JP2003191401A - 耐水・耐溶剤性記録用シート - Google Patents

耐水・耐溶剤性記録用シート

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JP2003191401A
JP2003191401A JP2002279548A JP2002279548A JP2003191401A JP 2003191401 A JP2003191401 A JP 2003191401A JP 2002279548 A JP2002279548 A JP 2002279548A JP 2002279548 A JP2002279548 A JP 2002279548A JP 2003191401 A JP2003191401 A JP 2003191401A
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water
sheet
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solvent
recording sheet
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JP2002279548A
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Tomofumi Tokiyoshi
智文 時吉
Nobuyasu Sasakuri
暢康 笹栗
Tetsuya Tanaka
哲也 田中
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性及び耐溶剤性の両方に優れている記録
用シートの提供。 【解決手段】 シート状基材(紙、フィルム、合成紙な
ど)上に形成され、かつ顔料及びバインダーを含む記録
層を有する記録用シートであって、この記録層は、バイ
ンダーとして、カルボキシル基を含む水溶性又は水分散
性スチレン−アクリル共重合体の架橋体、例えばポリア
ミドポリアミン系化合物による架橋体を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性と耐溶剤性
を兼ね備えた記録層を有する記録用シートに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から耐水性と耐溶剤性の相方を兼ね
備えた記録層の開発が強く要望されていた。例えば、印
刷分野では、オフセット印刷とグラビア印刷との両方に
用いられる兼用記録紙が要望されている。オフセット印
刷では、印刷時に記録層に湿し水が付着するから、記録
層に高い耐水性が必要とされる。一方、グラビア印刷で
は、トルエン中に分散された顔料を含むインクが、記録
層上に転写されるから、記録層には高い耐溶剤性が必要
とされる。また、合成紙からなるシート状基材上に記録
層を設けた記録用シートなどは、薬品を収容するドラム
缶に貼られ、屋外に放置される場合、高い耐溶剤性と耐
水性との両方が必要となる。前記以外にも記録用シート
には耐水性と耐溶剤性との両方が高い記録層が要求され
る用途は、多くある。
【0003】一般に、記録層の耐溶剤性を高めるために
は、水溶性のバインダーが用いられる。しかし、このよ
うな水溶性のバインダーの皮膜は、水に対して非常に弱
く、このため耐水性と耐溶剤性の両方に優れた記録層の
形成が難しいことは、当業界に周知である。そこで、電
子線又は紫外線照射し、モノマーやオリゴマーをラジカ
ル重合によって重合、架橋させて記録層を形成する方法
が、検討されている。しかし、この方法は、電子線又は
紫外線を照射する装置が必要であること、及び、安全上
特別な配慮及び装置が必要となるなど、の問題から好ま
しい方法とは言えない。そこで安価で、良好な耐水性と
耐溶剤性の両方を有する記録層を有する記録用シートの
開発が強く望まれている。本発明の耐水・耐溶剤性記録
用シートにおいて、前記記録層が前記シート状基材の表
面上に形成され、前記シート状基材の裏面上に粘着層が
形成されていてもよい。
【0004】
【特許文献1】特開平9−208887号公報、第1〜
7頁
【特許文献2】特開平9−329909号公報、第1〜
8頁
【特許文献3】特表平10−513218号公報、第1
〜17頁
【特許文献4】特表2001−500807号公報、第
1〜15頁
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を改善することを目的とするものであって、耐水性及
び耐溶剤性に優れた記録層を有する記録用シートを提供
しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成する手段を、鋭意検討した結果、記録層中に、バ
インダーとして、水性スチレン・アクリル共重合体と架
橋剤との反応生成物を含有させることによって、耐水性
と耐溶剤性が著しく改善された記録層を形成し得ること
を見出し、本発明を達成するに至った。
【0007】本発明の耐水・耐溶剤性記録用シートは、
シート状基材と、その少なくとも1面上に形成され、か
つ、顔料及びバインダーを含む記録層とを含み、前記記
録層のバインダーが、カルボキシル基を有する水溶性又
は水分散性スチレン−アクリル共重合体の架橋体を含む
ことを特徴とするものである。本発明の耐水・耐溶剤性
記録用シートにおいて、前記スチレン−アクリル共重合
体の架橋体が、前記スチレン−アクリル共重合体と架橋
剤との反応生成物であることが好ましい。本発明の耐水
・耐溶剤性記録用シートにおいて、前記架橋体が、前記
スチレン−アクリル共重合体と、前記架橋剤との質量比
100:1〜50における反応生成物であることが好ま
しい。本発明の耐水・耐溶剤性記録用シートにおいて、
前記架橋剤が、ポリアミドポリアミン系化合物から選ば
れることが好ましい。本発明の耐水・耐溶剤性記録用シ
ートにおいて、前記ポリアミドポリアミン系化合物が、
ポリアミドポリアミンと、エピハロヒドリンとの付加反
応生成物から選ばれることが好ましい。本発明の耐水・
耐溶剤性記録用シートにおいて、前記シート状基体が、
木材パルプを主成分として含む紙、合成樹脂フィルム、
合成紙、及びこれらの2種以上の複合シートから選ばれ
ることが好ましい。本発明の耐水・耐溶剤性記録用シー
トにおいて、前記記録層用顔料が、30〜150ml/1
00gの吸油量を有することが好ましい。本発明の耐水
・耐溶剤性記録用シートにおいて、前記記録層用顔料
が、焼成カオリン及び球状軽質炭酸カルシウムから選ば
れた少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明の耐
水・耐溶剤性記録用シートにおいて、前記記録層表面
が、300秒以上の平滑度(JAPAN TAPPI
No.5による)を有することが好ましい。本発明の耐
水・耐溶剤性記録用シートにおいて、前記記録層が、多
数の微細孔を有し、その平均孔径が0.01〜0.5μ
mであることが好ましい。本発明の耐水・耐溶剤性記録
用シートにおいて、前記記録層が前記シート状基材の表
面上に形成され、前記シート状基材の裏面上に粘着層が
形成されていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の記録用シートの記録層中
に配合されるバインダーには、カルボキシル基を有する
水溶性又は水分散性スチレン−アクリル共重合体が用い
られる。特に、成膜に高い耐水性及び耐溶剤性を得るた
めには、乳化剤の使用が不要な水溶性或は自己乳化性又
は自己分散性を有する共重合体を用いることが好まし
い。前記スチレン−アクリル共重合体の分子量は、用途
に合わせて適宜選択することができる。本発明の記録用
シートの記録層にバインダーとして用いられるスチレン
−アクリル共重合体は、カルボキシル基を含むものであ
って、このカルボキシル基は、スチレン系共重合成分の
少なくとも1種のモノマー中に1個以上含まれていても
よく、及び/又はアクリル系共重合成分の少なくとも1
種のモノマー中に1個以上含まれてもよい。本発明に用
いられるスチレン−アクリル共重合体の具体例として
は、近代化学工業社製、商標:ケイコートSA−930
及びSA−406、並びに荒川化学工業社製、商標:ポ
リマロン1350M及び1354などが挙げられる。前
記共重合体の配合量は、顔料100質量部に対し、10
〜70質量部であることが好ましい。この配合量が、1
0質量部未満では、得られる記録層の強度が著しく不十
分なものになることがある。一方、それが70質量部を
超えると、顔料の特性が十分に発現されず、得られる記
録層は所望の性能を発現することができないことがあ
る。
【0009】本発明の記録用シートの記録層中には、さ
らに前記スチレン−アクリル共重合体を架橋反応する架
橋剤が含まれていて、それを架橋している。この架橋剤
は、スチレン−アクリル共重合体のカルボキシル基と反
応して、これを架橋し三次元構造を形成してそれに優れ
た耐水性及び耐溶剤性を発現させるものである。本発明
に用いられる架橋剤として、ポリアミドポリアミン系化
合物を用いることが好ましい。またこのポリアミドポリ
アミン系化合物は、ポリアミドポリアミンとエピハロヒ
ドリンとの付加反応生成物から選ばれることが好まし
い。本発明のポリアミド系化合物は、脂肪族二塩基酸お
よび/またはその誘導体とポリアルキレンポリアミンを
反応させて得られるポリアミドポリアミンを含む水溶液
中でポリアミドポリアミンとエピハロヒドリンを反応さ
せて製造する。上述のように、本発明で用いるポリアミ
ドポリアミンは、脂肪族二塩基酸および/またはその誘
導体とポリアルキレンポリアミンを反応させて得られ
る。脂肪族二塩基酸としては、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸等があげられ、脂肪族二塩基酸の
誘導体としては前記脂肪族二塩基酸の無水物やメタノー
ル等の低級アルコールとのエステル化合物等があげられ
る。また、ポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチ
レントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチ
レンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等があげら
れる。得られたポリアミドポリアミンは水溶液とした
後、エピハロヒドリンと反応させてポリアミドポリアミ
ン−エピハロヒドリン樹脂水溶液を製造する。エピハロ
ヒドリンとしてはエピクロロヒドリン、エピブロムヒド
リン等があげられる。また、この場合、カチオン価も重
要で、カチオン価が大きいものが好ましく、4級カチオ
ン価を含む全カチオン価では、0.2〜5ミリ当量/g
が好ましい。次にこのポリアミドポリアミン・エピクロ
ロヒドリン系架橋剤の架橋化反応機構について説明す
る。先ずポリアミドポリアミンとエピクロロヒドリンの
付加反応により分子内にクロロヒドリン構造が形成され
る。この架橋剤中のクロロヒドリン構造中のクロル原子
と、スチレン−アクリル共重合体中のカルボキシル基と
の反応、並びにこの反応により生成されたクロロヒドリ
ン構造を有する分子の分子間及び分子内において架橋が
形成される。
【0010】ポリアミドポリアミン系架橋剤の具体例と
しては、荒川化学工業社製:商標:AFシリーズの架橋
剤が挙げられる。架橋剤の配合量は、スチレン−アクリ
ル共重合体100質量部に対し、1〜50質量部である
ことが好ましく、1〜30質量部であることがさらに好
ましい。架橋剤の配合量が、1質量部未満では、得られ
る記録層の強度が著しく不十分になることがある。ま
た、それが50質量部を超えると、記録層に含まれる顔
料の特性発現が不十分になることがあり、得られる記録
層が所望の性能を発現できないことがある。本発明の記
録層において、スチレン−アクリル共重合体の架橋体の
含有量は、記録層の合計質量に対し、10〜60質量%
であることが好ましく、15〜50質量%であることが
さらに好ましい。
【0011】また、本発明の記録用シートに記録(印
刷)を施して得られる記録体が、屋外での用途に用いら
れる場合には、その耐光性が高いことが重要であり、記
録層用バインダーは、黄変が発生しないような樹脂から
選択されることが必要であり、耐候性試験におけるΔE
(色相の変化)が3以下であることが好ましい。
【0012】本発明の記録層中には、バインダーととも
に顔料が含有されている。顔料の配合量は、用途に応じ
て、適宜設定できるが、一般に、記録層の合計質量に対
し、40〜90質量%であることが好ましい。本発明の
記録用シートの記録層に含まれる顔料としては、例え
ば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリ
ン、焼成カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アル
ミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、
アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、
微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウ
ム、球状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベン
トナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の
鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹脂、スチレン−ア
クリル共重合体系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、
アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ベンゾグアナ
ミン系樹脂等の中空型、密実型並びに貫通孔型樹脂等の
有機顔料から選ばれた1種以上を用いることができる。
【0013】前記顔料の吸油量は30〜150ml/10
0gであることが好ましく、更に好ましくは、60〜1
50ml/100gである。本発明の記録層に用いられる
顔料の粒子形状及び粒径に格別の制限はないが、一般
に、板状、球状、紡錘状、柱状、立方状などの形状を有
するクレー、焼成クレーや軽質炭酸カルシウムが好まし
く、その平均粒径は0.1〜5.0μmであることが好
ましい。また、上記顔料は、用途に応じてこれにサンド
グラインダー処理を施して、粒子形状、粒子径を調整し
て、記録層の平滑性及び光沢を調整してもよい。
【0014】本発明の記録用シートのシート状基材につ
いては、格別の制限はなく、目的に応じて適宜選ぶこと
ができる。例えば、紙を用いる場合、そこに使用される
パルプの製法や種類等についても格別の限定はなく、K
Pのような化学パルプ、SGP,RGP,BCTMP,
CTMP等の機械パルプや、脱墨パルプのような古紙パ
ルプ、あるいはケフナ、竹、藁、麻等のような非木材パ
ルプを用いることができ、またポリアミド繊維、ポリエ
ステル繊維、ポリノジック繊維等の有機合成繊維、ガラ
ス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維
も使用することができる。またシート状基材用紙に用い
られるパルプとして、ECFパルプ及びTCFパルプ等
の塩素フリーパルプが好ましく用いられる。シート状基
材用紙中には、必要に応じて、填料が配合されていても
よい。この場合、填料には格別の限定はないが、一般に
上質紙に用いられる各種の顔料、例えばカオリン、焼成
カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭
酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイト
カーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、ス
メクタイト等の鉱物質顔料、並びにポリスチレン系樹
脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、塩
化ビニリデン系樹脂など、及びこれらの微小中空粒子、
並びに密実型及び貫通孔型の有機顔料の1種以上を用い
ることができる。
【0015】本発明の記録用シートのシート状基材は、
合成樹脂のフィルム又は合成紙から選ばれてもよい。合
成樹脂フィルムとしては、ポリエチレン(PE)、エチ
レン酢酸ビニル(EVA)、PE−EVA、直鎖状低密
度PE(LLDPE)、高密度PE(HDPE)、ポリ
プロピレン(PP)、無延伸PP(CPP)、延伸PP
(OPP)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレ
ンビニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニル(P
VC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリスチレ
ン(PS)、ポリエステル(PET)等の透明フィルム
類、発泡タイプのフィルム、及び、これらに白色顔料を
練り込んで得られる白色フィルム類を用いることができ
る。また合成紙としては、PE,PP,PET,PV
C、又はPS等の素材をベースとして製造された合成紙
等が使用できる。
【0016】上記シート状基材用合成紙の中でも、PP
と無機充填剤を主原料とし、二軸延伸フィルム成形法で
得られた合成紙(例えばユポ(商標、ユポコーポレーシ
ョン製))は、高い耐久性に加え、粘着ラベルとして必
要な被着体への追従性、曲面接着性等が良好なため、好
ましい表面基材のひとつである。本発明に使用可能な合
成紙としては、ユポ−FPG、ユポ−FGS、ユポ−G
FG、ユポ−SGS、ユポ−KPK(いずれも商標)等
が挙げられる。
【0017】前記のような紙類、フィルム類、合成紙類
のそれぞれには、バリア層及び/又は下塗り層が設けら
れていてもよい。また紙/紙複合紙、紙/フィルム複合
シート、フィルム/フィルム複合フィルム、合成紙/合
成紙複合シート、合成紙/紙複合シート、合成紙/フィ
ルム複合シート等の貼合シート材料を用いてもよい。
【0018】本発明の記録層中に、前記スチレン−アク
リル共重合体の架橋体の他に、必要に応じ追加バインダ
ーが含まれていてもよい。追加バインダーとしては、水
溶性及び/または水分散性の高分子化合物を用いること
ができる。例えば、追加バインダーとしてカチオン性澱
粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋
白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポ
リビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブ
タジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン
類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)ア
クリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合
体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタ
クリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポ
リウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、オレフィン−無水マレイン酸系樹脂、メラミン系
樹脂等の合成高分子化合物等の1種以上を目的に応じて
1種あるいは2種以上が適宜選択して用いることができ
る。
【0019】本発明において、記録層中の追加バインダ
ーの含有量は、前記スチレン−アクリル共重合体100
質量部に対し、50質量部以下であることが好ましく、
より好ましくは30質量部以下である。追加バインダー
の含有量が過多になると、本発明の目的を十分に達成で
きないことがある。
【0020】本発明において、記録層の形成に用いられ
る塗被液中には、前記顔料、前記バインダー架橋体、及
び必要に応じて追加バインダーの他に、さらに必要に応
じて各種助剤、例えばポリカルボン酸型、ナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合型等の分散剤、シリカシリコー
ン系、シリコーン系、金属石鹸系、アミド系、エステル
系、ポリエーテル系、ポリグリコール系、有機燐酸系、
高級アルコール系、硫酸化脂肪酸及び油溶系ポリマー等
の消泡剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等
の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤、ア
ルキル・エステル型、アルキル・アミン型及び脂肪族二
塩基酸塩型等の濡れ剤、界面活性剤、pH調節剤、粘度調
節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、流動変性剤、
導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ
剤、蛍光増白剤、着色剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防
腐剤、香料等の1種以上を適宜含有させてもよい。
【0021】本発明の記録層の塗工量は、用途に応じて
適宜設定することができる。一般に、記録層の乾燥質量
は2〜30g/m2 であることが好ましく、より好まし
くは4〜30g/m2 である。塗工量が2g/m2 未満
では、シート状基体表面の凹凸を十分に平坦化すること
ができないことがある。一方、それが30g/m2 を越
えると、塗工時の乾燥性が劣るなどのため、操業効率が
不十分になることがあり、また塗膜強度が低下したり、
製造原価が高くなりすぎることがある。
【0022】記録層を形成する塗被工程には、一般に公
知の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコ
ータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコー
タ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコ
ータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロ
ールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコ
ータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、
ゲートロールコータ、リップコータ、スライドビードコ
ータ等が適宜用いられる。また、支持体と記録層との接
着性を高めるために、支持体に対し、記録層を塗被する
前に、コロナ処理などの接着性向上処理を施してもよ
い。
【0023】本発明の記録層の表面は、300秒以上の
平滑度を有することが好ましく、より好ましい平滑度は
500秒以上である。上記平滑度を有する記録層表面
は、オフセット印刷時のインキ転移性、グラビヤ印刷時
のミスドット率、熱転写印字のワックス転写性、ドット
マトリックス印字のインク転写性の特性を向上させるた
めに有効である。また、本発明の記録層中には、多数の
微細孔が形成されていることが好ましく、この微細孔の
平均孔径は0.01〜0.5μmであることが好まし
く、0.01〜0.3μmであることがさらに好まし
い。このような多孔性記録層は、向上したオフセット印
刷のインキセット性、グラビア印刷のドット太り改善、
熱転写印字のワックス転移性及びドットマトリックス印
字の印字濃度向上を示すことができる。
【0024】本発明において、記録層は、シート状基材
の片面或は両面に形成され、必要に応じ、シート状基材
表面と記録層との間に1層あるいは2層以上の中間層が
設けられ、多層構造を構成していてもよい。なお、前記
両面塗工又は多層構造を形成する場合、各々の塗被液が
同一組成を有していてもよく、及び/又は同一塗工量で
あっていてもよいが、これらは、互いに異っていてもよ
く、これらは所望の品質レベルに応じて適宜調整すれば
よい。またシート状基材の片面に記録層を設けた場合、
基材の裏面には合成樹脂層、顔料と接着剤等からなる塗
工層及び/又は帯電防止層等を設けて得られる記録用シ
ートのカール防止、印刷適性付与、給排紙適性等の付与
などをすることも可能である。さらにシート状基材、特
に基材紙裏面に種々の加工、例えば粘着性、磁性、難燃
性、耐熱性、耐水性、耐油性及び/又は防滑性等の性能
を付与するための後加工を施し、それにより、記録用シ
ートの用途適性を付加することもできる。特に、粘着性
付与の為の粘着加工において、用いられる粘着剤には、
特に限定はなく、例えば、アクリル酸エステルと官能基
を有するアクリル系化合物の共重合体などのアクリル系
粘着剤、天然ゴムあるいは合成ゴムと粘着付与剤樹脂、
軟化剤との混合体などのゴム系粘着剤、及びシリコーン
ゴムとシリコーン樹脂との混合体などのシリコーン系粘
着剤などが使用できる。コストと耐候性の面よりアクリ
ル系粘着剤が好ましく用いられ、粘着剤の特性として、
表面基材と粘着剤の密着を良くし、更に粘着剤の内部凝
集力を向上させ貼着したラベルを引き剥がす際の被着体
表面への糊残りを防止する観点から架橋剤を添加する2
液架橋型アクリル系粘着剤がより好ましい。このような
粘着剤成分としては、例えば、イソシアネート、メラミ
ン、金属キレート、エポキシ等により架橋したものが挙
げられる。
【0025】本発明の記録用シートは、シート状基材上
に所望の記録層用塗被液を塗布し、乾燥処理した後、必
要に応じてこれに、表面処理、例えば平滑化処理を施し
てもよい。この平滑化処理を施す際には、通常のスーパ
ーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ等
の平滑化処理装置を用いて、オンマシン又はオフマシン
で平滑化することができる。平滑化処理における加圧装
置の形態、加圧ニップの数、加温の程度等も通常の平滑
化処理装置に準じて適宜選択することができる。
【0026】上述の方法によって、得られた記録用シー
トは、耐水性、耐溶剤性、またはこれらの両方を要求さ
れる分野で用いられる。例えば、グラビア印刷用シー
ト、オフセット印刷用シート、金属蒸着紙の基材、ドラ
ム缶又は一斗缶などのスマッジプルーフ用ラベル状用
紙、或は、インクジェット用シート、電子写真方式の記
録用シート、熱転写方式の記録用シート及びドットマト
リックス等のプリンティング方式の記録用シートとして
使用できる。また印字後、記録面の保護のため、透明フ
ィルムでオーバーラミネートしてもよい。
【0027】
【実施例】下記に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定される
ものでない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わ
らない限り、「質量部(固型分)」及び「質量%」を示
す。
【0028】実施例1 シート状基材として、厚さ80μm、密度0.77g/
cm3 の二軸延伸のPP(ポリプロピレン)合成紙(商
標:FPG80、ユポコーポレーション社製)を用い、
その片面に、下記組成の塗被液を、塗工量が7g/m2
(乾燥固形質量)となるように、バーコーターを用いて
塗工し、乾燥して記録層を形成し、記録用シートを作製
した。 「塗被液」 顔料:組成;焼成カオリン 吸油量:104ml/100g (商標:アンシレックス93、エンゲルハード社製) 100質量部 バインダー:組成;スチレン−アクリル共重合体 (商標:PM1350M、荒川化学工業社製) 50質量部 架橋剤:組成;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン (商標:AF251、荒川化学工業社製) 15質量部
【0029】〔塗被液の調製と塗布〕焼成カオリンとし
てアンシレックス93 100部に、分散剤としてポリ
アクリル酸ソーダ(商標;アロンA−9、東亜合成社
製)2部を加え、コーレス分散機を用いて水中に分散し
て顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにバイン
ダー(PM1350M)50部、と架橋剤(AF25
1)15部とを添加し、撹拌し、さらに水を加えて、固
形分濃度が20%の塗被液を調製した。 〔印刷試験〕得られた記録用シートに用いられた顔料を
表1に示し、顔料とバインダー及び架橋剤との配合を表
2に示し、さらに表2に、得られた記録用シートの平均
孔径、平滑度及びΔEを示す。この記録用シートを用い
てドットマトリックスプリンター、及び熱転写プリンタ
ーのそれぞれで印字し、その性能を評価し、その結果を
表3に示し、また、オフセット印刷並びにグラビア印刷
性能の評価結果を表4に示す。なお、これらの試験法を
後記する。
【0030】実施例2 実施例1と同様にして記録用シートを作製した。但し、
実施例1で使用した顔料を、軽質炭酸カルシウムに変更
し、更にバインダー並びに架橋剤の配合量を下記の如く
変更した。得られた記録用シートを用いて、実施例1と
同様な評価を行った。結果を表1,2,3及び4に示
す。 「塗被液」 顔料:組成;軽質炭酸カルシウム 吸油量:63ml/100g (商標:TP123cs、奥多摩工業社製) 100質量部 バインダー:組成;スチレン−アクリル共重合体 (商標:PM1350M、荒川化学工業社製) 40質量部 架橋剤:組成;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン (商標:AF251、荒川化学工業社製) 10質量部
【0031】実施例3 実施例1と同様にして記録用シートを作製した。但し、
実施例1で使用した顔料を、クレーに変更し、更にバイ
ンダー並びに架橋剤の配合量を下記の如く変更した。得
られた記録用シートを用いて、実施例1と同様な評価を
行った。結果を表1,2,3及び4に示す。 「塗被液」 顔料:組成;クレー 吸油量:46ml/100g (商標:UW90、エンゲルハード社製) 100質量部 バインダー:組成;スチレン−アクリル共重合体 (商標:PM1350M、荒川化学工業社製) 30質量部 架橋剤:組成;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン (商標:AF251、荒川化学工業社製) 5質量部
【0032】実施例4 実施例1と同様にして記録用シートを作製した。但し、
実施例1においてシート状基材として使用した二軸延伸
PP合成紙を、下記パルプシートに変更し、更にバイン
ダー並びに架橋剤の配合量を下記の如く変更した。得ら
れた記録用シートを用いて、実施例1と同様な評価を行
った。結果を表1,2,3及び4に示す。 〔シート状紙基材の調製〕LBKP(フリーネス(CS
F)=450ml)100部のパルプスラリーに、内添サ
イズ剤としてアルケニル琥珀酸無水物(商標;ファイブ
ラン81K、荒川化学工業社製)0.05部、定着剤と
してカチオン化澱粉(商標;CatoF、王子ナショナ
ル社製)0.7部、並びに硫酸バンド0.5部を添加
し、さらに填料として、炭酸カルシウムを10部添加
し、これらの混合物を白水で希釈してpH7、固形分濃度
0.8%の紙料スラリーを調製した。この紙料スラリー
を使用し、長網抄紙機を用いて抄紙し、酸化澱粉(商
標;エースA、王子コーンスターチ社製)液濃度6%の
サイズプレス液を、塗布量が乾燥質量で2g/m2 とな
るようにサイズプレス装置で塗布し、乾燥させ、マシン
キャレンダーにより平滑度が50秒になるように平滑化
処理して、坪量が80g/m2 のシート状紙基材を得
た。 「塗被液」 顔料:組成;焼成クレー 吸油量:104ml/100g (商標:アンシレックス、エンゲルハード社製) 100質量部 バインダー:組成;スチレン−アクリル共重合体 (商標:PM1350M、荒川化学工業社製) 50質量部 架橋剤:組成;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン (商標:AF251、荒川化学工業社製) 20質量部 〔シート状紙基材上に記録層の形成〕得られた塗被液を
上記のシート状紙基材の両面に、前記塗被液を片面当た
り乾燥質量が12g/m2 となるようにバーコータを用
いて塗被して記録層を形成し、これを金属ロールと弾性
ロールで構成された加圧ニップに通紙して、平滑度が、
1000秒になるように調整して、坪量が104g/m
2 の記録用シートを得た。得られた記録用シートを用い
て、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1,2,
3及び4に示す。
【0033】実施例5 実施例1と同様にして記録用シートを作製した。但し、
実施例1で使用した顔料を、下記の軽質炭酸カルシウム
(EDIII)に変更し、更にバインダー並びに架橋剤の配
合量を下記の如く変更した。得られた記録用シートを用
いて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1,
2,3及び4に示す。 「塗被液」 顔料:組成;軽質炭酸カルシウム 吸油量:30ml/100g (商標:EDIII 、米庄石灰工業社製) 100質量部 バインダー:組成;スチレン−アクリル共重合体 (商標:PM1350M、荒川化学工業社製) 40質量部 架橋剤:組成;ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン (商標:AF251、荒川化学工業社製) 10質量部
【0034】比較例1 実施例1と同様にして、記録用シートを作製し、評価し
た。但し、記録層に架橋剤を含有させなかった。結果を
表1,2,3及び4に示す。
【0035】比較例2 実施例1と同様にして記録用シートを作製し、評価し
た。但し、バインダーとして使用したスチレン−アクリ
ル共重合体(商標:PM1350M)の代りに、スチレ
ン−ブタジエン系共重合体ラテックス、(商標:T25
50K 日本合成ゴム社製)を用いた。評価結果を表
1,2,3及び4に示す。
【0036】評価方法 用いられた顔料の組成形状、吸油量、平均粒子径を表1
に示す。
【0037】〔顔料の吸油量の測定〕顔料の吸油量は、
JIS法(K5101)に準じて測定を行った。結果を
表1に示す。
【0038】〔塗工層の平均細孔直径の測定〕マイクロ
メトリックス モデル:ポアサイザー9320(島津製
作所製)を用い、水銀圧入法により求めた。サンプル
は、用紙の裏面にビスコーステープ(商標:セロテー
プ)で目止めし、裏面の影響を防いだ。
【0039】〔顔料の平均粒子径の測定〕遠心分離式粒
度測定装置(島津製作所製モデル:CP−50)を用
い、面積基準による平均粒子径を求めた。
【0040】〔色相の変化ΔE〕 耐候試験機:岩崎電気製 スーパーUVテスター モデ
ル:SUV−W13 試験条件 1)ライト照射中(5時間)に内臓ヒーターで昇温し、
83℃/50%RHにする。 2)次にライト/ヒーターをOFF(2時間)にして、
ファンを回し室内の空冷を行い、室内の温度を段階的に
(70℃〜30℃)下げる。 3)段階的に温度を下げ、相対湿度を95%RH以上に
し、結露させる。(2時間放置) 上記工程を1サイクルとして8サイクル処理を行う。J
IS−Z−8729に規定された表示法に基づき色相
(L*,a*,b*)を測定し、試験前と試験後の色相
の差をΔEで表わす。 E=(a*2+b*2)1/2
【0041】〔記録シートの平滑度の測定〕塗工層表面
の平滑度は、JAPAN TAPPI No.5に基い
て測定した。
【0042】〔ドットマトリックスプリンター試験〕 (印字品質の評価)NEC製PC−PR101/63
リボン:PC201G−01で印字し、記録層の印字部
を光学顕微鏡により30倍に拡大し、ドットの抜けの程
度を下記の評価基準で目視評価した。 ◎:ドット抜けがなく極めて優れている。 ○:ドットが殆どなく良好である。 △:ドット抜けがあり劣っている。実用上問題有り。 ×:ドット抜けが多く、著しく劣っている。 (擦過性評価)擦過性の評価機としては、学振式試験機
(スガ試験機)FR−IIを用いた。 (1)耐溶剤性評価 記録層の印字部にトルエンを滴下し、印字部にティッシ
ュを接触させ、荷重70g/cm2 −200回の条件で擦
り、印字部及び塗工層の欠けや剥れを目視評価した。 ◎:印字部の欠け、剥れが観られない。 ○:印字部の欠け、剥れが殆どなく良好である。 △:印字部の欠け、剥れが多く観られる。実用上問題あ
る。 ×:印字部の欠け、剥れが著しく観られる。 (2)耐水性評価 記録層の印字部に水を滴下し、印字部にガーゼを接触さ
せ、荷重70g/cm2−500回の条件で擦り、印字部
及び塗工層の欠けや剥れを目視評価した。 ◎:印字部の欠け、剥れが観られない。 ○:印字部の欠け、剥れが殆どなく良好である。 △:印字部の欠け、剥れが多く観られる。実用上問題あ
る。 ×:印字部の欠け、剥れが著しく観られる。
【0043】〔熱転写プリンター試験〕 (印字品質の評価) TEC製B−30 リボン:TR4085(ソニーケミ
カル社製)を用いて記録用シートの記録層上に印字し、
印字部を光学顕微鏡により30倍に拡大し、ドットの抜
け、フトリの程度を下記の評価基準で目視評価した。 ◎:ドット抜け、フトリがなく極めて優れている。 ○:ドット抜け、フトリが殆どなく良好である。 △:ドット抜け、フトリがあり劣っている。実用上問題
有り。 ×:ドット抜け、フトリが多く、著しく劣っている。 (擦過性評価) (1)耐溶剤性評価 記録層の印字部にトルエンを滴下し、印字部にガーゼを
接触させ、荷重70g/cm2 −200回の条件で擦り、
印字部及び塗工層の欠けや剥れを目視評価した。 ◎:印字部の欠け、剥れが観られない。 ○:印字部の欠け、剥れが殆どなく良好である。 △:印字部の欠け、剥れが多く観られる。実用上問題あ
る。 ×:印字部の欠け、剥れが著しく観られる。 (2)耐水性評価 記録層の印字部に水を滴下し、印字部にガーゼを接触さ
せ、荷重70g/cm2−500回の条件で擦り、印字部
及び塗工層の欠けや剥れを目視評価した。 ◎:印字部の欠け、剥れが観られない。 ○:印字部の欠け、剥れが殆どなく良好である。 △:印字部の欠け、剥れが多く観られる。実用上問題あ
る。 ×:印字部の欠け、剥れが著しく観られる。
【0044】〔オフセット印刷試験〕 (ドット及び網点再現性評価) 印刷した印刷物の印画部の状態を目視により下記4段階
で評価した。 (a)ドット欠損 ◎:ドットの欠損が無く、品質も優れている。 ○:ドットの欠損は、若干観られるが、実用上問題な
い。 △:ドットの欠損が観られ、実用上問題ある。 ×:ドットの欠損が著しく観られ、実用上問題あり、品
質も著しく劣っている。 (b)網点再現性 ◎:ドットにニジミ・フトリ等が観られず、品質も優れ
ている。 ○:ドットにニジミ・フトリが若干観られるが、実用上
問題ない。 △:ドットにニジミ・フトリが観られ、実用上問題あ
る。 ×:ドットにニジミ・フトリが著しく観られ、実用上問
題あり、品質も著しく劣っている。 (実機印刷機における印刷版上の記録層のパイリング防
止性評価) ◎:印刷の版に記録層が堆積せず、良好な操業性を示し
た。 ○:印刷の版に記録層が若干堆積するが、印字部に影響
を及ぼさない。実用上問題ない。 △:印刷の版の記録層が堆積し、印字部に影響を及ぼ
す。実用上問題ある。 ×:印刷の版に記録層が著しく堆積し、印字部に影響を
及ぼす。実用上問題あり、品質も著しく劣っている。
【0045】〔グラビア印刷試験〕 (ミッシングドット及び網点再現性評価)J.TAPP
I紙パルプ試験方法No.24m「紙のグラビア印刷適
性試験方法(印刷局式)」に準じて印刷した印刷物を目
視により下記4段階で評価した。 (a)ミッシングドット ◎:ドットの欠損が無く、品質も優れている。 ○:ドットの欠損は、若干観られるが、実用上問題な
い。 △:ドットの欠損が観られ、実用上問題ある。 ×:ドットの欠損が著しく観られ、実用上問題あり、品
質も著しく劣っている。 (b)網点再現性 ◎:ドットにニジミ・フトリ等が観られず、品質も優れ
ている。 ○:ドットにニジミ・フトリが若干観られるが、実用上
問題ない。 △:ドットにニジミ・フトリが観られ、実用上問題あ
る。 ×:ドットにニジミ・フトリが著しく観られ、実用上問
題あり、品質も著しく劣っている。 (実機印刷機における印刷版上の記録層のパイリング防
止性評価) ◎:グラビアの版に記録層が堆積せず、良好な操業性を
示した。 ○:グラビアの版に記録層が若干堆積するが、印字部に
影響を及ぼさない。実用上問題ない。 △:グラビアの版に記録層が堆積し、印字部に影響を及
ぼす。実用上問題ある。 ×:グラビアの版に記録層が著しく堆積し、印字部に影
響を及ぼす。実用上問題あり、品質も著しく劣ってい
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】実施例6 82g/m2 の坪量を有するグラシン紙の表面上に、メ
イヤーバーを用いて、シリコーン系離型剤(商標:KS
−722、信越化学工業社製)を、10g/m 2 の塗工
量で塗布して離型剤層を有する離型紙シートを作製し
た。別に粘着剤を、85質量部のブチルアクリレート
と、5質量部の、過酸化ベンゾイルからなる重合開始剤
を、酢酸エチルからなる重合媒体中において溶液重合し
て、40質量%の濃度を有する目的粘着剤の主成分を製
造し、かつ、この粘着剤主成分を、2質量部の、多官能
性芳香族イソシアネート化合物からなる架橋剤(商標:
コロナートT、日本ポリウレタン工業社製)と混合する
ことにより製造した。前記粘着剤を、アップリケータを
用いて、前記離型紙シートの離型剤層上に塗布し、10
0℃の温度において2分間乾燥して、25g/m2 の乾
燥質量を有する粘着層を形成した。前記離型紙シート上
の粘着層を、実施例1において製造された記録用シート
の、前記記録層に対して反対の表面上に接合し複合シー
トを作製した。この複合シートから記録複合シートラベ
ルを作製した。前記複合シートラベルの記録表面を、ド
ットマトリックスプリンター及び熱転写プリンターによ
るプリント試験に供した。プリントされた粘着層付き記
録ラベルを、離型シートから剥離し、化学薬剤を収容し
ているドラム缶の周面に貼着し、戸外に1年間放置し
て、耐候性試験を行った。この試験期間中における印画
画像の変化を肉眼でチェックした。また、この耐候性試
験の開始と終了の間の色差ΔEを測定した。その結果、
耐候性試験期間中の色差ΔEは0.8であることが確認
された。また、耐候性試験の終了後、ドットマトリック
スプリンターによりプリントされた画像、及び熱転写プ
リンターによりプリントされた画像には、ミッシングド
ットが全くなく、また、プリントされた記録層の印字部
の欠損及び剥れは全くないことが確認された。さらに、
粘着したラベルがドラム缶周面から部分的に分離するこ
とも全く認められなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る記録用シートは、インパク
トプリンター及び転写プリンターに良好な適性を有し、
耐溶剤性及び耐水性に優れ、オフセット印刷及びグラビ
ア印刷にも優れた適性を有し、実用上極めて有用な記録
用シートである。また薬品の入ったドラム缶に貼付する
ラベル状シートとしても良好な適性を有するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 哲也 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 2H086 DA01 2H111 CA03 CA05 CA14 CA23 CA25 CA30 CA31 CA33 CA41 4F100 AA08B AC10B AK01A AK12B AK25B AL01B AR00C AS00B AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C CA13B DG10A EJ05B GB90 JB01 JB07 JB09B JL14C YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材と、その少なくとも1面上
    に形成され、かつ、顔料及びバインダーを含む記録層と
    を含み、 前記記録層のバインダーが、カルボキシル基を有する水
    溶性又は水分散性スチレン−アクリル共重合体の架橋体
    を含むことを特徴とする耐水・耐溶剤性記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記スチレン−アクリル共重合体の架橋
    体が、前記スチレン−アクリル共重合体と架橋剤との反
    応生成物である、請求項1に記載の耐水・耐溶剤性記録
    用シート。
  3. 【請求項3】 前記架橋体が、前記スチレン−アクリル
    共重合体と、前記架橋剤との質量比100:1〜50に
    おける反応生成物である、請求項2に記載の耐水・耐溶
    剤性記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記架橋剤が、ポリアミドポリアミン系
    化合物から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の耐水・耐溶剤性記録用シート。
  5. 【請求項5】 前記ポリアミドポリアミン系化合物が、
    ポリアミドポリアミンと、エピハロヒドリンとの付加反
    応生成物から選ばれる、請求項4に記載の耐水・耐溶剤
    性記録用シート。
  6. 【請求項6】 前記シート状基体が、木材パルプを主成
    分として含む紙、合成樹脂フィルム、合成紙、及びこれ
    らの2種以上の複合シートから選ばれる、請求項1に記
    載の耐水・耐溶剤性記録用シート。
  7. 【請求項7】 前記記録層用顔料が、30〜150ml/
    100gの吸油量を有する、請求項1に記載の耐水・耐
    溶剤性記録用シート。
  8. 【請求項8】 前記記録層用顔料が、焼成カオリン及び
    球状軽質炭酸カルシウムから選ばれた少なくとも1種を
    含む、請求項1又は2に記載の耐水・耐溶剤性記録用シ
    ート。
  9. 【請求項9】 前記記録層表面が、300秒以上の平滑
    度(JAPAN TAPPI No.5による)を有す
    る、請求項1に記載の耐水・耐溶剤性記録用シート。
  10. 【請求項10】 前記記録層が、多数の微細孔を有し、
    その平均孔径が0.01〜0.5μmである、請求項1
    に記載の耐水・耐溶剤性記録用シート。
  11. 【請求項11】 前記記録層が前記シート状基材の表面
    上に形成され、前記シート状基材の裏面上に粘着層が形
    成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    耐水・耐溶剤性記録用シート。
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