JP2018111234A - 熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

熱転写受像シートおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い印画濃度が付与できることと、染料受容層のひび割れに起因して印画物に白ヌケが生じないことを、同時に満足できる熱転写受像シートを提供する。【解決手段】この発明の熱転写受像紙シート1は、基材2と、基材2の一面に順次形成された断熱層3、下引き層4、および染料受容層5と、を有する。染料受容層5は、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む層である。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状の基材と、基材の一面に順次形成された断熱層、下引き層、および染料受容層と、を有する熱転写受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体は、サーマルリボンと呼ばれ、熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、シート状の基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けた構成となっている。熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、熱転写受像シートあるいは普通紙に転写する。つまり、昇華転写方式では、熱転写記録媒体と熱転写受像シートとを重ね合わせて使用する。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と合わせて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。
このような用途の多様化と普及拡大に伴い、よりプリンタの印画速度の高速化が進む一方、染料染着性(印画濃度)に優れる熱転写受像シートの製造が検討されている。
さらに、環境負荷を軽減するため、染料受容層や下引き層が水系樹脂(エマルジョン)である熱転写受像シートが求められている。前述の高い印画濃度を得るために、染料受容層のバインダ樹脂は、塩化ビニル樹脂を主成分とするエマルジョンを用いることが一般的である。
エマルジョンは、水が蒸発し粒子同士が融着してはじめて連続皮膜となるが、塩化ビニル樹脂は、最低造膜温度(MFT)が高いため、粒子同士の融着が不十分になり、染料受容層表面にひび割れが発生し易い。ひび割れは、印画物低階調部において染料が定着しない画質欠陥、いわゆる「白ヌケ」の問題を誘発する。造膜性を改善するためには、高温長時間乾燥が有利であるが、基材に使用されるパルプの耐熱性、および生産効率の都合上、染料受容層には、100℃以下数秒程度で連続皮膜が形成できるようにすることが求められている。
特許文献1には、染料染着性に優れる、すなわち高い印画濃度を付与できる熱転写受像シートの一例が記載されている。この熱転写受像シートは、基材シートと、基材シート上に形成され、染料染着性を有し、かつ水系溶媒に分散・溶解可能な受容層形成用樹脂、冷却ゲル化剤、およびシリコーン系離型剤、を含有する受容層と、を備え、受容層形成用樹脂が、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上の塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする。
特許文献2には、染料受容層のひび割れが改善される熱転写受像シートの一例が記載されている。この熱転写受像シートは基材上に多孔質層と受容層をこの順に有し、受容層は、JIS K 7367−2により測定されるK値が60以上であり、かつ酢ビ率が0%超過10%以下である塩酢ビ系樹脂を含んだ層である。
特開2009−83330号公報 特開2012−200890号公報
しかしながら、現状では、高い印画濃度が付与できることと印画物に白ヌケを生じさせないことの両方の性能に優れた熱転写受像シートが得られていない。つまり、高い印画濃度が付与できる染料受容層の樹脂成分と、印画物の白ヌケ発生原因となる染料受容層のひび割れを抑制できる方法が確立されていない。
本発明の課題は、高い印画濃度が付与できることと印画物に白ヌケを生じさせないことの両方の性能に優れた熱転写受像シートを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様は、シート状の基材と、前記基材の一面に順次形成された断熱層、下引き層、および染料受容層と、を有し、前記染料受容層は、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む層である熱転写受像シートを提供する。
本発明の第二態様は、シート状の基材と、前記基材の一面に順次形成された断熱層、下引き層、および染料受容層と、を有する熱転写受像シートの製造方法であって、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む塗布液を、前記下引き層の上に塗布して乾燥させることで、前記染料受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法を提供する。
本発明の第一態様によれば、高い印画濃度が付与できることと印画物に白ヌケを生じさせないことの両方の性能に優れた熱転写受像シートが提供されることが期待できる。
本発明の第二態様の方法によれば、印画物の白ヌケ発生原因となるひび割れが染料受容層に生じることを抑制できる。
実施形態の熱転写受像シートを示す側断面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
図1に示すように、実施形態の熱転写受像シート1は、シート状の基材2と、基材2の一面に順次形成された断熱層3、下引き層4、および染料受容層5とを有する。
基材2としては、公知の合成樹脂フィルムおよび紙類等を、単独で、または複数種類組み合わせた複合体が使用できる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等が挙げられる。紙類としては、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げられる。
基材2の厚さは、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮すると、25μm以上250μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
断熱層3としては、画質に影響を与える平滑性や光沢性等を考慮すると、発泡フィルムの片面または両面にスキン層を設けた複合フィルムを用いることが好ましい。
断熱層3を構成する発泡フィルムの材料としては、断熱性とクッション性の観点から、ポリエステル樹脂、またはポリスチレン樹脂が好ましい。
断熱層3の厚さは、10μm以上80μm以下であることが好ましく、20μm以上60μm以下であることがより好ましい。
下引き層4は、断熱層3と染料受容層5との間に設けられている。下引き層4は、断熱層3および染料受容層5との密着性、および印画物の保存性の観点から、疎水性樹脂と親水性樹脂から成るエマルジョンを塗布・乾燥して形成されることが好ましい。
下引き層4を形成する際に使用するエマルジョンを構成する疎水性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、およびこれら樹脂の共重合体を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
下引き層4を形成する際に使用するエマルジョンを構成する親水性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
下引き層4の厚さは、0.1μm以上3μm以下であることが好ましく、0.2μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
染料受容層5は、基材2の断熱層3側の最表面に設けられている。染料受容層5は、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含有する層である。
染料受容層5は、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む塗布液を、下引き層4の上に塗布して乾燥させることで形成される。乾燥条件は、例えば、100℃以下で2秒以上20秒以下とする。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル−スチレン共重合体等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
染料受容層5が、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンを含むことで、実施形態の熱転写受像シート1は、印画物に高い印画濃度を付与できる。
染料受容層5に含まれる塩化ビニル系樹脂の塩化ビニル比率が50質量%未満であると、染料受容層5の染着性が不十分となり、十分な印画濃度が得られない。
染料受容層5に含まれる塩化ビニル系樹脂の塩化ビニル比率は、70質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。これにより、実施形態の熱転写受像シート1は、優れた印画濃度を付与することができる。
染料受容層5は、上述の樹脂とともに、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかを含む層である。
高沸点溶剤がエマルジョンの造膜助剤として機能し、エマルジョンの最低造膜温度を低下させることは一般的であり、例えば由良政昭著、「入門・エマルジョンの応用」に記載されている。しかしながら、高沸点溶剤には、ひび割れ改善に効果を示さないものや、エマルジョンの乳化を壊し、樹脂本来の特性を阻害するものが多い。
本発明者等は、塩化ビニル系共重合体のエマルジョンの場合、高沸点溶剤として、エチレングリコール類またはジエチレングリコール類を使用することで、乳化を壊すことなく、染料受容層のひび割れを改善できることを見出した。
使用できるエチレングリコール類およびジエチレングリコール類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタートなどが挙げられる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
染料受容層5は、エチレングリコール類および/またはジエチレングリコール類を、樹脂固形分100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の範囲で含有することが好ましい。つまり、染料受容層5を形成するための塗布液(上記グリコール類と上述の樹脂のエマルジョンとを含む塗布液)に含まれる上記グリコール類の含有量が1質量部未満であると、塗布乾燥後に得られる染料受容層5にひび割れを発生させない効果が得られない。
一方、エチレングリコール類および/またはジエチレングリコール類の含有量が20質量部を超えると、染料受容層5を形成するための塗布液を調製する際に、上記グリコール類がエマルジョンの乳化を壊し、塗布液中に析出物が発生する可能性がある。
染料受容層5の厚さは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、1.0μm以上4μm以下であることがより好ましい。1.0μm未満では、印画濃度の低下が懸念される。一方、膜厚が4μmを超えると、ひび割れが僅かに認められ、白ヌケの発生が懸念される。
また、染料受容層5は、必要に応じて離型剤、架橋剤、酸化防止剤、蛍光染料、および、その他公知の添加剤を含有しても良い。
また、熱転写受像シート1には、基材2と断熱層3との間に接着層を設けても良い。接着層に用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が使用できる。その中でもポリエチレンやウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
また、熱転写受像シート1には、基材2の断熱層3が設けられている側とは反対側に、裏面層を設けても良い。裏面層は、プリンタ搬送性向上や、染料受容層5とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられる。
裏面層に用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド等のバインダ樹脂を用いることができる。また、必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の、公知の添加剤を含有しても良い。
以下に、本発明の実施例および比較例について説明する。
[熱転写受像シートの作製]
(実施例1)
図1の熱転写受像シート1の基材2と断熱層3との間に接着層を有する熱転写受像シートを、以下の方法で作製した。
先ず、基材2として、厚さ140μmの上質紙の一方の面に、溶融押し出し法により厚さ30μmのポリエチレン樹脂層が形成された複合体を用意した。
また、断熱層3として、厚さ40μmの発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にスキン層を設けた複合フィルムを用意した。
基材2の上質紙の面と断熱層3のスキン層を設けていない面との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出し法により流し入れることで、ポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて基材2と断熱層3を貼り合わせた。このようにして形成されたポリエチレン樹脂層からなる接着層の厚さは15μmであった。
断熱層3のスキン層側に、下記の下引き層塗布液−1を、80℃2分乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗布、乾燥することで、下引き層4を形成した。更に、下引き層4の上に、下記の染料受容層塗布液−1を、80℃10秒乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層5を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<下引き層塗布液−1>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 20.0質量部
(ビニブラン278、日信化学工業(株)製)
ポリビニルピロリドン 20.0質量部
(ピッツコール K−90、第一工業製薬(株)製)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 4.0質量部
純水 56.0質量部
<染料受容層塗布液−1>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョン 97.1質量部(樹脂固形分29.13質量部)
(ビニブラン745、日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率50質量%、固形分30質量%)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 1.5質量部(樹脂固形分100質量部に対して5質量部となる量)
(エポライト40E、共栄社化学(株)製)
純水 0.6質量部
(実施例2〜5、比較例1〜3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、染料受容層の材料および配合比を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5、比較例1〜3の熱転写受像シートを得た。
表1の「塩化ビニル樹脂比率(部)」は、「塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニル比率(質量%)」を、「高沸点溶剤」の「部」は、「樹脂固形分100質量部に対する含有量(質量部)」を意味する。
実施例1との違いを以下に記載する。
(実施例2)
染料受容層塗布液−1に代えて下記の染料受容層塗布液−2を使用して、染料受容層5を形成し、実施例2の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−2>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョン 58.3質量部(樹脂固形分29.15質量部)
(ビニブラン902、日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率80質量%、固形分50質量%)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 1.5質量部(樹脂固形分100質量部に対して5質量部となる量)
(エポライト40E、共栄社化学(株)製)
純水 39.4質量部
(実施例3)
染料受容層塗布液−1に代えて下記の染料受容層塗布液−3を使用して、染料受容層5を形成し、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−3>
塩化ビニル重合体エマルジョン 78.7質量部(樹脂固形分39.35質量部)
(ビニブラン985、日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率100%、固形分50質量%)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 2.0質量部(樹脂固形分100質量部に対して5質量部となる量)
(エポライト40E、共栄社化学(株))
純水 19.0質量部
(実施例4)
染料受容層塗布液−1に代えて下記の染料受容層塗布液−4を使用して、染料受容層5を形成し、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−4>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョン 56.7質量部(樹脂固形分28.35質量部)
(ビニブラン902、日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率80質量%、固形分50質量%)
多官能性アジリジン化合物 0.8質量部
(ケミタイトPZ−33、日本触媒(株)製)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 0.3質量部(樹脂固形分100質量部に対して1質量部となる量)
(エポライト40E、共栄社化学(株)製)
純水 41.3質量部
(実施例5)
染料受容層塗布液−1に代えて下記の染料受容層塗布液−5を使用して、染料受容層5を形成し、実施例5の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−5>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョン 58.3質量部(樹脂固形分29.15質量部)
(ビニブラン902 日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率80質量%、固形分50質量%)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 5.8質量部(樹脂固形分100質量部に対して20質量部となる量)
(エポライト40E、共栄社化学(株)製)
純水 40.6質量部
(実施例6)
染料受容層塗布液−1に代えて染料受容層塗布液−2を80℃10秒乾燥後の厚さが0.5μmとなるように下引き層4の上に塗布、乾燥することで、染料受容層5を形成し、実施例6の熱転写受像シートを得た。
(実施例7)
染料受容層塗布液−1に代えて、染料受容層塗布液−2を80℃10秒乾燥後の厚さが5μmとなるように下引き層4の上に塗布、乾燥することで、染料受容層5を形成し、実施例7の熱転写受像シートを得た。
(実施例8)
染料受容層塗布液−1に代えて、染料受容層塗布液−2のエチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(東京化成工業(株)製)を同量含有する塗布液を使用して、染料受容層5を形成し、実施例8の熱転写受像シートを得た。
(比較例1)
染料受容層塗布液−1に代えて下記の染料受容層塗布液−6(高沸点溶剤無添加)を使用して、染料受容層5を形成し、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−6>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョン 58.3質量部
(ビニブラン902 日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率80質量%、固形分50質量%)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
純水 40.9質量部
(比較例2)
染料受容層塗布液−1に代えて、染料受容層塗布液−2のエチレングリコールジグリシジルエーテルの代わりにジプロピレングリコールジメチルエーテル(関東化学(株)製)を同量含有する塗布液を使用して、染料受容層5を形成し、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(比較例3)
染料受容層塗布液−1に代えて下記の染料受容層塗布液−7を使用して、染料受容層5を形成し、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<染料受容層塗布液−7>
塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョン 97.1質量部(樹脂固形分48.55質量部)
(ビニブラン743、日信化学工業(株)製、塩化ビニル比率30質量%、固形分50質量%)
ポリエーテル変性シリコーン 0.9質量部
(X−22−4515、信越化学工業(株)製)
エチレングリコールジグリシジルエーテル 2.4質量部(樹脂固形分100質量部に対して5質量部となる量)
(関東化学(株)製)
純水 0.6質量部
[染料受容層塗布液、および熱転写受像シートの評価]
実施例1〜8、比較例1〜3で使用した染料受容層塗布液と、得られた各熱転写受像シートについて、(1)染料受容層塗布液の析出物、(2)受容層表面のひび割れ、(3)印画物の白ヌケ、および(4)最高印画濃度を評価した。
(熱転写記録媒体の作製)
(3)(4)の評価に必要な熱転写記録媒体を以下の方法で作製した。
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成のプライマー層および熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/m2となるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0質量部
(東亜合成(株)US−350)
メチルエチルケトン 50.0質量部
<プライマー層塗布液>
ポリビニルアルコール 2.5質量部
イソプロピルアルコール 30.0質量部
純水 67.5質量部
<熱転写層塗布液>
C.I.ソルベントブルー36 2.5質量部
C.I.ソルベントブルー63 2.5質量部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0質量部
トルエン 45.0質量部
メチルエチルケトン 45.0質量部
(1)染料受容層塗布液の析出物
実施例1〜8、比較例1〜3で使用した染料受容層塗布液について、析出物の有無を目視確認した。なお、△以上が実用上の問題ないレベルである。
○:析出物が認められなかった。
△:微量の析出物が認められた。
×:大量の析出物が認められた。
(2)染料受容層表面のひび割れ
実施例1〜8、比較例1〜3で得られた熱転写受像シートについて、染料受容層表面のひび割れの有無を光学顕微鏡で観察し、以下基準で評価した。なお、△以上が実用上の問題ないレベルである。
○:ひび割れが認められなかった。
△:僅かながらひび割れの発生が認められた。
×:ほぼ全面にひび割れが認められた。
(3)白ヌケ評価
実施例1〜8、比較例1〜3で得られた熱転写受像紙シート、熱転写記録媒体、および評価用サーマルプリンタを、23℃50%RH環境下で2時間調湿した。これらの熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用し、印画速度が2.0msec/line、解像度が300×300DPIの評価用サーマルプリンタにて、255階調を16分割したグレーグラデーション画像を印画した。印画物の評価は、以下の基準にて行った。評価結果を表1に示す。
○:白ヌケの発生が認められない。
△:白ヌケの発生が僅かに認められるが実用上問題ないレベルである。
×:白ヌケの発生が認められる。
(4)印画濃度評価
白ヌケ評価で得られた印画物の最高反射濃度をX−rite528にて測定した。また、測定結果を以下の基準にて評価した。測定結果と評価結果を表1に示す。なお、△以上が実用上の問題ないレベルである。
○:最高反射濃度が2.05以上である。
△:最高反射濃度が2.00以上2.05未満である。
×:最高反射濃度が2.00未満である。
Figure 2018111234
表1に示す結果から、染料受容層5が「塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む層であること」を満たす実施例1〜8の熱転写受像シートは、染料受容層の表面に、ひび割れおよび印画物の白ヌケの発生が認められず、実用上問題ないレベルの印画濃度を付与できることが分かる。
塩化ビニル比率が80質量%である塩化ビニル−アクリル共重合体エマルジョンを用いた実施例2では、印画濃度が特に高かった。また、塩化ビニル重合体エマルジョン(塩化ビニル比率が100質量%の塩化ビニル系樹脂)を用いた実施例3では、実施例2と比較して印画濃度はやや劣っていた。
また、エチレングリコールグリシジルエーテルの添加量が樹脂固形分全体の1質量%である実施例4では、染料受容層のひび割れが僅かに認められ、印画物に僅かながら白ヌケが発生した。一方、エチレングリコールグリシジルエーテルの添加量が樹脂固形分全体の20質量%である実施例5では、印画物に白ヌケがなく印画濃度も高いが、染料受容層塗布液に僅かながら析出物が認められた。
また、実施例2と実施例6と実施例7は染料受容層の膜厚のみが異なるが、膜厚が3μmである実施例2と5μmである実施例7では印画濃度が特に高かったのに対して、0.5μmである実施例6では印画濃度がやや劣っていた。そして、膜厚が5μmである実施例7では、染料受容層のひび割れは僅かに認められ、印画物に僅かながら白ヌケの発生が確認された。
これに対して、比較例1の熱転写受像シートでは、染料受容層が高沸点溶剤を含まないことで、染料受容層の表面にひび割れが発生するとともに、印画物に白ヌケが発生した。また、比較例2の熱転写受像シートでは、染料受容層5にエチレングリコール類およびジエチレングリコール類以外の高沸点溶剤であるジプロピレングリコールジメチルエーテルを添加したことで、高沸点溶剤が添加されているにも関わらず、染料受容層の表面にひび割れが発生するとともに、印画物に白ヌケが発生した。
また、比較例3の熱転写受像シートは、染料受容層5の塩化ビニル系樹脂として、塩化ビニル比率が30質量%である塩化ビニル−アクリル共重合体を用いたことで、最高反射濃度が2.0を下回った。
本発明により得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
2:基材
3:断熱層
4:下引き層
5:染料受容層

Claims (5)

  1. シート状の基材と、前記基材の一面に順次形成された断熱層、下引き層、および染料受容層と、を有し、
    前記染料受容層は、塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む層である熱転写受像シート。
  2. 前記染料受容層は、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかを、樹脂固形分100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の範囲で含有する請求項1記載の熱転写受像シート。
  3. 前記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを70質量%以上90質量%以下の範囲で含有する請求項1または2記載の熱転写受像シート。
  4. 前記染料受容層の厚さが1.0μm以上4μm以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. シート状の基材と、前記基材の一面に順次形成された断熱層、下引き層、および染料受容層と、を有する熱転写受像シートの製造方法であって、
    塩化ビニル比率が50質量%以上である塩化ビニル系樹脂のエマルジョンと、エチレングリコール類およびジエチレングリコール類の少なくともいずれかと、を含む塗布液を、前記下引き層の上に塗布して乾燥させることで、前記染料受容層を形成する熱転写受像シートの製造方法。
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