JP5648973B2 - 感熱転写記録媒体 - Google Patents
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Description
(M:Si、Ti、Al、Zr等の金属元素、
R:CH3、C2H5等のアルキル基、n:金属元素の酸化数)
前記塩化錫に関しては、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl3)、あるいはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
更に前記受像紙基材上に、中空粒子と接着成分を含有する中空粒子層を形成することが好ましい。熱転写方式の印画は、サーマルヘッドからの加熱により行われ、サーマルヘッドと受像紙基材の密着性が良好なことが要求される。中空粒子層を有する受像紙基材は、クッション性があるために、サーマルヘッドとの密着性が向上し、印画の際により均一な画像を得ることが可能である。中空粒子の壁を形成する材料としてアクリロニトリル、塩化ビニリデン、スチレンアクリル酸エステルの重合体等が好ましく使用される。中空粒子の製造方法としては、樹脂粒子中にブタンガス等の発泡剤を封入し、加熱発泡させる方式や、エマルジョン重合方式などが挙げられる。加熱発泡させる方式としては、中空粒子を予め過熱処理によって発泡させた既発泡中空粒子を用いる場合と、未発泡の粒子を含有した層を塗工などにより形成した後、乾燥工程などの加熱処理によって中空構造を形成する場合がある。中空粒子の中空率や粒子径を一定に制御することが容易な点から、一般的には既発泡粒子を用いることが好ましい。
本発明の受容層で使用される染着性樹脂としては、染料に対する親和性が高く、染料染着性の良好な熱可塑性樹脂を使用する。
上記の中でも、印画された画像の耐光性に優れることからアクリル系樹脂、ビニル化合物モノマーとベンゾトリアゾール骨格及び/又はベンゾフェノン骨格を有するモノマーとの共重合樹脂、ウレタン系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂は分子内に結晶領域を持つため、異常転写が起こりにくいためである。また、前記染着性樹脂は、環境負荷の面から水溶性もしくは水分散系のいわゆる水系からなることがより好ましい。
前記各塗布層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。各塗布層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、及びスライドビードコーター等の公知のコーターを使用して、所定の塗工液を各層毎、或いは2層以上を同時に塗工、乾燥して形成することができる。
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥した後に、40℃環境下で1週間エージングすることで、耐熱滑性層付き基材を得た。
アクリルポリオール樹脂 12.5部
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル・リン酸エステル 2.5部
タルク 6.0部
2,6−トリレンジイソシアネートプレポリマー 4.0部
トルエン 50.0部
メチルエチルケトン 20.0部
酢酸エチル 5.0部
(実施例1)
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、下記組成の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体を得た。
テトラエトキシシラン 2.8部
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体 2.8部
ポリビニルアルコール 2.8部
水分散ポリエステル 2.1部
0.1N塩酸 53.8部
純水 31.8部
イソプロピルアルコール 3.9部
<染料層塗布液>
C.I.ソルベントブルー63 6.0部
ポリビニルアセタール樹脂 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を下記組成の下引き層塗布液−2にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱記録転写媒体を得た。
塩化第一錫 2.8部
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体 2.8部
ポリビニルアルコール 2.8部
水分散ポリエステル 2.1部
0.1N塩酸 53.8部
純水 31.8部
イソプロピルアルコール 3.9部
(実施例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を乾燥後の塗布量が0.05g/m2になるように塗布、乾燥すること以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱記録転写媒体を得た。
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、下引き層を乾燥後の塗布量が0.35g/m2になるように塗布、乾燥すること以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱記録転写媒体を得た。
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下引き層を形成することなく、易接着処理面の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、比較例1の感熱転写記録媒体を得た。
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−3を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、比較例2の感熱転写記録媒体を得た。
ポリビニルアルコール 4.2部
水分散ポリエステル 4.2部
0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例3)
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−4を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、比較例3の感熱転写記録媒体を得た。
テトラエトキシシラン 4.2部
ポリビニルアルコール 4.2部
0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例4)
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−5を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、比較例4の感熱転写記録媒体を得た。
テトラエトキシシラン 4.2部
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体 4.2部
0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例5)
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−6を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、比較例5の感熱転写記録媒体を得た。
テトラエトキシシラン 4.2部
ポリビニルアルコール 4.2部
水分散ポリエステル 2.1部
0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
(比較例6)
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の下引き層塗布液−7を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.2g/m2になるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。引き続き、その下引き層の上に、実施例1と同様の染料層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥することで、染料層を形成し、比較例6の感熱転写記録媒体を得た。
テトラエトキシシラン 3.5部
ポリビニルアルコール 3.5部
ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体 3.5部0.1N塩酸 53.8部
純水 33.9部
イソプロピルアルコール 3.9部
<受像紙の作製>
<受像紙基材の用意>
受像紙基材として、厚さ180g/m2のアート紙を用いた。
<中空粒子層の形成>
前記受像紙基材の上に、下記組成中空粒子層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が10g/m2になるように塗布、乾燥した後に、40℃環境下で1週間エージングすることで、中空粒子層付き受像紙を得た。
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを
主成分とする共重合体からなる既発泡中空粒子 … 45部
(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%)
ポリビニルアルコール … 10部
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂分散物 … 45部
(塩化ビニル/酢酸ビニル=70/30、Tg64℃)
水 … 200部
<受容層の形成>
前記断熱層上に、下記組成受容層塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が4g/m2になるように塗布、乾燥した後に、40℃環境下で1週間エージングすることで、受容層を得た。
ウレタン樹脂 … 97部
(ガラス転移温度:−20℃)
会合型ウレタン系増粘剤 … 1部
スルホン酸系界面活性剤 … 2部
水 … 200部
<常温における染料層の密着性評価>
実施例1〜4、比較例1〜6の感熱転写記録媒体に関して、常温にて保存された感熱転写記録媒体の染料層の上に、幅18mm、長さ150mmのセロハンテープを貼り、その後すぐに剥がしたときの、セロハンテープ側への染料層の付着の有無を調べることにより評価した結果を、表1に示す。
△:染料層の付着が、ごく僅かに認められる
×:染料層の付着が、全面で認められる
<高温・高湿保存後における染料層の密着性評価>
実施例1〜4、比較例1〜6の感熱転写記録媒体に関して、40℃90%RH環境下に72時間保存された後、常温にてさらに24時間保存された感熱転写記録媒体の染料層の上に、幅18mm、長さ150mmのセロハンテープを貼り、その後すぐに剥がしたときの、セロハンテープ側への染料層の付着の有無を調べることにより評価した結果を、表1に示す。なお、評価は、上記の常温における評価と同基準にて行った
<印画評価>
実施例1〜4、比較例1〜6の感熱転写記録媒体に関して、常温にて保存された感熱転写記録媒体、および40℃90%RH環境下に72時間保存された後、常温にてさらに24時間保存された感熱転写記録媒体と被転写体を使用し、サーマルシミュレーターにてベタ印画を行い、最高反射濃度、異常転写の有無、および「テカリ」を評価した結果を、表1に示す。なお最高反射濃度は、「テカリ」の確認されない印画部を、X−Rite528にて測定した値である。
印画環境:23℃50%RH
印加電圧:29V
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi 副走査300dpi
<異常転写評価>
また、異常転写の評価は、以下の基準にて行った。
△:被転写体への異常転写が、ごく僅かに認められる
×:被転写体への異常転写が、全面で認められる
<テカリ評価>
また、テカリの評価は、以下の基準にて行った。
△:テカリが、部分的に認められる。
20…下引き層
30…染料層
40…耐熱滑性層
Claims (5)
- 基材上に、水系バインダーと中空粒子とを含有する水系中空粒子層を介して水系バインダーと離型剤とを含有する水系受容層が形成された熱転写受像シートに熱転写によって画像を形成するための感熱転写記録媒体であって、
前記基材の一方の面に耐熱滑性層を設け、該基材の他方の面に下引き層、染料層を順次形成し、該下引き層は、アルコキシド、その加水分解物、及び塩化錫の少なくとも1つと、ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合体と水溶性高分子と、水分散性ポリエステルとを主成分として含むことを特徴とする感熱転写記録媒体。 - 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
- 前記水分散性ポリエステルが、少なくともジカルボン酸成分としてエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物が共重合され、ジグリコール成分としてジエチレングリコールが共重合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱転写記録媒体。
- 前記アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、またはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感熱転写記録媒体。
- 前記下引き層の乾燥後の塗布量が、0.10g/m2以上0.30g/m2以下の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感熱転写記録媒体。
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