JP2006200110A - 圧着記録用紙 - Google Patents

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JP2006200110A JP2005077840A JP2005077840A JP2006200110A JP 2006200110 A JP2006200110 A JP 2006200110A JP 2005077840 A JP2005077840 A JP 2005077840A JP 2005077840 A JP2005077840 A JP 2005077840A JP 2006200110 A JP2006200110 A JP 2006200110A
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Abstract

【課題】圧着記録用紙の感圧接着層の接着力の経時による変化が少なく、水に濡れても乾燥後の接着力の変化が小さい圧着記録用紙を提供する。又、水に濡れた状態でも剥離可能であり、更には、シーラー感度に優れた圧着記録用紙を提供する。
【解決手段】感圧接着層がカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70質量%以上含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴム誘導体を含有し、該アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴム誘導体の比率が、20/80〜50/50質量%である圧着記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は通常状態では粘着性も接着性も示さず、加圧時に接着性を示し、加圧接着後に剥離可能な感圧接着層を有する圧着記録用紙に関するものである。
圧着記録用紙は、支持体上に通常のハンドリングの際には粘着性も接着性も示さず、加圧時に接着性を示す再剥離性感圧接着剤よりなる感圧接着層を形成させ、二つ折り、三つ折り又は複数枚を重ね合わせることにより、感圧接着層を対面させた状態で加圧により接着させるものであり、加圧接着後に剥離可能な状態にすることも、剥離不可能な状態にすることも可能である。
二つ折り、三つ折り又は複数枚を重ね合わせ、加圧接着させることで密封し、見かけ上1枚のはがきとして郵送された後、受取人が剥離可能な接着部分を剥離して、内部に記録された情報を読みとることができる剥離性はがき、隠蔽はがき又は圧着はがきとして使用した場合、一般のはがきと比較してより多くの情報を伝達することが可能となり、且つ、他人には知られたくない親展通信情報(暗証番号、会員番号、請求金額及び預金残高等)は剥離可能な感圧接着面に記録し、加圧、接着した後郵送されるので、守秘性も優れている。そのため、使用量が増加しつつある。
このような圧着記録用紙に使用される感圧接着層中の接着剤は、天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体が好んで用いられる。その理由の一つは、天然ゴム誘導体が高い自己接着性を持ち、互いに接触させて加圧すると接着性が発現する一方、通常状態では粘着性も接着性も低く、所謂タック性が低いという特徴を持つためである。
圧着記録用紙に要求される特性の中で、接着力(剥離強度)の経時安定性は重要であり、圧着後数日間或いは数週間単位での、各種環境条件下での経時安定性が要求される。
また、圧着記録用紙においては、雨が当たる等の理由で水に濡れた場合に、乾燥後問題なく剥離できること(耐水性)が要求されている。
更に、近年、用途によっては、水に濡れた場合に、乾燥することなく、そのままの状態で問題なく剥離できること(高耐水性)が要求される場合がある。
上記、圧着後の接着力(剥離強度)の挙動とは別に、圧着時の作業性の問題、即ち、圧着時のシーラー目盛りを変えた時の接着力(剥離強度)の変化の度合いが大きいと、圧着作業時の接着力(剥離強度)の調整が難しく、適正な範囲でシーラー目盛りに対する接着力(剥離強度)の感度(以下、シーラー感度と記載する)を低くすることが要求されている。
しかしながら、感圧接着層中の接着剤として、天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を用いた場合、接着力(剥離強度)が経時により変化しやすいという問題が生じていた。特に高湿度下で保管された場合、接着力(剥離強度)の増大が大きく、また、水に濡れた場合、その乾燥後の接着力(剥離強度)の増大も大きく、支持体が紙の場合には、剥離時に紙の材破が生ずることがあった。
特に水に濡れたままの状態で剥離した場合、支持体が紙の場合には、剥離時に紙の材破が生ずることがほとんどであった。
尚、接着力(剥離強度)の経時変化を抑制した例としては、天然ゴムを使用しない例(例えば特許文献1参照)、アルカリ可溶性重合体の中和物を保護コロイドとして用いた合成ゴムラテックスを用いた例(例えば特許文献2参照)等がある。又、本発明とは目的を異にするが、本発明記載のアクリル系エマルジョンを使用した例(例えば特許文献3参照)及びアクリル系エマルジョン組成物の例(例えば特許文献4参照)がある。
尚、支持体に耐水性を持たせた例としては、用紙の所定面に耐水化剤とバインダーの混合物からなる耐水処理層により塗膜された例(例えば特許文献5参照)、合成紙である例(例えば特許文献5参照)、湿潤紙力増強剤添加紙である例(例えば特許文献5、特許文献9参照)、支持体の接着層側表面に湿潤紙力増強剤層を形成した例(例えば特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)等がある。
また、感圧接着層中の接着剤として、天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を用いた場合、シーラー感度が高く、それを低く抑えるために、支持体の密度を小さくした例(例えば、特許文献10参照)があるが、その効果は不十分であった。
特開2004−59884号公報 特開平9−310055号公報 特開2001−131503号公報 特開平9−194812号公報 特開平7−309086号公報 特開2000−103182号公報 特許第3497753号公報 特開2000−218969号公報 特開2002−265899号公報 特開2004−67858号公報
本発明の目的は、圧着後の接着力(剥離強度)の経時による変化が少なく、且つ、雨水等によって感圧記録用紙が水に濡れた場合、その乾燥後の接着力(剥離強度)の変化が小さく、紙を支持体として用いた場合でも紙が材破することなく、更には水に濡れた状態で剥離しても、問題なく剥離可能な圧着記録用紙を提供することである。
更には、適正な範囲でシーラー感度を低く抑えることにより、圧着時の接着力(剥離強度)の調整を容易にし、作業性を改善した圧着記録用紙を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明の圧着記録用紙を発明するに至った。
すなわち、本発明の圧着記録用紙は、支持体の少なくとも一方の面に、通常状態では粘着性も接着性も示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、感圧接着層がカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70質量%以上含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、該アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率が、20/80〜50/50質量%であることを特徴とする圧着記録用紙である。
又、支持体が湿潤紙力増強剤を対パルプ100質量部当たり0.2質量部以上含有することを特徴とする圧着記録用紙である。
上記の圧着記録用紙において、感圧接着層が顔料として吸油量200ml/100g未満である顔料を含有することを特徴とする圧着記録用紙である。
更には、支持体の密度が0.6〜0.8g/cm3であり、感圧接着層がカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70質量%以上含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、該アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率が、20/80〜50/50質量%であることを特徴とする圧着記録用紙である。
感圧接着層の接着力(剥離強度)の経時による変化が少なく、圧着記録用紙が水に濡れた場合にも、それが乾燥した後の接着力(剥離強度)の変化が小さく、又、紙を支持体として用いた場合でも紙が材破することなく、更には水に濡れた状態で剥離しても、問題なく剥離可能な圧着記録用紙を提供することができる。
また、圧着時のシーラー感度を適正な範囲で低く抑えることにより、圧着時の接着力(剥離強度)の調整を容易にし、作業性を改善した圧着記録用紙を提供することができる。
本発明のアクリル系エマルジョンは、モノマー成分として、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステル(以下、両者を「アクリル系モノマー」ということがある)の少なくとも一種を用い、これを乳化重合して得られるものである。
ここで、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルを例示する。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等。
次に、アルコキシ基の炭素数が1〜4のアクリル酸アルコキシエチルエステルを例示する。
アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル等。
これらのアクリル酸アルキルエステル及びアクリル酸アルコキシエチルエステルは単独でもそれらを2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明ではアクリル系モノマーのアルキル基の炭素数が大きくなると、塗工面のタックが強くなる傾向にあるので、適度なタックを有する点からアクリル酸メチル、アクリル酸エチル及びアクリル酸ブチル等のアルキル基の炭素数が1〜4のアクリル酸アルキルエステルが好ましく、その中でもアクリル酸エチルが低タック性と自己接着性とのバランスが極めて良好なため特に好ましい。
本発明のアクリル系エマルジョンでは、モノマー成分として、上記のアクリル系モノマーを、全モノマー量の70質量%以上用いることが必要であるが、これらのアクリル系モノマーの他に、該アクリル系モノマーと共重合可能なビニル系不飽和モノマーを、全モノマー量の30質量%以下の範囲で用いることもできる。目的に応じ、このようなビニル系不飽和モノマーとして非官能性モノマーや親水性の官能基を有するモノマー等を用いることができる。
更に、これらのビニル系不飽和モノマーの中の非官能性モノマーを次に例示する。
酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、スチレン、アクリロニトリル等。
それらのホモポリマーのガラス転移温度が30℃以上であるモノマーを用いることが好ましい。これらの非官能性モノマーを用いることによって、重合体のタックを低減させることができる。
又、これらのビニル系不飽和モノマーの中の親水性の官能基を有するモノマーを例示する。
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するビニル系不飽和モノマー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の水酸基を有するビニル系不飽和モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基を有するビニル系不飽和モノマー、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のN−メチロール基を有するビニル系不飽和モノマー、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリルレート等のアミノ基を有するビニル系不飽和モノマー、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル系不飽和モノマー等。
これらの親水性の官能基を有するモノマーを用いることによって、得られるエマルジョンをより安定化させることができる。
ビニル系不飽和モノマーの中で親水性の官能基を有するモノマーを全モノマー量の好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下用いると、エマルジョン組成物において最適な自己接着性が得られる。
更に、タック性と自己接着力を最適な状態でバランスさせるために、上記モノマー成分を選択して、乳化重合により得られた重合体のガラス転移温度を−50〜0℃に調整することが好ましい。
本発明のアクリル系エマルジョンは、上記したモノマー成分を、カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、乳化重合させることにより得ることができる。該高分子分散剤は、乳化重合の際の乳化剤として用いられ、乳化重合を円滑に進行させ、得られたエマルジョンを安定に保つ作用をする。更に、それ自体が凝集力を有し、得られるエマルジョンの塗工面同士の接触界面において自己接着性を増強する作用をする。そのように考えられ、本発明のアクリル系エマルジョンは高い自己接着性を有し、低タック性と自己接着性のバランスのとれたものである。
ここで、高分子分散剤として用いる重合体の必須モノマー成分であるカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを例示する。
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸及び無水イタコン酸等。
これらのモノマーは、単独でも2種類以上混合して用いることもできる。
本発明において高分子分散剤として用いる重合体は、これらのカルボン酸若しくは酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーのみをモノマー成分とする重合体でもビニル系不飽和モノマー及びこれらのモノマーと共重合可能な他のビニル系不飽和モノマーをモノマー成分とする共重合体でもよい。
次に、カルボン酸若しくは酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーと共重合可能なビニル系不飽和モノマーを例示する。
メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン酸ソーダ等のスルホン酸系モノマー、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等のマレイン酸エステル類、酢酸ビニル及びスチレン等。
乳化重合時の安定性が良好で、得られるエマルジョンの安定性も良好なため、高分子分散剤として用いる重合体の数平均分子量は400〜10000が好ましい。又、該重合体は、酸価が200以上であることが好ましく、該重合体が、カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーの他に、これと共重合可能なビニル系不飽和モノマーをモノマー成分として含む共重合体である場合には、酸価が200以上となるようにモノマー成分の種類及び量を選択することが好ましい。
更に、カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体の中で、本発明において好適に使用し得るものを例示する。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸・スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキルエステル・スチレン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等。
これらの重合体の中で、ポリメタクリル酸、メタクリル酸共重合体等が、自己接着性の点で優れているので、特に好適に使用できる。
該カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体は、例えば、水中、親水性有機溶媒中又は水と親水性有機溶媒との混合液中において、ラジカル重合開始剤を用いて、上記のモノマーを重合することにより得ることができる。
ここで、この際使用し得る親水性有機溶媒を例示する。
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類。
更に、ラジカル重合開始剤を例示する。
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2、2−アゾビスイソブチロニトリル、2、2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合モノマー全量に対して、好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。
又、重合時の反応温度は通常50〜120℃である。
更に、反応時間は、通常1〜16時間、好ましくは2〜8時間である。
使用した有機溶媒は、乳化重合によりアクリル系エマルジョンを得る際に、連鎖移動剤として作用するため、昇温及び必要に応じて減圧することにより、重合後に留去することが好ましい。
カルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体に含まれるカルボキシル基は、その一部又は全部を中和して、アルカリ中和塩の形で高分子分散剤として用いられる。
ここで、中和に用いるアルカリ化合物を例示する。
モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン等のアミン化合物、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物等。
中和度が30〜100%であると、親水性も充分で、安定なエマルジョンが得られる。
又、本発明で使用し得る市販されている高分子分散剤を例示する。
タフチックAD(商標:東洋紡績(株)製)、SN−4(商標:住友ダウ(株)製)等。
更に、特公昭46−10786号公報に記載の末端にアルキルサルファイド基を有するオリゴマーも高分子分散剤として使用できる。
上記高分子分散剤の使用量は、安定性に非常に優れたエマルジョンが得られ、最適な自己接着性も得られるため、モノマー全量に対して、0.1〜5.0質量%、好ましくは0.2〜2.5質量%である。
本発明では、乳化重合に際して、上記高分子分散剤と併用して、通常の乳化重合に用いられる一般的な乳化剤を用いることができる。これらの乳化剤は、得られたエマルジョンを自己接着性接着剤として使用する際に、乳化剤が塗工表面に移行し自己接着性を阻害するおそれがあるのでその量を慎重に決定しなければならない。
特に、これらの乳化剤で分子構造中にエチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基等を有するものは、乳化重合時の連鎖移動反応により、低分子量の重合体成分を生じやすく、これらの低分子量の重合体が塗工表面へ移行して自己接着性を阻害する問題を引起こす要因となりやすい。従って、分子構造中にエチレンオキサイド基及びプロピレンオキサイド基等を有する乳化剤を用いるときは、それらの基を有しない乳化剤よりも使用量を少なくして、自己接着性を阻害する問題を引起こさせないように注意しなければならない。
以下に乳化剤を例示する。
最初に、アニオン性乳化剤を例示する。
オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル及びポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル燐酸エステル等。
次に、ノニオン性乳化剤を例示する。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンプロックポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等。
更に、カチオン性乳化剤を例示する。
ステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド及びトリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド等。
最後に、両イオン性乳化剤を例示する。
ラウリルベタイン及びラウリルジメチルアミンオキサイド等。
これらの乳化剤のなかで、いわゆる反応性乳化剤として市販されている、分子構造中に重合性の2重結合を有するものは、重合体粒子と結合しやすいので乳化剤が移行しにくく、そのため自己接着性の低下度合が低いので、高分子分散剤と併用して補助的に用いるものとして特に好ましい。
更に、このような反応性乳化剤を例示する。
アデカリアソープSE−10N(商標:旭電化工業(株)製)、ラテムルS−180(商標:花王(株)製)、エレミノールJS−2(商標:三洋化成工業(株)製)、アクアロンHS−10(商標:第一工業製薬(株)製)及びアントックスMS−60(商標:日本乳化剤(株)製)。
ここで、本発明で必須のアクリル系エマルジョンの製造方法である乳化重合の一例を示す。その乳化重合は従来から行われている方法によればよい。
高分子分散剤又は高分子分散剤及び乳化剤の存在下で、水媒体中で攪拌下に所定温度でモノマー及び重合開始剤を一度に供給するか連続的に供給する。モノマーはそのままで供給するか水と乳化剤によりモノマーエマルジョンの状態として供給する。
モノマー濃度は、仕込量の全量に対して通常30〜70質量%、好ましくは35〜65質量%である。
更に、重合開始剤を例示する。
過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2,2.−アゾビスイソブチロニトリル及び2,2.−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系合開始剤等のラジカル重合開始剤。
重合開始剤としてラジカル重合開始剤を用いる場合は重合モノマー全量に対して通常0.05〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%使用する。
レドックス重合を行うために、ラジカル重合開始剤と併用して還元剤を使用することもできる。
更に、還元剤を例示する。
次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム及びホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート等。
還元剤を用いる場合は重合開始剤100質量部に対して通常10〜100質量部使用する。
乳化重合時の反応温度は通常20〜90℃であるが、重合反応時において低分子量成分の生成を少なくする意味から20〜60℃が好ましい。
反応時間は、通常1〜16時間、好ましくは2〜8時間である。
本発明のアクリル系エマルジョンを例示する。
リカボンドAP−210(商標:中央理化工業(株)製)、リカボンドAP−215(商標:中央理化工業(株)製)、リカボンドAP−216(商標:中央理化工業(株)製)。
本発明の感圧接着層には、上記アクリル系エマルジョンと併用して、少なくとも一種の天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有させることが不可欠である。
ここで、天然ゴムをグラフト化する不飽和モノマーを例示する。
メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、アクリルアミド、ビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド及びメタクリル酸グリシジル等。
これらの中でも、ホモポリマー作製などの副反応が起こりにくく、グラフト化反応が確実に進行することから、メタクリル酸メチル、スチレン及びアクリロニトリルが好ましい。これらの不飽和モノマーは単独でも2種以上併用してもよい。
天然ゴムにグラフト化される不飽和モノマーのグラフト化率は、塗液スラリーの機械的安定性の観点及び加圧したときに発現する接着力(剥離強度)を十分なものとする点から10〜40質量%が好ましい。
本発明における感圧接着層に用いられるアクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体との比率は、20/80〜50/50質量%であることが不可欠である。
アクリル系エマルジョンの比率が20質量%未満であると、接着力(剥離強度)の経時による変化、即ち高湿状態で保管された時の接着力(剥離強度)の増大が大きい。また、雨水等によって圧着記録用紙が水に濡れた場合、乾燥後の接着力(剥離強度)の増大が大きいために、紙を支持体として用いた場合に、剥離時に紙が材破することがある。
更には、圧着記録用紙が水に濡れた状態で剥離を行うと、ほとんどの場合材破してしまうこととなる。
また、アクリル系エマルジョンの比率が50質量%を超えると、高湿状態で保管された時の接着力(剥離強度)の低下が大きくなり、また、雨水等によって圧着記録用紙が水に濡れた場合、接着力(剥離強度)が低下するために、接着されていたものが自然に剥離してしまうという現象、即ち「口開き」が発生することがある。この「口開き」は圧着記録用紙において致命的な欠陥である。
何故「口開き」という現象が発生するのかその理由は明確ではないが、感圧接着層の接着剤として、アクリル系エマルジョンを併用せずに、天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を単独で用いた場合には、水又は空気中の水分の影響を受け、接着力(剥離強度)が増大する。
逆に、感圧接着層の接着剤として、天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を併用せずに、アクリル系エマルジョンを単独で用いた場合には、水又は空気中の水分の影響を受け、接着力(剥離強度)が低下する。
このようにして「口開き」という現象が発生するものと本発明者等は推定する。
即ち、本発明において、感圧接着層に用いられる接着剤としては、アクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体は、必須成分であり、それらの比率を20/80〜50/50質量%とすることも必須であり、それらの必須成分を充足し必須条件を満たすことにより初めて接着力(剥離強度)の経時変化が非常に少なく、雨水等によって水に濡れた場合でも、その乾燥後の接着力(剥離強度)の変化が小さい圧着記録用紙を得ることができるのである。
更には、支持体が湿潤紙力増強剤を対パルプ100質量部当たり0.2質量部以上含有することにより、圧着記録用紙が水に濡れた状態でも、材破することなく剥離が可能(高耐水性)となる。
通常、感圧接着層中には、印刷適性を付与し、ブロッキングを防止する等のために、顔料が含有されている。
ここで、それらの顔料を例示する。
最初に、白色無機顔料を例示する。
軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウム等。
次に、有機顔料を例示する。
スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン及び澱粉粒子等。
それらの顔料の中でシリカ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム及び澱粉粒子が好ましい。
顔料としては、空気中の水分の影響を極めて受けにくく、特に高湿環境下における接着力(剥離強度)の経時変化が非常に小さくなり、更に、圧着記録用紙が雨等により水に濡れた場合でも、濡れる前に対し濡れてから乾燥した後の接着力(剥離強度)の変化が激減するので、吸油量が200ml/100g未満の顔料を用いることが好ましく、150ml/100g未満の顔料を用いることが一層好ましく、120ml/100g未満の顔料を用いることが特に好ましい。
また、通常、感圧接着層中には、必要最低限の塗層強度を与えるために、バインダーも含有させる。
これらのバインダーを例示する。
澱粉類、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン及びカゼイン等のプロティン、スチレン−ブタジエン系及びエチレン酢酸ビニル等の共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩及びイソブチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性バインダー並びにポリアクリル酸エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体及びポリウレタン等の水溶性バインダー等。
それらのバインダーの中で、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス及びポリビニルアルコールが好ましい。これらのバインダーは単独でも2種以上混合して使用してもよい。
更に、粘着性の増強、接着力(剥離強度)の制御及び増粘等を目的として、感圧接着層に粘着性付与剤、離型剤及び熱可塑性樹脂等を含有させることもできる。
最初に、これらの粘着性付与剤を例示する。
ロジン系樹脂及びその誘導体、テルペン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、キシレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂並びに石油樹脂等。
粘着性付与剤は接着性、耐ブロッキング性及び耐熱性を損なわない範囲で併用できる。
次に、接着力制御のために用いられる離型剤を例示する。
各種パラフィン、ワックス、脂肪酸及びその誘導体、高級アルコール類、金属石鹸類並びにシリコーン樹脂類等。
離型剤は圧着記録用紙として求められる必要最低限の接着性を妨げない範囲で用いることができる。
更に、離型剤と同様に接着性を制御する目的で、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、イソブレン系、1,2−ブタジエン系、塩化ビニル系、アミド系及びアイオノマー系等の熱可塑性エラストマーの水性分散物並びにポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、PVA樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AAS樹脂、繊維素誘導体、熱可塑性ポリウレタン、ポリビニルブチラール樹脂及びポリ−4−メチルペンテン−1樹脂の水性分散物等を、圧着記録用紙として必要最低限の接着性を妨げない範囲で用いることができる。
又、分散剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増泊剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、帯電防止剤、老化防止剤及び酸化防止剤を感圧接着層に含有させることも可能である。
尚、ここで云う圧着記録用紙として求められる必要最低限の接着性とは、圧着シーラーによる加圧により接着することができ、経時により自然に剥離しない接着力を意味する。
感圧接着層の塗工量としては、適正なフォーム印刷時の着肉性維持の目的、適正なフォーム印刷時の接着力(剥離強度)維持の目的、トナーの転写(受理)ムラ防止の目的、接着力(剥離強度)の上昇による再剥離困難化防止の目的、適正なフォーム印刷時の耐刷性維持の目的及び乾式電子写真方式による印字におけるプレヒート板汚れ防止の目的から、3〜10g/m2が好ましい。
支持体として、紙、不織布、合成紙、金属フィルム、ポリエステルフィルム及びレジンコート紙等のシート並びにこれらのシートを貼り合せて得られる複合シートを用いることができるが、感圧接着層塗工工程及び親展記録用紙として使用する際の加工工程を考慮した場合、特性的に適しており経済的でもあるので紙を用いることが好ましい。
紙は、木材パルプと顔料を主成分として構成される。ここで云う木材パルプには、LBKP及びNBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP及びCGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ並びに合成パルプ等が含まれる。
また、本発明においては、高耐水性を得るためには、支持体内部に湿潤紙力増強剤を含有する。湿潤紙力増強剤には、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキザール変性ポリアクリルアミド、ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミンなどがある。これらの中で代表的なものとして、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂があげられる。ポリアミド樹脂は、低添加量で高湿潤紙力が得られる、幅広いpH領域で使用できる、ホルマリンフリーである、等の長所がある。メラミン樹脂は、湿潤紙力の立ち上がりが早い、寸法安定性、耐アルカリ性、耐紫外線に優れた紙を成す、等の長所を持つ。
紙の乾燥強度はセルロース間に働く水素結合によるところが大きい。湿潤により繊維間の結合が解かれるのは水の浸入が水素結合の破壊を引き起こすためである。ポリアミド樹脂の湿潤紙力発現機構は、紙の乾燥工程で自己架橋した樹脂が繊維交絡点への水の浸透を防止することによる。一方メラミン樹脂の湿潤紙力発現機構は、樹脂中のメチロール基がセルロース水酸基との間に耐水性に優れた結合を成すことによる。パルプ段階で湿潤紙力増強剤を添加することで、紙が湿潤したときの強度が向上する。
湿潤紙力増強剤は対パルプ100質量部当たり0.2質量部以上含有する。
湿潤紙力増強剤を含有しない場合、或いは含有していても、対パルプ100質量部当たり0.2質量部未満の場合、十分な湿潤紙力が無いため、感圧接着記録用紙が水に濡れた状態で剥離を行うと支持体が材破してしまう。
湿潤紙力増強剤が、対パルプ100質量部当たり2.0質量部以上含有しても、湿潤紙力増強効果は飽和状態にあり、向上はみられない。過剰な添加は、コスト高となるばかりでなく、抄紙機のプレス毛布汚れ等の原因となることから、操業上の問題を引き起こすことが懸念される。
支持体が対パルプ100質量部当たり0.2質量部以上の湿潤紙力増強剤を含有し、感圧接着層がカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70質量%以上含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、該アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率が、20/80〜50/50質量%である場合に、感圧接着記録用紙が水に濡れた状態でも剥離可能(高耐水性)となる。
更に、シーラー感度を適正な範囲で低く抑えるためには、支持体の密度を0.6〜0.8g/cm3にすることが好ましい。
ここで言うシーラー感度の適正な範囲とは、シーラーの機種によっても異なるので、一概には限定できないが、シーラー目盛り(横軸)に対して、剥離強度(縦軸、N/25mm)をプロットした時の直線の傾き(N/25mm・目盛り)が、概ね−0.07〜−0.11の範囲である。傾きの絶対値がこの範囲より大きいと感度が高すぎて、接着力(剥離強度)の調整が難しく、この範囲より小さいと平坦になりすぎて、圧着することができる接着力(剥離強度)の幅が狭くなってしまう。
支持体の密度を調整する手段としては、原料パルプ配合、パルプ濾水度、内添填料の調整、抄紙時のプレス圧の調整の他、市販の嵩高剤を添加する方法等がある。
上記手段により、支持体を低密度で製造することにより、圧着時の支持体のクッション性が高まり、シーラー感度を抑えることができる。
支持体の密度を0.6〜0.8g/cm3にした場合でも、感圧接着層の接着剤が、天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の場合、その効果は十分でなく、感圧接着層がカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70質量%以上含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、該アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率が、20/80〜50/50質量%である場合に、十分な効果を発揮する。
これらの紙には必要に応じて製紙業で使用されている顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤及び染料等の各種添加剤を1種以上混合し、長網抄紙機、円網抄紙機及びツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で抄造することができる。この紙は酸性紙、中性紙及びアルカリ性紙のいずれであってもよい。また、本発明で用いることのできる紙支持体には、非塗工紙である上質紙並びに塗工紙であるアート紙、コーテッド紙及びキャスト紙等が含まれる。
次に、支持体に感圧接着層を塗工又は含浸する方法を例示する。これらの方法はオンマシンでもオフマシンでも適用できる。
各種グラビアコータ、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、Uコンマコータ、AKKUコータ、スムージングコータ、ショートドウェルコータ、ディップコータ、落下カーテンコータ、スライドコータ、ダイコータ、サイズプレス及びシムサイザー等の各種塗工装置による方法並びにグラビア、オフセット、凸版及び平版等の印刷方式等。
感圧接着層の強度の向上、表面の平滑性の向上、表面の光沢性の向上及び摩擦係数のコントロールを目的として、支持体に感圧接着層を塗工又は含浸後、感圧接着層の表面にカレンダー処理を施すこともできる。
このカレンダー処理により、感圧接着層の強度が向上するため塗工層の脱落がなくなり、印刷適性が格段に向上する。更に、表面の平滑性及び光沢性が向上することにより、印刷物としての見栄えが極めて良くなる。
但し、過度のカレンダー処理は、折角の支持体の低密度化による、シーラー感度抑制の効果を損なうこととなるので、注意を要する。
更に、カレンダー処理の手段を例示する。
マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー及びソフトカレンダー等のカレンダー加工機。
カレンダーのロールとしては金属ロール及び樹脂ロール等が使用できる。カレンダー処理を行う圧力及びカレンダーの通紙回数は、支持体の種類や厚さ及び感圧接着層の厚さにより決定される。
圧着記録用紙の加工方法としては、支持体の片面に感圧接着層を設けた圧着記録用紙を”V”の字状に折り曲げて圧着することで印字部分全面を隠蔽する方法(二つ折りはがき)、”L”字状に折り曲げてから圧着させることで印字情報の一部のみを隠蔽する方法(二つ折りはがき)、支持体の両面に感圧接着層を設けた一枚の圧着記録用紙を”Z”字状に折り曲げることで印字部分を隠蔽し、片面は再剥離可能に、もう一方の片面は剥離困難に圧着する方法(三つ折り4面はがき)及び両面とも再剥離可能に圧着する方法(三つ折り6面はがき)等がある。それらの方法で加工された圧着記録用紙は、親展通信情報が完全に隠蔽された状態で郵送される。受取人が郵送されてきた圧着記録用紙を剥離して親展通信内容を確認する。この圧着記録用紙は剥離した後には再度接着することができないので、剥離性隠蔽はがきとして十分に機能する。
尚、圧着記録用紙では情報を完全に機密に保つ必要があるため、不透明であることが近年強く要求されるようになっている。その求められている好ましい不透明度は90%以上、特に95%以上である。近年強く要求されている不透明度を確保するための手段としては、感圧接着層又は支持体内部に二酸化チタンのような散乱係数の高い顔料を含有する方法や感圧接着層又は支持体内部に着色剤を含有する方法等がある。
更に、圧着記録用紙の白色度は上記不透明度と密接な関係を持っている。圧着記録用紙の外見上及び情報の読み取り性の点から白色度は高い方が好ましいが、白色度が高いと不透明度が同じでも圧着後の内部情報が透けやすいため、実用的には圧着記録用紙の白色度は75〜85%が好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。しかし、本発明の内容は実施例及び比較例に限定されない。尚、実施例及び比較例に示す「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%である。
(支持体1の作製)
LBKP/NBKP=9/1を離解し、濾水度380mlCSFに叩解、炭酸カルシウムを対パルプ100部当たり10部、カチオン化澱粉を対パルプ100部当たり0.4部、硫酸バンドを対パルプ100部当たり1部、AKDを対パルプ100部当たり0.14部添加し、長網式抄紙機を用いて坪量120g/m2、密度0.85g/cm3になるように支持体1を作製した。
(支持体2の作製)
湿潤紙力増強剤としてポリアミド樹脂(商品名:WS−525、星光PMC社製)を対パルプ100部当たり0.1部添加した以外は支持体1と同様にして支持体2を作製した。
(支持体3の作製)
湿潤紙力増強剤としてポリアミド樹脂(商品名:WS−525、星光PMC社製)を対パルプ100部当たり0.2部添加した以外は支持体1と同様にして支持体3を作製した。
(支持体4の作製)
湿潤紙力増強剤としてポリアミド樹脂(商品名:WS−525、星光PMC社製)を対パルプ100部当たり0.5部添加した以外は支持体1と同様にして支持体4を作製した。
(支持体5の作製)
湿潤紙力増強剤としてポリアミド樹脂(商品名:WS−525、星光PMC社製)を対パルプ100部当たり2.0部添加した以外は支持体1と同様にして支持体5を作製した。
(支持体6の作製)
支持体1のパルプ配合、パルプ濾水度、内添填料の調整、抄紙時のプレス圧の調整を行い、坪量120g/m2、密度0.80g/cm3になるように支持体6を作製した。
(支持体7の作製)
支持体1のパルプ配合、パルプ濾水度、内添填料の調整、抄紙時のプレス圧の調整を行い、坪量120g/m2、密度0.70g/cm3になるように支持体7を作製した。
(支持体8の作製)
支持体1のパルプ配合、パルプ濾水度、内添填料の調整、抄紙時のプレス圧の調整を行い、坪量120g/m2、密度0.60g/cm3になるように支持体8を作製した。
(支持体9の作製)
支持体1のパルプ配合、パルプ濾水度、内添填料の調整、抄紙時のプレス圧の調整を行い、坪量120g/m2、密度0.50g/cm3になるように支持体9を作製した。
本発明のアクリル系エマルジョンとして(商品名:リカボンドAP−215、中央理化工業社製)20部を、天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体としてメタクリル酸メチルを40%グラフト化した天然ゴム誘導体(商品名:サイビノールX−103−204E、サイデン化学社製)80部を、顔料として合成シリカ(商品名:ミズカシルP−707、吸油量270ml/100g、水沢化学工業社製)30部を、更に他の成分として小麦澱粉100部、部分鹸化型ポリビニルアルコール2部及びスチレン−ブタジエンラテックス10部を配合して感圧接着層組成物を調製した。エアーナイフコータでその感圧接着層組成物を支持体1に固形分塗工量が5g/m2となるように塗工し、乾燥させて実施例1の圧着記録用紙を作製した。
実施例1におけるアクリル系エマルジョン20部を30部とし、実施例1における天然ゴム誘導体80部を70部とした以外は実施例1と同様にして実施例2の圧着記録用紙を作製した。
実施例1におけるアクリル系エマルジョン20部を40部とし、実施例1における天然ゴム誘導体80部を60部とした以外は実施例1と同様にして実施例3の圧着記録用紙を作製した。
実施例1におけるアクリル系エマルジョン20部を50部とし、実施例1における天然ゴム誘導体80部を50部とした以外は実施例1と同様にして実施例4の圧着記録用紙を作製した。
実施例1における合成シリカ(商品名:ミズカシルP−707、吸油量270ml/100g、水沢化学工業社製)を合成シリカ(商品名:ミズカシルP−603、吸油量115ml/100g、水沢化学工業社製)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の圧着記録用紙を作製した。
実施例2における合成シリカ(商品名:ミズカシルP−707、吸油量270ml/100g、水沢化学工業社製)を合成シリカ(商品名:ミズカシルP−603、吸油量115ml/100g、水沢化学工業社製)に変更した以外は実施例2と同様にして実施例6の圧着記録用紙を作製した。
実施例3における合成シリカ(商品名:ミズカシルP−707、吸油量270ml/100g、水沢化学工業社製)を合成シリカ(商品名:ミズカシルP−603、吸油量115ml/100g、水沢化学工業社製)に変更した以外は実施例3と同様にして実施例7の圧着記録用紙を作製した。
実施例4における合成シリカ(商品名:ミズカシルP−707、吸油量270ml/100g、水沢化学工業社製)を合成シリカ(商品名:ミズカシルP−603、吸油量115ml/100g、水沢化学工業社製)に変更した以外は実施例4と同様にして実施例8の圧着記録用紙を作製した。
(比較例1)
実施例1におけるアクリル系エマルジョン20部を10部とし、天然ゴム誘導体80部を90部とした以外は実施例1と同様にして比較例1の圧着記録用紙を作製した。
(比較例2)
実施例1におけるアクリル系エマルジョン20部を70部とし、天然ゴム誘導体80部を30部とした以外は実施例1と同様にして比較例2の圧着記録用紙を作製した。
(比較例3)
実施例5におけるアクリル系エマルジョン20部を10部とし、天然ゴム誘導体80部を90部とした以外は実施例5と同様にして比較例3の圧着記録用紙を作製した。
(比較例4)
実施例5におけるアクリル系エマルジョン20部を70部とし、天然ゴム誘導体80部を30部とした以外は実施例5と同様にして比較例4の圧着記録用紙を作製した。
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた圧着記録用紙を下記の試験方法により評価した。
1.剥離強度(試験前):日本エーディーエム社製の圧着シーラー(MS9100)を用いて、シートを三つ折りにし接着させた後、JIS K6854に準じたT型剥離試験を行って剥離強度を測定した。その結果、比較例2を除く、他の実施例及び比較例は圧着記録用紙として、再剥離に好適な0.4〜1.0N/25mmの剥離強度が得られた。しかし、比較例2は最小目盛り(最も圧力が高い設定)で接着させた場合でも0.8N/25mmの剥離強度であった。即ち、使用可能な剥離強度の幅が狭すぎ、実用に適さない。
2.剥離強度の経時安定性:実施例1〜8及び比較例1〜4の圧着記録用紙を上記の圧着シーラーにより、剥離強度が約0.6N/25mmになるように調整し接着させた。その後、気温23℃及び湿度50%の条件下並びに気温40℃及び湿度90%の条件下で7日間放置後剥離強度を測定した。7日間放置後の剥離強度が初期の剥離強度から変化のないことが理想だが、0.3N/25mm以上、1.8N/25mm以下であれば、剥離時の紙の材破や、輸送途中における自然開封等の問題が生ずるおそれが少ない。一方、剥離強度が0.3N/25mm未満だと輸送途中に自然開封等の問題が発生することがあり、1.8N/25mmを超えると剥離時の紙が材破することが多くなる。
3.耐水性:実施例1〜8及び比較例1〜4の圧着記録用紙を上記の圧着シーラーで、剥離強度約0.6N/25mmになるように調整して接着させた。その後、水に24時間浸せきした後、気温23℃、湿度50%の条件下で24時間風乾させ、剥離強度を測定した。風乾後の剥離強度が初期の剥離強度から変化のないことが理想だが、0.3N/25mm以上、1.8N/25mm以下であれば、剥離時の紙の材破や、輸送途中における自然開封等の問題が生ずるおそれが少ない。一方、剥離強度が0.3N/25mm未満だと輸送途中に自然開封等の問題が発生することがあり、1.8N/25mmを超えると剥離時の紙が材破することが多くなる。尚、剥離強度の測定時に、剥離強度の上昇が大きいために紙が材破して測定できなかったものは、「材破」と表記した。又、耐水性の評価中、水に浸せき中自然に開封してしまったものは、「口開き」と表記した。「材破」も「口開き」も圧着記録用紙にとって、致命的な欠陥である。
上記1〜3の評価方法による結果を表1に示す。
Figure 2006200110
表1の結果から明らかなように、感圧接着層中にアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率を、20/80〜50/50%とすることにより、接着力(剥離強度)の経時による変化が少なく、水に濡れた場合に乾燥した後の接着力(剥離強度)の変化が小さい圧着記録用紙を提供できる。また、吸油量200ml/100g未満の顔料を使用することにより、それらの効果が顕著となる。
アクリル系エマルジョンの比率が20%未満であると接着力(剥離強度)の経時による変化及び水濡れ乾燥後の接着力(剥離強度)の変化が大きくて、材破となる可能性も高くなり、その比率が50%を超えると口開きとなる可能性が高くなる。
実施例1における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例9の圧着記録用紙を作製した。
実施例2における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例10の圧着記録用紙を作製した。
実施例3における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例3と同様にして実施例11の圧着記録用紙を作製した。
実施例4における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例4と同様にして実施例12の圧着記録用紙を作製した。
実施例5における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例5と同様にして実施例13の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例14の圧着記録用紙を作製した。
実施例7における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例15の圧着記録用紙を作製した。
実施例8における支持体1を支持体3に変更した以外は、実施例8と同様にして実施例16の圧着記録用紙を作製した。
実施例2における支持体1を支持体4に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例17の圧着記録用紙を作製した。
実施例2における支持体1を支持体5に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例18の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体4に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例19の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体5に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例20の圧着記録用紙を作製した。
実施例2における支持体1を支持体2に変更した以外は、実施例2と同様にして実施例21の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体2に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例22の圧着記録用紙を作製した。
(参考例1)
比較例1における支持体1を支持体3に変更した以外は、比較例1と同様にして参考例1の圧着記録用紙を作製した。
(参考例2)
比較例2における支持体1を支持体3に変更した以外は、比較例2と同様にして参考例2の圧着記録用紙を作製した。
(参考例3)
比較例3における支持体1を支持体3に変更した以外は、比較例3と同様にして参考例3の圧着記録用紙を作製した。
(参考例4)
比較例4における支持体1を支持体3に変更した以外は、比較例4と同様にして参考例4の圧着記録用紙を作製した。
実施例9〜22、実施例2、実施例6及び参考例1〜4で得られた圧着記録用紙を下記の試験方法により評価した。
4.高耐水性:実施例9〜22、実施例2、実施例6及び参考例1〜4の圧着記録用紙を上記の圧着シーラーで、剥離強度約0.4N/25mmになるように調整して接着させた。その後、水に24時間浸せきした後、圧着記録用紙表面の水分を軽く濾紙で拭き取り、剥離を行った。試験はN=10で行い、問題なく剥離可能であったものをカウントした。同様の試験を初期剥離強度が約1.0N/25mm及び約1.5N/25mmになるように調整したもので行った(参考例2は最小目盛りで接着させた場合でも、0.8N/25mmの剥離強度しか得られないので、初期剥離強度1.0、1.5N/25mmでの試験では除外した)。尚、参考例2、4は、水に浸せき中自然に開封してしまったので、「口開き」と表記した。通常、剥離強度が好適な範囲(初期剥離強度0.4〜1.0N/25mm)で良好であれば、問題ない。
上記4の評価方法による結果を表2に示す。
Figure 2006200110
表2の結果から明らかなように、感圧接着層中にアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率を、20/80〜50/50質量%とし、更に支持体に湿潤紙力増強剤を対パルプ100部当たり0.2部以上含有させることにより、水に濡れた状態で剥離しても問題なく剥離可能な圧着記録用紙を提供できる。また、吸油量200ml/100g未満の顔料を使用することにより、それらの効果が顕著となる。
支持体に含有する湿潤紙力増強剤が対パルプ100部当たり0.2部以上であると、水に浸せき前の剥離強度が好適な範囲(初期剥離強度0.4〜1.0N/25mm)の場合、水に濡れた状態で剥離しても問題なく剥離可能になる。
実施例6における支持体1を支持体6に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例23の圧着記録用紙を作製した。
実施例5における支持体1を支持体7に変更した以外は、実施例5と同様にして実施例24の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体7に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例25の圧着記録用紙を作製した。
実施例7における支持体1を支持体7に変更した以外は、実施例7と同様にして実施例26の圧着記録用紙を作製した。
実施例8における支持体1を支持体7に変更した以外は、実施例8と同様にして実施例27の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体8に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例28の圧着記録用紙を作製した。
実施例6における支持体1を支持体9に変更した以外は、実施例6と同様にして実施例29の圧着記録用紙を作製した。
(参考例5)
比較例3における支持体1を支持体7に変更した以外は、比較例3と同様にして参考例5の圧着記録用紙を作製した。
(参考例6)
比較例4における支持体1を支持体7に変更した以外は、比較例4と同様にして参考例6の圧着記録用紙を作製した。
実施例23〜29、実施例6及び参考例5〜6で得られた圧着記録用紙を下記の試験方法により評価した。
5.シーラー感度:実施例23〜29、実施例6及び参考例5〜6の圧着記録用紙を上記の圧着シーラーで、シーラー目盛りを変化させて圧着し、そのときの剥離強度を測定した。次いで、シーラー目盛りを横軸にとり、剥離強度(N/25mm)を縦軸にとったときの、直線の傾き(N/25mm・目盛り)を求めて表記した。直線の傾きが、−0.07〜−0.11の範囲であれば好適である。傾きの絶対値がこの範囲より大きいと感度が高すぎて、接着力(剥離強度)の調整が難しく、この範囲より小さいと平坦になりすぎて、圧着することができる接着力(剥離強度)の幅が狭くなってしまう。
上記5の評価方法による結果を表3に示す。
Figure 2006200110
表3の結果から明らかなように、感圧接着層中にアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率を、20/80〜50/50質量%とし、支持体の密度を0.6〜0.8g/cm3とすることにより、シーラーの感度が好適な−0.07〜−0.11の範囲に入ることがわかる。

Claims (4)

  1. 支持体の少なくとも一方の面に、通常状態では粘着性も接着性も示さず、加圧により剥離可能な接着性を示す感圧接着層を有する圧着記録用紙において、感圧接着層がカルボン酸又は酸無水物の形態のビニル系不飽和モノマーを必須モノマー成分とする重合体のアルカリ中和塩からなる高分子分散剤の存在下で、炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシエチルエステルの少なくとも一種を70質量%以上含むモノマー成分を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョン及び天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体を含有し、該アクリル系エマルジョンと天然ゴム又は天然ゴムに不飽和モノマーをグラフト化した天然ゴム誘導体の比率が、20/80〜50/50質量%であることを特徴とする圧着記録用紙。
  2. 支持体が湿潤紙力増強剤を対パルプ100質量部当たり0.2質量部以上含有することを特徴とする請求項1記載の圧着記録用紙。
  3. 感圧接着層が吸油量200ml/100g未満である顔料を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の圧着記録用紙。
  4. 支持体の密度が0.6〜0.8g/cm3であることを特徴とする請求項1記載の圧着記録用紙。
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