JP2015016608A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護層の厚みを上昇させることなく染料転写時の熱により染料受像層表面に生じた凹凸を目立たなくすることにより、外観を優れたものにしつつ保護層の箔切れ性を向上させることが可能な熱転写記録媒体の提供。【解決手段】基材の一方の面に染料層と、低屈折率層と前記低屈折率層よりも屈折率が高い高屈折率層からなる保護層と、を具備した昇華型熱転写リボンと、基材の表面に前記昇華型熱転写リボンの染料を固着させる染料受像層を積層し、その裏面に粘着層と離型シートを順次積層した染料受像シートとの組み合わせからなる熱転写記録媒体において、熱転写後に染料受像シート上に転写される保護層が、熱転写後の印画物の視認する側から低屈折率層と、高屈折率層の順に積層された構成であり、低屈折率層の屈折率が1.50以上、転写後の保護層の乾燥後の膜厚が0.3μm以上5μm以下の範囲内である熱転写記録媒体。【選択図】図4

Description

本発明は、基材の一方の面に染料層と保護層を具備した昇華型熱転写リボンと、基材の表面に前記昇華型熱転写リボンの染料を固着させる染料受像層を具備し、その基材の裏面に粘着層と離型シートを順次積層した熱転写受像シートとの組み合わせからなる熱転写記録媒体において、保護層の厚みを上昇させることなく染料転写時の熱により染料受像層表面に生じた微小な凹凸を目立たなくすることにより、外観を優れたものにしつつ、保護層の箔切れ性を向上させることが可能な熱転写記録媒体に関するものである。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式のプリンタに使用されるサーマルリボンと呼ばれるインクリボンと、熱転写される染料により画像を転写される熱転写受像シートの組み合わせのことである。サーマルリボンについては基材の一方の面に染料層及び保護層からなる熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものであり、熱転写受像シートについては、基材の表面に前記サーマルリボンの染料を固着させる染料受像層を設けたものである。熱転写方式には昇華転写方式と溶融転写方式の2種類が存在する。熱転写層は、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、染料層中のインク(イエロー、マゼンタ、シアン)を昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体である熱転写受像シート側に転写するものである。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用の出力物等、広く利用されている。特に、このような熱転写記録媒体の一つの用途として、染料受像層の裏面に粘着層と離型シートを剥離可能に順次構成することにより、染料受像層に画像を形成後、該染料受像層と粘着層を剥離して任意の物品に貼り付ける用途がある。
しかしながら、昇華転写方式で画像を形成する場合、特に高濃度部を持つ画像を形成した場合に、染料を転写する際の熱により、染料受像層がダメージを受け、微小な凹凸が生じ、外観が損なわれるという欠点が存在し、問題となっている。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1では印画物と保護層転写シートを重ね、前記印画物の画像上に、前記保護層を、前記印画物の少なくとも印画された部分を覆うように熱転写し、次いで、前記保護層転写シートから前記基材シートを剥離する工程を含むことを特徴とする画像形成方法が記載されている。
しかしながら特許文献1に提案されている熱転写記録媒体の印画を行った所、凹凸の目立たない外観に優れた印画物が得られたものの、保護層が厚いため保護層の箔切れが悪く、印画物にバリが発生するという問題が生じた。
特開2002−370422号公報
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、保護層の厚みを上昇させることなく染料転写時の熱により染料受像層表面に生じた微小な凹凸を目立たなくすることにより、外観が優れたものにしつつ、保護層の箔切れ性を向上させバリの発生を防止することを課題とするものである。
上記課題を解決するための手段として、本発明の一態様は、基材の一方の面に染料層と、保護層と、を具備した昇華型熱転写リボンと、前記基材の表面に前記昇華型熱転写リボンの染料を固着させる染料受像層を積層し、その裏面に粘着層と離型シートを順次積層した染料受像シートとの組み合わせからなる熱転写記録媒体において、熱転写後に染料受像シート上に転写される保護層が、低屈折率層と前記低屈折率層よりも屈折率が高い高屈折率層とからなり、熱転写後の印画物の視認する側から、低屈折率層と、高屈折率層の順に積層された構成であり、低屈折率層の屈折率が1.50以上、転写後の保護層の乾燥後の膜厚が0.3μm以上5μm以下の範囲内であることを特徴とする熱転写記録媒体である。
また、請求項1に記載の転写後の高屈折率層の乾燥後の膜厚が、転写後の低屈折率層の乾燥後の膜厚の1.2倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体である。
なお、本発明において「屈折率」とは、JIS−K−7142の方法により測定された値を示している。
本発明の熱転写記録媒体は、染料の熱転写後に染料受像シート上に転写される保護層が、印画後の印画物の視認する側から低屈折率層と、低屈折率層よりも屈折率が高い高屈折率層がこの順に積層された構成であり、低屈折率層の屈折率を1.50よりも大きくし、さらに保護層の乾燥後の膜厚が、0.3μm以上3μm以下の範囲内とすることで、保護層の厚みを上昇させることなく染料転写時の熱により染料受像層表面に生じた微小な凹凸を目立たなくすることにより、外観を優れたものにしつつ、保護層の箔切れ性を向上させることを実現可能とした。
昇華転写方式の熱転写リボンの側断面図である。 染料受像シートの側断面図である。 本発明の第一の実施形態に係る熱転写記録媒体の側断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る熱転写記録媒体の側断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
<熱転写リボンについて>
本発明の実施形態について説明する前に、一般的な昇華転写方式の熱転写リボンについて、図1を参照して、まず説明する。
図1は昇華転写方式の熱転写リボンの側断面図であり、図1に示すように、熱転写リボンは、基材(1)の下面に耐熱滑性層(2)、上面に染料層(イエロー)(11)、染料層(マゼンタ)(12)、染料層(シアン)(13)および接着層(21)、剥離層(22)からなる保護層(3)を離型層(23)上に備えている。染料層の印画後に、保護層を熱転写すると、接着層が印画面に貼りつき、剥離層(22)と離型層(23)の間で剥離することのより、保護層を形成する。
基材(1)と染料層の間には、必要に応じて、下引き層を設けても良い。下引き層とは、熱転写時の染料の基材側への撥ね返りを抑える効果を有する層である。
<染料受像シートについて>
次に、一般的な染料受像シートについて、図2を参照して説明する。
図2は染料受像シートの側断面図であり、図2に示すように、染料受像シートは、受像シート基材(6)の下面に粘着層(8)、離型シート(9)をこの順に積層し、上面に染料受像層(7)を積層している。
<熱転写記録媒体について>
次に、本発明の実施形態における熱転写記録媒体について、図3、4を用いて詳細に説明する。
本発明の第一の実施形態に係る熱転写記録媒体は、図3に示すように、シート基材(6)の一方の面に粘着層(8)と離型シート(9)を順次形成し、シート基材(6)の他方の面に、染料受像層(7)を形成した熱転写受像シートと、リボン基材(1)の一方の面に低屈折率層(4)、高屈折率層(5)からなる保護層(3)を基材側からこの順に形成し、リボン基材(1)の他方の面に、耐熱滑性層(2)を形成した昇華型熱転写リボンの組み合わせからなる構成である。この構成は、一般的な昇華転写方式の熱転写リボンにおける接着層(21)を高屈折率層(5)に変更し、剥離層(22)を低屈折率層(4)に変更してあることを特徴としている。また、一般的には接着層(21)と剥離層(22)を併せて保護層(3)と呼んでいるが、本発明においては高屈折率層(5)と低屈折率層(4)を併せて、同様に保護層(3)と呼んでいる。
本発明の第二の実施形態における熱転写記録媒体は、図4に示すように、シート基材(6)の一方の面に粘着層(8)と離型シート(9)を順次形成し、シート基材(6)の他方の面に、染料受像層(7)を形成した熱転写受像シートと、熱転写受像シートの染料受像層(7)上に高屈折率層(5)と低屈折率層と、をこの順に積層した構成である。つまり、図3の第一の実施形態における熱転写記録媒体から、リボン基材(6)と耐熱滑性層(2)を除いた構成である。
<シート基材について>
シート基材(6)としては、染料受像層(7)および粘着層(8)、離型シート(9)を有し、また熱転写における熱圧により取扱に支障の生じない程度の耐熱性と機械的強度が必要とされる。このような性能を有するものであれば特に限定されず、上質紙、コート紙、キャストコート紙等の紙または樹脂加工した紙、またはポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、塩化ビニルフィルム等または合成紙等各種のものを利用できる。シート基材(6)の厚さは、特に制限はないが、プリンタの搬送性等を考慮すると、一般的には25μm以上300μm以下、好ましくは75μm以上200μm以下とすることで、プリンタの搬送性により支障が少ないものとすることが可能である。25μmより薄い場合には、熱転写時の熱圧により、熱転写受像シートのシワや破断が発生するなどの問題が生じる恐れがあり、300μmより厚い場合には、ハンドリング性に欠けるため、熱転写受像シートの搬送が失敗する等の問題が生じる恐れがあるため、好ましくない。
<粘着層について>
次に、粘着層(8)は、従来公知の溶剤系および水系のもので対応でき、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル・アクリル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。
<離型シートについて>
次に、離型シート(9)は、粘着層から剥離可能な特徴を有しており、従来公知のプラスチックフィルムまたはポリラミ紙等の表面に、シリコーン等の公知の離型剤で離型処理を施した材料が挙げられる。これらの離型シートは20μm以上130μm以下程度の厚みのものが好ましく、離型シートが20μmより薄い場合には、熱転写受像シートの搬送中に離型シートが剥がれたり、シワが発生したりという問題が生じる。一方、離型シートが130μmより厚い場合には、染料受像シートの搬送が失敗したり、プリンタに故障が生じたりする。
<染料受像層について>
次に、染料受像層(7)は、熱転写記録媒体から転写される染料を固着し形成される画像を維持するもので、セルロース誘導体、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、石油樹脂、塩化ゴム、塩素化ポリオレフィン樹脂の1種又は2種以上を用いる。時には、イソシアネートを加え、反応させることもある。通常、厚みは1μm以上10μm以下が一般的である。
また、染料受像層(7)には適宜シリコーンオイルやシリコーンパウダー、シリカ等の各種フィラーを添加しても問題なく、さらに、シート基材(6)と染料受像層(7)の間に、染料受像層の基材への接着を補助するアンカー層や画像印刷層があっても何ら問題ない。
<保護層について>
次に、保護層(3)は、屈折率が1.50以上の低屈折率層(4)と、低屈折率層よりも屈折率が大きい高屈折率層(5)の少なくとも2層の積層からなり、かつ転写後の印画物において、印画後の印画物の視認する側から低屈折率層(4)、高屈折率層(5)の順に順次積層された構造を有するものであり、さらに保護層(3)の乾燥後の膜厚は、0.3μm以上5μm以下の範囲内とする。また、保護層(3)は、低屈折率層(4)と高屈折率層(5)以外に、転写後の印画物において染料受像層(7)側にさらに層を積層してもよい。
<低屈折率層について>
低屈折率層(4)の屈折率が1.50より小さくなると、印画物において画像形成時の熱によって生じる受像層表面の凹凸が目立ち、外観が損なわれるという欠点が生じるため、好ましくない。
低屈折率層(4)に使用される樹脂としては、屈折率が1.50以上であり、透明であること以外、特に限定されるものではなく、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体が透明性と屈折率の調整しやすさの点から、好適である。
また、低屈折率層(4)は前記の屈折率が1.50以上であり、透明であるといった性能を損なわない範囲内で樹脂以外の公知の添加剤を使用することができる。例を挙げると、無機顔料微粒子、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、離型剤、ワックス、樹脂フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤などが挙げられる。
<高屈折率層について>
高屈折率層(5)の屈折率が低屈折率層の屈折率以下となると、印画物において画像形成時の熱によって生じる受像層表面の凹凸が目立ち、外観が損なわれるという欠点が生じるため、好ましくない。
高屈折率層(5)に使用される樹脂としては、屈折率が低屈折率層に使用されている樹脂より大きく、透明であること、且つ、熱溶融性であること以外特に限定されるものではなく、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が透明性と屈折率の調整しやすさの点から、好ましい。アクリル系樹脂の中でも、ポリエステル樹脂が透明性と屈折率に加え、転写時の受像シートへの密着性に優れる点から、より好ましい。
また、高屈折率層(5)は前記の屈折率が低屈折率層に使用されている樹脂より大きく透明であること、且つ、熱溶融性であるといった性能を損なわない範囲内で樹脂以外の公知の添加剤を使用することができる。例を挙げると、無機顔料微粒子、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、離型剤、ワックス、樹脂フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤などが挙げられる。
保護層(3)の乾燥後の膜厚が0.3μmより薄い場合、印画物において画像形成時の熱によって生じる受像層表面の凹凸が目立ち、外観が損なわれるという欠点が生じる。一方、5μmより厚い場合、印画物への転写時に保護層の箔切れ性が劣り、印画物の端部に転写されなかった保護層がバリとなって残るという欠点が生じる。
また、高屈折率層(5)の乾燥後の膜厚は、低屈折率層の1.2倍以上2倍以下であることが好ましい。乾燥後の膜厚を低屈折率層の乾燥後膜厚の1.2倍以上2倍以下にすることにより、印画物において画像形成事時の熱によって生じる受像層表面の凹凸を目立たなくし、外観を優れたものにすることが出来る。高屈折率層(5)の乾燥後の膜厚が、低屈折率層の1.2倍より小さい場合、または高屈折率層(5)の乾燥後の膜厚が、低屈折率層の2倍より大きい場合には、充分に受像層表面の凹凸を目立たなくすることが出来ないため、好ましくない。
なお、低屈折率層(4)、高屈折率層(5)は、いずれも従来公知の塗布方法にて塗布し乾燥することで形成可能である。塗布方法の一例を挙げると、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
また、低屈折率層(4)とリボン基材(1)の間に離型層を設けても良い。離型層は、保護層(3)とリボン基材(1)の剥離強度を適当な範囲内に調整し、熱転写記録媒体からの安定的な剥離性を確保するために設けられるものであり、上記の条件さえ満たしていれば必ずしも必要ではない。離型層の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
また、リボン基材(1)の保護層(3)とは逆の側に耐熱滑性層(2)を設けても良い。耐熱滑性層(2)は熱転写時の、熱転写記録媒体とサーマルヘッドとの摩擦を軽減するために設けられるものであり、従来公知のもので対応でき、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等のバインダー樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して調製し、塗布、乾燥して形成することができる。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<耐熱滑性層付き基材の作製>
基材として、4.5μm厚の片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/mになるように塗布し、100℃にて1分間乾燥することで耐熱滑性層付き基材を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液>
ポリビニルアセタール 25.2部
イソシアネート硬化剤 1.1部
タルク 1.0部
メチルエチルケトン 36.3部
トルエン 36.3部
<染料層の形成>
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により乾燥後膜厚0.2μmになるように塗布し、下引き層を形成した後、下引き層上に、下記組成の染料層形成用塗布液をグラビアコーティング法により、乾燥後膜厚0.70μmになるように塗布し、90℃にて1分間乾燥することで、染料層を形成した。
<下引き層形成用塗布液>
ポリビニルピロリドン 5.0部
純水 76.0部
イソプロピルアルコール 19.0部
<染料層形成用塗布液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール樹脂 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<保護層の形成>
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の離型層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により塗布し、離型層を乾燥後膜厚0.5μmで形成した後、離型層上に、低屈折率層形成用塗布液1をグラビアコーティング法により塗布し、90℃にて1分間乾燥することで、低屈折率層を乾燥後膜厚1.2μmで形成した。さらに低屈折率層の上に高屈折率層形成層用塗布液1をグラビアコーティング法により塗布し、90℃にて1分間乾燥することで、高屈折率層を乾燥後膜厚1.2μmで形成し、実施例1の熱転写リボンを作製した。
<離型層形成用塗布液>
酢酸セルロース樹脂 20.0部
メチルエチルケトン 80.0部
<低屈折率層形成用塗布液1>
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(屈折率=1.51) 5.0部
メチルエチルケトン 47.5部
トルエン 47.5部
<高屈折率層形成用塗布液1>
ポリエステル樹脂(屈折率=1.61) 20.0部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の乾燥後膜厚を0.2μmにし、高屈折率層の乾燥後膜厚を0.2μmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写リボンを得た。
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の乾燥後膜厚を1.0μmにし、高屈折率層の乾燥後膜厚を1.4μmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写リボンを得た。
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の乾燥後膜厚を0.8μmにし、高屈折率層の乾燥後膜厚を1.6μmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写リボンを得た。
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、高屈折率層の塗布液を下記組成の高屈折率層形成用塗布液2にした以外は、実施例4と同様にして、比較例1の熱転写リボンを得た。
<高屈折率層形成用塗布液2>
ポリメチルメタクレート樹脂(屈折率=1.47) 20.0部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の塗布液を下記組成の低屈折率層形成用塗布液2にした以外は、実施例4と同様にして、比較例2の熱転写リボンを得た。
<低屈折率層形成用塗布液2>
ポリメチルメタクレート樹脂(屈折率=1.47) 5.0部
メチルエチルケトン 47.5部
トルエン 47.5部
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の乾燥後膜厚を1.2μmにし、高屈折率層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写リボンを得た。
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、高屈折率層の乾燥後膜厚を1.2μmにし、低屈折率層の形成をしなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写リボンを得た。
(比較例5)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の乾燥後膜厚を0.1μmにし、高屈折率層の乾燥後膜厚を0.1μmにした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写リボンを得た。
(比較例6)
実施例1で作製した熱転写リボンにおいて、低屈折率層の乾燥後膜厚を3.0μmにし、高屈折率層の乾燥後膜厚を3.0μmにした以外は、実施例1と同様にして、比較例6の熱転写リボンを得た。
<染料受像シートの作製>
基材として、188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布厚が5.0μmになるように塗布、乾燥し受像層を形成した。また、逆の面に下記組成の粘着層塗布液をグラビアコーティング法により乾燥後の塗布量が15.0g/mになるように塗布、乾燥して粘着層を形成した。その粘着層面と、100μm厚の表面コロナ処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記に示す離型シート塗布液を乾燥後膜厚0.1μmで塗布後乾燥させた離型シートを対向させてラミネートして、熱転写受像シートを作製した。
<受像層塗布液>
塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
<粘着層塗布液>
アクリル共重合体 48.0部
酢酸エチル 52.0部
<離型シート塗布液>
付加重合型シリコーン 20.0部
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
<印画評価>
染料層を具備した熱転写リボンを使用し、サーマルシミュレーター(ウェッジ社製)にて、熱転写受像シートの染料受像層側に反射濃度OD=2.0のベタ画像および、同反射濃度の線と白地を各1mm幅で並べたストライプ画像を印画した。さらに、熱転写受像シートの染料受像層側に実施例1〜4、比較例1〜6の熱転写リボンを重ね合わせ、サーマルシュミレーターで加熱後、熱転写リボンのリボン基材を剥離して、印画物の画像上に保護層を形成した。
<凹凸目視評価>
上記条件にてストライプ画像を印画後、画像上に保護層を形成した印画物について、保護層の転写後に、線と白地の間で凹凸の差が見えないか目視で判断した。
評価は以下の基準による。

○:保護層の転写後に線と白地の間で凹凸が見えることは無い。
△:保護層の転写後に線と白地の間で凹凸がやや見える。
×:保護層の転写後でも線と白地の間の凹凸が明確に見える。
<箔切れ性能評価>
上記条件にてベタ画像を印画後画像上に保護層を形成した印画物について、保護層の転写後に、印画物の端部に保護層のバリが生じていないか目視で判断した。
評価は以下の基準による。

○:印画物の端部に保護層のバリが生じることはない。
×:印画物の端部に保護層のバリが生じている。

Figure 2015016608
表1に示す結果から、実施例1〜4の熱転写記録媒体は、画像形成時の熱によって生じる受像層の凹凸を目立たなくすることができ、さらに保護層の箔切れ性に優れ、転写時に保護層が印画物の端にバリとして残ることを防止できることが確認できた。一方、比較例1〜5では、画像形成時の熱によって生じる受像層の凹凸を、充分目立たなくすることができず、結果、外観に劣ることが確認できた。また比較例6では、保護層の箔切れ性が劣り、転写時に保護層が印画物の端にバリとなって残ることが確認できた。
本発明により得られる熱転写記録媒体は、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、アミューズメント用出力物、身分証明書などのカード類等に広く利用できる。
1:リボン基材
2:耐熱滑性層
3:保護層
4:低屈折率層
5:高屈折率層
6:受像シート基材
7:染料受像層
8:粘着層
9:離型シート
11:染料層(イエロー)
12:染料層(マゼンタ)
13:染料層(シアン)
21:接着層
22:剥離層
23:離型層

Claims (2)

  1. 基材の一方の面に染料層と、
    保護層と、
    を具備した昇華型熱転写リボンと、
    前記基材の表面に前記昇華型熱転写リボンの染料を固着させる染料受像層を積層し、その裏面に粘着層と離型シートを順次積層した染料受像シートとの組み合わせからなる熱転写記録媒体において、
    熱転写後に染料受像シート上に転写される保護層が、低屈折率層と前記低屈折率層よりも屈折率が高い高屈折率層とからなり、熱転写後の印画物の視認する側から、低屈折率層と、高屈折率層の順に積層された構成であり、低屈折率層の屈折率が1.50以上、転写後の保護層の乾燥後の膜厚が0.3μm以上5μm以下の範囲内であることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 請求項1に記載の転写後の高屈折率層の乾燥後の膜厚が、転写後の低屈折率層の乾燥後の膜厚の1.2倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020097132A (ja) * 2018-12-17 2020-06-25 凸版印刷株式会社 熱転写シート及び印画物

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