JP6255940B2 - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに使用される熱転写受像シートに係り、基材の一方の面に、断熱層、下引き層、染料受容層を順次積層形成した熱転写受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式のプリンタに使用され、所謂サーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことであり、例えば基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けた構成となっている。ここで熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、熱転写受像シート側に転写するものである。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と合わせて各種画像を簡便にフルカラーに形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では基材シートの同じ側に、印画物への耐久性を付与する保護層等を重ならないように設けられた、複数の熱転写層をもつ熱転写記録媒体がかなり普及してきている。
そのような状況の中、用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進むに従って、従来の熱転写記録媒体および熱転写受像シートでは、十分な印画濃度を得ることができないという問題が生じてきた。またそのような、十分な印画濃度を得ることができないという問題を解決するために、熱転写受像シートにおいては、染料受容層に特定の樹脂を用いたり、断熱層に特定の樹脂または特定の樹脂フィルムを用いたりすることも提案されているが、染料受容層と断熱層間、または染料受容層と下引き層間、または下引き層と断熱層間の密着性に問題が生じ、場合によっては印画中に、熱転写受像シートにおける染料受容層側のいずれかの層から剥離が発生して熱転写層表面に融着し、異常転写が発生するという問題が生じる。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1では、中空粒子を含む中間層(断熱層)上に、アルコキシシリル基含有ウレタン樹脂を含有する画像受容層を積層することで、基材密着性が良好で、印画濃度が高い熱転写受容シートが提案されている。
また特許文献2では、ポリオレフィン支持体と染料像受容層との間に、チタン酸有機塩またはチタニウムアルコキシドから形成されるチタンの酸化物である無機主鎖を有するポリマーからなる下塗り層を設けることで、染料受容層の支持体への粘着を改善した染料受容素子が提案されている。
また特許文献3では、ポリオレフィン支持体と染料像受容層との間に、ジルコニウム酸有機塩またはジルコニウムアルコキシドから形成されるジルコニウムの酸化物である無機主鎖を有するポリマーからなる下塗り層を設けることで、染料受容層の支持体への粘着を改善した染料受容素子が提案されている。
特開2009−160829号公報 特公平5−54830号公報 特公平5−54828号公報
しかしながら、特許文献1に提案されている熱転写受容シートを用いて、昨今の高速印画プリンタにて同じく印画を行ったところ、高温・高湿下に保存したものを含めて基材密着性は良好であることが確認できたが、十分な印画濃度を得ることができなかった。
また特許文献2及び3に提案されている染料受容素子を用いて、昨今の高速印画プリンタにて同じく印画を行ったところ、十分な印画濃度を得ることができないばかりか、染料受容層が熱転写層表面に融着してしまう、異常転写が発生してしまった。
これまで染料受容層、下引き層、断熱層に関して、様々なバインダや添加剤、樹脂フィルム等を用いる報告がされているが、昨今の高速印画プリンタにおいて印画を行うと、印画濃度が高く、高温・高湿下に保存後も基材密着性も良好である熱転写受像シートは見出されていない状況である。
本発明は、上記のような点に着目したもので、高速にて印画を行っても、印画濃度が十分に高く、高温・高湿下に保存後においても、断熱層および染料受容層との密着性も良好な熱転写受像シートを提供可能とすることを目的とする。
本発明者らは、下引き層に用いる材料を規定することで、上記課題を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明の一態様である熱転写受像シートは、基材の一方の面に、断熱層、下引き層、染料受容層を順次積層形成した熱転写受像シートにおいて、前記下引き層は、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と、水分散性ポリエステルとを主成分とすることを特徴とする。
このとき、前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであってもよい。
また、前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンであってもよい。
また、前記アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、またはそれらの混合物であってもよい。
また、本発明の一態様である熱転写受像シートの製造方法は、基材の一方の面に、断熱層、下引き層、染料受容層を順次積層形成してなる熱転写受像シートの製造方法において、前記下引き層を、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と水分散性ポリエステルとを主成分として含む塗布液を、断熱層上に塗布、乾燥して形成することを特徴とする。
本発明の態様によれば、熱転写受像シートにおいて、高速で印画を行っても、印画濃度が十分に高く、高温・高湿下に保存後においても、断熱層および染料受容層との密着性も良好である熱転写受像シートを提供可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る熱転写受像シートの側断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の熱転写受像シート1の模式図である。
本実施形態の熱転写受像シート1は、図1に示すように、少なくとも基材2の一方の面上に、断熱層3、下引き層4及び染料受容層5がこの順番で積層されて構成されている。
基材2は、従来公知のものを採用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム、および上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙などの紙類等を単独で、または組み合わされた複合体として使用可能である。
基材2の厚さは、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮し、25μm以上250μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは50μm以上200μm以下程度のものが好ましい。
次に、断熱層3は、従来公知のものを採用でき、中空粒子とバインダ樹脂によって構成されるものや、発泡ポリプロピレンフィルムや発泡ポリエチレンテレフタレート等の発泡フィルムなどを用いたもの、さらに発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いた断熱層を挙げることができる。ただし、画質に影響を与える平滑性や光沢性等を考慮し、発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。
断熱層3の厚さは、10μm以上80μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは20μm以上60μm以下程度のものが好ましい。
次に、基材2の断熱層3側の最表面に設けられた染料受容層5は、従来公知のものを採用でき、少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する。
染料受容層5に用いられるバインダ樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性樹脂等を挙げることができる。特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
染料受容層5に用いられる離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が使用できる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
染料受容層5の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また必要に応じて架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有しても良い。
本実施形態の熱転写受像シート1は、断熱層3と染料受容層5との間に、下引き層4が介挿されている。
前記下引き層4は、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と、水分散性ポリエステルとの重縮合物を主成分とする。主成分とは、全体の50質量%超で含まれることを意味であるが、好ましくは80質量%以上である。
この下引き層4は、例えばアルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と水分散性ポリエステルとを主成分として含む塗布液を、断熱層3上に塗布、乾燥することで形成する。
このような下引き層4を使用することにより、昨今の高速印画プリンタにて印画を行っても、印画濃度が十分に高く、高温・高湿下に保存後においても、下引き層4と断熱層または/および染料受容層との密着性が良好な印画物を得ることができる。
ここで、前記主成分とは、本発明の効果を損なわない限り、前記アルコキシド、その加水分解物及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と、水分散性ポリエステルとの他に、さらに他の成分が添加されていても良い旨を表す。前記アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と、水分散性ポリエステルとの合計が、下引き層形成時の全体からみて50質量%超で含まれる意味であるが、好ましくは80質量%以上である。
また下引き層4に含まれるアルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫は、反応性に富む無機成分であり、水溶液中から乾燥形成される中で自らが重縮合反応して鎖状あるいは三次元構造のポリマーを形成する他、水溶性高分子とは分子レベルの複合体を形成すると考えられる。そこで前記下引き層4のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または塩化錫との重縮合物は、高速印画時における更なる印画濃度の向上に寄与するばかりでなく、水溶性高分子だけでは劣る断熱層3または/および染料受容層5との密着性の向上に寄与するものと考えられる。
下引き層4に用いられるアルコキシドとしては、例えばテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−C〕(−Cはイソプロピルアルキル基)などの下記の一般式(1)で表せるものである。その中でもテトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムが水系の溶媒中においても比較的安定であるため好ましい。
M(OR) ・・・(1)
ここで、
M:Si、Ti、Al、Zr等の金属
R:CH、C等のアルキル基
n:Mの種類によって異なる1〜4の整数
である。
下引き層4に用いられる塩化錫は、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
下引き層4に用いられる水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を挙げることができる。その中でもポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましく、より好ましくはポリビニルアルコールである。なおここでいうポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存しているいわゆる部分けん化ポリビニルアルコールから、酢酸基が数%しか残存していないいわゆる完全けん化ポリビニルアルコールまでを含み、特に限定されるものではない。
前記水分散性ポリエステルの一例をあげると共重合成分であるジカルボン酸成分はエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物を必須成分とし、フタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸及び、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。
エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物以外のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の芳香核が、疎水性のプラスチックと親和性が大きいために密着性の向上、耐加水分解性に優れている利点がある。特にテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物は、全酸成分中に6モル%20モル%以下の範囲で含有することが好ましい。更に好ましくは10モル%以上18モル%以下である。エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物が6モル%未満では水に対する樹脂の分散時間が長くなり、耐溶剤性も十分とはいえない。逆に20モル%を超えると耐水性が低下する傾向がある。
エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物としては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン酸−2,7−ジカルボン酸などのアルカリ金属塩(スルホン酸のアルカリ金属塩)及び、これらのエステル形成性誘導体が挙げられ、5−スルホイソフタル酸のナトリウム塩及び、そのエステル形成性誘導体がより好ましく用いられる。
ジグリコール成分としては、ジエチレングリコールと炭素数2〜8の脂肪族または炭素数6〜12の脂環族グリコール等が挙げられる。炭素数2〜8の脂肪族または炭素数6〜12の脂環族グリコールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、p−キシリレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を併用してもよい。ジエチレングリコールを全グリコール成分中に20モル%以上80モル%以下の範囲で含有することが好ましい。ジエチレングリコールが、この範囲外でもアルコールに対して耐溶剤性は得られるが、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤に対して耐溶剤性が不十分である。
水分散性ポリエステルは公知の製造技術により、ジカルボン酸とジグリコールとをエステル化或いはエステル交換反応後、重縮合反応させることによって製造されるが、その製造方法についてはなんら限定されるものではない。
下引き層4は、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と、水分散性ポリエステルと、を主成分として含む塗布液を、塗布、乾燥して形成するわけであるが、塗布液中における、水溶性高分子と、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくとも一つとの配合比率は9/1〜1/9の範囲とし、その混合溶液に対して水分散性ポリエステルを8/2〜2/8の範囲で配合する。
下引き層4の厚さは、0.1μm以上6μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上5μm以下程度のものが好ましい。0.1μm未満であると、下引き層の膜厚調整が困難であり、また膜厚が0.1μm未満でバラツキが生じると、印画濃度にバラツキが発生してしまう。また断熱層3および染料受容層5の少なくとも一方の層との密着性に問題を抱える不安がある。一方、6μm超では、高速印画時における印画濃度が飽和する。よってコスト面の観点から6μm以下であることが好ましい。
また本実施形態の熱転写受像シートには、基材2と断熱層3を貼り合わせるための接着層を設けても良い。接着層に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が使用できる。その中でもポリエチレンやウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また本実施形態の熱転写受像シートには、基材2の断熱層3が設けられている側とは反対側に、裏面層を設けても良い。裏面層はプリンタ搬送性向上や、染料受容層5とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。裏面層に用いられる材料としては従来公知のもので対応でき、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂を用いることができる。また必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有しても良い。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準であり。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として厚さ140μmの上質紙を使用し、その一方の面に溶融押し出し法により厚さ30μmのポリエチレン樹脂層1を形成した。
次に、厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの片面にスキン層を設けた断熱層を用意し、その断熱層のスキン層を設けていない面側を、基材におけるポリエチレン樹脂層1を形成した面とは反対側の面側に向けて当該断熱層を基材に対向配置し、その基材と断熱層との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出ししてポリエチレン樹脂層2を形成し、サンドラミ方式にて貼り合わせた。また溶融押し出ししたポリエチレン樹脂層2の厚さは15μmとなるように形成した。
発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層側に、下記組成の下引き層塗布液−1を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。更にその下引き層の上に、下記組成の染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが4μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−1>
塩化第一錫 2.88部
メチルセルロース 1.92部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
水分散ポリエステル 1.2部
0.1N塩酸 53.8部
純水 36.3部
イソプロピルアルコール 3.9部
<染料受容層塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 19.5部
(ソルバインC、日信化学工業(株)製)
アミノ変性シリコーン 0.5部
(KF−393、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 40.0部
トルエン 40.0部
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−2>
塩化第一錫 1.8部
メチルセルロース 1.2部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
水分散ポリエステル 3.0部
0.1N塩酸 53.8部
純水 36.3部
イソプロピルアルコール 3.9部
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−3にした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−3>
塩化第一錫 0.72部
メチルセルロース 0.48部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
水分散ポリエステル 4.8部
0.1N塩酸 53.8部
純水 36.3部
イソプロピルアルコール 3.9部
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−4にした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−4>
塩化第一錫 1.8部
ポリビニルアルコール 1.2部
(PVA424H、(株)クラレ製)
水分散ポリエステル 3.0部
0.1N塩酸 53.8部
純水 36.3部
イソプロピルアルコール 3.9部
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−5にした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−5>
塩化第一錫 1.8部
ポリビニルピロリドン 1.2部
(ISPジャパン(株)製)
水分散ポリエステル 3.0部
0.1N塩酸 53.8部
純水 36.3部
イソプロピルアルコール 3.9部
(実施例6)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−6にした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−6>
テトラエトキシシラン 3.1部
ポリビニルアルコール 1.1部
(PVA424H、(株)クラレ製)
水分散ポリエステル 4.2部
0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
(実施例7)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−7にした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−7>
トリイソプロポキシアルミニウム 3.1部
ポリビニルアルコール 1.1部
(PVA424H、(株)クラレ製)
水分散ポリエステル 4.2部
0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−8にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−8>
塩化第一錫 1.8部
メチルセルロース 1.2部
(メトローズSM4000、信越化学工業(株)製)
純水 64.0部
イソプロピルアルコール 33.0部
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−9にした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−9>
ポリビニルアルコール 3.0部
(PVA424H、(株)クラレ製)
純水 87.3部
イソプロピルアルコール 9.7部
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−10にした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−10>
水分散ポリエステル 3.0部
純水 87.3部
イソプロピルアルコール 9.7部
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−11にした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−11>
テトラエトキシシラン 10.4部
0.1N塩酸 89.6部
(比較例5)
実施例1の発泡ポリプロピレンフィルムのスキン層側に、下引き層を設けることなく、実施例1と同様の染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが4μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、比較例5の熱転写受像シートを得た。
<熱転写記録媒体の作製>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(東亜合成(株)US−350)
メチルエチルケトン 50.0部
<熱転写層塗布液>
C.I.ソルベントブルー36 2.5部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<印画評価>
実施例1〜7、比較例1〜5の熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用し、印画速度が1.5msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにてベタ画像の印画を行い、最高反射濃度、異常転写に関して評価を行った。また、40℃90%RH環境下に100時間保存後、常温にてさらに24時間保存した後、常温にて24時間保存された熱転写受像紙シートを用い、同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお最高反射濃度は、X−rite528にて測定した値である。また異常転写の評価は、以下の基準にて行った。なお、ここで言う異常転写とは、熱転写時に熱転写受像シート側のいずれかの層間にて剥離し、熱転写層へ転写してしまうことを言う。
○ :異常転写の発生無し。
× :異常転写が部分的に発生。
××:異常転写が全面に発生。
Figure 0006255940
表1に示す結果から分かるように、アルコキシド、その加水分解物及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と水分散性ポリエステルとを主成分として含む塗布液を塗布、乾燥して形成した下引き層を設けられた実施例1〜7の熱転写受像シートは、最高反射濃度も十分に高く、高温・高湿下に保存後も異常転写の不具合も発生せず、本発明による効果が確認された。
これに対して、比較例1の熱転写受像シートは、下引き層に水分散性ポリエステルを含まず、水溶性高分子と塩化錫のみで設けた結果、最高反射濃度に関しては十分に高いものの、高温・高湿保存品において、実用上問題となる異常転写が部分的に発生する結果となった。比較例2の熱転写受像シートは、下引き層に水溶性高分子であるポリビニルアルコールのみで設けた結果、最高反射濃度に関しては十分に高いものの、常温保存品においても、実用上問題となる異常転写が部分的に発生した。さらに高温・高湿保存品においては、全面に異常転写が発生した。
比較例3の熱転写受像シートは、下引き層を水分散性ポリエステルのみで設けた結果、異常転写は問題ないが、水溶性高分子を含む実施例1〜7と比較して、最高反射濃度が大幅に低下してしまった。また比較例4の熱転写受像シートは、下引き層をアルコキシドのテトラエトキシシランのみで設けた結果、水溶性高分子を含む実施例1〜7と比較して、最高反射濃度が大幅に低下してしまうのみだけでなく、実用上問題となる異常転写も部分的に発生する結果となった。
比較例5の熱転写受像シートは、染料受容層と断熱層の間に下引き層を設けなかったことにより、常温保存品においても、実用上問題となる異常転写も部分的に発生し、高温・高湿保存品においては、全面に異常転写が発生してしまった。
また、実施例2、4、5の最高反射濃度より水溶性高分子はポリビニルアルコールが最も好ましく、次にポリビニルピロリドンが好ましいことが確認された。
実施例2、6、7の最高反射濃度よりアルコキシドとしては、テトラエトキシシランおよびトリイソプロポキシアルミニウムが好ましいことが確認された。
本発明により得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
2:基材
3:断熱層
4:下引き層
5:染料受容層

Claims (4)

  1. 基材の一方の面に、断熱層、下引き層、染料受容層を順次積層形成した熱転写受像シートにおいて、
    前記下引き層は、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と、水分散性ポリエステルとを主成分とし、
    前記アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、またはそれらの混合物であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記水溶性高分子が、ポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  4. 基材の一方の面に、断熱層、下引き層、染料受容層を順次積層形成してなる熱転写受像シートの製造方法において、
    前記下引き層を、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくともいずれか一つと、水溶性高分子と水分散性ポリエステルとを主成分として含み、前記アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、またはそれらの混合物である塗布液を、断熱層上に塗布、乾燥して形成することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
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