JP2009241332A - 熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材シート上に水系受容層を備える熱転写受像シートにおいて、上記受容層を、基材シート側から第二受容層と第一受容層との連続する2層で構成し、且つ、第一受容層にのみ熱転写性向上因子を含有させることによって、熱転写後の熱転写受像シート内部における染料の拡散を防止する。
【選択図】図1
Description
(1)基材シートと、上記基材シート上に水系溶媒に分散又は溶解可能である染料染着性樹脂から構成される受容層を少なくとも備える熱転写受像シートにおいて、上記受容層が、基材シート側から、第二受容層、第一受容層の順に連続する二層により構成されており、且つ、上記第一受容層にのみ熱転写性向上因子が付与されていることを特徴とする熱転写性受像シート、
(2)上記熱転写性向上因子として、第一受容層に離型剤が含有されていることを特徴とする上記(1)に記載の熱転写受像シート、
(3)上記第二受容層を構成する染料染着性樹脂が、ウレタン系樹脂であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱転写受像シート、
(4)上記第二受容層を構成する染料染着性樹脂の染料染着性が、下記染料染着性試験において示される保存前後の色差ΔEabが40以上であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の熱転写受像シート、
染料染着性試験:評価樹脂90重量部、ゼラチン10重量部、シリコーン系離型剤10重量部を上記評価樹脂の固形分濃度が溶液の30重量%となるよう純水にて希釈して塗工液を調製し、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート製基材フィルム上に、乾燥後の塗膜が4μmとなるよう上記塗工液を塗布して試験片を作成し、次いで、50℃に加温したオーブンに上記試験片を入れて2分間加熱し、その後、オーブンから出して、上記試験片が室温に戻るのを待って、塗膜表面のa*値及びb*値(L*a*b*表色系における、色相と彩度の尺度)を測色計により、光源D65、照明視野角2度、濃度計算ISO Status A、フィルター無しの条件で測定して、次いで、塗膜側にシアン染料が含有されている染料層を備えるインクリボンを重ねあわせ、ブロッキングテスターによって10kg/cm2の圧力を加えて、温度40℃、湿度90%RHのオーブン内に24時間保存し、その後、オーブンから出して、大気圧室温下で、5時間放置した後、上記インクリボンを手動で試験片から引き離し、次いで、塗膜表面のa*値及びb*値を上述と同様に測定し、下記(式1)により塗膜の保存前後の色差ΔEa*b*を算出し、評価樹脂の染料染着性を測定する。
(式1)ΔEa*b*={(保存後のa*値−保存前のa*値)2+(保存後のb*値−保存前のb*値)2}1/2
(5)上記基材シートと上記受容層との間に、水系溶媒に分散または溶解可能な中空粒子樹脂から構成される多孔質層が設けられていることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の熱転写受像シート、
(6)上記第2受容層に接する位置であって基材シート側に、プライマー層が設けられていることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の熱転写受像シート、
(7)上記基材シート上に積層される全ての層にそれぞれ冷却ゲル化剤が含有されていることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の熱転写受像シート、
(8)上記第一受容層を構成する染料染着性樹脂が実質的に未硬化の状態で層を形成していることを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の熱転写受像シート、
を要旨とするものである。
まず、第一受容層2について説明する。第一受容層2は、熱転写受像シートの最表面側に形成される層であり、熱転写受像シート11乃至14を用いて熱転写方式よって印画物を形成する際に、染料を受容する機能を有する層である。第一受容層2は、水系溶媒に分散又は溶解可能である染料染着性樹脂により主として構成され、且つ熱転写性向上因子が付与されてなる。
以下に受容層に含有され得る各構成材料について詳細に説明する。
本発明における第一受容層2を構成するための第一受容層構成樹脂としては、水系溶媒に分散又は溶解可能であり、染料染着性のある樹脂であれば特に限定されるものではない。
尚、本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸および/またはそのアルキルエステルを意味する。
本発明において、上記第一受容層2を構成する染料染着性樹脂を分散又は溶解するために用いられる「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいう。水系溶媒における水の割合は、通常60重量%以上であり、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を例示することができる。
本発明における熱転写性向上因子とは、上述のとおり、熱転写時に、熱転写シートにおける染料層から第一受容層2に確実に染料が移行され、且つ、染料移行後はスムーズに第一受容層2と染料層とが剥離されるために、第一受容層2に付与される因子である。より具体的には、第一受容層2に添加される離型剤の存在が、第一受容層2の熱転写性を向上させるための因子の例として挙げられる。
また、本発明によれば上記第一受容層2には、任意で冷却ゲル化剤を添加することができる。特に、スライドコート法等の同時多層塗布方法によって熱転写受像シート11乃至14の如く、第一受容層2及び第二受容層3を含む複数の層が基材シート1上に積層形成される熱転写受像シートを製造する際には、各層に冷却ゲル化剤を添加することによって、高効率で製造することが可能になる。
上述する第一受容層2の構成材料以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜その他の添加剤を第一受容層2の構成材料として使用することができる。その他の任意添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質、架橋剤等を挙げることができる。
次に第二受容層3について説明する。第二受容層3は、上述する第一受容層2に接し、基材シート1側に形成される層であり、熱転写受像シート11乃至14を用いて熱転写方式よって印画物を形成された際に、染料を受容する機能を有する層である。第二受容層3は、水系溶媒に分散又は溶解可能である染料染着性樹脂により主として構成され、且つ熱転写性向上因子は付与されない。
第二受容層3を構成するための樹脂としては、水系溶媒に分散又は溶解可能であり、染料染着性のある樹脂であれば特に限定されるものではない。
本発明において、上記第二受容層3を構成する染料染着性樹脂を分散又は溶解するために用いられる「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいい、上記第一受容層2において述べた水系溶媒から適宜選択して使用することができ、また水の割合についても第一受容層2と同様の範囲から適宜決定することができる。
上述する第二受容層3の構成材料以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜その他の添加剤を第一受容層2の構成材料として使用することができる。その他の任意添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等を挙げることができる。
次に、基材シート1について説明する。基材シート1は、上述した受容層4を支持する機能を有するものである。本発明に用いられる基材シート1としては、本発明の熱転写受像シート11を用いて第一受容層2側に画像を形成する際の印画温度等に応じて、所望の耐熱性を備えるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、レジンコート紙、樹脂製フィルム基材、および紙製基材等を挙げることができ、なかでもレジンコート紙が好ましい。
図2において示される多孔質層5は、基材シート1と受容層4との間に形成されるものであり、少なくともバインダー樹脂及び中空粒子を含んで構成され、さらに好ましくは冷却ゲル化剤を含んで構成されるものである。多孔質層5は、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際に、サーマルヘッドから第一受容層2に加えられた熱が、基材シート1等へ伝熱することによって基材シート1が損失することを防止するための断熱性をシートに付与するための層である。また、サーマルヘッドからの熱が、印画時の染料の昇華に効率よく使用されるための高効率な熱利用の観点からも、多孔質層5を形成することは望ましい。加えて、多孔質層5は中空粒子を含有することによりクッション性を有しており、多孔質層5を備える熱転写受像シートにおいて、画像形成時における濃度ムラやハイライト部の白抜けが防止され印画特性を向上させることができる。
(中空粒子の空隙率)×(多孔質層における中空粒子の含有率)
で表される値を指すものとする。
多孔質層5に含有される中空粒子について説明する。本発明において用いられる中空粒子は多孔質層5に断熱性及びクッション性を付与する機能を有するものである。したがって、上記中空粒子としては、多孔質層5に所望の断熱性およびクッション性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、発泡粒子を用いてもよく、あるいは、非発泡粒子を用いることもできる。また、中空粒子として用いられる上記発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、本発明に用いられる中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
多孔質層5を形成するために用いられるバインダー樹脂としては、通常、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な所謂、水系樹脂が用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。尚、上記多孔質形成用バインダー樹脂として、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン等の材料を用いる場合には、これらバインダー樹脂は、冷却ゲル化機能も発揮し得るため、別途、後述する冷却ゲル化剤を用いずとも、同時多層塗布方法において良好に製造可能である。
次に、多孔質層5に用いられる冷却ゲル化剤について説明する。本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり多孔質層5へ添加は任意であるが、熱転写受像シート12を同時多層塗布方法により成形する際には、第一受容層2及びバリヤ層3に冷却ゲル化剤を含有させると共に、多孔質層5にも冷却ゲル化剤を含有させる必要がある。尚、多孔質層5に用いられる冷却ゲル化剤の種類については、上述する第一受容層2に用いられる冷却ゲル化剤と同様である。
本発明に用いられる多孔質層5は、上述する中空粒子、バインダー樹脂及び冷却ゲル化剤以外にも、必要に応じて任意の添加成分を含むものであってよい。上記任意の添加成分として多孔質層5に含有させることができるものとしては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
次にプライマー層6について説明する。プライマー層6は、上記第一受容層2と多孔質層5との接着性を向上させる機能を有する中間層である。即ち、本発明においてプライマー層とは、受容層とプライマー層以外の中間層との接着性を向上させるために形成される層を意味する。
プライマー層6を構成樹脂は、多孔質層5などの中間層と第一受容層2との接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な樹脂で構成されていることが好ましい。このようにプライマー層構成樹脂が水系溶媒に分散あるいは溶解可能な材料で形成されることにより、本発明の製造方法における同時重層塗布工程において、該プライマー層をこれに隣接する他の中間層と共に同時に塗布することが可能だからである。
また、プライマー層6には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。プライマー層6にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造方法において、基材シート1上に、プライマー層6とこれに隣接する他の中間層とを同時重層塗布方法によって良好に製造することが可能だからである。ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上述する第一受容層2に用いられる冷却ゲル化剤と同様のものを用いることができる。
また、プライマー層6に中空粒子を添加することによって、プライマー層6に断熱性能を付与してもよい。プライマー層6に中空粒子を添加することにより、プライマー層6が、第二受容層3と他の層との接着性を向上させるなどの本来の機能を発揮するだけでなく、断熱効果をも発揮させることができる点で好ましい。即ち、受容層4と隣接する位置、あるいは受容層4と基材シート1との間であって受容層4に近い位置に、中空粒子が添加されたプライマー層6が存在することによって、印画時においては、サーマルヘッドの熱効率を高められ、これによってインクリボンから染料が充分に昇華されて高品質な画像形成が可能である。
上述する冷却ゲル化剤、あるいは中空粒子以外にも、本発明におけるプライマー層6に添加することができる任意の化合物としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等を挙げることができる。
本発明の熱転写受像シート11において、基材シート1と、基材シート1の上面に設けられる層との接着性を高めるために、基材シート1と当該層の間に下引き層をさらに設けることができる。例えば、図4に示すように、基材シート1と多孔質層5との間に下引き層7を設けることによって、基材シート1と多孔質層5との接着性を高めることができる。また明細書で説明する下引き層は、基材シートと層との間の接着性を向上させるだけでなく、層間の接着性向上のために、任意の層間に設けることも可能である。
上記下引き層7は、上記基材シート1と上記多孔質層5との接着性、あるいは上記多孔質層5と第一受容層2との接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な樹脂で構成されていることが好ましい。このように熱転写受像シートを構成する各層が水系溶媒に分散あるいは溶解可能な材料で形成されることにより、熱転写受像シートの同時多層塗布方法による製造を可能にするからである。ここで、上記下引き層構成樹脂としては、上述する多孔質層5に関して記載した、多孔質層形成用バインダーとして用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。
上記下引き層7における冷却ゲル化剤の添加は任意であるが、熱転写受像シートを同時多層塗布方法によって製造する場合には、他の層とともに、下引き層にも冷却ゲル化剤を含有させる必要がある。ここで、下引き層に含有される冷却ゲル化剤としては、上述する第一受容層2に用いられる冷却ゲル化剤と同様のものを用いることができる。
尚、本発明に用いられる下引き層には、上記下引き層形成用バインダー樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、任意の添加成分をさらに含有してもよい。上記任意の添加成分の例としては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ材、分散剤等を挙げることができる。
次に、本発明の熱転写受像シートの製造方法について説明する。本発明の熱転写受像シートは、一般的に熱転写受像シートを製造する方法として公知の方法を用いて製造することができる。即ち、グラビアコート法などにより、基材シート1上に、各構成層を順次、積層成形して製造してもよい。あるいは、基材シート1上に設けられる複数の層を同時に塗布する同時多層塗布方法により製造することもできる。またあるいは、本発明の熱転写受像シートは、上述した製造方法以外に、例えば、同時多層塗布方法により、基材シート上に多孔質層や下引き層などの複数の機能層を同時に形成した後、受容層を別途塗布する工程を設けることも可能である。
最初に、所謂スライドコーターを用いたスライドコート法により多層シートが形成される塗布工程を、図5を用いて説明する。図5は、基材シート1上に、多孔質層5、第二受容層3及び第一受容層2を備える熱転写受像シート12を製造するために、スライドコーターを用いたスライドコート法により、各構成層を形成するための塗工液を基材シート1上に同時に塗布し、多層シート42を形成している様子を示す概念図である。
上述のとおり形成された多層シート42は、次に、冷却処理に供せられる。冷却処理工程において、基材シート1上に形成された各層を冷却する方法としては、多層シート42に冷風を吹き付ける冷却方法1、多層シート42を所望の温度以下の室温に調整された冷却ゾーンを通過させる冷却方法2などがある。また別の方法として、上記塗布工程において既に冷却された基材シート1をバックロール54にまき付け、この上に各層の塗工液を塗布することによって該基材シート1の温度で各層を冷却する、塗布工程と冷却処理工程を同時に行う冷却方法3、あるいは、基材シート1を搬送するバックロール54の表面を冷却し、基材シート1を介して各層を冷却することによって、塗布工程と冷却処理工程を同時に行う冷却方法4などでもよい。また上述する冷却方法1乃至4を組み合わせて冷却処理工程を実施してもよい。
上記冷却工程において冷却された多層シート42を、続いて乾燥工程に供することによって、熱転写受像シート12が完成される。多層シート42を乾燥させる方法としては、多層シート42を複数のロールに順次まき付けて送りながら、適温の温風を吹き付ける非接触乾燥により乾燥させることができる。このとき、乾燥路長を500m以上に設けることにより、急激にシートを乾燥させることを防止することにより、乾燥ムラのない良好な熱転写受像シートが形成されるので好ましい。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
塩化ビニル系樹脂( ビニブラン900、日信化学工業社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)と、シリコーン系離型剤(KF615A、信越化学工業社製)10重量部を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
2:第一受容層形成用塗工液2の調製方法(熱転写性向上因子としてシリコーン系離型剤を含まない)
塩化ビニル系樹脂( ビニブラン900、日信化学工業社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
ウレタン系樹脂( スーパーフレックス130、第一工業製薬社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
4:第二受容層形成用塗工液2の調製(離型剤の添加なし)
ウレタン系樹脂( ハイドランHW−350、大日本インキ化学工業社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
5:第二受容層形成用塗工液3の調製(離型剤の添加有り)
ウレタン系樹脂( スーパーフレックス130、第一工業製薬社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)と、シリコーン系離型剤(KF615A、信越化学工業社製)10重量部を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
6:第二受容層形成用塗工液4の調製(離型剤の添加有り)
ウレタン系樹脂( ハイドランHW−350、大日本インキ化学工業社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)と、シリコーン系離型剤(KF615A、信越化学工業社製)10重量部を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
7:第二受容層形成用塗工液5の調製(離型剤の添加なし)
スチレンブタジエンゴム(SBR)系樹脂(ラックスター7440N、大日本インキ化学工業社製)90重量部及び、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)を、純水で分散、溶解させて総固形分が25重量%となるよう純水にて希釈した。
中空粒子(HP−91、ロームアンドハース社製)75重量部(塗工液中の固形分比率)と、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)を25重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)と、界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業社製)0.15重量部とを、純水に分散、溶解させて、総固形分が17重量%となるように純水にて希釈した。
上記第二受容層構成樹脂を用い、後述する方法にて、基材シート上に、各第二受容層構成樹脂(評価樹脂)として、ウレタン系樹脂( スーパーフレックス130、第一工業製薬社製)が塗布されて塗膜が形成された試験片を作成し、下記に示す染料染着性試験により、その染料染着性の有無を評価した。
ΔEabが40以上:染料染着性が高い
同時多層塗布可能なスライドコート装置を用い、以下のとおり熱転写受像シートを作製した。基材シートとしてレジンコート紙(STF−150、三菱製紙社製)を用い、上記第一受容層形成用塗工液1、第二受容層形成用塗工液1、及び上記多孔質層形成用塗工液をそれぞれ40℃に加熱し、独立の塗工液タンクに充填した。そして、基材シート上に多孔質層と、第二受容層と、第一受容層とがこの順で積層されるように同時に3層を塗布した。次いで得られた積層体を10℃以下にて1分間冷却し、各層に含有されるゼラチンをゲル化させ、さらに50℃にて5分間乾燥することにより熱転写受像シートを作製し、実施例1とした。尚、それぞれの層は乾燥時の膜厚が多孔質層は乾燥後の膜厚が30μm、第二受容層は乾燥後の膜厚が2μm、第一受容層は乾燥後の膜厚が4μmとなるように塗工した。
上記実施例1の層構成については、表1にまとめて示した。以下の実施例及び比較例についても同様である。
第二受容層塗工液1を第二受容層塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
第一受容層塗工液1を第一受容層塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
第二受容層塗工液1を第二受容層塗工液3に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。
第一受容層塗工液1を第一受容層塗工液2に変更した以外は、実施例2と同様に作製した。
第二受容層塗工液2を第二受容層塗工液4に変更した以外は、実施例2と同様に作製した。
受容層を第一受容層のみとした以外は実施例1、2と同様に作製した。
第一受容層の乾燥後の膜厚を6μmとした以外は、比較例6と同様に作製した。
受容層を第一受容層のみとした以外は、比較例1と同様に作製した。
第一受容層の乾燥後の膜厚を6μmとした以外は、比較例7と同様に作製した。
第二受容層塗工液1を第二受容層塗工液5とした以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例1を用いて、昇華型熱転写プリンターCP−720(キヤノン社製)にて18step階調画像を印画した。その後、印画物を50℃、80%RH環境下にて1週間保存した後、画像のボケ具合を目視により評価した。また実施例2及び比較例1〜9についても上述と同様に、印画し、保存後の画像のボケを評価した。評価結果は、表1にまとめて示す。
○:画像のボケは全く観察されなかった。
×:画像のボケが観察された。
○:印画時に、受像シートとインクリボンとの剥離音がしない。
×:印画時に、受像シートとインクリボンとの剥離音がする。
2 第一受容層
3 第二受容層
4 受容層
5 多孔質層
6 プライマー層
7 下引き層
11 本発明の熱転写受像シート
12 本発明の熱転写受像シート
13 本発明の熱転写受像シート
14 本発明の熱転写受像シート
22 第一受容層2形成用塗工液
23 第二受容層形成用塗工液
24 多孔質層形成用塗工液
32 第一受容層2形成用層
33 第二受容層形成用層
34 多孔質層形成用層
42 多層シート
54 バックロール
55 コーティング装置
Claims (8)
- 基材シートと、上記基材シート上に水系溶媒に分散又は溶解可能である染料染着性樹脂から構成される受容層を少なくとも備える熱転写受像シートにおいて、
上記受容層が、基材シート側から、第二受容層、第一受容層の順に連続する二層により構成されており、且つ、
上記第一受容層にのみ熱転写性向上因子が付与されていることを特徴とする熱転写性受像シート。 - 上記熱転写性向上因子として、第一受容層に離型剤が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 上記第二受容層を構成する染料染着性樹脂が、ウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 上記第二受容層を構成する染料染着性樹脂の染料染着性が、下記染料染着性試験において示される保存前後の色差ΔEabが40以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
染料染着性試験:評価樹脂90重量部、ゼラチン10重量部、シリコーン系離型剤10重量部を上記評価樹脂の固形分濃度が溶液の30重量%となるよう純水にて希釈して塗工液を調製し、厚み75μmのポリエチレンテレフタレート製基材フィルム上に、乾燥後の塗膜が4μmとなるよう上記塗工液を塗布して試験片を作成し、次いで、50℃に加温したオーブンに上記試験片を入れて2分間加熱し、その後、オーブンから出して、上記試験片が室温に戻るのを待って、塗膜表面のa*値及びb*値(L*a*b*表色系における、色相と彩度の尺度)を測色計により、光源D65、照明視野角2度、濃度計算ISO Status A、フィルター無しの条件で測定して、次いで、塗膜側にシアン染料が含有されている染料層を備えるインクリボンを重ねあわせ、ブロッキングテスターによって10kg/cm2の圧力を加えて、温度40℃、湿度90%RHのオーブン内に24時間保存し、その後、オーブンから出して、大気圧室温下で、5時間放置した後、上記インクリボンを手動で試験片から引き離し、次いで、塗膜表面のa*値及びb*値を上述と同様に測定し、下記(式1)により塗膜の保存前後の色差ΔEa*b*を算出し、評価樹脂の染料染着性を測定する。
(式1)ΔEa*b*={(保存後のa*値−保存前のa*値)2+(保存後のb*値−保存前のb*値)2}1/2 - 上記基材シートと上記受容層との間に、水系溶媒に分散または溶解可能な中空粒子樹脂から構成される多孔質層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 上記第2受容層に接する位置であって基材シート側に、プライマー層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 上記基材シート上に積層される全ての層にそれぞれ冷却ゲル化剤が含有されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 上記第一受容層を構成する染料染着性樹脂が実質的に未硬化の状態で層を形成していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
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