JP2005298551A - 擬似接着用紙およびその製造方法 - Google Patents

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諭 秋山
Mitsuaki Shimazu
光章 嶋津
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Abstract

【課題】隠蔽性に優れた先糊方式の擬似接着用紙が提供する。
【解決手段】JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定される、一方の面のL*値が88〜99であり、かつ、他方の面のL*値が55〜85であることを特徴とする擬似接着用紙により解決される。

Description

本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる機能を有する擬似接着用紙およびその製造方法に関する。特に、基紙に擬似接着剤層を設けた後、当該擬似接着剤層に対して、文字・図形等を印刷・印字等して使用される先糊方式の擬似接着用紙に関する。
擬似接着用紙は、親展情報等の各種情報を印字・印刷した擬似接着剤層面を内面にして折り畳み、重ね合わせ面を擬似接着して情報を隠蔽して郵送し、受取人が擬似接着部分を剥離して隠蔽情報を読み取る葉書システム等、高い隠蔽性が要求される用途に使用される。
隠蔽性を高める手段の一つとして、紙中の填料量を高めて不透明度を高める方法が知られているが、紙中の填料量を高めると、填料が繊維同士のからみを阻害して紙のZ軸方向の内部結合強さが弱まる。
特開2003−105287 特開2003−072265 特開2002−023643
擬似接着用紙では、内部結合強さが弱いと再剥離操作したときに基紙で紙層間剥離がおき、擬似接着材層面に印字・印刷した情報を読み取れなくなる。従って、填料増による隠蔽性向上手段は必ずしも得策ではない。
また、擬似接着用紙のフォーム印刷(親展情報や個人情報以外の枠印刷や模様印刷等)には、高速かつ高コントラストな印字・印刷が可能なオフセット印刷がよく行なわれる。填料増により内部結合強さが低くなると、基紙表面層がオフセット印刷機のブランケットに付着して剥離する紙ムケ現象が生じやすくなるので好ましくないという問題もある。
以上のことより、擬似接着用紙においては、填料増にたよらず隠蔽性向上を図る技術が求められており、本発明はこれを課題とする。すなわち、本発明の主たる課題は、従来とほぼ同等の填料含有量であっても、優れた隠蔽性を示す先糊方式の擬似接着用紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せず所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を備え、当該擬似接着剤層面に対して文字・図形等を印字・印刷して使用する所謂先糊方式の擬似接着用紙であって、
JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定される、一方の面のL*値が88〜99であり、かつ、他方の面のL*値が55〜85であることを特徴とする擬似接着用紙。
<請求項2記載の発明>
基紙の少なくとも一方の面が、染料または着色顔料により着色されている請求項1記載の擬似接着用紙。
<請求項3記載の発明>
染料または着色顔料により着色された擬似接着剤層を備える請求項1または2記載の擬似接着用紙。
<請求項4記載の発明>
擬似接着剤層が、擬似接着剤を自由落下式カーテンコーターにより塗工して形成されたものである請求項1〜4の何れか1項に記載の擬似接着用紙。
<請求項5記載の発明>
基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せず所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を備え、当該擬似接着剤層面に対して文字・図形等を印字・印刷して使用する所謂先糊方式の擬似接着用紙の製造方法であって、
JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定されるL*値が88〜99L*値の面を備える基紙の少なくとも一方の面に、染料または着色顔料を添加した擬似接着剤を塗工して、
JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定される、前記一方の面のL*値を55〜85とするとともに、他方の面のL*値を88〜99にすることを特徴とする擬似接着用紙の製造方法。
<請求項6記載の発明>
基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せず所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を備え、当該擬似接着剤層面に対して文字・図形等を印字・印刷して使用する所謂先糊方式の擬似接着用紙の製造方法であって、
JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定される、当該塗工面のL*値が88〜99L*値である基紙の少なくとも一方の面を、染料または着色顔料により染色した後に、
表裏面の少なくとも一方の面に擬似接着剤を塗工して、一方の面のJIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定されるL*値を55〜85とするとともに、他方の面のL*値を88〜99にすることを特徴とする擬似接着用紙の製造方法。
<請求項7記載の発明>
基紙に対して、擬似接着剤を自由落下式カーテンコーターにより塗工して、擬似接着剤層を形成する請求項5または6記載の擬似接着用紙の製造方法。
本発明に従って、擬似接着用紙の表裏面のL*値を異ならしめ、その一方の面のL*値を55〜85とし、他方の面のL*値を88〜99とすると、L*値55〜85の面に印字・印刷した情報が、L*値を88〜99とした面から格段に視覚認識しづらくなる。一方で、L*値88〜99の面に印字・印刷した情報は、高コントラストで認識しやすい。すなわち、高い隠蔽性と情報視認性を有する擬似接着用紙となる。そして、本発明では、填料増を伴うことなく隠蔽性向上等が図られるから、紙ムケや紙層間剥離といった問題点は生じない。
特に、葉書システム等の用途ではフォーム印刷時に可変情報等の隠蔽性を高めるため、可変情報記録した面の反対面に対して目隠しのための絵柄印刷(一般的には規則的なパターン)を印刷することがある。本発明の擬似接着用紙は、絵柄印刷をしなくとも高い隠蔽性を有するので、このような絵柄印刷をする必要がなく印刷作業性に優れるようにもなる。
なお、本願において特許請求の範囲および明細書中にいうL*値は、JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」に規定されるL*a*b*表色系におけるL*値をいう。
次いで、本発明を実施するための最良の形態を以下に詳述する。
本発明にかかる擬似接着用紙は、一方の面のL*値が88〜99であり、かつ、他方の面のL*値が55〜85であることを特徴とする。
表裏面のL*値を異ならしめ上記範囲とするには、(1)基紙の一方の面を染料等にて着色する、(2)異なるL*値となるように基紙の表裏面の双方を染料等にて着色する、(3)非着色のあるいは着色した基紙の一方の面に、染料等を含む着色された擬似接着剤層を形成し、他方の面に染料等を含まない非着色の擬似接着剤層を形成する、(4)非着色のあるいは着色した基紙一方の面に染料等を含む着色された擬似接着剤層を形成し、他方の面に擬似接着剤層を形成しない、(5)非着色のあるいは着色した基紙の表裏面のそれぞれに異なる染料等を含む着色された擬似接着剤層を形成する、ことにより達成できる。
基紙として、L*値が88〜99の白紙上質紙を用いると本発明のL*値とするのが容易である。
なお、本発明はL*値のみを規定し、a*値、b*値については特に限定されない。擬似接着用紙の情報記録対象面のa*値、b*値を考慮して、適宜情報を印字・印刷するインク色の選択をすればよい。なお、本発明の擬似接着用紙の情報記録対象面の色と捕色の関係になるインキ色を用いて情報を印字・印刷した場合には特に情報の視認性が特に良好となる。
基紙の着色方法は特に限定されない。例えば、原料パルプを染料・着色料により染色して抄紙して基紙を製造することによって行なってもよいし、基紙に対して下地ベタ印刷を行なってもよいし、基紙に対して染料・着色料を直接塗布して行なってもよいし、基紙製造工程の最終段階で行なう原紙に対して行なうサイズプレス塗布工程において使用するサイズプレス液に染料・着色料を含有せしめて塗布することにより着色してもよい。下地ベタ印刷であれば、従来既知の下地ベタ印刷に用いられているインキおよび印刷機を用いて行なうことができる。
擬似接着剤層の着色方法についても特に限定されない。着色料、染料、着色顔料を混合した擬似接着剤を用いて擬似接着剤層を形成して行なってもよいし、擬似接着剤層形成後に着色料・染料を塗布して着色して行なってもよい。
着色に用いる染料、着色料、顔料は特に限定されず従来既知の紙あるいは接着剤の着色に用いられているもののなかから適宜選択して用いればよい。具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、カチオン性染料、アニオン性染料、着色顔料等である。
ここで、本発明にいうL*値とは、上述のとおりJIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」に規定されるL*a*b*表色系におけるL*値をいうが、このL*値の測定は、例えば、かかる規定に対応したカラーアナライザーを用いることにより測定することができ、これをもとに適宜着色料等の配合割合を変えれば本発明のL*値とすることができる。上記規定に対応するカラーアナライザーとしては、マクベス社のMS−2020PLUSが挙げられる。
前記基紙の原料となるパルプの種類は特に限定されない。バージンパルプであってもよいし古紙パルプであってもよい。また、化学パルプであってもよいし各種機械パルプであってもよい。化学パルプを原料とするならば、その具体例としては、亜硫酸パルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)、LBKPやNBKP等のクラフトパルプ(KP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)、加圧下で砕木した漂白パルプ(BPGW)等が挙げられる。
原料とするパルプは漂白処理するのが望ましく、このように漂白処理する場合には塩素を用いない漂白方法で漂白するのが望ましい。すなわち、TCFパルプ、ECFパルプとするのが望ましい。
基紙の抄紙方法については特に限定されない、例えば一般的な洋紙の製造マシンが使用でき、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤータイプの抄紙機、多層抄の抄紙機等の抄紙機を使用して抄紙することができる。特に、多層抄紙機を用いると、L*値の異なる紙層を表裏一体に抄紙することが非常に容易である。
基紙は、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJであるのが望ましい。基紙の内部結合強さが100mJ未満であると、紙層間剥離のおそれが高くなり、内部結合強さが500mJを越えると紙の離解性が困難となり、古紙利用時等の一般的な障害が生ずる。
内部結合強さの調整は、例えば、抄紙前原料に対して添加する紙力増強増剤の量と填料の量とを調整する。紙力増強剤としては、水溶性樹脂、水性エマルジョン樹脂等が使用でき、具体例としては、ポリアクリルアミド、アクリル共重合体樹脂、PVA、酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル・スチレン共重合体、オレフィン系樹脂等が挙げられる。ポリアクリルアミド樹脂を使用する場合には、抄紙前原料に対して1〜10kg/パルプトン程度添加すればよい。
なお、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法による内部結合強さの測定は、インターナルボンドテスター(熊谷理機工業株式会社製)を使用して測定することが可能である。
基紙は、擬似接着用紙として必要なZ軸強度を維持可能な範囲で填料を添加するのが好ましい。填料としては、クレー、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩等の無機顔料、またはこれらの混合物、コート紙等に使用されるポリエチレン樹脂等のプラスチックピグメントや、尿素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、スチレン・アクリル共重合体粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子、これらの微小中空粒子、多孔質粒子等の有機顔料、またはこれらの混合物が挙げられる
一方、前記擬似接着層は、非剥離性接着剤(以下、接着基剤という)に対し、当該接着基剤に非親和性を示す充填剤を含有せしめて擬似接着力を付与した擬似接着剤を基紙に塗工して設けることができる。接着基剤と充填剤との配合割合は、接着基剤に対して充填剤を添加して形成する種の擬似接着剤の一般的な配合割合でよい。具体的には、接着基剤100重量部に対して、充填剤5〜500重量部程度である。本発明において、特に好適な範囲を示せば、接着基剤100重量部に対して、充填剤10〜300重量部である。
前記接着基剤としては、ラテックス、具体的には天然ゴム、合成ゴム等の従来通常の接着基剤に使用されているものの中から任意に選択して使用することができるが、特に天然ゴムを無硫黄加硫し、メタアクリル酸メチルと混合した天然ゴムラテックス、天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックス、アクリル変性ゴムラテックス、ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとの混合物が、耐ブロッキング性、耐経時劣化等の点で好適である。
前記接着基剤としては、ラテックス、天然ゴム、合成ゴム等の従来通常の接着基剤に使用されているものの中から任意に選択して使用することができるが、特に天然ゴムを無硫黄加硫し、メタアクリル酸メチルと混合した天然ゴムラテックス、天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックス、アクリル変性ゴムラテックス、ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとの混合物が、耐ブロッキング性、耐経時劣化等の点で好適である。
前記充填材は、特に限定されず従来既知の擬似接着剤の製造に用いられているものを使用すればよい。好適には、インクジェット記録装置での印字・印刷に優れるようになることから、JIS K 5101に基づく吸油量が80〜400mL/100gの無機顔料を含むものである。吸油量が80mL/100g未満であると、インクジェットインクの吸収性が不十分となりやすい。すなわち、インクジェット記録装置における印字・印刷性に劣りやすくなる。反対に400mL/100g以上であると塗工層強度が低下し擬似接着剤層の剥離が生じやすくなる。擬似接着剤中の無機顔料の配合割合は、10〜70重量%、好適には20〜50重量%とするのが望ましい。10重量%未満では、インクジェットインク吸収性が不足となりやすく、70重量%を超えると接着強度の低下が著しくなる。無機顔料は、具体的には、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム(白石工業株式会社製:PC、カルライトKT)、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム(白石工業株式会社製:カルライトSA)、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、合成シリカ等が好適である。これらは、単独で用いてもよいし二種以上が混合されていてもよい。さらにその他、スチレンビーズ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩またはこれらの混合物等が含まれていてもよい
なお、本発明においては、擬似接着剤に配合するその他の助剤として、滑剤、印刷適性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電剤、蛍光染料、着色染料、防腐剤、保湿剤、インクジェットインク用定着剤などを必要に応じて配合することができる。
前記擬似接着剤の塗工は、従来既知の塗工機を用いた塗工方法により行なうことができる。本発明においては、塗工機は、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドメタリングコーター、カーテンコーター、ロールコーターを用いて塗工するのが好適であり、特に着色した擬似接着剤塗料を塗工する場合はより均一に塗工できるカーテンコーターが望ましい。塗工量としては、3〜15g/m2とするのが望ましい。3g/m2未満であると、所望の接着力が得られず意図しない剥離が生じやすくなる。15g/m2を超えると、接着力が強くなりすぎて再剥離しづらいものとなるとともに、塗工時に塗工ロールに糊粕が付着して操業上および品質上のトラブルを招きやすくなる。
基紙上に擬似接着剤を塗工した後には、塗工面を平滑化処理するのが望ましく、平滑化処理するにあたっては、通常のカレンダー処理により行なえばよい。カレンダー処理は、塗工機と一連のカレンダー(オンマシンカレンダー)により行うこともできるし、塗工機と一連ではなく完全に別体のカレンダー(オフマシンカレンダー)のどちらで行なってもよい、カレンダーの種類は、特に限定されない。金属ロールと弾性ロールとを備えるカレンダー、金属ロール同士を組み合わせたカレンダー等、従来既知のカレンダーを使用することができる。
本発明にかかる擬似接着用紙(下記実施例1〜12)と本発明とは異なる擬似接着用紙(下記比較例1〜7)とについて、隠蔽性、剥離性(擬似接着性)、印刷適性(紙ムケおよびピッキングの発生具合)について試験し評価した。
各実施例および各比較例にかかる擬似接着用紙は、白色パルプスラリーに対して内添紙力増強剤と内添サイズ剤(AKD)と着色染料とを添加した抄紙前原料を抄造した原紙に、無機顔料、澱粉を含む一般的なサイズプレス液を片面につき1.5g/m2両面に塗布して形成した。坪量はすべて130.0g/m2に調整した。
擬似接着剤層は、天然ゴムラテックス30重量部、シリカ(グレースデビソン社製:W500)25重量部、生澱粉25重量部を含む分散液に、合成ゴムラテックス・水溶性バインダー10重量部を添加して製造した擬似接着剤を自由落下カーテンコーターによって塗工して形成した。擬似接着剤層は、基紙の表裏面のそれぞれに設け、塗工量は片面につき乾燥重量7g/m2とした。なお、後述するが実施例8〜12にかかる擬似接着剤については、擬似接着剤中に適当量の染料、着色顔料を添加した。
ここで、実施例1〜5にかかる擬似接着用紙については、擬似接着剤層形成前の基紙の片面を直接染色によって染色することにより、表裏面のL*値を異ならしめた。
実施例6にかかる擬似接着用紙については、擬似接着剤層形成前の基紙の一方の面をインキで下地ベタ印刷することにより、表裏面のL*値を異ならしめた。
実施例7にかかる擬似接着用紙については、表裏面で無機顔料含有量の異なるサイズプレス液を塗工することにより、表裏面のL*値を異ならしめた。
実施例8〜10にかかる擬似接着用紙については、一方の面に直接染料を添加した着色擬似接着剤を塗工し、他方の面に染料を添加しない擬似接着剤を塗工して、擬似接着剤層を形成することにより表裏面のL*値を異ならしめた。
実施例11にかかる擬似接着用紙については、一方の面に塩基性染料を添加した着色擬似接着剤を塗工し、他方の面に染料を添加しない擬似接着剤を塗工して、擬似接着剤層を形成することにより表裏面のL*値を異ならしめた。
実施例12にかかる擬似接着用紙については、一方の面に着色無機顔料を添加した着色擬似接着剤を塗工し、他方の面に着色無機顔料を添加しない擬似接着剤を塗工して、擬似接着剤層を形成することにより表裏面のL*値を異ならしめた。
比較例1〜比較例7については、表裏面でL*値は異ならしめることはしなかった。
各実施例および各比較例についての物性、測定方法、試験方法および評価方法は次記の通りであり、その結果等は表1に示す。なお、表1中の「顔料」の欄は、基紙中の顔料の種類とその配合量(重量%)である。また、「パルプ配合割合」の欄は、基紙のパルプ配合割合である。さらにまた、「L*値」の欄の「着色面」は、染料、顔料等を用いて着色した面であり、「記録面」は、染料等による着色を行なわなかった面である。
[内部結合強さ(インターナルボンド)]JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定した。
[L*値]マクベス社製カラーアナライザー(MS−2020PLUS)を用いて、試料の表裏面について、JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定されるL*値を測定した。表中の着色面は、染料・顔料を用いて着色した面を表し、記録面は、染料による着色を行なわなかった面を表す。
[不透明度]JIS P 8138に基づいて測定した。
[剥離性]実施例および比較例それぞれ二枚一組で一つの試料(幅50mm×長さ100mm)とした。試料は、擬似接着剤層同士をメールシーラー(MS−900:大日本印刷株式会社製)を用いてロールギャップ14の設定で加圧して擬似接着して形成した。試験は、各実施例および各比較例それぞれについて、試料は10組を用意した。試験は、擬似接着後5分間放置した後、T型剥離試験機を用いて500mm/分の条件で長さ方向の端から剥離し、剥離後の試料の状態を目視にて確認することとした。評価は、次記のとおりとした。○:基紙層内で剥離した試料がなかった。△:基紙層間剥離した試料が1〜2組あった。×:基紙層間剥離した試料が3組以上あった。
[隠蔽性]インクジェットプリンタ(Pixus850i:株式会社キャノン製)により大きさ10ポイント、黒色インキで5文字印字した後、印字面と反対側面から印字した文字が目視で判読可能であるか否かを試験した。評価は、目視では文字を判読することができなかったものを○、一部判読できたものを△、全ての文字を判読できたものを×とした。
[粉落ち:オフセット印刷適性]オフセット印刷機(枚葉印刷機:ローランド社製)を用い、第1色目を藍色(VALUES−G Nタイプ 藍:大日本インキ社製)、第2色目を紅色(VALUES−G Nタイプ 紅:大日本インキ社製)として、2色重ね刷りを3000枚連続で行った後、ブランケット非画線部における紙粉の堆積度合いを目視にて判定した。評価は、次のとおりとした。○:紙粉の発生が認められないかあるいは極僅かに認められる。△:紙粉の発生が僅かに認められる。×:ブランケット上に紙粉が多く堆積し、ブランケットが白くなっている。
[ピッキング]RI表面強度試験機(明製製作所製)を用い、インキタック26で印刷した際に塗工層がインク転写ロールに付着するか否かを目視にて観察し、インク転写ロールに擬似接着剤層が剥離して付着しないものを○、付着したものを×と評価した。
Figure 2005298551
表1からみてとれるように、本発明の実施例1〜12は、隠蔽性、剥離性、オフセット印刷性、さらにはインクジェット記録性の全ての試験で優れている(○)の評価が得られている。それに対して、比較例1〜7については、隠蔽性が不十分であるか隠蔽性が十分であっても剥離性に問題がある等、何れかの試験で△あるいは×の評価がある結果となった。すなわち、本発明の擬似接着用紙が、剥離性等の擬似接着用紙としての基本性能を備えつつ、記録情報の隠蔽性、オフセット印刷性等、に優れた擬似接着用紙であることが示されている。
本発明は、ラベル、くじ材、情報隠蔽紙、親展性葉書、親展性封筒等に利用することができる。

Claims (7)

  1. 基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せず所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を備え、当該擬似接着剤層面に対して文字・図形等を印字・印刷して使用する所謂先糊方式の擬似接着用紙であって、
    JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定される、一方の面のL*値が88〜99であり、かつ、他方の面のL*値が55〜85であることを特徴とする擬似接着用紙。
  2. 基紙の少なくとも一方の面が、染料または着色顔料により着色されている請求項1記載の擬似接着用紙。
  3. 染料または着色顔料により着色された擬似接着剤層を備える請求項1または2記載の擬似接着用紙。
  4. 擬似接着剤層が、擬似接着剤を自由落下式カーテンコーターにより塗工して形成されたものである請求項1〜4の何れか1項に記載の擬似接着用紙。
  5. 基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せず所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を備え、当該擬似接着剤層面に対して文字・図形等を印字・印刷して使用する所謂先糊方式の擬似接着用紙の製造方法であって、
    JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定されるL*値が88〜99の面を備える基紙の少なくとも一方の面に、染料または着色顔料を添加した擬似接着剤を塗工して、
    一方の面のJIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定されるL*値を55〜85とするとともに、他方の面のL*値を88〜99にすることを特徴とする擬似接着用紙の製造方法。
  6. 基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、通常の状態では接着せず所定の条件が付与されると剥離可能に擬似接着する擬似接着剤層を備え、当該擬似接着剤層面に対して文字・図形等を印字・印刷して使用する所謂先糊方式の擬似接着用紙の製造方法であって、
    JIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定される、当該塗工面のL*値が88〜99L*値である基紙の少なくとも一方の面を、染料または着色顔料により染色した後に、
    表裏面の少なくとも一方の面に擬似接着剤を塗工して、一方の面のJIS Z 8730「色の表示方法−物体色の色差」により規定されるL*値を55〜85とするとともに、他方の面のL*値を88〜99にすることを特徴とする擬似接着用紙の製造方法。
  7. 基紙に対して、擬似接着剤を自由落下式カーテンコーターにより塗工して、擬似接着剤層を形成する請求項5または6記載の擬似接着用紙の製造方法。
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