JP4993127B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、昇華型熱転写方式による印画に用いられる熱転写受像シートに関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は、熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
上記熱転写受像シートは、基材シート上に複数の層が積層された構成を有するものであるが、このような熱転写受像シートを製造する方法として、例えば、グラビアコート等により、基材シート上に多孔質層や受容層を順次形成する方法が知られている。しかしながら、この方法は各層を順次形成する方法であるため、工程数が多くなるといった問題があった。そのため、より少ない工程数で熱転写受像シートを得るため、例えば、各層を構成する塗工液を上下に重ねた状態のまま基材シート上に塗布するスライドコート法等を用いて、基材シート上に同時に複数の層を形成する方法(同時多層塗工方法)が注目を浴びている(例えば、特許文献1〜3)。このような方法は、複数の層を同時に形成することにより、製造効率を著しく向上させることができ、製造コストの削減に資する点等において非常に有利である。
ところで、熱転写シートを用いた昇華型熱転写方式にて印画物を熱転写受像シートに形成することに関し、「白抜け」という現象の発生という問題がある。「白抜け」とは、熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、熱転写受像シートにおいて印画されるべき領域内に部分的に印画されてない領域が発生することを示すものである。「白抜け」が発生する原因としては、主要な要因として、上記基材シートや多孔質層表面に凹凸形状が存在し、その凹凸形状が熱転写受像シート表面に凹凸形状を形成させていることが挙げられる。すなわち、昇華型熱転写方式にて熱転写受像シートに印画する際、サーマルヘッド等の加熱手段による加熱にて熱転写シートの染料が熱転写受像シートの所定領域へ転写さされるが、熱転写受像シートの表面に凹凸形状が存在すると、その凹凸形状によって、熱転写シートとサーマルヘッドとの密着性(追従性)が阻害され、サーマルヘッドから十分に熱が伝えられない領域が熱転写シートや熱転写受像シートに部分的に発生してしまう。そして、この熱が十分に伝わらなかった領域に「白抜け」が生じ、この「白抜け」が、印画された画像全体を、「ざらつき」(粒状感)のある画像にしてしまう。
この「白抜け」の問題、すなわち「ざらつき」の問題、は、スライドコート法による同時多層塗工方法にて熱転写受像シートが形成される場合に特に生じやすい。スライドコート法による同時多層塗工方法では、基材シート上に形成される各層は、同時に形成された塗工膜にて、同時に作製されてしまうため、基材シートの表面形状の凹凸状態がそのまま最表面に露出する層の表面形状の凹凸状態になる傾向が強く、しかも従来の熱転写受像シートではクッション性が十分でないため、基材シートの表面に凹凸形状を吸収することが困難であり、基材シートの表面に凹凸形状が存在すると、それがそのまま、熱転写受像シートの最表面の染料受容層の表面形状にも反映されてしまいやすい。こうして、スライドコート法による同時多層塗工方法にて熱転写受像シートが形成される場合に特に、「ざらつき」の原因となってしまう虞があるという問題点が深刻に存在していた。
また、熱転写受像シートが製造場所から遠方まで輸送されて使用される場合には、比較的高い温度環境の下で長時間保存された後に熱転写受像シートが使用されることとなるが、そのような環境下では、紙基材の紙の収縮による熱転写受像シート表面凹凸の増加が生じやすく、このことが、「ざらつき」の問題を一層深刻化させていた。
特開2006−88691公報 特開平6−171240号公報 特開2006−103040公報
本発明は、基材シート上に、複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、比較的高い温度環境の下で長時間保存された後であっても白抜けの少ない印画物を形成することが可能な熱転写受像シートを提供することを主な目的とするものである。
本発明は、(1) 基材シートの面上に多孔質層を介して染料受容層を積層してなる熱転写受像シートであって、
前記多孔質層は、バインダと中空粒子を含んでなり、
前記バインダは、ゴム弾性を示す樹脂材料と、ゲル化剤を含んで構成され、
前記ゴム弾性を示す樹脂材料は、ガラス転移点温度(Tg)が−12℃以下−30℃以上であり、且つ、スチレンブタジエンゴム(SBR)もしくはメチルメタクリレートブタジエンゴム(MBR)からなり、
前記ゲル化剤が、ゼラチンである、ことを特徴とする熱転写受像シート
(2) バインダには、該バインダのうちゴム弾性を示す樹脂材料が10重量%以上30重量%以下の範囲で配合されている、上記(1)に記載の熱転写受像シート、
(3) 多孔質層は、バインダの配合量:中空粒子の配合量=40〜10重量部:60〜90重量部の配合比率にて、バインダと中空粒子を含んでなる、上記(1)または(2)に記載の熱転写受像シート、を要旨とする。
本発明は、基材シート上に、複数の層を同時に形成可能であり、ざらつきの抑制された印画物を形成することができる熱転写受像シートを得ることができるという効果を奏するものである。
本発明によれば、多孔質層が、中空粒子にて優れたクッション性を備えるとともに、多孔質層にゴム弾性を有する樹脂材料が含まれることで、熱転写受像シート全体のクッション性の一層の向上が実現できる。すると、本発明によれば、熱転写受像シートを構成する基材シートの表面に凹凸形状がある場合であっても、重なり合う熱転写シートと熱転写受像シートに対してサーマルヘッドが押し当てられた際に、サーマルヘッドの押し圧力で熱転写受像シートの凹凸形状が効果的に吸収され、サーマルヘッドからの熱が、熱転写受像シートの所定領域に対して十分に加えられる。熱転写受像シートが比較的高い温度環境の下で長時間保存処理を施された後にあっても、保存処理後の熱転写受像シートについても画像の「ざらつき」の発生を低減させたものとすることが可能となる。したがって、本発明の熱転写受像シートを用いて印画物を作製するに際し、サーマルヘッドの上記受容層に対する追従性を向上させることができ、印画時の「ざらつき」の発生を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、ガラス転移点温度(Tg)の低い樹脂材料を用いてバインダが構成されており、クッション性の高い材料であるガラス転移点温度(Tg)の低い樹脂材料により、熱転写受像シート自体のクッション性をより効果的に向上させることができる。そして、熱転写受像シートがクッション性により優れたものとなることで、印画時の「ざらつき」の発生を一層効果的に抑制することが可能となる。
なお、本発明によれば、バインダをSBRとゼラチンを含んで構成するものとすることができ、多孔質層のクッション性を一層向上させることができる。
以下、本発明の熱転写受像シートについて説明する。
本発明は、図1(A)に示すように、基材シート2の面上に多孔質層4を介して染料受容層3を積層してなる熱転写受像シート1である。
<基材シート2について>
基材シート2は、多孔質層4および染料受容層3を支持する支持体としての機能を有するものである。
本発明に用いられる基材シート2としては、熱転写受像シート1を用いた熱転写による印画の際に加熱手段から与えられる熱に対する耐熱性を備えるものであれば、特に限定されるものではないが、具体的には、レジンコート紙、樹脂製フィルム基材、および紙製基材等を挙げることができ、なかでもレジンコート紙が好ましい。
レジンコート紙は、通常、基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるものである。上記基紙を構成する原紙としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、それらの混合物から抄紙されるパルプ紙等を挙げることができ、なかでも木材パルプを主成分とする紙を用いることが好ましい。また、上記原紙は、必要に応じて後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記基紙は、厚みが10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
上記基紙は、公知の方法によって作製することができるが、原紙に対してカレンダー処理したものが好ましい。原紙にカレンダー処理をした基紙を用いると、平滑度を向上することができ、得られる熱転写受像シートの光沢感を高めることができるからである。
上記基材樹脂層を形成するための樹脂としては、ネックインが小さく、ドローダウン性が良好な基材樹脂層を形成可能な樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリウレタン等を挙げることができ、耐水性、強度、光沢等に優れた基材樹脂層が得られる点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等を挙げることができ、中でも高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
基材樹脂層は、上記したような樹脂を1種もしくは2種以上混合して得られるフィルムまたはシートであっても良いし、上記樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて作製したフィルムまたはシートであっても良い。また、上記樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性を向上させたものであっても良い。上記改質剤としては、例えば、タフマー(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等を挙げることができる。
上記レジンコート紙は、例えばドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等の公知の積層方法により基紙の両面に基材樹脂層を積層して作製することができる。なお、基紙には、基紙と基材樹脂層との層間密着力を向上させることを目的として、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。
上記レジンコート紙の厚みは、その全厚みについて、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも50μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等を挙げることができる。なかでも本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン樹脂を好適に用いることができる。
上記樹脂製フィルム基材の厚みとしては、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも、25μm〜60μmの範囲内、特に30μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
紙製基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、または、サイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。
上記紙製基材の厚みとしては、例えば80μm〜400μmの範囲内、中でも100μm〜200μmの範囲内、特に100μm〜210μmの範囲内であることが好ましい。
<染料受容層3について>
染料受容層3は、染料染着性を備える樹脂材料(受容層形成用樹脂)を含んでなる層であり、熱転写にて転写受像シート1が印画される際に、熱転写シートに担持される染料が熱転写受像シートの所定領域に転写され、その染料が熱転写受像シート1に担持された状態となり(熱転写受像シート1が染着され)、熱転写受像シート1に画像を形成する機能を有するものである。
受容層形成用樹脂としては、染料染着性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる上記受容層形成用樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上であるものが好ましく、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものがさらに好ましい。また、上記受容層形成用樹脂はガラス転移温度が120℃以下であるものが好ましい。このような範囲のガラス転移温度を有する受容層形成用樹脂を用いることにより、特に耐熱性や離型性に優れた熱転写受像シートを得ることができるからである。
なお、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)については剛体振り子型表面物性試験機(A&D社製 RPT3000W、昇温速度3℃/分)を用いて、DMA法による弾性率測定を行い、ピークが確認できる地点をTgとした。
受容層形成用樹脂は、水系溶媒に分散・溶解可能な樹脂(水性樹脂)、有機溶媒に分散・溶解可能な樹脂(溶剤系樹脂)のいずれでも使用可能であるが、水性樹脂であることが好ましい。上記受容層形成用樹脂が上記水性樹脂であることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、上記多孔質層と上記受容層とを水系溶媒のみを用いて、基材シート上に同時に塗布することが可能になるからである。
ここで、本明細書において、「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいう。水系溶媒における水の割合は、通常60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等、水との共存下で容易に相分離しないものを例示することができる。また、「有機溶媒」は、水との共存下で相分離する有機化合物でなる液体を挙げることができる。
受容層形成用樹脂を構成する水性樹脂としては、所望の水系溶媒に所定量を分散・溶解可能なものであれば特に限定されるものではない。このような水性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、または、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。本発明においては、これらの水性樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでもポリビニル系樹脂を用いることが好ましい。
ポリビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体、エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体等を、好ましいものとして挙げることができる。
なお、上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよび酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体を少量重合したものであってもよい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよびアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよい。なお、本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸および/またはそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体およびエチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体(以下、各共重合体を総称して、「エチレン/塩化ビニル系共重合体」といもいう。)は、少なくとも、エチレン、塩化ビニルおよびアクリル酸エステルの3種、または、エチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニルの3種の単量体を重合して得られる共重合体であれば特に限定されず、これらの3種の単量体以外に少量の微量単量体をも共重合したものであっても良い。
上記エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と塩化ビニルとの共重合体であっても良く、該EVA/塩化ビニル共重合体としては、EVAに塩化ビニルをグラフト共重合したものであっても良い。EVAは、該共重合体における酢酸ビニル単位の全部または一部が鹸化されたものをも含む。
本発明において、上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体を構成する「アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルに加え、メタクリル酸エステルをも含む概念である。上記アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができ、上記メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
受容層形成用樹脂としては、上記にて挙げたような各種樹脂を1種のみ用いてもよく、単量体組成、平均分子量等を異にする樹脂を2種以上用いてもよい。
染料受容層3は、受容層形成用樹脂を含むほか、必要に応じて他の化合物を含むものであってもよい。例えば、染料受容層3は、「他の化合物」として冷却ゲル化剤を含むものであってもよい。
染料受容層3に含まれる冷却ゲル化剤としては、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、上記染料受容層形成用塗工膜に粘度特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような冷却ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等を挙げることができる。
ここで、上記ゼラチンは、上述したように三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ポリビニルアルコールは、通常、Naと併用され、四ホウ酸イオンと水素結合を形成することにより、当該水素結合を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、炭酸塩等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
染料受容層3に含まれる冷却ゲル化剤は、上記に例示したいずれも好適に用いることができる。また、その冷却ゲル化剤は、上記に例示したものから1種類のみを用いられてもよく、2種類以上を組み合わせて用いられてもよい。
染料受容層3に冷却ゲル化剤が含まれる場合、染料受容層3における冷却ゲル化剤の含有量は、熱転写受像シート1を製造する際に、染料受容層3を構成する樹脂を含む受容層形成用の塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば、特に限定されるものではない。具体的には、冷却ゲル化剤は、受容層形成用の樹脂100重量部に対して、1重量部以上100重量部以下の範囲内であることが好ましく、特に1重量部以上40重量部以下の範囲内であることが好ましく、さらに2重量部以上40重量部以下の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有量が上記範囲よりも少ないと、例えば、熱転写受像シート1を同時多層塗工方法にて製造する場合において、多孔質層4を形成するための多孔質形成用塗工膜と染料受容層3を形成するための染料受容層形成用塗工膜とが基材シート上に重なり合うように塗布形成された際に、多孔質形成用塗工膜でなる層と染料受容層形成用塗工膜両層でなる層の両層が混合してしまうおそれがあるからである。また、冷却ゲル化剤の含有量が上記範囲よりも多いと、受容層形成用塗工膜を基材シート上に塗布形成する際に、受容層形成用塗工膜を形成するための塗工液の粘性により、受容層形成用塗工膜表面に塗りスジや塗りムラなどが生じやすくなる場合がある。
染料受容層3には、上記冷却ゲル化剤以外にも、例えば、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等が含まれていてもよい。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特に、シリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが好ましい。上記離型剤は、上述の受容層形成用樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜30質量部の範囲内となるように添加されることが好ましい。
染料受容層3は、その表面粗さについて、染料受容層3の面内方向重心位置を基準位置として、基準位置における表面凹凸差が平均値(SPa)0μm〜3μmの範囲内、より好ましくは0μm〜2μm、さらに好ましくは0μm〜1μmの範囲内とされる。
染料受容層3の厚みは、上記受容層形成用の樹脂に応じて所望の印画感度を発現できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、0.5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、特に0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、さらに1μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
<多孔質層4について>
多孔質層4は、基材シート2と染料受容層3の間に介在して形成される層であり、熱転写にて熱転写受像シート1に印画が行われる際に、サーマルヘッドなどの加熱手段から熱転写受像シート1の染料受容層3の所定領域に加えられた熱が、染料受容層3から基材シート2等へ容易に拡散してしまうことを抑制・遮断する断熱機能を有するものである。サーマルヘッドから与えられる熱が染料受容層3から基材シート2等へ即拡散せずに染料受容層3にある程度の時間留まることによって、熱転写シートに担持された昇華性染料を効果的に染料受容層へと熱転写することが実現される。
多孔質層4の断熱性は、多孔質層の空隙率や厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。
多孔質層4の厚みは、上記断熱性と緩衝性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、具体的に、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。
多孔質層4の比重は、0.2〜0.7の範囲内であることが好ましく、0.4〜0.7の範囲内であることがより好ましい。多孔質層4の比重がこの範囲にある場合、多孔質層4に十分体積の空隙が形成され、熱転写受像シート1の感度を高める機能を多孔質層4に効果的に発揮させることが可能となる。
多孔質層4の比重は、多孔質層の膜厚みR(μm)と、多孔質層のコート量Q(重量/面積)(g/m2)から求めた。多孔質層4の比重は、Q/Rにて求められた。
多孔質層4は、中空粒子とバインダを含んでなる。
(1)中空粒子について
多孔質層4に含まれる中空粒子は、その内部に空間部分を有する粒子であり、多孔質層4内に空間部分を備えさせることで、多孔質層4に断熱機能を付与するものである。したがって、中空粒子としては、多孔質層4に所望の断熱性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。
中空粒子は、発泡粒子、非発泡粒子のいずれであってもよい。また、発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、本発明に用いられる中空粒子は、樹脂材料等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、中空粒子は、架橋高分子化された樹脂材料にてなるものであってもよい。
上記中空粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
上記中空粒子の平均粒子径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、多孔質層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒子径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなることと、外殻厚みは中空粒子内部の空隙維持に必要な厚み以下に調整することが出来ないことから大粒径のものと比較すると粒子自体の空隙率が小さくなり、結果として中空粒子層の空隙率を上げることが出来なく、平均粒径が大きすぎると、平滑な多孔質層4を形成することが困難になるからである。
なお、本明細書において、上記「平均粒子径」は次のように求められる。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)にて乾燥体における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその外面側の直径(外径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子径とした。
本発明において、多孔質層4に含まれる中空粒子の固形分配合量としては、所望の断熱性および緩衝性を有する多孔質層4を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば30重量部〜90重量部の範囲内であることが好ましく、なかでも50重量部〜80重量部の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、多孔質層4における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎると、熱転写受像シート1を構成する基材シートと多孔質層と染料受容層との接着性が低下する虞を生じる。
(2)バインダについて
<ゴム弾性を示す樹脂材料について>
多孔質層4に含まれるバインダには、ゴム弾性を示す樹脂材料が含まれる。ゴム弾性を示す樹脂材料は、ガラス転移点温度(Tg)が0℃以下の樹脂材料であり、Tgが−80℃〜0℃の範囲内であることが好ましく、特に−60℃〜0℃の範囲内であることが好ましく、さらに−40℃〜0℃の範囲内であることが好ましい。Tgが上記範囲よりも高いと、クッション層に所望の弾性を付与することが困難になる場合があるからである。また、上記範囲よりも低いと、クッション層に隣接する層との混合が生じてしまう虞がある。
ゴム弾性を示す樹脂材料としては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)もしくはメチルメタクリレート・ブタジエンゴム(MBR)の少なくともいずれか一方が選ばれる。
SBRとしては、例えば、乳化重合スチレン・ブタジエンゴム、溶液重合スチレン・ブタジエンゴム、非油展スチレン・ブタジエンゴム、油展スチレン・ブタジエンゴム等を挙げることができる。
ゴム弾性を示す樹脂材料は、冷却ゲル化剤の種類や含有量に応じて、所望の弾性を備える多孔質層4を作製することができる範囲内であれば特に限定されるものではない。具体的には、ゴム弾性を示す樹脂材料は、バインダ全体量に対して10〜40重量%含まれていることが好ましく、10〜30重量%含まれていることがより好ましい。ゴム弾性を示す樹脂材料の含有量が上記範囲よりも多いと、多孔質層となることを予定される多孔質層形成用塗工膜の形成が損なわれる虞がある。また、ゴム弾性を示す樹脂材料の含有量が上記範囲よりも少ないと多孔質層に所望の弾性を付与することが困難になる場合がある。
バインダについて、ゴム弾性を示す樹脂材料以外のものとしては、通常、水系樹脂(ゴム弾性を示す樹脂材料を除く)が用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。
<冷却ゲル化剤について>
多孔質層4に含まれるバインダは、ゼラチンなどの冷却ゲル化剤を含んで構成されている。冷却ゲル化剤は、これを添加された液体を冷却することによりその液体をゲル化させる性質を有するもの(ゲル化剤)であり、多孔質層を多孔質層形成用塗工膜に所定の粘性を持たせるものである。冷却ゲル化剤は、水に溶解した状態での15℃における粘度が80℃における粘度に対して、3倍以上、特に5倍以上、さらには10倍以上であるものが好ましい。
バインダを構成する冷却ゲル化剤は、染料受容層3に冷却ゲル化剤を含ませる場合に使用可能なものとして上記したものから適宜用いることができ、したがって、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等のゲル化剤を挙げることができる。ここに、ゼラチンは、上述したように三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。また、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、金属塩化合物等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
冷却ゲル化剤は、上記したいずれの種類であっても好適に用いることができ、1種類のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
多孔質層4中に含有される中空粒子と冷却ゲル化剤との配合割合は、所望の断熱性を有する多孔質層4を形成することができれば特に限定されるものではない。具体的には、冷却ゲル化剤は、多孔質層4を構成する固形分100重量部に対して、10〜50重量部の範囲内であることが好ましく、特に10〜40重量部の範囲内であることが好ましくい。中空粒子と冷却ゲル化剤の含有比率が上記範囲内にあることにより、断熱性に優れた多孔質層4を形成することが可能となる。
なお、本発明において、熱転写受像シート1が多孔質層4により弾性に一層優れたものとなる点からは、多孔質層4を構成するバインダに含まれる冷却ゲル化剤とゴム弾性を有する樹脂材料の組み合わせは、それぞれゼラチンとSBRであることが好ましい。この場合、ゼラチンとしては、一般的に工業用に用いられている牛骨ゼラチン(オセインゼラチン)、牛皮ゼラチン、豚皮ゼラチン、および、魚皮ゼラチン等種々の原料に由来するものが知られているが、本発明においてはいずれの原料に由来するゼラチンであっても好適に用いることができ、中でも、牛骨ゼラチン(オセインゼラチン)が好ましい。また、一般的に工業的に用いられているゼラチンとしては、上述した原料から抽出する際の製法の相違により、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、および、ピペラジン処理ゼラチン等に分類されるが、本発明においてはこれらのいずれの製法で抽出されたゼラチンであっても好適に用いることができる。なかでも本発明においては、アルカリ処理ゼラチンが好ましい。アルカリ処理ゼラチンを使用することで増粘が少なく、酸処理ゼラチンを使用することによって増粘する場合があるからである。
ゼラチンは重量平均分子量10,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましい。ゼラチンの分子量が上記範囲よりも多いと粘度が高くなり、多孔質層形成用塗工膜に塗りスジや塗りムラが生じてしまう可能性があるからである。また、ゼラチンの分子量が上記範囲よりも少ないと、熱転写受像シート1を製造するため、同時多層塗工方法にて熱転写受像シート1を構成する各層(染料受容層3、多孔質層4)を同時に形成する場合、基材シート上に塗工形成される多孔質層形成用塗工膜の層と染料受容層形成用塗工膜の層といった各層が互いに混合する虞が大きくなる。
ゼラチンは、重量平均分子量等を異にする2種類以上を組み合わせて用いてもよいし、所定の重量平均分子量のものを1種類のみ用いてもよい。
また、多孔質層4は、中空粒子、バインダを含有するほか、必要に応じて、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を含むものであってもよい。
なお、図1(A)に示す例では、熱転写受像シート1が、多孔質層4を単一層形成している場合を例として説明したが、これに限定されず、熱転写受像シート1は、多孔質層を複数層形成してなるものであってもよい。この場合、複数層の多孔質層は、互いに同一組成の層であってもよく、異なる組成の層を有していてもよい。熱転写受像シート1が複数層の多孔質層を形成する場合には、複数層の多孔質層4には組成の異なる層が存在することが好ましい。このような構成とすることにより、さらに熱転写受像シート1を機能的な多孔質層を有するものとすることができる。
例えば、熱転写受像シート1が多孔質層を2層有する場合の例として、基材シート2面上に、中空粒子aを含有する多孔質層Aを積層し、多孔質層Aの面上に、中空粒子aよりも中空率の小さな中空粒子bを含有する多孔質層Bが積層された構成を有するものを挙げることができる。熱転写受像シート1が、このような多孔質層を2層備える場合、印画時における濃度ムラやハイライト部の白抜けの発生をより効果的に防止できるものとなる。
<熱転写受像シート1の製造方法について>
本発明の熱転写受像シート1は、一般的に熱転写受像シートを製造する方法として公知の方法を用いて製造することができる。
熱転写受像シート1は、各層を個別に積層形成する方法によって作製することができるほか、同時多層塗工方法により熱転写受像シート1の基材シート2上に形成される各層を同時に積層形成する方法によって作製することができる。
同時多層塗工方法による熱転写受像シート1の製造方法は、次のように実施できる。
<塗工液の調整>
中空粒子を選択するとともに、冷却ゲル化剤と所定のゴム弾性を示す樹脂材料を含むバインダを準備し、これらの中空粒子とバインダが水系溶媒に分散・溶解され、塗工液(多孔質層形成用塗工液)が調整される。また、染料受容層を構成する樹脂材料として所定の樹脂材料を選択し、さらに冷却ゲル化剤を選択して、これらの樹脂材料と冷却ゲル化剤が水系溶媒に分散・溶解され、塗工液(受容層形成用塗工液)が調整される。なお、各塗工液を基材シート上に塗布する際の塗工液の温度は、通常、40℃〜80℃の範囲内とされる。
<塗工膜の作製>
スライドコート法によって、基材シート上に、多孔質層形成用塗工液と、受容層形成用塗工液とを上下に重ね合わせつつ塗布して、2層の塗工膜(多孔質層形成用塗工膜と受容層形成用塗工膜)が同時に作製される。このとき、基材シートと、受容層形成用塗工液の塗布にて作製された受容層形成用塗工膜との間に、多孔質層形成用塗工液の塗布にて多孔質層形成用塗工膜が作製される。
スライドコート法は、例えば、基材シート2を巻きつけるロール(バックロール)と、そのロールの回転面に向かって塗工液を吐出するスリットノズルを有するダイヘッドとを備える塗工装置を用いて実施することができる。この場合、ダイヘッドは、スリットノズルを、複数種類の塗工液を上下に重ねて吐出するような形状に形成されている。このような塗工装置によれば、バックロールが基材シート2を部分的に巻きつけつつ基材シートをダイヘッドに対面させるとともにバックロールの回転方向に基材シート2を送り出し、ダイヘッドはスリットノズルから熱転写受像シート1の各層を構成する複数の塗工液を、上下に重ねた状態にて基材シート面2上に吐出する。
スライドコート法は、膜厚均一性に優れており、またスピンコート法による塗工液の塗布と比較して回転による塗工膜の面内方向の遠心力が与えられないため塗工液の飛散による品質不良が発生しにくく、ロールコート法による塗工液の塗布と比較して摩擦部がないため塗布部での原反切れの発生によるロスが発生しにくいという利点を有する。また、塗工液のハンドリング性の観点から見ると、スライドコート法は、塗工液の濃度、粘度、組成が変化しにくく、反応性が高く経時的に変化する塗工液を用いることができ、塗工液を使い切ることができ無駄が生じにくく、高固形分塗工液を用いることができ溶媒使用量を削減することができるという利点を有する。
なお、スライドコート法においては、多孔質層形成用塗工液および受容層形成用塗工液が互いに混合しないように、通常、両塗工液間の表面張力の差が一定の範囲内となるように調整される。
次に、基材シート2上に形成された塗工膜は冷却される(冷却処理)。
冷却処理において、基材シート2上に形成された塗工膜を冷却する方法としては、例えば、上記基材シートを搬送するロールの表面を冷却し、基材シートを介して上記塗工膜を冷却する方法、上記塗工膜に冷風を吹き付ける方法、上記塗工膜が形成された基材シートを所望の温度以下の室温に調整された冷却ゾーンを通過させる方法等が用いられる。冷却された基材シート上に、上記塗工膜を塗布する方法は、上記基材シート上に上記塗工膜が塗布された直後に、当該塗工膜を強制冷却することができるため、上記多層の塗工膜を構成する複数の層が混合することを防止できる。
上記冷却処理工程において、上記塗工膜を強制冷却する温度は、通常、0℃から常温の範囲とされる。
冷却処理の後、必要に応じて、基材シート2上に形成された塗工膜が乾燥される。こうして、多孔質層形成用塗工膜が多孔質層4をなし、染料受容層形成用塗工膜が染料受容層3をなし、熱転写受像シート1が作製される。
なお、上記の熱転写受像シート1の製造方法では、多孔質層形成用塗工膜と染料受容層形成用塗工膜を形成した後に冷却処理が行われる場合を例として説明したが、熱転写受像シート1の各層を構成する材料によっては、冷却された基材シート2上に塗工膜が形成されることで、冷却処理が省略されてもよい。
なお、本発明の熱転写受像シートは、上述したスライドコート法による製造方法以外に、基材シート上に多孔質層と染料受容層を、個別に形成する方法によっても製造することが可能である。
<熱転写受像シート1のその他の構成例>
上記においては、熱転写受像シート1が基材シート2面上に多孔質層4を介して染料受容層3を積層形成してなるものである場合を例として詳細に説明したが、本発明の熱転受像シート1は、必要に応じて他の層を更に備えるものであってもよい。
例えば、熱転写受像シート1は、図1(B)に示すように、基材シート2面上に多孔質層4を介して染料受容層3を積層形成するのみならず、基材シート2と多孔質層4の間に下引き層6を形成し、多孔質層4と染料受容層3との間にプライマー層5を形成してなるものであってもよい。
(A)下引き層6について
下引き層6は、基材シート2と多孔質層4との間に形成され、基材シート2と多孔質層4の接着性を向上させる機能を有するものである。
下引き層6を構成する材料としては、基材シート2と多孔質層4の接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。下引き層6を構成する材料としては、具体的には、多孔質層4を形成する際にバインダとして使用可能な水系溶媒に分散・溶解な樹脂材料を挙げることができる。下引き層6は、前述の下引き層6を構成する材料と溶媒とで塗工液を作製し、この塗工液を基材シートに塗布して乾燥させて作製することができる。なお、このとき、溶媒には、多孔質層4の作製で用いる水系溶媒から適宜選択される。
(B)プライマー層5について
プライマー層5は、多孔質層4と染料受容層3の間に形成され、多孔質層4と染料受容層3の接着性を向上させる(分離を抑制する)機能を有するものである。
プライマー層5を構成する材料としては、多孔質層4と染料受容層3の接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。プライマー層5を構成する材料としては、具体的には、下引き層6の場合と同様に、多孔質層4を形成する際にバインダとして使用可能な水系溶媒に分散・溶解な樹脂材料を挙げることができる。プライマー層5は、前述のプライマー層5を構成する材料と溶媒とで塗工液を作製し、この塗工液を基材シートに塗布して乾燥させて作製することができる。なお、このとき、溶媒には、染料受容層3の作製で用いる油系溶媒や水系溶媒から適宜選択される。
なお、上記したような熱転写受像シート1の下引き層6とプライマー層5について、少なくとも下引き層6のバインダには冷却ゲル化剤が含まれている。ただし、同時多層塗工方法にて効果的に熱転写受像シート1を製造可能とする点においては、下引き層6とプライマー層5について、両層ともにバインダに冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。この場合、下引き層6をなすことを予定される塗工膜(下引き層形成用塗工膜)を形成するための塗工液(下引き層形成用塗工液)に冷却ゲル化剤が含まれる。また、プライマー層5については、プライマー層5をなすことを予定される塗工膜(プライマー層形成用塗工膜)を形成するための塗工液(プライマー層形成用塗工液)に、冷却ゲル化剤が含まれ、また、溶媒には水系溶媒が選択されることとなる。
プライマー層形成用塗工液に冷却ゲル化剤が含まれると、熱転写受像シート1を同時多層塗工方法にて製造するにあたり、基材シート2上に多孔質層形成用塗工膜と染料受容層形成用塗工膜を同時に形成する際、それと同時に下引き層形成用塗工液の塗布及び/又はプライマー層形成用塗工液の塗布を行って、下引き層形成用塗工膜及び/又はプライマー層形成用塗工膜を容易に形成することが可能となる。
下引き層6を構成するための下引き層形成用塗工液に配合される冷却ゲル化剤の配合量は、下引き層6を形成する際に用いる下引き層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。具体的には、下引き層形成用塗工液における冷却ゲル化剤の配合比率は、下引き層6を構成する樹脂材料100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内であることが好ましく、特に20〜80の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記下引き層形成用塗工液が基材シート2上に塗布された際に、他の層を形成するための塗工液と混合してしまうおそれがあるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、上記下引き層形成用塗工液を上記基材シート2上に塗布する際に、スジやムラなどが生じやすくなる場合があるからである。
プライマー層5に冷却ゲル化剤が含まれる場合、プライマー層形成用塗工液に配合される冷却ゲル化剤の配合量は、下引き層形成用塗工液に配合される冷却ゲル化剤の場合と同様に、プライマー層5を形成する際に用いるプライマー層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。したがって、具体的に、プライマー層形成用塗工液における冷却ゲル化剤の配合比率は、下引き層形成用塗工液に配合される冷却ゲル化剤の配合量の好ましい範囲の場合と同様の理由に基づき、プライマー層5を構成する樹脂材料100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内であることが好ましく、特に20〜80の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75の範囲内であることが好ましい。
下引き層6やプライマー層5に冷却ゲル化剤が含まれる場合、下引き層6に含まれる冷却ゲル化剤とプライマー層5に含まれる冷却ゲル化剤としては、それぞれ、多孔質層4や染料受容層3に含まれる冷却ゲル化剤より使用可能なものが適宜選択されて用いられる。
なお、下引き層6やプライマー層5には、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ材、分散剤等が含まれていてもよい。上記硬化剤は、例えば、下引き層6やプライマー層5を構成する樹脂材料として活性水素を有する熱可塑性樹脂が用いられた場合等に特に有効である。
この熱転写受像シート1は、各層(下引き層6、多孔質層4、プライマー層5、染料受容層3)を個別に積層形成する方法によって作製することができるほか、同時多層塗工方法により下引き層6、多孔質層4、プライマー層5、染料受容層3の各層を同時に積層形成する方法によって作製することができる。
同時多層塗工方法による熱転写受像シート1の製造方法としては、スライドコート法による方法が好ましく採用される。この方法にて熱転写受像シート1を作製する場合、基材シート2上に、下引き層形成用塗工液と、多孔質層形成用塗工液と、プライマー層形成用塗工液と、受容層形成用塗工液とを上下に重ね合わせつつ塗布して、4層の塗工膜(下引き層形成用塗工膜と多孔質層形成用塗工膜とプライマー層形成用塗工液と受容層形成用塗工膜)が同時に作製される。このとき、基材シート2と、受容層形成用塗工液の塗布にて作製された受容層形成用塗工膜との間に、多孔質層形成用塗工液の塗布にて多孔質層形成用塗工膜が作製され、さらに、基材シートと多孔質層形成用塗工膜の間に下引き層形成用塗工膜が作製され、多孔質層形成用塗工膜と受容層形成用塗工膜の間にプライマー層形成用塗工膜が作製される。次に、基材シート2に形成された各塗工膜が冷却され、必要に応じて乾燥されて、熱転写受像シート1が作製される。
なお、上記ではプライマー層5や下引き層6の両層を備える熱転写受像シート1について説明したが、本発明の熱転写受像シート1は、プライマー層5や下引き層6のいずれか一方の層が備えられてなるものでもあってもよい。
次に、実施例を用いて本発明をより詳細に示す。
実施例1.
まず、染料受容層形成用の塗工液と多孔質層形成用の塗工液を次のように調整した。
<塗工液の調整>
(1)染料受容層形成用の塗工液
染料受容層形成用の塗工液を調整するにあたり、まず下記表1に示すような組成の樹脂組成物Aが調整された。樹脂組成物Aの調整にあたり、樹脂材料として塩化ビニル系樹脂(日信化学工業社製;ビニブラン900)、添加物(表1中、添加剤1から3)として、ゲル化剤(新田ゼラチン社製;RR)、ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業社製;KF615A)、界面活性剤(日信化学工業社製;サーフィノール440)が用いられた。なお、表1中、配合量(重量部)は、固形分の重量部を示す。そして、この樹脂組成物Aをその全体固形分が30%になるように水で希釈し、染料受容層形成用の塗工液が調整された。
(表1)
Figure 0004993127
(2)多孔質層形成用の塗工液
多孔質層形成用の塗工液を調整するにあたり、まず下記表2に示すような組成の樹脂組成物B(表2中、組成物B−1からB−2)が調整された。樹脂組成物Bの調整にあたり、中空粒子として、「ロームアンドハース社製;HP−91が用いられ、界面活性剤としては「日信化学工業社製;サーフィノール440」が用いられた。また、バインダについては、表3の実施例1の欄に示されるように、ゴム弾性を示す樹脂材料として、MBR(大日本インキ化学工業社製;DM820、ガラス転移点温度(Tg);-30℃)が用いられ、冷却ゲル化剤としては「新田ゼラチン社製;CLW(ゼリー強度309)」(実施例2、比較例1から4の欄のゼラチンについても同じ)が用いられた。なお、表2中、配合量(重量部)は、固形分の重量部を示す。そして、この樹脂組成物B(B−1,B−2)をその全体固形分が20%になるように水で希釈し、多孔質層形成用の塗工液が調整された。
(表2)
Figure 0004993127
(表3)
Figure 0004993127
上記に調整された塗工液を用い、次のように熱転写受像シートを作成した。
基材シートとしてRCペーパー(レジンコート紙)(STF−150、三菱製紙社製)を用い、多孔質層形成用塗工液、染料受容層形成用塗工液を50℃に加熱し、スライドコート法を用いて多孔質層形成用塗工液、染料受容層形成用塗工液を上下に重なりあうように塗布して、基材シートの厚み方向に重なり合う多孔質層形成用塗工膜と染料受容層形成用塗工膜という2層の塗工膜を同時に作製した。
さらに、2層の塗工膜を作製した基材シートが5℃にて1分間冷却されて、それら2層がゲル化された。そして、ゲル化した2層は50℃にて5分乾燥された。これにより、多孔質層形成用塗工膜と染料受容層形成用塗工膜がそれぞれ多孔質層と染料受容層をなし、基材シート上に多孔質層および染料受容層が同時に形成された。こうして、基材シート面上に多孔質層を介して受容層を積層された構成を有する熱転写受像シート1が得られた。熱転写受像シート1において、多孔質層および染料受容層の厚みは、それぞれ30μmおよび5μmであった。
得られた熱転写受像シートを用い、次のように熱転写受像シートの「ざらつき」について試験がなされ、その試験結果の評価が行われた。
熱転写受像シートの「ざらつき」の測定は、「保存処理後のざらつき」と「保存処理前のざらつき」について、次のように実施された。
「保存処理後のざらつき」
まず、熱転写受像シートを60℃、湿度10%以下の雰囲気下にて96時間保存した(保存処理)。その保存処理の後、熱転写受像シートを用いて、「印画試験」が行われた。この印画試験は、得られた熱転写受像シートに昇華型熱転写法による所定画像の印画を行うことで実施された。このとき、印画される所定画像には、ブラックの18ステップに分割された画像が用いられ、昇華型熱転写法による印画には、ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIIIプリンター用の専用の熱転写シートと組み合わせて、下記条件にて、熱転写記録を行い、下記条件にて、ざらつきの評価を行なった。但し、記録条件は以下のとおりで行った。
(記録条件)
サーマルヘッド;F−3598(東芝ホクト電子工業社製)
印圧;5kg
発熱体平均抵抗値;5186(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印加電力;0.16W/dot
印字(記録)速度;4.23cm/sec.
印字幅;150mm
そして、ブラックの18ステップに分割された画像が熱転写受像シートに形成された後、ハイライト部分の白ヌケを目視にて評価し、白く抜けた部分がなく均一なブラックの18ステップの画像が得られた場合を「良好」、わずかに白く抜けた箇所が観察された場合を「不良」と評価した。
「保存処理前のざらつき」
熱転写受像シートを用いて、保存処理を行わずに印画試験を行い、印画試験の結果について「保存処理後のざらつき」の評価と同様の基準で評価がなされた。
実施例1の熱転写受像シートを用いた「ざらつき」についての試験結果を、表4に示す。
熱転写受像シートの「感度」と「保存処理後のざらつき」の評価結果を、以下の表4に示す。保存処理前後如何にかかわらず「白抜け」の発生が効果的に抑えられ、熱転写受像シートのごわつき・ざらつきが抑制されている状態が維持されていることが確認された。
実施例2、比較例1から4
実施例1において多孔質層を形成する工程を実施する際に用いられる樹脂組成物Bが、表3の実施例2と比較例1から4の各欄に示すものとされた他は、実施例1と同様にして、熱転写受像シートを作製した。得られた熱転写受像シートを用いて、実施例1と同様に「ざらつき」についての試験が行われ、試験結果の評価がなされた。それらの結果を表4に示す。
(表4)
Figure 0004993127
(A)は、本発明の熱転写受像シートの実施例の1つを示す断面模式図である。(B)は、本発明の熱転写受像シートの他の実施例の1つを示す断面模式図である。
符号の説明
1 熱転写受像シート
2 基材シート
3 染料受容層
4 多孔質層
5 プライマー層
6 下引き層

Claims (3)

  1. 基材シートの面上に多孔質層を介して染料受容層を積層してなる熱転写受像シートであって、
    前記多孔質層は、バインダと中空粒子を含んでなり、
    前記バインダは、ゴム弾性を示す樹脂材料と、ゲル化剤を含んで構成され、
    前記ゴム弾性を示す樹脂材料は、ガラス転移点温度(Tg)が−12℃以下−30℃以上であり、且つ、スチレンブタジエンゴム(SBR)もしくはメチルメタクリレートブタジエンゴム(MBR)からなり、
    前記ゲル化剤が、ゼラチンである、ことを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記バインダには、該バインダのうちゴム弾性を示す樹脂材料が、10重量%以上30重量%以下の範囲で配合されている、請求項1記載の熱転写受像シート。
  3. 前記多孔質層は、バインダの配合量:中空粒子の配合量=40〜10重量部:60〜90重量部の配合比率にて、バインダと中空粒子を含む、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
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