接塗布により製造可能
であり、シリコーン使用量が少ない場合でも剥離性に優
れ、剥離強度の経時変化が少なく、剥離性材料から剥離
後の粘着テープ、シール等の残留接着率が高く、且つ、
剥離面への筆記性、印字性を有する剥離性材料、及び、
剥離剤を提供すること。 【解決手段】 剥離剤層が不飽和カルボン酸モノマー5
〜80重量%含有する単量体組成物を重合してなるエマ
ルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得ら
れる樹脂中和物、及びシリコーンエマルジョン及び/又
はシリコーン分散体を用いてなる剥離性材料、及び剥離
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着テープ、クラフ
トテープ、及び粘着シート、粘着ラベルの台紙等に使用
される剥離紙、剥離フィルム、剥離性布等の剥離性材
料、及び、その製造に使用される剥離剤に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープ、クラフトテープ、粘着ラベ
ル、粘着シール、粘着シート等の分野では剥離紙に代表
される剥離性材料が広く使用されている。こうした剥離
性材料は主に溶剤型、無溶剤型もしくはエマルジョン型
のシリコーン樹脂より成る剥離剤液を紙等の基材に直接
塗布する方法により製造可能である。しかし、かかる方
法では紙等の浸透性基材の場合には塗工液が基材に浸透
するため、シリコーン樹脂の使用量が多くなる問題点を
有していた。そこで、塗工液の浸透を抑えるために、基
材上にポリエチレンをラミネートし、その上に溶剤型の
シリコーン樹脂を塗布する方法が現在、主流となってい
る。しかし、近年、資源、環境問題より紙をリサイクル
して再生紙とする必要が生じている。そのためには回収
性の悪いポリエチレンラミネートを使用しない方法が望
まれている。具体的にはポリエチレンに代えてSBラテ
ックス、アクリルラテックス等のラテックス類(特開2
001-2975等)、ポリビニルアルコール等の水溶
性樹脂(特開平5-279995等)をアンダーコート
剤として基材上に塗布した後、シリコーン樹脂を塗布す
る方法が提案されている。しかし、この方法では性能、
生産性の面で十分満足するものが得られていない。ま
た、水性エマルジョンとシリコーン化合物の混合物を直
接塗布、硬化する方法(特表平3-500060)も提
案されているが剥離性が不十分であり、剥離強度が経時
的に増加し、またシリコーン化合物の使用量を多くしな
いと剥離性が発現されない等の欠点を有していた。
【0003】また、クラフトテープ、タック紙等の剥離
面にマジックインキ、水性インキ、インクジェットプリ
ンター、熱転写プリンター等により筆記、印刷可能な剥
離性材料の提供が望まれている。剥離剤としてシリコー
ン樹脂を用いる方法では剥離性は良好であるが筆記、印
字性が不十分であり、一方、剥離剤として長鎖アルキル
基含有化合物等の非シリコーン化合物を用いた場合は筆
記性、印字性は良好で有るが剥離性が不十分であり、剥
離性と筆記性、印字性をともに満足するものは得られて
いない。
【0004】
【特許文献1】特開2001-2975号公報
【特許文献2】特開平5-279995号公報
【特許文献3】特表平3-500060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紙等の浸透
性基材を用いる場合もアンダーコート剤の塗布が不要で
基材への直接塗布により製造可能であり、シリコーン使
用量が少ない場合でも剥離性に優れ、剥離強度の経時変
化が少なく、剥離性材料から剥離後の粘着テープ、シー
ル等の残留接着率が高く、且つ、剥離面への筆記性、印
字性を有する剥離性材料、及び、その製造に使用される
剥離剤を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため種々検討を行った結果、剥離剤層に特定
のエマルジョン共重合体より得られる樹脂中和物、及び
シリコーンエマルジョン、及び/又はシリコーン分散体
を用いてなる以下の剥離性材料を見出し、本発明をなす
に至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0007】(1)基材上に剥離剤層を設けた剥離性材
料において、該剥離剤層が(A)不飽和カルボン酸モノ
マー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してな
るエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応によ
り得られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマル
ジョン及び/又はシリコーン分散体を用いてなる剥離性
材料。 (2)該(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリ
コーン分散体の動的光散乱法により測定される数平均粒
子径が200nm以下である(1)に記載の剥離性材
料。 (3)剥離剤層中に於ける(B)シリコーンエマルジョ
ン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合が1
〜50質量%であり、且つ、XPS(X線光電子分光装
置)により測定される該剥離剤層の表層ケイ素原子濃度
が10〜30原子%である事を特徴とする(1)〜
(2)のいずれかに記載の剥離性材料。
【0008】(4)中和反応により得られる樹脂中和物
が水溶性である(1)〜(3)のいずれかに記載の剥離
性材料。 (5)不飽和カルボン酸モノマーがアクリル酸及び/又
はメタクリル酸である(1)〜(4)のいずれかに記載
の剥離性材料。 (6)塩基性物質がアンモニアである(1)〜(5)の
いずれかに記載の剥離性材料。 (7)中和反応により得られる樹脂中和物のpHが3〜
13である(1)〜(6)のいずれかに記載の剥離性材
料。 (8)中和反応により得られる樹脂中和物のpHが6〜
10である(7)に記載の剥離性材料。
【0009】(9)該(B)シリコーンエマルジョン及
び/又はシリコーン分散体が硬化性シリコーンである
(1)〜(8)のいずれかに記載の剥離性材料。 (10)該(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシ
リコーン分散体がSi-H基含有シリコーン及びビニル
シリコーンから成り、白金族化合物を含む事を特徴とす
る(1)〜(9)のいずれかに記載の剥離性材料。 (11)基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーテ
ィング紙、樹脂フィルム、樹脂テープ、樹脂シートのい
ずれかである(1)〜(10)のいずれかに記載の剥離
性材料。 (12)基材が紙または布のいずれかである(11)に
記載の剥離性材料。
【0010】(13)(A)不飽和カルボン酸モノマー
5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエ
マルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得
られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョ
ン及び/又はシリコーン分散体を含有することを特徴と
する剥離剤。 (14)(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリ
コーン分散体の動的光散乱法により測定される数平均粒
子径が200nm以下である(13)に記載の剥離剤。 (15)全固形分に対する(B)シリコーンエマルジョ
ン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合が1
〜50質量%である(13)〜(14)のいずれかに記
載の剥離剤。 (16)中和反応により得られる樹脂中和物が水溶性で
ある(13)〜(15)のいずれかに記載の剥離剤。
【0011】(17)(C)(イ)不飽和カルボン酸モ
ノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合して
なるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応に
より得られる樹脂中和物、及び、(ロ)ビニルシリコー
ンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコ
ーン分散体及び白金族化合物、より成る剥離剤原液C、
及び(D)Si-H基含有シリコーンを含有するシリコ
ーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体より成る
剥離剤原液D、を混合して成る(13)〜(16)のい
ずれかに記載の剥離剤。 (18)(13)〜(17)のいずれかに記載の剥離剤
を基材上に塗布、乾燥する事を特徴とする剥離性材料の
製造方法。
【0012】(19)乾燥温度が100〜250℃で有
ることを特徴とする(18)に記載の剥離性材料の製造
方法。 (20)基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーテ
ィング紙、樹脂フィルム、樹脂テープ、樹脂シートのい
ずれかである(18)〜(19)のいずれかに記載の剥
離性材料の製造方法。 (21)基材が紙または布のいずれかである(20)に
記載の剥離性材料の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に具体的に
説明する。本発明において剥離剤層は剥離性材料の表面
に設けられる。該剥離剤層は基材上に直接設ける事もで
きるし、基材上に必要に応じてポリエチレンラミネート
層、アンダーコート層等を設け、その上に本発明の剥離
剤層を設けることもできる。但し、リサイクル性、生産
性からは本発明の剥離剤層を基材上に直接設けるのが好
ましい。
【0014】本発明の剥離性材料はXPS(X線光電子
分光装置)により測定される該剥離剤層の表層ケイ素原
子濃度が10〜30原子%であることが好ましい、より
好ましくは10〜25原子%であり、とりわけ好ましく
は15〜24原子%である。表層ケイ素原子濃度が該範
囲であるときは剥離性と筆記性、印字性がともに良好で
ある。本発明に於けるケイ素原子の原子%とはXPS
(X線光電子分光装置)により測定される炭素原子以上
の原子番号を持つ全ての原子数定量値の合計を基準とし
てケイ素原子の比率を表したものとする。測定に用いら
れるXPS(X線光電子分光装置)は試料にX線を照射
し、表面から放出された光電子の運動エネルギーを分析
する装置であり、試料表層(分析深さ数nm)に存在す
る元素の定性,定量,および化学状態分析ができるもの
であれば、特に限定されないが、サーモVG社製ESC
ALAB250などが例示される。
【0015】本発明においては剥離剤が不飽和カルボン
酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合
してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反
応により得られる樹脂中和物を含有する必要がある。該
剥離剤を用いて剥離剤層に特定の樹脂中和物由来の成分
を含有させることにより優れた剥離性、経時変化抑制、
残留接着率向上、剥離面への筆記性、印字性を達成する
ことが出来る。
【0016】本発明に用いられるエマルジョン共重合体
(エマルジョン状態にある共重合体)は重合に用いた全
モノマーに対する不飽和カルボン酸モノマーの質量分率
が5〜80質量%である必要があり、更に質量分率10
〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ま
しい。不飽和カルボン酸モノマーが該範囲であるときは
エマルジョンの安定性、及び、エマルジョンの中和反応
により得られる樹脂成分の水溶解性、膨潤性が良好であ
るので好ましい。本発明に用いられるエマルジョン共重
合体は該不飽和カルボン酸モノマーと、必要により、そ
の他の重合性モノマーを含有する単量体組成物から通常
の乳化重合の手法により製造することが出来る。
【0017】本発明に用いられる不飽和カルボン酸モノ
マーはカルボン酸基と重合性の2重結合を有するモノマ
ーであれば特に限定されないがアクリル酸、メタクリル
酸等の不飽和モノカルボン酸モノマー、イタコン酸、フ
マール酸、マレイン酸等の不飽和ポリカルボン酸モノマ
ーおよび、これらのカルボン酸基を1つ以上残したエス
テルが例示され、剥離性の発現、塗膜物性の点からアク
リル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。これらの
不飽和カルボン酸モノマーは2種以上併用することがで
きる。
【0018】本発明に用いられるその他の重合性モノマ
ーとしては不飽和カルボン酸モノマーと共重合可能で有
れば特に制限されないが、例示すると酢酸ビニル、スチ
レン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブ
タジエン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸(2-エチルヘキシル)などのアクリル
酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸(2-エチルヘキシル)などのメタク
リル酸エステル、アクリルアミドなどのアミド誘導体、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが上げら
れ、剥離性の発現、塗膜物性の点からアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルが好ましく用いられる。これ
らの重合性モノマーは1種または1種以上使用すること
ができる。
【0019】本発明に用いられるエマルジョン共重合体
のガラス転移点温度は特に限定されないが、塗膜強度、
剥離性等の塗膜物性の点から-35〜140℃が好まし
く、-25〜100℃がより好ましく用いられる。本発
明の剥離剤は該エマルジョン共重合体を塩基性物質によ
り中和して得られる樹脂中和物(A)を含有する。該エ
マルジョン共重合体はpH3未満の酸性条件下では粒子
状態で水中に乳化分散しているが塩基性物質を加えてp
H上げることにより水に溶解、又は膨潤する。本発明に
用いられる樹脂中和物は水溶性、又は水膨潤性の性質を
有するものである。本発明に用いる塩基性物質は該エマ
ルジョン共重合体の不飽和カルボン酸部分との中和反応
により、該エマルジョン共重合体を水に溶解、又は膨潤
できるものであれば特に限定されないが水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化
物、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、シクロヘキシルアミン、アリルアミン、
エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、エタノー
ルアミン等の脂肪族アミン化合物、アニリン等の芳香族
アミンが例示され、剥離性、残留接着性、塗膜物性の点
からアンモニア、脂肪族アミン化合物が好ましく用いら
れ、アンモニアが特に好ましく用いられる。塩基性物質
により該エマルジョン共重合体を水に溶解、又は膨潤す
ることにより剥離性、残留接着性を向上させることがで
き、塩基性物質により該エマルジョン共重合体を水に溶
解する場合、すなわち本発明の樹脂中和物が水溶性であ
る場合が剥離性、残留接着性の点からより好ましい。
【0020】本発明において該エマルジョン共重合体と
塩基性物質との中和反応後の樹脂中和物のpHは特に限
定されないが3〜13であるのが好ましく、5〜12で
あるのがより好ましく、6〜10であるのが更に好まし
い。pHが該範囲であるときは剥離性、残留接着性、エ
マルジョンの中和反応により得られる樹脂成分の水溶解
性、膨潤性が良好であるので好ましい。本発明のおいて
中和反応の方法は特に限定されないが、エマルジョン共
重合体に塩基性物質の水溶液を所定のpHになるまで攪
拌しつつ加える方法が例示される。加える塩基性物質の
水溶液濃度は特に限定されないが適当な剥離剤濃度が得
られ、局所的な中和反応による増粘、ゲル化を避けるた
めには1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がよ
り好ましく用いられる。本発明の剥離剤におけるエマル
ジョン共重合体濃度は特に限定されないが適当な剥離剤
粘度が得られることから1〜50質量%が好ましく、5
〜40質量%がより好ましく用いられる。
【0021】本発明においては剥離剤が(B)シリコー
ンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を含有する
必要があり、剥離剤が動的光散乱法により測定される数
平均粒子径が200nm以下の(B)シリコーンエマル
ジョン及び/又はシリコーン分散体(これらの一方のみ
を用いる場合は個々の数平均粒子径、これらの混合物に
あっては該混合物の数平均粒子径を指す)を含有するこ
とが好ましい。該剥離剤を用いて剥離剤層にシリコーン
化合物を含有させることにより剥離性を発現させること
が出来る。本発明の剥離剤に用いるシリコーン化合物は
エマルジョン又は分散体として用いる必要があり、かつ
動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200n
m以下であることが好ましい。更に、(B)シリコーン
エマルジョン及び/又はシリコーン分散体の数平均粒子
径が1〜200nmがより好ましく用いられる。数平均
粒子径が200nm以下では粒子径が大きい場合に比べ
剥離強度が極めて小さくなるため好ましく、1nm以上
では(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコー
ン分散体の調製が容易であるため好ましい。剥離性が更
に向上することより数平均粒子が1〜100nmである
ことがとりわけ好ましい。数平均粒子径が200nm以
下で剥離強度が小さくなる原因は明らかではないが、シ
リコーンエマルジョン又はシリコーン分散体の粒子径が
200nm以下では剥離剤層形成時にシリコーン成分が
表面に局在化し易くなるため、剥離性が向上するものと
推測している。
【0022】本発明に用いられるシリコーンエマルジョ
ンはシリコーン化合物をノニオン系乳化剤等の界面活性
剤を用いて溶剤中に乳化して得られるものであり、シリ
コーン分散体は界面活性剤を用いず親水基による変性等
によりシリコーン化合物を溶剤中に分散させて得られる
ものである。本発明のシリコーンエマルジョン、又はシ
リコーン分散体に用いられるシリコーン化合物としては
特に限定されないが、例示すればSi-H基含有シリコ
ーン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシ
ロキサン、アルコキシ基含有シリコーン、シラノール基
含有シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン
オイル、ビニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコー
ン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコ
ーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコ
ーン、メタクリル変性シリコーン、カルボン酸変性シリ
コーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、アルコール変
性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フロロアルキ
ル変性シリコーン等の変性シリコーン等である。これら
のシリコーン化合物は単独でも、2種以上が共存するこ
ともできる。
【0023】本発明のシリコーンエマルジョン、又はシ
リコーン分散体は硬化性シリコーンであることが好まし
い。硬化性シリコーンを用いることにより剥離性が向上
し、剥離強度の経時変化が抑制でき、残留接着率を高く
することが出来る。硬化性シリコーンとしては熱、紫外
線、電子線等で硬化するものであれば特に限定されない
が、例示すればSi-H基含有シリコーン及びビニルシ
リコーンによる付加型硬化、Si-H基含有シリコーン
及びシラノール基含有シリコーンによる縮合型硬化、光
重合性官能基変性シリコーンによるUV硬化である。特
に、Si-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンを
用いる付加型硬化が硬化性の点から好ましい。Si-H
基含有シリコーン及びビニルシリコーンの付加硬化反応
を促進するために公知の触媒を共存させるのが好まし
く、硬化触媒として白金族化合物を用いることが硬化性
能の面から特に好ましい。本発明に用いられるSi-H
基含有シリコーンとしては特に限定されないがポリメチ
ルハイドロジェンシロキサンが好ましく用いられる。本
発明に用いられるビニルシリコーンとしては特に限定さ
れないが多官能ビニル基を有するポリメチルシロキサン
が好ましく用いられる。本発明に用いられる白金族触媒
としては塩化白金酸、塩化白金酸-オレフィン錯体等が
例示され、使用量はシリコーン合計量に対して通常5〜
1000ppmである。Si-H基含有シリコーンとビ
ニルシリコーンの比率は特に限定されないが通常(Si
-Hモル数)/(ビニル基モル数)比で0.5〜10で
あり、硬化性より、1.0〜3.0が好ましく用いら
れ、このような(Si-Hモル数)/(ビニル基モル
数)比のシリコーン化合物の例としては旭化成ワッカー
シリコーン社のシリコーンエマルジョンSLJ1519
A/B、DEHESIVE400E/V20、DEHE
SIVE39005VP/39006VP等が例示され
る。
【0024】本発明において剥離剤の全固形分に対する
(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分
散体由来の固形分の割合は特に限定されないが1〜90
質量%であることが好ましく、1〜50質量%であるこ
とがより好ましく、5〜40質量%がさらに好ましく用
いられ、10〜30質量%が特に好ましく用いられる。
(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分
散体固形分の含有率が1質量%以上では剥離性発現の点
で好ましく、含有率が90質量%以下では高価なシリコ
ーンの使用量が少なく経済的に好ましく、含有率が50
質量%以下では筆記性、印字性発現の点でより好まし
い。本発明は従来技術に比べてより少ないシリコーン含
有率で剥離性能が優れ、且つ、印字性、筆記性に優れる
という特徴を有している。また、本発明に用いられる
(A)特定のエマルジョン共重合体と塩基性物質との中
和反応により得られる樹脂中和物由来の固形分は10〜
99質量%が好ましく用いられ、50〜99質量%がよ
り好ましく用いられ、60〜95質量%がさらに好まし
く用いられ、70〜90質量%が特に好ましく用いられ
る。該樹脂中和物由来の固形分が該範囲であるときは剥
離性、印字性、筆記性が良好であるので好ましい。
【0025】本発明の剥離剤の製造方法は特に限定され
ないが例示すれば、本発明の樹脂中和物に本発明のシリ
コーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を混合
攪拌すること等により製造することができる。シリコー
ンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体としてSi
-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンを用い、付
加型硬化反応を加熱、乾燥時に行わせる場合は剥離液の
保存安定性の点から塗工直前にSi-H基含有シリコー
ンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコ
ーン分散体、及びビニルシリコーンを含有するシリコー
ンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体、白金族化
合物等の硬化触媒を混合した後、本発明の樹脂中和物に
該混合液を加えて混合攪拌して製造することが好まし
く、(C)ビニルシリコーンを含有するシリコーンエマ
ルジョン及び/又はシリコーン分散体、白金族化合物等
の硬化触媒、及び本発明の樹脂中和物を混合撹拌して得
られる剥離原液Cと(D)Si-H基含有シリコーンを
含有するシリコーンエマルジョン、及び/又はシリコー
ン分散体より成る剥離原液Dを塗工直前に混合撹拌して
本発明の剥離剤を製造することが作業性の点からより好
ましい。本発明において混合撹拌の方法は特に限定され
ないがシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分
散体が均一に分散されることが剥離性の発現の点で好ま
しく、混合方式、混合時間は均一分散を達成できる条件
を選定するのが好ましい。
【0026】本発明の剥離剤には成膜性向上などを目的
として水以外の溶剤を併用することが可能であり、特に
限定されないがエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2,
2,4-トリメチルー1,3-ペンタンジオールモノイソ
ブチレート、ベンジルアルコール等のアルコール類、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の
エステル類、ケトン類の水溶性溶剤が例示される。
【0027】本発明の剥離剤には必要に応じて、SBラ
テックス、アクリルラテックス等の高分子エマルジョ
ン、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニル
アルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、
カチオン変成ポリビニルアルコール、アセトアセチル変
性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、デンプン、カゼ
イン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等の水溶性樹脂、高分子樹脂又は
エラストマー等の剥離コントロール剤、架橋剤、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム等の顔料、滑剤、シランカ
ップリング剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、顔料分散剤、
添加剤等を含有することが出来る。
【0028】本発明に用いられる基材としては特に限定
されないが上質紙、クラフト紙、グラシン紙、コート紙
等の紙、織布、不織布等の布、木材、コンクリート、モ
ルタル、セメント板、煉瓦、瓦、石等の浸透性の基材、
ポリエチレンラミネート紙等の樹脂ラミネート紙、上質
紙等にポリビニルアルコール、でんぷん、SBラテック
ス等をコートした樹脂コート紙、ポリプロピレンやポリ
エチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、樹脂テー
プ、樹脂シート、プラスチック板、金属板、金属箔等の
非浸透性の基材が例示されいずれにも用いられが、通
常、紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーティング紙、
樹脂フィルム、樹脂テープ、樹脂シートが好ましく用い
られ、浸透性の基材である上質紙、クラフト紙、グラシ
ン紙、コート紙等の紙、または織布、不織布等の布を用
いる場合はアンダーコート層を設けなくとも使用可能で
あり、従来の技術に比べより低いシリコーン使用量で剥
離性能を発揮出来るのでとりわけ好ましい。本発明によ
り剥離紙、粘着シート、タック紙、ラベル、ステッカ
ー、ワッペン、配送伝票、粘着テープ、クラフトテー
プ、工程紙等が好適に製造される。
【0029】本発明の剥離性材料は該剥離剤を基材上に
塗布、乾燥することにより製造することが出来る。塗布
方法としては特に限定されないがサイズプレス、ブレー
ドコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、
ブラシュコーター、カーテンコーター、バーコーター、
グラビアコーター、スプレー等が使用できる。乾燥方
法、乾燥温度としては特に限定されないが自然乾燥、熱
風乾燥、赤外線乾燥等が例示され、乾燥温度は80〜2
50℃が好ましく用いられ、100〜250℃がより好
ましく用いられ、120〜200℃が特に好ましく用い
られる。乾燥温度が該範囲の場合は剥離性、乾燥工程の
生産性が良好であるので好ましい。塗工量は特に限定さ
れないがシリコーン塗布量として0.01〜10g/m
2が好ましく、0.05〜5g/m2がより好ましく、
0.1〜1g/m2が更に好ましくい。シリコーン塗布
量が該範囲では剥離性が十分であり、且つ、シリコーン
使用量も少ないため経済的にも好ましい。塗布、乾燥後
にスーパーカレンダー、グロスカレンダー等により平滑
度を調整することも出来る。
【0030】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。X
PS(X線光電子分光装置)による剥離剤層の表層ケイ
素原子濃度はサーモVG社製ESCALAB250(取
り出し角90度)により測定した。動的光散乱法による
数平均粒子径はLeeds&Northrup社製マイ
クロトラックUPA粒度分布計により測定した。
【0031】剥離性材料の評価は試験片に粘着テープ
(日東電工31B、幅5cm)を張り付け、引っ張り試
験機を用いて引っ張り方向180°、引っ張り速度0.
3m/分にて初期剥離強度を測定した。剥離強度の経時
変化は粘着テープ張り付け後の試験片を23℃、50%
RHにて14日間保存後、同様に剥離強度を測定した。
残留接着率は14日後の剥離強度測定後の粘着テープを
アルミ板に貼り付け剥離強度を測定し、未使用の粘着テ
ープをアルミ板に張り付けたものの剥離強度の値を基準
として百分率で表した。未使用粘着テープの剥離強度は
11.8N/5cmであった。筆記性の評価は試験片に
油性マジックで筆記した後、ティッシュペーパーでふき
取り筆記跡の状態を目視により判定した。印字性の評価
は試験片に市販インクジェットプリンター(エプソン社
製、PM−950C)にて印字した後、ティッシュペー
パーでふき取り印字跡の状態を目視により判定した。評
価基準は以下に示した。
【0032】(1)剥離性:初期剥離強度により判定し
た。 ○:0〜0.20N/5cm、△:0.21〜0.98
N/5cm、×:0.98N/5cmより大 (2)剥離強度の経時変化:14日後の剥離強度により
判定した。 ○:0〜0.20N/5cm、△:0.21〜0.98
N/5cm、×:0.98N/5cmより大 (3)残留接着率:14日後の残留接着率により判定し
た。 ○:85〜100%、△:65〜84%、×:65%よ
り小 (4)筆記性:ふき取り後の油性マジックの筆記跡によ
り判定した。 ○:ほぼ残る、△:一部残る、×:全く残らない (5)印字性:ふき取り後のインクジェットインクの印
字跡により判定した。 ○:ほぼ残る、△:一部残る、×:全く残らない
【0033】[実施例1]アクリルラテックス(アクリ
ル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチル/メ
タクリル酸=60/15/25質量比、固形分30質量
%)100質量部に水100質量部を加えたのち10質
量%アンモニア水溶液をかくはんしつつ加え、PH8.
4の樹脂水溶液を得た。該樹脂水溶液にシリコーンエマ
ルジョンDEHESIVE39005VP/39006
VP(旭化成ワッカーシリコーン社製、数平均粒子径4
40nm、シリコーン成分50質量%、Si-H基含有
シリコーン、ビニルシリコーン、白金化合物混合物)を
表1に示したシリコーン含有率となるよう加え、更に固
形分濃度10%となるように水を加えた後、混合攪拌し
て剥離剤液を作成した。この剥離剤液をクラフト紙(8
2g/m2)にバーコーターで塗布後、熱風乾燥器にて
140℃、5分間乾燥し、剥離紙を得た。得られた剥離
紙を20℃、65%RHにて一晩放置後、横6cm、縦
10cmに切り出し評価用試験片を得た。試験片の重量
増より全塗布量を測定し、シリコーン含有率を用いてシ
リコーン塗布量を計算した。試験片の評価結果を表1に
示した。
【0034】[実施例2]シリコーンエマルジョンをシ
リコーンエマルジョンSLJ1519A/B(旭化成ワ
ッカーシリコーン社製、数平均粒子径100nm、シリ
コーン成分50質量%、Si-H基含有シリコーン、ビ
ニルシリコーン、白金化合物混合物)に変更した以外は
実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評
価結果を表1に示した。
【0035】[実施例3]中和反応に使用するアルカリ
を10質量%アンモニア水溶液から10質量%水酸化ナ
トリウム水溶液に変更した以外は実施例2と同様の方法
で試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示し
た。
【0036】[実施例4]シリコーンエマルジョンをシ
リコーンエマルジョンDEHESIVE400E/V2
0(旭化成ワッカーシリコーン社製、数平均粒子径18
0nm、シリコーン成分48質量%、Si-H基含有シ
リコーン、ビニルシリコーン、白金化合物混合物)に変
更した以外は実施例1と同様の方法で試験片を得た。こ
の試験片の評価結果を表1に示した。
【0037】[実施例5]アクリルラテックスの組成を
アクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチ
ル/メタクリル酸=60/5/35質量比に変更した以
外は実施例2と同様の方法で試験片を得た。この試験片
の評価結果を表1に示した。
【0038】[実施例6]アクリルラテックスの組成を
アクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチ
ル/アクリル酸=60/15/25質量比に変更した以
外は実施例2と同様の方法で試験片を得た。この試験片
の評価結果を表1に示した。
【0039】[比較例1]アクリルラテックスをSBラ
テックス(スチレン/ブタジエン=41/56質量比、
ガラス転移温度0℃、最低成膜温度15℃、固形分50
質量%)に変更し、アンモニア水溶液による中和を行わ
ずにそのまま用いた以外は実施例1と同様の方法で試験
片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0040】[比較例2]アンモニア水溶液による中和
を行わずにアクリルラテックスをそのまま用いた以外は
実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評
価結果を表1に示した。
【0041】[実施例7〜10]アクリルラテックス
(アクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メ
チル/メタクリル酸=60/5/35質量比、固形分3
0質量%)100質量部に水92質量部を加えたのち5
質量%アンモニア水溶液をかくはんしつつ加え、PH
6.5の樹脂中和物を得た。該樹脂中和物にシリコーン
エマルジョンSLJ1519A/B混合物(旭化成ワッ
カーシリコーン製、数平均粒子径100nm、シリコー
ン成分50質量%、Si-H基含有シリコーン、ビニル
シリコーン、白金化合物混合物)を表1に示したシリコ
ーン含有率となるよう加え、更に固形分濃度15%とな
るように水を加えた後、混合攪拌して剥離剤液を作成し
た。この剥離剤液をクラフト紙(82g/m2)にバー
コーターで塗布後、熱風乾燥器にて140℃、5分間乾
燥し、剥離紙を得た。得られた剥離紙を23℃、50%
RHにて一晩放置後、横6cm、縦10cmに切り出し
評価用試験片を得た。試験片の重量増より全塗布量を測
定し、シリコーン含有率を用いて計算したシリコーン塗
布量は0.5g/mであった。試験片の評価結果を表
2に示した。
【0042】[実施例11]シリコーンエマルジョンを
シリコーンエマルジョンDEHESIVE400E/V
20(旭化成ワッカーシリコーン製、数平均粒子径18
0nm、シリコーン成分48質量%、Si-H基含有シ
リコーン、ビニルシリコーン、白金化合物混合物)に変
更した以外は実施例7と同様の方法で試験片を得た。こ
の試験片の評価結果を表2に示した。
【0043】[実施例12]アクリルラテックスの組成
をアクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メ
チル/メタクリル酸=60/15/25質量比に変更し
た以外は実施例7と同様の方法で試験片を得た。この試
験片の評価結果を表2に示した。
【0044】[実施例13]アクリルラテックス(アク
リル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチル/
メタクリル酸=60/5/35質量比、固形分30質量
%)100質量部に水92質量部を加えたのち5質量%
アンモニア水溶液をかくはんしつつ加え、PH6.5の
樹脂中和物を得た。該樹脂中和物にシリコーンエマルジ
ョンSLJ1519B(旭化成ワッカーシリコーン製、
数平均粒子径150nm、シリコーン成分50質量%、
ビニルシリコーン、白金化合物混合物)を加え、撹拌混
合し固形分中のシリコーン含有率5質量%の剥離剤原液
を得た。該剥離剤原液を23℃にて30日保存後にシリ
コーンエマルジョンSLJ1519A(旭化成ワッカー
シリコーン製、数平均粒子径150nm、シリコーン成
分50質量%、Si-H基含有シリコーン)を表2に示
したシリコーン含有率となるよう加え、更に固形分濃度
15%となるように水を加えた後、混合攪拌して剥離剤
液を作成した。該剥離剤液を用いて実施例7と同様の方
法で試験片を得た。この試験片の評価結果を表2に示し
た。
【0045】[実施例14]剥離剤液をクラフト紙に塗
布後の乾燥温度を140℃から100℃に変更した以外
は実施例7と同様の方法で試験片を得た。この試験片の
評価結果を表2に示した。
【0046】[比較例3]クラフト紙上に低密度ポリエ
チレン(旭化成製)を溶融押出によりラミネート(膜厚
15ミクロン)したものを剥離紙基材として用い、剥離
剤液として付加反応型シリコーンSD7220及び硬化
触媒SRX212CAT混合物(東レ・ダウコーニング
・シリコーン製、トルエン溶液、シリコーン成分30質
量%)を用いた以外は実施例7と同様の方法でシリコー
ン塗布量0.5g/mの試験片を得た。この試験片の
評価結果を表2に示した。
【0047】[比較例4]剥離剤液として長鎖アルキル
ペンダント型ポリマー・ピーロイル1010(一方社油
脂工業製、トルエン溶液)を用いた以外は実施例7と同
様の方法で塗布量0.5g/mの試験片を得た。この
試験片の評価結果を表2に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の剥離性材料は紙等の浸透性基材
を用いる場合もアンダーコート剤の塗布が不要で基材へ
の直接塗布により製造可能であり、シリコーン使用量が
少ない場合でも剥離性に優れ、剥離強度の経時変化が少
なく、剥離性材料から剥離後の粘着テープ、シール等の
残留接着率が高く、且つ、剥離面への筆記性、印字性を
有するという優れた効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/05 C09D 183/05 183/07 183/07 C09K 3/00 C09K 3/00 R Fターム(参考) 4F100 AK01A AK24B AK25B AK52B AL01B AL05B AT00A BA02 DG10A DG11A JK06 JL14 4J038 CG011 CG031 DL032 DL042 DL082 DL092 DL102 KA06 MA08 MA10 NA10 PC08 PC10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に剥離剤層を設けた剥離性材料に
    おいて、該剥離剤層が(A)不飽和カルボン酸モノマー
    5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエ
    マルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得
    られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョ
    ン及び/又はシリコーン分散体を用いてなる剥離性材
    料。
  2. 【請求項2】 該(B)シリコーンエマルジョン及び/
    又はシリコーン分散体の動的光散乱法により測定される
    数平均粒子径が200nm以下である請求項1に記載の
    剥離性材料。
  3. 【請求項3】 剥離剤層中に於ける(B)シリコーンエ
    マルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の
    割合が1〜50質量%であり、且つ、XPS(X線光電
    子分光装置)により測定される該剥離剤層の表層ケイ素
    原子濃度が10〜30原子%である事を特徴とする請求
    項1〜2のいずれか一項に記載の剥離性材料。
  4. 【請求項4】 中和反応により得られる樹脂中和物が水
    溶性である請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離性
    材料。
  5. 【請求項5】 不飽和カルボン酸モノマーがアクリル酸
    及び/又はメタクリル酸である請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の剥離性材料。
  6. 【請求項6】 塩基性物質がアンモニアである請求項1
    〜5のいずれか一項に記載の剥離性材料。
  7. 【請求項7】 中和反応により得られる樹脂中和物のp
    Hが3〜13である請求項1〜6のいずれか一項に記載
    の剥離性材料。
  8. 【請求項8】 中和反応により得られる樹脂中和物のp
    Hが6〜10である請求項7に記載の剥離性材料。
  9. 【請求項9】 該(B)シリコーンエマルジョン及び/
    又はシリコーン分散体が硬化性シリコーンである請求項
    1〜8のいずれか一項に記載の剥離性材料。
  10. 【請求項10】 該(B)シリコーンエマルジョン及び
    /又はシリコーン分散体がSi-H基含有シリコーン及
    びビニルシリコーンから成り、白金族化合物を含む事を
    特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の剥離性
    材料。
  11. 【請求項11】 基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹
    脂コーティング紙、樹脂フィルム、樹脂テープ、樹脂シ
    ートのいずれかである請求項1〜10のいずれか一項に
    記載の剥離性材料。
  12. 【請求項12】 基材が紙または布のいずれかである請
    求項11に記載の剥離性材料。
  13. 【請求項13】 (A)不飽和カルボン酸モノマー5〜
    80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマル
    ジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られ
    る樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョン及
    び/又はシリコーン分散体を含有することを特徴とする
    剥離剤。
  14. 【請求項14】 (B)シリコーンエマルジョン及び/
    又はシリコーン分散体の動的光散乱法により測定される
    数平均粒子径が200nm以下である請求項13に記載
    の剥離剤。
  15. 【請求項15】 全固形分に対する(B)シリコーンエ
    マルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の
    割合が1〜50質量%である請求項13〜14のいずれ
    か一項に記載の剥離剤。
  16. 【請求項16】 中和反応により得られる樹脂中和物が
    水溶性である請求項13〜15のいずれか一項に記載の
    剥離剤。
  17. 【請求項17】 (C)(イ)不飽和カルボン酸モノマ
    ー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなる
    エマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により
    得られる樹脂中和物、及び、(ロ)ビニルシリコーンを
    含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン
    分散体及び白金族化合物、より成る剥離剤原液C、及び
    (D)Si-H基含有シリコーンを含有するシリコーン
    エマルジョン及び/又はシリコーン分散体より成る剥離
    剤原液D、を混合して成る請求項13〜16のいずれか
    一項に記載の剥離剤。
  18. 【請求項18】 請求項13〜17のいずれか一項に記
    載の剥離剤を基材上に塗布、乾燥する事を特徴とする剥
    離性材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 乾燥温度が100〜250℃で有るこ
    とを特徴とする請求項18に記載の剥離性材料の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹
    脂コーティング紙、樹脂フィルム、樹脂テープ、樹脂シ
    ートのいずれかである請求項18〜19のいずれか一項
    に記載の剥離性材料の製造方法。
  21. 【請求項21】 基材が紙または布のいずれかである請
    求項20に記載の剥離性材料の製造方法。
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