JP5381090B2 - 熱成形用積層シート及び加飾成形体 - Google Patents

熱成形用積層シート及び加飾成形体 Download PDF

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本発明は、熱成形により三次元形状に成形すると同時に被着体に貼り付けて一体化する熱成形用積層シート、及び、該熱成形用積層シートを真空成形法により被着体に貼り付けて一体化してなる加飾成形体に関する。
射出成形体等の樹脂成形体の加飾方法としては、樹脂中に顔料等の着色剤を練り込み、樹脂自体を着色して射出成形する方法、あるいは、射出成形後の成形体の表面層にクリアー塗料あるいは着色塗料をスプレー塗装する方法等がある。これらの方法では単一色の意匠性を有する樹脂成形体が得られるが、樹脂自体を着色する方法では見た目の深み感が得られず高級感のある意匠を得ることが困難である。着色された射出成形体の表面層にクリアー塗装する方法により意匠性を改善することは可能であるが、深み感を増すための厚塗においてはしばしばゆず肌模様が発生し、黒色の深み感を低下させるという問題がある。また、塗装法は、近年の化学物質の排出に対する作業環境保護並びに外部環境保護の観点より敬遠される傾向にあり、塗装法に代わる手法が求められている。
一方、加飾を付与する目的で、熱により所望の形状に成形可能な加飾シートを、予め射出成形の凹型と同じ形状に熱成形しておき、該熱成形後の加飾シートを射出成形金型の凹型に接するように配置し、該熱成形後の加飾シート裏面側に射出樹脂を充填させる、インサート成形法が知られている。この方法であれば、無溶剤で、射出成形体等の樹脂成形体に印刷調意匠の装飾を行うことが可能である。
熱成形用加飾シートを使用して、単一色の意匠性を有する樹脂成形体を得る方法としては、例えば、アクリルフィルムを積層接着したアクリルフィルム積層射出成形品が知られている(例えば特許文献1参照)。また特許文献1の段落0014には、成形品に意匠性を付与するために、必要に応じて適当な印刷法により印刷をしたものが用いられることや、基材となるプラスティックの色調を生かし、透明な塗装の代替として用いる場合は、透明なまま使用することができること、透明性や高級感の点でアクリルフィルムは塩化ビニルやポリエステルフィルムに比べ、透明性、深み感や高級感の点で優れていることが記載されている。
該手法は深み感のある意匠性を有する樹脂成形体が得られるが、印刷法により印刷を施したものは実質グラビア印刷による加飾付与であるため、単一色では色むらが発生しやすく、また印刷面に成形樹脂を充填するため印刷インキ層が射出樹脂圧力で変形する等の課題があった。
また、アクリル樹脂シートとABS樹脂シートを積層し、ABS樹脂シートと成形樹脂を一体化させる方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。該方法はインサート成形時の射出樹脂圧力による印刷インキ層の変形は抑制できるものの、単一色のグラビア印刷由来の課題は解決されていない。
また、インサート成形法は、熱成形用加飾シートを真空成形法等により予備成形するための熱成形用金型と、インサート成形するための射出成形用金型の2種類の金型を準備する必要があり、高コストになるという問題もある。
また、アクリル樹脂やポリスチレン樹脂を主成分とする基材シートの表面に、架橋硬化型のアクリル樹脂からなる表面保護層が形成されてなるシートの反対面に接着剤層を設けて、熱成形により三次元形状に成形すると同時に樹脂成形体に貼り付けて一体化する方法の提案されている(例えば特許文献3参照)。これにより成形体に優れた塗装感や表面物性を付与することができるが、基材となるプラスティックの色調を生かすために透明なアクリルフィルムを使用した場合、基材が透明なために、接着剤塗工時のスジ模様や、接着剤と被着体が接触した際に発生する接着痕が目立つことがあった。
特開平08−267500号公報 特開2003−285399号公報 特開2000−153587号公報
本発明が解決しようとする課題は、金型を使用せず、単一色の意匠性を有する成形体に、均一な色調の色味感、深み感あるいはパール感を付与できる熱成形用積層シートを提供することにある。
本発明者らは、特定の膜厚を有するアクリル樹脂層Aと、特定のアスペクト比を有する鱗片状微粒子を含む接着層Bとが積層されてなる熱成形用積層シートを使用することで、単一色の意匠性を有する成形体に、均一な色調の色味感、深み感あるいはパール感を付与できることを見出した。
即ち本発明は、熱成形により三次元形状に成形すると同時に被着体に貼り付けて一体化する熱成形用積層シートであって、膜厚が30〜500μmの範囲であるアクリル樹脂層Aと、アスペクト比が5以上である鱗片状微粒子を含む接着層Bとが積層されてなる熱成形用積層シートを提供する。
また本発明は、前記記載の熱成形用積層シートを真空成形法により半透明または不透明の被着体に貼り付けて一体化してなる加飾成形体を提供する。
本発明の熱成形用積層シートは、特定のアスペクト比を有する鱗片状微粒子を含む接着層を有しているので、被着体への接着痕を効果的に隠蔽することができ、均一な色調の色味感を与えることができる。また、アクリル樹脂層と接着層とを有するため、深み感のある加飾成形体を得ることができる。また使用する鱗片状微粒子の種類を適宜選択することで、パール感を付与することも可能である。
本発明の熱成形用積層シートは接着層を有するので、熱成形により三次元形状に成形すると同時に被着体に貼り付けて一体化することが可能である。被着体として単一色の意匠性を有する成形体を使用すれば、金型を使用せずに均一な色調の色味感、深み感あるいはパール感を付与することが可能である。
(熱成形用積層シート)
本発明で使用する熱成形用積層シートは、膜厚が30〜500μmの範囲であるアクリル樹脂層Aと、アスペクト比が5以上である鱗片状微粒子を含む接着層Bとが積層されてなる。
(アクリル樹脂層A)
本発明で使用するアクリル樹脂層Aは膜厚が30〜500μmの範囲である。膜厚が30μm未満では色調の深み感が不十分となり好ましくない。また後述の接着層Bはアクリル樹脂層Aに直接塗工する方法と、フィルム状の別基材上に接着層Bを設けた後アクリル樹脂層Aに転写する方法とがあるが、いずれの方法においても膜厚が薄すぎると基材としての剛性が不足するので上手く塗工または転写できない。
一方膜厚が500μmを超えると本発明の特徴である接着層B中に含まれる鱗片状微粒子の効果が薄れてしまう。
アクリル樹脂層Aに使用する樹脂は、公知の(メタ)アクリレートモノマーのホモポリマーあるいはコポリマーを主体成分とする。モノマーの種類に特に限定はないが、メチル(メタ)アクリレートのホモポリマーが透明性に優れ好ましい。また(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なスチレンモノマーやビニルトルエン等のビニルモノマーを共重合させたものも含めるものとする。使用可能な(メタ)アクリレートモノマーの例としては、例えばブチル(メタ)アクリレート、2−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、及びエトキシ−n−プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等があげられる。これらの(メタ)アクリレートモノマーやビニルモノマーは、公知の乳化重合法や溶液重合法等によってアクリル樹脂とすることができる。
具体的には、真空成形等の加熱による成形を行なうため、軟化点が50〜300℃の範囲にあるアクリル樹脂とすることが好ましく、ポリメチルメタクリレート(以下PMMA樹脂と略す)を主体成分とすることが特に好ましい。また本発明の効果を阻害しない範囲で、ゴム、フィラーなどの補強剤を配合することもできる。
また前記アクリル樹脂層Aは、本発明の効果をより得るために透明性を有することが好ましい。本発明において透明性とは、後述の半透明または不透明の樹脂成形品の色調が透けてみえるぐらいの透明度を有していればよく、半透明のものも含む。具体的には、ヘーズ(曇価)が15%以下であることが好ましい。ヘーズ(曇価)は、JIS K−7105により測定する。また、後述の着色剤を含有する成形品と同じ色調であれば、顔料もしくは染料等の着色剤を含有しても良い。
また、前記アクリル樹脂には、透明性と成形性が阻害されない範囲で慣用の添加剤を添加してもよく、例えば、可塑剤、耐候性添加剤(紫外線吸収剤、光安定剤等)、酸化防止剤、オゾン化防止剤、活性剤、帯電防止剤、滑剤、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、防カビ剤、抗菌剤、分散剤、難燃剤及び加流促進剤や加流促進助剤等の添加剤を添加してもよい。これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
また、アクリル樹脂層Aの接着層Bと接する面には、本発明の効果を阻害しない範囲で、インクジェット印刷やグラビア印刷等の印刷層を配しても良い。被着体として単一色の意匠性を有する成形体を使用する場合は、被着体の色を生かす目的で、不透明ベタ層を有さない絵柄印刷層を使用すれば、絵柄付きの被着体の色に絵柄が透けて見えるような意匠性を有する加飾成形体が得られ好ましい。絵柄としては、ヘアライン、ドット、カーボンクロス等の幾何学模様を表現するもの、写真や図画を模したもの等、特に限定はなく所望の印刷層を配してよい。
(鱗片状微粒子を含有する接着層B)
(鱗片状微粒子)
本発明で使用する鱗片状微粒子は、アスペクト比が5以上であり、平板状であることが好ましく、アスペクト比10以上がより好ましい。ここで、アスペクト比とは、微粒子の長径長さと短径長さの比率のことであり、本発明の場合は、(長径/短径)の平均値をさす。
アスペクト比が5未満であると微粒子の並びが不均一となり、アクリル樹脂層Aを透過した光が微粒子で反射する際に光散乱が生じ、本発明の特徴の1つである深み感が不十分となる。
本発明で使用する鱗片状微粒子には接着層Bの外観不良を隠蔽する効果がある。具体的には、接着剤を塗工する際に発生するスジ状模様や版目模様、および、本発明の熱成形用積層シートを熱成形と同時に被着体に貼り付ける際に、接着層Bと被着体表面との接触により発生する接着痕等を効果的に隠蔽することができる。
使用する鱗片状微粒子はアスペクト比が5以上であれば特に限定されないが、本発明で用いるアクリル樹脂の屈折率よりも高いことが好ましく、具体的には、屈折率が1.5以上であることが好ましく、1.7以上がより好ましい。微粒子の屈折率が低すぎる場合はシート表面からの透過光が微粒子で散乱しやすく、本発明の特徴である色味感および深み感が不十分となる傾向にある。このような屈折率が1.5以上の鱗片状微粒子としては、例えば、シリカ、マイカ、タルク、ガラスフレーク、および、アルミフレーク等の金属粒子等が挙げられる。
また、本発明で使用する鱗片状微粒子の平均粒子径としては、1〜100μmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が前記範囲より小さいと、接着層Bの外観不良を隠蔽する効果が不十分となり、前期範囲を超えると、本発明の熱成形用積層シートと被着体との接着性が不良となる場合があり好ましくない。
前記鱗片状微粒子の含有量としては、接着層固形分に対して0.01〜0.5質量%の範囲内が好ましく、0.05〜0.3質量%の範囲内がより好ましい。鱗片状微粒子の含有量が少なすぎる場合、色調の深み感が不十分となると共に、粘着剤痕が発生し易くなる傾向にある。また含有量が多すぎる場合、熱成形用積層シートと被着体との密着性が不十分となるため好ましくない。
(接着層B)
本発明で使用する接着層Bは、前記アクリル樹脂層Aと被着体とを接着させる目的の層である。従って、接着層を構成するものは接着剤でも粘着剤でも構わなく、アクリル樹脂層Aと被着体とに接着する材質のものを適宜選択することが可能である。
また、本発明の効果をより得るために透明性を有することが好ましい。具体的には、ヘーズ(曇価)が15%以下であることが好ましい。ヘーズ(曇価)は、JIS K−7105により測定する。また、後述の着色剤を含有する成形品と同じ色調であれば、顔料もしくは染料等の着色剤を含有しても良い。
例えば接着剤としては、本発明の透明性やヘーズを損なわないものであれば、如何なる種類のものでも使用できる。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、天然ゴム、SBR、NBR、シリコーンゴム等の合成ゴムなどがあげられ、溶剤型又は無溶剤型のものが使用出来る。
また、粘着剤としては、熱成形する温度でタック性を有するものであれば良く、例えば、アクリル樹脂、イソブチレンゴム樹脂、スチレン−ブタジエンゴム樹脂、イソプレンゴム樹脂、天然ゴム樹脂、シリコーン樹脂などの溶剤型粘着剤や、アクリルエマルジョン樹脂、スチレンブタジエンラテックス樹脂、天然ゴムラテックス樹脂、スチレン−イソプレン共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテルなどの無溶剤型粘着剤などがあげられる。
特に好ましいものとしては、接着剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂(例えば、DIC(株)社製:タイホース、クリスポン、日本ポリウレタン社製:ニッポラン)があげられる。また粘着剤としては、透明性や耐候性の点から溶剤型アクリル樹脂の粘着剤(例えば、DIC(株)社製:クイックマスター、ファインタック、綜研化学社製:SKダイン)があげられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。
前記接着剤や前記粘着剤として好ましい樹脂であるアクリル樹脂は、前記アクリル樹脂層Aに使用するアクリル樹脂と変わりないが、接着性や粘着性を付与するために、モノマーとしてヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、メチロール基、スルホン酸基、スルファミン酸基、及び(亜)リン酸エステル基からなる官能基群の1種以上を有する官能基含有モノマーが好適に用いられる。またこれらの官能基含有モノマーを含有したアクリル樹脂は、官能基と反応性のある硬化剤を用いて架橋反応させることで、耐熱性、粘着力などの耐久性向上を図ることも出来る。例えば、イソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤、エポキシ系硬化剤などがあげられる。硬化剤の配合量は特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましい。硬化剤が0.1質量部未満の場合、架橋点が不十分なため耐熱性が不足し、10質量部超では粘着剤と硬化剤配合物が増粘し易くなり塗工性低下やポットライフ短縮などを招く問題がある。粘着剤には各種染料、顔料、充填剤、添加剤を添加してもよい。
官能基含有モノマーの配合割合は、全モノマー量に対して0.1〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5.0重量部である。0.1重量部未満の場合、硬化剤との架橋点が不充分なため凝集力が低くなり耐熱性が不足し、10.0重量%超では粘着剤としたときに増粘やゲル化を招き易い問題がある。
ヒドロキシル基を有する官能基含有モノマーとしては、例えば、ビニルアルコール等があげられる。またカルボキシル基を有する官能基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、アクリルアミドN−グリコール酸等があげられる。またエポキシ基を有する官能基含有モノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル、及び(メタ)アクリル酸グリシジルエーテルが挙げられる。またアミド基を有する官能基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド等があげられる。またアミノ基を有するモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等があげられる。またメチロール基を有する官能基含有モノマーとしては、例えばN−メチロールアクリルアミド等があげられる。
また前記粘着剤においては、粘着強度を調整するために粘着付与剤(タッキファイヤー)を添加してもよい。粘着付与剤は特に限定されず、例えばロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、クマロンインデン樹脂、スチレン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、及びこれらの変性品、誘導体、水素添加品等があげられる。
粘着付与剤の配合量は特に限定されず、全樹脂固形分100質量部に対して100質量部以下、好ましくは50質量部以下とすることが好ましい。
接着層Bの膜厚としては、鱗片状微粒子を含有した状態で十分な接着力を発現するためには5μm以上であることが好ましい。また、鱗片状微粒子のアスペクト比にもよるが、粘着剤層の膜厚が50μmを越えると、鱗片状微粒子がアクリル樹脂層に対して水平に配向し難くなる傾向にある。
接着層Bの積層方法としては、特に制限はなく、直接形成する方法と転写して形成する方法がある。例えば、アクリル樹脂層片面に直接接着剤又は粘着剤を塗工乾燥して形成する方法と剥離シート(シリコン、ワックス、メラミン等の剥離性を有する樹脂をコーティング又はラミネート処理した上質紙、グラシン紙、パーチメント紙などの紙やポリエチレンテレフタレートフィルムなどのプラスチックフィルム及び剥離性を有するポリプロピレンフィルムなどプラスチックフィルム)上に接着剤又は粘着剤を塗工乾燥して、アクリル樹脂層の片面とドライラミネートを行い貼り合わせて接着剤又は粘着剤を転写し形成する方法がある。接着剤又は粘着剤の塗工方法には、特に制限はなく、スリットダイコーター、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーターなど公知の塗工手段を用いる事が出来る。
(表面保護層C)
また、半硬化された硬化性樹脂を主成分とする表面保護層を、本発明の熱成形用加飾シートを被着体と一体化した場合に最表層となる側に設けることもでき、好ましい。表面保護層Cは、前記アクリル樹脂層Aでは担保できない、耐摩擦性、耐摩傷性、耐候性、耐汚染性、耐水性、耐薬品性、耐熱性等の特性を付与することが可能である。
表面保護層Cに使用する硬化性樹脂としては、イソシアネート基やエポキシ基の反応を利用した熱硬化性樹脂、アクリレートモノマーやオリゴマー等のラジカル重合やカチオン重合反応を使用したUV、EB硬化性樹脂等を使用することができる。中でも、熱硬化性樹脂が、成形時の熱により容易に硬化でき好ましい。中でも、水酸基とイソシアネート基との反応を利用した熱硬化性樹脂は、硬化時の熱収縮が殆どなく、本発明のシートの層構成として特に優れている。特に、熱可塑性樹脂層としてアクリル樹脂を使用した場合には、密着性が良好となることから、水酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との組み合わせが特に好ましい。
また、前記表面保護層C中には本発明の効果を阻害しない範囲で、顔料や染料などの着色剤を混合しても良い。
前記表面保護層Cの膜厚および積層方法は特に限定されないが、前記アクリル樹脂層Aとして使用するシートに、表面保護層成分である熱硬化性樹脂溶液を塗工して積層することが一般的である。その場合、塗膜状態が良好となることから、膜厚1〜30μmの範囲内であることが望ましく、更に塗工時の乾燥性の観点からは1〜20μmの範囲内がより望ましい。
前記熱硬化性樹脂溶液の塗工方式は、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、コンマコーター等を用いることができる。
また、前記熱硬化性樹脂溶液を塗工する前記アクリル樹脂層Aとして使用するシート表面には、前記熱硬化性樹脂溶液との親和性を向上させる目的で、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、電子線照射処理、粗面化処理、オゾン処理等の表面処理を施し、ぬれ指数を35dyne/cm以上とすることが好ましい。更に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライプレーティング処理が施されても良い。
前記表面保護層Cの硬化反応率は、真空成形法等により三次元形状に熱成形する必要があることから過度の架橋は好ましくなく、具体的には、前記熱硬化性樹脂の硬化反応率が30〜90%となるような範囲内であることが好ましく、40〜85%となるような範囲がより好ましい。「硬化反応率が30〜90%」を、例えば、水酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との組み合わせによる熱硬化性樹脂を用いて説明すると、前記熱可塑性樹脂の単層または多層体表面に塗工乾燥した後、40〜80℃の温度範囲で1〜5日間のエージング処理を行うことで達成される。硬化反応率は、表面保護層用組成物を適当な透明樹脂フィルム、例えば、25μmPETフィルムの表面に塗布し、実際の乾燥・硬化条件と同様にして硬化させた試験用フィルムと完全硬化(110℃/2時間加熱処理)させた補正用フィルムの2種類を作製し、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いてATR法でイソシアネート官能基の硬化前後のIRスペクトルの吸光度ピーク高さを測定し、式(2)から求めた値である。
Figure 0005381090
硬化反応率が前記範囲よりも小さいと、前記シートをロール状に巻いた際にブロッキングが発生したり、真空成形時に熱成形用シートが熱収縮し易くなり、意匠性の深み感が不十分となる場合がある。また、前記範囲を超えると、熱成形時の型再現性が劣る傾向にある。
このような硬化反応率であっても、真空成形時において熱成形される際には通常100℃以上に加熱されることで、得られる最終製品、真空成形品においては硬化反応率が90%以上となる。なお通常の使用において、硬化性樹脂層の硬化反応率は90%以上であれば、実施に何ら影響しない
(熱成形用積層シート 膜厚)
本願の熱成形用積層シートの全体の膜厚は、前記表面保護層Cの有無に拘わらず、熱成形性及び得られる加飾成形体の深み感の観点から、0.1mm〜0.5mmの範囲であることが好ましい。また、前記表面保護層Cを有する場合は、該表面保護層Cが積層し易いことから、全体の膜厚が0.1mm〜0.3mmの範囲とすることが好ましい。
(成形方法)
本発明の熱成形用積層シートを三次元形状に成形する方法としては、例えば、真空成形法、圧空真空成形法等の既存の真空成形方法を利用することが出来る。通常の熱成形方法では、シートを軟化温度以上に加熱した後、金型を用いて三次元形状に成形するが、本発明の熱成形用積層シートは、シートを軟化温度以上に加熱した後、真空下で、金型を用いずに被着体を用いて成形すると同時に、直接被着体に貼り付ける(真空成型同時貼り付け法)。真空成型同時貼り付け法の具体例を図1〜3に示す。被着体を真空孔を有する保持台の上に置き(図1参照)、軟化温度以上に加熱したシートを被着体側から真空引きしてシートを被着体に添わせつつ直接成形を行う(図2参照)。シートと被着体とは接着層により接着し加飾成形体が得られる。本発明の課題である接着痕は、軟化温度以上に加熱されたシートが被着体と接触した際に、接着層が急激に冷却され、アクリル樹脂層の延伸に追随できなかった場合に発生する。特に、シート温度と被着体の温度差が大きい場合や、成形初期の段階でシートと被着体の間に空間が生じる凹形状部に発生し易いが、本発明の熱成形用積層シートではこのような接着痕を効果的に抑制することができる。
この後必要に応じ不要部分を必要に応じトリミング加工してもよい(図3参照)。トリミング加工方法についても特に限定はなく、はさみやカッター等でカットする方法、ダイカット法、レーザーカット法、ウォータージェット法、抜き刃プレス法により加工することができる。
(被着体)
本発明の熱成形用積層シートは、被着体の固有の表面意匠性に、色味感、深み感、および、バール感を付与できるのが特徴であり、被着体としては、特に限定されず、不透明または不透明で表面意匠性を有していればよい。具体的には、樹脂、金属、ガラス、木、紙などの各種形状物を用いることができ、前記形状物は、塗装、メッキ、スクラッチ等の常用加飾法により加飾されていてもよい。
被着体が透明または不透明である樹脂成形体であると、前記熱成形用加飾シートを通して透けて見え、色調に深みを付与することができる。透明または不透明の樹脂成形体は、通常、着色剤を配合した成形樹脂を成形して得られる。着色剤としては特に限定されず、目的とする意匠に合わせて、一般の熱可塑性樹脂の着色に使用される慣用の無機顔料、有機顔料および染料などが使用できる。例えば、酸化チタン、チタンイエロー、酸化鉄、複合酸化物系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、バナジウム酸ビスマス、カーボンブラック、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、ビチューム、グラファイト、鉄黒、チタンブラック、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク等の無機顔料;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、アンスラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、チオインジゴ系顔料及びジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料;金属錯体顔料などが挙げられる。また染料としては主として油溶性染料のグループから選ばれる1種または2種を使用することが好ましい。
また使用する樹脂も特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタクリレートなどのアクリル樹系脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンゴム−スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリルニトリル、ナイロンなどのポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどの塩素樹脂、ポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース樹脂等、ならびにオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を用いることができる。また、前記例示の樹脂を2種類以上を混合若しくは多層化して用いても良い。さらに、無機フィラー等の補強剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等の常用の添加剤を添加してもよく、これらの添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断わりのない限り「部」、「%」は質量基準である。
(実施例1)
(アクリル樹脂層A)
膜厚125μmのゴム変性PMMA樹脂シート「テクノロイS001」(住友化学工業株式会社製)を使用した。これをアクリル樹脂層A1とする。
(接着層B)
接着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤「クイックマスター SPS−2050LV」(DIC株式会社製、固形分45%(溶剤:酢酸エチル))100重量部に対して、酢酸エチル50重量部、ポリイソシアネート系硬化剤「バーノック NC−40」(DIC株式会社製)1重量部、高光沢マイカ「SA−310」(株式会社山口雲母工業所製、平均粒子径26μm、アスペクト比70)0.045重量部を混合した。これを接着層B1用溶液とする。
(シート積層方法)
片側表面にシリコン処理が施された剥離層を有するPETフィルム「SC−50」(ユニチカ株式会社製)の剥離層側表面に、乾燥膜厚が30μmになるようアプリケーターを用いて、前記接着層B1用溶液を塗工・乾燥し、接着層B1塗工フィルムを得た。次に、前記の接着層B1塗工フィルムと前記のアクリル樹脂層A1をラミネーターで貼り合わせ、熱成形用積層シート1を得た。
なお該シートを熱成形する際には、PETフィルムを剥離して熱成形を行う。
(被着体)
成形樹脂として、ABS樹脂「クララスチックGA−501」(商品名、日本エイアンドエル株式会社製):黒着色マスターバッチ「プラマスターB3(黒)B1−115−30」(商品名、DIC株式会社)=15:1でドライブレンドした黒色樹脂を使用し、射出成形機を用いて、図4及び図5に示す3次元立体形状の黒色樹脂成形品を得た(図5は、図4のA−A部分の断面図を示す)。これを被着体1とする。
被着体1サイズ:幅×長さ×高さ=116×227×43mm
(真空成形同時貼り付け方法)
布施真空株式会社製の両面真空成形機「FVF−0709」を用いて、加熱温度160℃で、前記の熱成形用積層シート1と被着体1を真空成形同時貼り付けし、加飾成形体1を得た。ただし、熱成形用積層シート1は、熱成形直前にPETフィルムを剥離して使用した。
(外観評価方法)
(意匠性評価)
実施例1で得られた加飾成形体1について、色味感、深み感、パール感の評価を目視で行った。被着体1の色調が黒色のため、色味感としては黒み感を評価した。深み感としては、被着体1の表面に存在するクリア層の透明感を評価した。パール感としては、一体成形品1を見る角度を変えたときの色調変化の度合いを評価した。
評価基準としては、
色味感(黒み感);◎:非常に強い、○:強い、△:黒色以外の色味がある、×:弱い(白っぽい)、
深み感(透明感);○:良好、△:やや弱い、×:弱い
パール感;○:良好、△:弱い、×:無し、
とした結果、色味感:○、深み感:○、パール感:×であった。
(接着痕評価)
実施例1で得られた加飾成形体1について、図4及び図5における黒線に示す、2カ所の接着痕発生部の接着痕発生を目視にて評価した。図4および図5に示すような三次元形状体の場合は、成形初期にシートと被着体の間に空間が生じる前記黒線部に接着痕が発生しやすいが、下記の基準で評価した結果、○であった。
○ :加飾成形体1を20cm離して、2ヶ所とも接着痕が視認できない
△○:加飾成形体1を20cm離して、片方の接着痕発生部のみに接着痕が確認できる
△ :加飾成形体1を50cm離して、2ヶ所とも接着痕が視認できない
×△:加飾成形体1を50cm離して、片方の接着痕発生部のみに接着痕が確認できる
× :加飾成形体1を50cm離して、2ヶ所とも接着痕が確認できる
(二次密着性評価)
実施例1で得られた加飾成形体1について、JIS K 5600−5−6「塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法)」記載の碁盤目テープ剥離法による二次密着性評価を行った結果、フィルム剥がれはなかった。前期評価により、フィルム剥がれが無かったものを○、フィルム剥がれがあったものを×とする。
(実施例2)
(表面保護層C)
アクリルポリオール樹脂「6KW−032E」(大成ファインケミカル株式会社製、固形分38%(溶剤:酢酸エチル)、水酸基価30KOHmg/g)46部と4−メチル−2ペンタノン46部との混合溶液に、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート「BURNOCK DN−981」(DIC株式会社製、固形分75%(溶剤:酢酸エチル)、官能基数3、NCO濃度14%)8部を混合(合計100部)し、保護層溶液を調整した。これを表面保護層C2用溶液とする。
(アクリル樹脂層A)
前記のアクリル樹脂層A1の片側表面に、マイクログラビアコーターを用いて、乾燥膜厚2μmとなるように、前記表面保護層C2用溶液を塗工・乾燥して、アクリル樹脂層A2を得た。
アクリル樹脂層Aとしてアクリル樹脂層A2を用い、表面保護層C2が粘着剤層の反対側になるよう貼り合わせた以外は実施例1と同様にして、熱成形用積層シート2、および、加飾成形体2を得た。
加飾成形体2について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:◎、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
(実施例3)
鱗片状微粒子として、微粒子マイカ「SJ−005」(株式会社山口雲母工業所製、平均粒子径5μm、アスペクト比20〜30)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート3、および、加飾成形体3を得た。
加飾成形体3について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:◎、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:△○、二次密着性評価:○であった。
(実施例4)
鱗片状微粒子として、シルバー系カラーマイカ「Iridion 153」(MERCK社製、平均粒子径50μm、アスペクト比30〜170)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート4、および、加飾成形体4を得た。
加飾成形体4について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
(実施例5)
鱗片状微粒子として、ゴールド系カラーマイカ「Iridion 335」(MERCK社製、平均粒子径50μm、アスペクト比15〜170)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート5、および、加飾成形体5を得た。
加飾成形体5について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
(実施例6)
鱗片状微粒子として、ブルー系カラーマイカ「Iridion 221」(MERCK社製、平均粒子径10μm、アスペクト比10〜40)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート6、および、加飾成形体6を得た。
加飾成形体6について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:△○、二次密着性評価:○であった。
(実施例7)
鱗片状微粒子として、グリーン系カラーマイカ「Xirallic T60−WNT」(MERCK社製、平均粒子径18μm、アスペクト比5〜40)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート7、および、加飾成形体7を得た。
加飾成形体7について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:△○、二次密着性評価:○であった。
(実施例8)
鱗片状微粒子の含有量を2倍にした以外は実施例7と同様にして、熱成形用積層シート8、および、加飾成形体8を得た。
加飾成形体8について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
(比較例1)
鱗片状微粒子を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較用熱成形用積層シートH1、および、比較用加飾成形体H1を得た。
比較用加飾成形体H1について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:×、深み感:△、パール感:×、接着痕評価:×、二次密着性評価:○であった。
(比較例2)
鱗片状微粒子を用いなかった以外は実施例2と同様にして、比較用熱成形用積層シートH2および、比較用加飾成形体H2を得た。
比較用加飾成形体H2について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:△、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:×、二次密着性評価:○であった。
(比較例3)
鱗片状微粒子の代わりに、不定形シリカ「サイリシア380」(平均粒子径9μm)を用いた以外は実施例2と同様にして、比較用熱成形用積層シートH3、および、比較用加飾成形体H3を得た。
比較用加飾成形体H3について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:△、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
(比較例4)
鱗片状微粒子の代わりに、墨インキベース「V−NT R805 スミYベース」(チバジャパン社製、カーボンブラック顔料濃度20%)を用いた以外は実施例2と同様にして、比較用熱成形用積層シートH4、および、比較用加飾成形体H4を得た。
比較用加飾成形体H4について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:△、深み感:△、パール感:×、接着痕評価:△、二次密着性評価:○であった。
(比較例5)
墨インキベースの含有量を2倍にした以外は比較例5と同様にして、比較用熱成形用積層シートH5、および、比較用加飾成形体H5を得た。
比較用加飾成形体H5について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:×、深み感:×、パール感:×、接着痕評価:△、二次密着性評価:○であった。
この結果、実施例1〜8で得た加飾成形体は、色味感もよく、接着痕も残らず、良好な外観を示した。これに対し鱗片状微粒子を用いなかった比較例1、2は、色味感がでず、接着痕も消すことができなかった。アスペクト比のない不定形シリカあるいはカーボンブラックを使用した比較例3,4はいずれも色味感があまりでなかった。
真空成型同時貼り付け法の具体例であり、被着体を真空孔を有する保持台の上に置いた図である。 真空成型同時貼り付け法の具体例であり、軟化温度以上に加熱したシートを被着体側から真空引きしてシートを被着体に添わせつつ直接成形を行う図である。 真空成型同時貼り付け法の具体例であり、不要部分を必要に応じトリミング加工する図である。 被着体1の接着痕発生部の観察部分である。 図4における被着体1を矢印で示される直線で切断したときの断面図である。
符号の説明
1 被着体
2 保持台
3 真空孔
4 熱成形用積層シート
5 接着痕発生部

Claims (7)

  1. 熱成形により三次元形状に成形すると同時に被着体に貼り付けて一体化する熱成形用積層シートであって、膜厚が30〜500μmの範囲であるアクリル樹脂層Aと、アスペクト比が5以上である鱗片状微粒子を含む接着層Bとが積層されてなることを特徴とする熱成形用積層シート。
  2. 前記接着層Bの膜厚が5〜50μmの範囲であり、且つ、前記鱗片状微粒子の平均粒子径が1〜100μmの範囲である請求項1記載の熱成形用積層シート。
  3. 前記鱗片状微粒子の屈折率が1.5以上である請求項1又は2に記載の熱成形用積層シート。
  4. 前記アクリル樹脂層Aの前記接着層Bが積層した面とは反対側の面に、膜厚が1〜30μmの範囲であるアクリルウレタン樹脂を主成分とする表面保護層Cを有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形用積層シート。
  5. 前記鱗片状微粒子の含有量が接着層B固形分に対して0.01〜0.5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の熱成型用積層シート。
  6. 熱成型用積層シートの全体の膜厚が0.1mm〜0.5mmの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の熱成型用積層シート。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の熱成形用積層シートを真空成形法により半透明または不透明の被着体に貼り付けて一体化してなる加飾成形体。
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