JP2015066882A - 保護層熱転写シート及びマット調印画物 - Google Patents

保護層熱転写シート及びマット調印画物 Download PDF

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Abstract

【課題】印画物の表面に形状の異なる凹凸を隙間なく形成することにより、優れたマット感を得ることが可能な保護層熱転写シートを提供する。【解決手段】基材1と、基材1の一方の面に形成したマット層3と、マット層3に積層した熱転写性保護層4を備える保護層熱転写シート10において、形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせからなるフィラーをマット層3に含有し、形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせを第一フィラー5と第二フィラー6の組み合わせから形成し、フィラー全体に対する第一フィラー5と第二フィラー6の比率を、それぞれ、10質量%以上とする。【選択図】図1

Description

本発明は、基材の一方の面に熱転写性保護層を構成した保護層熱転写シートに関するものであり、熱転写性保護層が被転写体上に転写された印画物に優れたマット感を持たせることが可能な保護層熱転写シートと、この保護層熱転写シートによって得られるマット調印画物に関するものである。
一般に、熱転写記録媒体は、サーマルリボンと呼ばれる感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンと、転写される染料により画像を転写される熱転写受像シートの組み合わせのことである。サーマルリボンは、基材の一方の面に感熱転写層を設け、基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものであり、熱転写受像シートは、基材の表面にサーマルリボンの染料や顔料を固着させる受像層を設けたものである。
ここで、感熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によってインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体である熱転写受像シート側に転写するものである。
現在、感熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成することが可能であるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また、得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では基材の同じ側に、印画物への耐久性を付与する保護層等を、互いに重ならないように設けた複数の感熱転写層を有する熱転写リボンが普及する傾向がある。
熱転写性保護層を被転写体に転写する際には、熱転写性保護層に用いられている樹脂が、プリンタのサーマルヘッドにより発生する熱によって、溶融あるいは軟化し、熱転写受像シートに接着される。
このように、熱転写受像シート上に転写された熱転写性保護層は、その表面が平滑であり、印画物に高い光沢性を与える。一方、用途によっては光沢性の低い、いわゆるマット調の印画物が要求される場合がある。
上記のような要求に対し、例えば、特許文献1には、被転写体上に熱転写性保護層を転写後にエンボス版で型押しすることにより、印画物の表面に凹凸を形成し、マット柄を有する印画物を作製する方式が記載されている。
また、特許文献2には、転写性保護層中に粒子を添加することにより、印画物の表面に凹凸を形成して、光沢を変化させることが可能な保護層が記載されている。
さらに、特許文献3には、転写性保護層と基材の間にフィラーを含有する離型層を形成することにより、印画物の表面に凹凸を形成して、マット調を付与することが可能な保護層熱転写シートが記載されている。
特許第4489667号公報 特許第4662662号公報 特許第4142517号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方式の場合、プリンタ中にて印画物の表面にエンボス版で型押しする工程が必要となり、コストの増大に繋がる。
また、特許文献2に記載されている保護層の場合、保護層と粒子の屈折率の差により保護層の透明性が欠けるため、画像品質が損なわれるという問題が存在する。
また、特許文献3に記載されている保護層熱転写シートの場合、工程の追加や画像品質の低下は存在しない。しかしながら、添加される粒子が小粒径の場合には、印画物の表面に充分な大きさの凹凸が形成されないことにより、大粒径の場合には、凹凸が形成されない平坦な部分であるフィラー間の隙間が増加する。これにより、充分なマット感が得られないという問題が存在する。
そこで、本発明は上記の問題を鑑み、印画物の表面に形状の異なる凹凸を隙間なく形成することにより、優れたマット感を得ることが可能な保護層熱転写シートを提供することを目的とする。
本発明の一態様の保護層熱転写シートは、基材と、前記基材の一方の面に形成したマット層と、前記マット層に積層した熱転写性保護層と、を備える保護層熱転写シートにおいて、前記マット層にフィラーが含有され、前記フィラーは、形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせからなり、前記フィラー全体に対する各フィラーの比率は、それぞれ10質量%以上であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係わる保護層熱転写シートは、前記形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせは、それぞれ平均粒径が異なる二種類以上のフィラーの組み合わせからなり、前記平均粒径が異なる二種類以上のフィラーのうち平均粒径が最小であるフィラーの粒径は、前記平均粒径が異なる二種類以上のフィラーのうち平均粒径が最大であるフィラーの粒径の1/5以下であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係わる保護層熱転写シートは、前記フィラーの総含有量が、前記マット層全体の40質量%以上であることが好ましい。
本発明の一態様のマット調印画物は、上述した保護層熱転写シートを用いて、被転写体上に前記熱転写性保護層が転写されて形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様の保護層熱転写シートであれば、形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせをマット層に含有することにより、被転写体上に転写される熱転写性保護層の表面に形状の異なる凹凸が隙間無く形成されるため、優れたマット感を印画物に与えることが可能となる。
本発明の実施形態の保護層熱転写シートの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態のマット調印画物の概略構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(全体構成)
図1は、本実施形態の保護層熱転写シートの概略構成を示す図であり、保護層熱転写シートを側方から見た断面図である。
図1中に示すように、保護層熱転写シート10は、基材1(リボン基材)と、耐熱滑性層2と、マット層3と、熱転写性保護層4を備えている。
(基材1の構成)
基材1は、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求される部材である。
また、基材1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、および、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等を、単独で、または、組み合わされた複合体として使用可能である。
なお、基材1の材料としては、上記の材料中では、特に、物性面、加工性、コスト面等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
また、基材1の厚さは、操作性、加工性を考慮し、2μm以上50μm以下の範囲内とすることが可能である。しかしながら、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上12μm以下程度とすることが好ましい。
また、基材1においては、耐熱滑性層2やマット層3を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。この場合、接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することが可能であり、また、それらの処理を二種以上併用することも可能である。
(耐熱滑性層2の構成)
耐熱滑性層2は、基材1の他方の面(図中では、下側の面)に形成されており、印画時のスティッキングやシワの発生を防止する目的で形成される層である。
また、耐熱滑性層2は、熱転写時の保護層熱転写シートとサーマルヘッドとの摩擦を軽減するために形成され、従来公知のもので対応させることが可能である。
また、耐熱滑性層2は、例えば、バインダーとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤等を配合して耐熱滑性層形成用の塗布液を調製し、塗布し、さらに、乾燥して形成することが可能である。
耐熱滑性層2の乾燥後の塗布量は、前述の熱転写時の摩擦や転写適性を考慮すると、0.1μm以上2.0μm以下の範囲内が適切である。
ここで、耐熱滑性層2の乾燥後の塗布量とは、耐熱滑性層形成用の塗布液を塗布し、さらに、乾燥した後に残った膜厚を示す。なお、以降の説明では、マット層3及び熱転写性保護層4の乾燥後の塗布量も同様に、塗布液を塗布し、さらに、乾燥した後に残った膜厚を示す。
耐熱滑性層2を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂及びそれらの変性体等を用いることが可能である。
(マット層3の構成)
マット層3は、基材1の一方の面(図1中では、上側の面)に形成されており、熱転写時に基材1側に残留する層である。
また、マット層3は、印画物にマット感を付与するために設けられる層であり、樹脂と、複数種類のフィラーから形成される。これは、マット層3に複数種類のフィラーが含有されることにより、マット層3の表面に凹凸が形成されるため、図2に示すように、マット層3の表面の凹凸形状が、熱転写性保護層4の表面に転写されることにより、マット調印画物20にマット感が付与されるためである。なお、図2は、本実施形態のマット調印画物の概略構成を示す図であり、マット調印画物と、熱転写後の保護層熱転写シートを側方から見た断面図である。また、図2中には、受像シートを符号7で示す。
マット層3を形成する樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を用いることが可能である。
また、マット層3を形成する複数種類のフィラーとしては、形状の異なる、二種類以上のフィラーの組み合わせを用いる。なお、本実施形態では、マット層3を形成する複数種類のフィラーとして、形状の異なる二種類のフィラーの組み合わせ(第一フィラー5、第二フィラー6)を用いる場合を説明する。
また、本実施形態では、フィラー全体(第一フィラー5、第二フィラー6)に対する各フィラー(第一フィラー5、第二フィラー6)の比率は、それぞれ、10質量%以上とする場合を説明する。
このようなフィラーの組み合わせを用いることにより、マット調印画物20の表面に、形状の異なる凹凸形状を隙間無く形成することが可能となる。その結果、マット感に優れたマット調印画物20が得られる。
フィラー(第一フィラー5、第二フィラー6)の形状としては、球状、不定形状、板状、棒状などが挙げられるが、特に球状や不定形状のフィラーを用いることにより、マット調印画物20の表面に、複雑な凹凸形状を形成することが可能となるため、特にマット感に優れたマット調印画物20が得られる。
第一フィラー5及び第二フィラー6の粒径としては、得られるマット調印画物20のマット感と、熱転写性保護層4の転写性を考慮すると、0.3μm以上20μm以下の範囲内が好適である。
また、マット層3を形成する複数種類のフィラーとしては、上述したように、形状の異なる、二種類以上のフィラーの組み合わせを用いるが、これに加え、さらに、平均粒径が最小であるフィラーの粒径が、平均粒径が最大であるフィラーの粒径の1/5以下であるようなフィラーの組み合わせであることが望ましい。
この組み合わせにおいても、フィラー全体(第一フィラー5、第二フィラー6)に対する各フィラー(第一フィラー5、第二フィラー6)の比率は、それぞれ、10質量%以上とする。
上記のようなフィラーの組み合わせを用いることにより、大きなフィラーの隙間に小さなフィラーが入り込むことで、マット調印画物20の表面に、凹凸が存在しない平坦な部分が生じることを抑制する。その結果、マット感に優れたマット調印画物20を得ることが可能となる。
なお、この場合の平均粒径とは、レーザー回折・散乱方式を用いて、体積基準で粒子径の分布を測定し、累積%が50%となる粒子径を算出したものである。
また、第一フィラー5と第二フィラー6の総含有量は、マット層3全体の40質量%以上であることが好適である。これは、第一フィラー5と第二フィラー6の総含有量をマット層3全体の40質量%以上にすることにより、マット調印画物20の表面に、より隙間無く凹凸形状を形成することが可能となり、その結果、よりマット感に優れたマット調印画物20が得られるためである。
なお、マット層3を構成するフィラーとしては、形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせからなること以外に特に制限されるものではない。すなわち、マット層3を構成する材質としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン等の無機フィラー、メラミン系、尿素系、エポキシ系、フェノール系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂、スチレン系、ビニル系、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂等のうち、1種または2種以上の組み合わせを用いることが可能である。
また、マット層3には、上述した性能を損なわない範囲内で、樹脂とフィラー以外の公知の添加剤を用いることが可能である。添加剤としては、例えば、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、離型剤等を用いることが可能である。
また、マット層3と基材1との間に、密着性の向上等を目的とした中間層を設けてもよい。また、マット層3と熱転写性保護層4との間に、熱転写性保護層4の熱転写時における剥離の重さを適当な範囲内に調整すること等を目的とした中間層を追加しても良い。
また、マット層3の乾燥後の塗布量は、0.1μm以上5.0μm以下の範囲内程度が好適であるが、転写適性等を考慮すると、0.5μm以上2.0μmμm以下の範囲内程度とすることが、さらに好適である。なお、この場合の乾燥後の塗布量とは、塗布液を塗布、乾燥した後に残った塗膜の内、フィラーによる凸部を含まない部分の膜厚の事を特に示す。
(熱転写性保護層4の構成)
熱転写性保護層4は、熱転写時に被転写体側に転写される層であり、樹脂を用いて形成されている。
熱転写性保護層4を形成する樹脂は、熱溶融性且つ透明であること以外には、特に限定されるものではないが、一例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を用いることが可能である。また、特に、透明性等を考慮すると、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好適である。
また、熱転写性保護層4には、上述した性能を損なわない範囲内で、樹脂以外の公知の添加剤を用いることが可能である。
熱転写性保護層4に用いる添加剤としては、例えば、無機顔料微粒子、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、離型剤、ワックス・樹脂フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を用いることが可能である。
また、熱転写性保護層4は、単層ではなく、複数の層を積層した構成としてもよい。この場合、例えば、熱転写性保護層4のうち基材1と対向する面とは反対側の面(図中では上側の面)に、転写体への接着性を調整することが目的の接着層を積層した構成や、熱転写性保護層4のうち基材1と対向する面(図中では下側の面)に、熱転写時の剥離力を調整することが目的の剥離層などを積層した構成とすることが可能である。
また、熱転写性保護層4の乾燥後の塗布量は、0.1μm以上5.0μm以下の範囲内程度が好適であるが、転写適性や透明性等を考慮すると、0.5μm以上3.0μmμm以下の範囲内程度とすることが、さらに好適である。
なお、マット層3と熱転写性保護層4は、いずれも従来公知の塗布方法にて塗布し、さらに、乾燥することで形成可能である。この場合、塗布方法としては、例えば、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を用いることが可能である。
以下、本発明の各実施例及び各比較例に用いた材料を示す。
なお、文中で「部」と記載したものは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
・耐熱滑性層付きリボン基材(基材1)の作製
基材1として、厚さが4.5μm厚の片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/mになるように塗布し、さらに、100℃で1分間乾燥することで、耐熱滑性層付きリボン基材を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液>
ポリビニルアセタール 25.2部
イソシアネート硬化剤 1.1部
タルク 1.0部
メチルエチルケトン 36.3部
トルエン 36.3部
(実施例1)
耐熱滑性層付きリボン基材の易接着処理面に、下記組成のマット層形成用塗布液1を、グラビアコーティング法により塗布し、マット層3を、乾燥後の膜厚1.0μmで形成した後、マット層3上に、熱転写性保護層形成用塗布液をグラビアコーティング法により塗布し、90℃で1分間乾燥することで、熱転写性保護層4を、乾燥後の膜厚1.5μmで形成し、実施例1の保護層熱転写シート10を作製した。
<マット層形成用塗布液1>
酢酸セルロース樹脂 12.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径0.4μm) 1.0部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 6.0部
炭酸カルシウムフィラー(紡錘状 平均粒径1.5μm) 1.0部
<熱転写性保護層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂 20.0部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
(実施例2)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液2>
酢酸セルロース樹脂 12.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径0.4μm) 0.8部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 7.2部
(実施例3)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液3に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液3>
酢酸セルロース樹脂 12.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径2.0μm) 7.2部
シリコーンフィラー(球状 平均粒径1.7μm) 0.8部
(実施例4)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液4に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液4>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径0.4μm) 0.5部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 4.0部
炭酸カルシウムフィラー(紡錘状 平均粒径1.5μm) 0.5部
(実施例5)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液5に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液5>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径0.4μm) 0.5部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 4.5部
(実施例6)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液6に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液6>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径2.0μm) 4.0部
シリコーンフィラー(球状 平均粒径2.0μm) 0.5部
炭酸カルシウムフィラー(紡錘状 平均粒径1.5μm) 0.5部
(実施例7)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液7に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液7>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
炭酸カルシウムフィラー(紡錘状 平均粒径1.5μm) 0.5部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 4.5部
(実施例8)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液8に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例8の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液8>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径2.0μm) 0.5部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 4.5部
(実施例9)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液9に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例9の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液9>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径2.0μm) 4.5部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 0.5部
(比較例1)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液10に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液10>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径2.0μm) 5.0部
(比較例2)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液11に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液11>
酢酸セルロース樹脂 15.0部
メチルエチルケトン 80.0部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 5.0部
(比較例3)
実施例1で作製した保護層熱転写シート10において、マット層3の塗布液をマット層形成用塗布液12に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例3の保護層熱転写シート10を得た。
<マット層形成用塗布液12>
酢酸セルロース樹脂 12.0部
メチルエチルケトン 80.0部
シリカフィラー(不定形 平均粒径2.0μm) 0.2部
メラミン樹脂フィラー(球状 平均粒径2.2μm) 7.8部
・受像シートの作製
基材1として、厚さ188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布厚が5.0μmになるように塗布して乾燥することにより受像層を形成して、受像シート7を作製した。
<受像層塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
・マット調印画物作製
染料シートを使用し、サーマルシミュレーター((株)ウェッジ社製)を用いて、受像シート7の受像層側に、反射濃度OD=2.0の黒ベタ画像を印画した。さらに、受像シート7の受像層側に、実施例1〜9及び比較例1〜3の保護層熱転写シート10を重ね合わせ、サーマルシミュレーターで加熱後、保護層熱転写シート10の基材1を剥離して、画像上に転写性保護層を転写し、マット調印画物20を作製した。
(光沢評価)
上記の条件にて、反射濃度OD=2.0の黒ベタ画像を印画し、さらに、画像上に転写性保護層を転写したマット調印画物20に関して、印画方向と入射角が平行になるように、印画物面に対する60°の反射光沢度を、JIS−Z−8741に準じた方法で測定した。その評価結果(光沢評価結果)を、表1に示す。
なお、表1中では、上記の条件にてベタ画像を印画し、さらに、画像上に転写性保護層を転写したマット調印画物20に関して、目視にてマット感を評価(マット感目視評価)した。マット感目視評価の評価基準は、以下に示す通りである。
○:充分光沢が低下し、非常に好ましいマット感が得られている。
△:光沢が低下し、好ましいマット感が得られている。
×:光沢の低下が不足しており、マット感がまだ不充分である。
Figure 2015066882
表1中に示すように、実施例1〜9の保護層熱転写シート10は、充分に光沢度が低下し、マット調印画物20に対して、優れたマット感を付与することが可能であることが確認された。
一方、比較例1〜3の保護層熱転写シート10では、光沢度の低下が不足しており、マット調印画物20が充分なマット感を得られないことが確認された。
本発明により得られる保護層熱転写シートは、熱転写方式のプリンタに使用することが可能であり、マット調に優れた印画物を簡便に形成することが可能であるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用することが可能である。
1 リボン基材
2 耐熱滑性層
3 マット層
4 熱転写性保護層
5 第一フィラー
6 第二フィラー
7 受像シート
10 保護層熱転写シート
20 マット調印画物

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に形成したマット層と、前記マット層に積層した熱転写性保護層と、を備える保護層熱転写シートにおいて、
    前記マット層にフィラーが含有され、
    前記フィラーは、形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせからなり、
    前記フィラー全体に対する各フィラーの比率は、それぞれ10質量%以上であることを特徴とする保護層熱転写シート。
  2. 前記形状の異なる二種類以上のフィラーの組み合わせは、それぞれ平均粒径が異なる二種類以上のフィラーの組み合わせからなり、
    前記平均粒径が異なる二種類以上のフィラーのうち平均粒径が最小であるフィラーの粒径は、前記平均粒径が異なる二種類以上のフィラーのうち平均粒径が最大であるフィラーの粒径の1/5以下であることを特徴とする請求項1に記載した保護層熱転写シート。
  3. 前記フィラーの総含有量が、前記マット層全体の40質量%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した保護層熱転写シート。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載した保護層熱転写シートを用いて、被転写体上に前記熱転写性保護層が転写されて形成されていることを特徴とするマット調印画物。
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