JP4978405B2 - 熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents

熱転写受像シートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写方式による印画に用いられる熱転写受像シートおよびその製造方法に関するものである。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は、熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
熱転写受像シートを得る方法として、例えばグラビアコート等により、基材シート上に多孔質層や受容層を順次形成する方法が知られている。しかしながら、この方法は各層を順次形成する方法であるため、工程数が多くなるといった問題があった。そのため、より少ない工程数で熱転写受像シートを得るため、同時に複数の層を形成する方法等が注目を浴びている。
例えば特許文献1においては、基材上に、断熱層や受像層等の複数の層を同時重層塗布することにより形成した熱転写受像シートが開示されている。具体的には、同時重層塗布の塗布方式としてスライドコート法を用いて、熱転写受像シートを得たことが記載されている(実施例:熱転写受像シート5の作製)。また、特許文献2においては、水性中間層と水性受容層を同時塗布することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法が開示されており(請求項1)、さらに、特許文献3においては、水溶性樹脂を最表層に有するインクジェット記録媒体が開示されており(請求項1)、インク受容層用塗布液と塩基性溶液とを同時塗布することについて記載されている。
このように、複数の層を同時に形成することにより、熱転写受像シートを製造する方法は、製造効率や製造コスト等において非常に有利な面がある。しかしながら、その一方で上記水系受容層に用いられる樹脂は、種類が限られていたことから離型性に優れた受容層を形成することが困難であるという問題点があった。
このような問題点に対し、特許文献4には上記受容層中に硬化剤を添加することにより、上記受容層を硬化させて、離型性を向上させる方法が開示されている。しかしながら、上記受容層に硬化剤を添加する場合、通常、受容層を形成するために用いられる受容層形成用塗工液に硬化剤を添加することになるため、硬化剤の作用により上記受容層形成用塗工液が短時間で硬化してしまい、製造効率が損なわれるという問題点があった。
特開2006−88691公報 特開平6−171240号公報 特開2006−103040公報 特許第2631532号
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、基材シート上に、水系の受容層を含む複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、離型性に優れた受容層を備える熱転写受像シートを提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は基材シートと、上記基材シート上に形成され、染料染着性を有し、かつ水系溶媒に分散・溶解可能な受容層形成用樹脂および冷却ゲル化剤を含有する受容層とを備える熱転写受像シートであって、上記受容層に曇点を有するシリコーン化合物が含まれることを特徴とする熱転写受像シートを提供する。
本発明によれば、上記受容層に曇点を有するシリコーン化合物が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを作製する工程において、上記受容層を上記シリコーン化合物の曇点以上の温度に加熱することにより、上記受容層を硬化させることができる。このため、本発明によれば離型性に優れた受容層を得ることができる。
また、上記シリコーン化合物は曇点以下の温度で取り扱う限りにおいては、変化することがない。このため、例えば、本発明における受容層を形成するために用いられる受容層形成用塗工液に、上記シリコーン化合物を添加した場合であっても、上記シリコーン化合物の曇点以下の温度で管理することにより、製造効率が損なわれることを防止することができる。
さらに本発明によれば、上記受容層形成用樹脂が水系溶媒に分散・溶解可能なものであり、かつ、上記受容層に冷却ゲル化剤が含まれているため、例えばスライドコート法等を用いることにより、水系で複数の層を同時に形成することにより本発明の熱転写受像シートを高効率で製造することが可能になる。
このようなことから本発明によれば、基材シート上に、水系の受容層を含む複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、離型性に優れた受容層を備える熱転写受像シートを得ることができる。
本発明においては、上記シリコーン化合物の曇点が70℃以下であり、粘度が400cP以上であることが好ましい。これにより、本発明の熱転写受像シートを作製する工程において、上記受容層を乾燥する温度を、上記シリコーン化合物の曇点よりも高くすることが容易になるからである。すなわち、本発明の熱転写受像シートは水系の塗工液を用いて受容層等を形成できることを利点とするため、上記受容層を作製する際の乾燥温度を水の沸点である100℃以上に加熱することは困難となる。したがって、上記シリコーン化合物の曇点としては100℃よりも低い温度であることが望ましい。また、本発明の熱転写受像シートの製造工程において受容層を迅速に硬化させるには、受容層と乾燥温度との温度差が大きい方が望ましい。この点、曇点が70℃以下であれば、これらの課題を解決することができるからである。
さらに、画像形成の際に、受容層中のシリコーンが染料層に移行することにより、混色印画時に離型性が悪化することがあるが、粘度が400cP以上であるシリコーンを使用することにより、これを防止することができる。
また本発明においては、上記シリコーン化合物が、ポリエーテル鎖を有するポリエーテルシリコーン化合物であることが好ましい。このようなシリコーン化合物が用いられることにより、本発明における受容層を離型性に優れたものにできるからである。
また本発明においては、上記基材シートと、上記受容層との間に、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層を有することが好ましい。このような多孔質層を有することにより、当該多孔質層の断熱性の寄与によって、本発明の熱転写受像シートを印画特性に優れたものにできるからである。
本発明は、冷却ゲル化剤、受容層形成用樹脂および曇点を有するシリコーン化合物を含む水系の受容層形成用塗工液を用い、基材シート上に受容層を含む複数の層を同時に塗布する同時多層塗布工程と、上記同時多層塗布工程において、基材シート上に形成された複数の層からなる塗膜を冷却する冷却処理工程と、上記冷却処理工程において冷却され塗膜を、上記シリコーン化合物の曇点よりも高い温度で乾燥する乾燥工程と、を有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記乾燥工程において受容層を乾燥する温度が、上記受容層形成用塗工液に含まれるシリコーン化合物の曇点よりも高いことにより、上記乾燥工程において受容層を硬化させることができる結果、離型性に優れる受容層を備える熱転写受像シートを製造することができる。
本発明の熱転写受像シートは、基材シート上に、水系の受容層を含む複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、離型性に優れるという効果を奏する。
以下、本発明の熱転写受像シートについて説明する。
上述したように本発明の熱転写受像シートは、基材シートと、上記基材シート上に形成され、染料染着性を有し、かつ水系溶媒に分散・溶解可能な受容層形成用樹脂および冷却ゲル化剤を含有する受容層とを備えるものであって、上記受容層に曇点を有するシリコーン化合物が含まれることを特徴とするものである。
このような本発明の熱転写受像シートについて図を参照しながら説明する。図1は本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明の熱転写受像シート10は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成され、染料染着性を有し、かつ、水系溶媒に分散・溶解可能な受容層形成用樹脂および冷却ゲル化剤を含有する受容層2と、を備えるものである。
このような例において、本発明の熱転写受像シート10は、上記受容層2に曇点を有するシリコーン化合物が含まれることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記受容層に曇点を有するシリコーン化合物が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを作製する工程において、上記受容層を上記シリコーン化合物の曇点以上の温度に加熱することにより、上記受容層を硬化させることができる。このため、本発明によれば離型性に優れた受容層を得ることができる。
また、上記シリコーン化合物は曇点以下の温度で取り扱う限りにおいては、変化することがない。このため、例えば、上記受容層を形成するために用いられる受容層形成用塗工液に上記シリコーン化合物を添加した場合であっても、上記シリコーン化合物の曇点以下の温度で管理することにより、製造効率が損なわれることを防止することができる。
さらに本発明によれば、上記受容層形成用樹脂が水系溶媒に分散・溶解可能なものであり、かつ、上記受容層に冷却ゲル化剤が含まれているため、例えばスライドコート法等を用いることにより、水系で複数の層を同時に形成することにより本発明の熱転写受像シートを高効率で製造することが可能になる。
このようなことから本発明によれば、基材シート上に、水系の受容層を含む複数の層を同時に形成することにより高効率で製造可能であり、かつ、離型性に優れた受容層を備える熱転写受像シートを得ることができる。
本発明の熱転写受像シートは少なくとも、基材シートと、受容層とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の熱転写受像シートに用いられる各構成について説明する。
1.受容層
まず、本発明に用いられる受容層について説明する。本発明に用いられる受容層は、後述する基材シート上に形成されるものであり、本発明の熱転写受像シートを用い、熱転写方式よって印画物を形成する際に、染料を受容する機能を有するものである。また本発明に用いられる受容層は受容層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とを含有し、さらに曇点を有するシリコーン化合物を含有することを特徴とするものである。
以下、このような受容層について詳細に説明する。
(1)シリコーン化合物
まず、本発明に用いられるシリコーン化合物について説明する。本発明に用いられるシリコーン化合物は、本発明の熱転写受像シートを作製する際に、受容層を硬化させ、これによって受容層の離型性を向上させる機能を有するものである。また、本発明に用いられるシリコーン化合物は曇点を有することを特徴とするものである。
本発明に用いられるシリコーン化合物としては、曇点を有するものであれば特に限定されるものではない。ここで、曇点とは、「曇り点」とも称されるものであり、上記シリコーン化合物を含有する溶液が、温度変化によって曇りを生じる温度を意味するものである。
本発明に用いられるシリコーン化合物がこれを有することは、例えば、シリコーン単体または25%程度の水溶液とし、これを昇温することにより曇りを生じることによって確認できる。
本発明に用いられるシリコーン化合物の曇点の具体的な温度としては、本発明の熱転写受像シートの製造方法等に応じて、受容層を所望の程度に硬化させることができ、離型性に優れた受容層を形成できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられるシリコーン化合物の曇点は70℃以下であることが好ましい。これにより、本発明の熱転写受像シートを作製する工程において、上記受容層を乾燥する温度を、上記シリコーン化合物の曇点よりも高くすることが容易になるからである。すなわち、本発明の熱転写受像シートは水系の塗工液を用いて受容層等を形成できることを利点とするため、上記受容層を作製する際の乾燥温度を、水の沸点である100℃以上に加熱することは困難となる。したがって、上記シリコーン化合物の曇点としては100℃よりも低い温度であることが望ましい。また、本発明の熱転写受像シートの製造工程において受容層を迅速に硬化させるには、受容層と乾燥温度との温度差が大きい方が望ましい。この点、曇点が70℃以下であれば、これらの課題を解決することができるからである。
一方、本発明は曇点を有するシリコーン化合物を用いることにより、本発明における受容層を形成するために用いられる受容層形成用塗工液のポットライフを短縮させることないという利点もあるため、上記シリコーン化合物の曇点としては、常温よりも高い温度であることが好ましい。より具体的には、30℃以上であることが好ましい。本発明に用いられるシリコーン化合物の曇点は、塗工温度などにもよるため一概には決定できないが、例えば、30℃〜70℃の範囲内であることが好ましく、30℃〜65℃の範囲内であることがより好ましく、30℃〜50℃の範囲内であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いられるシリコーン化合物は、粘度が400cP以上であることが好ましく、600cP以上であることがより好ましく、1000cP以上であることがさらに好ましい。ここで、上記粘度は、小型振動式粘度計(VIBRO VISCOMETER CJV5000、A&D社製)によって測定した25℃における値を意味するものとする。
本発明に用いられるシリコーン化合物としては、曇点を有するものであれば特に限定されるものではなく、本発明の熱転写受像シートを製造する方法等に応じて、所定の曇点を有する化合物を任意に選択して用いることができる。このようなシリコーン化合物としては、例えば、ポリエーテル鎖を有するポリエーテルシリコーン化合物、ジメチコンコポリオール等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれのシリコーン化合物であっても好適に用いることができるが、なかでもこのような上記ポリエーテルシリコーン化合物が用いられることが好ましい。ポリエーテルシリコーン化合物が用いられることにより、本発明における受容層をより離型性に優れたものにできるからである。
なお、エマルジョン樹脂とゼラチンを混合した場合、増粘することが多いが、ポリエーテル変性シリコーンを添加することにより、増粘を抑制することが可能な場合が多い。これは、ポリエーテル変性シリコーンが溶液中でエマルジョン樹脂の乳化剤として働いているためと考えられる。
ここで、上記ポリエーテル変性シリコーン化合物の具体例としては、例えば、信越化学工業社製KF351A、KF352A、KF615A、X−22−4515、東レ・ダウコーニング社製FZ−720、FZ−2120等を挙げることができる。
なお、本発明に用いられるシリコーン化合物は1種類のみであってもよく、あるいは、2種類以上であってもよい。
本発明における受容層中に含まれるシリコーン化合物の量としては、上記シリコーン化合物や後述する受容層形成用樹脂の種類等に応じて、上記受容層を所望の程度に硬化できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては上記受容層中におけるシリコーン化合物の含有量が0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、1質量%〜20質量%の範囲内であることがより好ましく、5質量%〜15質量%の範囲内であることがさらに好ましい。シリコーン化合物の含有量が上記範囲よりも少ないと、熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、染料リボンと受像紙が融着し、正常に印画できない虞があるからである。また、シリコーン化合物の含有量が上記範囲よりも多いと、本発明の熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、印画感度が低下してしまう虞があり、また画像形成の際に保護層を使用する場合、保護層の接着に悪影響を及ぼす虞があるからである。
(2)受容層形成用樹脂
次に、本発明に用いられる受容層形成用樹脂について説明する。本発明に用いられる受容層形成用樹脂としては、染料染着性を有し、かつ水系溶媒に分散・溶解可能なものであれば特に限定されるものではない。
ここで、上記「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいう。水系溶媒における水の割合は、通常60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を例示することができる。
また本発明に用いられる上記受容層形成用樹脂は、ガラス転移温度が20℃以上であるものが好ましく、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものがさらに好ましい。また、上記受容層形成用樹脂はガラス転移温度が120℃以下であるものが好ましい。このような範囲のガラス転移温度を有する受容層形成用樹脂を用いることにより、特に耐熱性に優れた熱転写受像シートを得ることができるからである。
さらに本発明に用いられる受容層形成用樹脂は、極性を有する極性官能基を有するものであることが好ましい。上記受容層形成用樹脂として極性官能基を有するものが用いられることにより、上述したシリコーン化合物との作用により、本発明における受容層をさらに硬化させることができ、その結果としてより優れた離型性を得ることができるからである。ここで、上記極性官能基の例としては、例えば、−COOH基、−NH基、−NHCO−基、−OH基等を挙げることができる。
このような受容層形成用樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、または、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。本発明においては、これらの樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでもポリビニル系樹脂を用いることが好ましい。
本発明に好適に用いられる上記ポリビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体、エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体等を挙げることができる。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよび酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよびアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよい。
なお、本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸および/またはそのアルキルエステルを意味する。
上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体およびエチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体(以下、各共重合体を総称して、「エチレン/塩化ビニル系共重合体」といもいう。)は、少なくとも、エチレン、塩化ビニルおよびアクリル酸エステルの3種、または、エチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニルの3種の単量体を重合して得られる共重合体であれば特に限定されず、これらの3種の単量体以外に少量の微量単量体をも共重合したものであっても良い。
上記エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と塩化ビニルとの共重合体であっても良く、該EVA/塩化ビニル共重合体としては、EVAに塩化ビニルをグラフト共重合したものであっても良い。EVAは、該共重合体における酢酸ビニル単位の全部または一部が鹸化されたものをも含む。
本発明において、上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体を構成する「アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルに加え、メタクリル酸エステルをも含む概念である。上記アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができ、上記メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記受容層形成用樹脂を1種のみを用いてもよく、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を用いてもよい。
(3)冷却ゲル化剤
次に、本発明に用いられる冷却ゲル化剤について説明する。本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、本発明の熱転写受像シートを、基材シート上に、水系の受容層を含む複数の層を同時に形成することにより高効率で製造することを可能にするものである。
このような冷却ゲル化剤としては、冷却ゲル化特性を備えるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、水に溶解した状態での15℃における粘度が80℃における粘度に対して、3倍以上、特に5倍以上、さらには10倍以上であるものが好ましい。
本発明に用いられる冷却ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等を挙げることができる。
ここで、上記ゼラチンは、上述したように三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、金属塩化合物等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
本発明においては、上記冷却ゲル化剤のいずれであっても好適に用いることができる。また、本発明においては、1種類の冷却ゲル化剤のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上の冷却ゲル化剤を用いてもよい。
本発明の受容層における冷却ゲル化剤の含有量としては、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、受容層に形成するために用いられる受容層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、受容層形成用塗工液中の固形分100に対して、重量換算で2〜50の範囲内であることが好ましく、特に2〜30の範囲内であることが好ましく、さらに2〜20の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布・乾燥する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、画像形成の際に染料の染着を妨害し、濃度が低下する場合があるからである。
(4)その他
上記以外に、本発明における受容層に添加することができる任意の化合物としては、例えば、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等を挙げることができる。
上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等、公知のものが挙げられるが、特に、シリコーンオイルが好ましい。
上記シリコーンオイルとしては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが好ましい。また、エマルジョン化したシリコーンを用いることもできる。
上記離型剤は、上述の受容層形成用樹脂100質量部に対して、0.5質量部〜30質量部の範囲内となるように添加されることが好ましい。
(5)受容層
本発明に用いられる受容層の厚みは、上記受容層形成用樹脂の種類に応じて所望の印画濃度を発現できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも本発明においては、0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、さらに1μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
2.基材シート
次に、本発明に用いられる基材シートについて説明する。本発明に用いられる基材シートは、上述した受容層を支持する機能を有するものである。
以下、このような基材シートについて説明する。
本発明に用いられる基材シートとしては、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際の印画温度等に応じて、所望の耐熱性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、レジンコート紙、樹脂製フィルム基材、および紙製基材等を挙げることができ、なかでもレジンコート紙が好ましい。
レジンコート紙は、通常、基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるものである。上記基紙を構成する原紙としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、それらの混合物から抄紙されるパルプ紙等を挙げることができ、なかでも木材パルプを主成分とする紙を用いることが好ましい。また、上記原紙は、必要に応じて後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記基紙は、厚みが10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
上記基紙は、公知の方法によって作製することができるが、原紙に対してカレンダー処理したものが好ましい。原紙にカレンダー処理をした基紙を用いると、平滑度を向上することができ、得られる熱転写受像シートの光沢感を高めることができるからである。
上記基材樹脂層を形成するための樹脂としては、ネックインが小さく、ドローダウン性が良好な樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリウレタン等を挙げることができ、耐水性、強度、光沢等に優れたフィルムが得られる点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等を挙げることができ、中でも高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
上記基材樹脂層は、上記樹脂を1種もしくは2種以上混合して得られるフィルムまたはシートであっても良いし、上記樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルムまたはシートであっても良い。また、上記樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性を向上させたものであっても良い。上記改質剤としては、例えば、タフマー(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等を挙げることができる。
上記レジンコート紙は、例えばドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等の公知の積層方法により作製することができる。上記各層は、層間密着力を向上させることを目的として、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。
上記レジンコート紙の厚みは、全体で、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも50μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
一方、本発明に用いられる樹脂製フィルム基材としては、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等を挙げることができる。なかでも本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン樹脂を好適に用いることができる。
上記樹脂製フィルム基材の厚みとしては、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも、25μm〜60μmの範囲内、特に30μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる紙製基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、または、サイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。
上記紙製基材の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば80μm〜400μmの範囲内、中でも100μm〜300μmの範囲内、特に100μm〜210μmの範囲内であることが好ましい。
3.任意の構成
本発明の熱転写受像シートは、少なくとも上記基材シートと、受容層とを有するものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、例えば、上記受容層と上記基材シートとの間に形成され、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層、上記基材シートと上記多孔質層または受容層との間に形成され、上記基材シートと上記多孔質層または受容層との接着性を向上させる下引き層、および、上記多孔質層が用いられる場合に、上記多孔質層と上記受容層との間に形成され、上記多孔質層と上記受容層との接着性を向上させるプライマー層を挙げることができる。以下、本発明に用いられるこれらの各層について順に説明する。
(1)多孔質層
まず、本発明に用いられる多孔質層について説明する。本発明に用いられる多孔質層は、基材シート上に形成されるものであり、中空粒子および冷却ゲル化剤を含むものであり、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際に、サーマルヘッドから受容層に加えられた熱が、基材シート等へ伝熱することによって損失されることを防止する断熱性を有するものである。
本発明の熱転写受像シートにこのような多孔質層が用いられている場合について、図を参照しながら説明する。図2は本発明の熱転写受像シートに多孔質層が用いられている場合の一例を示す概略図である。図2に例示するように、本発明の熱転写受像シート10は、基材シート1と、受容層2との間に多孔質層3が形成されたものであってもよい。
本発明の熱転写受像シートに、このような多孔質層が用いられることにより、当該多孔質層の断熱性の寄与によって、本発明の熱転写受像シートをより印画特性に優れたものにできる。このため、本発明の熱転写受像シートには、多孔質層が用いられることが特に好ましいものである。
以下、このような多孔質層について説明する。
(中空粒子)
まず、本発明に用いられる中空粒子について説明する。本発明に用いられる中空粒子は多孔質層に断熱性を付与する機能を有するものである。また、本発明に用いられる中空粒子は、多孔質層にクッション性を付与する機能を有するものである。
本発明に用いられる中空粒子としては、多孔質層に所望の断熱性およびクッション性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる中空粒子は発泡粒子であってもよく、あるいは、非発泡粒子であってもよい。また、上記発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、本発明に用いられる中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
上記中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
上記中空粒子の平均粒径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、多孔質層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒径が大きすぎると、平滑な多孔質層を形成することが困難になるからである。
本発明において、多孔質層に含まれる中空粒子の量としては、所望の断熱性およびクッション性を有する多孔質層を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば30質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、多孔質層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎると、接着性が劣るからである。
また本発明において、多孔質層中に含有される中空粒子と、後述する冷却ゲル化剤との割合は、所望の断熱性を有する多孔質層を形成することができれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明においては、冷却ゲル化剤が、中空粒子層塗工液中の固形分100に対して、重量換算で10〜50の範囲内であることが好ましく、特に10〜40の範囲内であることが好ましく、さらに12〜40の範囲内であることが好ましい。中空粒子と冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲内であることにより、断熱性に優れた多孔質層を形成することができるからである。
(冷却ゲル化剤)
次に、上記多孔質層に用いられる冷却ゲル化剤について説明する。本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、本発明の熱転写受像シートを、基材シート上に、水系の受容層と受容層とを含む複数の層を同時に形成する方法により高効率で製造することを可能にするものである。
ここで、上記多孔質層に用いられる冷却ゲル化剤については、上記「1.受容層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(任意の化合物)
本発明に用いられる多孔質層は、少なくとも上記冷却ゲル化剤および中空粒子を含有するものであるが、必要に応じて任意の化合物を含むものであってもよい。上記任意の化合物として多孔質層に含有させることができるものとしては、例えば、多孔質層形成用バインダー、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
上記多孔質層形成用バインダーとしては、通常、水系樹脂が用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。
(多孔質層)
本発明に用いられる多孔質層は、本発明の熱転写受像シートを用いて画像を形成する際に、サーマルヘッドから受容層に加えられた熱が、基材シート等へ伝熱することによって損失されることを防止する断熱性を有するものである。ここで本発明に用いられる多孔質層が備える断熱性は、本発明の熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。
ここで、多孔質層の断熱性は、例えば、多孔質層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。
また、上記多孔質層の断熱性は、多孔質層の空隙率によっても制御することができる。ここで、本発明に用いられる多孔質層の空隙率は、15%〜80%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記空隙率は、(中空粒子の空隙率)×(多孔質層における中空粒子の含有率)で表される値を指すものとする。
本発明に用いられる多孔質層の厚みは10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、上記多孔質層の密度は、例えば0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる多孔質層は、単一の層からなる構成を有するものであってもよく、あるいは、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。ここで、複数の層が積層された構成を有する多孔質層としては、同一組成の層が積層された構成を有するものであってもよく、あるいは、異なる組成の層が積層された構成を有するものであってもよい。なかでも本発明に用いられる多孔質層は、組成の異なる2層が積層された構成を有するものであることが好ましい。このような構成とすることにより、さらに機能的な多孔質層を得ることができるからである。
本発明に用いられる多孔質層が2層構造である場合の一例としては、上記多孔質層が、基材シート側から、中空粒子aを含有する多孔質層Aと、および上記中空粒子aよりも中空率の小さな中空粒子bを含有する多孔質層Bとが積層された構成を有するものを挙げることができる。上記多孔質層としてこのような構成を有するものを用いることにより、印画時に、濃度ムラやハイライト部の白抜けを防止することができるという利点がある。
(2)下引き層
次に、上記下引き層について説明する。本発明に用いられる下引き層は、上記基材シートと上記多孔質層または受容層との間に形成され、上記基材シートと上記多孔質層との接着性を向上させる機能を有するものである。
本発明の熱転写受像シートが上記下引き層を有する場合について図を参照しながら説明する。図3は本発明の熱転写受像シートが、上記下引き層を有する場合の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本発明の熱転写受像シート10は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成された多孔質層3と、上記多孔質層3上に形成された受容層2と、上記基材シート1および上記多孔質層3との間に形成され、上記基材シート1と上記多孔質層3との接着性を向上させる下引き層4と、を有するものであってもよい。
本発明に用いられる下引き層としては、上記基材シートと上記多孔質層との密着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散・溶解な下引き層形成用樹脂を含むものを用いることが好ましい。
ここで、上記下引き層形成用樹脂としては、上記「(1)多孔質層」の項に記載した、多孔質層形成用バインダーとして用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。
また、本発明に用いられる下引き層には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。下引き層にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、基材シート上に、下引き層、多孔質層および受容層を同時に塗布することが容易になるからである。
ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上記「1.受容層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記下引き層として、上記下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とを含むものを用いる場合、下引き層中の下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記下引き層を形成する際に、下引き層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、下引き層形成用塗工液中の固形分を100とした場合、重量換算で1〜100の範囲内であることが好ましく、特に20〜80の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、他の層との密着性が低下する場合があるからである。
なお、本発明に用いられる下引き層には、上記下引き層形成用樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ材、分散剤等を挙げることができる。上記硬化剤は、例えば、下引き層形成用樹脂として、活性水素を有する熱可塑性樹脂を用いた場合等に特に有効である。
(3)プライマー層
次に、本発明に用いられるプライマー層について説明する。本発明に用いられるプライマー層は、上記多孔質層と上記受容層と間に形成され、上記多孔質層と上記受容層との接着性を向上させる機能を有するものである。
本発明の熱転写受像シートが上記プライマー層を有する場合について図を参照しながら説明する。図4は本発明の熱転写受像シートが、上記プライマー層を有する場合の一例を示す概略図である。図4に例示するように本発明の熱転写受像シート10は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成された多孔質層3と、上記多孔質層3上に形成された受容層2と、上記基材シート1および上記多孔質層3との間に形成され、上記基材シート1と上記多孔質層3との接着性を向上させる下引き層4と、上記多孔質層3と上記受容層2との間に形成され、上記多孔質層3と上記受容層2との接着性を向上させるプライマー層5を有するものであってもよい。
本発明に用いられるプライマー層としては、所定の性質を備えるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられるプライマー層は、水系溶媒に分散・溶解可能なプライマー層形成用樹脂を含むものであることが好ましい。
ここで、上記プライマー層形成用樹脂としては、上記「(1)多孔質層」の項に記載した、多孔質層形成用バインダーとして用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。
また、本発明に用いられるプライマー層には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。下引き層にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、基材シート上に、下引き層、多孔質層および受容層を同時に塗布することが容易になるからである。
ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上記「1.受容層」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記プライマー層として、上記プライマー層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とを含むものを用いる場合、プライマー層中の下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記プライマー層を形成する際に、プライマー層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、プライマー層形成用樹脂に対して、重量換算でプライマー層形成用塗工液中の固形分を100とした場合、重量換算で1〜100の範囲内であることが好ましく、特に3〜80の範囲内であることが好ましく、さらに5〜75の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、他の層との密着性が低下する場合があるからである。
なお、本発明に用いられるプライマー層には、上記プライマー層形成用樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等が含まれていてもよい。
B.熱転写受像シートの製造方法
次に、本発明の熱転写受像シートの製造方法について説明する。本発明の熱転写受像シートの製造方法は、冷却ゲル化剤、受容層形成用樹脂および曇点を有するシリコーン化合物を含む水系の受容層形成用塗工液を用い、基材シート上に受容層を含む複数の層を同時に塗布する同時多層塗布工程と、上記同時多層塗布工程において、基材シート上に形成された複数の層からなる塗膜を冷却する冷却処理工程と、上記冷却処理工程において冷却され塗膜を、上記シリコーン化合物の曇点よりも高い温度で乾燥する乾燥工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記乾燥工程において受容層を乾燥する温度が、上記受容層形成用塗工液に含まれるシリコーン化合物の曇点よりも高いことにより、上記乾燥工程において受容層を硬化させることができる結果、離型性に優れる受容層を備える熱転写受像シートを製造することができる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、少なくとも上記同時多層塗布工程と、上記冷却処理工程と、上記乾燥工程とを有するものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.同時多層塗布工程
まず、本発明に用いられる同時多層塗布工程について説明する。本工程は、冷却ゲル化剤、受容層形成用樹脂および曇点を有するシリコーン化合物を含む水系の受容層形成用塗工液を用い、基材シート上に受容層を含む複数の層を同時に塗布する工程である。
(1)受容層形成用塗工液
本工程に用いられる受容層形成用塗工液は、少なくとも上記シリコーン化合物、受容層形成用樹脂、および冷却ゲル化剤を含有するものである。
ここで、本工程に用いられるシリコーン化合物、受容層形成用樹脂、および冷却ゲル化剤については、上記「A.熱転写受像シート」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程に用いられる受容層形成用塗工液は水系のものであることから、水系溶媒が用いられたものである。ここで、本工程に用いられる「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいう。水系溶媒における水の割合は、通常50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。本工程に用いられる上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を挙げることができる。
本工程に用いられる上記受容層形成用塗工液の粘度としては、本工程において基材シート上に同時に塗布される他の塗工液と混合しない程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、40℃において、1mPa・s〜50mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に5mPa・s〜50mPa・sの範囲内であることが好ましく、さらに7mPa・s〜40mPa・sの範囲内であることが好ましい。
本工程に用いられる受容層形成用塗工液の固形分濃度としては、粘度を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも10質量%〜50質量%の範囲内、なかでも10質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度が低すぎると、溶媒の大半が無駄になる可能性があり、固形分濃度が高すぎると、塗工液の保存安定性が低下し、粘度が上昇する可能性があるからである。
また、上記受容層形成用塗工液中におけるシリコーン化合物の含有量としては、後述する乾燥工程において、受容層を所望の程度の硬化させることができ、印画時の離型性に悪影響を及ぼさない範囲内であれば特に限定されるものではなく、上記シリコーン化合物や受容層形成用樹脂の種類等に応じて適宜決定することができる。なかでも本工程においては、上記受容層形成塗工液中におけるシリコーン化合物の含有量が、0.5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、1質量%〜10質量%の範囲内であることがより好ましく、1質量%〜7.5質量%の範囲内であることがさらに好ましい。シリコーン化合物の含有量が上記範囲よりも少ないと、後述する乾燥工程において受容層を所望の程度に硬化させることができない場合があるからである。また、シリコーン化合物の含有量が上記範囲よりも多いと、本発明によって製造される熱転写受像シートを用いて印画物を作成する際に、印画感度が低下してしまう虞があるからである。
また、上記受容層形成用塗工液中に含まれる冷却ゲル化剤の含有量としては、上記受容層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、冷却ゲル化剤が、受容層形成用塗工液中の固形分100に対して、重量換算で2〜50の範囲内であることが好ましく、特に2〜30の範囲内であることが好ましく、さらに2〜20の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布・乾燥する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、画像形成の際に染料の染着を妨害し、濃度が低下する場合があるからである。
上記受容層形成用樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、上記受容層形成用塗工液に添加することができる添加剤としては、例えば離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質、および界面活性剤等を挙げることができる。このような添加剤については、上記「A.熱転写受像シート」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
(2)基材シート
次に、本工程に用いられる基材シートについて説明する。本工程に用いられる基材シートは、本工程おいて形成される塗膜を支持する機能を有するものである。
ここで、本工程に用いられる基材シートについては、上記「A.熱転写受像シート」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略kする。
(3)同時多層塗布方法
次に、上記受容層形成用塗工液を用い、上記基材シート上に受容層を含む複数の層を同時に塗布する方法について説明する。
本工程において上記基材シート上に、受容層を含む複数の層を同時に塗布する方法としては、各層が交じり合うことなく、均一な厚みで塗布することができる方法であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、通常、各層を形成する塗工液を上下に重ねた状態のままスライドさせて塗布するスライドコート法が用いられる。
ここで、スライドコート法とは、例えば、図5に示すように、熱転写受像シートの各層を構成する複数の塗工液11〜13を上下に重ねた状態のまま、バックロール14に巻きつけた基材シート15に塗布する方法である。塗工品質の観点から見ると、スライドコート法は、膜厚均一性に優れ、回転部がないため塗工液の飛散による品質不良が発生しにくく、摩擦部がないため塗布部での原反切れの発生によるロスが発生しにくいという利点を有する。また、塗工液のハンドリング性の観点から見ると、スライドコート法は、塗工液の濃度、粘度、組成が変化しにくく、反応性が高く経時的に変化する塗工液を用いることができ、さらに塗工液を使い切ることができることから無駄が生じにくく、また、高固形分塗工液を用いることができるため、溶媒使用量を削減することができるという利点を有する。
本工程において、上記基材シート上に受容層を含む複数の層を同時に塗布する態様としては、少なくとも上記受容層と、上記受容層に隣接する他の層とを同時に塗布する実施態様であれば特に限定されるものではない。このような実施態様としては上記受容層と、上記受容層上に配置され、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層とを同時に塗布する態様を挙げることができる。
このような態様としては、上記多孔質層と上記受容層とを同時に塗布する態様であれば特に限定されるものではない。具体例としては、例えば、基材シート上に、上記多孔質層と、上記多孔質層上に配置される上記受容層とを同時に塗布する態様、基材シート上に、上記基材シートとの密着性を向上させる下引き層と、上記下引き層上に配置される上記多孔質層と、上記多孔質層上に配置される上記受容層とを同時に塗布する態様、および、基材シート上に上記下引き層と、上記下引き層上に配置される多孔質層と、上記多孔質層上に配置され、上記受容層を形成するために設けられるプライマー層と、上記プライマー層上に配置される上記受容層とを同時に塗布する態様を例示することができる。
本工程においては、上述した態様のなかでも、基材シート上に上記下引き層と、上記下引き層上に配置される多孔質層と、上記多孔質層上に配置されるプライマー層と、上記プライマー層上に配置される上記受容層とを同時に塗布する態様を用いることが好ましい。このような態様によれば各層の密着性に優れ、印画感度に優れた熱転写受像シートを得ることができるからである。
以下、このような態様に用いられる上記多孔質層、上記下引き層および上記プライマー層を形成するために用いられる多孔質層形成用塗工液、下引き層形成用塗工液、および、プライマー層形成用塗工液等について順に説明する。
a)多孔質層形成用塗工液
まず、上記多孔質層形成用塗工液について説明する。本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液は、少なくとも中空粒子および冷却ゲル化剤を含み、これらが水系溶媒に分散・溶解されたものである。
以下、このような多孔質層形成用塗工液について説明する。
なお、上記多孔質層形成用塗工液に用いられる中空粒子および冷却ゲル化剤については、上記「A.熱転写受像シート」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。また、上記水系溶媒についても上記受容層形成用塗工液に用いられるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液の粘度としては、本工程において基材シート上に同時に塗布される他の塗工液と混合しない程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、40℃において1mPa・s〜50mPa・sの範囲であることが好ましく、特に5mPa・s〜40mPa・sの範囲内であることが好ましい。
また、20℃における粘度が0.5Pa・s以上であることが好ましく、特に1Pa・s以上であることが好ましい。
なお、上記粘度は、例えば、小型振動式粘度計(VIBRO VISCOMETER CJV5000、A&D社製)を用いて測定することができる。
本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液の固形分濃度としては、粘度を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも10質量%〜50質量%の範囲内、なかでも10質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度が低すぎると、溶媒の大半が無駄になる可能性があり、また乾燥時間がかかるため、塗工の際に不利であり、固形分濃度が高すぎると、塗工液の保存安定性が低下し、粘度が上昇する可能性があるからである。
上記多孔質層形成用塗工液中に含まれる冷却ゲル化剤の含有量としては、上記多孔質層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、多孔質層形成用塗工液の固形分重量換算で50質量%以下であることが好ましく、特に5質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましく、さらに5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、断熱性が不足することにより、濃度低下する場合があるからである。
さらに、上記多孔質層形成用塗工液に含まれる中空粒子の固形分全体における割合としては、所望の断熱性およびクッション性を有する多孔質層を得ることができる範囲内であれば特に限定されるものではないが、例えば30質量%〜90質量%の範囲内、なかでも40質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、多孔質層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎると接着性が劣る場合や、表面の平滑性が損なわれる場合があるからである。
本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液には、上記中空粒子および冷却ゲル化剤以外の他の添加剤が含まれていてもよい。このような他の添加剤としては、多孔質層形成用バインダー、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
ここで、これらの添加剤については上記「A.熱転写受像シート」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
b)下引き層形成用塗工液
次に、上記下引き層形成用塗工液について説明する。本工程に用いられる下引き層形成用塗工液は、基材シートに接するように塗工され、基材シートと他の層との密着性を向上させるために設けられる下引き層を形成するために用いられるものである。下引き層を設けることにより、本発明により製造される熱転写受像シートを基材シートと、多孔質層あるいは受容層等と、の密着性に優れたものにできる。
本工程に用いられる下引き層形成用塗工液としては、基材シートとの密着性を所望の程度に向上できる下引き層を形成できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、通常、下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とが水系溶媒に分散・溶解されたものを用いることが好ましい。このような組成の下引き層形成用塗工液を用いることにより、上記下引き層形成用塗工液と同時に塗布される他の塗工液と混合してしまうことを効果的に防止することができるからである。
上記下引き層形成用樹脂としては、基材シートと多孔質層または受容層との密着性を向上させることができ、かつ、水系溶媒に溶解・分散できるものであれば特に限定されるものではないが、通常、水系樹脂が用いられる。上記水系樹脂としては、上記多孔質層形成用塗工液に用いられる多孔質層形成用バインダーと同様のものを用いることができる。
上記下引き層形成用塗工液に用いられる冷却ゲル化剤としては、上記下引き層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような冷却ゲル化剤としては、上記多孔質層形成用塗工液に用いられるものと同様のものを用いることができる。
また、上記下引き層形成用塗工液に用いられる水系溶媒についても、上記多孔質層形成用塗工液に用いられるものと、同様のものを用いることができる。
上記下引き層形成用塗工液中に含まれる下引き層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記下引き層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、冷却ゲル化剤が、下引き層形成用塗工液の固形分重量換算で50質量%以下であることが好ましく、特に5質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましく、さらに5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、他の層との密着性が低下する場合があるからである。
上記下引き層形成用樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、上記下引き層形成用塗工液に添加することができる添加剤としては、例えば、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ材、分散剤等を挙げることができる。上記硬化剤は、例えば、下引き層形成用樹脂として、活性水素を有する熱可塑性樹脂を用いた場合等に特に有効である。
また、上記下引き層形成用塗工液には、中空粒子を含有させることもできる。上記下引き層形成用塗工液中に中空粒子を含有させる場合、その固形分濃度は20質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも40質量%〜80質量%の範囲内であることが好ましい。なお、上記下引き層形成用塗工液に用いられる中空粒子については、上述した多孔質層形成用塗工液に用いられるものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程において、下引き層形成用塗工液の固形分濃度としては、例えば1質量%〜50質量%の範囲内、なかでも2質量%〜10質量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度が低すぎると、溶媒の大半の無駄になる可能性があり、固形分濃度が高すぎると、塗工液の保存安定性が低下し、粘度が上昇する可能性があるからである。
上記下引き層形成用塗工液の粘度としては、本工程において基材シート上に同時に塗布される他の塗工液と混合しない程度であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、40℃において1mPa・s〜40mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に5mPa・s〜30mPa・sの範囲内であることが好ましく、さらに7mPa・s〜25mPa・sの範囲内であることが好ましい。
c)プライマー層形成用塗工液
次に、上記プライマー層形成用塗工液について説明する。上記プライマー層形成用塗工液は、受容層を形成するために設けられるプライマー層を形成するために用いられるものである。このような、プライマー層が設けられることにより、例えば受容層の平滑性を向上させたり、受容層との密着性を向上させたりすることができるという利点がある。
本工程に用いられるプライマー層形成用塗工液としては、所定の性質を備えるプライマー層を形成できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、プライマー層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とが、水系溶媒に分散・溶解されたものを用いることが好ましい。このような組成のプライマー層形成用塗工液を用いることにより、上記プライマー層形成用塗工液と同時に塗布される他の塗工液とが混合してしまうことを効果的に防止することができるからである。
上記プライマー層形成用樹脂としては、水系溶媒に溶解・分散できるものであれば特に限定されるものではないが、通常、水系溶媒に溶解、分散する水系樹脂が用いられる。上記水系樹脂については、上記多孔質層形成用塗工液に用いられるものと同様のものを用いることができるが、特に、プライマー層形成用樹脂としては、アクリル系ウレタン樹脂またはポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
上記プライマー層形成用塗工液に添加することができる添加剤、およびプライマー層形成用塗工液に用いられる水系溶媒については、上記多孔質層形成用塗工液に用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記プライマー層形成用塗工液に用いられる冷却ゲル化剤としては、上記プライマー層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このような冷却ゲル化剤としては、上記多孔質層形成用塗工液に用いられるものと同様のものを用いることができる。
上記プライマー層形成用塗工液中に含まれるプライマー層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記プライマー層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程においては、冷却ゲル化剤が、プライマー層形成用塗工液の固形分重量換算で50質量%以下であることが好ましく、特に5質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましく、さらに5質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、ムラなどが生じやすくなる場合があるからである。また、上記範囲よりも多いと、例えば、他の層との密着性が低下する場合があるからである。
本工程に用いられるプライマー層形成用塗工液の固形分濃度としては、例えば10質量%〜50質量%の範囲内、なかでも10質量%〜25質量%の範囲内であることが好ましい。固形分濃度が低すぎると、溶媒の大半の無駄になる可能性があり、固形分濃度が高すぎると、塗工液の保存安定性が低下し、粘度が上昇する可能性があるからである。
d)その他
本工程において、上記基材シート上に、上記下引き層形成用塗工液、多孔質層形成用塗工液、プライマー層形成用塗工液、および、受容層形成用塗工液を同時に塗布する態様を用いる場合、これらの塗工液が塗布時に互いに混合しないように、通常、隣接する塗工液間の表面張力の差が一定の範囲内となるように調整される。
2.冷却処理工程
次に、本発明に用いられる冷却処理工程について説明する。本工程は、上記同時多層塗布工程において、基材シート上に形成された塗膜を冷却する工程である。
本工程において基材シート上に形成された塗膜を冷却する方法としては、上記塗膜を所望の温度に冷却できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、冷却された基材シート上に、上記塗膜を塗布する方法、上記基材シートを搬送するロールの表面を冷却し、基材シートを介して上記塗膜を冷却する方法、上記塗膜に冷風を吹き付ける方法、上記塗膜が形成された基材シートを所望の温度以下の室温に調整された冷却ゾーンを通過させる方法等を挙げることができる。なかでも本工程においては冷却された基材シート上に、上記塗膜を塗布する方法を用いることが好ましい。このような方法によれば上記基材シート上に上記塗膜が塗布された直後に、当該塗膜を強制冷却することができるため、上記塗膜を構成する複数の層が混合することを防止できるからである。
本工程において、上記塗膜を冷却する温度としては、上記塗膜を構成する各層の粘度を、各層が互いに混合しない程度に向上させることができる範囲であれば特に限定されるものではない。また、本工程における冷却温度は、上述した冷却ゲル化剤の種類にも依存するものである。なかでも本工程においては、冷却温度は0℃〜30℃の範囲であることが好ましく、特に0℃〜25℃の範囲内であることが好ましく、さらに3℃〜20℃の範囲内であることが好ましい。
3.乾燥工程
次に、本発明に用いられる乾燥工程について説明する。本工程は上記冷却処理工程において冷却された塗膜を、上述した受容層形成用塗工液に含まれるシリコーン化合物の曇点よりも高い温度で乾燥する工程である。本工程により、上記塗膜がこのような温度で乾燥されることにより、上記受容層形成用塗工液からなる塗膜を硬化させ、離型性に優れる受容層を得ることができる。
本工程において、上記冷却処理工程において冷却された塗膜を乾燥する温度としては、上記シリコーン化合物の曇点よりも高い温度であれば特に限定されるものではない。なかでも本工程における乾燥温度は、上記シリコーン化合物の曇点と乾燥温度との温度差が10℃以上であることが好ましく、15℃以上がより好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。乾燥温度が上記範囲よりも低いと、乾燥時間にもよるが、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布・乾燥する際に、十分に温度が上昇せず、受容層塗工液の温度が曇点以上に上昇しないためである。
本工程における具体的な乾燥温度は、上記シリコーン化合物の曇点に応じて適宜決定されるものであるが、通常、50℃〜120℃の範囲内とされる。
なお、本工程において上記塗膜を乾燥する方法としては、上記塗膜中に残留する水系溶媒を所定の時間内に所定量以下にできる方法であれば特に限定されるものではない。このような乾燥方法については、一般的に塗膜を乾燥する方法として公知の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。表記の重量部は固形分で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
1.実施例1
基材シートとしてRCペーパー(STF−150、三菱製紙社製)を用い、下記組成の多孔質層形成用塗工液を50℃に加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ40μmとなるように塗布し、5℃にて1分間冷却・ゲル化させ、50℃にて5分間乾燥した。その上に、32℃に加熱した下記組成の受容層用形成用塗工液を、マイヤーバーを用いて、乾燥時の厚みが7μmとなるように塗布し、5℃にて1分間冷却・ゲル化させ、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1を得た。
(多孔質層形成用塗工液)
・中空粒子(HP−91、ロームアンドハース社製) 70重量部
・ゼラチン(RR、新田ゼラチン社製) 30重量部
・界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業社製) 0.15重量部
・水 500重量部
(受容層形成用塗工液)
・塩化ビニル系樹脂(ビニブラン900、日信化学工業社製) 80重量部
・ゼラチン(RR、新田ゼラチン社製) 20重量部
・シリコーン系離型剤(KF352A、信越化学工業社製) 10重量部
・界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業社製) 3重量部
・水 400重量部
2.実施例2〜13
受容層の乾燥温度および受容層形成用塗工液中のシリコーンを表1に記載のものとした以外は、実施例1と同様にして、熱転写受像シート2〜13を作製した。
3.比較例1〜3
受容層の乾燥温度および受容層形成用塗工液中のシリコーンを表1に記載のものとした以外は、熱転写受像シート1と同様にして、熱転写受像シート14〜16を作製した(表1参照)。
<離型性評価方法>
昇華型熱転写プリンターCP−720(キヤノン(株)製)にて、熱転写受像シートに黒ベタ画像を印画し、その際の剥離音を官能評価した。剥離音が大きいと離型性が悪いと判断した。剥離音がしているのは、インクリボン層と受容層樹脂が印画時の熱で融着して、インクリボンの巻上げの力によって、かろうじて剥離している状態であるためである。離型性評価の結果を表1に示す。
<官能評価の基準>
◎:剥離音がまったくない
○:かすかな剥離音がするが、あまり気にならない
△:剥離音がする
×:剥離音が酷く大きい
Figure 0004978405
比較例1〜3に示されるように、曇点が見られないシリコーンを使用した熱転写受像シートでは、離型性が悪い。
本発明の熱転写受像シートの一例を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートの他の例を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートの他の例を示す概略図である。 本発明の熱転写受像シートの他の例を示す概略図である。 スライドコート法を説明する説明図である。
符号の説明
1,15 … 基材シート
2 … 受容層
3 … 多孔質層
4 … 下引き層
5 … プライマー層
10 … 熱転写受像シート
11,12,13 … 塗工液
14 … バックロール

Claims (3)

  1. 基材シートと、
    前記基材シート上に形成され、染料染着性を有し、かつ水系溶媒に分散・溶解可能な受容層形成用樹脂および冷却ゲル化剤を含有する受容層と、を備える熱転写受像シートであって、
    前記受容層に、曇点を有するシリコーン化合物が含まれ、
    前記シリコーン化合物の曇点が、70℃以下であり、粘度が400cP以上であり、
    前記シリコーン化合物が、ポリエーテル鎖を有するポリエーテルシリコーン化合物であり、
    前記基材シートと、前記受容層との間に、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層を有し、
    前記多孔質層が、前記基材シート側から、中空粒子aを含有する多孔質層Aと、および前記中空粒子aよりも中空率の小さな中空粒子bを含有する多孔質層Bとが積層された構成を有することを特徴とする、熱転写受像シート。
  2. 冷却ゲル化剤、受容層形成用樹脂および曇点を有するシリコーン化合物を含む水系の受容層形成用塗工液を用い、基材シート上に受容層を含む複数の層を同時に塗布する、同時多層塗布工程と、
    前記同時多層塗布工程において、基材シート上に形成された複数の層からなる塗膜を冷却する、冷却処理工程と、
    前記冷却処理工程において冷却され塗膜を、前記シリコーン化合物の曇点よりも高い温度で乾燥する乾燥工程と、を有し、
    前記シリコーン化合物の曇点が、70℃以下であり、粘度が400cP以上であり、
    前記シリコーン化合物が、ポリエーテル鎖を有するポリエーテルシリコーン化合物であり、
    前記同時多層塗布工程が、中空粒子および冷却ゲル化剤を含有する多孔質層形成用塗工液を用いて、前記基材シートと、前記受容層との間に、多孔質層を塗布するものであり、
    前記多孔質層が、前記基材シート側から、中空粒子aを含有する多孔質層Aと、および前記中空粒子aよりも中空率の小さな中空粒子bを含有する多孔質層Bとが積層された構成を有することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  3. 前記シリコーン化合物の曇点と前記乾燥工程における乾燥温度との温度差が15℃以上であることを特徴とする請求項2に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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