JP2017052106A - 昇華転写用受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】金属光沢があり、高速で印画を行っても剥離性が良好である昇華転写用受像シートを提供する。【解決手段】基材(2)の一方の面に、ポリオレフィンフィルムからなる断熱層(3)、金属光沢層(4)、染料受容層(5)を順次積層形成した昇華転写用受像シート1である。金属光沢層(4)は、アルミニウムを主成分とする層であり、染料受容層(5)はガラス転移温度70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂からなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに使用される昇華転写用受像シートに係わり、基材の一方の面に、ポリオレフィンフィルムからなる断熱層、金属光沢層、染料受容層を順次積層形成した昇華転写用受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体とは、熱転写方式のプリンタに使用され、所謂サーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことであり、例えば基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けた構成となっている。ここで熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、熱転写受像シート側に転写するものである。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と合わせて各種画像を簡便にフルカラーに形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。また、用途の多様化に伴い金属光沢など付加価値を持った製品も求められている。
金属光沢を設ける理由は、金属光沢によりメタリック調の画像が得られることから、装飾性の高い画像を提供することを主な目的としている。
そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年ではインクリボンにおいて、基材のインク層を有する面と同一面側に、印画物への耐久性を付与する保護層等をインク層と重ならないように設けられた、複数の熱転写層を有する昇華転写用記録媒体がかなり普及してきている。
そのような状況の中、用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進むに従って、従来の昇華転写用記録媒体および昇華転写用受像シート(以下、熱転写受像シート)では、十分な印画濃度を得ることができないという問題が生じてきた。またそのような、十分な印画濃度を得ることができないという問題を解決するために、熱転写受像シートにおいては、染料受容層に特定の樹脂を用いたり、断熱層に特定の樹脂または特定の樹脂フィルムを用いたりすることも提案されているが、染料受容層と断熱層間、または染料受容層と下引き層間、または下引き層と断熱層間の密着性に問題が生じ、場合によっては印画中に、熱転写受像シートにおける染料受容層側のいずれかの層から剥離が発生して熱転写層表面に融着し、異常転写が発生するという問題も生じている。
このような問題を解決すべく、例えば特許文献1では、中空粒子を含む中間層(断熱層)上に、金属蒸着層を有し、受容層にポリビニルブチラール樹脂を用いることを特徴とした熱転写受容シートが提案されている。
また特許文献2では、断熱層と基材の中間に金属層を設けることが提案されている。
特開2009−154399号公報 特開平11−157225号公報
しかしながら、従来提案されている熱転写受容シートを用いて、昨今の高速印画プリンタにて同じく印画を行ったところ、金属光沢や濃度は十分であるものの、融着が発生する場合や、さらに中空粒子が起因すると思われる画質ムラなども確認されている。
また、金属層の上に断熱層が存在するような他の構成の熱転写受容シートでは、十分な金属光沢を得ることができないなどの不具合が見出された。
本発明は、上記のような点に着目したもので、金属光沢および剥離性に優れた熱転写受像シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、金属光沢層および染料受容層の材料を規定することで、上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材の一方の面に、空隙を含むポリオレフィンフィルムからなる断熱層、金属光沢層、染料受容層を順次形成してなる昇華転写用受像シートにおいて、前記金属光沢層がアルミニウムを主成分とする層であり、前記染料受容層がガラス転移温度70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂からなることを特徴とする昇華転写用受像シートである。
次に、請求項2に記載の発明は、前記金属光沢層の厚さが30nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の昇華転写用受像シートである。
本発明の態様によれば、熱転写受像シートにおいて、金属光沢による高い装飾性の付与ならびに熱転写受像シートを巻取りあるいは重ねて保存した場合のブロッキング防止性やプリンタによる印画後の熱転写記録媒体(インクリボン)との張り付き防止などを達成するための剥離性に優れた昇華転写用受像シートを提供可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る熱転写受像シートの側断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の熱転写受像シート1の側断面図である。
本実施形態の熱転写受像シート1は、図1に示すように、少なくとも基材2の一方の面上に、空隙を含むポリオレフィンフィルムの断熱層3、金属光沢層4及び染料受容層5がこの順番で積層されて構成されている。
基材2は、従来公知のものを採用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム、および上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙などの紙類等を単独で、または組み合わされた複合体として使用可能である。
基材2の厚さは、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮し、25μm以上250μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは50μm以上200μm以下程度のものが好ましい。
次に、断熱層3は、空隙を含むポリオレフィンフィルムを用いる。空隙を含むポリオレフィンフィルム(発泡ポリオレフィンフィルム)であれば従来公知のものを使用でき、片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた断熱層を挙げることができる。ただし、画質に影響を与える平滑性や光沢性等を考慮し、発泡ポリオレフィンフィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。発泡ポリオレフィンフィルムはクッション性や断熱性に優れるため、高発色で高画質の画像を得ることができると考えられる。
断熱層3の厚さは、10μm以上80μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは20μm以上60μm以下程度のものが好ましい。
ここで、本実施形態の熱転写受像シートには、基材2と断熱層3を貼り合わせるための接着層を設けても良い。接着層に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が使用できる。その中でもポリエチレンやウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
本実施形態の熱転写受像シート1は、断熱層3と染料受容層5との間に、金属光沢層4が介挿されている。
前記金属光沢層4は、アルミニウムを主成分として含む。なおここでいう主成分とは、全体の50重量%超で含まれることを意味するが、好ましくは80重量%以上である。アルミニウム以外にも金属光沢を付与できる従来公知の金、銀、プラチナ等の金属を用いることも可能だが、低コストで性能を付与できるアルミニウムが好ましい。また、上記アルミニウムの含有量を満たす範囲ならば、本発明の性能を損なわない範囲でアルミニウムの一部を合金とすることも可能である。
この金属光沢層4は、従来公知の真空蒸着法、スパッタリング法などのPVD法や、CVD法などの乾式めっき方法にて作製することができる。またその他に金属光沢を付与する方法として、金属粉顔料等を塗布する方法があるが、顔料の凹凸に起因した画質の低下や厚さが大きくなることによる濃度低下を生じるため、不適である。
金属光沢層の厚さは5〜100nm、好ましくは10〜80nm、さらに好ましくは30〜50nmである。金属光沢層の厚さが5nm未満であると十分な金属光沢を得られない懸念がある。一方、金属光沢層の厚さが100nmより大きいと断熱性を損なう懸念や生産性の低下、材料コストの増加などの懸念がある。
次に、基材2の断熱層3側の最表面に設けられた染料受容層5は、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を主成分としてなる樹脂層である。ここでいう主成分とは、本発明の効果を損なわない限り、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体に、さらに他の成分が添加されていても良い旨を表し、前記共重合体が、染料受容層形成時の全体からみて50重量%超で含まれる意味であるが、好ましくは80重量%以上である。
なお、主成分となる樹脂は、ガラス転移温度(Tg)70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体であれば従来公知のものを使用できる。
また、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーを従来公知の方法で重合することで作製できる。従来公知の重合方法としては、懸濁重合、溶液重合、エマルジョン重合などがある。なお、塩化ビニル系重合体の重合度(分子量)は重合温度に依存し、高重合度の塩化ビニル系重合体を取得するには低温で重合を行う必要があることが広く知られている。
また、ここでいうガラス転移温度とは、得られた樹脂を溶剤に溶解した後、離型性基材上に塗布後、50℃にて乾燥しフィルム化した樹脂をDSC(示差熱操作分析)にて測定したものである。さらに、得られた分子量はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)にて測定することが可能である。なお、本発明でいう分子量とは数平均分子量のことである。
前記塩化ビニル酢酸ビニル共重合体は、ガラス転移温度(Tg)を70℃以上にすることで、高発色の染料受容層となることが確認された。これはガラス転移温度が、塩化ビニルモノマーと酢酸ビニルモノマーの比率におおよそ相関性があるためと考えられる。ガラス転移温度が高いものは、極性が高い塩化ビニルモノマーの比率が高いため、高発色になると考えられる。さらに分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を用いることで、樹脂のタック性を下げることができ、巻取りあるいは重ね保存中のブロッキング防止性やプリンタによる印画後の熱転写記録媒体(インクリボン)との張り付きを低減するための剥離性を改善できることが確認された。
また、染料受容層5には離型剤を添加することにより、更なる剥離効果を期待することができる。用いられる離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、金属石鹸、ワックス類等が使用できる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
染料受容層5の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また必要に応じて架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有しても良い。
以上のような断熱層3および金属光沢層4および染料受容層5を使用することにより、金属光沢による高い装飾性を有すると同時に、剥離性に優れた熱転写受像シートを提供することができる。
また、金属光沢層4と染料受容層5の間に本発明の性能を損なわない範囲で下引き層を設けても良い。下引き層の厚さは、0.1μm以上6μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上5μm以下程度のものが好ましい。0.1μm未満であると、下引き層の膜厚調整が困難であり、金属光沢層4および染料受容層5の少なくとも一方の層との密着性に問題を抱える不安がある。一方、6μm超では、高速印画時における印画濃度が飽和する。よってコスト面の観点から6μm以下であることが好ましい。
下引き層に用いられる樹脂としては従来公知のもので対応でき、例えば、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
また本実施形態の熱転写受像シート1には、基材2の断熱層3が設けられている側とは
反対側に、裏面層を設けても良い。裏面層はプリンタ搬送性向上や、染料受容層5とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。裏面層に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂を用いることができる。また必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有しても良い。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として厚さ140μmの上質紙を使用し、その一方の面に溶融押し出し法により厚さ30μmのポリエチレン樹脂層1を形成した。
次に、厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの片面にスキン層を設けた断熱層を用意し、発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層側に、真空蒸着法にてアルミニウムからなる30nmの金属光沢層を作製した。その断熱層の金属光沢層を設けていない面側(スキン層を設けていない面側)を、基材におけるポリエチレン樹脂層1を形成した面とは反対側の面側に向けて当該断熱層を基材に対向配置し、その基材と断熱層との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出ししてポリエチレン樹脂層2を形成し、サンドラミ方式にて貼り合わせた。また溶融押し出ししたポリエチレン樹脂層2の厚さは15μmとなるように形成した。
その後、下記組成の染料受容層塗布液−1を、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−1>
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 15.0部
(ソルバインCH、日信化学工業(株)製、Tg73℃、分子量38000)
シリコーンオイル 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 42.2部
トルエン 42.3部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−2>
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 15.0部
(ソルバインCN、日信化学工業(株)製、Tg75℃、分子量42000)
シリコーンオイル 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 42.2部
トルエン 42.3部
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、金属光沢層の厚さを20nmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、金属光沢層の厚さを50nmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、金属光沢層の厚さを70nmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層塗布液−3にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−3>
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 15.0部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製、Tg70℃、分子量31000)
シリコーンオイル 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 42.2部
トルエン 42.3部
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層塗布液−4にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
なお、下記塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の組成比は、塩化ビニル:酢酸ビニル=79:21である。
<染料受容層塗布液−4>
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 15.0部
(Tg68℃、分子量38000)
シリコーンオイル 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 42.2部
トルエン 42.3部
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層を下記組成の染料受容層塗布液−5にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。なお、下記塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の組成比は塩化ビニル:酢酸ビニル=89:11である。
<染料受容層塗布液−5>
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 15.0部
(Tg73℃、分子量35000)
シリコーンオイル 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 42.2部
トルエン 42.3部
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、金属光沢層を除いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを得た。
<熱転写記録媒体の作製>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(東亜合成(株)US−350)
メチルエチルケトン 50.0部
<熱転写層塗布液>
C.I.ソルベントブルー36 2.5部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<印画評価>
実施例1〜5、比較例1〜4の熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用し、印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにてベタ画像の印画を行い、最高反射濃度の評価を行った。また、温度0℃/相対湿度10%RH環境下に3時間保存後、温度0℃/相対湿度10%RH環境下にて熱転写受像紙シートを用い、剥離性(異常転写)の評価を行った。なお、温度0℃/相対湿度10%RHを選定した理由としては、低温低湿環境下の方が、プリンタの印加エネルギーが大きくなると考えたためである。評価結果を表1に示す。なお最高反射濃度は、X−rite528にて測定した値である。また剥離性の評価は、以下の基準にて行った。なお、ここで言う異常転写とは、熱転写時に熱転写受像シート側のいずれかの層間にて剥離し、熱転写層へ転写してしまうことを言う。
○ :異常転写の発生無し。
× :異常転写が部分的に発生。
××:異常転写が全面に発生。
また、最高反射濃度の評価は、以下の基準にて行った。△以上が実用上問題ないレベルである。
○:比較例4から濃度低下がほとんどない(濃度低下が0.03未満)。
△:比較例4よりも濃度低下がわずかに生じる
(濃度低下が0.03以上0.05未満)。
×:比較例4よりも濃度低下が発生(濃度低下が0.05以上)。
また、金属光沢の評価は下記の基準にて行った。△以上が実用上問題ないレベルである。
○ :金属光沢がある。
△ :金属光沢があるもののわずかに透過性がある。
× :金属光沢がない。
表1に示す結果から分かるように、基材の一方の面に、空隙を含むポリオレフィンフィルムの断熱層、金属光沢層、染料受容層を順次形成した熱転写受像シートにおいて、前記金属光沢層がアルミニウムを含み、前記染料受容層がガラス転移温度70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を主成分として含む実施例1〜5の熱転写受像シートは、金属光沢があり、最高反射濃度も十分に高く、低温・低湿環境下での異常転写の不具合も発生せず、本発明による効果が確認された。
これに対して、比較例1、3の熱転写受像シートは、染料受容層に分子量が38000
未満の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を用いた結果、金属光沢は十分なものの、剥離性に課題が生じた。さらに、比較例2の熱転写受像シートはガラス転移温度70度未満の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を用いた結果、金属光沢は十分なものの、剥離性に課題が生じた。なお、比較例1、2の熱転写受像シートは剥離性が悪く異常転写が広く発生したため、最高反射濃度を測定することができなかった。
比較例4の熱転写受像シートは、金属光沢層を設けなかったことにより、最高反射濃度も十分に高く、剥離性も問題なかったが、金属光沢は持たない。
本発明により得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
2:基材
3:断熱層
4:金属光沢層
5:染料受容層

Claims (2)

  1. 基材の一方の面に、空隙を含むポリオレフィンフィルムからなる断熱層、金属光沢層、染料受容層を順次形成してなる昇華転写用受像シートにおいて、前記金属光沢層がアルミニウムを主成分とする層であり、前記染料受容層がガラス転移温度70℃以上かつ分子量が38000以上の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂からなることを特徴とする昇華転写用受像シート。
  2. 前記金属光沢層の厚さが30nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の昇華転写用受像シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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