JP6273964B2 - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写受像シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに使用される熱転写受像シート及びその製造方法に関する。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式のプリンタに使用され、サーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことである。この熱転写記録媒体は、基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けた構成となっている。ここで熱転写層は、インクの層である。熱転写層は、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクが昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)して、熱転写受像シート側に転写されるものである。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化に伴い、各種画像を簡便にフルカラーに形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなっている。近年では、基材シートの片側に、印画物への耐久性を付与する保護層等を設け、保護層とは重ならないように複数の熱転写層を設けた熱転写記録媒体がかなり普及してきている。
そのような状況の中、用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進むに従って、従来の熱転写記録媒体および熱転写受像シートでは、十分な印画濃度を得ることができないという問題が生じてきた。そのような、十分な印画濃度を得ることができないという問題を解決するために、熱転写受像シートにおいては、染料受容層に特定の樹脂を用いたり、断熱層に特定の樹脂または特定の樹脂フィルムを用いたりすることが提案されている。しかし、染料受容層と断熱層との間、または染料受容層と下引き層との間、または下引き層と断熱層との間の密着性に問題が生じ、場合によっては、印画中に、熱転写受像シートの染料受容層側のいずれかの層から剥離して、熱転写層表面に融着し、異常転写が発生するという問題が生じるおそれがある。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1では、中空粒子を含む中間層(断熱層)上に、アルコキシシリル基含有ウレタン樹脂を含有する画像受容層を積層することで、基材密着性が良好で、印画濃度が高い熱転写受容シートが提案されている。
また特許文献2では、ポリオレフィン支持体と染料像受容層との間に、チタン酸有機塩またはチタニウムアルコキシドから形成されるチタンの酸化物である無機主鎖を有するポリマーからなる下塗り層を設けることで、染料受容層の支持体への粘着を改善した染料受容素子が提案されている。
また特許文献3では、ポリオレフィン支持体と染料像受容層との間に、ジルコニウム酸有機塩またはジルコニウムアルコキシドから形成されるジルコニウムの酸化物である無機主鎖を有するポリマーからなる下塗り層を設けることで、染料受容層の支持体への粘着を改善した染料受容素子が提案されている。
特開2009−160829号公報 特開平4−103395号公報 特開平4−99697号公報
しかしながら、特許文献1に提案されている熱転写受容シートを用いて、昨今の高速印画プリンタにて印画を行ったところ、基材密着性は良好であることが確認できたが、十分な印画濃度を得ることができなかった。
また、特許文献2及び特許文献3に提案されている染料受容素子を用いて、昨今の高速印画プリンタにて印画を行ったところ、十分な印画濃度を得ることができないばかりか、染料受容層が熱転写層表面に融着してしまう、異常転写が発生してしまった。
これまで染料受容層、下引き層、断熱層に関して、様々なバインダや添加剤、樹脂フィルム等を用いる報告がされている。しかし、昨今の高速印画プリンタにおいて印画を行うと、印画濃度が高く、基材密着性も良好である熱転写受像シートは見出されていない状況である。
本発明は、そのような点に着目してなされたもので、高速印画を行っても、印画濃度が高く、基材密着性も良好な熱転写受像シートを提供することを目的としている。
本発明者らは、下引き層に用いる材料を規定することで、上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様である熱転写受像シートは、基材の一方の面に、断熱層、下引き層、及び染料受容層を順次積層して形成した熱転写受像シートにおいて、下引き層は、アルコキシド、アルコキシドの加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とからなる重縮合物を主成分としていることを特徴とし、アルコキシドが、テトラエトキシシラン若しくはトリイソプロポキシアルミニウム、またはテトラエトキシシランとトリイソプロポキシアルミニウムの混合物である
ウレタン系樹脂は、エステル系ポリウレタンであってもよい。
ウレタン系樹脂は、アイオノマー型ポリウレタンであってもよい。
水溶性高分子は、ポリビニルアルコールであってもよい。
水溶性高分子は、ポリビニルピロリドンであってもよい
また本発明の一態様である熱転写受像シートの製造方法は、基材の一方の面に、断熱層、下引き層、及び染料受容層を順次積層して形成される熱転写受像シートの製造方法であって、下引き層を、アルコキシド、アルコキシドの加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とが形成後の下引き層において主成分となるように調整した塗布液を、塗布して、乾燥して形成することを特徴とし、アルコキシドが、テトラエトキシシラン若しくはトリイソプロポキシアルミニウム、または、テトラエトキシシランとトリイソプロポキシアルミニウムの混合物である
本発明の一態様によれば、熱転写受像シートにおいて、昨今の高速印画プリンタにて高速印画を行っても、印画濃度が十分に高く、断熱層および染料受容層との密着性も良好である熱転写受像シートを得ることが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る熱転写受像シートの側断面図
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、熱転写受像シート1の模式図である。本実施形態の熱転写受像シート1は、少なくとも基材2、断熱層3、下引き層4及び染料受容層5がこの順に積層されて構成される。本実施形態は、下引き層4に特徴がある。下引き層4は、アルコキシド、アルコキシドの加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とからなる重縮合物を主成分としている。ウレタン系樹脂は、エステル系ポリウレタンであってもよいし、アイオノマー型ポリウレタンであってもよい。水溶性高分子は、ポリビニルアルコールであってもよいし、ポリビニルピロリドンであってもよい。アルコキシドは、テトラエトキシシラン若しくはトリイソプロポキシアルミニウム、またはテトラエトキシシランとトリイソプロポキシアルミニウムの混合物であってもよい。
また、本実施形態の熱転写受像シート1の製造方法は、アルコキシド、アルコキシドの加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とが形成後の下引き層において主成分となるように調整した塗布液を、塗布して、乾燥して、下引き層を形成するものである。
基材2は、従来公知の熱転写受像シートの基材と同じ材料のものを用いることができる。基材2には、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム、又は上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙などの紙類等を、単独でまたは組み合わされた複合体として使用可能である。
基材2は、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮し、厚さが25μm以上250μm以下の範囲のものを使用可能であるが、厚さが50μm以上200μm以下のものが好ましい。
次に、基材2の一方の面上に設けられた断熱層3は、従来公知の熱転写受像シートの断熱層と同じ材料のものを用いることができる。断熱層3としては、例えば、中空粒子とバインダ樹脂によって構成されるもの、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、又は発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた断熱層を挙げることができる。ただし、画質に影響を与える平滑性や光沢性等を考慮し、発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを、断熱層3として用いることが好ましい。
断熱層3は、厚さが10μm以上80μm以下の範囲のものを使用可能であるが、厚さが20μm以上60μm以下のものが好ましい。
次に、基材2の断熱層3側の最表面に設けられた染料受容層5は、従来公知の熱転写受像シートの染料受容層と同じ材料のものを用いることができ、少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する。
染料受容層5に用いられるバインダ樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリブタジエン、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性樹脂等を挙げることができるが、特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
染料受容層5に用いられる離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等を使用できる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
染料受容層5は、厚さが0.1μm以上10μm以下の範囲のものを使用可能であるが、厚さが0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また、必要に応じて、染料受容層5に、架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有させても良い。
本実施形態の熱転写受像シート1は、断熱層3と染料受容層5との間に、少なくとも下引き層4を有する。本実施形態の下引き層4は、アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とからなる重縮合物を主成分としている。本明細書において主成分とは、例えば、下引き層4全体に対して50質量%を超える成分を指す。
この下引き層4は、アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とを主成分として含む塗布液(下引き層形成塗布液)を、塗布して、乾燥して形成される。この下引き層4を設けることによって、後述の実施例から分かるように、昨今の高速印画プリンタにて高速印画を行っても、印画濃度が十分に高く、隣接して積層された断熱層3または/および染料受容層5との密着性が良好な印画物を得ることができる。
ここで、本明細書において主成分には、本発明が求める印画濃度及び基材密着性の効果を損なわない限り、上記アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂の他に、さらに他の成分を含むこともあり得る。上記アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂との合計は、形成後の下引き層4の全体からみて、50質量%超で含まれていればよく、80質量%以上含まれていれば好ましい。
また下引き層4では、アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫が、反応性に富む無機成分であり、水溶液中から乾燥形成される中で自らが重縮合反応して鎖状あるいは三次元構造のポリマーを形成する他、水溶性高分子及びウレタン系樹脂とは分子レベルの複合体を形成すると考えられる。そこで、下引き層4のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫との重縮合物は、高速印画時における更なる印画濃度の向上に寄与するばかりでなく、水溶性高分子だけでは不十分な下引き層4と断熱層3との密着性または/および下引き層4と染料受容層5との密着性の向上に寄与するものと考えられる。また、ウレタン系樹脂に関しては、下引き層4と断熱層3との密着性または/および下引き層4と染料受容層5との更なる密着性の向上に寄与するものと考えられ、より高速印画となった場合においても、異常転写の発生を防ぐことができるという効果を発現する。
下引き層4に用いられるアルコキシドとしては、例えばテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−C〕(−Cはイソプロピルアルキル基)などの下記一般式(1)で表せるものを例示できる。その中でもテトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムが水系の溶媒中においても比較的安定であるため好ましい。
M(OR)・・・(1)
(一般式(1)において、Mは、Si、Ti、Al、Zr等の金属を表す。Rは、CH、C等のアルキル基を表す。nは、Mの種類によって異なる1〜4の整数を表す。)
下引き層4に用いられる塩化錫に関しては、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
下引き層4に用いられるウレタン系樹脂としては、エステル系ポリウレタン樹脂、エーテル系ポリウレタン樹脂、カーボネート系ポリウレタン樹脂などを乳化剤によりエマルジョン化したエマルジョン型ポリウレタン樹脂、又は、エステル系ポリウレタン樹脂、エーテル系ポリウレタン樹脂、カーボネート系ポリウレタン樹脂などに、カルボン酸またはスルホン酸などの金属塩またはアンモニウム塩を部分的に結合させて水溶性を付与したアイオノマー型ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。耐水性、耐可塑剤性、耐熱性の点から、カルボキシル基を有するエステル系ポリウレタン樹脂をエマルジョン化したエマルジョン型エステル系ポリウレタン樹脂、あるいはアイオノマー型ポリウレタン樹脂を用いることが望ましい。
下引き層4に用いられる水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。その中でもポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましく、より好ましくはポリビニルアルコールである。なおここでいうポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存しているいわゆる部分けん化ポリビニルアルコールから、酢酸基が数%しか残存していないいわゆる完全けん化ポリビニルアルコールまでを含み、特に限定されるものではない。
下引き層4は、アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とを主成分として含む塗布液を、塗布して乾燥して形成するわけであるが、水溶性高分子と、「アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも1つにより構成された成分」との配合比率、および、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂との配合比率は、共に9/1〜1/9の範囲であり、高速印画時における印画濃度、下引き層4と断熱層3との密着性または/および下引き層4と染料受容層5との密着性を考慮すると、より好ましくは8/2〜2/8の範囲である。また、下引き層4あるいは下引き層形成塗布液には、上記性能を損なわない範囲で、イソシアネート化合物等の架橋剤、酸化チタン等の白色化剤、蛍光染料、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤を使用することができる。
下引き層4は、厚さが0.1μm以上6μm以下の範囲のものを使用可能であるが、厚さが0.2μm以上5μm以下のものが好ましい。0.1μm未満であると、下引き層4の膜厚調整が困難であり、膜厚が0.1μm未満でバラツキが生じると、印画濃度にバラツキが発生してしまう。また、下引き層4と断熱層3との密着性または/および下引き層4と染料受容層5との密着性に問題を抱える不安もある。一方、6μm超では、高速印画時における印画濃度が飽和するおそれがある。よってコスト面の観点から6μm以下であることが好ましい。
また本実施形態の熱転写受像シート1には、基材2と断熱層3とを貼り合わせるための接着層を設けても良い。接着層に用いられる材料としては、従来公知の熱転写受像シートの接着層と同じ材料のものを用いることができる。接着層には、例えばポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、又は酢酸ビニル系樹脂等を使用できる。その中でもポリエチレンやウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また本実施形態の熱転写受像シート1には、基材2の断熱層3が設けられている側とは反対側に、裏面層を設けても良い。裏面層は、プリンタ搬送性向上や、染料受容層5とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シート1のカール防止のために設けられる。裏面層に用いられる材料としては、従来公知の熱転写受像シートの裏面層と同じ材料のものを用いることができる。裏面層には、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はポリアミド等のバインダ樹脂を用いることができる。また必要に応じて、裏面層に、フィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有させても良い。
以下に、本発明の実施例1〜17及び比較例1〜7について説明する。以下では、各実施例および各比較例に用いた材料などを示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として厚さ140μmの上質紙を使用し、一方の面に溶融押し出し法により厚さ30μmの第1ポリエチレン樹脂層を形成した。また、発泡ポリプロピレンフィルムの片面にスキン層を設けた、厚さ40μmの断熱層を用意した。
次に、基材の第1ポリエチレン樹脂層側とは反対側の面と、断熱層のスキン層を設けていない面との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出しして第2ポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて貼り合わせた。また、この溶融押し出しした第2ポリエチレン樹脂層の厚さは15μmとなるように形成した。
発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層側に、下引き層塗布液−1を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。更にその下引き層の上に、染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−1>
塩化第一錫 2.0部
メチルセルロース 1.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
エマルジョン型エーテル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
<染料受容層塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.5部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−2>
塩化第一錫 2.0部
メチルセルロース 1.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−3にした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−3>
塩化第一錫 2.0部
メチルセルロース 1.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
アイオノマー型エーテル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−4にした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−4>
塩化第一錫 2.0部
ポリビニルアルコール 1.5部
(PVA424H、(株)クラレ製)
エマルジョン型エーテル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−5にした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−5>
塩化第一錫 2.0部
ポリビニルピロリドン 1.5部
(ISPジャパン(株)製)
エマルジョン型エーテル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例6)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−6にした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−6>
テトラエトキシシラン 7.3部
メチルセルロース 2.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
エマルジョン型エーテル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例7)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−7にした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−7>
トリイソプロポキシアルミニウム 7.3部
メチルセルロース 2.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
エマルジョン型エーテル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例8)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−8にした以外は、実施例1と同様にして、実施例8の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−8>
塩化第一錫 2.0部
ポリビニルアルコール 1.5部
(PVA424H、(株)クラレ製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例9)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−9にした以外は、実施例1と同様にして、実施例9の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−9>
塩化第一錫 2.0部
ポリビニルピロリドン 1.5部
(ISPジャパン(株)製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例10)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−10にした以外は、実施例1と同様にして、実施例10の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−10>
塩化第一錫 2.0部
ポリビニルアルコール 1.5部
(PVA424H、(株)クラレ製)
アイオノマー型エーテル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例11)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−11にした以外は、実施例1と同様にして、実施例11の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−11>
塩化第一錫 2.0部
ポリビニルピロリドン 1.5部
(ISPジャパン(株)製)
アイオノマー型エーテル系ポリウレタン 2.5部
純水 62.5部
エチルアルコール 28.0部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例12)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−12にした以外は、実施例1と同様にして、実施例12の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−12>
テトラエトキシシラン 7.3部
メチルセルロース 2.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例13)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−13にした以外は、実施例1と同様にして、実施例13の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−13>
テトラエトキシシラン 7.3部
メチルセルロース 2.5部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
アイオノマー型エーテル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例14)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−14にした以外は、実施例1と同様にして、実施例14の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−14>
テトラエトキシシラン 7.3部
ポリビニルアルコール 2.5部
(PVA424H、(株)クラレ製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例15)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−15にした以外は、実施例1と同様にして、実施例15の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−15>
テトラエトキシシラン 7.3部
ポリビニルピロリドン 2.5部
(ISPジャパン(株)製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例16)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−16にした以外は、実施例1と同様にして、実施例16の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−16>
テトラエトキシシラン 7.3部
ポリビニルアルコール 2.5部
(PVA424H、(株)クラレ製)
アイオノマー型エーテル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(実施例17)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−17にした以外は、実施例1と同様にして、実施例17の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−17>
テトラエトキシシラン 7.3部
ポリビニルピロリドン 2.5部
(ISPジャパン(株)製)
アイオノマー型エーテル系ポリウレタン 2.2部
0.1N塩酸 52.0部
純水 32.5部
イソプロピルアルコール 3.5部
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−18にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−18>
塩化第一錫 1.8部
ポリビニルアルコール 1.2部
(PVA424H、(株)クラレ製)
純水 64.0部
エチルアルコール 29.1部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−19にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−19>
塩化第一錫 1.8部
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 1.2部
純水 64.0部
エチルアルコール 29.1部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−20にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−20>
ポリビニルアルコール 1.5部
(PVA424H、(株)クラレ製)
エマルジョン型エステル系ポリウレタン 1.5部
純水 64.0部
エチルアルコール 29.1部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−21にした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−21>
ポリビニルアルコール 3.0部
(PVA424H、(株)クラレ製)
純水 64.0部
エチルアルコール 29.1部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−22にした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−22>
ポリビニルピロリドン 3.0部
(ISPジャパン(株)製)
純水 64.0部
エチルアルコール 29.1部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例6)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−23にした以外は、実施例1と同様にして、比較例6の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−23>
テトラエトキシシラン 10.4部
0.1N塩酸 89.6部
(比較例7)
実施例1の発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層側に、下引き層を設けることなく、実施例1と同様の染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、比較例7の熱転写受像シートを得た。
<熱転写記録媒体の作製>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その易接着処理面の反対面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(東亜合成(株)US−350)
メチルエチルケトン 50.0部
<熱転写層塗布液>
C.I.ソルベントブルー36 2.5部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<印画評価>
実施例1〜17、比較例1〜7の熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用し、解像度が300×300DPIで、印画速度を1.5msec/lineと1.4msec/lineとで変更できる評価用サーマルプリンタにて、ベタ画像の印画を行い、以下の評価を行った。
昨今の高速印画プリンタ相当の印画速度である1.5msec/lineでは、最高反射濃度、異常転写、及びセロテープ剥離試験の評価を行った。また昨今の高速印画プリンタより速い印画速度の1.4msec/lineでは、異常転写及びセロテープ剥離試験の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、ここで言う異常転写とは、熱転写時に熱転写受像シート側のいずれかの層間にて剥離し、熱転写層へ転写してしまうことを言う。
・最高反射濃度は、X−rite528にて測定を行った。
・異常転写の評価は、以下の基準にて行った。
○:異常転写の発生無し。
×:異常転写が部分的に発生。
××:異常転写が全面に発生。
・セロテープ剥離試験は、ベタ画像にセロテープCT−24(ニチバン(株)製)を貼り付けて試験を行った。セロテープ剥離試験の評価は、以下の基準にて行った。
○:剥離無し。
△:いずれかの層より、セロテープ(登録商標)を貼り付けた面積の4分の1未満の面積が剥離。
×:いずれかの層より、セロテープを貼り付けた面積の4分の1以上の面積が剥離。
Figure 0006273964
表1に示す結果から分かるように、アルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂を主成分として含む塗布液を塗布、乾燥して形成した下引き層を設けられた熱転写受像シートは、昨今の高速印画プリンタ相当の印画速度である1.5msec/lineでは、最高反射濃度も十分に高く、異常転写の不具合も発生せず、セロテープ剥離試験においても熱転写受像シートの各層が剥離することなく、十分な密着強度を有しており、本発明による効果が確認できた。
またウレタン系樹脂をエステル系ポリウレタン、またはアイオノマー型ポリウレタンとした実施例2,3,8〜17では、昨今の高速印画プリンタより速い速度の1.4msec/lineにて印画を行った際でも、印画物のセロテープ剥離試験においては熱転写受像シートのいずれの層からも剥離することなく、十分な密着強度を有しており、本発明による効果が確認できた。
また実施例4,8,10,14,16では水溶性高分子をポリビニルアルコールとすることで、また5,9,11,15,17では水溶性高分子をポリビニルピロリドンとすることで、最高反射濃度が更に大きくなり、本発明による効果が確認できた。
実施例6または実施例7では、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムを用いても、昨今の高速印画プリンタ相当の印画速度である1.5msec/lineでは、最高反射濃度も十分に高く、異常転写の不具合も発生せず、セロテープ剥離試験においても熱転写受像シートの各層が剥離することなく、十分な密着強度を有しており、本発明による効果が確認できた。
これに対して比較例1の熱転写受像シートは、下引き層にウレタン系樹脂を用いず、塩化第一錫と水溶性高分子であるポリビニルアルコールのみで設けた結果、1.5msec/lineの印画速度においては、最高反射濃度は十分に高く、異常転写も発生しなかったが、セロテープ剥離試験では断熱層と下地層間で一部分が剥離してしまうことが確認できた。また1.4msec/lineの印画速度においては、異常転写が部分的に発生する結果となった。
比較例2の熱転写受像シートは、下引き層に水溶性高分子を用いず、塩化第一錫とエステル系ポリウレタンのみで設けた結果、昨今の高速印画プリンタ以上の印画速度となった際でも十分な密着強度を有していることがわかったが、水溶性高分子を用いないことで、最高反射濃度が大幅に低下することがわかった。
比較例3の熱転写受像シートは、下引き層にアルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一つを用いず、水溶性高分子であるポリビニルアルコールとウレタン系樹脂のみで設けた結果、1.5msec/lineの印画速度においては、最高反射濃度は十分に高く、異常転写も発生しなかったが、セロテープ剥離試験では断熱層と下地層間で一部分が剥離してしまうことが確認できた。また1.4msec/lineの印画速度においては、異常転写が部分的に発生する結果となった。
比較例4の熱転写受像シートは、下引き層を水溶性高分子であるポリビニルアルコールのみで設けた結果、1.5msec/lineの印画速度においては、最高反射濃度に関しては十分に高いものの、実用上問題となる異常転写が部分的に発生する結果となった。
比較例5の熱転写受像シートは、下引き層を水溶性高分子であるポリビニルピロリドンのみで設けた結果、比較例4と同様に、1.5msec/lineの印画速度においては、最高反射濃度に関しては十分に高いものの、実用上問題となる異常転写が部分的に発生する結果となった。
比較例6の熱転写受像シートは、下引き層をアルコキシドのテトラエトキシシランのみで設けた結果、最高反射濃度が大幅に低下してしまうのみだけでなく、実用上問題となる異常転写も部分的に発生する結果となった。
比較例7の熱転写受像シートは、染料受容層と断熱層の間に下引き層を設けなかったことにより、全面に異常転写が発生してしまった。その結果、最高反射濃度の測定も実施できなかった。
本発明は、昇華転写方式のプリンタなどに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラーで形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
2:基材
3:断熱層
4:下引き層
5:染料受容層

Claims (6)

  1. 基材の一方の面に、断熱層、下引き層、及び染料受容層を順次積層して形成した熱転写受像シートにおいて、
    前記下引き層は、アルコキシド、アルコキシドの加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とからなる重縮合物を主成分としていることを特徴とし、
    前記アルコキシドが、テトラエトキシシラン若しくはトリイソプロポキシアルミニウム、または、テトラエトキシシランとトリイソプロポキシアルミニウムの混合物である、熱転写受像シート。
  2. 前記ウレタン系樹脂が、エステル系ポリウレタンであることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記ウレタン系樹脂が、アイオノマー型ポリウレタンであることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
  6. 基材の一方の面に、断熱層、下引き層、及び染料受容層を順次積層して形成される熱転写受像シートの製造方法であって、
    前記下引き層を、アルコキシド、アルコキシドの加水分解物、又は塩化錫の少なくとも一つと、水溶性高分子と、ウレタン系樹脂とが形成後の下引き層において主成分となるように調整した塗布液を、塗布して、乾燥して形成することを特徴とし、
    前記アルコキシドが、テトラエトキシシラン若しくはトリイソプロポキシアルミニウム、または、テトラエトキシシランとトリイソプロポキシアルミニウムの混合物である、熱転写受像シートの製造方法。
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