JP2001171247A - 熱転写印刷可能な粘着テープ - Google Patents

熱転写印刷可能な粘着テープ

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JP2001171247A
JP2001171247A JP36021599A JP36021599A JP2001171247A JP 2001171247 A JP2001171247 A JP 2001171247A JP 36021599 A JP36021599 A JP 36021599A JP 36021599 A JP36021599 A JP 36021599A JP 2001171247 A JP2001171247 A JP 2001171247A
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self
sensitive adhesive
pressure
adhesive
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JP36021599A
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Nobuhisa Kobayashi
伸久 小林
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粘着テープ背面への熱転写方式による印刷・印
字が可能で、容易に粘着ラベルを発行することが可能
な、剥離紙を必要としない粘着テープを提供する。 【解決手段】(a)部分または完全ケン化された酢酸ビ
ニル(共)重合体と、(b)アルキルイソシアネートと
を反応させて得られる融点60〜120℃の長鎖アルキ
ルカルバメート系剥離剤を主成分とする記録層を基材の
片面に設け、該記録層面のJAPAN TAPPI 紙
パルプ試験方法No.5に準ずる平滑度が500秒以上
であり、基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなる熱
転写印刷可能な粘着テープ。該アルキルイソシアネート
がオクタデシルイソシアネートである粘着テープ。該剥
離剤中に融点が40℃〜110℃のワックスが添加され
ている粘着テープ。該ワックスが少なくともステアリル
ビニルエーテルまたは脂肪酸アミドを含む粘着テープ。
粘着剤層と記録層とのJIS−Z−0237(180°
引き剥がし法)に準ずる粘着力が5〜80N/mである
熱転写可能な粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写印刷可能な粘
着テープに関する。さらに詳しくは、熱転写方式によっ
てテープの背面(基材に設けられた粘着剤層とは反対
面)への印刷・印字が可能で容易に粘着ラベルを発行す
ることが可能な粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に粘着テープは、基材の片面に粘着
剤層を設け、もう一方の面(背面)には粘着テープを巻
き戻せるように剥離剤で処理されている。上記剥離剤は
非シリコーン系剥離剤とシリコーン系剥離剤とに大別さ
れる。このうち、シリコーン系剥離剤は優れた離型性を
発揮し、耐熱性に優れる等の長所がある一方、筆記性お
よび印刷性は全くない。また、非シリコーン系剥離剤の
うち最も広く使用されている長鎖アルキル基含有ポリマ
ー系剥離剤は、滑りにくい、マジックインキで筆記でき
るなどの特徴を有するものもあるが、熱安定性に劣る、
剥離が重い等の欠点がある。この長鎖アルキル基含有ポ
リマー系剥離剤は、シリコーン系剥離剤と比べるとある
程度の印刷性を有するものもあるが、特に熱転写方式に
よる印刷では、剥離剤面へのインク転写性は決して満足
できるものではなく、インクの剥離剤面への密着性はほ
とんどないものであった。このように上記シリコーン系
剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤を設けた粘着テープは、
粘着剤層との剥離性と言う点では優れた性能を発揮する
ものであるが、上記剥離剤層面へ熱転写方式によって印
刷しようとしてもインクがうまく転写されないか、イン
クが転写されても容易に脱落し、事実上印刷することは
不可能であった。
【0003】一方、一般的な被熱転写記録材としては、
紙やフィルム基材の表面にポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニル系樹
脂、結晶性ポリエチレン等のインク受像層を設けたもの
が用いられ、該受像層に対し、融点の低いワックスある
いはワックスよりも融点の高い樹脂等をバインダーに用
いたインクを熱転写印刷方式によって文字、バーコード
などのパターン印刷が可能となっている。
【0004】しかしながら、通常の熱転写印刷可能な記
録材は、インクリボンからインクを転写されなければな
らないという大前提から、一般的に該記録材の受像層は
インクに対して濡れやすく、表面エネルギーは高いた
め、粘着剤に対する剥離性は有しておらず、例えば印刷
前後に該記録材表面に粘着テープや粘着ラベルなどの粘
着製品が付着した場合に該記録材の受像層面から剥離す
ることができず、記録材として使用できなくなったり、
本来もつべき該記録材に記録された情報が失われてしま
う場合がある。
【0005】上記の理由から、前に述べたように粘着ラ
ベルなど粘着剤層を有するものは、支持体の表面にイン
ク受容層を設け、裏面に粘着剤層を介して剥離紙(剥離
ライナー)を貼付してある。上記剥離紙を用いるのは、
インク受容層には粘着剤に対して剥離性を有していない
ためであり、粘着剤層とインク受像層が接する状態とな
るテープ形態ラベルの製品化、いわゆる粘着ラベルのラ
イナーレス化は不可能であった。
【0006】このような剥離紙を必要とするラベルは現
在も多く使用されているが、製品として機能しない剥離
紙が製品であるラベルよりも多く必要となり、またラベ
ルを貼付する場合に剥離紙を剥がさなければならない。
このように無駄な剥離紙を必要とするラベルは、製品コ
ストが高くなるだけでなく、製品が扱いにくい、自然環
境にも悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き欠点を解決し、粘着テープ背面への熱転写方式による
印刷・印字が可能で、容易に粘着ラベルを発行すること
が可能な、剥離紙を必要としない粘着テープを提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するために、(a)部分または完全ケン化
された酢酸ビニル(共)重合体と、(b)アルキルイソ
シアネートとを反応させて得られる融点60〜120℃
の長鎖アルキルカルバメート系剥離剤を主成分とする記
録層を基材の片面に設け、該記録層面のJAPAN T
APPI 紙パルプ試験方法No.5に準ずる平滑度が
500秒以上であり、基材のもう一方の面に粘着剤層を
設けてなることを特徴とする熱転写印刷可能な粘着テー
プを提供するものである。
【0009】上記アルキルイソシアネートはオクタデシ
ルイソシアネートであることが好ましい。また、剥離剤
中には融点が40〜110℃のワックスが添加されてい
ることが好ましく、該ワックスは少なくともステアリル
ビニルエーテルまたは脂肪酸アミドを含んでいることが
好ましい。さらに、粘着テープの良好な巻き出し性を発
揮するためには、粘着剤層と記録層とのJIS−Z−0
237(180°引き剥がし法)に準ずる粘着力が5〜
80N/mであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写印刷可能な粘着テ
ープは、基材の片面に特定の長鎖アルキルカルバメート
系剥離剤を主成分とする記録層を設け、該記録層面のJ
APAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5に準
ずる平滑度が特定範囲にあり、基材のもう一方の面に粘
着剤層を設けてなることを特徴とする。
【0011】本発明において、粘着テープの背面に設け
られる記録層は、熱転写印刷・印字性を有し、かつ剥離
性を有するものであり、該記録層を設ける基材は特に限
定されないが、例えば、グラシン紙、上質紙、クラフト
紙、キャスト紙、合成紙、含浸紙、高分子フィルムなど
が挙げられ、各々目止め層は設けても設けなくとも良い
が、紙基材の場合、本発明の組成物を主成分とする記録
層のしみ込みを抑えるために目止め処理したものを用い
る場合が多い。
【0012】目止め層としては顔料および/または接着
剤を主成分とするものが用いられ、接着剤としては、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンイミン、ポリアクリル酸塩、澱粉類、セルロース誘
導体、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックスエマルジョン、スチレン−アク
リル共重合体ラテックスエマルジョンおよびアクリル酸
エステル樹脂系等を単独、もしくは併用して使用するこ
とができる。
【0013】顔料としては、カオリン、水酸化アルミニ
ウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化
チタン、タルク、サチンホワイト、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化亜鉛、シリカ等の無機顔料、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、スチレン樹脂、アクリ
ル−スチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−
ホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機顔料を
単独、もしくは併用して使用することができる。
【0014】比較的安価という点では、基材にポリエチ
レンをラミネートする(以下ポリラミともいう)方法も
ある。この方法は、剥離剤塗工液の基材へのしみ込みを
防ぐためには有用であるが、粘着テープ(粘着ラベル)
を段ボールなどの被着体に貼り付け、粘着テープ(粘着
ラベル)が貼られたままリサイクルする場合には好まし
くない。
【0015】基材に記録層を設けた面がJAPAN T
APPI 紙パルプ試験方法No.5に準ずる平滑度で
500秒以上となれば使用する基材の平滑度は特に制限
されないが、記録層を設ける基材の平滑度も500秒以
上であることがより好ましい。
【0016】上記熱転写方式による印刷・印字性を有す
る記録層を形成するための主成分となる長鎖アルキルカ
ルバメート系剥離剤は、(a)部分または完全ケン化さ
れた酢酸ビニル(共)重合体と、(b)アルキルイソシ
アネートを反応させて得られるのもであり、(a)成分
は、例えば酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン共
重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体をそれぞれ部
分または完全ケン化したもの等が挙げられ、該(共)重
合体成分を1種または2種以上混合して使用することが
できる。ケン化前の酢酸ビニル(共)重合体の重合度は
特に限定されないが、低すぎると剥離性が悪くなり(粘
着剤に対する剥離力の上昇等)、他方高すぎると剥離剤
成分が溶剤に溶解しにくくなったり、エマルジョン化す
る場合には水に分散しにくくなるため、好ましい重合度
の範囲は500〜3000程度である。また、該酢酸ビ
ニル(共)重合体のケン化度は部分または完全ケン化で
あれば特に限定されないが、ケン化度が低すぎると
(b)成分との反応性を有する水酸基の量が少なくなっ
て剥離性が悪くなる(粘着剤に対する剥離力の上昇等)
ため、上記ケン化度は60モル%以上が好ましい。
【0017】また、(b)成分は、イソシアネート基を
有し、該イソシアネート基と上記部分または完全ケン化
された酢酸ビニル(共)重合体の水酸基と反応するもの
であり、例えばヘキシルイソシアネート、オクチルイソ
シアネート、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイ
ソシアネート、ドコサニルイソシアネート、などから選
ばれる1種または2種以上を混合使用することができる
が、粘着剤に対する剥離性、(a)成分の水酸基との反
応性、インクの熱転写性等からオクタデシルイソシアネ
ートを用いることが好ましい。
【0018】上記(a)成分と(b)成分を反応させて
得られる長鎖アルキルカルバメート系剥離剤の融点は6
0〜120℃である。因みに60℃未満では熱転写によ
るインクリボンのインク転写性は向上するものの、粘着
テープの耐熱性が低下し、長時間高温下に置かれた場合
に重剥離化することがあるため好ましくない。一方、1
20℃を超えると粘着テープの耐熱性は向上するが熱転
写によるインクリボンのインク転写性およびインク密着
性が低下するため好ましくない。因みに、融点の測定
は、DSC(示差熱走査型熱量計)[セイコー電子工業
社製、DSC22(またはこれと同等の機能を有する測
定器)]によって測定した値で、測定した条件は試料
(サンプル)約10mgを0℃から150℃まで昇温
(昇温速度:5℃/min)し、試料の融解ピークから
融点を求めたものである。
【0019】さらに、該記録層を設けた面のJAPAN
TAPPI 紙パルプ試験方法No.5に準ずる平滑
度は500秒以上であり、該平滑度が500秒よりも低
下すると記録層面の凹凸によって、表面にかかる熱転写
が不均一になり、印刷によるインクリボンのインク層が
部分的にのりにくくなったり、本来基材が持つ性能とし
て、例えば光沢性等が失われることがあるため好ましく
ない。
【0020】また、本発明に用いられる記録層の基材と
の密着性を向上させるため、剥離剤中にワックスが添加
されていることが好ましい。さらに該ワックスの融点は
40〜110℃であることが好ましい。因みに40℃未
満のワックスを添加した場合、該ワックスの粘着剤層へ
の移行によるタックや粘着力の低下、あるいは高温下に
曝されたときに粘着テープが巻き戻しにくくなるなど耐
熱性が低下したり、該ワックスが揮発し易くなって密着
性を向上させる効果が少なくなったりするものがあるた
め好ましくない。一方、110℃を越えるワックスを添
加した場合、該記録層の熱転写印刷性が低下したり、剥
離力が上昇して粘着テープが巻き戻しにくくなることが
あるため好ましくない。これらワックスの融点も上記D
SC(示差熱走査型熱量計)[セイコー電子工業社製、
DSC22]によって同条件の下、測定することができ
るが、既存物質であれば文献にある値を用いても良い。
【0021】上記融点を有するワックスとしては、例え
ばパラフィンワックス、マイクロワックス、キャンデリ
ラワックス、カルナウバワックス、木蝋、蜜蝋、ラノリ
ン、鯨蝋、モンタンワックス、オゾケライト(セレシ
ン)、ポリエチレンワックス、FTワックス、硬化ひま
し油、ステアリルビニルエーテル、脂肪酸アミド等が挙
げられるが、このうちステアリルビニルエーテルまたは
脂肪酸アミドのいずれかを剥離剤中に含んでいることが
より好ましい。
【0022】本発明において、粘着テープを無理なく巻
き戻すため、さらには熱転写用プリンターで粘着テープ
をスムーズに通すために粘着テープの剥離剤層と粘着剤
層とのJIS−Z−0237(180°引き剥がし法)
に準ずる粘着力が5〜80N/mであることが好まし
い。粘着力が5N/m未満では粘着テープを巻き戻す際
に必要以上巻き出されることがあり、一方、粘着力が8
0N/mを越えると熱転写用プリンターをスムーズに通
すことができなくなったり、さらに粘着力が高い場合に
は粘着テープを巻き戻すことが困難になったりする場合
があるため好ましくない。
【0023】該剥離剤は乳化剤、界面活性剤等を添加し
てエマルジョン化したものでも、溶剤に溶かしたものを
用いても良い。ただし、剥離剤の基材への染み込み、環
境への悪影響を抑えるため、エマルジョン化したものを
用いることが好ましい。各々を基材に適宜塗布し、乾燥
される。該剥離剤の塗布量は0.1〜10g/m2が好
ましく、0.2〜5g/m2がより好ましい。塗布量が
0.1g/m 2未満では粘着テープと該剥離剤層との均
一な剥離性能は得られないことがあり、また剥離力(粘
着力)が高くなって粘着テープを巻き戻すことが困難と
なる場合があり、他方10g/m2を越えると乾燥条件
を厳しく(高温長時間の乾燥)する必要があり、加工速
度の低下および高電力費など不経済性、コスト高となる
ため好ましくない。
【0024】尚、該剥離剤の塗工方式は何ら限定される
ことはないが、例えばグラビアダイレクト法、グラビア
リバース法、バーまたはロッド塗工法、ロール塗工法な
どが挙げられる。また、剥離剤溶液を乾燥させる温度は
塗布量、乾燥装置の長さや風量によって異なるが、90
〜180℃が望ましい。
【0025】粘着剤としては、その種類は特に限定され
るものではないが、該剥離剤層との剥離を容易にするた
め、あるいは経時安定性に優れるアクリル系粘着剤を用
いることが好ましく、例えば主モノマーとしてエチルア
クリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)、2
−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、コモノ
マーとして酢酸ビニル(VAc)、アクリロニトリル
(AN)、スチレン(St)、メチルメタクリレート
(MMA)、メチルアクリレート(MA)、官能基含有
モノマーとしてメタクリル酸(MAA)、アクリル酸
(AA)、イタコン酸(IA)、ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート(HPMA)、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート(DM)、アクリルアマイド(AM)、メチロール
アクリルアマイド(N−MAN)、グリシジルメタクリ
レート(GMA)、無水マレイン酸等を主成分(好まし
くは80質量%以上)とするものが挙げられ、必要に応
じて適宜、タッキファイヤー、紫外線吸収剤、架橋剤、
顔料、老化防止剤等の添加物が配合される。
【0026】上記粘着剤の塗布量は、使用する基材の種
類あるいは厚みによって適宜選択されるが、通常3〜8
0g/m2が好ましく、さらに好ましくは5〜60g/
2である。塗布量が5g/m2未満の場合には、粘着テ
ープを他の被着体などに貼り付けるときの粘着力が低下
することがあり、また80g/m2を越えると粘着剤の
投錨性が悪くなり、テープ端などから粘着剤のはみ出し
が起こったり、被着体への糊残りが生じるなどの問題が
起こることがある。
【0027】尚、粘着剤の塗工方式は何ら限定されない
が、例えばコンマコート法、リバースコート法、グラビ
アコート法、リバースグラビア法、キスコート法、ナイ
フコート法、バーコート法および工程紙にこれらの方式
で塗工したものを転写させる転写法などが挙げられる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、もちろん本発明はこれによって制限されるも
のではない。尚、実施例および比較例中の「部」および
「%」は、特に断りのない限り「質量部」および「質量
%」を示す。 <剥離剤の合成>キシレン50部中に表−1で示した
(a)部分または完全ケン化された酢酸ビニル(共)重
合体、(b)アルキルイソシアネートに対して、触媒
(ジラウリン酸ブチル錫)を所定量加えて反応させ、こ
の反応溶液をメタノール中に注いで得た白色沈殿物を、
メタノールに次いでヘキサンで洗浄し、乾燥させて長鎖
アルキルカルバメート剥離剤(K1〜K6)を得た。次
に上記各剥離剤(K1〜K6)に、酸変性ポリオレフィ
ン、脂肪酸塩、場合によってはワックスを混合し、高圧
乳化法(120℃で加圧加熱溶融した後、熱水を加え、
高せん断を加えて分散させた後、さらに熱水を加えて転
相させ、冷却する方法)により作製した水分散系剥離剤
(K1a〜K6a)を表−2に示した。 <記録層の作製>基材としてキャスト紙(王子製紙社
製、Nミラー:JAPAN TAPPI 紙パルプ試験
方法No.5に準ずる光沢面平滑度3200秒)用い、
光沢面に対し、水分散系剥離剤(K1a〜K6a)に水
とIPAの混合溶液(質量比で水/IPA=7/3)で
固形分濃度5%に調整したものを剥離剤塗工液とし、こ
れを固形分0.7g/m2となるように塗工・乾燥し、
記録層を得た。 <粘着テープの作製>メラミンクルパック処理されたポ
リエチレンラミネート紙のポリエチレンラミネートされ
た面に、シリコーン(東レダウコーニング社製、SD−
7220:固形分濃度30%)100部、触媒(東レダ
ウコーニング社製、SRX−212)1部をトルエン溶
液に溶解したシリコーン溶液を固形分0.3g/m2
なるよう塗布、乾燥して工程紙を作製する。次に上記工
程紙のシリコーン塗工面にアクリル系粘着剤(東洋イン
キ社製、BPS−5673)を固形分25g/m2とな
るようコンマダイレクト法により塗布・乾燥させ、一
方、巻取り部で上記記録層を設けた基材を巻出しながら
供給し、該記録層面とは反対面に上記工程紙に塗工され
た粘着剤を転写させながら巻き取った後、スリッターに
て工程紙を剥がしたものを粘着テープとした。
【0029】実施例1〜実施例5、比較例1〜3 表−2で示される剥離剤および市販のポリエチレンイミ
ン系の長鎖アルキルカルバメート系剥離剤(アシオ産業
社製、RA−40)をトルエンに溶解して固形分濃度2
%に調整した剥離剤のうちから選択された材料を用い、
上記方法によって記録層、粘着テープを作製し、各記録
層の平滑度、残留接着率、基材密着性、剥離力、および
各粘着テープの印刷適正、プリンター走行性を評価した
結果を表−3にまとめた。
【0030】実施例6 基材としてそれぞれのフリーネスが490ml・CSF
(カナダ標準フリーネス、以下同じ)のLBKP80%
とNBKP20%を混合したパルプスラリーをジェット
/ワイヤー比が1.00となるようにして米坪110g
/m2の上質紙を抄紙後、その片面に接着剤:SBR
(旭化成社製、L−1571)50部、顔料:カオリン
(エンゲルハード社製、HTクレー)50部、消泡剤
(サンノプコ社製、ノプコ1407K)0.5部、潤滑
剤(サンノプコ社製、ノプコートC104)0.9部か
らなる目止め層を塗布量が7g/m2になるように設
け、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.
5に準ずる基材平滑度(目止め層を設けた面)が520
秒となるようスーパーキャレンダー処理したものを用
い、表−2で示される剥離剤から選択された材料を用い
て粘着テープを作製し、各粘着テープの印刷性、プリン
ター走行性を評価した結果を表−3にまとめた。
【0031】実施例7 基材としてそれぞれのフリーネスが200ml・CSF
のLBKP20%とNBKP80%を混合したパルプス
ラリーをジェット/ワイヤー比が1.03となるように
して米坪73g/m2のグラシン紙を抄紙後、その片面
に目止め層としてポリビニルアルコール(クラレ社製、
PVA−105)を塗工量1.0g/m2になるように
設け、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法N
o.5に準ずる基材平滑度(目止め層を設けた面)が1
200秒となるようスーパーキャレンダー処理したもの
を用い、表−2で示される剥離剤から選択された材料を
用いて粘着テープを作製し、各粘着テープの印刷性、プ
リンター走行性を評価した結果を表−3にまとめた。
【0032】比較例4 基材としてそれぞれのフリーネスが490ml・CSF
のLBKP80%とNBKP20%を混合したパルプス
ラリーをジェット/ワイヤー比が1.00となるように
して米坪110g/m2の上質紙を抄紙後、その片面に
目止め層としてポリビニルアルコール(日本合成社製、
T330)を塗工量が2g/m2になるように設け、J
APAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5に準
ずる基材平滑度(目止め層を設けた面)が52秒となる
ようスーパーキャレンダー処理したものを用い、表−2
で示される剥離剤から選択された材料を用いて粘着テー
プを作製し、各粘着テープの印刷性、プリンター走行性
を評価した結果を表−3にまとめた。
【0033】上記実施例1〜7および比較例1〜4で示
される記録層、粘着テープの評価方法は下記の通りであ
る。
【0034】<残留接着率>各粘着テープの記録層面に
粘着テープ(日東電工社製、ニットウポリエステルテー
プ31B)を貼り付けし、ゴムロールで密着させてか
ら、25g/cm2の荷重を掛けたまま70℃で20時
間放置した後、剥離層面から粘着テープを引き剥がし、
常温に1時間以上放置した後、ステンレス板の研磨面に
貼り付け、0.3m/分にて180°剥離したときの粘
着力(A)とテフロンシートに粘着テープ(日東電工社
製、ニットウポリエステルテープ31B)を貼り付け
し、ゴムロールで密着させてから、25g/m2の荷重
を掛けたまま70℃で20時間放置した後、剥離層面か
ら粘着テープを引き剥がし、常温に1時間以上放置した
後、ステンレス板の研磨面に貼り付け、0.3m/分に
て180°剥離したときの粘着力(B)を測定し、
(A)と(B)の比率、(A/B)×100=残留接着
率(%)として求めた。
【0035】<粘着力>JIS−Z−0237(180
°引き剥がし法)に準じて記録層面に粘着テープの粘着
剤層面を貼り付け30分後、引張り試験機にて0.3m
/分の速度で、180°引き剥がしした時の粘着力を測
定した。
【0036】<印刷適性>熱転写プリンターは、DAT
AMAX社製バーコードラベルプリンター[Prodi
gy Plus Linerless]と、インクリボ
ンとして市販の樹脂系インクリボン(ダイニック社製:
HD−30)を用い、その印刷性を評価した。
【0037】評価基準 ◎;印刷時のインクの転写性が鮮明で、印刷面にメンデ
ィングテープを貼って剥がしてもほとんどインクの剥が
れがない。 ○;(状況)印刷時のインクの転写性は鮮明だが、印
刷面にメンディングテープを貼って剥がすとややインク
の剥がれがある(実用上使用可能)。 (状況)印刷時のインクの転写性は僅かにかすれがあ
るが、印刷面にメンディングテープを貼って剥がしても
ほとんどインクの剥がれがない(実用上使用可能)。 △;印刷時のインクの転写性はややかすれがあり、印刷
面にメンディングテープを貼って剥がすとややインクの
剥がれがある(実用上使用可能限界)。 ●;印刷時のインキの転写性は鮮明で、メンディングテ
ープを貼って剥がしてもほとんどインク剥がれがない
か、もしくは僅かしかインクが剥がれないが、僅かに意
図としない場所へインクが転写される部分がある(実用
上使用可能)。 ▲;印刷時のインクの転写性は鮮明で、メンディングテ
ープを貼って剥がしてもほとんどもしくは僅かしかイン
キが剥がれないが、意図としない場所へインキが転写さ
れる部分がある(実用上使用不可能)。 ×;(状況)熱転写印刷した印刷面にかすれがある。 (状況)印刷面にメンディングテープを貼って剥がす
とインクの剥がれがある。(状況、とも実用上使用
不可能)。 ××;印刷時のインクの転写性がない(明らかに使用不
可能)。
【0038】<耐熱性>粘着テープの耐熱性について
は、JIS−Z−0237(180°引き剥がし法)に
準じ、得られた粘着テープの背面に粘着テープの粘着剤
面を貼り付け30分後に粘着テープ背面から粘着テープ
を0.3m/分にて180°剥離したときの粘着力
(b)および、粘着テープの粘着剤層面を貼り付け、2
5g/m2の荷重を掛けたまま40℃・20%RH、暗
室の環境下に7日間放置後、剥離剤層面から粘着テープ
を0.3m/分にて180°剥離したときの粘着力
(a)を測定し、剥離力の上昇率{((a)−(b))
/(b))×100}を求め、下記のように評価した。 ○;上昇率が−50%〜100%の範囲内にある。 △;上昇率が101〜200%の範囲内にある。 ×;上昇率が200%を越える。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】表3から明らかなように、実施例1〜7の
ような本発明の構成である粘着テープは、熱転写印刷性
に優れ、粘着テープを自動巻出ししながら粘着テープの
記録層面にバーコード印刷したところ、巻出しがスムー
ズで安定した走行性があり、かつ良好な熱転写印刷性が
あり、ラベル発行が容易であった。
【0043】一方、比較例1は印刷試験において、意図
しない場所へインクが転写される部分があり、プリンタ
ー走行性、耐熱性に劣る。比較例2、4では熱転写方式
によって印刷した印刷面にかすれがある。比較例3で
は、熱転写方式によるインク転写性がなく、プリンター
走行性も悪い。このように比較例で示したものは、いず
れも熱転写記録用粘着テープ製品としての品質が不十分
であった。
【0044】
【発明の効果】従来の粘着テープでは、粘着テープ背面
(剥離剤層)へ直接、熱転写方式によって印刷・印字す
ることが不可能であった。本発明により、従来無駄にさ
れてきた剥離紙を必要とせず、熱転写方式による印刷・
印字が可能で、耐熱性を含め安定したプリンター走行性
を有する粘着テープを提供することが可能となった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)部分または完全ケン化された酢酸ビ
    ニル(共)重合体と、(b)アルキルイソシアネートと
    を反応させて得られる融点60〜120℃の長鎖アルキ
    ルカルバメート系剥離剤を主成分とする記録層を基材の
    片面に設け、該記録層面のJAPAN TAPPI 紙
    パルプ試験方法No.5に準ずる平滑度が500秒以上
    であり、基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなるこ
    とを特徴とする熱転写印刷可能な粘着テープ。
  2. 【請求項2】該アルキルイソシアネートがオクタデシル
    イソシアネートであることを特徴とする請求項1記載の
    熱転写印刷可能な粘着テープ。
  3. 【請求項3】該剥離剤中に融点が40℃〜110℃のワ
    ックスが添加されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の熱転写印刷可能な粘着テープ。
  4. 【請求項4】該ワックスが少なくともステアリルビニル
    エーテルまたは脂肪酸アミドを含むことを特徴とする請
    求項3記載の熱転写印刷可能な粘着テープ。
  5. 【請求項5】粘着剤層と記録層とのJIS−Z−023
    7(180°引き剥がし法)に準ずる粘着力が5〜80
    N/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の熱転写可能な粘着テープ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003200682A (ja) * 2001-10-26 2003-07-15 Tokyo Magnetic Printing Co Ltd スクラッチカード
JP2015009524A (ja) * 2013-07-01 2015-01-19 フジコピアン株式会社 ライナーレスの印刷テープ用熱転写インクリボン
JP2019064039A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 王子ホールディングス株式会社 粘着シート

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