JP2014198420A - 熱転写受像シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による熱転写受像シートは、基材と、該基材上に受容層とを有してなり、該受容層が、バインダー樹脂と、バインダー樹脂に対して1〜10質量%のトリアジン系硬膜剤と、ゼラチンまたはアクリル樹脂と、を含んでなるものである。本発明の組成を満たす熱転写受像シートを用いることで、耐ブロッキング性を維持しつつ、高温多湿環境下における印画時の離型性を改善するとともに、印画物の色相を調節して青味付けすることができる。
【選択図】図1
Description
基材と、該基材上に受容層とを有してなる、熱転写受像シートであって、
該受容層が、
バインダー樹脂と、
該バインダー樹脂に対して1〜10質量%のトリアジン系硬膜剤と、
ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂と、
を含んでなる、熱転写受像シートが提供される。
基材と、該基材上に受容層とを有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
バインダー樹脂と、該バインダー樹脂に対して、1〜10質量%のトリアジン系硬膜剤と、ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂とを含んでなる水系分散塗布液を用いて、受容層を形成する工程
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法が提供される。
本発明の熱転写受像シートは、基材と、基材上に受容層とを有してなり、受容層が、特定のバインダー樹脂と、特定のポリエステル樹脂とを含んでなるものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは、基材と受容層の間に中空層をさらに有してもよく、中空層と受容層の間にプライマー層や中間層をさらに有してもよく、受容層と反対側の面に裏面層をさらに有してもよい。以下、本発明の熱転写受像シートの構成を、図面を参照しながら説明する。
本発明における基材は、中空層と、受容層とを保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、加熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。受容層は、バインダー樹脂と、特定量の特定の硬膜剤と、ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂とを含むものである。本発明においては、バインダー樹脂と、特定量の特定の硬膜剤と、ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂とを組み合わせて含むことで、イエロー色素の染着を妨げて、色相を調節して青味付けすることができる。また、受容層は、ゼラチンを含むことで耐ブロッキング性を向上させることができ、アクリル樹脂を含むことで離型性をより向上させることができる。好ましい態様によれば、受容層は、シリコーン離型剤、ウレタン会合型増粘剤、およびワックス添加剤をさらに含んでもよく、界面活性剤等を各種目的に応じてさらに含んでもよい。
粘度比=V30,6/V30,60 (1)
(式中、V30,6はB型粘度計を用いて、JIS Z8803に準拠して、液温25℃で回転数6rpmの時の粘度(mPa.s)を示し、V30,60はB型粘度計を用いて、JIS Z8803に準拠して、液温25℃で回転数60rpmの時の粘度(mPa.s)を示す)
で表され、好ましくは2.0〜5.0であり、より好ましくは2.0〜4.5であることが好ましい。なお、この粘度比は、一般に、チキソトロピーインデックス(TI)と呼ばれ、タレ難さと相関する指標である。粘度および粘度比が上記範囲程度のウレタン会合型増粘剤を用いることで、受容層用塗布液にレベリング性の粘性を与え、面質を向上させるのと同時に、粒子の状態で存在しているバインダー同士を結着させ、膜を形成しているのに近い状態となり、画像印画時の熱融着を抑えることができる。
本発明の熱転写受像シートは、受容層以外の他の層をさらに有してもよい。好ましい態様では、熱転写受像シートは、受容層側に、中空層、プライマー層、および中間層等のその他の層をさらに有することができる。また、受容層と反対側に、裏面層をさらに有することができる。
本発明における中空層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。好ましい態様では、中空層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。好ましい態様によれば、中空層は2層以上からなるものであってもよい。中空層は、中空粒子を含むことにより、クッション性を備える。ここで、中空層のクッション性の程度は、熱転写受像シートの用途等に応じて適宜調整することができるものである。なお、中空層のクッション性の程度についても、例えば、中空層の厚みを変更することにより任意の範囲に調整することができる。中空層の厚みは、断熱性、クッション性等を所望の程度に調整できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、中空層の密度は、例えば0.1g/cm3〜0.8g/cm3の範囲内、なかでも0.2g/cm3〜0.7g/cm3の範囲内であることが好ましい。
本発明におけるプライマー層は、中空層と受容層とを良好に接着する役割を有するとともに、高温高湿度環境下における、染料の中空層側への移行を防止して画像保存性を向上させる機能を有するものである。好ましい態様では、プライマー層は、中空粒子、樹脂、および親水性バインダーを含むものであり、樹脂としては、アクリル系樹脂を含むものが好ましい。プライマー層の厚みとしては特に限定されるものではないが、例えば1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。
本発明においては、中空層とプライマー層の間やプライマー層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
本発明における裏面層は、インクジェット方式やドットインパクト方式、筆記具等で使用するインキの定着性を有しており、記録部のにじみが生じ難く速乾性に優れたバックプリントを可能とする(バックプリント適性を向上させる)ものである。さらに、以下に示す受像紙裏面としての基本特性を有するものでもある。
1.受容層面と重ね合わせた際に、温度や加重をかけて保存しても貼り付き(ブロッキング)を生じない。
2.誤って受像紙の表裏面を逆にしてプリンターに装着し、熱転写シートと重ね合わせて熱転写を行った場合であっても、熱転写シートと貼り付いてプリンター内で詰まる事が無く、印字物が排出される(裏面離型性を有している)。
3.受容層面と擦れても受容層面を傷付けず、また、裏面層からの粒子成分の脱落(粉落ち)を生じない。
また、裏面層は、バインダー樹脂および無機微粒子を含むことが好ましく、その他の添加剤、例えば、消泡剤や帯電防止剤等を裏面層に適宜添加することができる。近年では環境配慮の観点から水系塗布方式が好まれているが、本発明の裏面層は、 水系塗布方式で受容層を形成した受像紙の裏面として特に好適に用いることができる。
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材と、該基材上に受容層とを有してなる熱転写受像シートの製造方法であって、 バインダー樹脂と、バインダー樹脂に対して、1〜10質量%のトリアジン系硬膜剤と、ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂とを含んでなる水系分散塗布液を用いて、受容層を形成する工程を含んでなるものである。
本発明において受容層の形成に用いる水系分散塗布液は、バインダー樹脂と、ポリエステル樹脂と、シリコーン離型剤とを公知の方法により、水中に分散(乳化)させて得ることができる。例えば、水系分散塗布液は、水系分散液の状態のワックス添加剤と、他の水系分散液とを混合して調製できる。水系分散液は、まず、水系溶液と溶剤系溶液を別々に調製する。水系溶液は、上記の乳化剤と水とを混合して得られる。一方、溶剤系溶液は、ワックス添加剤と、公知の有機溶媒(溶剤)とを混合して得られる。また、溶剤系溶液はワックスを加熱溶融させることによっても得ることができる。ワックス添加剤を調製する際に有機溶媒を除去する必要がないという点では、ワックスを加熱溶融させて有機系溶液とすることが好ましい。より低温で有機系溶液を調製できるという点では、(少量の)有機溶媒を用いることが好ましい。この水系溶液と溶剤系溶液とを、混合・撹拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製する。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で脱溶剤し、脱溶剤分の体積変化を純水の追添加により補正し、固形分を調製することで、水系分散液が得られる。
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられており、基材シートの他方の面に耐熱滑性層が設けられている層構成を有するものがよい。以下、熱転写インクシートを構成する各層について説明する。
本発明に用いられる熱転写インクシートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明に用いられる熱転写インクシートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられている。熱転写インクシートが昇華型熱転写インクシートの場合には、熱転写性色材層として昇華性染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写インクシートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、昇華性染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。
本発明に用いられる熱転写インクシートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。保護層として接着層、剥離層、または、下引き層等のその他の層を設けてなるものであってもよい。
耐熱滑性層は、主に耐熱性樹脂からなるものである。耐熱性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテート−ヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、および塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
熱転写受像シート1の作製
基材としてRCペーパー(三菱製紙(株)製)を用い、下記組成の中空層A用塗布液1、中空層B用塗布液1、プライマー層用塗布液1、および受容層用塗布液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥後の塗布量がそれぞれ2.0g/m2、3.0g/m2、3.0g/m2、3.0g/m2となるように同時重層塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/中空層A/中空層B/プライマー層/受容層)を得た。なお、塗布速度は、毎分20mであった。この熱転写受像シートは、図2に示されるような層構成を有していた。
中空層A用塗布液1(下層用)の組成
・中空粒子(体積平均粒径:0.5μm、平均中空率:45%、ロームアンドハース(株)製、商品名:ローペイクST) 55質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 26質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13) 8質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ションクリル62J) 8質量部
中空層B用塗布液1(上層用)の組成
・中空粒子(体積平均粒径:0.5μm、平均中空率:45%、ロームアンドハース(株)製、商品名:ローペイクST) 59質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 28質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13) 5質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ションクリル62J) 8質量部
プライマー層用塗布液1の組成
・中空粒子(架橋中空粒子、体積平均粒径:0.4μm、平均中空率:39%、ロームアンドハース(株)製、商品名:OA−39) 70質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 16質量部
・蛍光増白剤(昭和化学工業(株)製、商品名:WN−1) 4質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、新中村化学工業(株)製、商品名:ニューコートB−13) 2質量部
・バインダー樹脂(スチレン・アクリル樹脂、BASFジャパン(株)製、商品名:ションクリル62J) 2質量部
受容層用塗布液1の組成
・バインダー樹脂(下記の塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 2.5質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 2.5質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)10質量部
・離型剤の水分散体(下記のシリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
受容層用塗布液は、公知の方法により上記の成分を水中に分散させた水系分散塗布液である。
2.5Lオートクレーブ中に脱イオン水600g、塩化ビニル単量体438.8g(全仕込み単量体に対して97.5質量%)と酢酸ビニル11.2g(全仕込み単量体に対して2.5質量%)からなる単量混合体、過硫酸カリウム2.25gを仕込んだ。この反応混合物を攪拌翼で回転数120rpmを維持するように攪拌し、反応混合物の温度を60℃に上げて重合を開始した。5質量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液180g(全仕込み単量体に対して2質量%)を重合開始〜4hr後まで連続添加し、重合圧が60℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.6MPa降下した時に重合を停止した後、残存の単量体を回収して、塩酢ビ系エマルションを得た。
酢酸エチル85gにエポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−22−3000T)16gとアラルキル変性シリコーン(信越化学工業(株)製、商品名X−24−510)8gを溶解した。次にトリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナトリウム塩(固形分10%)14gを純水110gに溶解した。上記2液を混合・攪拌した後、ホモジナイザーを用いて分散を行い、分散体を調製した。その後、分散体を30〜60℃に加温しながら減圧下で酢酸エチルを除去し、シリコーンの水分散体を得た。
基材シートとして厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗布液を乾燥時0.8g/m2になるように塗布し、耐熱滑性層を形成した。
耐熱滑性層用塗布液1の組成
・ポリビニルアセタール(積水化学工業(株)、商品名:エスレックKS−1)
60.6質量部
・ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業(株)、商品名:バーノックD750)
8.4質量部
・シリコーン樹脂微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社、商品名:トスパール240、平均粒子径:4μm、多角形状) 1質量部
・ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製) 10質量部
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF 堺化学工業(株)製) 10質量部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋ペトロライト(株)製) 3質量部
・エトキシ化アルコール変性ワックス(東洋アドレ(株)製、商品名:ユニトックス750) 7質量部
・メチルエチルケトン 200質量部
・トルエン 100質量部
プライマー層用塗布液
・コロイダルシリカ(粒子径4〜6nm、固形分10%、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスOXS) 30質量部
・バインダー樹脂(ポリビニルピロリドン樹脂、K−90、ISP社製) 3質量部
・水 50質量部
・イソプロピルアルコール 17質量部
・分散染料(ディスパースイエロー201) 2.5質量部
・分散染料(下記化学式で示されるイエロー染料) 2.5質量部
4.5質量部
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
マゼンタ色材層用塗布液の組成
・下記化学式に示される染料 2.0質量部
4.5質量部
・アルキル変性シリコーンオイル (KF−412、信越シリコーン(株)製)
0.1質量部
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
シアン色材層用塗布液の組成
・下記化学式に示される染料 2.0質量部
4.5質量部
・アルキル変性シリコーンオイル (KF−412、信越シリコーン(株)製)
0.1質量部
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・メチルエチルケトン 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
保護層用塗布液の組成
・アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名:ダイヤナールBR−83)
69.6質量部
・反応性紫外線吸収剤を反応結合したアクリル共重合体(BASFジャパン製、商品名:UVA635L) 17.4質量部
・シリカ(富士シリシア(株)製、商品名:サイリシア310) 25質量部
・メチルエチルケトン 100質量部
・トルエン 100質量部
熱転写受像シート2の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート2を作製した。
受容層用塗布液2の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 5質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 5質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
10質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製)3.1質量部
熱転写受像シート3の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート3を作製した。
受容層用塗布液3の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 7.1質量部
・スチレン−アクリル系共重合体のエマルション1 42.9質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524) 14.3質量部
・ウレタン会合型増粘剤(粘度:2000、粘度比:3.0、ADEKA(株)製、商品名:UH−526) 1.4質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 17.1質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
7.1質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製)4.1質量部
500mL(リットル)三角フラスコに、共重合体形成モノマーとして、スチレン、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ダイアセトンアクリルアミド、アクリル酸を、モル比で、スチレン:エチルアクリレート:ラウリルアクリレート:ダイアセトンアクリルアミド:アクリル酸=68:11;18:1:2となる様に添加した。モノマーは合計で300gであった。そこに乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)1.9gを入れ、攪拌・混合した(これを以下モノマーAと呼ぶ)。1L三口フラスコに蒸留水200gを入れて80℃まで加熱し、前記モノマーA全量の約20%程度を加え、10分間攪拌した。その後、純水20gに溶解させた過硫酸アンモニウム0.4gを加えて10分間攪拌した後、残り80%のモノマーAを滴下ロートにて3時間かけて滴下し、さらに8時間攪拌した。その後室温まで冷却し、#100メッシュ(日本織物)にてろ過し、スチレン−アクリル系共重合体のエマルションを得た。
熱転写受像シート4の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート4を作製した。
受容層用塗布液4の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン
モノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 6質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 2.5質量部
・スチレン−アクリル系共重合体のエマルション1 20質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524) 10質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
熱転写受像シート5の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート5を作製した。
受容層用塗布液5の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 2.5質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
10質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
熱転写受像シート7の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート7を作製した。
受容層用塗布液7の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 0.5質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 2.5質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
10質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
熱転写受像シート8の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート8を作製した。
受容層用塗布液8の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 15質量部
・ゼラチン(新田ゼラチン(株)製、商品名:N1236) 15質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
10質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
熱転写受像シート9の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート9を作製した。
受容層用塗布液9の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 0.5質量部
・スチレン−アクリル系共重合体のエマルション1 0.5質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
10質量部
・ウレタン会合型増粘剤(粘度:2000、粘度比:3.0、ADEKA(株)製、商品名:UH−526) 12質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
熱転写受像シート10の作製
受容層用塗布液の組成を下記のとおりにした以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シート10を作製した。
受容層用塗布液10の組成
・バインダー樹脂(塩酢ビ系エマルション:塩ビ/酢ビ=97.5/2.5)
100質量部
・トリアジン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩、コニカミノルタケミカル(株)製) 15質量部
・スチレン−アクリル系共重合体のエマルション1 60質量部
・ワックス添加剤(カルナバワックス、中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)
10質量部
・ウレタン会合型増粘剤(粘度:2000、粘度比:3.0、ADEKA(株)製、商品名:UH−526) 12質量部
・離型剤の水分散体(シリコーン分散液) 12質量部
・エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製、商品名:デナコールEX512)
5質量部
・界面活性剤(ジオクチルスルホコハク酸Na塩、第一工業製薬(株)製) 3質量部
上記で作製した熱転写受像シートについて、(1)耐ブロッキング性評価、(2)離型性評価、(3)色相評価を行った。
上記で作製した熱転写受像シートを10cm×15cmの大きさにカットし、表裏面を重ね合わせたサンプルを作成した。このサンプルに20kgの荷重をかけ、50℃のオーブンに96時間保存した。保存後のサンプルについて、受像シートを手で剥がし、下記の基準で評価した。
・評価基準
3:受像シート同士を軽く剥がすことができた。
2:やや重みを感じたが、受像シート同士を剥がすことができた。
1:受像シート同士を剥がすことができなかった。
上記で作製した熱転写受像シートと、上記で作製した熱転写シート1のイエローパネルを使用して、受容層と染料層が接触するように重ね合わせ、下記条件のプリンターで印画して印画物を作成した。印画後3分以内に熱転写シートのイエローパネルを熱転写受像シートから180°剥離する時の剥離力を下記装置にて測定した。
(印画条件)
サーマルヘッド:KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:2994(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印加電力:0.10(w/dot)
1ライン周期:2(msec.)
印字開始温度:40(℃)
印加パルス(階調制御方法);1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を70%に固定し、ライン周期あたりのパルス数を136に固定した。
(剥離力測定装置)
剥離装置:インストロン社製 万能型材料試験機 5565
剥離速度:300mm/分
・評価基準
5:剥離力が50g未満であった。
4:剥離力が50g以上、60g未満であった。
3:剥離力が60g以上、70g未満であった。
2:剥離力が70g以上、80g未満であった。
1:剥離力が80g以上であった。
上記で作製した熱転写受像シートと、上記で作製した熱転写インクシート1と、昇華型熱転写プリンター(DNPフォトルシオ社製、型式:DS40)とを使用して、RGB値が135(15×n、n=9)で中間濃度グレーベタ画像を印画して、色相を目視評価した。
・評価基準
3:印画物の色相が、青味付けされていた。
2:印画物の色相が、多少青味付けされていた。
1:印画物の色相が、青味付けされていなかった。
2 基材
3 受容層
10 熱転写受像シート
11 基材
12 中空層A(下層)
13 中空層B(上層)
14 プライマー層
15 受容層
Claims (6)
- 基材と、前記基材上に受容層とを有してなる、熱転写受像シートであって、
前記受容層が、
バインダー樹脂と、
前記バインダー樹脂に対して1〜10質量%のトリアジン系硬膜剤と、
ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂と、
を含んでなる、熱転写受像シート。 - 前記受容層に含まれるバインダー樹脂が、塩化ビニル系樹脂、塩ビアクリル系樹脂、および塩酢ビ系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記ゼラチンの含有量が、前記バインダー樹脂に対して、1〜10質量%である、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 前記アクリル樹脂の含有量が、前記バインダー樹脂に対して、10〜50質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記基材と前記受容層の間に、中空層をさらに有してなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 基材と、前記基材上に受容層とを有してなる、熱転写受像シートの製造方法であって、
バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に対して、1〜10質量%のトリアジン系硬膜剤と、ゼラチンおよび/またはアクリル樹脂とを含んでなる水系分散塗布液を用いて、受容層を形成する工程
を含んでなる、熱転写受像シートの製造方法。
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