JP2000309755A - 熱転写印刷可能な粘着テープ - Google Patents

熱転写印刷可能な粘着テープ

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JP2000309755A
JP2000309755A JP11329160A JP32916099A JP2000309755A JP 2000309755 A JP2000309755 A JP 2000309755A JP 11329160 A JP11329160 A JP 11329160A JP 32916099 A JP32916099 A JP 32916099A JP 2000309755 A JP2000309755 A JP 2000309755A
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JP
Japan
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layer
pressure
release agent
sensitive adhesive
adhesive tape
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JP11329160A
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English (en)
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Nobuhisa Kobayashi
伸久 小林
Takeshi Kamimura
武 上村
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保存性に優れ、粘着テープの剥離剤面への印刷
が可能であり、熱転写方式によって剥離層へ印刷して容
易に粘着ラベルを発行することが可能な剥離紙を必要と
しない粘着テープを提供する。 【解決手段】少なくとも基材表面の片面がJAPAN
TAPPI No.5に準ずる平滑度で500秒以上で
ある面に、融点が60〜100℃である高分子樹脂を主
成分とし、ワックスを含有する剥離剤層を設け、基材の
もう一方の面に粘着剤層を設けてなる熱転写印刷可能な
粘着テープ。基材の平滑面に剥離剤層を設けた後の剥離
剤塗工面の上記平滑度が500秒以上に保たれている熱
転写印刷可能な粘着テープ。粘着剤層と該剥離剤層との
初期剥離力が5〜80N/mであり、粘着剤層を剥離剤
層に貼り付け、40℃、20%RHの暗室雰囲気中で7
日処理した後での剥離力が初期剥離力の2倍以下である
熱転写印刷可能な粘着テープ。該粘着剤層がアクリル系
粘着剤を主体として構成された熱転写印刷可能な粘着テ
ープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保存性に優れた粘着
テープであり、熱転写方式によって剥離剤層へ印刷して
容易に粘着ラベルを発行することが可能な粘着テープに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に粘着テープは、基材の片面に粘着
剤層を設け、もう一方の面には粘着テープを巻き戻せる
よう剥離剤で処理されている。上記剥離剤は非シリコー
ン系剥離剤とシリコーン系剥離剤とに大別される。この
うち、シリコーン系剥離剤は優れた離型性を発揮し、耐
熱性に優れる等の長所がある一方、筆記性及び印刷性は
全くない。また、非シリコーン系剥離剤のうち最も広く
使用されている長鎖アルキル基含有ポリマー系剥離剤
は、滑りにくい、筆記性があるなどの特徴を有する一
方、熱安定性に劣る、剥離が重い等の欠点がある。この
長鎖アルキル基含有ポリマー系剥離剤は、シリコーン系
剥離剤と比べるとある程度の印刷性はあるものの、特に
熱転写方式による印刷では、剥離剤面へのインク転写性
は決して満足できるものではなく、またインクの剥離剤
面への密着性はほとんどないものであった。このよう
に、従来の剥離剤を使用した場合、汎用の熱転写インク
リボンで熱転写印刷しようとしてもインクがうまく転写
されなかったり、またインクが転写されても容易に脱落
してしまうなどの欠点があった。
【0003】このため、通常熱転写印刷可能なもの、例
えばラベルは、支持体の表面にインク受容層を設け、裏
面に粘着剤層を介して剥離紙を貼付してある。或いは、
熱転写インクリボンを使用しない感熱記録用ラベルは支
持体の表面に感熱発色層を設け、裏面に粘着剤層を介し
て剥離紙を貼付してある。
【0004】このようなラベルは現在も多く使用されて
いるが、最終使用状態では機能しない剥離紙が必要とな
り、またラベルを貼付する場合に剥離紙を剥がさなけれ
ばならない。このように無駄な剥離紙を必要とするラベ
ルは、製品コストが高くなることや製品が扱いにくいな
どの問題だけでなく、自然環境にも悪影響を及ぼすとい
う問題がある。
【0005】これらの欠点を解決するために、剥離紙を
不要とした感熱ラベルが提案されている。例えば特開昭
55−115483号公報のように印刷した面に剥離剤
を塗布した製造方法や、特開平3−169585号公報
のように支持体の表面に感熱発色層、障壁層、剥離層を
順次設けたものがある。また、特開平10−19381
9号公報では、剥離剤コート層を有しない被印刷層と、
その被印刷層に対する接着力が1〜100g/50mm
の粘着層を設けた印刷用粘着シートが提案されている。
【0006】しかしながら、特開昭55−115483
号公報では予め印刷したものに剥離処理するため、ラベ
ル表面に印刷するという形式とは異なり、製造時以外に
ユーザーが意図とする印字はできない。また、特開平3
−169585号公報では、感熱層を設ける必要があ
り、意図しないプリンター印字前後での熱による発色、
あるいは加工工程が多い等の欠点があり、本発明の構成
とは全く異なるものである。
【0007】特開平10−193819号公報の構成で
は、剥離層を設けておらず、代わりにポリオレフィン系
ポリマー層を設けたものであり、本発明の構成とは異な
るものであるが、この場合、汎用のインクリボンではう
まく熱転写されず、ポリオレフィン系ポリマーの物性に
合わせた特殊なインクリボンが必要となる。さらに、例
えばポリエチレンなどを押出しラミネートした製品は、
製品及びラベルのリサイクル化ができず、ゴミとなるこ
とは避けられない。
【0008】つまり、従来の粘着テープに使用される剥
離剤は、粘着剤層を保護する役目と粘着テープの巻き戻
しを容易にするために用いられているものであり、上記
性能のほかに剥離層へ直接熱転写印刷するものは不可能
とされていた。また、ポリオレフィン系ポリマー層を設
けた構成のものでは熱転写方式によって印刷できるイン
クリボンは特殊なものに限定されてしまったり、印刷さ
れたラベルが貼られた紙等をリサイクルし、再利用する
ことはできないという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のごと
き欠点を解決し、保存性に優れ、粘着テープの剥離剤面
への印刷が可能であり、熱転写方式によって剥離層へ印
刷して容易に粘着ラベルを発行することが可能な剥離紙
を必要としない粘着テープを提供することを目的として
いる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基材表面
の平滑度が特定範囲以上である基材表面上に特定の融点
を有する高分子樹脂を主成分とし、ワックスを含有する
剥離剤層を設け、基材のもう一方の面に粘着剤層を設け
ることによって課題を解決できることを見出した。すな
わち、本発明は少なくとも片面の基材表面のJAPAN
TAPPI No.5に準ずる平滑度が500秒以上
である面に、融点が60〜100℃である高分子樹脂を
主成分とし、ワックスを含有する剥離剤層を設け、基材
のもう一方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴とす
る熱転写印刷可能な粘着テープを提供するものである。
【0011】上記基材の平滑面に剥離剤層を設けた後の
剥離剤塗工面の上記平滑度は500秒以上に保たれてい
ることが好ましく、粘着テープ保存前後においても熱転
写印刷機による粘着テープの良好な巻出し性を得るため
には粘着テープの粘着剤層と剥離剤層との初期剥離力が
5〜80N/mであり、粘着剤層を剥離剤層に貼り付
け、40℃、20%RH、暗室雰囲気中で7日処理した
後での剥離力が初期剥離力の2倍以下であることが好ま
しい。さらに熱転写印刷時や粘着テープ保存時に必要と
なる耐熱性、耐候性に優れ、また上記剥離剤層と良好な
剥離性を発揮するためにはアクリル系粘着剤を主成分と
して用いることがより好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の粘着テープは、特定の平
滑度を有する基材表面上に特定の融点を有する高分子樹
脂を主成分とし、ワックスを含有する剥離剤層を設け、
基材のもう一方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴
とする。
【0013】本発明者らは、前記の問題を解決するため
に、離型性を有するが熱転写による剥離剤層への印刷が
不可能であった従来の粘着テープとは異なる構成のもの
について鋭意検討した結果、少なくとも片面の基材表面
のJAPAN TAPPI No.5に準ずる平滑度が
500秒以上である面に融点が60〜100℃である高
分子樹脂を主成分とし、ワックスを含有する剥離剤層を
設け、基材のもう一方の面に粘着剤層を設ることによっ
て保存性に優れ、粘着テープの剥離剤面への印刷が可能
であり、熱転写方式によって剥離剤層へ印刷して容易に
粘着ラベルを発行することが可能な剥離紙を必要としな
い粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0014】本発明において、剥離剤層は、熱転写印字
性を有しかつ離型性を発揮するものであり、特定以上の
平滑度を有する基材表面上に特定の融点を有する高分子
樹脂を主成分とし、ワックスを含有する剥離剤からなる
剥離剤層を設けてなるものである。
【0015】上記剥離剤層を設ける基材は、少なくとも
片面の表面の平滑度が500秒以上のものであれば特に
限定されないが、例えば、グラシン紙、上質紙、クラフ
ト紙、キャスト紙、合成紙、含浸紙、高分子フィルムな
どが挙げられ、各々目止め層は設けても設けなくとも良
いが、紙基材の場合、剥離剤のしみ込みを抑えるために
目止め処理したものを用いる場合が多い。目止め層とし
ては顔料および/または接着剤を主成分とするものが用
いられ、接着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル
酸塩、澱粉類、セルロース誘導体、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、メラミ
ン樹脂、スチレンブタジエン共重合体ラテックスエマル
ジョン、スチレンアクリル共重合体ラテックスエマルジ
ョンおよびアクリル酸エステル樹脂系等を単独、もしく
は併用して使用することができる。
【0016】顔料としては、炭酸カルシウム、カオリ
ン、水酸化アルミニウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭
酸カルシウム、酸化チタン、タルク、サチンホワイト、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、シリカ等の
無機顔料、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ス
チレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂、尿素ホルマリン
樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂等の有機顔料を単独、もしくは併用して使用すること
ができる。比較的安価という点では、基材にポリエチレ
ンをラミネートする(以下ポリラミともいう)方法もあ
る。この方法は、剥離剤塗工液の基材へのしみ込みを防
ぐためには有用であるが、粘着テープ(粘着ラベル)を
段ボールなどの被着体に貼り付け、粘着テープ(粘着ラ
ベル)が貼られたままリサイクルする場合には好ましく
ない。
【0017】上記熱転写性および離型性を有する剥離剤
層を形成する樹脂は、融点が60〜100℃を示すもの
であればとくに制限されることはないが、例えばポリビ
ニルアルコールと脂肪族イソシアネートによるアルキル
化合物や、セルロースと塩化ステアロイルとの反応物、
イミン系樹脂などが挙げられ、これらの他にワックスを
加えたものである。ちなみに、融点の測定は、DSC
(示差熱走査型熱量計)[機器のメーカー:セイコー電
子工業株式会社製DSC22]によって測定した値で、
測定した条件は試料(サンプル)約10mgを−120
℃から200℃まで昇温(昇温速度:10℃/min)
し、試料の融解ピークから融点を求めたものである。
【0018】ワックスの添加量は、その種類、分子量、
融点等によって異なるが、全剥離剤成分に対し0.5〜
20質量%以下が好ましく、0.5〜10質量%がより
好ましい。因みに0.5質量%未満では目的とする剥離
剤層への熱転写印刷性が低下し、一方、20質量%を越
えると、特に分子量の低いワックスを用いた場合、ワッ
クスが粘着剤面へ移行し、残留接着率が低下する場合が
あるなどの問題があるため好ましくない。
【0019】ワックスの種類は特に限定されないが、例
えば、合成パラフィン、塩素化パラフィン、脂肪酸、高
級アルコール、脂肪酸の多価アルコールエステル、硬化
脂、高級ケトン、高級アミン、高級アミド、高級ニトリ
ル、脂肪酸とアミンの縮合物等を単独、もしくは併用し
て使用することができる。
【0020】また、本発明の剥離剤の主成分となる高分
子樹脂の融点は60〜100℃であり、60℃未満では
熱転写によるインクリボンのインク転写性は向上するも
のの、粘着テープとしての耐熱性が低下し、重剥離化す
ることがあるため好ましくない。一方、100℃を越え
ると粘着テープの耐熱性は向上するが熱転写によるイン
クリボンのインク転写性およびインク密着性が低下する
ため好ましくない。
【0021】さらに、本発明に用いられる剥離剤を基材
に塗布した場合、剥離剤塗工面の平滑度が500秒以上
に保たれていることが好ましい。500秒よりも平滑度
が低下すると剥離剤塗工表面の凹凸によって、表面にか
かる熱転写が不均一になり、印刷によるインクリボンの
インク層が部分的にのりにくくなったり、本来基材が持
つ性能として、例えば光沢性等が失われることがあるた
め好ましくない。
【0022】本発明において、粘着テープを無理なく巻
き戻すため、さらには熱転写用プリンターで粘着テープ
をスムーズに通すために粘着テープの剥離剤層と粘着剤
層との初期剥離力が5〜80N/mであることが好まし
い。また、40℃、20%RH、暗室雰囲気中で7日処
理した後での剥離力は初期剥離力の2倍以下であること
が好ましく、さらに5〜150N/mであることがより
好ましい。初期剥離力及び40℃、20%RH、暗室雰
囲気中で7日処理した後での剥離力が5N/m未満では
粘着テープを巻き戻す際に必要以上巻き出されることが
あり、一方、初期剥離力が80N/mを越える、もしく
は40℃雰囲気中で7日処理した後での剥離力が150
N/mを越えると熱転写用プリンターをスムーズに通す
ことができなくなったり、さらに剥離力が高い場合には
粘着テープを巻き戻すことが困難になったりする場合が
ある。
【0023】該剥離剤は乳化剤、界面活性剤等を添加し
てエマルジョン化したものでも、樹脂やワックスを溶剤
に溶かしたものを用いても良い。各々を基材に適宜塗布
し、乾燥される。該剥離剤の塗布量は0.1〜10g/
2が好ましく、0.2〜5g/m2がより好ましい。塗
布量が0.1g/m2未満では粘着テープと該剥離剤層
との均一な剥離性能は得られないことがあり、また剥離
力が高くなって粘着テープを巻き戻すことが困難となる
場合があり、他方10g/m2を越えると乾燥条件を厳
しく(高温長時間の乾燥)する必要があり、加工速度の
鈍足化及び高電力費など不経済性、コスト高となるため
好ましくない。
【0024】尚、該高分子樹脂の塗工方式は何ら限定さ
れることはないが、例えばグラビアダイレクト法、グラ
ビアリバース法、バー塗工法、ロール塗工法などが挙げ
られる。また、剥離剤溶液を乾燥させる温度は塗布量、
乾燥装置によって異なるが、90〜180℃が望まし
い。
【0025】粘着剤としては、その種類は特に限定され
るものではないが、該剥離剤層との剥離を容易にするた
め、あるいは経時安定性に優れるアクリル系粘着剤を用
いることが好ましく、例えば主モノマーとしてエチルア
クリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)、2
−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、コモノ
マーとして酢酸ビニル(VAc)、アクリロニトリル
(AN)、スチレン(St)、メチルメタクリレート
(MMA)、メチルアクリレート(MA)、官能基含有
モノマーとしてメタクリル酸(MAA)、アクリル酸
(AA)、イタコン酸(IA)、ヒドロキシエチルメタ
クリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリ
レート(HPMA)、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート(DM)、アクリルアマイド(AM)、メチロール
アクリルアマイド(N−MAN)、グリシジルメタクリ
レート(GMA)、無水マレイン酸等を主成分(好まし
くは80質量%以上)とするものが挙げられ、必要に応
じて適宜、タッキファイヤー、紫外線吸収剤、架橋剤、
顔料、老化防止剤等の添加物が配合される。
【0026】上記粘着剤の塗布量は、使用する基材の種
類あるいは厚みによって適宜選択されるが、通常3〜8
0g/m2が好ましく、さらに好ましくは5〜60g/
2である。塗布量が5g/m2未満の場合には、粘着テ
ープを他の被着体などに貼り付けるときの粘着力が低下
することがあり、また80g/m2を越えると粘着剤の
投錨性が悪くなり、テープ端などから粘着剤のはみ出し
が起こったり、被着体への糊残りが生じるなどの問題が
起こることがある。
【0027】尚、粘着剤の塗工方式は何ら限定されない
が、例えばコンマコート法、リバースコート法、グラビ
アコート法、リバースグラビア法、キスコート法、ナイ
フコート法、バーコート法及び工程紙にこれらの方式で
塗工したものを転写させる転写法などが挙げられる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、もちろん本発明はこれによって制限されるも
のではない。尚、実施例および比較例中の「部」および
「%」は、特に断りのない限り「質量部」および「質量
%」を示す。
【0029】実施例1 基材にキャスト紙(王子製紙製 Nミラー 光沢面平滑
度:3200秒)を用い、光沢面に剥離剤層として、ポ
リビニルアルコールとイソシアネートによるアルキル化
合物からなる樹脂(融点:84℃)を主成分とするエマ
ルジョン型長鎖アルキル変性高分子(中京油脂製K−2
56:不揮発分約20質量%、平均粒子径0.5μm±
0.2)99部に、融点82℃のワックス1部を添加
し、さらに水とIPAの混合溶液を加え、固形分濃度5
%に調整したものを剥離剤塗工液とし、これを固形分
0.7g/m2となるように塗工・乾燥し、剥離剤層を
得た。剥離剤層の平滑度は13000秒であった。
【0030】次いで剥離剤層を設けた面とは反対面に塗
工する粘着剤として、2−エチルヘキシルアクリレート
83部、酢酸ビニル17部からなる主モノマー100部
に対し、アクリル酸を4部含有するアクリル系粘着剤
(サイデン化学社製OPL−10)を固形分30g/m
2となるように塗工・乾燥したものを巻き取り、粘着テ
ープとした。
【0031】実施例2 基材として上質紙(王子製紙製:64g/m2)の片面
上にSBR(旭化成製:L−1571)50部、カオリ
ン(エンゲルハード製、HTクレー)50部、ノプコ1
407K(サンノプコ製)0.5部、ノプコートC10
4(サンノプコ製)0.9部からなる目止め層を塗布量
が7g/m2になるように設け、基材平滑が520秒と
なるようスーパーキャレンダー処理したものを用いた。
剥離剤層としては、ポリビニルアルコールとイソシアネ
ートによるアルキル化合物からなる樹脂(融点:84
℃)を主成分とするエマルジョン型長鎖アルキル変性高
分子(中京油脂製K−256:不揮発分約20質量%、
平均粒子径0.5μm±0.2)99部に、融点82℃
のワックス1部を添加し、さらに水とIPAの混合溶液
を加え、固形分濃度5%に調整したものを剥離剤塗工液
とし、これを固形分1.0g/m2となるように上記目
止め層上に塗工・乾燥し、剥離剤層を得た。剥離剤処理
後の剥離剤面の平滑度は550秒であった。それ以外は
実施例1と同様に粘着テープを得た。
【0032】実施例3 基材としてグラシン(王子製紙製)の片面に目止め層と
してポリビニルアルコール(クラレ製 PVA−10
5)を塗工量0.6g/m2となるよう塗工し、目止め
層を設けた面の基材平滑度が1200秒となるようスー
パーキャレンダー処理したものを用いた以外は実施例1
と同様に粘着テープを得た。この場合の剥離剤処理後の
剥離剤面の平滑度は630秒であった。
【0033】実施例4 基材にキャスト紙(王子製紙製 Nミラー 光沢面平滑
度:3200秒)を用い、光沢面に剥離剤層として、ポ
リビニルアルコールとイソシアネートによるアルキル化
合物からなる樹脂(融点:84℃)を主成分とするエマ
ルジョン型長鎖アルキル変性高分子(中京油脂製K−2
56:不揮発分約20質量%、平均粒子径0.5μm±
0.2)95部に、融点52℃のワックス5部を添加
し、さらに水とIPAの混合溶液を加え、固形分濃度5
%に調整したものを剥離剤塗工液とし、これを固形分
0.7g/m2となるように上記目止め層上に塗工・乾
燥し、剥離剤層を得た以外は実施例1と同様に粘着テー
プを得た。剥離剤処理後の剥離剤面の平滑度は7200
秒であった。
【0034】比較例1 基材としてキャスト紙(王子製紙製 Nミラー 基材平
滑度:3200秒)に剥離剤層としてウレタン系樹脂
(日本カーバイト社製 R4500 融点:46℃)1
00部をトルエン溶液で5%に希釈し、塗工量1g/m
2となるように塗工・乾燥し、剥離剤層を得た以外は実
施例1と同様に粘着テープを得た。剥離剤処理後の剥離
剤面の平滑度は1400秒であった。
【0035】比較例2 基材としてキャスト紙(王子製紙製 Nミラー 基材平
滑度:3200秒)に剥離剤層としてアクリルアミン系
樹脂(日本触媒化学社製 ポリメントNK−380 融
点:130℃)100部をトルエン溶液で5%に希釈
し、塗工量1g/m 2となるように塗工・乾燥し、剥離
剤層を得た以外は実施例1と同様に粘着テープを得た。
剥離剤処理後の剥離剤面の平滑度は1100秒であっ
た。
【0036】比較例3 基材として上質紙(王子製紙製 64g/m2)を用
い、基材片面上にダイヤライト(王子製紙製)からなる
目止め層を塗布量が6g/m2になるよう塗工し、目止
め層を設けた面の基材平滑度が52秒となるようスーパ
ーキャレンダー処理したものを用いた以外は実施例1と
同様に粘着テープを得た。この場合の剥離剤処理後の剥
離剤面の平滑度は50秒であった。
【0037】比較例4 基材としてキャスト紙(王子製紙製 Nミラー 基材平
滑度:3200秒)を用い、光沢面に剥離剤層としてエ
マルジョン型長鎖アルキル変性高分子(一方社油脂工業
製 XP−406 樹脂融点:72℃、不揮発分約10
質量%)に水とIPAの混合溶液を加え、固形分濃度5
%に調整したものを剥離剤塗工液とし、これを固形分
0.5g/m2となるように上記目止め層上に塗工・乾
燥し、剥離剤層を得た。剥離剤処理後の剥離剤面の平滑
度は1500秒であった。それ以外は実施例1と同様に
粘着テープを得た。
【0038】上記各実施例、および比較例で得られた粘
着テープについて、それぞれ下記の方法により評価を行
い、それらの結果を表―1に示した。
【0039】<残留接着率>各粘着テープの剥離剤面に
粘着テープ(日東31B)を貼り付けし、ゴムロールで
密着させてから、25g/cm2の荷重を掛けたまま7
0℃で20時間放置した後、剥離剤面から粘着テープを
引き剥がし、常温に1時間以上放置した後、ステンレス
板の研磨面に貼り付け、0.3m/分にて180°剥離
したときの粘着力(A)とテフロンシートに粘着テープ
(日東31B)を貼り付けし、ゴムロールで密着させて
から、25g/m2の荷重を掛けたまま70℃で20時
間放置した後、剥離剤面から粘着テープを引き剥がし、
常温に1時間以上放置した後、ステンレス版の研磨面に
貼り付け、0.3m/分にて180°剥離したときの粘
着力(B)を測定し、(A)と(B)の比率(A/B)
×100=残留接着率(%)として求めた。
【0040】<背面剥離力>JIS−Z−0237に準
じて粘着テープの粘着剤層面を剥離剤面に貼り付け30
分後、及び貼り付け後40℃、20%RH、暗室雰囲気
中で7日処理した後に0.3m/分にて各々180°剥
離力を引張り試験機にて測定した。
【0041】<印刷適性>熱転写プリンターは、DAT
AMAX社製バーコードラベルプリンター[Prodi
gy Plus Linerless]と、インクリボ
ンとして市販のインクリボン(品名:FSR、兼松マル
テック(株)より入手)を用い、粘着テープを自動巻出
ししながら粘着テープの剥離層面にバーコード印刷し、
その印刷適性として、(i)インキ転写性(ii)イン
キ密着性を目視評価した。
【0042】<評価基準> (i)転写性 ○ ;印刷時のインキの転写性が鮮明。 ○△;印刷時のインキの転写性がほぼ鮮明。 △ ;印刷時のインキの転写性がやや不鮮明(実用上使
用限界)。 △×;印刷時のインキの転写性が不鮮明。 × ;印刷時のインキの転写性がない。 (ii)密着性 ○ ;印刷面にメンディングテープを貼って剥がしても
インキの剥がれがほとんどない。 △;印刷面にメンディングテープを貼って剥がすとわず
かにインキの剥がれがある。 × ;印刷面にメンディングテープを貼って剥がすとイ
ンキの剥がれがある。
【0043】<プリンター走行性>DATAMAX社製
バーコードラベルプリンター[Prodigy Plu
sLinerless]と、インクリボンとして市販の
ワックス系インクリボンまたは樹脂系インクリボン用
い、粘着テープを自動巻出ししながら粘着テープの剥離
剤面にバーコード印刷した時の粘着テープの走行性を評
価した。 ○:巻出しがスムーズで安定してプリンターを走行す
る。 △:巻出しがやや不安定だが、実用上問題なくプリンタ
ーを走行する。 ×:巻出しが不安定で、プリンター走行が困難である。
【0044】<耐熱性>粘着テープの耐熱性について
は、JIS−Z−0237に準じ、得られた粘着テープ
の剥離剤面に粘着テープを貼り付け30分後に剥離剤面
から粘着テープを0.3m/分にて180度剥離したと
きの剥離力(b)及び、粘着テープの粘着剤層面を貼り
付け、25g/m2の荷重を掛けたまま40℃、20%
RH、暗室の環境下に7日間放置後、剥離剤層面から粘
着テープを0.3m/分にて180度剥離したときの剥
離力(a)を測定し、剥離力の上昇率{((a)−
(b))/(b))×100}を求め、下記のように評
価した。 ○;上昇率が0〜100%の範囲内にある。 △;上昇率が101〜200%の範囲内にある。 ×;上昇率が200%を越える。
【0045】
【表1】
【0046】表−1から明らかなように、実施例1〜4
のような本発明の構成では、汎用のインクリボンでの熱
転写印刷性に優れ、剥離剤層と粘着剤層との剥離(背面
剥離力)が容易でかつプリンター走行性に優れていた。
【0047】比較例1は、印刷適性は良好であるが、剥
離剤層と粘着剤層との剥離(背面剥離力)が重く、プリ
ンター走行性が不安定であった。また、比較例2では、
樹脂融点が高すぎて印刷性が悪い。また背面剥離力が高
すぎて粘着テープの巻出しも容易ではなく、プリンター
での走行性は不安定であった。比較例3では、印刷適性
のうちインク転写性が悪く、プリンター走行性も不安定
なため、実用上問題がある。比較例4では背面剥離力は
良好であるが、印刷適性のうちインク密着性が悪い。
【0048】
【発明の効果】従来の粘着テープに使用される剥離剤で
は、剥離剤層へ直接、汎用のインクリボンを熱転写する
ことが不可能であった。本発明により、従来の粘着剤と
しての性能を保ったまま、今まで無駄にされてきた剥離
紙を必要とせず、かつ汎用のインクリボンを用いた熱転
写印刷が可能で、安定したプリンター走行性を有する粘
着テープを提供することが可能となり、従来のラベル製
品を革新的に進歩させることができ、産業界に寄与する
ところが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C068 AA03 EE27 2H111 AA01 AA26 BB08 CA03 CA05 CA14 CA30 CA33 CA41 CA44 4F100 AJ11 AJ11B AK01B AK21 AK25 AK25C AK25G AK25J AL01 AL01G AR00C AT00A BA03 BA07 BA10B BA10C CA16C DG10 EH46 EJ86 GB90 HB31 HB31B JA04B JK06 JK15A JK15B JL13 JL13C JL14 JL14B YY00 YY00A YY00B 4J004 AA10 AB01 CA01 CA02 CB02 CC02 CC05 CD03 DA01 DB01 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基材表面の片面がJAPAN
    TAPPI No.5に準ずる平滑度で500秒以上で
    ある面に、融点が60〜100℃である高分子樹脂を主
    成分とし、ワックスを含有する剥離剤層を設け、基材の
    もう一方の面に粘着剤層を設けてなることを特徴とする
    熱転写印刷可能な粘着テープ。
  2. 【請求項2】基材の平滑面に剥離剤層を設けた後の剥離
    剤塗工面の上記平滑度が500秒以上に保たれているこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱転写印刷可能な粘着テ
    ープ。
  3. 【請求項3】粘着剤層と該剥離剤層との初期剥離力が5
    〜80N/mであり、粘着剤層を剥離剤層に貼り付け、
    40℃、20%RHの暗室雰囲気中で7日処理した後で
    の剥離力が初期剥離力の2倍以下であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の熱転写印刷可能な粘着テー
    プ。
  4. 【請求項4】該粘着剤層がアクリル系粘着剤を主体とし
    て構成されたことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の熱転写印刷可能な粘着テープ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212428A (ja) * 2001-01-22 2002-07-31 Sony Chem Corp 生分解性剥離剤組成物及び生分解性剥離テープ
JP2003041214A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Riken Technos Corp 壁装用粘着シート及びその製造方法
JP2015044983A (ja) * 2013-07-31 2015-03-12 株式会社Kri 撥水撥油材料

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