JP4993125B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写方式による印画に用いられる熱転写受像シートに関する。
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての熱拡散型染料(昇華型染料)をプラスチックフィルム等の基材シート上に担持させた染料層を備える熱転写シート(以下、「インクリボン」ともいう)と、紙やプラスチックフィルム等の別の基材シート上に受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わせてフルカラー画像を形成する熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)が知られている。この方法は、熱拡散型染料を色材としているためドット単位で濃度、階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
上記熱転写受像シートにおける受容層は、有機系溶媒を用いて受容層構成樹脂を塗布して形成される溶剤系受容層と、水系溶媒を用いて受容層構成樹脂を塗布して形成される水系受容層とに大別される。特に、環境上、あるいは安全上の観点から、水系受容層の有用性が着目されている。
一方、熱転写受像シートの形成方法としては、グラビアコート等により、基材シート上に多孔質層や受容層を順次塗布、乾燥する方法、乾燥工程を含まず塗布工程を複数回にわけて湿式塗布するウェットオンウェット法、あるいは基材シート上に複数の層を同時に塗布する同時多層塗布方法などが知られている。これらの形成方法のうち、特に同時多層塗布方法は、他の形成方法に比べて少ない工程数で熱転写受像シートを得ることができるため注目を浴びている。
同時多層塗布方法の例としては、例えば特許文献1の実施例(熱転写受像シート5の作製)において、基材上に、断熱層や受容層等の複数の層を同時多層塗布することにより形成した熱転写受像シートが開示されている。具体的には、同時多層塗布の塗布方式としてスライドコート法を用いて、熱転写受像シートを得たことが記載されている。また、特許文献2において、水性中間層と水性受容層を同時塗布することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法が開示されており(例えば特許文献2請求項1)、さらにまた、特許文献3において、水溶性樹脂を最表層に有するインクジェット記録媒体が開示されており(例えば特許文献3請求項1)、インク受容層用塗布液と塩基性溶液とを同時塗布することについて記載されている。
特に上述する水系受容層を備える熱転写受像シートは、上述する同時多層塗布方法で形成されることが適しているため、この観点からも水系受容層を備える熱転写受像シートの実施が期待されている。
特開2006−88691公報 特開平6−171240号公報 特開2006−103040公報
しかしながら、上記水系受容層を備える熱転写受像シートには以下の問題点があった。即ち、水系受容層では、染料層を備える熱転写シートを用いて画像を熱転写すると、該受容層上に転写された画像がマット化する傾向にあり、より鮮明で高画質な画像の需要を充分満足させることが難しい場合があった。
本発明者らの鋭意検討によれば、上記マット化の問題は、耐熱性の不足している受容層を用いた熱転写受像シートにおいて顕著であることがわかった。そして、印画された画像がマット化してしまうのは、転写時の熱によって、水系受容層を構成する樹脂の一部が染料層と融着してしまい、その状態で該染料層を備えるインクリボンの巻上げの力によって該受容層が引っ張られるため、染料層に含有される染料が受容層に良好に染着されず、さらには受容層を構成する樹脂の一部が染料層の表面に取られてしまうためであると推察された。
そこで本発明者らは、熱転写受像シートにおける水系受容層を構成する樹脂として、架橋重合可能な樹脂を用い、同時に架橋剤を用いて、これらを架橋させることによって、該水系受容層を三次元架橋構造により構成されることにより、上記マット化の問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)基材シートと、上記基材シート上に少なくとも受容層を備える熱転写受像シートにおいて、上記受容層が、水系溶媒に分散又は溶解可能であり活性水素含有官能基を有する染料染着性樹脂と、架橋剤とを含有し、且つ、上記染料染着性樹脂と上記架橋剤とが架橋することによってなる三次元架橋構造により構成されており、上記染料染着性樹脂が、スチレンアクリル系共重合体樹脂であり、上記架橋剤が、カルボジイミド系架橋剤であり、上記基材シートと、上記受容層との間に、多孔質層を備えることを特徴とする熱転写受像シート、
)上記受容層に、離型剤が含有されていることを特徴とする上記(1)に記載の熱転写受像シート、
を要旨とするものである。
本発明の受像シートは、染料染着性樹脂と架橋剤とが架橋することによってなる三次元架橋構造により受容層を構成させることにより、該受容層の耐熱性が向上させることに成功した。その結果、印画時に高温環境下でインクリボンと受容層とが圧着されても、該受容層を構成する樹脂と染料層とが融着して、受容層の一部が染料層に取られるという従来の課題が良好に改善された。しかして染料層に含まれる染料が三次元架橋構造により構成される受容層に良好に移行し、三次元架橋する樹脂の網目の中に入り込み、マット化のない鮮明で高画質な画像を形成することを可能とした。
また本発明における熱転写受像シートは、水系受容層を備えており、環境や安全性の上でも配慮されている上、基材シート上に、受容層以外の他の層を形成する場合には、これらの複数の層を同時多層塗布により工程数の少ない製造方法により製造することができるという有利な点をもつ。
特に本発明の熱転写受像シートにおいて、受容層を構成する染料染着性樹脂として、スチレンアクリル系共重合体樹脂を用いた場合には、印画後のインクの滲みがなく、且つ充分な架橋構造を実現することができるため好ましい。
また、受容層に含まれる架橋剤としてカルボジイミド架橋剤が用いられる本発明の態様であれば、活性水素含有官能基を有する染料染着性樹脂と容易且つ良好に架橋反応を生じさせることができるため好ましい。特に、カルボジイミド架橋剤であれば、受容層構成樹脂を分散あるいは溶解させるための水系溶剤を乾燥可能な温度でも、充分に、樹脂との架橋反応を生じさせることができるので、製造方法上においても非常に有利な点を有する。
[熱転写受像シート]
以下に、本発明の熱転写受像シートを実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の熱転写受像シートの一態様を示す概略断面図である。図1に例示される熱転写受像シート10は、基材シート1と、上記基材シート1上に形成される受容層2とから構成される。尚、本発明の熱転写受像シートは、上記構成に限定されるものではなく、基材シートと受容層との間に、異なる任意の層を1層あるいは2層以上備えるものであってもよい。任意の層を備える本願発明の熱転写受像シートについて、以下に例示的に説明する。
図2は、本発明の熱転写受像シートの異なる別の一実施態様を示す概略断面図である。図2に示される本発明の熱転写受像シート11は、基材シート1上に、多孔質層3と、受容層2とがこの順で積層されて構成される。
図3は、本発明の熱転写受像シートの異なる別の一実施態様を示す概略断面図である。図3に示される本発明の熱転写受像シート12は、基材シート1上に、第1プライマー層4と、多孔質層3と、受容層2とがこの順で積層されて構成される。
図4は、本発明の熱転写受像シートの異なる別の一実施態様を示す概略断面図である。図4に示される本発明の熱転写受像シート13は、基材シート1上に、第1プライマー層4と、多孔質層3と、第2プライマー層5と、受容層2とがこの順で積層されて構成される。以下に、図1乃至図4に示す本発明の熱転写受像シート10乃至13を構成する各層についてより詳細に説明する。
<受容層>
まず、本発明の熱転写受像シート10における受容層2について説明する。受容層2は、基材シート1上に形成される層であり、熱転写受像シート10を用いて熱転写方式よって印画物を形成する際に、染料を受容する機能を有する層である。本発明の熱転写受像シート10において最も重要な点は、受容層2において、水系溶媒に分散又は溶解可能であり活性水素含有官能基を有する染料染着性樹脂及び該染料染着性樹脂を架橋させるための架橋剤が用いられ、これらが架橋して三次元架橋構造が形成されることにある。かかる三次元架橋構造を実現することによって、受容層2の耐熱性を向上させ、受容層2に印画された画像のマット化が良好に改善される。また受容層2には、印画時に受容層と染料層との圧着後、該染料層がスムーズに剥がされるよう、離型剤が含有されていることが望ましい。
また受容層2は、水系溶媒に分散または溶解可能である所謂水系受容層であるため、図2乃至図4に例示される熱転写受像シート11乃至13のごとく、基材シート1及び受容層2の間に異なる任意の層が形成される場合には、受容層2を含めた複数の層を基材シート1上に同時多層塗布することが可能である。特に、本発明の熱転写受像シートを上記同時多層塗布する場合には、特に受容層2には、冷却ゲル化剤が含有されていることが望ましい。
以下に受容層に含有され得る各構成材料について詳細に説明する。
(染料染着性樹脂)
本発明における受容層を構成するための樹脂としては、水系溶媒に分散又は溶解可能であり活性水素含有官能基を有する染料染着性樹脂が用いられる。より具体的には、受容層構成樹脂として、後述する水系溶媒に分散又は溶解可能であって、カルボキシル基、水酸基、またはアミノ基等の活性水素を有する官能基を1種または2種以上の組合せにおいて、分子中に2つ以上含む染料染着性樹脂が用いられる。
また特に上記染料染着性樹脂は、ガラス転移温度が20℃以上であるものが好ましく、30℃以上であるものがより好ましく、40℃以上であるものがさらに好ましい。また、上記受容層構成樹脂はガラス転移温度が120℃以下であるものが好ましい。このような範囲のガラス転移温度を有する受容層構成樹脂を用いることにより、得られる受容層の耐熱性を向上させることができるからである。
上述する受容層構成樹脂の例としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体系樹脂、またはポリエーテル系樹脂等であって、架橋剤と反応し得る活性水素を有する官能基がもつものが用いられる。本発明においては、これらの樹脂のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも、印画された画像の濃度が大きく、鮮明な画像が得られるという観点からは、ポリビニル系樹脂の1種であるスチレンアクリル系樹脂を用いることが好ましい。尚、以下に例示する受容層構成樹脂は、いずれも、上述のとおり樹脂中に架橋剤と反応し得る活性水素を有する官能基が含まれるものであって、即ち、樹脂中に架橋点が存在する樹脂を意味する。
本発明における受容層構成樹脂として好適に用いられるポリビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体、エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体等を挙げることができる。
上記塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよび酢酸ビニルに加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量重合したものであってもよい。
上記塩化ビニル/アクリル化合物共重合体は、塩化ビニルとアクリル化合物とからなる共重合体であれば特に限定されず、塩化ビニルおよびアクリル化合物に加えてこれら必須単量体と共重合可能な単量体をも少量共重合したものであってもよい。
また上記アクリル化合物としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
尚、本明細書において、「アクリル化合物」とは、(メタ)アクリル酸および/またはそのアルキルエステルを意味する。
上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体およびエチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体(以下、各共重合体を総称して、「エチレン/塩化ビニル系共重合体」といもいう。)は、少なくとも、エチレン、塩化ビニルおよびアクリル酸エステルの3種、または、エチレン、酢酸ビニルおよび塩化ビニルの3種の単量体を重合して得られる共重合体であれば特に限定されず、これらの3種の単量体以外に少量の微量単量体をも共重合したものであっても良い。
上記エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体は、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と塩化ビニルとの共重合体であっても良く、該EVA/塩化ビニル共重合体としては、EVAに塩化ビニルをグラフト共重合したものであっても良い。EVAは、該共重合体における酢酸ビニル単位の全部または一部が鹸化されたものをも含む。
本発明において、上記エチレン/塩化ビニル/アクリル酸エステル共重合体を構成する「アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルに加え、メタクリル酸エステルをも含む概念である。上記アクリル酸エステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができ、上記メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記受容層構成樹脂を1種のみを用いてもよく、単量体組成、平均分子量等が異なる2種以上を用いてもよい。
本発明において好適に用いられるスチレンアクリル系樹脂は、スチレン系モノマー及びアクリル系モノマーの2種の単量体を重合して得られる共重合体であれば特に限定されず、これらの2種の単量体以外に少量の微量単量体をも共重合したものであっても良い。
上記スチレン系モノマーとしては、特に限定されず公知の化合物を用いることができる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレンの如きアルキルスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等がある。
一方、アクリル系モノマーは、特に限定されず公知の化合物を用いることができる。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
尚、本明細書において、「アクリル系」とは、(メタ)アクリル酸および/またはそのアルキルエステル系の化合物を包含する。
上記スチレンアクリル系樹脂には、スチレン系モノマー、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマー以外にこれらのモノマーと共重合可能な公知のモノマーを共重合させても良い。そのようなモノマーの例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、2−メチルブチルメタアクリレート、ペンチルメタアクリレート、ヘプチルメタアクリレート、ノニルメタアクリレート等のアクリル酸エステル類及びメタアクリル酸エステル類;3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートのようなアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステル誘導体;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェニルエチルメタアクリレートのようなアクリル酸アリールエステル類及びアクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類あるいはモノメタアクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
以上に説明する受容層構成樹脂は、上述のとおり、いずれも樹脂中に架橋剤と反応し得る活性水素を有する官能基が含まれるものであって、即ち、樹脂中に架橋点が存在する樹脂を意味する。したがってこれらの受容層構成樹脂と架橋剤とを含有する受容層形成用塗工液を基材シート上に直接または間接に塗布し、熱あるいは電離放射線樹脂を用いて架橋反応を生じさせることにより、これら樹脂と上記架橋剤とが架橋することによってなる三次元架橋構造により構成される受容層を得ることができる。しかも、本発明に用いられる受容層構成樹脂は、染料染着性の樹脂であるため、印画時において、染料層に含有される染料が、上記三次元構造を示す樹脂中に染着される。
(水系溶媒)
本発明において、上記受容層2を構成する染料染着性樹脂を分散又は溶解するために用いられる「水系溶媒」とは、水を主成分とする溶媒をいう。水系溶媒における水の割合は、通常60重量%以上であり、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。上記水以外の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類等を例示することができる。
(架橋剤)
受容層2に含有される架橋剤は、受容層2を構成する染料染着性樹脂とともに三次元架橋構造をなし、且つ水系溶媒に分散または溶解することが可能なものであれば公知のものを適宜選択で用いることができる。また、本発明において用いられる架橋剤は、熱反応型の架橋剤であってもよいし、電離放射線反応型の架橋剤であってもよい。尚、本明細書において電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち分子を架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる。
例えば、架橋剤の具体例としては、カルボジイミド系架橋剤(イソホロンジイソシアネート由来のポリカルボジイミド化合物、テトラメチルキシリレンジイソシアネート由来のカルボジイミド化合物、他分岐型カルボジイミド化合物、およびジシクロヘキシルメタンジイソシアネート由来のカルボジイミド化合物、またはカルボジライトV−02、V−02−L2、V−04、V−06、E−01、E−02(いずれも日清紡(株)製)など);オキサゾリン化合物、またはエポクロスK−1010E、K−1020E、K−1030E、K−2010E、K−2020E、K−2030E、WS−500、WS−700(いずれも日本触媒(株)製)などを挙げることができる。
また別の架橋剤の例としては、アルデヒド系架橋剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド等);エポキシ系架橋剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等);活性ハロゲン系架橋剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)を挙げることができる。
また別の架橋剤の例としては、ハロアミジニウム塩系架橋剤(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム、2−ナフタレンスルホナートなど);活性ビニル系架橋剤(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル、N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン等);ムコハロゲン酸系架橋剤(ムコクロル酸など);N−カルバモイルピリジニウム塩系架橋剤((1−モルホリノカルボニル−3−ピリジニオ)メタンスルホナートなど);N−メチロール系化合物(ジメチロールウレア、メチロールジメチルヒダントイン等)を挙げることができる。
また別の架橋剤の例としては、イソシアネート系架橋剤(分散性イソシアネート化合物、またはデュラネートWB40−100、WB40−80D、WT20−100、WT30−100(いずれも旭化成(株)製)、CR−60N(大日本インキ化学工業社製)など);高分子硬膜剤;ホウ酸及びその塩;ホウ砂;アルミみょうばん等を挙げることができる。
特に、本発明において用いられる染料染着性樹脂は、カルボキシル基、水酸基、またはアミノ基等の活性水素を有する官能基を含む樹脂を用いるため、公知の架橋剤の中でもこれらの官能基を備える樹脂と良好に架橋する性質を有するカルボジイミド系架橋剤を用いることにより、染料染着性樹脂と良好に架橋し三次元架橋構造が達成されるため好ましい。
また本発明の熱転写受像シートは所謂水系のシートであって、同時多層塗布方法により製造することが可能である。ただし、この際、充分に架橋した受容層を備える熱転写受像シートを形成するためには、以下の問題点がある。
即ち、水系のシートを同時多層塗布方法により製造する際には、基材シート上に形成される各層に冷却ゲル化剤あるいは、冷却ゲル化剤としても使用可能なバインダー樹脂を含有させることが一般的である。通常はこれらの冷却ゲル化剤を塗工液に溶解せしめるために、適温に温められた塗工液がスライドコート装置内の塗工液タンクに独立に充填され、保温状態を維持される。この温度下では、熱反応型の架橋剤であって、反応開始温度が低い架橋剤は、基材シート上に塗布される前の塗工液の状態から架橋が始まる可能性があり、塗工液中で所謂だまが発生し、均一かつ平滑な受容層が形成されない虞がある。したがって、同時多層塗布により本発明の熱転写受像シートを製造する場合には、架橋剤の選択に留意する必要がある。これに対し、カルボジイミド系架橋剤は、冷却ゲル化剤が塗工液に溶解可能な温度においても、問題となるほどには架橋反応を生じさせず、且つ、同時多層塗布方法において一般的に実施される50℃程度の乾燥工程において充分、受容層構成樹脂と架橋反応を起こすことができるため、非常に好ましい架橋剤といえる。
また、同時多層塗布方法において、さらに電離線照射工程を追加し、電離放射線反応型の架橋剤を受容層塗工液中に用いることによれば、塗工液の保温温度や、乾燥工程温度に左右されることなく、確実に、受容層構成樹脂と架橋剤とを架橋させることができる。
上述のとおり、受容層2は、架橋可能な染料染着性樹脂と、架橋剤とを含んでおり、これらが架橋することによりなる三次元架橋構造より構成される。特に、上記染料染着性樹脂としては、カルボキシル基、水酸基、およびアミノ基等の活性水素を有する官能基を含む樹脂が用いられるとともに、架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤が用いられることにより、受容層2において良好に三次元架橋構造が示され、該受容層2のマット化が好ましく改善される。
受容層2を三次元架橋構造にて構成することにより該受容層2のマット化が改善される理由は次の通りである。即ち、熱転写方式により熱転写受像シート10乃至13に画像を印画する際には、染料層に含有される染料を受容層2に染着させるために、必要な印加エネルギーにより両者が圧着される。その際に転写の熱もかかるため、耐熱性の低い受容層2では、受容層構成樹脂と染料層とが融着してしまい、次いで該インクリボンが巻き上げられる際に該インクリボン表面の染料層の表面に受容層構成樹脂がとられてしまい、その結果、マット化が生じていたと考えられる。上記マット化の問題は、高濃度部を印画する際には特に顕著であり、より大きい印加エネルギーを必要とする場合にマット化が顕著になることからも、印画時に耐熱性の弱い受容層構成樹脂が染料層表面にとられるということが推察される。これに対し、本発明者らは、受容層2を構成する樹脂を三次元架橋させることによって受容層2の耐熱性を向上せしめ、染料層との融着及びこれにともなう染料層表面への受容層構成樹脂の「とられ」が良好に防止され得ることを見出したものである。
受容層2を三次元架橋構造において構成することにより水系の熱転写受像シートのマット化の課題を特に良好に解決するためには、受容層2を構成する染料染着性樹脂と架橋剤とが充分に架橋していることが望ましい。受容層2の架橋の度合いは、架橋度や、ゲル分率などによって示すことが可能である。例えば、架橋度の観点からは、受容層2に含有される染料染着性樹脂の架橋度が25%以上であることが望ましく、45%以上であることが寄り望ましく、65%以上であることがさらに好ましく、85%以上であることが特に好ましく、90%以上であることが最も好ましい。
(離型剤)
本発明における受容層2において、離型剤は必須の成分ではないが、下記の理由から受容層構成材料として用いられることが好ましい。即ち、本発明における受容層2を構成するための染料染着性樹脂は、上述するとおりガラス転移温度が20℃以上120℃以下のものが好適に用いられる。ここで染料染着性のガラス転移温度が比較的高くなると、印画時の染料層との離型性が不良になる場合がある。離型性不良の傾向は特に、染料染着性樹脂のガラス転移温度が40℃以上120℃以下の範囲内にあるときに顕著である。これに対し、離型剤を受容層構成材料として用いることにより、不足となる印画時の離型性を向上させることができる。
本発明に用いられる離型剤の例としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系化合物等の従来公知のものを挙げることができる。これらの中でも特に、シリコーンオイルが、本発明に用いられる染料染着性樹脂との相性がよく、好適に用いられる。より具体的なシリコーンオイルの例としては、エポキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが好ましい。また、エマルジョン化したシリコーンを用いることもできる。
(冷却ゲル化剤)
また、本発明によれば上記受容層2には、任意で冷却ゲル化剤を添加することができる。特に、スライドコート法等の同時多層塗布方法によって熱転写受像シート11乃至13の如く、受容層を含む複数の層が基材シート上に積層形成される熱転写受像シートを製造する際には、受容層2に冷却ゲル化剤を添加することによって、高効率で製造することが可能になる。また受容層2に冷却ゲル化剤を含有させることは、同時多層塗布方法の際に、良好に多層の熱転写受像シートを製造することを可能にするばかりでなく、得られた熱転写受像シートに印画する際に、受容層と染料層との離型性の向上にも寄与する。したがって、受容層2と基材シート1とからなる熱転転写受像シート10においても、該受容層2に冷却ゲル化剤を添加することにより、有利な効果を得ることができる。
尚、後述する多孔質層、あるいはプライマー層などの本発明の熱転写受像シートにおける任意の層においても、冷却ゲル化剤の添加は任意であるが、特に受容層を含める2層以上を備える水系の熱転写受像シートを同時多層塗布方法により製造する際には、いずれの層にも冷却ゲル化剤が添加されていることが望ましい。
上述する本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものである。上記冷却ゲル化剤としては、冷却ゲル化特性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、特に、水に溶解した状態の冷却ゲル化剤において、15℃における該冷却ゲル化剤の粘度に対し、80℃における該冷却ゲル化剤の粘度が3倍以上のものが好ましく、5倍以上のものがより好ましく、10倍以上のものが特に好ましい。
本発明に用いられる冷却ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、ペクチン等を挙げることができる。
上記ゼラチンは、三重へリックス構造を有するコラーゲンを変性させることによって得られるペプチド鎖からなるものであり、冷却されることにより部分的に上記三重へリックス構造を回復し、回復された三重へリックス構造を起点として三次元ネットワークを形成することにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、および、ι−カラギーナンは、紅藻類海藻から抽出される分子量100000〜500000程度のガラクトース、3,6−アンヒドロガラクトースを主成分とする天然高分子化合物である。分子内に半エステル型の硫酸基を有することを特徴とするものであり、通常、ローカストビーンガムや、金属塩化合物等の増粘剤が併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
上記ペクチンは、植物の細胞壁を構成する天然多糖類であり、イオン性の化合物と併用されることにより、冷却ゲル化特性を示すものである。
本発明においては、上記冷却ゲル化剤のいずれであっても好適に用いることができる。また、本発明においては、1種類の冷却ゲル化剤のみを用いてもよく、あるいは、2種類以上の冷却ゲル化剤を組み合わせて用いてもよい。
(任意添加成分)
上述する受容層2の構成材料以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜その他の添加剤を受容層2の構成材料として使用することができる。その他の任意添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラー、顔料、帯電防止剤、可塑剤、熱溶融性物質等を挙げることができる。
上述のとおり構成される受容層2の厚みは、上記受容層構成樹脂の種類や熱転写受像シートの種類、染着されるインクの種類などに応じて所望の印画濃度を発現できる範囲内で適宜決定することができるが、なかでも本発明においては、0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、さらに1μm〜15μmの範囲内であることが好ましい。
<受容層形成用塗工液>
上述する受容層2の構成材料を調整することよって、本発明の受容層形成用塗工液が得られる。本発明の受容層形成用塗工液は、少なくとも、水系溶剤、染料染着性樹脂及び架橋剤が含有される。またさらに離型剤、冷却ゲル化剤が含有されることが望ましく、加えて、その他の任意の添加成分を含んでもよい。
受容層形成用塗工液の配合割合は、本願発明における受容層の趣旨を逸脱しない範囲で、受容層を構成する染料染着性樹脂が充分に架橋される量を勘案して適宜決定してよい。即ち、一般的には、染料染着性の樹脂の酸価に対して、等モルの架橋剤が使用されることが望ましい。より具体的に述べると、染料染着性樹脂の架橋点の総量に対して、添加される架橋剤の架橋点の総量が、60%以上であることが好ましく、70%以上であることが寄り好ましく、80%以上であることが更に望ましく、90%以上であることが特に好ましい。
また上記離型剤は、染料染着性樹脂100重量部に対して、0.5重量部〜30重量部の範囲内となるように添加されることが好ましい。
また本発明の上記受容層形成用塗工液における冷却ゲル化剤の含有量は、受容層の染料染着性を妨害しない範囲で、充分に下記効果を与える範囲内であれば特に限定されない。即ち、受容層の染料染着性を妨害しない範囲で、熱転写受像シートを製造する際に、基材シート上に受容層2を含む多層を同時多層塗布した際に、受容層形成用塗工液の良好な塗布性を確保し、また乾燥工程において乾燥ムラを防止する程度に冷却ゲル化剤が添加される。一般的には、上記冷却ゲル化剤は、受容層形成用塗工液中の固形分100重量部に対して、乾燥時の重量換算で2〜50重量部の範囲内であることが好ましく、特に2〜30重量部の範囲内であることが好ましく、さらに2〜20重量部の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の配合比が2重量部よりも少ないと、例えば、上記受容層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布・乾燥する際に、ムラなどが生じやすく、同時多層塗布により良好な多層の熱転写受像シートが形成されない虞がある。また、上記範囲よりも多いと、例えば、画像形成の際に染料の染着を妨害し、濃度が低下する虞がある。尚、上記冷却ゲル化剤は、一般的に水系溶媒に溶解させた後に、受容層形成用塗工液に混合される。ゲル化剤の水溶液溶媒に溶解させる際の濃度は、受容層塗工液の濃度や粘度、あるいは受容層と隣接して形成させる他の層の粘度や表面張力などとの関係で適宜調製することができる。
上記受容層形成用塗工液は、上述する染料染着性樹脂、架橋剤、あるいはさらに離型剤、冷却ゲル化剤などの任意の添加物が、水溶性溶媒に分散あるいは溶解されて調製される。同時多層塗布工程に用いられる上記受容層形成用塗工液の粘度としては、該工程において基材シート上に同時に塗布される他の塗工液と混合しない程度であれば特に限定されるものではない。なかでも該工程においては、40℃において、1mPa・s〜50mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に5mPa・s〜50mPa・sの範囲内であることが好ましく、さらに7mPa・s〜40mPa・sの範囲内であることが好ましい。
なお、上記粘度は、例えば、小型振動式粘度計(VIBRO VISCOMETER CJV5000、 A&D社製)を用いて測定することができる(以下、同じ)。同時多層塗布方法によるシート成形に用いられる受容層形成用塗工液の固形分濃度としては、粘度を所望の程度にできる範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも10重量%〜50重量%の範囲内、なかでも10重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましく、このような固形分となるように前述した水系溶媒によって各固形分が分散または溶解される事が好ましい。固形分濃度が低すぎると、溶液の粘度が低下し、また乾燥時間が長くなり、固形分濃度が高すぎると、塗工液の保存安定性が低下し、粘度が上昇して塗工に不都合を生ずる。
尚、上記受容層形成用塗工液の調製は、熱転写受像シート製造前において行われるが、特に、カルボジイミド系架橋剤のように架橋反応開始温度が、室温、あるいは室温に近い温度である場合には、受容層形成直前に、該架橋剤を添加して水系溶媒中に分散あるいは溶解させて、本受容層形成用塗工液を完成させることが望ましい。
<基材シート>
次に、本発明の熱転転写受像シート10乃至13に用いられる基材シート1について説明する。基材シート1は、上述した受容層2を支持する機能を有するものである。
以下、このような基材シート1について詳しく説明する。
本発明に用いられる基材シート1としては、本発明の熱転写受像シート10乃至13を用いて受容層2側に画像を形成する際の印画温度等に応じて、所望の耐熱性を備えるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、レジンコート紙、樹脂製フィルム基材、および紙製基材等を挙げることができ、なかでもレジンコート紙が好ましい。
上記レジンコート紙は、通常、基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるものである。上記基紙を構成する原紙としては、例えば、天然パルプ、合成パルプ、それらの混合物から抄紙されるパルプ紙等を挙げることができ、なかでも木材パルプを主成分とする紙を用いることが好ましい。また、上記原紙は、必要に応じて後述するカレンダー処理等の従来公知の処理を施したものであってもよい。
上記基紙は、公知の方法によって作製することができるが、原紙に対してカレンダー処理したものが好ましい。原紙にカレンダー処理をした基紙を用いると、平滑度を向上することができ、得られる熱転写受像シートの光沢感を高めることができるからである。また上記基紙の厚みは、10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
上記基材樹脂層を形成するための樹脂としては、ネックインが小さく、ドローダウン性が良好な樹脂であることが好ましく、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン、ポリウレタン等を挙げることができ、耐水性、強度、光沢等に優れたフィルムが得られる点で、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等を挙げることができ、中でも高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
上記基材樹脂層は、上記樹脂を1種もしくは2種以上混合して得られるフィルムまたはシートであっても良いし、上記基材樹脂層を形成するための樹脂に加え、顔料、充填剤等を加えて成膜したフィルムまたはシートであっても良い。また、上記基材樹脂層を形成するための樹脂は、改質剤等の添加剤を配合し、接着性を向上させたものであっても良い。上記改質剤としては、例えば、タフマー(三井化学社製)等のオレフィン系コポリマー等を挙げることができる。
上述のとおり基紙の両面に基材樹脂層を積層してなるレジンコート紙は、例えばドライラミネーション、ウェットラミネーション、エクストリュージョン等の公知の積層方法により作製することができる。上記各層は、層間密着力を向上させることを目的として、その表面に適宜プライマー処理やコロナ放電処理を施すことができる。また上記レジンコート紙である基材シート1の厚みは、全体で、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも50μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
次に、上記樹脂製フィルム基材について説明する。本発明における基材シート1として用いられる樹脂製フィルム基材は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の樹脂から成形することができる。なかでも本発明においては、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリプロピレン樹脂は、上記樹脂製フィルム基材を形成するための樹脂として好適に用いることができる。
上記樹脂製フィルム基材である基材シート1の厚みとしては、例えば20μm〜100μmの範囲内、中でも、25μm〜60μmの範囲内、特に30μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また基材シート1として用いられる紙製基材としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、または、サイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙等を挙げることができる。
上記紙製基材を用いて基材シート1とする場合には、その厚みは特に限定されるものではないが、例えば80μm〜400μmの範囲内、中でも100μm〜300μmの範囲内、特に100μm〜210μmの範囲内であることが好ましい。
<多孔質層>
本発明の熱転写受像シートは、少なくとも基材シート上に受容層が設けられているが、必要に応じて基材シートと受容層との間に、1つ以上の機能層が設けられてよい。該機能層は、熱転写受像シートにおいて、製造効率、あるいは印画特性などを向上させるためのものであれば特に限定されるものではない。以下に、機能層の1つとして基材シートと受容層との間に成形可能な機能層の例として、多孔質層について図2乃至4を用いて説明する。
図2乃至図4に示される多孔質層3は、基材シート1と受容層2との間に形成されるものであり、少なくともバインダー樹脂及び中空粒子を含んで構成され、さらに好ましくは冷却ゲル化剤を含んで構成されるものである。多孔質層3は、本発明の熱転写受像シート11乃至13を用いて画像を形成する際に、サーマルヘッドから受容層2に加えられた熱が、基材シート1等へ伝熱することによって基材シートが損失することを防止するための断熱性をシートに付与するための層である。加えて、多孔質層3は中空粒子を含有することによりクッション性を有しており、多孔質層3を備える熱転写受像シートにおいて、画像形成時における濃度ムラやハイライト部の白抜けが防止され印画特性を向上させることができる。
多孔質層3が備える断熱性は、多孔質層3の厚み、あるいは多孔質層3内に含有される中空粒子の量に主として起因する多孔質層の空隙率などによって任意に調整することができる。この多孔質層3の断熱性は、本発明の熱転写受像シート11乃至13の用途等に応じて適宜調整することができる。
多孔質層3に充分な断熱性を与えるという観点から、多孔質層3の厚みは、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。またこのとき、上記多孔質層3の密度は、0.1g/cm〜0.8g/cmの範囲内、なかでも0.2g/cm〜0.7g/cmの範囲内であることが好ましい。
また同様に、多孔質層3に充分な断熱性を与えるという観点から、多孔質層3の空隙率は、15%〜80%の範囲内であることが好ましい。尚、上記空隙率は、
(中空粒子の空隙率)×(多孔質層における中空粒子の含有率)
で表される値を指すものとする。
本発明に用いられる多孔質層3は、単一の層からなる構成を有するものであってもよく、あるいは、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。ここで、複数の層が積層された構成を有する多孔質層3としては、同一組成の層が積層された構成を有するものであってもよく、あるいは、異なる組成の層が積層された構成を有するものであってもよい。なかでも本発明に用いられる多孔質層3は、組成の異なる2層が積層された構成を有するものであることが好ましい。このような構成とすることにより、さらに機能的な多孔質層を得ることができるからである。
本発明に用いられる多孔質層3が2層構造である場合の一例としては、上記多孔質層3が、基材シート1側から、中空粒子aを含有する多孔質層Aと、および上記中空粒子aよりも中空率の小さな中空粒子bを含有する多孔質層Bとが積層された構成を有するものを挙げることができる。多孔質層3としてこのような2層構造よりなるものを用いることにより、印画時における濃度ムラやハイライト部の白抜け防止といった印画特性の向上効果がさらに良好に発揮され得る。
(中空粒子)
多孔質層3に含有される中空粒子について説明する。本発明において用いられる中空粒子は多孔質層3に断熱性及びクッション性を付与する機能を有するものである。したがって、上記中空粒子としては、多孔質層3に所望の断熱性およびクッション性を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、発泡粒子を用いてもよく、あるいは、非発泡粒子を用いることもできる。また、中空粒子として用いられる上記発泡粒子は、独立発泡粒子であってもよく、あるいは、連続発泡粒子であってもよい。さらに、本発明に用いられる中空粒子は、樹脂等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよい。また、上記中空粒子は、架橋中空粒子であってもよい。
上記中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
上記中空粒子の平均粒径は、中空粒子を構成する樹脂の種類等に応じて、多孔質層に所望の断熱性およびクッション性を付与できる範囲であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1μm〜15μmの範囲内であることが好ましく、特に0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が小さすぎると、中空粒子の使用量が増えコストが高くなり、平均粒径が大きすぎると、平滑な多孔質層を形成することが困難になるからである。
本発明において、多孔質層3に含まれる中空粒子の量としては、所望の断熱性およびクッション性を有する多孔質層3を得ることができれば特に限定されるものではないが、多孔質層3に含まれる全固形分を100重量%としたときに、中空粒子の割合が30重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましく、なかでも50重量%〜80重量%の範囲内であることが好ましい。含有量が少なすぎると、多孔質層における空隙が少なくなり、充分な断熱性およびクッション性が得られない場合があり、含有量が多すぎて後述する多孔質層形成用バインダー樹脂の重量比が小さくなりすぎると、多孔質層が脆くなり層の成形性が悪くなる虞があるからである。
(多孔質層形成用バインダー樹脂)
多孔質層3を形成するために用いられるバインダー樹脂としては、通常、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な所謂、水系樹脂が用いられる。このような水系樹脂としては、例えば、アクリル系ウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−195826号公報及び同7−9757号公報に記載のポリアルキレノキサイド系共重合ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独重合体や共重合体等を挙げることができる。また、上記樹脂の2種類以上を組み合わせて用いても良い。尚、上記多孔質形成用バインダー樹脂として、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン等の材料を用いる場合には、これらバインダー樹脂は、冷却ゲル化機能も発揮し得るため、別途、後述する冷却ゲル化剤を用いずとも、同時多層塗布方法において良好に製造可能である。
(冷却ゲル化剤)
次に、多孔質層3に用いられる冷却ゲル化剤について説明する。本発明に用いられる冷却ゲル化剤は、冷却されることによりゲル化する性質を有するものであり、基材シート1上に、少なくとも水系の受容層1及び多孔質層3を有する熱転写受像シート11乃至13を同時多層塗布により高効率で製造することを可能にするものである。尚、多孔質層3に用いられる冷却ゲル化剤の種類については、上述する受容層1に用いられる冷却ゲル化剤と同様である。
また本発明において、多孔質層3中に含有される中空粒子と、冷却ゲル化剤との割合は、所望の断熱性を有する多孔質層を形成することができれば特に限定されるものではない。なかでも、本発明においては、冷却ゲル化剤が、多孔質層塗工液中の固形分100重量部に対して、重量換算で10〜50重量部の範囲内であることが好ましく、特に10〜40重量部の範囲内であることが好ましく、さらに12〜40重量部の範囲内であることが好ましい。中空粒子と冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲内であることにより、断熱性に優れた多孔質層3を形成することができるからである。
(任意の添加成分)
本発明に用いられる多孔質層3は、上述する中空粒子及び冷却ゲル化剤以外にも、必要に応じて任意の添加成分を含むものであってよい。上記任意の添加成分として多孔質層3に含有させることができるものとしては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ剤、および、分散剤等を挙げることができる。
<プライマー層>
本発明の熱転写受像シートにおいて基材シートと受容層との間に形成可能な機能層の別な例として、プライマー層について図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4に示される熱転写受像シート12及び13に設けられた第1プライマー層4は、上記基材シート1と上記多孔質層3との間に、また第2プライマー層5は多孔質層3と受容層2との間に形成されている。これらプライマー層はそれぞれ、上記基材シート1と上記多孔質層3との接着性、あるいは上記多孔質層3と受容層4との間の接着性を向上させる機能を有するものである。即ち、本発明においてプライマー層とは、基材シート上に積層される熱転写受像シートを構成する層とシート間、あるいは各層間に設けられ、それらの接着性を向上させるために任意で形成されるものである。
(プライマー層形成用バインダー樹脂)
本発明に用いられる第1プライマー層4及び第2プライマー層5は、上記基材シート1と上記多孔質層3との接着性、あるいは上記多孔質層3と受容層4との接着性を所望の程度に向上できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、水系溶媒に分散あるいは溶解可能な樹脂で構成されていることが好ましい。このように熱転写受像シートを構成する各層が水系溶媒に分散あるいは溶解可能な材料で形成されることにより、熱転写受像シートの同時多層塗布方法による製造を可能にするからである。ここで、上記プライマー層形成用樹脂としては、上述する多孔質層3に関して記載した、多孔質層形成用バインダーとして用いられる水系樹脂と同様のものを用いることができる。尚、図4に示すとおり、1つの熱転写受像シートにおいて2層以上のプライマー層を形成する場合には、これら複数のプライマー層は、同様のバインダー樹脂を用いて形成されてもよいし、あるいは各プライマー層が異なるバインダー樹脂で形成されていてもよい。
(冷却ゲル化剤)
また、本発明に用いられる第1プライマー層4及び第2プライマー層5には冷却ゲル化剤が含まれることが好ましい。第1プライマー層4及び第2プライマー層にも冷却ゲル化剤が含まれることにより、本発明の熱転写受像シートを製造する際に、基材シート1上に、第1プライマー層4及び第2プライマー層5、多孔質層3および受容層2を同時多層塗布方法により良好に製造することが可能だからである。ここで、上記冷却ゲル化剤としては、上述する受容層1に用いられる冷却ゲル化剤と同様のものを用いることができる。
上記プライマー層として、上記プライマー層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤とを含むものを用いる場合、プライマー層中のプライマー層形成用樹脂と、冷却ゲル化剤との比率としては、上記プライマー層を形成する際に、プライマー層形成用塗工液に所望の粘度特性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、冷却ゲル化剤が、プライマー層形成用塗工液中の固形分100重量部に対して、重量換算で1〜100重量部の範囲内であることが好ましく、特に20〜80重量部の範囲内であることが好ましく、さらに25〜75重量部の範囲内であることが好ましい。冷却ゲル化剤の含有比が上記範囲よりも少ないと、上記プライマー層形成用塗工液を上記基材シート上に塗布する際に、例えば、他の層との密着性が低下する場合があるからである。
(その他の添加成分)
尚、本発明に用いられる第1プライマー層4には、上記プライマー層形成用バインダー樹脂および上記冷却ゲル化剤以外に、任意の添加成分をさらに含有してもよい。上記任意の添加成分の例としては、ノニオン系シリコーン系等の界面活性剤、イソシアネート化合物等の硬化剤、濡れ材、分散剤等を挙げることができる。上記硬化剤は、例えば、プライマー層形成用樹脂として、活性水素を有する熱可塑性樹脂を用いた場合等に特に有効である。
[熱転写受像シート製造方法]
次に、本発明の熱転写受像シート10乃至13の製造方法について説明する。本発明の熱転写受像シート10乃至13は、一般的に熱転写受像シートを製造する方法として公知の方法を用いて製造することができる。即ち、グラビアコート法などにより、基材シート1上に、各構成層を順次、積層成形して製造してもよい。また特に熱転写受像シート11乃至13のように、基材シート1上に受容層を含む複数の層を有する熱転写受像シートを製造する場合には、これら複数の層を同時に塗布する同時多層塗布方法により製造することもできる。またあるいは、本発明の熱転写受像シートは、上述した製造方法以外に、例えば、同時多層塗布方法により、基材シート上に多孔質層やプライマー層などの複数の機能層を同時に形成した後、受容層を別途塗布する工程を設けることも可能である。ただし、本発明の熱転写受像シート10乃至13は、いずれも染料染着性樹脂と架橋剤とが架橋してなる三次元架橋構造により構成されるので、該架橋反応を可能とする架橋工程を必要とする。
以下に、本発明の熱転写受像シートの製造方法をより具体的に説明するために、同時多層塗布方法による熱転写受像シート12の製造例を用いて説明する。
所謂スライドコーターを用いたスライドコート法により実施される塗布工程を図5を用いて説明する。
(塗布工程)
まず、基材シート上に複数の層を同時に積層する塗布工程について、図5を用いて説明する。図5は、基材シート1上に第1プライマー層4、多孔質層3及び受容層2を備える熱転写受像シート12を製造するために、スライドコーターを用いたスライドコート法により、各構成層を形成するための塗工液を基材シート1上に同時に塗布し、多層シート42を形成している様子を示す概念図である。
多層シート42は、アンワインダー(図示せず)から送り込まれた基材シート1をバックロール14に巻きつけ、露出する表面側に、第1プライマー層形成層34、多孔質層形成用層33、及び受容層形成用層32をこの順で有して構成されている。基材シート1上に積層される上記3つの層は、コーティング装置15内に独立に充填された、第1プライマー層形成用塗工液24、多孔質層形成用塗工液23、及び受容層形成用塗工液22を同時に、基材シート1上に塗布して形成される。スライドコーターで同時に複数の塗工液が塗布されるときには、一般的に各塗工液の温度は、通常、25℃〜60℃の範囲内に調整されるが、本発明の熱転写受像シート12における受容層2には、架橋剤が含有されているため、塗布液の温度は、該架橋剤の架橋温度を勘案して決定する必要がある。より具体的には、コーティング装置15内部において、架橋反応が活発に生じると受容層形成用塗工液22の塗布性が低下する虞があるのでこの点に留意する必要がある。
塗工品質の観点から見ると、スライドコート法は、膜厚均一性に優れ、回転部がないため塗工液の飛散による品質不良が発生しにくく、摩擦部がないため塗布部での原反切れに発生によるロスが発生しにくいという利点を有する。また、塗工液のハンドリング性の観点から見ると、スライドコート法は、塗工液の濃度、粘度、組成が変化しにくく、反応性が高く経時的に変化する塗工液を用いることができ、塗工液を使い切ることができ無駄が生じにくく、高固形分塗工液を用いることができ溶媒使用量を削減することができるという利点を有する。
尚、上記スライドコート法においては、プライマー層形成用塗工液、多孔質層形成用塗工液および受容層形成用塗工液が互いに混合しないように、通常、塗工液に界面活性剤などを添加するなどして、両塗工液間の表面張力の差が一定の範囲内となるように調整される。
(冷却処理工程)
上述のとおり形成された多層シート42は、次に、冷却処理に供せられる。冷却処理工程において、基材シート1上に形成された各層を冷却する方法としては、多層シート42に冷風を吹き付ける冷却方法1、多層シート42を所望の温度以下の室温に調整された冷却ゾーンを通過させる冷却方法2などがある。また別の方法として、上記塗布工程において既に冷却された基材シート1をバックロール14にまき付け、この上に各層の塗工液を塗布することによって該基材シート1の温度で各層を冷却する、塗布工程と冷却処理工程を同時に行う冷却方法3、あるいは、基材シート1を搬送するバックロール14の表面を冷却し、基材シート1を介して各層を冷却することによって、塗布工程と冷却処理工程を同時に行う冷却方法4などでもよい。また上述する冷却方法1乃至4を組み合わせて冷却処理工程を実施してもよい。
上記冷却処理工程において、上記塗膜を強制冷却する温度は、通常、0℃〜常温の範囲内とされる。かかる冷却処理工程の実施によって、多層シート42内に存在する冷却ゲル化剤は冷却されてゲル化する。
(乾燥工程及び架橋工程)
上記冷却工程において冷却された多層シート42を、続いて乾燥工程及び架橋工程に供することによって、熱転写受像シート12が完成される。多層シート42を乾燥させる方法としては、多層シート42を複数のロールに順次まき付けて送りながら、適温の温風を吹き付ける非接触乾燥により乾燥させることができる。このとき、乾燥路長を500m以上に設けることにより、急激にシートを乾燥させることを防止することにより、乾燥ムラのない良好な熱転写受像シートが形成されるので好ましい。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
上記多層シート42の乾燥工程において、その乾燥の熱により、受容層2に含有される染料染着性樹脂と架橋剤とにおいて架橋反応を生じさせることができる。即ち、本発明の熱転写受像シートは、受容層が染料染着性樹脂及び架橋剤が架橋反応することによって形成される三次元架橋構造により構成されることを特徴とするが、これを同時多層塗布方法により製造することによって高効率で製造が実施される上、乾燥工程と架橋工程とを同一の処理により実施することができるという有利な点を有する。ただし上記記述は、本発明における受容層を構成する三次元架橋構造が、上記乾燥工程に兼ねられる架橋工程のみによって達成されるよう制限する意味ではない。即ち、上述は、熱転写受像シート製造工程において不利に働かない限りは、受容層における架橋反応の一部が、上記乾燥工程以外の他の製造工程中、あるいはコーティング装置内部において塗工液の状態で生じることを除外するものではない。
本発明の熱転写受像シートの製造において実施される、架橋工程を兼ねた乾燥工程は、使用する架橋剤の種類によって異なるが30℃〜90℃が好ましく、40℃〜60℃がより好ましい。なお、該工程において上記塗膜を乾燥する方法としては、上記塗膜中に残留する水系溶媒を所定の時間内に所定量以下にでき、架橋反応を進行できる方法であれば特に限定されるものではない。このような乾燥方法については、一般的に塗膜を乾燥する方法として公知の方法を用いることができる。
以上、本発明の熱転写受像シート及び受容層形成用塗工液について、いくつかの実施形態を例にして説明したが、これら本発明は上述する実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。表記の重量部は固形分で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
(1)試料の調製方法
スチレン‐アクリル系共重合体の調製方法
(エマルジョン1の合成)
500mL三角フラスコに、スチレン102g、エチルアクリレート54g、ラウリルアクリレート42g、アクリル酸3g、アクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)1.9gを入れ、攪拌・混合した(これを以下、「組成物A」と呼ぶ)。1L三口フラスコに、蒸留水200gを入れて80℃まで加熱し、先ほどの組成物A全量の約20%程度を加え、10分間攪拌した。その後、純水20gに溶解させた過硫酸アンモニウム0.2gを加えて10分間攪拌した後、残り80%の組成物Aを滴下ロートにて3時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌した。その後室温まで冷却し、#150メッシュ(日本織物)にてろ過し、エマルジョン1を得た。分子量244000、Tg50℃。また、スチレン、エチルアクリレート、ラウリルアクリレートの分子量と反応に使用した量から、それぞれのmol比は58%、32%、10%となる。
(エマルジョン2の合成)
アクリル酸添加量を4gに変更した以外は、エマルジョン1の合成と同様の方法により合成を行いエマルジョン2を得た。反応時間については、TLCにてモノマーの存在が確認できなくなる、あるいは存在量が減少しなくなるまで行った。
(受容層形成用塗工液1の調製)
上記エマルジョン1( スチレンアクリル酸エステル共重合体)90重量部に対し、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)を10重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)と、シリコーン系離型剤(KF615A、信越化学工業社製) 10重量部を、純水で分散、溶解させて受容層形成用塗工液1を調製した。
尚、受容層形成用塗工液1の濃度は、後述するスライドコート装置においてインライン添加される6.2重量部のカルボジイミド系架橋剤(カルボジライトV−04、日清紡製)もあわせて、総固形分が25重量%となるよう純水に調整した。
(多孔質層形成用塗工液)
中空粒子(HP−91、ロームアンドハース社製)75重量部と、水に溶解させたゼラチン(RR、新田ゼラチン社製)を25重量部(ゼラチンの乾燥時における重量比)と、界面活性剤(サーフィノール440、日信化学工業社製)0.15重量部とを、純水に分散、溶解させて、総固形分が17重量%となるように純水にて希釈した。
(実施例1)
同時多層塗布可能なスライドコート装置を用い、以下のとおり熱転写受像シートを作製した。基材シートとしてレジンコート紙(STF−150、三菱製紙社製)を用い、上記受容層形成用塗工液1及び上記多孔質層形成用塗工液をそれぞれ40℃に加熱し、独立の塗工液タンクに重点し、上記基材シートに塗布される直前に、受容層形成用塗工液1に上記カルボジイミド系架橋剤をインライン添加した。そして、基材シート上に多孔質層と、受容層とがこの順で積層されるように同時に2層を塗布した。次いで得られた積層体を10℃以下にて1分間冷却し、各層に含有されるゼラチンをゲル化させ、さらに50℃にて5分間乾燥することにより熱転写受像シートを作製し、実施例1とした。
尚、それぞれの層は乾燥時の膜厚が多孔質層は40μm、受容層は5μmとなるように塗工した。
(実施例2)
受容層形成用塗工液1における染料染着性樹脂として、スチレンアクリル酸エステル共重合体をエマルジョン1からエマルジョン2に変更し、添加するカルボジイミド系架橋剤の量を8.3重量部に変更した以外は同様の受容層形成用塗工液2を調製し、実施例1と同様に熱転写受像シートを作成し、実施例2とした。
(比較例1)
上記受容層形成用塗工液1を用い、架橋剤を用いなかった以外は、実施例1と同様に熱転写受像シートを作成し、比較例1とした。
(比較例2)
受容層形成用塗工液3における染料染着性樹脂として、スチレンアクリル酸エステル共重合体をエマルジョン1からエマルジョン2に変更した以外は同様の受容層形成用塗工液4を調製し、比較例1と同様に熱転写受像シートを作成し、比較例2とした。
上記実施例及び比較例において用いられた受容層形成用塗工液中に含有される染料染着性樹脂の名称と理論酸化、及び架橋剤の有無について表1にまとめて示す。
Figure 0004993125
エマルジョン1、2:スチレンアクリル酸エステル共重合体
カルボジライトV‐04:カルボジイミド(日清紡製)
(評価)
上述のとおり作製した実施例1を用いて、後述する熱転写方法により受容層側に画像を印画し、その画像のマット化について以下の通り評価した。また実施例2及び比較例1または2について同様に印画し、その画像のマット化を評価した。評価結果は、表2にまとめて示す。
<印画の方法とマット化評価>
実施例1の熱転写受像シートを用い、昇華型熱転写プリンターCP−720(キヤノン社製)にて黒ベタ画像を実施例1の受容層側に印画し、その際の画像の鮮明さを下記のとおり官能評価し、画像が鮮明でないものほどマット化が大きいと判断した。
(官能評価の判断基準)
◎:画像には僅かに変化が見られるものの、充分に鮮明で実用上問題がなかった。
○:画像には変化が見られるが、高品質な画像として実用化可能である。
×:画質の低下が確認され、マット化が生じていることが視認された。
表2に示されるように、架橋剤が添加された受容層形成用塗工液を用いて受容層が形成された実施例1及び実施例2は、いずれも画像が印画された場合に従来と比べて確実にマット化が改善されていた。その理由としては、受容層が染料染着性樹脂及び架橋剤により三次元架橋構造にて構成されているため、該受容層の耐熱性が向上した事が考えられる。
一方、比較例1または2は、いずれも印画された画像が、マット化していることが確認された。これは、熱転写時に、染料層と受容層における染料染着性樹脂が印画時の熱で融着した状態でインクリボンの巻上げの力によって、受容層が染料層に取られてしまった結果であると推察された。
Figure 0004993125
本発明の熱転写受像シートの一実施態様を示す断面外略図である。 本発明の熱転写受像シートの一実施態様を示す断面外略図である。 本発明の熱転写受像シートの一実施態様を示す断面外略図である。 本発明の熱転写受像シートの一実施態様を示す断面外略図である。 同時多層塗布方法により多層シートを形成していることを示す概念図である。
符号の説明
1 基材シート
2 受容層
3 多孔質層
4 第1プライマー層
5 第2プライマー層
10 本発明の熱転写受像シート
11 本発明の熱転写受像シート
12 本発明の熱転写受像シート
13 本発明の熱転写受像シート
14 バックロール
15 コーティング装置
22 受容層形成用塗工液
23 多孔質層形成用塗工液
24 第1プライマー層形成用塗工液
32 受容層形成用層
33 多孔質層形成用層
34 第1プライマー層形成用層
42 多層シート

Claims (2)

  1. 基材シートと、上記基材シート上に少なくとも受容層を備える熱転写受像シートにおいて、
    上記受容層が、水系溶媒に分散又は溶解可能であり活性水素含有官能基を有する染料染着性樹脂と、架橋剤とを含有し、且つ、上記染料染着性樹脂と上記架橋剤とが架橋することによってなる三次元架橋構造により構成されており、
    上記染料染着性樹脂が、スチレンアクリル系共重合体樹脂であり、
    上記架橋剤が、カルボジイミド系架橋剤であり、
    上記基材シートと、上記受容層との間に、多孔質層を備えることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 上記受容層に、離型剤が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
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