JP5381090B2 - 熱成形用積層シート及び加飾成形体 - Google Patents
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該手法は深み感のある意匠性を有する樹脂成形体が得られるが、印刷法により印刷を施したものは実質グラビア印刷による加飾付与であるため、単一色では色むらが発生しやすく、また印刷面に成形樹脂を充填するため印刷インキ層が射出樹脂圧力で変形する等の課題があった。
また、インサート成形法は、熱成形用加飾シートを真空成形法等により予備成形するための熱成形用金型と、インサート成形するための射出成形用金型の2種類の金型を準備する必要があり、高コストになるという問題もある。
本発明の熱成形用積層シートは接着層を有するので、熱成形により三次元形状に成形すると同時に被着体に貼り付けて一体化することが可能である。被着体として単一色の意匠性を有する成形体を使用すれば、金型を使用せずに均一な色調の色味感、深み感あるいはパール感を付与することが可能である。
本発明で使用する熱成形用積層シートは、膜厚が30〜500μmの範囲であるアクリル樹脂層Aと、アスペクト比が5以上である鱗片状微粒子を含む接着層Bとが積層されてなる。
本発明で使用するアクリル樹脂層Aは膜厚が30〜500μmの範囲である。膜厚が30μm未満では色調の深み感が不十分となり好ましくない。また後述の接着層Bはアクリル樹脂層Aに直接塗工する方法と、フィルム状の別基材上に接着層Bを設けた後アクリル樹脂層Aに転写する方法とがあるが、いずれの方法においても膜厚が薄すぎると基材としての剛性が不足するので上手く塗工または転写できない。
一方膜厚が500μmを超えると本発明の特徴である接着層B中に含まれる鱗片状微粒子の効果が薄れてしまう。
具体的には、真空成形等の加熱による成形を行なうため、軟化点が50〜300℃の範囲にあるアクリル樹脂とすることが好ましく、ポリメチルメタクリレート(以下PMMA樹脂と略す)を主体成分とすることが特に好ましい。また本発明の効果を阻害しない範囲で、ゴム、フィラーなどの補強剤を配合することもできる。
また、アクリル樹脂層Aの接着層Bと接する面には、本発明の効果を阻害しない範囲で、インクジェット印刷やグラビア印刷等の印刷層を配しても良い。被着体として単一色の意匠性を有する成形体を使用する場合は、被着体の色を生かす目的で、不透明ベタ層を有さない絵柄印刷層を使用すれば、絵柄付きの被着体の色に絵柄が透けて見えるような意匠性を有する加飾成形体が得られ好ましい。絵柄としては、ヘアライン、ドット、カーボンクロス等の幾何学模様を表現するもの、写真や図画を模したもの等、特に限定はなく所望の印刷層を配してよい。
(鱗片状微粒子)
本発明で使用する鱗片状微粒子は、アスペクト比が5以上であり、平板状であることが好ましく、アスペクト比10以上がより好ましい。ここで、アスペクト比とは、微粒子の長径長さと短径長さの比率のことであり、本発明の場合は、(長径/短径)の平均値をさす。
アスペクト比が5未満であると微粒子の並びが不均一となり、アクリル樹脂層Aを透過した光が微粒子で反射する際に光散乱が生じ、本発明の特徴の1つである深み感が不十分となる。
本発明で使用する鱗片状微粒子には接着層Bの外観不良を隠蔽する効果がある。具体的には、接着剤を塗工する際に発生するスジ状模様や版目模様、および、本発明の熱成形用積層シートを熱成形と同時に被着体に貼り付ける際に、接着層Bと被着体表面との接触により発生する接着痕等を効果的に隠蔽することができる。
使用する鱗片状微粒子はアスペクト比が5以上であれば特に限定されないが、本発明で用いるアクリル樹脂の屈折率よりも高いことが好ましく、具体的には、屈折率が1.5以上であることが好ましく、1.7以上がより好ましい。微粒子の屈折率が低すぎる場合はシート表面からの透過光が微粒子で散乱しやすく、本発明の特徴である色味感および深み感が不十分となる傾向にある。このような屈折率が1.5以上の鱗片状微粒子としては、例えば、シリカ、マイカ、タルク、ガラスフレーク、および、アルミフレーク等の金属粒子等が挙げられる。
本発明で使用する接着層Bは、前記アクリル樹脂層Aと被着体とを接着させる目的の層である。従って、接着層を構成するものは接着剤でも粘着剤でも構わなく、アクリル樹脂層Aと被着体とに接着する材質のものを適宜選択することが可能である。
また、本発明の効果をより得るために透明性を有することが好ましい。具体的には、ヘーズ(曇価)が15%以下であることが好ましい。ヘーズ(曇価)は、JIS K−7105により測定する。また、後述の着色剤を含有する成形品と同じ色調であれば、顔料もしくは染料等の着色剤を含有しても良い。
官能基含有モノマーの配合割合は、全モノマー量に対して0.1〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは、0.1〜5.0重量部である。0.1重量部未満の場合、硬化剤との架橋点が不充分なため凝集力が低くなり耐熱性が不足し、10.0重量%超では粘着剤としたときに増粘やゲル化を招き易い問題がある。
粘着付与剤の配合量は特に限定されず、全樹脂固形分100質量部に対して100質量部以下、好ましくは50質量部以下とすることが好ましい。
接着層Bの積層方法としては、特に制限はなく、直接形成する方法と転写して形成する方法がある。例えば、アクリル樹脂層片面に直接接着剤又は粘着剤を塗工乾燥して形成する方法と剥離シート(シリコン、ワックス、メラミン等の剥離性を有する樹脂をコーティング又はラミネート処理した上質紙、グラシン紙、パーチメント紙などの紙やポリエチレンテレフタレートフィルムなどのプラスチックフィルム及び剥離性を有するポリプロピレンフィルムなどプラスチックフィルム)上に接着剤又は粘着剤を塗工乾燥して、アクリル樹脂層の片面とドライラミネートを行い貼り合わせて接着剤又は粘着剤を転写し形成する方法がある。接着剤又は粘着剤の塗工方法には、特に制限はなく、スリットダイコーター、ロールコーター、コンマコーター、グラビアコーターなど公知の塗工手段を用いる事が出来る。
また、半硬化された硬化性樹脂を主成分とする表面保護層を、本発明の熱成形用加飾シートを被着体と一体化した場合に最表層となる側に設けることもでき、好ましい。表面保護層Cは、前記アクリル樹脂層Aでは担保できない、耐摩擦性、耐摩傷性、耐候性、耐汚染性、耐水性、耐薬品性、耐熱性等の特性を付与することが可能である。
表面保護層Cに使用する硬化性樹脂としては、イソシアネート基やエポキシ基の反応を利用した熱硬化性樹脂、アクリレートモノマーやオリゴマー等のラジカル重合やカチオン重合反応を使用したUV、EB硬化性樹脂等を使用することができる。中でも、熱硬化性樹脂が、成形時の熱により容易に硬化でき好ましい。中でも、水酸基とイソシアネート基との反応を利用した熱硬化性樹脂は、硬化時の熱収縮が殆どなく、本発明のシートの層構成として特に優れている。特に、熱可塑性樹脂層としてアクリル樹脂を使用した場合には、密着性が良好となることから、水酸基含有アクリル樹脂とポリイソシアネート化合物との組み合わせが特に好ましい。
また、前記表面保護層C中には本発明の効果を阻害しない範囲で、顔料や染料などの着色剤を混合しても良い。
前記熱硬化性樹脂溶液の塗工方式は、グラビアコーター、グラビアリバースコーター、フレキソコーター、ブランケットコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、キスタッチコーター、コンマコーター等を用いることができる。
また、前記熱硬化性樹脂溶液を塗工する前記アクリル樹脂層Aとして使用するシート表面には、前記熱硬化性樹脂溶液との親和性を向上させる目的で、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理、電子線照射処理、粗面化処理、オゾン処理等の表面処理を施し、ぬれ指数を35dyne/cm以上とすることが好ましい。更に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライプレーティング処理が施されても良い。
このような硬化反応率であっても、真空成形時において熱成形される際には通常100℃以上に加熱されることで、得られる最終製品、真空成形品においては硬化反応率が90%以上となる。なお通常の使用において、硬化性樹脂層の硬化反応率は90%以上であれば、実施に何ら影響しない
本願の熱成形用積層シートの全体の膜厚は、前記表面保護層Cの有無に拘わらず、熱成形性及び得られる加飾成形体の深み感の観点から、0.1mm〜0.5mmの範囲であることが好ましい。また、前記表面保護層Cを有する場合は、該表面保護層Cが積層し易いことから、全体の膜厚が0.1mm〜0.3mmの範囲とすることが好ましい。
本発明の熱成形用積層シートを三次元形状に成形する方法としては、例えば、真空成形法、圧空真空成形法等の既存の真空成形方法を利用することが出来る。通常の熱成形方法では、シートを軟化温度以上に加熱した後、金型を用いて三次元形状に成形するが、本発明の熱成形用積層シートは、シートを軟化温度以上に加熱した後、真空下で、金型を用いずに被着体を用いて成形すると同時に、直接被着体に貼り付ける(真空成型同時貼り付け法)。真空成型同時貼り付け法の具体例を図1〜3に示す。被着体を真空孔を有する保持台の上に置き(図1参照)、軟化温度以上に加熱したシートを被着体側から真空引きしてシートを被着体に添わせつつ直接成形を行う(図2参照)。シートと被着体とは接着層により接着し加飾成形体が得られる。本発明の課題である接着痕は、軟化温度以上に加熱されたシートが被着体と接触した際に、接着層が急激に冷却され、アクリル樹脂層の延伸に追随できなかった場合に発生する。特に、シート温度と被着体の温度差が大きい場合や、成形初期の段階でシートと被着体の間に空間が生じる凹形状部に発生し易いが、本発明の熱成形用積層シートではこのような接着痕を効果的に抑制することができる。
この後必要に応じ不要部分を必要に応じトリミング加工してもよい(図3参照)。トリミング加工方法についても特に限定はなく、はさみやカッター等でカットする方法、ダイカット法、レーザーカット法、ウォータージェット法、抜き刃プレス法により加工することができる。
本発明の熱成形用積層シートは、被着体の固有の表面意匠性に、色味感、深み感、および、バール感を付与できるのが特徴であり、被着体としては、特に限定されず、不透明または不透明で表面意匠性を有していればよい。具体的には、樹脂、金属、ガラス、木、紙などの各種形状物を用いることができ、前記形状物は、塗装、メッキ、スクラッチ等の常用加飾法により加飾されていてもよい。
(アクリル樹脂層A)
膜厚125μmのゴム変性PMMA樹脂シート「テクノロイS001」(住友化学工業株式会社製)を使用した。これをアクリル樹脂層A1とする。
接着剤としては、アクリル樹脂系粘着剤「クイックマスター SPS−2050LV」(DIC株式会社製、固形分45%(溶剤:酢酸エチル))100重量部に対して、酢酸エチル50重量部、ポリイソシアネート系硬化剤「バーノック NC−40」(DIC株式会社製)1重量部、高光沢マイカ「SA−310」(株式会社山口雲母工業所製、平均粒子径26μm、アスペクト比70)0.045重量部を混合した。これを接着層B1用溶液とする。
片側表面にシリコン処理が施された剥離層を有するPETフィルム「SC−50」(ユニチカ株式会社製)の剥離層側表面に、乾燥膜厚が30μmになるようアプリケーターを用いて、前記接着層B1用溶液を塗工・乾燥し、接着層B1塗工フィルムを得た。次に、前記の接着層B1塗工フィルムと前記のアクリル樹脂層A1をラミネーターで貼り合わせ、熱成形用積層シート1を得た。
なお該シートを熱成形する際には、PETフィルムを剥離して熱成形を行う。
成形樹脂として、ABS樹脂「クララスチックGA−501」(商品名、日本エイアンドエル株式会社製):黒着色マスターバッチ「プラマスターB3(黒)B1−115−30」(商品名、DIC株式会社)=15:1でドライブレンドした黒色樹脂を使用し、射出成形機を用いて、図4及び図5に示す3次元立体形状の黒色樹脂成形品を得た(図5は、図4のA−A部分の断面図を示す)。これを被着体1とする。
被着体1サイズ:幅×長さ×高さ=116×227×43mm
布施真空株式会社製の両面真空成形機「FVF−0709」を用いて、加熱温度160℃で、前記の熱成形用積層シート1と被着体1を真空成形同時貼り付けし、加飾成形体1を得た。ただし、熱成形用積層シート1は、熱成形直前にPETフィルムを剥離して使用した。
(意匠性評価)
実施例1で得られた加飾成形体1について、色味感、深み感、パール感の評価を目視で行った。被着体1の色調が黒色のため、色味感としては黒み感を評価した。深み感としては、被着体1の表面に存在するクリア層の透明感を評価した。パール感としては、一体成形品1を見る角度を変えたときの色調変化の度合いを評価した。
評価基準としては、
色味感(黒み感);◎:非常に強い、○:強い、△:黒色以外の色味がある、×:弱い(白っぽい)、
深み感(透明感);○:良好、△:やや弱い、×:弱い
パール感;○:良好、△:弱い、×:無し、
とした結果、色味感:○、深み感:○、パール感:×であった。
実施例1で得られた加飾成形体1について、図4及び図5における黒線に示す、2カ所の接着痕発生部の接着痕発生を目視にて評価した。図4および図5に示すような三次元形状体の場合は、成形初期にシートと被着体の間に空間が生じる前記黒線部に接着痕が発生しやすいが、下記の基準で評価した結果、○であった。
○ :加飾成形体1を20cm離して、2ヶ所とも接着痕が視認できない
△○:加飾成形体1を20cm離して、片方の接着痕発生部のみに接着痕が確認できる
△ :加飾成形体1を50cm離して、2ヶ所とも接着痕が視認できない
×△:加飾成形体1を50cm離して、片方の接着痕発生部のみに接着痕が確認できる
× :加飾成形体1を50cm離して、2ヶ所とも接着痕が確認できる
実施例1で得られた加飾成形体1について、JIS K 5600−5−6「塗膜の機械的性質−付着性(クロスカット法)」記載の碁盤目テープ剥離法による二次密着性評価を行った結果、フィルム剥がれはなかった。前期評価により、フィルム剥がれが無かったものを○、フィルム剥がれがあったものを×とする。
(表面保護層C)
アクリルポリオール樹脂「6KW−032E」(大成ファインケミカル株式会社製、固形分38%(溶剤:酢酸エチル)、水酸基価30KOHmg/g)46部と4−メチル−2ペンタノン46部との混合溶液に、イソシアヌレート環含有ポリイソシアネート「BURNOCK DN−981」(DIC株式会社製、固形分75%(溶剤:酢酸エチル)、官能基数3、NCO濃度14%)8部を混合(合計100部)し、保護層溶液を調整した。これを表面保護層C2用溶液とする。
前記のアクリル樹脂層A1の片側表面に、マイクログラビアコーターを用いて、乾燥膜厚2μmとなるように、前記表面保護層C2用溶液を塗工・乾燥して、アクリル樹脂層A2を得た。
加飾成形体2について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:◎、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子として、微粒子マイカ「SJ−005」(株式会社山口雲母工業所製、平均粒子径5μm、アスペクト比20〜30)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート3、および、加飾成形体3を得た。
加飾成形体3について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:◎、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:△○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子として、シルバー系カラーマイカ「Iridion 153」(MERCK社製、平均粒子径50μm、アスペクト比30〜170)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート4、および、加飾成形体4を得た。
加飾成形体4について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子として、ゴールド系カラーマイカ「Iridion 335」(MERCK社製、平均粒子径50μm、アスペクト比15〜170)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート5、および、加飾成形体5を得た。
加飾成形体5について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子として、ブルー系カラーマイカ「Iridion 221」(MERCK社製、平均粒子径10μm、アスペクト比10〜40)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート6、および、加飾成形体6を得た。
加飾成形体6について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:△○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子として、グリーン系カラーマイカ「Xirallic T60−WNT」(MERCK社製、平均粒子径18μm、アスペクト比5〜40)を用いた以外は実施例2と同様にして、熱成形用積層シート7、および、加飾成形体7を得た。
加飾成形体7について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:△○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子の含有量を2倍にした以外は実施例7と同様にして、熱成形用積層シート8、および、加飾成形体8を得た。
加飾成形体8について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:○、深み感:○、パール感:○、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子を用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較用熱成形用積層シートH1、および、比較用加飾成形体H1を得た。
比較用加飾成形体H1について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:×、深み感:△、パール感:×、接着痕評価:×、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子を用いなかった以外は実施例2と同様にして、比較用熱成形用積層シートH2および、比較用加飾成形体H2を得た。
比較用加飾成形体H2について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:△、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:×、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子の代わりに、不定形シリカ「サイリシア380」(平均粒子径9μm)を用いた以外は実施例2と同様にして、比較用熱成形用積層シートH3、および、比較用加飾成形体H3を得た。
比較用加飾成形体H3について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:△、深み感:○、パール感:×、接着痕評価:○、二次密着性評価:○であった。
鱗片状微粒子の代わりに、墨インキベース「V−NT R805 スミYベース」(チバジャパン社製、カーボンブラック顔料濃度20%)を用いた以外は実施例2と同様にして、比較用熱成形用積層シートH4、および、比較用加飾成形体H4を得た。
比較用加飾成形体H4について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:△、深み感:△、パール感:×、接着痕評価:△、二次密着性評価:○であった。
墨インキベースの含有量を2倍にした以外は比較例5と同様にして、比較用熱成形用積層シートH5、および、比較用加飾成形体H5を得た。
比較用加飾成形体H5について、実施例1と同様の評価を行った結果、色味感:×、深み感:×、パール感:×、接着痕評価:△、二次密着性評価:○であった。
2 保持台
3 真空孔
4 熱成形用積層シート
5 接着痕発生部
Claims (7)
- 熱成形により三次元形状に成形すると同時に被着体に貼り付けて一体化する熱成形用積層シートであって、膜厚が30〜500μmの範囲であるアクリル樹脂層Aと、アスペクト比が5以上である鱗片状微粒子を含む接着層Bとが積層されてなることを特徴とする熱成形用積層シート。
- 前記接着層Bの膜厚が5〜50μmの範囲であり、且つ、前記鱗片状微粒子の平均粒子径が1〜100μmの範囲である請求項1記載の熱成形用積層シート。
- 前記鱗片状微粒子の屈折率が1.5以上である請求項1又は2に記載の熱成形用積層シート。
- 前記アクリル樹脂層Aの前記接着層Bが積層した面とは反対側の面に、膜厚が1〜30μmの範囲であるアクリルウレタン樹脂を主成分とする表面保護層Cを有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形用積層シート。
- 前記鱗片状微粒子の含有量が接着層B固形分に対して0.01〜0.5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の熱成型用積層シート。
- 熱成型用積層シートの全体の膜厚が0.1mm〜0.5mmの範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の熱成型用積層シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱成形用積層シートを真空成形法により半透明または不透明の被着体に貼り付けて一体化してなる加飾成形体。
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