JP2018149725A - 合成樹脂加飾フィルム及び合成樹脂加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法 - Google Patents

合成樹脂加飾フィルム及び合成樹脂加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法 Download PDF

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忠彦 稲垣
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Abstract

【課題】メンブレン法により成形体に適用することができ、簡易に成形体を加飾し得る合成樹脂加飾フィルム、及び、合成樹脂加飾フィルムを用いた、複雑な形状の成形体であっても、簡易な方法により合成樹脂加飾フィルムを接着しうる加飾成形体の製造方法を提供する。【解決手段】表面に凹凸を有する接着層保護シートと、前記接着層保護シートの凹凸を有する面上に備えられた接着層と、着色剤と合成樹脂とを含有する加飾層と、合成樹脂を含有し、前記加飾層側とは反対側の表面に凹凸が形成された表皮層と、を備える合成樹脂加飾フィルム及び合成樹脂加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法。【選択図】図1

Description

本開示は、合成樹脂加飾フィルム及び合成樹脂加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法に関する。
自動車、鉄道車輌、航空機などの外装材として、さまざまな意匠の合成樹脂加飾フィルム(以下、加飾フィルムと称することがある)が用いられている。加飾フィルムを、自動車等の外面に貼り付ける加飾方法を行うことで、自動車等の外装として、任意の意匠を簡易に付与することができる。また、加飾フィルムは、自動車等の本来の外装材を傷付けることなく剥離することができ、張り替えも行うことができる。
例えば、自動車等のボディー外装に加飾フィルムを貼り付ける場合、ほとんどの貼付け作業は人による手作業であり、熟練作業者による高い技能が要求される。このため、加飾フィルムを貼り付ける対象の成形体に合わせた金型を作製し、成形体表面に加飾フィルムを配置して、これを成形金型内で加熱成形や真空ラミネート成形する方法により、成形体表面に加飾フィルムを貼り付けることが考えられる。しかし、自動車のボディーなどの複雑な形状を有する成形体の場合、外装のために、金型を作製したり、真空成形機などの付帯設備を準備したりすることは導入コストの点で現実的ではない。
表面に凹凸を有する成形体に加飾フィルムを接着させる方法として、凸部を形成する模様材を基板上に載置したのち、該基材と模様材を仕上げ用シートで被覆してメンブレンプレス成形するメンブレン成形法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、まず、凹凸を有する成形体に、メンブレンプレス用の接着剤を塗布し、その後、メンブレンプレス用PVCシートを、メンブレンゴムを介してエアプレス方式、水圧プレス法等により加圧、密着させて成形体に接着する方法が記載されている。
特許文献1に記載のメンブレン成形法では、成形体に、メンブレンプレス用の接着剤を塗布する必要があり、工程が煩雑である。また、凹凸が一部に設けられたプレス板などの加工には適するが、複雑な形状の成形体では、接着剤の均一塗布が困難であり、また、必要ではない箇所に接着剤が付着して汚れが発生するおそれもある。
このため、加飾フィルム自体に接着層を形成することが望まれる。
しかし、加飾フィルムに接着層を設ける場合、単層の加飾フィルムに比較し、柔軟性が低下するという問題がある。
さらに、近年では、自動車等の外装に用いられ、外観を向上させる目的で用いられる加飾フィルムは、表面の強度を向上させたり、複雑な意匠を付与したりするため、多層構造をとることが多くなっている。また、表面に絞模様と称する微細な凹凸を有する加飾フィルムも用いられる場合がある。
特開平6−297572号公報
立体的な形状の成形体の表面を、メンブレン法により加飾する場合、金型成形法と異なり、加飾フィルムをメンブレンシートにより加圧して成形体表面に密着させる。
加飾フィルムを、メンブレンシートを用いて成形体に加熱圧着した場合、既述の如き多層構造の加飾フィルムでは、成形体表面への形状追従性が劣る場合がある。
また、表面に絞模様を有する加飾フィルムでは、表面の絞模様が成形時に変形する場合がある。
さらに、成形体の形状によっては、加飾フィルムにシワが形成されたり、密着時に接着層と成形体表面との間に空気が取り込まれて気泡が発生したりする場合がある。このような場合には、成形体の外観が著しく低下する。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、メンブレン法に好適に適用することができ、複雑な形状の成形体に対しても、密着性が良好で、優れた外観を付与しうる合成樹脂加飾フィルムを提供することである。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、既述の合成樹脂加飾フィルムを用いた、簡易な方法で、成形体に優れた外観を付与しうる加飾成形体の製造方法を提供することである。
課題を解決する手段は以下の実施形態を含む。
<1> 表面に凹凸を有する接着層保護シートと、前記接着層保護シートの凹凸を有する面上に備えられた接着層と、着色剤と合成樹脂とを含有する加飾層と、合成樹脂を含有し、前記加飾層側とは反対側の表面に凹凸が形成された表皮層と、を備える合成樹脂加飾フィルム。
<2> 前記加飾層が、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂を含む<1>に記載の合成樹脂加飾フィルム。
<3> 前記接着層の前記接着層保護シート表面と接する側の表面に、前記接着層保護シート表面の凹凸により形成された凹凸を有し、前記接着層表面の凹凸を、前記接着層の全面に亘り有する<1>又は<2>に記載の合成樹脂加飾フィルム。
<4> メンブレン法に適用される<1>〜<3>のいずれか1つに記載の合成樹脂加飾フィルム。
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の合成樹脂加飾フィルムを加熱する工程と、加熱した前記合成樹脂加飾フィルムから接着層保護シートを剥離する工程と、接着層保護シートが剥離された前記合成樹脂加飾フィルムを、前記合成樹脂加飾フィルムの接着層を有する側を成形体に対向させて、成形体上に搬送する工程と、接着層保護シートが剥離された前記合成樹脂加飾フィルムの表皮層側にメンブレンシートを配置し、メンブレンシートを気体により加圧して、前記合成樹脂加飾フィルムの接着層を成形体に接触させて加圧密着させる工程と、を有する加飾成形体の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、メンブレン法に好適に適用することができ、複雑な形状の成形体に対しても、密着性が良好で、優れた外観を付与しうる合成樹脂加飾フィルムを提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、既述の合成樹脂加飾フィルムを用いた、簡易な方法で、成形体に優れた外観を付与しうる加飾成形体の製造方法を提供することができる。
本発明の一態様である合成樹脂加飾フィルムの概略断面図である。 合成樹脂加飾フィルムを、成形体上に搬送した状態の一実施形態を示す概略図である。 合成樹脂加飾フィルムを、メンブレンシートを介して、成形体上に気体の圧力で密着させた状態の一実施形態を示す概略図である。
本明細書において、メンブレン法とは、成形体に加飾フィルムを接着させる際に、可撓性のメンブレンシートを介して加飾フィルムを気体等の流体により加圧し、成形体に密着させる工程を含む処理方法を指す。
本明細書において、以下、「合成樹脂加飾フィルム」を「加飾フィルム」と略称することがある。
本明細書において「〜」を用いて記載した数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
<合成樹脂加飾フィルム:加飾フィルム>
本開示の加飾フィルムは、表面に凹凸を有する接着層保護シートと、前記接着層保護シートの凹凸を有する面上に備えられた接着層と、着色剤と合成樹脂とを含有する加飾層と、合成樹脂を含有し、前記加飾層側とは反対側の表面に凹凸が形成された表皮層と、を備える。
本開示の作用は明確ではないが、以下のように考えている。
本開示では、表皮層は、合成樹脂を含有する表皮層を備えており、加飾フィルムの用途に応じた特性の合成樹脂を選択することにより、加飾層の視認性が良好な外観、表面に光沢のある外観、表面に絞模様を有する外観など、所望の外観を付与することができ、意匠性に優れた成形体を形成しうる加飾フィルムとなると考えられる。
さらに、加飾層の表皮層が形成されない側(以下、加飾層の表皮層を形成する側と反対側の表面を裏面と称することがある)に、成形体に、加飾フィルムを接着させる目的で、粘着剤もしくは接着剤を積層して形成された接着層を有する。この接着層が、接着層と接する側の表面に凹凸を有する接着層保護シートと密着しており、接着層保護シートを剥離した接着層表面も凹凸を有する。従って、加飾フィルムをメンブレン法により成形体に加圧密着させる場合、空気などの気体が密着時に巻き込まれた場合においても、接着層表面の凹凸における凹部を通って外部に排出され、気泡の巻き込みによる密着性低下部分の発生が効果的に抑制されると考えている。
このように、最外層の表皮層及び成形体と接触する接着剤層が有効に機能するため、加飾層は任意の物性を有する層を用いることができ、任意の意匠を有する加飾層とすることができる。このため、加飾フィルムの意匠の自由度が高く、加飾フィルムの意匠性が向上する。
合成樹脂加飾フィルムについて、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一態様の加飾フィルム10の層構成の例を示す概略断面図である。
本開示の加飾フィルム10は、成形体の外装に貼着された場合に目視する側から、最外層として合成樹脂を含有し、後述の加飾層側とは反対側の表面に凹凸が形成された表皮層12、及び、着色剤と合成樹脂とを含有する加飾層14を備える。
加飾層14の表皮層12を形成する側と反対側の表面には、接着層16を有し、接着層16表面には、接着層保護シート(以下、セパレーターと称することがある)18を備える。接着層保護シート18は、接着層16と接する側に凹凸を有する。
加飾フィルム10は、表皮層12の最表面には、意匠性を高めるため、絞模様を有していてもよい。絞模様としては、例えば、規則的な格子模様、天然皮革様の凹凸模様などが挙げられ、目的に応じて任意の絞模様を形成することができる。また、表面のつや消しの目的で微細な凹凸状の絞模様、所謂、梨地様の凹凸を有していてもよい。
加飾フィルム10を成形体表面に密着させる接着層16は、接着層保護シート18で保護されている。接着層保護シート18は、既述のように接着層16と接する側に凹凸を有する。この凹凸が接着層16に転写され、接着層保護シート18を剥離した接着層16には、成形体と接する側に凹凸を有する。
加飾フィルム10を成形体に密着させる際には、加飾フィルム10から接着層保護シート18を剥離して(図示せず)、接着層保護シート18が剥離された加飾フィルム10Aの接着層16を有する側を成形体表面に対向させて成形体表面に密着させ、加飾フィルム10Aを貼着させる。
なお、本明細書では、接着層保護シート18を剥離した加飾フィルムを加飾フィルム10Aと称する。
加飾フィルム10Aにおける接着層16の、成形体と接する側に凹凸を有することで、加飾フィルム10Aを成形体に密着させる場合の形状追従性が向上し、さらに、成形体との接触面における凹凸に起因して、成形体と接着層16との間に巻き込まれた気体が凹部から背部に排出されやすくなり、所望されない気体の巻き込みに起因する成形体と加飾フィルムとの間の気泡の発生が抑制される。
このように、本開示の加飾フィルムは、柔軟性が良好であり、成形体に対して均一な密着を容易に行うことができるため、メンブレン法に好適に適用することができる。
以下、本開示の加飾フィルムを、これを構成する材料とその製造方法とともに順次説明する。
(1.加飾層)
本開示の加飾フィルムにおける加飾層は、加飾フィルムの意匠を決定づける層であり、既述のように、任意の物性、任意の意匠を有する加飾層を用いることができる。
(1-1.合成樹脂)
本開示の加飾フィルムの加飾層に用いられる合成樹脂としては、カレンダー法、溶融押出し法等の公知の成形方法によりフィルムやシートを成形しうる樹脂であれば特に制限はない。加飾層の形成に用いうる合成樹脂としては、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。
なかでも、加工容易性、及び得られた合成樹脂表皮材の柔軟性等の観点からは、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂を含むことが好ましい。
加飾層に用いうる塩化ビニル樹脂としては、従来、塩化ビニルレザーに使用されているものであれば特に制限なく使用できる。具体的には、平均重合度800〜2000、好ましくは800〜1500程度のポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルを主体とする、エチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等との共重合樹脂や、これらの樹脂とポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、部分ケン化ビニルアルコール等との混合樹脂等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂を加飾層に用いる場合、加飾層は気泡を含む発泡層であってもよい。加飾層を、塩化ビニル発泡層とする場合には、前記塩化ビニル樹脂に、着色剤に加え、可塑剤、発泡剤等を含有させた加飾層形成用組成物を調製し、加飾層形成用組成物を、カレンダー法、キャスティング法等の公知の成形方法によりシート状に成形して加飾層を形成することができる。発泡はシート状に形成する前、及びシート状に成形した後のいずれに行なってもよい。
加飾層に用いうるアクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル酸又はメタクリル酸エステルの重合体或いは共重合体、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体等が挙げられ、成形性の観点からは、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体及びメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合体の混合物等が挙げられる。
加飾層に用いうるウレタン樹脂としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物が挙げられる。なかでも、自動車内装材等、長期耐久性が必要な場合には、ポリカーボネート系ポリウレタン等が好ましく挙げられる。
加飾層に用いうるオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
加飾層には合成樹脂を1種のみ含んでもよく、目的に応じて2種以上含んでいてもよい。
2種以上の合成樹脂を含む場合には、互いに相溶性の高い樹脂同士を組み合わせることが好ましい。
2種以上の合成樹脂を組み合わせて用いることで、所望の性能をより高めることができる。
例えば、ポリ塩化ビニル樹脂に対し、改質剤を添加することで、得られる加飾フィルムの低温での延伸性をより向上させることができ、メンブレン法に適用する際の適性をより向上させることができる。改質剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ウレタン樹脂等が挙げられる。
(1−2.着色剤)
加飾層に含まれる着色剤には特に制限はなく、例えば、染料、顔料、パール粒子、アルミ粉等の金属粉等が挙げられ、なかでも、耐久性、耐候性等の観点から、顔料が好適に使用される。
加飾層に用いうる顔料としては、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機顔料及び以下に例示する有機顔料が挙げられる。
顔料には特に制限はなく、所望の色相を達成するため、従来公知の種々の無機顔料、有機顔料等の1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
有機顔料、無機顔料、パール粒子等の粒子径としては、発色性及びハンドリング性の観点からは、平均一次粒子径が0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、3μm〜50μmの範囲である。
顔料の平均一次粒子径は、走査型顕微鏡(SEM)、又は透過型顕微鏡(TEM)で観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
本発明に用いうる有機顔料としては、例えば、以下のものが挙げられるがこれに制限されない。
C.I.ピグメント イエロー 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.ピグメント オレンジ 36,71,
C.I.ピグメント レッド 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.ピグメント バイオレット 19,23,32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.ピグメント ブラウン 25,28,
C.I.ピグメント グリーン 7,36,37,
C.I.ピグメントブラック 1,
着色剤として顔料を用いる場合には、加飾層において、顔料の分散媒となる加飾層に含まれる合成樹脂中における分散性をより良好にするため、用いる顔料及び分散媒である合成樹脂に適する分散剤を用いることが好ましい。例えば、顔料としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックとエステル系分散剤と合成樹脂とを予め混合した混合物を用いて加飾層14を形成することが顔料の均一分散性の観点から好ましい。
また、合成樹脂で表面を被覆した加工顔料などを用いることもできる。
顔料の使用態様の一例を挙げれば、加飾層の基材となる合成樹脂100質量部に対して、着色剤としての顔料を3質量部〜5質量部程度投入し、熱ミキシングロールで加熱混合することで合成樹脂中に着色剤が均一に分散され、合成樹脂が着色される。
加飾層には着色剤を1種のみ含んでもよく、調色等の目的で2種以上含んでいてもよい。着色剤としての着色剤の含有量には特に制限はなく、目的とする加飾フィルムの目的とする色相に応じて適宜選択される。一般的には、加飾層を構成する全固形分中に3質量%〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。なお、ここで固形分とは、加飾層を構成する全成分中、溶剤を除いた成分を指す。
また、合成樹脂と着色剤とを含有する組成物により任意の色相を有する着色層を形成した後、さらに、前記着色層の表面に印刷法などにより意匠を施し、これを加飾層として用いてもよい。
加飾層には、合成樹脂及び着色剤に加えて、目的に応じて種々の化合物を含んでいてもよい。併用可能な化合物としては、例えば、可塑剤、滑剤、加工助剤、難燃剤、耐光安定剤、熱安定剤等が挙げられる。
加飾層の厚みには特に制限はない。成形体への貼り付け容易性の観点からは、加飾層の厚みは50μm〜400μmの範囲であることが好ましく、180μm〜220μmの範囲であることがより好ましい。
加飾層の形成方法には特に制限はなく、公知のシート成形法を適用すればよく、カレンダー法、溶融押出し法、溶液法等のいずれを用いてもよい。なかでも、製造の簡易性、装置のメンテナンス性の観点からは、カレンダー法が好ましい。
加飾層をカレンダー法により形成することで、種々の着色剤を含有する加飾層を簡易に製造することができ、また、着色剤の種類や添加量を変更する際に必要な装置内の清掃が容易に行われるため、所望の色相と、所望の絞模様と、を有する様々な変型例を簡易に製造しうる。
このため、色相と絞模様のバリエーションが豊富で、耐久性に優れる加飾フィルムの小ロット生産に適する。
加飾層をカレンダー法で形成する場合、例えば、日本ロール社製の圧延ロール等の装置を用いて200℃〜210℃の条件で形成すればよい。
また、既述のように、カレンダー法などにより形成された着色層の表面に公知の印刷方法を用いてインク組成物を付与し、さらに任意の意匠を施して、これを加飾層としてもよい。
(2.表皮層)
本開示の加飾フィルム10が有する表皮層12は、合成樹脂を含み、表面に凹凸が形成された表皮層である。
(2−1)合成樹脂
表皮層に用いることができる合成樹脂には特に制限はない。隣接する加飾層における色相、印刷などの意匠を視認することができ、加飾フィルムに必要な強度と耐久性を有する膜形成性の合成樹脂から、目的に応じて1種又は2種以上を選択して用いることができる。
なかでも、透明性の観点から、フッ素樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、オレフィン樹脂、シリコーン樹脂、及びポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
以下、表皮層に用い得る好ましい合成樹脂について説明する。
(2−1−1.フッ素樹脂)
表皮層に用い得る合成樹脂として、耐熱性、透明性の観点から、フッ素樹脂を挙げることができる。本明細書におけるフッ素樹脂とは、分子内に1以上のフッ素原子を含有する樹脂であり、例えば、フッ素原子を含むオレフィンを重合して得られる樹脂等が挙げられる。
フッ素樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂等が挙げられる。
(2−1−2.アクリル樹脂)
表皮層に用い得る合成樹脂として、アクリル樹脂を挙げることができる。アクリル樹脂としては、既述の加飾層において記載した、加飾層に用いることができるアクリル樹脂と同様のものを用いることができる。
(2−1−3.塩化ビニル樹脂)
表皮層に用い得る合成樹脂として、塩化ビニル樹脂を挙げることができる。塩化ビニル樹脂としては、従来、塩化ビニル合成皮革に使用されている樹脂であれば特に制限なく使用できる。
具体的には、平均重合度800〜2000、好ましくは800〜1500程度のポリ塩化ビニルが挙げられ、さらに、塩化ビニルを主体とした、塩化ビニルと、エチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等との共重合樹脂も、表皮層に用い得る樹脂として挙げられる。
(2−2.表皮層の形成方法)
表皮層の形成方法には特に制限はなく、公知の層形成方法、例えば、塗布法、転写法等を適用して形成すればよい。
また、表皮層の形成には、市販のフィルムを用いることができる。表皮層の形成に使用しうるフィルムとしては、例えば、フッ素樹脂を含有する合成樹脂フィルムである(株)クレハ製、FT50Y(商品名)、アクリル樹脂を含有する合成樹脂フィルムである三菱レイヨン(株)製、アクリプレン HBS006等を挙げることができる。
表皮層の表面、即ち、加飾層と接する側とは反対側の表面には凹凸を形成することができる。凹凸を形成する方法もまた、公知の方法を適宜使用することができる。
例えば、絞ロールに予め天然皮革様の凹凸を形成し、凹凸が形成された絞ロールを用いて表皮層をラミネートエンボスすることにより、貼り合わせと同時に絞押しが行われ、最表面に天然皮革様の凹凸が転写される。
表皮層の形成方法、及び表皮層表面の凹凸の形成方法に拘らず、ラミネートエンボスにおける加熱温度は、100℃〜190℃が好適である。
本開示の加飾フィルムは最表面に、合成樹脂を含み、透明性、耐久性に優れ、合成樹脂の種類を選択することで、種々の表面特性を有する表皮層を有しており、且つ、下層である加飾層の着色及び意匠性の自由度が高いことから、成形体の加飾用として、加熱密着加工を必要とする使用態様においても、加飾フィルムとして好適に使用される。
本開示の加飾フィルムは、柔軟で形状追従性が良好であることから、加熱密着加工の一態様であるメンブレン法にも好適に適用することができ、簡易な方法により、外観に優れる加飾成形体を形成するために有用である。
本開示の加飾フィルムにおける表皮層の厚みは、10μm〜400μmの範囲とすることができ、10μm〜100μmの範囲であることが好ましく、20μm〜80μmの範囲がより好ましい。
表皮層は、加飾層の色相、及び意匠を外観に反映させるため、透明であることが好ましい。ここで、透明とは可視域の波長の光の透過性が80%以上であることを指し、90%以上であることが好ましい。
(3.接着層)
本開示の加飾フィルムは、成形体に加飾フィルムを接着する目的で、加飾層の表皮層を有する側とは反対側の面に接着層を備える。
接着層の形成に使用される接着剤、粘着剤には特に制限はなく、加飾フィルムを貼着する成形体の種類により適宜選択される。
接着層の形成に用いうる接着剤、粘着剤としては、例えば(1)2液硬化型ポリエステル系接着剤、(2)2液硬化型ウレタン接着剤、(3)2液硬化型アクリル接着剤等が好適に使用される。
なお、接着層の形成に使用される接着剤は市販品としても入手可能であり、例えば、綜研化学(株)製、粘着剤 SKダイン1310等が好適である。
接着剤や粘着剤により形成される接着層の厚さは、乾燥膜厚で20μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
加飾層、又は以下に詳述する所望により設けられる樹脂層上に接着剤を形成する方法としては、転写法、塗布法等公知の方法を何れも使用できる。均一な厚みの接着層を簡易に形成しうるという観点からは、転写法を用いることが好ましく、後述の接着層保護シートの凹凸を、接着層に効率的に転写しうるという観点からは、塗布法が好ましい。
本開示の加飾フィルムにおいては、接着層の、接着層保護シートに接する側に有する凹凸が効果の観点から好ましいため、接着層は、加飾層又は樹脂層上に、接着剤又は粘着剤を含む接着層形成用組成物を付与して接着層形成用組成物層を設け、その後、乾燥させ、接着層形成用組成物層を硬化させて形成することが好ましい。
接着層を形成する際には、接着層形成用組成物に含まれる溶媒を除去したり、接着剤の硬化反応を促進させたりするため、30℃以上150℃未満の温度範囲で加熱、乾燥することが好ましい。加熱温度は、40℃以上120℃以下の範囲が好ましく、40℃以上60℃以下の範囲であることがより好ましい。加熱、乾燥は、非接触で行なわれることが好ましく、例えば、温風による乾燥、所定の温度に設定した加熱ゾーン内を搬送することによる乾燥等が挙げられる。
(樹脂層:プライマー層)
本開示の加飾フィルムは、加飾層の表皮層と接する面とは反対側の面(加飾層の裏面とも称する)に設けられる接着層と加飾層との密着性向上を目的として、接着層と加飾層との間に、さらにプライマー層としての樹脂層を有することができる。
樹脂層は塗布法により形成することができる。即ち、樹脂層形成用の樹脂を適切な溶媒で溶解し、加飾層の裏面に塗布し、乾燥して形成することができる。
プライマー層としての樹脂層は加飾層に含まれる合成樹脂、及び、接着層に含まれる接着剤又は粘着剤としての樹脂との親和性の観点から、ポリエステル樹脂等を含んで形成されることが好ましい。
樹脂層の塗布量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。一般的には、接着性向上効果の観点から、1g/m〜5g/mの範囲であることが好ましく、2g/m〜3g/mの範囲であることがさらに好ましい。
(4.接着層保護シート:セパレーター)
本開示の加飾フィルムは、接着層の表面保護及び接着層の成形体との接触面に凹凸を簡易に形成するため、接着層と接触する側の表面に凹凸を有する接着層保護シート(セパレーター)を有する。
セパレーターとしては、合成樹脂フィルム(合成樹脂基材)、及び離型処理された合成樹脂フィルムを用いることができる。
セパレーターに用いられる合成樹脂基材には、セパレーターとして、表面に接着層を形成し、保持し得る強度を有する限り、特に制限はない。
セパレーターにおける合成樹脂基材に用いうる合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂等が挙げられ、なかでも、寸法安定性の観点から、ポリプロピレンが好ましい。ポリプロピレンを用いた合成樹脂基材は、一軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン等が挙げられる。
セパレーターの厚みは、凹凸の形成容易性の観点からは、20μm〜150μmであることが好ましく、30μm〜100μmであることがより好ましい。
セパレーター表面の凹凸は、セパレーターを構成する合成樹脂基材をエンボス加工することにより設けることができる。
セパレーター表面の凹凸の凹凸に接して、接着層を設けることで、接着層のセパレーター表面と接する側の表面に、前記接着層保護シート表面の凹凸により形成された凹凸が形成される。
成形体に加飾フィルムを密着させる際の気体除去性の観点からは、接着層の接着層保護シート表面と接する側の表面に、接着層保護シート表面の凹凸により形成された凹凸を有し、前記接着層表面の凹凸を、前記接着層表面の全面に亘り有することが好ましく、なかでも、凹凸の凹部が、接着層保護シートの端部に至るまでは連続的に形成されていることがより好ましい。
セパレーターは、接着層との安定な密着性と容易剥離性とを有する合成樹脂基材であれば、合成樹脂基材のみで構成されていてもよく、合成樹脂基材の接着層と接着する側の表面は離型処理されていてもよい。離型処理を行う場合、合成樹脂基材に凹凸を形成する前に行うことが好ましい。
離型処理としては、フッ素含有樹脂、シリコーン樹脂等を塗布する方法など、公知の離型処理方法を適用することができる。
本開示の加飾フィルムは、上記構成とすることで、複雑な形状の成形体に対しても、密着性が良好で、優れた外観を付与しうるため、メンブレン法に好適に適用しうる。
(加飾フィルムの製造方法)
本開示の加飾フィルムの製造方法には特に制限はなく、公知の積層体の形成方法を適宜適用することができる。
以下に、好ましい製造方法の一例を挙げるが、加飾フィルムの製造方法は以下の記載に限定されない。
まず、着色剤と合成樹脂とを含有する着色樹脂組成物を用いて着色剤と合成樹脂とを含有する加飾層を形成する工程を行う。
その後、得られた加飾層の一方の表面に、フッ素樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有する表皮層形成用材料を積層し、絞ロールを用いてラミネートエンボスして、前記加飾層と前記表皮層形成用材料とを接着させ、かつ、前記表皮層表面に凹凸を形成して表皮層を得る工程を行う。
次に、前記加飾層の前記表皮層を形成した側と反対側の表面に接着層形成用組成物を付与して、接着層形成用組成物層を形成し、前記接着層形成用組成物層表面に、前記接着層形成用組成物層と接する側に凹凸を有する接着層保護シートを積層し、前記接着層形成用組成物層と前記接着層保護シートとの積層体を40℃〜60℃に加熱して、接着層を形成する工程を行う。
上記の各工程を行うことで、本開示の加飾フィルムを得ることができる。
<加飾成形体の製造方法>
本開示の加飾成形体の製造方法は、既述の本開示の合成樹脂加飾フィルムを加熱する工程と、加熱した前記合成樹脂加飾フィルムから接着層保護シートを剥離する工程と、接着層保護シートが剥離された前記合成樹脂加飾フィルムを、成形体上に搬送する工程と、接着層保護シートが剥離された前記合成樹脂加飾フィルムの表皮層側にメンブレンシートを配置し、メンブレンシートを気体により加圧して、前記合成樹脂加飾フィルムの接着層を成形体に接触させて加圧密着させる工程と、を有する。
以下、図面を参照して加飾成形体の製造方法を説明する。
図2は、加飾フィルム10を、成形体26上に搬送した状態の一実施形態を示す概略図である。
より具体的には、図2に示すように、加熱手段としてのヒーター22と気体供給手段(図示せず)とを備えるメンブレンプレス装置20の所定位置に、成形体としての自動車26を配置し、自動車26の天面近傍に、加飾フィルム10を巻き出し搬送し、接着層保護シートを予め剥離した状態の加飾フィルム10Aとして、加飾フィルム10Aの接着層を有する側を成形体に対向させて、配置した態様を示す概略図である。
図2において、成形体26の天面近傍に配置された加飾フィルム10は、加熱手段としてのヒーター22により加熱される。
図3は、加飾フィルム10を、メンブレンシート24を介して、成形体26上に気体の圧力で密着させた状態の一実施形態を示す概略図である。
図3に示すように、ヒーター22により加熱され、軟化した、接着層保護シートを剥離された加飾フィルム10Aは、メンブレンプレス装置20から供給された気体により、可撓性のメンブレンシート24を介して、成形体26の天面に加圧密着される。気体による加圧時に巻き込まれた空気は、加飾フィルム10Aにおける接着層の凸部から、加飾フィルム10の端部に押し出され、除去される。
このようにして、加飾フィルム10Aは、成形体26に加圧密着される。
メンブレンシート24が柔軟であり、加圧が気体により行われることから、複雑な表面形状を有する成形体26に対し、加飾フィルム10Aを簡易に、歪み、気泡の混入なく接着させることができる。
なお、接着後、加飾フィルム10Aの余分な箇所を切断除去してもよい。
本開示の加飾成形体の製造方法によれば、意匠性に優れた本開示の加飾フィルムを用いることで、簡易に、かつ、効率よく、種々の意匠を有する加飾成形体を製造することができる。
また、得られた加飾成形体は、合成樹脂加飾フィルムが密着性良好な状態で貼付され、外観に優れた成形体となる。
本開示の加飾フィルムは、外観、耐久性に優れ、メンブレン法に適用しうるという利点を有する。また、既述のように、表面の耐久性、及び透明性に優れることから、自動車用内装外装材、鉄道車輌外装材、航空機外装材、建装用内外装部材、等種々の分野において、種々の成形体の加飾用途に好適に使用しうる。
また、本開示の加飾成形体の製造方法によれば、既述の本開示の加飾フィルムをも通ることで、簡易に、かつ、効率よくさまざまな意匠により加飾された、外観に優れる加飾成形体を簡易に製造することができ、その応用範囲は広い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
〔実施例1〕
まず、ポリ塩化ビニル樹脂〔S1001N(商品名)(株)カネカ〕100kgに、顔料(カーボンブラック)2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが150μmになるようにシート状に成形して加飾層14を得た。
その後、フッ素樹脂含有層とアクリル樹脂含有層との積層体〔KFCフィルム FT−50Y(商品名)、(株)クレハ:厚み約50μm〕を用いて、アクリル樹脂層側を前記で得た加飾層14に接触させて、絞ロールを用いてのラミネートエンボス加工(シート表面温度170℃、速度10m/分)を行い、フッ素樹脂含有層の表面に絞模様を形成し、加飾層14と絞模様が形成された表皮層12との積層体を形成した。
その後、加飾層14の裏面に接着剤〔SKダイン(商品名)、綜研化学(株)〕を乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布して表面にセパレーター18を密着させ、50℃で、1分間加熱、乾燥させて接着層16を形成し、加飾層14の表面に表皮層12を、加飾層14裏面に接着層16とセパレーター18とを備える実施例1の合成樹脂加飾フィルム10を製造した。
セパレーター18として、厚さ25μmの、接着層16側にエンボス加工による凹凸を有するシリコーン剥離フィルム〔CA1 軽剥離タイプ(商品名)、(株)フジコー製〕を使用した。
(加飾成形体の製造)
得られた実施例1の加飾フィルム10からセパレーター18を剥離した加飾フィルム10Aを、図2に示すように、メンブレンプレス装置20の所定位置に配置された成形体26の天面近傍に配置した。加飾フィルム10Aを120℃の温度条件で予備加熱し、メンブレンプレス装置20から気体を供給し、図3に示すように、可撓性のメンブレンシート24を介して、気体の圧力により加飾フィルム10Aを成形体26に加圧密着させた。
その後、余分な加飾フィルム10Aを切断除去し、加飾フィルム10Aが外面に接着固定された加飾成形体を得た。
(評価)
得られた加飾成形体の外観を観察したところ、加飾フィルム10Aが成形体26の表面に一体的に密着してなる、加飾フィルム10Aの意匠が表面に付与され、シワ、たるみ、気泡などが存在しない外観に優れた加飾成形体であることが確認された。
〔比較例1〕
セパレーターとして、シリコーン剥離フィルム〔CA1 軽剥離タイプ(商品名)、(株)フジコー製〕に代えて、厚さ25μmの、表面に凹凸がないシリコーン剥離フィルム〔CA1 軽剥離タイプ(商品名)、(株)フジコー製〕を使用した以外は、実施例1と同じ加飾フィルムを作製した。比較例1の加飾フィルムからセパレーターを剥離した際、形成された接着層における成形体と密着する側の表面は平滑であり、凹凸を有しない態様であった。
(加飾成形体の製造)
実施例1と同じ条件で、可撓性のメンブレンシート24を介して、気体の圧力により加飾フィルム10Aを成形体26に加圧密着させた。
(評価)
メンブレン成形時において、空気の流動性は実施例1の加飾フィルムを用いた方が良好であり、比較例1の加飾フィルムでは空気の流動性が悪く、成形体と加飾フィルムとの間に空気だまりが発生したため、加飾成形体の外観に劣っていた。
10 合成樹脂加飾フィルム(加飾フィルム)
10A 接着剤保護シートを剥離した加飾フィルム
12 表皮層
14 加飾層
16 接着層
18 接着層保護シート(セパレーター)
20 メンブレンプレス装置
22 ヒーター
24 メンブレンシート
26 成形体

Claims (5)

  1. 表面に凹凸を有する接着層保護シートと、前記接着層保護シートの凹凸を有する面上に備えられた接着層と、着色剤と合成樹脂とを含有する加飾層と、合成樹脂を含有し、前記加飾層側とは反対側の表面に凹凸が形成された表皮層と、を備える合成樹脂加飾フィルム。
  2. 前記加飾層が、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂を含む請求項1に記載の合成樹脂加飾フィルム。
  3. 前記接着層の前記接着層保護シート表面と接する側の表面に、前記接着層保護シート表面の凹凸により形成された凹凸を有し、前記接着層表面の凹凸を、前記接着層表面の全面に亘り有する請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂加飾フィルム。
  4. メンブレン法に適用される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の合成樹脂加飾フィルム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の合成樹脂加飾フィルムを加熱する工程と、
    加熱した前記合成樹脂加飾フィルムから接着層保護シートを剥離する工程と、
    接着層保護シートが剥離された前記合成樹脂加飾フィルムを、前記合成樹脂加飾フィルムの接着層を有する側を成形体に対向させて、成形体上に搬送する工程と、
    接着層保護シートが剥離された前記合成樹脂加飾フィルムの表皮層側にメンブレンシートを配置し、メンブレンシートを気体により加圧して、前記合成樹脂加飾フィルムの接着層を成形体に接触させて加圧密着させる工程と、
    を有する加飾成形体の製造方法。
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