JP4332303B2 - 圧着記録用紙 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧着記録用紙に関するものである。更に詳しくは、オフセット印刷適性が優れており、かつノンインパクトプリンターにおける印刷適性も優れている圧着記録用紙に関するものである。ここで圧着記録用紙とは、通常状態では粘着性、接着性ともに示さず、加圧時に接着性を示し、加圧接着後に剥離可能な感圧接着層を有する記録用紙のことである。
【0002】
【従来の技術】
圧着記録用紙は支持体上に通常のハンドリングの際は粘着性、および接着性を示さず、加圧時に接着性を示す再剥離性感圧接着剤よりなる感圧接着層を形成させ、二つ折り、三つ折り、あるいは複数枚を重ね合わせることにより、感圧接着層どうしを対面させた状態で加圧により接着させるものであり、加圧接着後に剥離可能な構成にすることも、剥離不可能な構成にすることも可能である。例えば二つ折り、三つ折り、あるいは複数枚を重ね合わせ、加圧接着させることで密封し、見かけ上1枚のはがきとして郵送された後、受取人が剥離可能な接着部分を剥離して、内部に記録された情報を読み取ることができる剥離性はがき、隠ぺいはがき、あるいは圧着はがきとして使用した場合、一般のはがきと比較してより多くの情報を伝達することが可能になり、かつ他人には知られたくない親展通信情報(暗証番号、会員番号、請求金額、預金残高など)は剥離可能な感圧接着面に記録し、加圧、接着した後郵送されるので、守秘性も優れている結果、使用量が増加しつつある。
【0003】
ここで、通常圧着記録用紙の流通過程は以下の如く構成される。まず、製紙業者、又は接着剤業者などが支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を形成して圧着記録用紙を製造し、販売する。次いで印刷業者などが圧着記録用紙にオフセット方式、またはグラビア方式などでフォーム印刷などを行った後、データ入力専門業者が好ましくはノンインパクトプリンター、すなわちトナー定着方式(電子写真、レーザープリンターなど)、又はインクジェット方式などの各種印刷方式で親展通信情報を印字し、圧着シーラーを用いて再剥離可能な状態で親展通信情報記録面同士を接着させ、受取人に郵送される。
【0004】
このような圧着記録用紙に使用される感圧接着剤は、天然ゴム、あるいは天然ゴム誘導体が好んで用いられる。その理由の1つは、天然ゴム誘導体が高い自己接着性をもち、互いに接触させて加圧すると接着性が発現する一方、通常状態では粘着性、接着性ともに低く、所謂タック性が低いという特徴を持つためである。理由の2つめは、グラフト化によって分子の極性が増加し、親水性物質に対するアンカーリング力が増加するためである。また、天然ゴム、あるいは天然ゴム誘導体単体からなる感圧接着層を支持体の表面に形成するのみではブロッキングが発生しやすく、印刷インク定着性も不足し、かつ、フォーム印刷適性、およびノンインパクトプリンター印刷適性が不十分であることが多いので、通常は充填材を適宜組み合わせた混合物よりなる剥離可能な接着性を示す感圧接着層を支持体の表面に形成して圧着記録用紙を製造する。本剥離可能な接着性を示す感圧接着層を支持体の表面に形成する方法としては、上記混合物の調整、および感圧接着層形成工程の作業性、ならびに安全性などの理由から、エマルションタイプの天然ゴム誘導体と充填材よりなる水性塗工液を用いる水性塗工が一般的である。
【0005】
上述の充填材は、表面強度を損なわず表面の粘着性調節を行う目的に使用される。また、フォーム印刷時の印刷性、およびインク定着性(以降、これら2つの特性を「着肉性」と称す)改良などを目的に無機、あるいは有機顔料が添加される。顔料としては非晶質シリカが用いられることが多い。
【0006】
しかしながら、フォーム印刷における着肉性などの印刷適性、ならびにノンインパクトプリンター印刷におけるプレヒート板汚れなどの印刷適性改良の為には多量の顔料を添加する必要があり、これには必然的に表面強度、および感圧接着性の低下が伴うので、天然ゴム誘導体などの増量が必要になるなどして、上記特性がすべてバランスよく良好な圧着記録用紙を得ることは困難であり、実用上改善が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、オフセット印刷適性が優れており、かつノンインパクトプリンターによる印刷適性にも優れている圧着記録用紙を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明の圧着記録用紙を発明するに到った。
即ち、本発明の圧着記録用紙は、支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、該感圧接着層が少なくとも不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体と非晶質シリカを含有しており、該非晶質シリカが、平均粒子径が2μm以上5μm未満と5μm以上10μm以下である2種類の非晶質シリカからなる圧着記録用紙である。
【0009】
また、該感圧接着層に含有される該天然ゴム誘導体100重量部に対して、該平均粒子径が2μm以上5μm未満である非晶質シリカの添加量が、25〜35重量部であり、かつ該平均粒子径が5μm以上10μm以下である非晶質シリカの添加量が、5〜15重量部であることが好ましい。
【0010】
粒子径が50μm以上である非晶質シリカが、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%以下であることがさらに好ましい。
【0011】
該天然ゴムにグラフト化される不飽和モノマーは、メタクリル酸メチル、スチレン、およびアクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種類以上であることがさらに好ましい。
【0012】
該感圧接着層は、3g/m2以上10g/m2以下設けられていることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の内容をさらに具体的に説明する。
即ち、本発明の圧着記録用紙は、支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、該感圧接着層が少なくとも不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体と非晶質シリカを含有しており、該非晶質シリカが、平均粒子径が2μm以上5μm未満と5μm以上10μm以下である2種類の非晶質シリカからなる構成にすることにより、本構成以外の非晶質シリカを用いた場合と比較してフォーム印刷時の着肉性、および耐刷性、ならびにノンインパクトプリンターにおける印刷適性も優れている、諸特性のバランスが良好な圧着記録用紙を得ることが可能になった。
【0014】
また、該感圧接着層に含有される該天然ゴム誘導体100重量部に対して、該平均粒子径が2μm以上5μm未満である非晶質シリカの添加量が、25〜35重量部であり、かつ該平均粒子径が5μm以上10μm以下である非晶質シリカの添加量が、5〜15重量部である構成にすることにより、この範囲を外れた場合と比較して、上記諸特性のバランスがさらに良好となり、上記諸特性の改良効果をより確実なものとすることができる。
【0015】
また、粒子径が50μm以上である非晶質シリカを、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%以下にすることにより、ノンインパクトプリンターによる印字の際、プレヒート板汚れの発生量が僅かである特性を維持しつつ、フォーム印刷時の耐刷性、および剥離強度の改良効果をより確実なものとすることができる。
【0016】
本発明に用いられるこのような非晶質シリカは、本発明が規定する物性を満たしていればいずれでもよく、市販のものを好適に用いることができる。
【0017】
本発明における天然ゴムをグラフト化する不飽和モノマーとしては、具体的にアクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸メチル、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、アクリルアミド、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミドやメタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。これらの中でも、ホモポリマー生成などの副反応が起こりにくく、グラフト化反応が確実に進行することから、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリルから選ばれる最低1種類以上を使用することが特に好ましい。
【0018】
また、該感圧接着層の塗工量は、3g/m2以上10g/m2以下が好ましい範囲である。3g/m2未満の場合はフォーム印刷時の着肉性、および剥離強度の低下が著しくなる。また10g/m2を超える場合は剥離強度が強くなりすぎて再剥離が困難になる。さらにフォーム印刷時の耐刷性が低下し、ノンインパクトプリンターによる印字の際、プレヒート板汚れの発生量が増加しやすくなるなど、同プリンター印刷適性が低下する。
【0019】
本発明における感圧接着層に用いられる充填剤としては、粘着性の増強、接着力の制御、印刷適性の付与、バインダー能力の増強、ブロッキングの防止、増粘などを目的として、粘着性向上剤、離型剤、熱可塑性樹脂、顔料、水溶性ポリマー等の種々の添加物が利用可能である。
【0020】
具体的には、粘着性付与剤として該感圧接着層にロジン系樹脂、およびその誘導体、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、石油樹脂などを接着性、耐ブロッキング性、ならびに耐熱性を損なわない範囲で併用できる。
【0021】
また、接着力制御のために離型剤を含有させることもできる。離型剤としては、たとえば、各種パラフィン、ワックス、脂肪酸、またはその誘導体、高級アルコール類、金属石鹸類、シリコーン樹脂類などを挙げることができ、圧着記録用紙として必要最低限の接着性を妨げない範囲で用いることができる。なお、圧着記録用紙として求められる必要最低限の接着性とは、圧着シーラーを用いた加圧により接着することができ、経時により自然に剥離しない接着力を有していることをいう。
【0022】
さらに、接着性を制御する目的で、熱可塑性樹脂を併用して用いることもでき、たとえば、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、イソプレン系、1,2−ブタジエン系、塩化ビニル系、アミド系、アイオノマー系などの熱可塑性エラストマーの水性分散物、また、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、PVA樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS樹脂、ABS樹脂、繊維素誘導体、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリブテン−1樹脂の水性分散物などが挙げられ、圧着記録用紙として必要最低限の接着性を妨げない範囲で用いることができる。
【0023】
また、接着力制御、およびインキセット適性などを含む印刷適性改良などの目的で、公知の顔料を1種以上用いることができる。たとえば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、澱粉粒子などの有機顔料などが挙げられ、必要であれば通常の塗工で用いられる種々のバインダーとともに用いることができる。
【0024】
バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、カゼインなどのプロテイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの水溶性バインダー、およびポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタンなどの水分散性バインダーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0025】
本発明における感圧接着層には、さらにその他の添加剤として、分散剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、帯電防止剤、老化防止剤、などを適宜添加し、目的の機能を発現させることも可能である。
【0026】
本発明の圧着記録用紙は、支持体の少なくとも片面に、少なくとも不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体と、平均粒子径が2μm以上5μm未満以下と5μm以上10μm以下である2種類の非晶質シリカを含有する感圧接着層を設けたものである。本発明の圧着記録用紙の使用方法としては、例えば、支持体の片面に該感圧接着層を設けた圧着記録用紙を”V”の字状に折り曲げてから圧着させることで印字部分全面を隠ぺいする方法(2つ折りはがき)、あるいは”L”字状に折り曲げてから圧着させることで印字情報の一部のみを隠ぺいする方法(2つ折りはがき)、支持体の両面に感圧接着層を設けた一枚の圧着記録用紙を”Z”字状に折り曲げることで印字部分を隠ぺいし、片面は再剥離可能に、もう一つの片面は剥離困難に圧着する方法(3つ折り4面はがき)、あるいは、両面とも再剥離可能に圧着する方法(3つ折り6面はがき)などにより、親展通信情報が完全に隠ぺいされた状態で郵送され、着信後に受取人が剥離して親展通信内容を確認することができ、かつ剥離した後は再接着不可能であるので、情報の非公開性が完全な剥離性隠ぺいはがきなどとして使用することができるものである。
【0027】
該圧着記録用紙に用いられる支持体としては、紙や不織布、合成紙、金属フィルム、ポリエステルフィルム、あるいはレジンコート紙などのシートや、これらを貼り合わせて得られる複合シートを用いることができるが、感圧接着層形成工程、および親展記録用紙として使用する際の加工工程を考慮した場合、特性的に適しており、経済的でもあるので、紙を用いることが好ましい。
【0028】
本発明に用いられる紙は、木材パルプと顔料を主成分として構成される。木材パルプとしては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプや合成パルプなどのパルプを含み、必要に応じて製紙業で使用されている顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤、染料などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機などの各種抄紙機で抄造することができる。また、酸性紙、中性紙、アルカリ性紙のいずれであってもよい。また、紙支持体としては、非塗工紙である上質紙、塗工紙であるアート紙、コーテッド紙、キャスト紙などがいずれも使用可能である。
【0029】
本発明の圧着記録用紙における支持体に感圧接着層を塗工または含浸する方法としては、たとえば、各種グラビアコーター、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、Uコンマコーター、AKKUコーター、スムージングコーター、ショートドウェルコーター、ディップコーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター、サイズプレス、シムサイザーなどの各種装置、また、グラビア、オフセット、凸版、平版等の印刷方式でも、オンマシンあるいはオフマシンで用いることができる。
【0030】
本発明の圧着記録用紙は、感圧接着層の強度を向上させることを目的として、支持体に感圧接着層を塗工または含浸後、感圧接着層の表面にカレンダー処理を施すことが出来る。これにより、塗工層の脱落がなくなり、印刷適性が格段に向上するとともに、表面の平滑性、ならびに光沢性が向上することにより、印刷物としての見栄えが極めて良くなるなどの効果が得られる。
【0031】
カレンダー処理の手段としては、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー加工機が使用できる。カレンダーロールとしては、金属ロール、樹脂ロールなどが使用できる。カレンダー処理を行う圧力、およびカレンダーの通紙回数は限定されないが、支持体の種類や厚さ、あるいは感圧接着層の厚さより決定される。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。なお、実施例中の部数は重量基準、%は重量%で示している。
【0033】
実施例1
メタクリル酸メチルを25%グラフト化した天然ゴム誘導体100重量部、小麦デンプン100重量部、平均粒子径2.2μmの非晶質シリカ(水澤化学工業製ミズカシルP707)33重量部、平均粒子径9μmの非晶質シリカ(日本シリカ工業製ニップシールLP、50μm以上の非晶質シリカ0.7%)12重量部からなる感圧接着層形成用組成物を、エアナイフコーターを用いて坪量90g/m2の上質紙に、固形分重量で5g/m2となるように塗工し、100℃で乾燥させて、圧着記録用紙を得た。
【0034】
実施例2
平均粒子径2.2μmの非晶質シリカの配合部数を25重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0035】
実施例3
平均粒子径9μmの非晶質シリカの配合部数を5重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0036】
実施例4
平均粒子径9μmの非晶質シリカを平均粒子径9μmの非晶質シリカ(日本シリカ工業製ニップシールNS、50μm以上の非晶質シリカ1.5%)に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0037】
実施例5
グラフト化される不飽和モノマーをスチレンに変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0038】
実施例6
グラフト化される不飽和モノマーをアクリロニトリルに変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0039】
実施例7
平均粒子径2.2μmの非晶質シリカの配合部数を38重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0040】
実施例8
平均粒子径2.2μmの非晶質シリカの配合部数を23重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0041】
実施例9
平均粒子径9μmの非晶質シリカの配合部数を17重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0042】
実施例10
平均粒子径9μmの非晶質シリカの配合部数を3重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0043】
実施例11
塗工量を2g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0044】
実施例12
塗工量を12g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0045】
比較例1
平均粒子径9μmの非晶質シリカの配合部数を0重量部に変更した以外実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0046】
比較例2
平均粒子径2.2μmの非晶質シリカの配合部数を0重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0047】
比較例3
平均粒子径2.2μmの非晶質シリカを平均粒子径1.7μmの非晶質シリカ(水澤化学工業製ミズカシルP604)に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0048】
比較例4
平均粒子径9μmの非晶質シリカを平均粒子径12.5μmの非晶質シリカ(水澤化学工業製ミズカシルP78F)に変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0049】
比較例5
メタクリル酸メチルを25%グラフト化した天然ゴム誘導体を天然ゴムに変更した以外は実施例1と同様にして、圧着記録用紙を得た。
【0050】
以上、実施例1〜12、および比較例1〜5について、シリカの平均粒子径、50μm以上の含有重量%、配合時の50μm以上のシリカ含有重量%、グラフトモノマー、および塗布量を表1にまとめる。
【0051】
【表1】
Figure 0004332303
【0052】
《評価方法》
以上のようにして得られた実施例1〜12、および比較例1〜5の圧着記録用紙を以下の方法によって評価した。評価を行った結果を表1に示した。
【0053】
[オフセット印刷適性(着肉性、耐刷性)]
以下の条件で感圧接着層塗工面に2色オフセット印刷を行い、印刷と連続して6吋間隔でミシン目加工を施し、12吋間隔で折り畳んだ。
印刷機:太陽機械製 TAIYO TOF400 4色機
給水法:連続給水、H液はダイナファント アルファ100倍液使用
印刷図柄:全面に130線30%の網点印刷
インキ:東華色素製 T&Kベストキュア 藍色、赤色(UV硬化タイプ)
UV灯:メタルハライド型 6kWを1色毎に計4本使用
印刷速度:120m/分
印刷長さ:6,000m
【0054】
着肉性については、印刷された圧着記録用紙の印刷品質やインキ定着性を同時に印刷した通常の上質フォーム用紙と比較して、全く遜色無い場合をA、若干見劣りする場合をB、相当見劣りする場合をCとした。実使用上、AまたはBの評価であれば差し支え無い。
【0055】
耐刷性については、印刷後のブランケットにセロテープを押し当てて紙粉を採取し、紙粉が殆ど認められない場合をA、紙粉が若干付着している場合をB、紙粉が多量に付着している場合をCとした。実使用上、AまたはBの評価であれば差し支え無い。
【0056】
[ノンインパクトプリンターのプレヒート板汚れ]
印刷後の圧着記録用紙3,000折分(約900m)にIBM3800型NIP印字機を用いてトナー印字終了後、プレヒート板の状態を観察し、汚れの付着が全く無かった場合をA、若干汚れている場合をB、汚れが著しい場合をCとした。実使用上、AまたはBの評価であれば差し支え無い。
【0057】
[再剥離強度]
ノンインパクトプリンターによって印字された圧着記録用紙について、圧着シーラー(トッパンフォームズ製プレッスルマルチ6852ST)を使用し再剥離接着剤層同士が対向するように葉書大(10.5cm×14.9cm)に二つ折りにし、シーラーの調整目盛を20(間隔200μm)にして圧着加工した。
圧着加工24時間後、JIS K6854に準じてT型剥離試験を行って再剥離強度を評価した。接着力が0.5N/25mm以上0.8N/25mm未満の場合をA、0.3N/25mm以上0.5N/25mm未満の場合と0.8N/25mm以上1.2N/25mm未満の場合をB、0.3N/25mm未満の場合と1.2N/25mmを超える場合をCとした。実使用上、AまたはBの評価であれば差し支え無い。
【0058】
【表2】
Figure 0004332303
【0059】
表2より明らかに、支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、本発明の感圧記録紙である実施例1〜12は剥離強度、フォーム印刷の際の着肉性、耐刷性、およびノンインパクトプリンター印刷適性はいずれも実用上問題ないレベルを保っている。これに対し、実施例1と比較して、平均粒子径2μm以上5μm未満である非晶質シリカ、または平均粒子径5μm以上10μm以下である非晶質シリカいずれか1種のみからなる比較例1、および2は、それぞれプレヒート板汚れ、着肉性が実用的に問題あるレベルに低下した。
【0060】
その他の条件は同一で、平均粒子径2μm以上5μm以下である非晶質シリカの添加量が天然ゴム誘導体の23%より38%迄異なる実施例8、2、1、および7を比較することにより、該シリカの添加量が天然ゴム誘導体の25〜35%である場合に品質のバランスが最も良好になるので好ましいことがわかる。
また、その他の条件は同一で、平均粒子径5μm以上10μm以下である非晶質シリカの添加量が天然ゴム誘導体の3%より17%迄異なる実施例10、3、1、および9を比較することにより、該シリカの添加量が天然ゴム誘導体の5〜15%である場合に品質のバランスが最も良好になるので好ましいことがわかる。
【0061】
本発明の下限よりやや小径である平均粒子径1.7μの非晶質シリカを用いた比較例3、および本発明の上限よりやや大径である平均粒子径12.5μmの非晶質シリカを用いた比較例4は、共に耐刷性が実用的に問題あるレベルに低下した。以上より、2種用いる非晶質シリカの好ましい平均粒子径は、それぞれ2μm以上5μm未満、5μm以上10μm以下であることがわかる。
【0062】
粒子径が50μm以上である非晶質シリカが、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%を超える実施例4と比較して、粒子径が50μm以上である非晶質シリカが、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%以下である実施例1、5、および6は品質のバランスがより良好であるので、粒子径が50μm以上である非晶質シリカが、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%以下であることが好ましいことがわかる。
【0063】
本発明の天然ゴム誘導体を用いた実施例1、5、6と比較して、天然ゴムを用いた比較例5は、剥離強度が強くなりすぎて再剥離性が低下し、またプレヒート板汚れが実用的に問題あるレベルに低下している。以上より、本発明の天然ゴム誘導体を用いることが好ましいことがわかる。
【0064】
その他の条件は同一で、感圧接着層塗工量のみ異なる実施例11、1、および12を比較することにより、感圧接着層塗工量は3〜10g/m2の範囲が好ましいことがわかる。
【0065】
【発明の効果】
支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、該感圧接着層が少なくとも不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体と非晶質シリカを含有しており、該非晶質シリカが、平均粒子径が2μm以上5μm未満と5μm以上10μm以下である2種類の非晶質シリカからなる構成にすることにより、本構成以外の非晶質シリカを用いた場合と比較してフォーム印刷時のオフセット印刷適性、およびノンインパクトプリンターによる印字の際、プレヒート板汚れの発生量を実用レベルまで改善しつつ、通常これに伴うその他の特性の低下が極めて少ない、諸特性のバランスが良好な圧着記録用紙を得ることが可能になる。
【0066】
該感圧接着層に含有される該天然ゴム誘導体100重量部に対して、該平均粒子径が2μm以上5μm未満である非晶質シリカの添加量が、25〜35重量部であり、かつ該平均粒子径が5μm以上10μm以下である非晶質シリカの添加量が、5〜15重量部である構成にすることにより、この範囲を外れた場合と比較して、フォーム印刷時の印刷適性、およびノンインパクトプリンターによる印字の際、プレヒート板汚れの発生量の改良効果をより確実なものとすることができる。
【0067】
粒子径が50μm以上である非晶質シリカは、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%以下にすることにより、ノンインパクトプリンターによる印字の際、プレヒート板汚れの発生量が僅かである特性を維持しつつ、フォーム印刷時の耐刷性、および剥離強度の改良効果がより確実なものとなる。
【0068】
本発明における天然ゴムにグラフト化する不飽和モノマーとしては、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリルから選ばれる最低1種類以上を使用することにより、上記諸改良効果はより確実なものとなる。
【0069】
上記諸改良効果は、感圧接着層塗工量が3〜10g/m2の範囲で確実なものとなる。

Claims (5)

  1. 支持体の少なくとも片面に、通常状態では粘着性、接着性とも示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、該感圧接着層が少なくとも不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体と非晶質シリカを含有しており、該非晶質シリカが、平均粒子径が2μm以上5μm未満以下と5μm以上10μm以下である2種類の非晶質シリカからなることを特徴とする圧着記録用紙。
  2. 該感圧接着層に含有される該天然ゴム誘導体100重量部に対して、該平均粒子径が2μm以上5μm未満である非晶質シリカの添加量が、25〜35重量部であり、かつ該平均粒子径が5μm以上10μm以下である非晶質シリカの添加量が、5〜15重量部であることを特徴とする請求項1記載の圧着記録用紙。
  3. 粒子径が50μm以上である非晶質シリカが、重量比で非晶質シリカ全体の0.3%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の圧着記録用紙。
  4. 天然ゴムにグラフト化される不飽和モノマーが、メタクリル酸メチル、スチレン、およびアクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧着記録用紙。
  5. 該感圧接着層が、3g/m2以上10g/m2以下設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧着記録用紙。
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