JP2003041214A - 壁装用粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

壁装用粘着シート及びその製造方法

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JP2003041214A
JP2003041214A JP2001231520A JP2001231520A JP2003041214A JP 2003041214 A JP2003041214 A JP 2003041214A JP 2001231520 A JP2001231520 A JP 2001231520A JP 2001231520 A JP2001231520 A JP 2001231520A JP 2003041214 A JP2003041214 A JP 2003041214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンボス加工性、耐スクラッチ性、三次元施工
性、作業性、施工安定性に優れた壁装用粘着シート及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと
着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが熱圧着
されてなるシートの透明フィルム側の面にウレタン樹脂
100重量部当たりワックス0.5〜20重量部を含有
する二液型ウレタン樹脂の塗膜を有し、着色不透明フィ
ルム側の面にアクリル系粘着剤層と剥離紙が積層されて
なる壁装用粘着シート、及び、透明な非晶質ポリエステ
ル樹脂フィルムの片面にワックスを含有する二液型ウレ
タン樹脂の塗膜を設け、該塗膜を有する面を加熱ドラム
の表面に密着させ、着色不透明な非晶質ポリエステル樹
脂フィルムを透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムに
積層して両フィルムを熱圧着し、着色不透明なフィルム
側にアクリル系粘着剤層と剥離紙を積層する壁装用粘着
シートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁装用粘着シート
及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、エンボス加工性、耐スクラッチ性、三次元施工性、
作業性、施工安定性に優れた壁装用粘着シート、及び、
該シートを効率的に製造することができる壁装用粘着シ
ートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の壁、天井などの内装仕上げや、
什器の表面材に、紙製、織物製、プラスチック製などの
壁装用粘着シートが用いられている。特にプラスチック
製の壁装用粘着シートは、耐摩擦性、隠蔽性、湿潤強度
などに優れる上に、三次元施工が可能なので、大量に生
産され使用されている。従来より、プラスチック製の壁
装用粘着シートには、塩化ビニル系樹脂フィルムが多量
に使用されていた。塩化ビニル系樹脂壁装用粘着シート
は、ダブリング装置の加熱ドラム上で、透明な塩化ビニ
ル系樹脂フィルムと着色塩化ビニル系樹脂フィルムを重
ねて熱圧着し、さらにエンボスロールでフィルム表面に
エンボスの型押しを行って得られる化粧シートの裏面に
粘着剤層と剥離紙を積層することにより製造されてい
る。しかし、塩化ビニル系樹脂は、燃焼時に塩化水素を
発生することから、塩化ビニル系樹脂に代わる壁装用粘
着シートが求められていた。塩化ビニル系樹脂フィルム
に代えて、燃焼しても有害ガスを発生しない非晶質ポリ
エステル樹脂フィルムを用いることが考えられた。しか
し、単純に塩化ビニル系樹脂フィルムを非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムで置き換えると、非晶質ポリエステル
樹脂フィルムが加熱ドラムに融着し、安定して積層シー
トを製造することができない。非晶質ポリエステル樹脂
フィルムの加熱ドラムへの融着を防ぎ、安定して非晶質
ポリエステル樹脂積層シートを製造する方法として、本
発明者らは、ワックスを含有する透明な非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムを用いて積層シートを製造する方法を
先に発明した。この方法によれば、加熱ドラムへのフィ
ルムの融着を生ずることなく、透明フィルムと着色フィ
ルムを熱圧着して積層シートを製造することができる。
しかし、非晶質ポリエステル樹脂にワックスを配合して
フィルムを製膜する工程が必要であり、ワックスの使用
量が多いなどの問題から、さらなる改良が望まれてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エンボス加
工性、耐スクラッチ性、三次元施工性、作業性、施工安
定性に優れた壁装用粘着シート、及び、該シートを効率
的に製造することができる壁装用粘着シートの製造方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムの表面にワックスを含有する二液型ウ
レタン樹脂の塗膜を設けることにより、耐スクラッチ性
を大幅に向上することができ、また、透明な非晶質ポリ
エステル樹脂フィルムのワックスを含有する二液型ウレ
タン樹脂の塗膜を有する面を加熱ドラムの表面に密着さ
せ、着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムを積
層して熱圧着することにより、非晶質ポリエステル樹脂
フィルムが加熱ドラムへ融着することなく、非晶質ポリ
エステル樹脂フィルム積層体を安定して製造し得ること
を見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、(1)着色不透明な非晶質
ポリエステル樹脂フィルムの表面に、ウレタン樹脂10
0重量部当たりワックス0.5〜20重量部を含有する
二液型ウレタン樹脂の塗膜を有し、該フィルムの裏面
に、アクリル系粘着剤層を有し、該粘着剤層に剥離紙が
積層されてなることを特徴とする壁装用粘着シート、
(2)着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム
が、柄印刷を有する第1項記載の壁装用粘着シート、
(3)非晶質ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分がテ
レフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリコール
50〜90モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル10〜50モル%である第1項記載の壁装用粘着シー
ト、(4)透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと着
色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが熱圧着さ
れてなる非晶質ポリエステル樹脂シートの透明な非晶質
ポリエステル樹脂フィルム側の面に、ウレタン樹脂10
0重量部当たりワックス0.5〜20重量部を含有する
二液型ウレタン樹脂の塗膜を有し、着色不透明な非晶質
ポリエステル樹脂フィルム側の面に、アクリル系粘着剤
層を有し、該粘着剤層に剥離紙が積層されてなることを
特徴とする壁装用粘着シート、(5)透明な非晶質ポリ
エステル樹脂フィルム又は着色不透明な非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムが、熱圧着面に柄印刷を有する第4項
記載の壁装用粘着シート、(6)透明な非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムと着色不透明な非晶質ポリエステル樹
脂フィルムが、着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムに接する面に柄印刷を有する透明フィルムを介し
て熱圧着されてなる第4項記載の壁装用粘着シート、
(7)非晶質ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分がテ
レフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリコール
50〜90モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル10〜50モル%である第4項記載の壁装用粘着シー
ト、及び、(8)透明な非晶質ポリエステル樹脂フィル
ムと着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが熱
圧着されてなる非晶質ポリエステル樹脂シートの透明な
非晶質ポリエステル樹脂フィルム側の面に、二液型ウレ
タン樹脂の塗膜を有し、着色不透明な非晶質ポリエステ
ル樹脂フィルム側の面に、アクリル系粘着剤層を有し、
該粘着剤層に剥離紙が積層されてなる壁装用粘着シート
の製造方法において、透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムの片面に、ウレタン樹脂100重量部当たりワッ
クス0.5〜20重量部を含有する二液型ウレタン樹脂
の塗膜を設け、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム
の該塗膜を有する面を加熱ドラムの表面に密着させ、着
色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムを透明な非
晶質ポリエステル樹脂フィルムに積層することにより、
両フィルムを熱圧着し、着色不透明な非晶質ポリエステ
ル樹脂フィルム面に、アクリル系粘着剤層及び剥離紙を
積層することを特徴とする壁装用粘着シートの製造方
法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の壁装用粘着シートの第一
の態様は、着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィル
ムの表面に、ウレタン樹脂100重量部当たりワックス
0.5〜20重量部を含有する二液型ウレタン樹脂の塗
膜を有し、該フィルムの裏面に、アクリル系粘着剤層を
有し、該粘着剤層に剥離紙が積層されてなる壁装用粘着
シートである。本発明の壁装用粘着シートの第二の態様
は、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと着色不透
明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが熱圧着されてな
る非晶質ポリエステル樹脂シートの透明な非晶質ポリエ
ステル樹脂フィルム側の面に、ウレタン樹脂100重量
部当たりワックス0.5〜20重量部を含有する二液型
ウレタン樹脂の塗膜を有し、着色不透明な非晶質ポリエ
ステル樹脂フィルム側の面に、アクリル系粘着剤層を有
し、該粘着剤層に剥離紙が積層されてなる壁装用粘着シ
ートである。本発明に用いる非晶質ポリエステル樹脂
は、加熱処理を行っても結晶化による物性の変化を起こ
すことがなく、結晶性を有しないポリエステル樹脂であ
る。ポリエステル樹脂が結晶性を有しないことは、加熱
しても外観的に白濁ないし白化を生じないことによって
確認することができる。このような非晶質ポリエステル
樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸な
どをジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールなどをグリコール成分とする共重合ポリエステル樹
脂を挙げることができる。これらの中で、テレフタル酸
をジカルボン酸成分とし、エチレングリコールと1,4
−シクロヘキサンジメタノールをグリコール成分とする
共重合ポリエステル樹脂を好適に用いることができる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸を用いてグリ
コール成分とエステル化反応することができ、あるい
は、テレフタル酸ジメチルを用いてグリコール成分とエ
ステル交換反応することもできる。テレフタル酸をジカ
ルボン酸成分とし、エチレングリコールと1,4−シク
ロヘキサンジメタノールをグリコール成分とする共重合
ポリエステル樹脂は、グリコール成分がエチレングリコ
ール50〜90モル%と1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール10〜50モル%であることが好ましく、エチレ
ングリコール60〜80モル%と1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール20〜40モル%であることがより好ま
しい。このような非晶質ポリエステル樹脂は、イースト
マン・ケミカル社よりKODAR PETG(商品名)と
して市販されている。
【0006】本発明に用いる透明な非晶質ポリエステル
樹脂フィルムは、厚さ70μmのフィルムについて測定
した全光線透過率が80%以上であることが好ましく、
90%以上であることがより好ましい。フィルムの全光
線透過率は、JIS K 7105 5.5.2にしたがっ
て測定することができる。本発明に用いる着色不透明な
非晶質ポリエステル樹脂フィルムは、壁装用粘着シート
を合板、繊維板、パーティクルボードなどの基材に貼り
合わせたとき、基材の表面が外部から目視できなくなる
だけの隠蔽力を有するものであり、使用する基材に応じ
て、適宜その不透明度を選択することができる。本発明
において、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの厚
さは、30〜300μmであることが好ましく、50〜
100μmであることがより好ましい。透明な非晶質ポ
リエステル樹脂フィルムの厚さが30μm未満である
と、着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム層を
保護する機能が不足するおそれがある。透明な非晶質ポ
リエステル樹脂フィルムの厚さは300μm以下で壁装
用粘着シートに要求される性能を満たし、通常は300
μmを超える厚さの透明な非晶質ポリエステル樹脂フィ
ルムを用いる必要はない。本発明において、着色不透明
な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの厚さは20〜1,
000μmであることが好ましく、40〜500μmで
あることがより好ましい。着色不透明な非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムの厚さが20μm未満であると、隠蔽
力が不足するおそれがある。壁装用粘着シートの三次元
施工などを行うと、基材の形状によってシートの伸ばさ
れ方が異なるので、用途に応じて着色不透明な非晶質ポ
リエステル樹脂フィルムの厚さを選択することができ
る。着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの厚
さは1,000μm以下で壁装用粘着シートに要求され
る性能を満たし、通常は1,000μmを超える厚さの
着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムを用いる
必要はない。本発明において、着色不透明な樹脂フィル
ムとして、非晶質ポリエステル樹脂フィルムを用いるこ
とにより、得られる壁装用粘着シートがJIS A 13
21「建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法」に
したがって測定した難燃性が、現在市場で要求されてい
る難燃2級を満足する。着色不透明な樹脂フィルムとし
て、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フ
ィルム、ABS樹脂フィルムなどを用いると、得られる
壁装用粘着シートは難燃3級となる。
【0007】本発明においては、非晶質ポリエステル樹
脂フィルムの片面に、ウレタン樹脂100重量部当たり
ワックス0.5〜20重量部、より好ましくはワックス
1〜10重量部を含有する二液型ウレタン樹脂の塗膜を
設け、この塗膜を有する面を壁装用粘着シートの表面と
する。ワックスを含有する二液型ウレタン樹脂の塗膜を
設けることにより、壁装用粘着シートの耐スクラッチ性
を向上し、シートの表面に傷のつき難い優れた商品とす
ることができる。また、透明な非晶質ポリエステル樹脂
フィルムと着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィル
ムを積層して熱圧着するときに、ワックスを含有する二
液型ウレタン樹脂の塗膜を加熱ドラムの表面に密着させ
ることにより、非晶質ポリエステル樹脂フィルムを部分
的な浮きが生ずることなく加熱ドラムに密着させ、か
つ、無理なく加熱ドラムから剥離することができる。二
液型ウレタン樹脂の塗膜は、ポリオール成分とポリイソ
シアネート成分を混合したのち塗布し、硬化反応により
形成される塗膜である。二液型ウレタン樹脂の塗膜の厚
さは、1〜10μmであることが好ましく、3〜7μm
であることがより好ましい。本発明に用いるポリオール
成分に特に制限はなく、例えば、主鎖にポリエステル結
合を有する油変性アルキッド樹脂、オイルフリーポリエ
ステル、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネ
ートポリオール、アクリルポリオール、ヒドロキシル基
を有するビニルポリマー、ヒドロキシル基を有するフッ
素樹脂、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール
などを挙げることができる。これらの中で、アクリルポ
リオールを好適に用いることができる。ポリオール成分
は、有機溶剤に溶解した溶液として用いることが好まし
い。使用する溶剤としては、例えば、トルエン、キシレ
ン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどの活性水素を有しない溶剤を
挙げることができる。本発明に用いるポリイソシアネー
ト成分に特に制限はなく、例えば、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソ
シアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートな
どや、これらのビューレット体、イソシアヌレート体な
どを挙げることができる。これらの中で、無黄変性のヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水添キシリレンジイソシアネート及び水添ジフ
ェニルメタンジイソシアネートを好適に用いることがで
きる。本発明に用いるワックスに特に制限はなく、例え
ば、パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックスなどの炭化水素系ワックス、ステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸、複合型ステアリン酸、オレイ
ン酸などの脂肪酸系ワックス、ステアリン酸アミド、オ
キシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシル
アミド、リシノール酸アミド、ベヘン酸アミド、メチレ
ンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミドなどの脂肪族アミド系ワックス、ステアリン酸n
−ブチルなどの脂肪族エステル系ワックス、脂肪族金属
石けん系ワックス、尿素−ホルムアルデヒドワックスな
どを挙げることができる。ワックスは、ポリオール成分
の溶液中にあらかじめ分散しておくことが好ましい。
【0008】本発明においては、ワックスを配合した二
液型ウレタン樹脂塗料を非晶質ポリエステル樹脂フィル
ムの片面に塗布することにより、ワックスを含有する二
液型ウレタン樹脂の塗膜を設ける。ワックスの含有量が
ウレタン樹脂100重量部当たり0.5重量部未満であ
ると、壁装用粘着シートの耐スクラッチ性が不十分にな
るおそれがある。また、透明な非晶質ポリエステル樹脂
フィルムと着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィル
ムを熱圧着する際に、加熱ドラムからの剥離性が不良と
なるおそれがある。ワックスの含有量がウレタン樹脂1
00重量部当たり20重量部を超えると、ワックスが壁
装用粘着シートの表面にブリーディングしてシートの外
観が損なわれるおそれがある。また、透明な非晶質ポリ
エステル樹脂フィルムと着色不透明な非晶質ポリエステ
ル樹脂フィルムを熱圧着する際に、加熱ドラムへの密着
性が不良となるおそれがある。透明な非晶質ポリエステ
ル樹脂フィルムの表面にワックスを含有しない二液型ウ
レタン樹脂の塗膜を設けると、加熱ドラムヘの融着を防
ぐことはできるが、加熱ドラムからの剥離性が不良とな
り、剥離の際にフィルムが伸ばされ、厚さむらや印刷柄
の柄伸びが大きくなって、2枚のフィルムが積層された
シートを安定して製造することができない。また、得ら
れる壁装用粘着シートの耐スクラッチ性が不良となる。
二液型ウレタン樹脂の塗膜に、ウレタン樹脂100重量
部当たりワックス0.5〜20重量部を含有させること
により、加熱ドラムにフィルム全体が密着し、さらに剥
がすときにも無理なく剥離することができる。また、二
液型ウレタン樹脂の塗膜は一般に傷つきやすく、耐スク
ラッチ性が不良であるが、二液型ウレタン樹脂の塗膜に
ワックスを含有させることにより、耐スクラッチ性が改
良される。
【0009】本発明に用いるアクリル系粘着剤に特に制
限はなく、例えば、溶剤型アクリル系粘着剤、非水系エ
マルジョン型アクリル系粘着剤、水系エマルジョン型ア
クリル系粘着剤、水溶性型アクリル系粘着剤などを挙げ
ることができる。これらの中で、溶剤型アクリル系粘着
剤を好適に用いることができる。アクリル系粘着剤を構
成するモノマー単位としては、例えば、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブ
チルなどの粘着成分、アクリル酸エチル、アクリル酸メ
チル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリロニト
リルなどの凝集成分、アクリル酸、無水マレイン酸、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルなどの反応成分などを挙
げることができる。アクリル系粘着剤には、必要に応じ
て粘着付与樹脂を配合することができる。粘着付与樹脂
としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、石油樹
脂、テルペン樹脂、キシレン樹脂、スチレン樹脂などを
挙げることができる。粘着付与樹脂を配合することによ
り、アクリル系粘着剤の粘着力を向上することができ
る。また、アクリル系粘着剤には、必要に応じて架橋剤
を配合することができる。架橋剤としては、例えば、ト
リレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネートなどのポリイソシアネート、アジリジン、
金属キレート化合物、エポキシ化合物などを挙げること
ができる。架橋剤を配合してアクリルポリマーを架橋す
ることにより、凝集力を高め、耐熱性、耐候性、耐溶剤
性などを向上することができる。架橋剤の配合量は、ア
クリルポリマー100重量部に対して0.2〜8重量部
であることが好ましく、0.7〜3重量部であることが
より好ましい。架橋剤の配合量がアクリルポリマー10
0重量部に対して0.2重量部未満であると、架橋が不
足して凝集力の向上効果が十分に発現しないおそれがあ
る。架橋剤の配合量がアクリルポリマー100重量部に
対して8重量部を超えると、架橋が進みすぎて粘着力が
低下するおそれがある。本発明において、粘着剤層の厚
さに特に制限はないが、10〜100μmであることが
好ましく、20〜80μmであることがより好ましく、
30〜60μmであることがさらに好ましい。粘着剤層
の厚さが10μm未満であると、粘着効果が不十分とな
るおそれがある。粘着剤層の厚さが100μmを超える
と 壁装用粘着シート全体の厚さが大きくなって取り扱
いが困難になるとともに、製造条件の幅が狭くなり、コ
スト上昇の原因となるおそれがある。本発明に用いる剥
離紙に特に制限はなく、例えば、クラフト紙、クルパッ
ク紙、半晒紙、上質紙、グラシン紙、コート紙などの紙
基材にシリコーンコーティングを施した離型紙の外に、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レートなどのフィルムにシリコーンコーティングを施し
た材料も剥離紙として用いることができる。剥離紙の厚
さに特に制限はないが、70〜200μmであることが
好ましく、100〜180μmであることがより好まし
く、130〜170μmであることがさらに好ましい。
剥離紙の厚さが70μm未満であると、破損しやすくな
るおそれがある。剥離紙の厚さが200μmを超える
と、壁装用粘着シート全体の厚みが大きくなり取り扱い
が困難となるとともに、コスト上昇の原因となるおそれ
がある。
【0010】本発明の壁装用粘着シートの製造方法にお
いては、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの片面
に、ウレタン樹脂100重量部当たりワックス0.5〜
20重量部を含有する二液型ウレタン樹脂の塗膜を設
け、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの該塗膜を
有する面を加熱ドラムの表面に密着させ、着色不透明な
非晶質ポリエステル樹脂フィルムを透明な非晶質ポリエ
ステル樹脂フィルムに積層することにより、両フィルム
を熱圧着し、着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィ
ルム面に、アクリル系粘着剤層及び剥離紙を積層する。
図1は、本発明方法の実施の一態様の説明図である。片
面にワックスを含有する二液型ウレタン樹脂の塗膜を設
けた透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム1が、塗膜
を有する面が図中においてフィルムの下側の面となる状
態で繰り出しロールから繰り出され、圧着ロール2によ
りダブリング装置の加熱ドラム3の表面に密着させられ
る。加熱ドラムの温度は、100〜160℃であること
が好ましく、130〜150℃であることがより好まし
い。着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム4
が、繰り出しロールより繰り出され、圧着ロール5によ
り加熱ドラム上の透明な非晶質ポリエステル樹脂フィル
ムに積層される。積層された両フィルムは、加熱ドラム
の回転により移送され、その間に両フィルムは熱圧着さ
れて1枚の積層シートとなる。必要に応じて、赤外線ヒ
ータ6により、着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムの側から加熱することもできる。熱圧着された積
層シート7は、そのまま冷却して巻き取ることができ、
あるいは、必要に応じてエンボス加工することができ
る。エンボス加工を行う場合は、エンボスロール8とバ
ッキングロール9の間に積層シートを通過させる。エン
ボスロールの温度は、150℃程度であることが好まし
い。エンボス加工により、例えば、梨地柄の砂目模様、
木目柄の導管模様などを形成することができる。積層シ
ートは、さらに冷却ロール10及び11により冷却さ
れ、巻き取りロール12に巻き取られる。図2は、本発
明方法の実施の一態様の説明図である。剥離紙13が繰
り出しロールより繰り出され、コーター14においてア
クリル系粘着剤溶液15が塗布され、乾燥機16におい
て溶剤が蒸発されて、剥離紙上にアクリル系粘着剤層が
形成される。透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと
着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの積層フ
ィルム17が、繰り出しロールから繰り出され、剥離紙
上に形成された粘着剤層と、着色不透明なポリエステル
樹脂フィルム面が接する状態でラミネーター18におい
て積層され、壁装用粘着シート19となって製品巻き取
りロール20に巻き取られる。
【0011】本発明においては、透明な非晶質ポリエス
テル樹脂フィルムと着色不透明な非晶質ポリエステル樹
脂フィルムの間に、片面に柄印刷を施した透明フィルム
を、柄印刷面が着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムと接するように積層して熱圧着することができ
る。図3は、本発明方法の実施の他の態様の説明図であ
る。本態様においては、片面に柄印刷を施した透明フィ
ルム21が、繰り出しロールより、柄印刷面が図中にお
いてフィルムの上側の面となる状態で繰り出され、ダブ
リング装置の加熱ドラム3上において、透明な非晶質ポ
リエステル樹脂フィルム1と着色不透明な非晶質ポリエ
ステル樹脂フィルム4の間に挟まれ、熱圧着される。熱
圧着により得られた積層シートには、図2に示す方法に
より、アクリル系粘着剤層及び剥離紙が積層される。片
面に柄印刷を施す透明フィルムの材質は、透明な非晶質
ポリエステル樹脂フィルム及び着色不透明な非晶質ポリ
エステル樹脂フィルムと熱圧着が可能な材質であれば特
に制限はなく、例えば、透明な非晶質ポリエステル樹脂
フィルム又は着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィ
ルムと同一又は異なる組成の非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、コロナ放電処理、
プライマー処理などを施したポリオレフィンフィルムな
どを挙げることができる。片面に柄印刷を施した透明フ
ィルムの厚さに特に制限はないが、10〜50μmであ
ることが好ましく、15〜30μmであることがより好
ましい。透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの屈折
率と、片面に柄印刷を施した透明フィルムの屈折率にわ
ずかな差をつけることにより、模様にいっそうの深みを
与え、化粧シートの意匠性を高めることができる。ま
た、片面に柄印刷を施した多種類のフィルムをあらかじ
め在庫しておくことにより、小ロット多品種の生産にも
迅速に対応することができる。本発明においては、熱圧
着した着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの
裏面に、プライマー処理を施すことができる。着色不透
明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの裏面にプライマ
ー処理を施すことにより、粘着剤層の接着性を向上させ
ることができる。使用するプライマーに特に制限はな
く、例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂プライマーや熱
可塑性ウレタン樹脂プライマーなどを挙げることができ
る。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、壁装用粘着シートの評価は下記の方法により行っ
た。 (1)エンボス加工性 エンボスの転写性、絵柄の鮮明性、白化、コートムラに
着目して、目視により評価する。 (2)耐スクラッチ性 JIS K 5400 8.4に準じて、荷重200gで鉛
筆硬度を測定する。鉛筆硬度が低いと、シートの表面に
傷がつきやすい。 (3)難燃性 JIS A 1321 3.にしたがって、難燃性を試験す
る。市場では、難燃2級が要求されている。 (4)三次元施工性 端面が曲面である図4に示す形状の厚さ50mmの試験板
22のコーナー部に、剥離紙を除いた壁装用粘着シート
23をドライヤーで加熱しながら延伸して施工する。シ
ートが裂けたり、著しい白化や絵柄の伸びが生じたシー
トは、三次元施工性が不良であるとする。 (5)作業性 プラスチックスキージを用いて貼り付ける際の作業性を
評価する。シートに適度なコシがあると施工しやすい
が、コシがないと粘着剤層が下地にベタつき、空気の巻
き込み、シワ入り等を生じやすい。 (6)施工安定性 壁装用粘着シートを貼り付け、4週間後の状態を目視に
より観察し、評価する。シートのコシが強すぎると、施
工されたシートの残留歪みを粘着剤が押さえきれず、シ
ートの剥がれ、フクレ、浮きなどが発生する。
【0013】実施例1 非晶質ポリエステル樹脂[イーストマン・ケミカル社、
PETG6763]100重量部と着色剤[住化カラー
(株)、EPM7A1441]45重量部の混合物より、
厚さ120μmの白色の不透明な非晶質ポリエステル樹
脂フィルムを製膜した。アクリルポリオール100重量
部、トルエン100重量部及び酢酸エチル100重量部
からなる溶液にポリプロピレンワックス[クローダジャ
パン(株)、WN1135]5重量部を添加して均一に分
散し、さらにヘキサメチレンジイソシアネート5重量部
を添加して、二液型ウレタン樹脂塗料を調製した。上記
の着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの片面
に、マルチシリンダ形エンボッサを用いて、梨地柄の砂
目模様のエンボス加工を施した。さらに、この面に上記
の二液型ウレタン樹脂塗料を塗布して、厚さ5μmの塗
膜を形成した。厚さ153μmの剥離紙[カイト化学工
業(株)、SLY110KWVP]に、アクリル系共重合
体からなる粘着剤溶液[不揮発分38重量%]100重
量部とトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロ
パンアダクト溶液[不揮発分55重量%]1.5重量部
の混合液を塗布して、厚さ45μmの粘着剤層を形成
し、上記の非晶質ポリエステル樹脂フィルムの裏面に積
層して、壁装用粘着シートを製造した。エンボスの転写
性は良好であり、絵柄は鮮鋭であり、白化やコートムラ
は認められなかった。鉛筆硬度は、HBであった。難燃
性は、難燃2級であった。また、加熱延伸して容易に三
次元施工することができた。シートに適度なコシがあ
り、貼り付けの際の作業性は良好であった。4週間後
に、シートの剥がれ、フクレ、浮きは生じなかった。 実施例2 非晶質ポリエステル樹脂[イーストマン・ケミカル社、
PETG6763]を用いて、厚さ70μmの透明な非
晶質ポリエステル樹脂フィルムを製膜した。また、同じ
非晶質ポリエステル樹脂100重量部と着色剤[住化カ
ラー(株)、EPM7A1441]45重量部の混合物よ
り、厚さ60μmの白色の不透明な非晶質ポリエステル
樹脂フィルムを製膜した。これらの透明な非晶質ポリエ
ステル樹脂フィルムと着色不透明な非晶質ポリエステル
樹脂フィルムを用いて、非晶質ポリエステル樹脂シート
を製造した。アクリルポリオール100重量部、トルエ
ン100重量部及び酢酸エチル100重量部からなる溶
液に、ポリエチレンワックス[クローダジャパン(株)、
WN3025]5重量部を添加して均一に分散し、さら
にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加し
て、二液型ウレタン樹脂塗料を調製した。透明な非晶質
ポリエステル樹脂フィルムの片面に、この二液型ウレタ
ン樹脂塗料を塗布して、厚さ5μmの塗膜を形成した。
直径1,000mmの加熱ドラムを有するダブリング装置
[(株)西村製作所]の加熱ドラムの表面温度を140℃
に保ち、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの塗膜
を有する面を加熱ドラムの表面に密着させて、20m/
分の速度で繰り出した。さらに、着色不透明な非晶質ポ
リエステル樹脂フィルムを同じ速度で繰り出し、加熱ド
ラム上で透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと積層
して熱圧着し、さらに、エンボスロールにより木目柄の
導管模様のエンボス加工を施して積層シートを製造し
た。積層シートの製造において、加熱ドラムとの密着性
と加熱ドラムからの剥離性は良好であった。実施例1と
同様にして、剥離紙上に粘着剤層を形成し、上記の積層
シートの着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム
側の面に積層して、壁装用粘着シートを製造した。エン
ボスの転写性は良好であり、絵柄は鮮鋭であり、白化や
コートムラは認められなかった。鉛筆硬度は、Bであっ
た。難燃性は、難燃2級であった。また、加熱延伸して
容易に三次元施工することができた。シートに適度なコ
シがあり、貼り付けの際の作業性は良好であった。4週
間後に、シートの剥がれ、フクレ、浮きは生じなかっ
た。
【0014】比較例1 厚さ70μmの透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム
の代わりに、厚さ70μmの透明な二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例2と
同様にして、壁装用粘着シートを製造し、評価を行っ
た。エンボス加工において、エンボスはほとんど転写さ
れなかった。鉛筆硬度は、Fであった。難燃性は、難燃
2級であった。三次元施工試験において、シートが全く
伸びず施工ができなかった。シートが硬く曲げにくく、
作業性は不良であった。4週間後に、シートに浮きが生
じていた。 比較例2 厚さ60μmの着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムの代わりに、ポリエチレン[低密度ポリエチレ
ン、メルトフローレート3g/10分(JISK 72
10、190℃、21.18N)]100重量部と着色
剤[大日本インキ化学工業(株)、F10999M]45
重量部の混合物より製膜した厚さ60μmの白色の不透
明なポリエチレンフィルムを用いた以外は、実施例2と
同様にして、壁装用粘着シートを製造し、評価を行っ
た。エンボスの転写性は良好であり、絵柄は鮮鋭であ
り、白化やコートムラは認められなかった。鉛筆硬度
は、Bであった。難燃性は、難燃3級であった。三次元
施工試験において、シートが裂けた。シートに適度なコ
シがあり、作業性は良好であった。4週間後に、シート
の剥がれ、フクレ、浮きは生じなかった。 比較例3 厚さ60μmの着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムの代わりに、ポリプロピレン[ランダムポリプロ
ピレン、メルトフローレート7g/10分(JIS K
7210、230℃、21.18N)]100重量部と
着色剤[大日本インキ化学工業(株)、F10999M]
45重量部の混合物より製膜した厚さ60μmの白色の
不透明なポリプロピレンフィルムを用いた以外は、実施
例2と同様にして、壁装用粘着シートを製造し、評価を
行った。エンボスの転写性は良好であり、絵柄は鮮鋭で
あり、白化やコートムラは認められなかった。鉛筆硬度
は、Bであった。難燃性は、難燃3級であった。三次元
施工試験において、シートが裂けた。シートに適度なコ
シがあり、作業性は良好であった。4週間後に、シート
の剥がれ、フクレ、浮きは生じなかった。 比較例4 厚さ60μmの着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フ
ィルムの代わりに、ABS[熱変形温度89℃(AST
M D−648、試料厚さ6.4mm、1.82MPa)、アク
リロニトリル含量25〜30重量%]100重量部と着
色剤[石原産業(株)、TIPAQUE CR−90]4
5重量部の混合物より製膜した厚さ60μmの白色の不
透明なABSフィルムを用いた以外は、実施例2と同様
にして、壁装用粘着シートを製造し、評価を行った。エ
ンボスの転写性は良好であり、絵柄は鮮鋭であり、白化
やコートムラは認められなかった。鉛筆硬度は、Bであ
った。難燃性は、難燃3級であった。また、加熱延伸し
て容易に三次元施工することができた。シートが硬く曲
げにくく、作業性は不良であった。4週間後に、シート
の剥がれが生じていた。 比較例5 厚さ70μmの透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム
の代わりに、厚さ80μmの透明な塩化ビニル樹脂フィ
ルム[理研ビニル工業(株)、S20015 Fc02
5]を用い、厚さ60μmの着色不透明な非晶質ポリエ
ステル樹脂フィルムの代わりに、厚さ80μmの白色の
不透明な塩化ビニル樹脂フィルム[理研ビニル工業
(株)、S23041 Fc13080]を用いた以外
は、実施例2と同様にして、壁装用粘着シートを製造
し、評価を行った。エンボスの転写性は良好であり、絵
柄は鮮鋭であり、白化やコートムラは認められなかっ
た。鉛筆硬度は、Bであった。難燃性は、難燃2級であ
った。また、加熱延伸して容易に三次元施工することが
できた。シートのコシが若干弱く、粘着剤がベタつきや
すく、作業性はやや不良であった。4週間後に、シート
の剥がれ、フクレ、浮きは生じなかった。第1表に、実
施例1〜2及び比較例1〜5の結果を示す。
【0015】
【表1】
【0016】第1表に見られるように、着色不透明な非
晶質ポリエステル樹脂フィルム、粘着剤層及び剥離紙か
ら構成される実施例1の壁装用粘着シート、透明な非晶
質ポリエステル樹脂フィルム、着色不透明な非晶質ポリ
エステル樹脂フィルム、粘着剤層及び剥離紙から構成さ
れる実施例2の壁装用粘着シートは、いずれもエンボス
加工性、耐スクラッチ性、難燃性、三次元施工性、作業
性、施工安定性のすべてについて良好である。これに対
して、透明フィルムとしてポリエチレンテレフタレート
フィルムを用いた比較例1の壁装用粘着シートは、耐ス
クラッチ性と難燃性以外の特性がすべて不良である。着
色不透明フィルムにポリエチレンフィルムを用いた比較
例2の壁装用粘着シートとポリプロピレンフィルムを用
いた比較例3の壁装用粘着シートは、いずれも難燃性が
不足し、三次元施工性が不良である。着色不透明フィル
ムにABSフィルムを用いた比較例4の壁装用粘着シー
トは、難燃性が不足し、作業性と施工安定性が不良であ
る。また、従来の塩化ビニル系壁装用粘着シートである
比較例5のシートは、実施例のシートに比べると作業性
がやや不良である。
【0017】
【発明の効果】本発明の壁装用粘着シートは、エンボス
加工性、耐スクラッチ性、難燃性、三次元施工性、作業
性、施工安定性に優れている。本発明の製造方法によれ
ば、このような壁装用粘着シートを、加熱ドラムへのフ
ィルムの融着を生ずることなく、効率的に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様の説明図で
ある。
【図2】図2は、本発明方法の実施の一態様の説明図で
ある。
【図3】図3は、本発明方法の実施の他の態様の説明図
である。
【図4】図4は、三次元施工性試験用治具の斜視図及び
断面図である。
【符号の説明】
1 透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム 2 圧着ロール 3 加熱ドラム 4 着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム 5 圧着ロール 6 赤外線ヒータ 7 積層シート 8 エンボスロール 9 バッキングロール 10 冷却ロール 11 冷却ロール 12 巻き取りロール 13 剥離紙 14 コーター 15 アクリル系粘着剤溶液 16 乾燥機 17 積層フィルム 18 ラミネーター 19 壁装用粘着シート 20 製品巻き取りロール 21 柄印刷を施した透明フィルム 22 試験板 23 壁装用粘着シート
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AJ11B AK25C AK41A AK41E AK51B AL01 BA04 BA05 BA07 BA10B BA10D CA13 DG10D GB08 HB31A JA12A JA12E JK12 JL00 JL01 JL10A JL13C JL14D JN01E JN02A YY00A YY00B 4J004 AA10 AA17 AB01 CA06 CC02 CC03 CC05 CD06 DB02 FA01 FA08 GA01 4J040 DF001 DF011 DF031 DF081 EC222 EF181 EF281 JA09 JB09 KA16 KA26 NA12 PA23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィ
    ルムの表面に、ウレタン樹脂100重量部当たりワック
    ス0.5〜20重量部を含有する二液型ウレタン樹脂の
    塗膜を有し、該フィルムの裏面に、アクリル系粘着剤層
    を有し、該粘着剤層に剥離紙が積層されてなることを特
    徴とする壁装用粘着シート。
  2. 【請求項2】着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィ
    ルムが、柄印刷を有する請求項1記載の壁装用粘着シー
    ト。
  3. 【請求項3】非晶質ポリエステル樹脂のジカルボン酸成
    分がテレフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリ
    コール50〜90モル%と1,4−シクロヘキサンジメ
    タノール10〜50モル%である請求項1記載の壁装用
    粘着シート。
  4. 【請求項4】透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと
    着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが熱圧着
    されてなる非晶質ポリエステル樹脂シートの透明な非晶
    質ポリエステル樹脂フィルム側の面に、ウレタン樹脂1
    00重量部当たりワックス0.5〜20重量部を含有す
    る二液型ウレタン樹脂の塗膜を有し、着色不透明な非晶
    質ポリエステル樹脂フィルム側の面に、アクリル系粘着
    剤層を有し、該粘着剤層に剥離紙が積層されてなること
    を特徴とする壁装用粘着シート。
  5. 【請求項5】透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルム又
    は着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが、熱
    圧着面に柄印刷を有する請求項4記載の壁装用粘着シー
    ト。
  6. 【請求項6】透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと
    着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが、着色
    不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムに接する面に
    柄印刷を有する透明フィルムを介して熱圧着されてなる
    請求項4記載の壁装用粘着シート。
  7. 【請求項7】非晶質ポリエステル樹脂のジカルボン酸成
    分がテレフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリ
    コール50〜90モル%と1,4−シクロヘキサンジメ
    タノール10〜50モル%である請求項4記載の壁装用
    粘着シート。
  8. 【請求項8】透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムと
    着色不透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムが熱圧着
    されてなる非晶質ポリエステル樹脂シートの透明な非晶
    質ポリエステル樹脂フィルム側の面に、二液型ウレタン
    樹脂の塗膜を有し、着色不透明な非晶質ポリエステル樹
    脂フィルム側の面に、アクリル系粘着剤層を有し、該粘
    着剤層に剥離紙が積層されてなる壁装用粘着シートの製
    造方法において、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィル
    ムの片面に、ウレタン樹脂100重量部当たりワックス
    0.5〜20重量部を含有する二液型ウレタン樹脂の塗
    膜を設け、透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムの該
    塗膜を有する面を加熱ドラムの表面に密着させ、着色不
    透明な非晶質ポリエステル樹脂フィルムを透明な非晶質
    ポリエステル樹脂フィルムに積層することにより、両フ
    ィルムを熱圧着し、着色不透明な非晶質ポリエステル樹
    脂フィルム面に、アクリル系粘着剤層及び剥離紙を積層
    することを特徴とする壁装用粘着シートの製造方法。
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