JP2008238426A - インサート成形用加飾シート及びそれを用いたインサート成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護フィルムに付いた傷が、真空成形工程で基材シートに転写されにくい加飾シートを提供すること及びそれを用いて不良率の低いインサート成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】アクリル樹脂からなる基材シート11の表面に粘着層13を介して熱可塑性樹脂からなる保護フィルム12を積層してなる加飾シートであって、該アクリル樹脂のガラス転移点(℃)と該熱可塑性樹脂のガラス転移点(℃)との温度差が10℃以下であることを特徴とするインサート成形用加飾シート及びそれを用いたインサート成形品の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インサート成形に用いられる加飾シート及びそれを用いたインサート成形品の製造方法に関するものである。
従来から、樹脂成形物等の被着体の表面を加飾した加飾成形品が各種用途で使用されている。例えば、特許文献1等に開示の射出成形同時加飾方法では、樹脂成形物の成形と同時にその表面に成形用加飾シートを積層一体化する事で、表面が加飾された加飾成形品が得られる。例えば、特許文献1には、バッカー層を積層した加飾シートを金型内壁面に形成した後、成形用樹脂を射出成形することにより、シートで表面が被覆された成形品を製造する方法、所謂インサート成形により成形品を製造する方法が提案されている。
しかし、インサート成形では、真空成形した後、射出成形するため、真空成形工程と射出成形工程との間の移送等の際に、加飾シートの表面が傷ついたり、汚れたりすることがあった。
この問題を解決するために、加飾シートの表面に保護フィルムを積層することが提案されている。(特許文献2〜6)
しかしながら、特許文献2〜6に提案された保護フィルムは、いずれもバッカー層付き加飾シートに保護フィルムが積層されたまま射出成形工程を経るので、射出成形工程での220〜260度の高温に耐えられるものが使用されていた。このため、真空成形工程で、保護フィルムに付いた傷が加飾シートの基材シートに転写され易く、保護フィルムの本来の目的に反する結果となっていた。
そこで、保護フィルムに付いた傷が、真空成形工程で基材シートに転写されにくい加飾シートが要望されている。
特公平8−2550号公報 特開平10−329169号公報 特開平10−329170号公報 特開2001−145981号公報 特開2002−240202号公報 特開2002−360809号公報 特開2004−322501号公報
本発明は、このような状況下で、保護フィルムに付いた傷が、真空成形工程で基材シートに転写されにくい加飾シートを提供すること及びそれを用いて、不良率の低いインサート成形品の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、保護フィルムに改良を加えることにより、更に射出成形工程前にその保護フィルムを剥離することにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)アクリル樹脂からなる基材シートの表面に粘着層を介して熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを積層してなる加飾シートであって、該アクリル樹脂のガラス転移点(℃)と該熱可塑性樹脂のガラス転移点(℃)との温度差が10℃以下であることを特徴とするインサート成形用加飾シートを提供し、
(2)アクリル樹脂からなる基材シートの表面に粘着層を介して熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを積層してなる加飾シートであって、該アクリル樹脂のガラス転移点(℃)と該熱可塑性樹脂のガラス転移点(℃)との温度差が10℃以下である加飾シートの裏面にバッカー層を積層してなるインサート成形シートを真空成形する工程と、真空成形したインサート成形シートから該保護フィルムを剥離する工程と、該保護フィルムが剥離されたインサート成形シートの裏面に樹脂を射出し成形する工程とを含むインサート成形品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、保護フィルムに付いた傷が、真空成形工程で基材シートに転写されにくい加飾シート提供することができ、且つそれを用いる上述の製造方法により不良率の低いインサート成形品を提供することができる。
以下、本発明を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の加飾シートの実施態様の断面を示す模式図である。
本発明のインサート成形用加飾シート10は、基材シート11の表面に粘着層13を介して保護フィルム13を積層してなる加飾シートである。そして、必要に応じ、基材シート11の裏面に絵柄層14を、絵柄層14の裏面に隠蔽層15を積層しても良い。また、場合によっては、基材シート11の最裏面に接着剤層16を積層しても良い。
また、図2は、本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの断面を示す模式図である。加飾シート10の接着剤層16表面とバッカー層20表面とがドライラミネーション等により一体化されてインサート成形シート30が製造される。但し、接着剤層16は、加飾シート10の最裏面ではなく、バッカー層20の表面に積層されても良い。また、接着剤層16は、加飾シート10とバッカー層20とをドライラミネーション等により一体化する際に塗工しても良い。
本発明においては、基材シート11はアクリル樹脂からなり、保護フィルム12は熱可塑性樹脂からなる。更に、基材シート11のアクリル樹脂のガラス転移点{Tg(A)}(℃)と保護フィルム12の熱可塑性樹脂のガラス転移点{Tg(B)}(℃)との温度差が10℃以下であることを要する。Tg(B)がTg(A)より10℃を超えて高くなると、保護フィルム12に付いた傷が、真空成形工程で基材シート13に転写され易くなる。逆に、Tg(B)がTg(A)より10℃を超えて低くなる場合として、Tgの低い塩化ビニル樹脂やPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を用いる場合が挙げられるが、塩化ビニル樹脂には廃棄処理問題があり、PET樹脂は成型性が低いのでいずれも用いられない。
本発明に係る基材シート11は、絵柄層14の意匠性を高めるために、透明性に優れ、その結果、優れた塗装感をも付与できるアクリル樹脂が用いられる。該アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等のアクリル樹脂を単体又は2種以上の混合物として、単層又は2層以上の積層体のシートとして用いる。ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートをいう。
なお、基材シート11は無色透明の他に、着色透明でも良い。また、基材シート11中には、必要に応じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の滑剤、シリカ、球状α−アルミナ等の粒子からなる艶消し剤又は減磨剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を、物性調整の為に添加しても良い。また、副材料として、アクリル樹脂以外の樹脂を添加しても良い。
基材シート11に用いられるアクリル樹脂のガラス転移点{Tg(A)}は、通常85〜110℃であり、アクリル樹脂の折り曲げ性を向上してインサート成形品の折り曲げ部の白化を防止するためには100℃以下であることが好ましい。
基材シート11の厚みは、特に限定されないが、一般的には70〜150μm程度である。
保護フィルム12に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が好ましく、ポリエチレン樹脂が更に好ましい。ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂が低いガラス転移点を有するので特に好ましい。
保護フィルム12に用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移点{Tg(B)}は、通常60〜130℃であり、100〜120℃が特に好ましい。
保護フィルム12の厚みは、特に限定されないが、一般的には40〜160μm程度であり、好ましくは50〜70μm程度である。50μm以上であれば保護フィルムに付いた傷が真空成形工程で基材シートに転写されにくく、70μm以下であれば、経済性の点で有利である。
基材シート11と保護フィルム12との間に設けられる粘着層13に使用される粘着剤は、基材シート11と保護フィルム12とを粘着でき、且つ真空成形後保護フィルム12を剥離し易いものであれば何でもよい。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリオレフィン系粘着剤、天然ゴム又は合成ゴムのゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)共重合体系粘着剤又は水添スチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)共重合体系粘着剤等が挙げられるが、EVA系粘着剤が好ましい。
粘着層13の厚さは、通常、1〜20μm程度である。
本発明において、所望により積層される絵柄層14は、模様や文字等とパターン状の絵柄を表現する層である。絵柄層14の絵柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字等からなる絵柄である。絵柄層14としては、バインダーの樹脂を特定の樹脂から構成する他は、基本的には特に制限は無い。絵柄層は、通常は、印刷インキでグラビア印刷等の公知の印刷法により形成する。バインダーの樹脂は、アクリル樹脂単独又はアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とするのが好ましい。アクリル樹脂を用いる基材シート11との密着性を出す為にアクリル樹脂を用いることが好ましく、更に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体又は別のアクリル樹脂を混合すると印刷適性、成形適性がより好適となる。ここで、アクリル樹脂としては、上述の基材シートのところで列記したものと同様のものの中から適宜選択する他、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるアクリルポリオールを用いることも出来る。また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、通常、酢酸ビニル含有量が5〜20質量%程度、平均重合度350〜900程度のものが用いられる。必要に応じ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に更にマレイン酸、フマル酸等のカルボン酸を共重合させても良い。アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合比は、アクリル樹脂/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体=1/9〜9/1(質量比)程度である。この他、副成分の樹脂として、必要に応じて、適宜その他の樹脂、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン等の樹脂を混合しても良い。
絵柄層14の厚みは、絵柄模様に応じて適宜選択すればよい。
本発明において、所望により積層される隠蔽層15に用いられるバインダーとしての樹脂は、絵柄層14及び基材シート11との密着性、印刷適性、成形適性の点から絵柄層14と同じく、1種類のアクリル樹脂を単独で用いるか、2種類以上のアクリル樹脂の混合物又はアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物を用いることが好ましい。隠蔽層15でのアクリル樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、上述の絵柄層14で述べたもの等を使用すれば良い。アクリル樹脂としては、ポリメチルメタクリレート及びポリブチルメタクリレートが好ましく、ポリメチルメタクリレートとポリブチルメタクリレートの混合物が特に好ましい。
また、必要に応じて、副成分の樹脂として、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン等の樹脂を混合しても良い。この様な隠蔽層は、ベタ印刷層であり、通常は印刷インキ或いは塗料でグラビア印刷等の公知の印刷又はグラビア塗工等の塗工法により形成すれば良い。隠蔽層15の厚みは1〜10μm程度であり、通常2μm 程度である。
絵柄層14及び隠蔽層15としては、上述の各種樹脂よりなるバインダーに加えて、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白(二酸化チタン)、アンチモン白(三酸化アンチモン)、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
無機顔料の内、白色無機顔料としては、チタン白、亜鉛華、アンチモン白等が挙げられるが、チタン白が高隠蔽性であり好ましい。
黄色無機顔料としては、酸化鉄イエロー、黄鉛、カドミウム黄、チタン黄、アンチモン黄等が挙げられるが、酸化鉄イエローが有害物質を含まない点で好ましい。
茶色無機顔料としては、弁柄、硫化水銀、カドミウム赤、クロムバーミリオン、アンバー、ローアンバー、バーントアンバー、イエローオーカー、ヴァンダイクブラウン、シェンナ、ローシェンナ、バーントシェンナ等が挙げられるが、弁柄が有害物質を含まず、入手し易い点で好ましい。
本発明において、所望により積層される接着剤層16としては、隠蔽層15との密着性、印刷適性、成形適性を持つ樹脂の中から、広範囲に選択される。具体的には、ブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、及びアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物から選ばれることが好ましい。接着剤層16でのアクリル樹脂や塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、上述の絵柄層14で述べたもの等を使用すれば良い。また、これらの混合比も上述の絵柄層14で述べた比率範囲で使用すれば良い。これらの樹脂を接着剤層に使用する事によって、インサート成形用加飾シート10とバッカー層20との密着性が得られる。なお、接着剤層16には、副成分としての範囲で、上記以外の樹脂を併用しても良い。併用する樹脂は、主に射出樹脂との密着性を考慮して選ばれる。
バッカー層20がABS樹脂又はポリオレフィン樹脂の場合は、接着剤層16としてブロックイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン等が好ましい。
なお、接着剤層16の厚みは要求物性等に応じて適宜厚さとすれば良いが、通常1〜20μm程度である。また、接着剤層16の形成方法は特に限定は無いが、通常は、上記樹脂を希釈溶剤で希釈した樹脂液からなるインキ又は塗液として、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により形成する。また、接着剤層中には、更に、インキ(又は塗液)の印刷(又は塗工)適性等の諸物性を調整、向上させる為に、必要に応じて、その他の副材料、例えば、体質顔料等の各種添加剤を添加しても良い。
本発明の加飾シート10が接着剤層16を介して、真空成形前に一体化するバッカー層20としては、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好ましい。これらの樹脂の内、ABS樹脂及びポリプロピレン樹脂が特に好ましい。バッカー層20は、加飾シート10と一体化して補強し、一体化物の形態を保持するために用いられるので200〜500μmの厚さを有することが好ましい。
本発明の加飾シート10を製造する方法は、例えば、基材シート11に絵柄層14、隠蔽層15及び接着剤層16を順次グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工手段により積層すればよい。隠蔽層15が複数層の場合は、1層を積層した後、乾燥し、その後次の層を積層すればよい。
次に、本発明の加飾シート10を用いて、インサート成形により加飾成形品を製造する方法を説明する。本発明の加飾シート10は、上述のようにバッカー層20とドライラミネーション等により接着し一体化してインサート成形シート30となる。このインサート成形シート30を真空成形により所定の型付けを行なう。
図3、4及び5は、夫々本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの真空成形工程において、真空成形前の加熱段階を示す工程模式図、加熱段階終了後の真空成形準備段階を示す工程模式図及び真空成形を示す工程模式図である。
図6は、本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの剥離工程を示す工程模式図である。
図7は、本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートのトリミング工程を示す工程模式図である。
図8及び9は、本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの射出成形工程において、夫々射出成形の準備段階及び射出成形を示す工程模式図である。
図3において、固定枠(図示しない)に固定したインサート成形シート30が軟化する所定の温度になるまでヒーター42で加熱し、図4に示すように加熱され軟化したインサート成形シート30に真空成形金型41を押し付け、図5に示すように同時に真空成形金型41から真空ポンプ(図示しない)で空気を吸引しインサート成形シート30を真空成形金型41にしっかりと密着させる。
インサート成形シート30が真空成形金型41に密着した後、インサート成形シート30を冷却し成形したインサート成形シート30から真空成形金型41をはずし、固定枠から成形されたインサート成形シート30をはずす。真空成形は通常160〜180℃程度で行われる。(詳細については、例えば、特許文献7参照)
次に、図6に示す剥離工程において、真空成形されたインサート成形シート30の表面の保護フィルム12を剥離する。射出成形工程前に表面の保護フィルム12を剥離するのは、ガラス転移点{Tg(B)}の低い熱可塑性樹脂からなる保護フィルム12を射出成形工程の高温高圧にさらすことの無い様にするためであり、具体的には、以下の(1)〜(3)の理由に因る。
(1)射出成形工程において表面の保護フィルム12がシワ等の原因となることを防止する。(2)保護フィルム12の主な役割は射出成形工程前の異物付着防止にあるので、射出成形工程直前に保護フィルム12の剥離が行われることが好ましい。(3)金型は通常鏡面仕上げになっており、射出により成形品に多少は鏡面性を転写できるのであるが、保護フィルムが付いているとかえって成形品の表面が汚れ、転写されなくなる可能性があるためである。
また、図7に示すように、保護フィルム12を剥離されたインサート成形シート30は、所望により、余分な部分を切り取るトリミング工程を設けても良い。なお、剥離工程の前にトリミング工程を設けても良い。
次に、保護フィルム12を剥離されたインサート成形シート30又はトリミングされたインサート成形シート30を図8に示すように射出成形金型51にはめ込み、図9に示すようにインサート成形シート30の裏面(バッカー層20側)に射出樹脂を打ち込む。最後に射出成形金型51から取り出して加飾成型品を得る。射出成形は通常220〜260℃程度で行われる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、樹脂のガラス転移点Tg(℃)、加飾シート及び加飾成型品の傷付き性、成形性、保護フィルムの剥離重さ及び耐熱性は、下記の方法に従って測定した。
1.樹脂のガラス転移点Tg(℃)
JIS K7121−1987に準拠して測定した。具体的には、試験片を室温から20℃/分の割合で昇温させ、示差走査熱量計(DSC)にて発熱量を測定し、吸熱曲線図又は発熱曲線図を作成し、変曲点前後の直線部分に夫々延長線を引き、2本の延長線間の1/2直線と吸熱曲線又は発熱曲線との交点をTgとした。
2.傷付き性
各インサート成形シートの保護フィルムに人為的に傷を付け、加熱し、真空成形し、保護フィルムを剥離した後、アクリル樹脂からなる基材シートの表面への傷の転写具合を目視にて観察し、以下の基準で判断した。
◎:傷の転写によるインサート成形シートの不良率が10%以下である。
○:傷の転写によるインサート成形シートの不良率が10%を超え、20%未満である。
△:傷の転写によるインサート成形シートの不良率が20%以上である。
3.成形性(真空成形性)
各インサート成形シートの真空成形後の保護フィルムの伸び及び追従性を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:試験に用いた真空成形金型の形状と、インサート成形シートの真空成形後の形状とが一致した。
△:試験に用いた真空成形金型の形状と、インサート成形シートの真空成形後の形状とが一部一致しなかった。深しぼり部分が追従しなかった。
×:試験に用いた真空成形金型の形状に、インサート成形シートの大部分が追従しなかった。
4.保護フィルムの剥離重さ
真空成形後、手で剥離したときの感触を、以下の基準で判断した。
◎:容易に剥離した。
○:比較的容易に剥離した。但し、剥離のきっかけづくりが必要であった。
△:完全に剥離することは可能であるが、容易には剥離しなかった。
×:剥離せず、一部粘着剤が糊残りした。
5.耐熱性
真空成形後のシート変形、溶融等の外観異常を確認した結果を、以下の基準で判断した。
○:保護フィルムを剥離した後のインサート成形シートに、シワ、溶融、発泡又は接着剤糊残り等の異常が認められなかった。
△:保護フィルムを剥離した後のインサート成形シートに、わずかにシワ、溶融、発泡又は接着剤糊残り等の異常が認められた。
×:保護フィルムを剥離した後のインサート成形シートに、明らかにシワ、溶融、発泡又は接着剤糊残り等の異常が認められた。
実施例1〜3及び比較例1〜2
表1に示すガラス転移点を有するアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート樹脂)からなる基材シートの表面に、表1に示す粘着剤を用いた粘着層を介して表1に示す熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを積層し、その基材シートの裏面に、夫々ポリブチルメタクリレート/塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(質量比:2/1)からなる絵柄層(厚さ1μm)、ポリメチルメタクリレート及びポリブチルメタクリレートの混合物及び無機顔料からなる隠蔽層(厚さ2μm)及び2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤からなる接着剤層(厚さ10μm)を順次積層して、実施例1〜3及び比較例1〜2の5種類の加飾シートを調製した。
次に、これら5種類の加飾シートをABS樹脂からなるバッカー層(厚さ350μm)とドライラミネーションにより接着し一体化して5種類のインサート成形シートを得た後、これら5種類のインサート成形シートを固定枠に固定し、インサート成形シートの温度が約160℃になるまで約300℃のヒーターで加熱した。加熱され軟化したインサート成形シートを、上述のように、真空成形工程、剥離工程、トリミング工程及び温度約240℃でABS樹脂を射出樹脂とする射出成形工程を経て5種類の加飾成型品を得た。
これら5種類の加飾シート及び加飾成型品の傷付き性、成形性、保護フィルムの剥離重さ及び耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2008238426
表1から分かるように、実施例1〜3の加飾シート及び加飾成型品は、比較例1〜2の加飾シート及び加飾成型品と比較して傷付き性が格段に優れており、格段に不良率が低かった。また、実施例1〜3の加飾シート及び加飾成型品は、成形性、保護フィルムの剥離重さ及び耐熱性も良好であった。
本発明のインサート成形用加飾シート及びインサート成形品の製造方法は、各種の加飾成形品に好適に用いられる。
本発明の加飾シートの実施態様の断面を示す模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの断面を示す模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの真空成形工程において、真空成形前の加熱段階を示す工程模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの真空成形工程において、加熱段階終了後の真空成形準備段階を示す工程模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの真空成形工程において、真空成形を示す工程模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの剥離工程を示す工程模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートのトリミング工程を示す工程模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの射出成形工程において、射出成形の準備段階を示す工程模式図である。 本発明の加飾シートを用いたインサート成形シートの射出成形工程において、射出成形を示す工程模式図である。
符号の説明
10 加飾シート
11 基材シート
12 保護フィルム
13 粘着層
14 絵柄層
15 隠蔽層
16 接着剤層
20 バッカー層
30 インサート成形シート
41 真空成形金型
42 ヒーター
51 射出成形金型

Claims (6)

  1. アクリル樹脂からなる基材シートの表面に粘着層を介して熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを積層してなる加飾シートであって、該アクリル樹脂のガラス転移点(℃)と該熱可塑性樹脂のガラス転移点(℃)との温度差が10℃以下であることを特徴とするインサート成形用加飾シート。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン樹脂である請求項1に記載のインサート成形用加飾シート。
  3. 前記ポリエチレン樹脂が、低密度ポリエチレン樹脂である請求項2に記載のインサート成形用加飾シート。
  4. アクリル樹脂からなる基材シートの表面に粘着層を介して熱可塑性樹脂からなる保護フィルムを積層してなる加飾シートであって、該アクリル樹脂のガラス転移点(℃)と該熱可塑性樹脂のガラス転移点(℃)との温度差が10℃以下である加飾シートの裏面にバッカー層を積層してなるインサート成形シートを真空成形する工程と、
    真空成形したインサート成形シートから該保護フィルムを剥離する工程と、
    該保護フィルムが剥離されたインサート成形シートの裏面に樹脂を射出し成形する工程とを含むインサート成形品の製造方法。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン樹脂である請求項4に記載のインサート成形品の製造方法。
  6. 前記ポリエチレン樹脂が、低密度ポリエチレン樹脂である請求項5に記載のインサート成形品の製造方法。
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