JP5541565B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、基材と、前記基材上に、多孔質層と、受容層とを有する熱転写受像シートであって、前記受容層が、樹脂、ワックス添加剤、および親水性バインダーを含む、熱転写受像シートに関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも熱拡散型転写方式(昇華型熱転写方式)は、昇華性染料を色材としているため、濃度階調を自由に調節でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
この熱拡散型転写方式とは、色素(昇華性染料)を含有する熱転写インクシートと熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものである。このような熱拡散型転写方式が普及するなかで、印画速度の高速化が進んでおり、従来の熱転写インクシートと熱転写受像シートを用いて従来の熱エネルギーを印画しても十分な発色濃度を得られない等の問題が生じている。
さらに、熱拡散型転写方式では、その他の種々の問題も存在している。例えば、受像シートの離型性不足に起因して、印画の際にインクシートが受像シートの受容層表面に貼り付き、印画後にインクシートを画像受容層から剥離する際に、剥離音の発生、走行不良、および画像上の剥離線の発生等の問題が生じている。
一般的に、離型性を向上させるためには、樹脂のガラス転移温度(Tg)を上げる等の方法が存在するが、併せて濃度および/または耐光性が低下するという問題が存在する。そこで、少なくとも一種のパラフィンワックス分散物および塩化ビニル系ラテックスを含有させた受容層を有する熱転写受像シートを用いることが提案されているが、印画物の画像濃度については評価が不十分であり、実用可能な画像濃度が得られているとは言い難い。さらに、画像の耐光性については何ら言及されておらず、耐光性を向上させる方法は何ら提案されていない(例えば、特許文献1を参照)。
したがって、今尚、印画時の離型性を維持しながら、作製した印画物の濃度向上および/または耐光性向上を実現できる、熱転写受像シートの開発が切望されている。
特開2008−6789号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、印画時の離型性を維持しながら、作製した印画物の濃度向上および/または耐光性向上を実現できる、熱転写受像シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、熱転写受像シートの受容層において、樹脂、ワックス添加剤、および親水性バインダーの各成分を特定の種類で配合することで上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基材と、前記基材上に、多孔質層と、受容層とを有する熱転写受像シートであって、前記多孔質層が、中空粒子を含み、前記受容層が、アクリル系樹脂、親水性バインダー、およびワックス添加剤を含み、前記ワックス添加剤が、カルナバワックスを含む、熱転写受像シートを提供するものである。
本発明の熱転写受像シートによれば、印画時の離型性を維持しながら、作製した印画物の濃度向上および/または耐光性向上を実現することができる。
熱転写受像シート
本発明の熱転写受像シートは、基材と、該基材上に、多孔質層と、受容層とをこの順に有するものである。好ましい態様では、熱転写受像シートは中間層や離型層等のその他の層をさらに有してもよい。
基材
本発明における基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
このような基材の材料としては、例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルムも使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合成紙或いはセルロース合成紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。本発明においては、市販の基材を用いることもでき、例えば、RCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)等が好ましい。
多孔質層
本発明における多孔質層は、熱転写による画像形成時に加えられた熱が、基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。また、多孔質層は、中空粒子を含むものであり、親水性バインダーやその他の添加剤をさらに含んでもよい。
中空粒子
本発明で用いる中空粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜5μmである。中空粒子の平均粒子径が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を多孔質層に与えることができる。また、中空粒子の平均中空率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30〜80%である。中空粒子の平均中空率が、上記範囲程度であれば、断熱性およびクッション性を多孔質層に与えることができる。本発明においては、市販の中空粒子を用いることもでき、例えば、AF−1055、HP−91、およびローペイクSE(ロームアンドハース社製)、ならびにMH−5055(日本ゼオン)等が好ましい。
なお、上記の「平均粒子径」は、以下のようにして求められる。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)にて乾燥体における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその外面側の直径(外径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子径とした。また、「平均中空率」は以下のようにして求めることができる。中空粒子を水中に分散させてなる水分散体を調整し、この中空粒子の水分散体のものを乾燥させて乾燥体となし、その後に透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)にて乾燥体中における中空粒子をなす粒子(100個)を観察して、個々の粒子についてその内面側の直径(内径)を計測し、それらの値を平均して平均粒子内径とした。そして、平均粒子内径から中空部の体積を定めるとともに、その値を上記平均粒子径から粒子の見掛けの体積で除して100を乗じることで平均中空率を算出した。
受容層
本発明における受容層は、熱転写による画像形成時に熱転写インクシートから転写される昇華性染料を受容するとともに、受容した昇華性染料を受容層に保持することで、受容層の面に画像を形成かつ維持することができる。また、受容層は、アクリル系樹脂、親水性バインダー、およびワックス添加剤を含むものであり、離型剤およびその他の添加剤をさらに含んでもよい。本発明では、アクリル系樹脂と、特定のワックス添加剤とを用いることで、印画時の離型性を維持し、作製した印画物の濃度および/または耐光性を向上させることができる。
アクリル系樹脂
本発明において、アクリル系樹脂とは、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーの重合体もしくはその誘導体、アクリル酸またはメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体、およびアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を含むものである。
本発明の好ましい態様によれば、アクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であるのが好ましい。アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーとしては、例えば、アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート等、好ましくは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、およびラウリルメタクリレート等を挙げることができる。他のモノマーとしては、例えば、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、アミド基含有化合物、および塩化ビニル等、好ましくは、スチレン、ベンジルスチレン、フェノキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等を挙げることができる。本発明においては、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体を用いることが特に好ましい。上記のようなモノマーを共重合させることで、濃度および離型性を向上させることができる。なお、2種以上のアクリル系樹脂を混合して用いてもよい。
親水性バインダー
本発明の好ましい態様によれば、受容層に含まれる親水性バインダーとしては、ゼラチンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオイキサイド、ポリビニルピロリドン、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ならびにアラビアゴムを挙げることができ、特にゼラチンが好ましい。このような親水性バインダーを用いることで、受容層と接する層との層間接着性を向上させることができる。特に、水系塗布および同時重層塗布方式により各層を形成する場合には、ゼラチンを用いることで、各塗工液の粘度を所望の範囲に調整し、所望の膜厚を得ることができる。本発明においては、市販のゼラチンを用いることもでき、例えば、RR、R、およびCLV(新田ゼラチン(株)製)等が好ましい。
ワックス添加剤
本発明における受容層に含まれるワックス添加剤は、カルナバワックスを含むものである。本発明において、カルナバワックスとは、天然のカルナバワックスならびにその精製物および誘導体を含み、添加剤等により改質されたものも含むものである。好ましい態様によれば、カルナバワックスの融点は80〜90℃であり、酸価は10mg・KOH/g以下であり、けん化価は78〜88mg・KOH/gである。また、ワックス添加剤としては、カルナバワックスを乳化剤により乳化させたエマルジョン型のものを用いてもよく、乳化方法は公知の方法を用いることができる。なお、受容層中のカルナバワックスの含有量は、アクリル系樹脂および親水性バインダーの総固形分質量に対して、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは15〜45質量%、さらに好ましくは25〜45質量%である。カルナバワックスの含有量が上記範囲程度であれば、印画時の離型性を維持しながら、作製した印画物の濃度をより向上させることができる。含有量が50質量%以上では、受容層中のカルナバワックス量が過多となり、印画時に受容層表面の耐熱性が損なわれることがある。本発明においては、市販のカルナバワックスを用いることもでき、例えば、セロゾール524およびトラソルCN(中京油脂(株)製)等が好ましい。
離型剤
本発明における受容層に含まれる離型剤としては、シリコーンオイル(反応硬化型シリコーンを含む)、リン酸エステル系可塑剤、およびフッ素系化合物を挙げることができ、特にシリコーンオイルが好ましい。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーン等の各種の変性シリコーンを用いることができる。具体的には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ビニル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、およびポリエーテル変性シリコーン等を用い、これらを混合したり、各種の反応を用いて重合させて用いることもできる。また、2種以上の離型剤を混合して用いてもよい。このような離型剤を用いることで、印画時に熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。
本発明においては、ポリエーテル変性シリコーン型の離型剤を用いることが特に好ましい。ポリエーテル変性シリコーン型の離型剤を2種以上用いてもよく、その他の離型剤と併用しても良い。なお、受容層中の離型剤の含有量は、アクリル系樹脂および親水性バインダーの総固形分質量に対して、好ましくは、5〜15質量%である。離型剤の含有量が上記範囲程度であれば、熱転写インクシートと熱転写受像シートの受容層との融着および印画感度低下などの問題を改善することができる。本発明においては、市販の離型剤を用いることもでき、例えば、KF615AおよびKF352A(信越化学工業(株)製)、ならびにFZ−2101(東レダウコーニング(株)製)等が好ましい。
離型層
本発明においては、上記の離型剤を受容層に添加せず、受容層上に別途離型層として設けても良い。
中間層
本発明においては、多孔質層と受容層の間に少なくとも1層の中間層を設けてもよい。中間層を設けることで、耐溶剤、高温/高湿下での画像保存時の染料拡散バリア、層間接着、白色付与、基材のギラつき感/ムラの隠蔽、および帯電防止等の機能を付加するこができる。中間層の形成手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、中間層に、蛍光増白剤、無機微粒子、中空微粒子、および導電性フィラーやポリアニリンスルホン酸のような有機導電材等を添加する方法が挙げられる。
熱転写受像シートの製造方法
本発明の熱転写受像シートの製造には、公知の製造方法を用いることができる。熱転写受像シートの各層の塗布には、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ダイコート、スライドコート、およびカーテンコート等の公知の方法を用いることができ、スライドコートやカーテンコート等の複数の層を同時重層塗布できる方法が好ましい。本発明においては、多孔質層から受容層間を構成する全ての層を、水系塗布および同時重層塗布方式により形成することが特に好ましい。このような製造方法により、熱転写受像シートの各層の層間接着性の向上やコスト改善等の効果が得られる。
熱転写インクシート
本発明の熱転写受像シートと共に用いる熱転写インクシートは、基材上に熱拡散性色素を含むインク層を有するものである。このようなものであれば、公知の熱転写インクシートでよく、特に限定されるものではない。
画像形成方法
本発明の熱転写受像シートを用いる画像形成方法においては、熱転写受像シートと、熱拡散性色素を含有する熱転写インクシートとを重ね合わせて、記録信号に応じて加熱することにより、該熱転写インクシートが含有する熱拡散性色素を、該熱転写受像シートに転写することにより画像形成することできる。
このような画像形成方法で用いることのできる熱転写記録装置としては、公知のものを用いることができ、特に限定されない。本発明においては、市販の熱転写記録装置を用いることができ、例えば、昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。なお、表記の重量部は固形分で記載し、必要に応じて純水にて希釈した。
試料の調製(スチレン−アクリル系共重合体の調製)
アクリル系樹脂として用いるスチレン−アクリル系共重合体を下記の方法により調製した。まず、500mL(リットル)三角フラスコに、共重合体形成モノマーとして、スチレン136g、メチルアクリレート22g、ラウリルアクリレート34g、アクリルアミド2g、およびアクリル酸2gと、乳化剤としてアクアロンHS−10(第一工業製薬(株)製)1.9gとを入れ、攪拌および混合して、モノマーAを得た。次に、1L三口フラスコに蒸留水200gを入れて80℃まで加熱し、モノマーAを全量の約20%程度加え、10分間攪拌した。続いて、純水20gに溶解させた過硫酸アンモニウム0.4gを加えて10分間攪拌した後、残り約80%のモノマーAを滴下ロートにて3時間かけて滴下し、さらに15時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、#150メッシュ(日本特殊織物(株)、商品名:TNO150S)を用いてろ過して、エマルジョンを得た。これに、水酸化マグネシウムのアンモニア水溶液(固形分20%)をエマルジョンのアクリル酸と当量となるように添加して、エマルジョン1を得た。
実施例1
熱転写受像シート1の作製
基材シートとしてRCペーパー(三菱製紙(株)製、商品名:STF−150)を用い、下記組成の多孔質層形成用塗工液1および受容層形成用塗工液1を40℃にそれぞれ加熱し、スライドコーティングを用いて、乾燥時の厚みがそれぞれ12μm、4μmとなるように塗布し、5℃にて30秒間冷却した後、50℃にて2分間乾燥し、熱転写受像シート1(層構成:基材/多孔質層/受容層)を得た。
多孔質層形成用塗工液1の組成
・AF−1055(中空粒子、平均粒子径1μm、平均中空率55%、ロームアンドハース社製) 65重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 35重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.04重量部添加した。
受容層形成用塗工液1の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・セロゾール524(カルナバワックス、中京油脂(株)製) 10重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
実施例2
熱転写受像シート2の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液2を調製して、熱転写受像シート2を作製した。
受容層形成用塗工液2の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・セロゾール524(カルナバワックス、中京油脂(株)製) 20重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
実施例3
熱転写受像シート3の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液3を調製して、熱転写受像シート3を作製した。
受容層形成用塗工液3の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・セロゾール524(カルナバワックス、中京油脂(株)製) 30重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
実施例4
熱転写受像シート4の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液4を調製して、熱転写受像シート4を作製した。
受容層形成用塗工液4の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・セロゾール524(カルナバワックス、中京油脂(株)製) 40重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
参考例1
熱転写受像シート5の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液5を調製して、熱転写受像シート5を作製した。
受容層形成用塗工液5の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・セロゾール524(カルナバワックス、中京油脂(株)製) 50重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例1
熱転写受像シート6の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液6を調製して、熱転写受像シート6を作製した。
受容層形成用塗工液6の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例2
熱転写受像シート7の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液7を調製して、熱転写受像シート7を作製した。
受容層形成用塗工液7の組成
・エマルジョン1 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・リン酸トリフェニルホスフェート溶液(固形分33%、酢酸エチル溶媒) 10重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例3
熱転写受像シート8の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液8を調製して、熱転写受像シート8を作製した。
受容層形成用塗工液8の組成
・ビニブラン900(日信化学工業(株)製) 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
・セロゾール524(カルナバワックス、中京油脂(株)製) 20重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
比較例4
熱転写受像シート9の作製
受容層形成用塗工液の組成を下記のとおりとした以外は、実施例1と同様にして受容層形成用塗工液9を調製して、熱転写受像シート9を作製した。
受容層形成用塗工液9の組成
・ビニブラン900(日信化学工業(株)製) 90重量部
・RR(ゼラチン、新田ゼラチン(株)製) 10重量部
・KF615A(シリコーン系離型剤、信越化学工業(株)製) 10重量部
この液に対し、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを0.2重量部添加した。
熱転写受像シートの評価
上記の実施例および比較例で作製した熱転写受像シートについて、(1)離型性評価、(2)画像濃度評価、および(3)耐光性評価を行った。
(1)離型性評価(印画可能か否かの評価)
あらかじめヘッド温度が35℃となるまで暖めた昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに黒ベタ画像を印画し、その際に剥離音が聞こえるかどうかを官能評価した。
・評価基準
○:剥離音が聞こえなかった、あるいは機械音にまぎれる程度であった。
△:剥離音が聞こえた。
×:印画できず、リボンと受像紙の貼りつきが発生した。
(2)画像濃度評価
昇華型熱転写プリンター(ALTECH ADS社製、型式:MEGAPIXELIII)にて、作製した熱転写受像シートに、RGB値が15×n(n=0〜17)の18階調グラデーション画像を印画し、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)による光学反射濃度が最大となる値を測定した。
(3)耐光性評価
上記の印画条件で得られた印画物について、下記条件のキセノンフェードメーターにより耐光性の評価を行った。
(i)耐光性評価の条件
・照射試験器:アトラス社製Ci4000
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=CIRA
外側=ソーダライム
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m2)―420(nm)での測定値
・照射エネルギー:300(kJ/m2)−420(nm)での積算値
(ii)耐光性評価の方法
次に、上記の耐光性条件の照射前後の光学反射濃度の変化を、光学濃度計(グレタグマクベス社製spectrolino)により測定し、照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、L、a,bを算出し、下記の色相変化式により色相変化(ΔE)を算出した。ΔEは、数値が小さいほど耐光性が高いことを示すものである。
・分光測定器
測定器名:Gretag Macbeth社製SpectroLino
光源:D65
視野角:2°
濃度測定用フィルター:ANSI Status A
・L、a、bの説明
CIE1976L表色系に基づくものであり、Lは明度を、a及びbは、知覚色度指数を表す。
[式1]
・色相変化式
Δa=保存後のa−保存前のa
Δb=保存後のb−保存前のb
としたとき、
ΔE=(Δaの2乗+Δbの2乗)の平方根
上記の各評価の結果を表1に示す。本発明の組成を満たす実施例1〜4の熱転写受像シートは、比較例1および2の熱転写受像シートと比較して、離型性を維持または向上しながら、画像濃度が向上していることがわかる。また、比較例3および4の熱転写受像シートと比較して、離型性および画像濃度を維持しながら、耐光性が向上していることがわかる。なお、参考例1では、カルナバワックスの添加量が多過ぎたために、印画時の熱転写受像シートの受像層表面の耐熱性が低下した結果、離型性および画像濃度の低下を招いたものと考えられる。
Figure 0005541565

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材上に、多孔質層と、受容層とを有する熱転写受像シートであって、
    前記多孔質層が、中空粒子を含み、
    前記受容層が、アクリル系樹脂、親水性バインダー、およびワックス添加剤を含み、
    前記アクリル系樹脂が、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートと、芳香族炭化水素、アリール基含有化合物、およびアミド基含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体もしくはその誘導体であり、
    前記ワックス添加剤が、カルナバワックスを含む、熱転写受像シート。
  2. 前記受容層中のカルナバワックスの含有量が、アクリル系樹脂および親水性バインダーの総固形分質量に対して、5〜45質量%である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記親水性バインダーが、ゼラチンである、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記多孔質層から前記受容層間を構成する全ての層が、水系塗布かつ同時重層塗布方式によって形成される、請求項1〜のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
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