JP4616228B2 - 多層抄き板紙 - Google Patents

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Description

本発明は冷凍食品などの保冷性・保温性(以下、本発明では「断熱性」という)を必要とする収容物などの搬送、保管に用いられる段ボールケースなどに使用する板紙に関し、特に断熱性に優れ、さらには遮水性、段ボールケースに加工する際の貼合・製函適性に優れ、また、古紙の原料にリサイクル可能な多層抄き板紙に関する。
従来、冷凍食品などの断熱性を必要とする収容物などの搬送、保管に用いられる段ボールケースなどに加工される板紙として、アルミ蒸着板紙や、紙層中にラミネートフィルムを介在させたラミネートサンド板紙等が用いられている。
アルミ蒸着板紙により形成された段ボールケースは、アルミ蒸着層によって、段ボールケースの内部と外部との間の通気性が殆どなくなり、遮水性、保温性を発揮する。
また、ラミネートサンド板紙により形成された段ボールケースも、紙層中のラミネートフィルムが上記アルミ蒸着層と同様の役割を果たし、これにより遮蔽性を有し、遮水性及び保温性を発揮する。
しかしながら、このようなアルミ蒸着板紙やラミネートサンド板紙は、古紙へのリサイクルを試みた際、アルミ蒸着層やラミネートフィルムの除去が困難であるため、古紙としてのリサイクルが困難であるという問題があった。
また、特にアルミ蒸着板紙の場合、金属異物センサーが誤作動を起こす場合があるという問題もあった。
このような問題を解決するために、セラミック塗工板紙を使用する技術があるが、セラミック塗工板紙は、断熱性及び遮水性に優れた効果を有するものの、高価であるという問題があった。
また、例えば特許文献1に示されるように、液体を芯物質とする発泡性粒子を配合して抄紙したシートを加熱発泡させることにより、密度が0.1〜0.3g/cmの断熱性に優れ、またクッション性のある、即席麺類やお茶等のカップ用として用いられる低密度原紙の製造方法が提案されている。
しかしながら、このように発泡性粒子を配合することにより、パルプ繊維同士の繊維間の結合が少なくなり、また繊維間の結合力も弱くなるため、表面強度、層間強度などの紙の強度が大幅に低下してしまう。
このような紙を段ボール原紙として用い、中芯と貼合して段ボールケースに加工した場合、段ボールケースとしての必須要件である強度を確保することができないため、収容物を搬送、保管する等の段ボールケースとしての役割を果たすことができない。
また、紙の表面は発泡性粒子の影響により容易に破れてしまうため、中芯との接着強度が弱い。さらに、段ボールケースのジョイント部、フラップ部の接着強度も弱い。
従って、このような製造方法により得られた紙を、段ボールケースに使用することは難しい。
そこで、本出願人は、特許文献2に示すように、少なくとも3層からなる多層抄き板紙の中間層に熱発泡性粒子を含有させることで、断熱性と遮水性を有しながら、段ボールケースの原紙として用いることができる遮水保温性板紙を開示した。
しかしながら、この板紙は、熱発泡性粒子を含有することにより、熱発泡性粒子を含有しない板紙と比べると、層間強度が低下してしまい、貼合・製函時、またこの板紙を用いて形成された段ボールケースの使用時において層間剥離が発生しやすいという問題があった。また、一般的な多層抄き板紙と比較すると、断熱性、遮水性は大幅に向上させることはできたものの、発泡スチロールやラミネート品などと比較した場合には、断熱性、遮水性が十分であるとは言えなかった。
特開平5−339898号公報 特開2003−49400号公報
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、個包装された冷凍食品などを収容し、搬送、保管に用いられる段ボールケースなどに使用する多層抄き板紙において、特に断熱性及び遮水性に優れ、また、段ボールケースなどに加工する際の貼合・製函時、また使用時において層間剥離が発生することがなく、さらにまた、古紙の原料にリサイクル可能な多層抄き板紙を提供することである。
本発明の上記目的は、少なくとも表層、裏層、及び前記表層と前記裏層との間に配置される1層又は複数層から成る中間層を有する多層抄き板紙であって、前記表層、前記裏層、及び前記中間層を含む全ての層の少なくとも1層は、蓄熱蓄冷剤として中空合成繊維に蓄熱蓄冷マイクロカプセルを練り込んだ蓄熱蓄冷剤含有繊維が配合された断熱層であり、また、前記中間層の少なくとも1層は、少なくとも熱発泡性粒子と熱溶融性繊維とが配合された発泡層であり、さらにまた、JIS−A1412の熱流計法に準じて測定した熱伝導率が0.05W/(m・K)以下であることを特徴とする多層抄き板紙を提供することによって達成される。
また、本発明の上記目的は、前記断熱層は、前記蓄熱蓄冷剤含有繊維が前記断熱層のパルプ固形分に対して固形分換算で2〜50質量%配合されていることを特徴とする多層抄き板紙を提供することによって、より効果的に達成される。
本発明に係る多層抄き板紙によれば、表層、裏層、及び中間層を含む全ての層の少なくとも1層を、蓄熱蓄冷剤が配合された断熱層とし、中間層の少なくとも1層を、少なくとも熱発泡性粒子と熱溶融性繊維とを配合した発泡層とし、熱伝導率を0.05W/(m・K)以下としたので、本発明に係る多層抄き板紙を、例えば段ボールケースに加工し、この段ボールケースに個包装された冷凍食品などが収容された際、収容された食品(収容物)から出る冷気、段ボールケース外部の暖気を、断熱層と発泡層とで遮断することができる。これにより、収容物の温度を長時間一定に維持することができる。
また、中間層の少なくとも1層を、熱発泡性粒子が配合された発泡層としたので、本発明に係る多層抄き板紙に遮水性を付与することができ、収容物から出る水分を、この発泡層である中間層で遮断することができる。これにより、段ボールケースの外面に水分が滲み出すことがなくなるので、段ボールケースの外観が低下し、商品価値が低下することがなくなると共に、収容物から出た水分により、多層抄き板紙の強度が低下することがなくなるので、段ボールケースとしての強度・剛度を確保することができる。さらに、印刷適性についても、一般的な板紙と同様な方法で、良好な印刷適性を得ることができる。
また、蓄熱蓄冷剤を、中空合成繊維に蓄熱蓄冷マイクロカプセルを練り込んだ蓄熱蓄冷剤含有繊維としたので、他の原料であるパルプに配合して抄紙しても、抄紙性が良好であり、また、蓄熱蓄冷剤の歩留りが非常に高いため、効率的に本発明に係る多層抄き板紙を得ることができる。
また、断熱層に、蓄熱蓄冷剤含有繊維をパルプ固形分に対して固形分換算で2〜50質量%配合したので、抄紙性や、段ボールケースなどに使用される板紙としての強度、印刷適性を損なうことなく、一般的な板紙と同様に加工、使用できる。
さらにまた、発泡層に熱溶融性繊維を配合しても、J.TAPPI No.18−2で規定される層間強度を75mJ以上としたので、本発明に係る多層抄き板紙を段ボールケースに加工した場合であっても、段ボールケースのジョイント部やフラップ部の接着強度は、一般的な板紙と同程度とすることができ、貼合・製函時、また使用時において層間剥離が発生することがなくなる。
以下、本発明に係る多層抄き板紙について、表層、3層の中間層、及び裏層の5層の紙層から成る場合を例に、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係る多層抄き板紙は、以下の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲内において、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
本発明に係る多層抄き板紙(以下、「本板紙」という。)10は、図1に概略断面図で示すように、表層(断熱層)11、中間層(発泡層)12、中間層(発泡層)13、中間層14、及び裏層15の5層の紙層により構成されている。
このように構成された本板紙10が、図2に示すように、本板紙10Aと中芯16と本板紙10Bとが貼合されて製函され、段ボールケース17に加工される場合を例に説明する。なお、本実施形態は、本板紙10Aの表層11の表面が段ボールケース17の外面となり、本板紙10Bの表層11の表面が段ボールケース17の内面(収容物と接する面)となり、本板紙10Aの裏層15の表面、本板紙10Bの裏層15の表面が中芯16と貼合されて、段ボールケース17に加工された場合である。
本板紙10の表層11は、(a)断熱性を確保する、(b)本板紙10を段ボールケース17に加工する際の良好な貼合・製函、印刷適性を確保する、等の役目を担う層である。
すなわち、本板紙10の表層11は、本板紙10が段ボールケース17に加工され、この段ボールケース17に個包装された冷凍食品などを収容した際、収容された食品(収容物)から出る冷気が段ボールケース17の外に逃げる、あるいは段ボールケース17の外部の暖気が段ボールケース17内に入ることを、遮断する機能を持った断熱層であり、段ボールケース17に収容された食品(収容物)の温度を長時間一定に維持することができる。表層11に断熱性を付与することにより、本板紙10は、後述するように、熱伝導率を0.05W/(m・K)以下とすることができる。
このような断熱性を表層11に付与し、表層11を断熱層とするために、本板紙10の抄紙時に、表層11の原料パルプ中に蓄熱蓄冷剤を配合する。
この蓄熱蓄冷剤としては、中空合成繊維に蓄熱蓄冷マイクロカプセルを練り込んだ蓄熱蓄冷剤含有繊維が用いられる。
中空合成繊維としては、マカロニ状の中空繊維であれば、公知のものを使用できるが、繊維のしなやかさ、併用する他の木材パルプ繊維との絡みなどの点から、レーヨン繊維が特に好ましい。
蓄熱蓄冷マイクロカプセルとしては、壁剤と芯物質とから成り、壁剤の中に芯物質(相変化物質)を含有するマイクロカプセルで、熱を繰り返し吸放出することができるものが用いられる。
このような相変化物質としてはパラフィン類が使用でき、このパラフィンが固体から液体に、液体から固体に変化する場合に、潜熱を吸放出する。すなわち、パラフィンは、固体を加熱すると溶けるときに融解熱を吸収し、液体を冷却すると凝固熱を放出するのであり、この原理により蓄熱蓄冷作用を得ることができる。
このような作用を発揮する温度は、マイクロカプセルの芯物質であるパラフィンの融点を変更することにより5〜60℃に調節できる。すなわち、例えばパラフィンの融点を5℃に調節した蓄熱蓄冷マイクロカプセルを中空合成繊維に練り込んだ蓄熱蓄冷剤含有繊維を、表層11の原料パルプ中に配合して本板紙10を形成すると、本板紙10を用いて成形された段ボールケース17に冷蔵食品や冷凍食品等を収容した場合、本板紙10は外気の熱を蓄熱蓄冷マイクロカプセルが蓄熱することにより、高い断熱効果を発揮し、段ボールケース17の内部の温度を一定の温度に保持する効果を発揮する。従って、中空合成繊維に練り込む蓄熱蓄冷マイクロカプセルの芯物質の融点を調整することにより、段ボールケース17の内部の温度を本板紙10の使用用途に応じて所望の温度に調整することができる。
また、壁剤としては、メラミンカプセル、ノンホルカプセル、エマルジョン、無機カプセルなど種々のものがあるが、本板紙10は主に食品を収容する段ボールケースに使用されるため、エマルジョンタイプであることが好ましい。
なお、上述したような蓄熱蓄冷マイクロカプセルの具体的な例としては、例えば三木理研工業製の「リケンレジン」シリーズ、特にはエマルジョンタイプである「PMED」シリーズが挙げられる。
また、中空合成繊維に練り込む蓄熱蓄冷マイクロカプセルの含有量は、中空合成繊維に対して5〜30質量%が好ましく、5〜20質量%とすることがより好ましい。すなわち、中空合成繊維中の蓄熱蓄冷マイクロカプセルの含有量が5質量%未満であると、所望の熱伝導率を得るためには、併用する他の木材パルプ繊維に対し、蓄熱蓄冷剤を多量に配合する必要が生じ、このため、得られる多層抄き板紙の強度の低下、印刷適性の低下、さらには製造コストの上昇を招くという問題が生じる。一方、中空合成繊維中の蓄熱蓄冷マイクロカプセルの含有量が30質量%を超えると、併用する他の木材パルプ繊維に対する蓄熱蓄冷剤含有繊維の配合量は少なくてすむが、得られる多層抄き板紙の断熱性にむらが生じやすく、断熱効果が低下してしまう。
さらにまた、上述したように中空合成繊維に蓄熱蓄冷マイクロカプセルを練り込んで形成した蓄熱蓄冷剤含有繊維としては、太さが5.6〜17dtex、長さが0.5〜10mmのものが、他の木材パルプなどと配合して抄紙する上で好ましい。
すなわち、蓄熱蓄冷剤含有繊維の長さが10mmを超えたり、太さが17dtexを超えるような場合には、併用する他の木材パルプ繊維の長さや太さと大きく異なるため、製造工程のスクリーンなどで蓄熱蓄冷剤含有繊維が目詰まりを起こしたり、得られる多層抄き板紙の強度が低下するなどの問題を生じる場合がある。一方、蓄熱蓄冷剤含有繊維の長さが0.5mm未満であったり、太さが5.6dtex未満であると、蓄熱蓄冷マイクロカプセルを練り込んだ高価な蓄熱蓄冷剤含有繊維の歩留りが悪くなり、製造コストが大幅に上昇するという問題が生じる。
また、上述した蓄熱蓄冷剤含有繊維は、表層11の原料パルプ中に、パルプ固形分に対して固形分換算で2〜50質量%配合されることが好ましい。
蓄熱蓄冷剤含有繊維の配合量が2質量%未満であると、本願発明の所望とする断熱効果を得ることが難しく、一方、配合量が50質量%を超えると、得られる多層抄き板紙の強度の低下、印刷適性の低下を招くという問題を生じる。
また、本板紙10の表層11は、水分の影響を受け難いように耐水性を付与した上で、上記(a)及び(b)の役目を果たすことが好ましい。
すなわち、本板紙10は、個包装された冷凍食品を収容し、搬送、保管に使用される段ボールケース17に用いられることを前提としており、収容物である冷凍食品から、収容、搬送、保管時に水分が出ることがある。従って、表層11は水分と接することとなるため、上記(a)及び(b)の役目の他に、所定の耐水性能を付与することが好ましい。
具体的には、表層11は、JIS−P8140の紙及び板紙−吸水度試験方法−コッブ法に準拠して測定した吸水度が20〜80g/mであることが好ましく、22〜50g/mであるとより好ましい。
吸水度が80g/mを超えると、湿潤紙力増強剤などを含有させたとしても、表層11の表面強度が低下してしまうため、収容物との擦れなどにより表層11の表面に毛羽立ち、損傷が発生する可能性がある。また、貼合・製函時の接着剤が表層11の紙層内に浸透しすぎてしまい、接着性が悪くなるため、多量の接着剤を塗布しなければならないという問題も生じる。
一方、表層11の吸水度が20g/m未満であると、貼合・製函時の接着剤が表層11の紙層内に浸透せず、接着性が悪くなるため、特殊な接着剤が必要になると共に、本板紙10を古紙としてリサイクルする際にも溶解性が悪くなるという問題がある。さらにまた、吸水度を20g/m未満とするために、多量の薬品を添加する必要があり、この結果、操業性が悪化すると共に、製造コストが高くなるという問題もある。
このような耐水性を表層11に付与するために、表層11の原料パルプ中にサイズ剤を配合する。
サイズ剤としては、酸性又は中性のサイズ剤であれば、公知の種々のものを使用することができるが、特に、中性ロジンサイズ剤やAKD系サイズ剤、ASA系サイズ剤などの中性領域でサイズ発現効果が高いサイズ剤を用い、表層11の熱水抽出PHを5〜9の中性領域として本板紙10を製造することが好ましい。これは後述する熱発泡性粒子の定着剤の効果が中性領域で発揮しやすいからである。
さらに、表層11が多量の水分を吸収したとしても、段ボールケース17としての役割を果たすために、適切な表面強度、圧縮強度、破裂強度などの強度を維持することが必要であるため、湿潤紙力増強剤を表層11の原料パルプ中に含有させることが好ましい。
湿潤紙力増強剤としては、両性ポリアクリルアミド系、ポリアミドエピクロロヒドリン系、澱粉,酸化澱粉,カルボキシメチル化澱粉等の澱粉類、植物ガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等を用いることができるが、本板紙10のように多量の水分を吸収したとしても、適切な強度を維持するためには、ポリアミドエピクロロヒドリン系の湿潤紙力増強剤を添加することが好ましい。
湿潤紙力増強剤の含有量は、表層11のパルプ固形分に対して、0.1〜1.2質量%含有させることが好ましい。
すなわち、湿潤紙力増強剤の含有量が1.2質量%を超えると、表層11の湿潤紙力は向上するものの、古紙としてリサイクルすることが難しくなる。一方、湿潤紙力増強剤の含有量が0.1質量%未満であると、表層11が多量の水分を吸収した場合の湿潤紙力が不足することが多くなるため、適切な表面強度等の強度を確保することができず、収容物との擦れなどにより表層11の表面に毛羽立ち、損傷が発生等する可能性がある。
なお、表層11の原料パルプとしては、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、または離解・脱墨・漂白古紙パルプ、あるいは、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプを使用することができる。
次に、中間層12及び中間層13について説明する。
本板紙10は、図1に示すように3層の中間層12〜14を有しており、このうち、中間層12及び中間層13は断熱性及び遮水性を付与した発泡層である。
すなわち、中間層12及び13は、(c)表層11に吸収された水分が、中間層14を通過し、さらに裏層15を通過して段ボールケース17の外面まで浸透し、段ボールケース17の外面に水分が染み出すことを防止する遮水性の役目を担う層、(d)熱発泡性粒子により、嵩高な発泡層とすることにより断熱効果を高める役目を担う層である。
この発泡層により、収容された食品から出た水分が表層11に吸収されるが、この表層11に吸収された水分を本板紙10の厚み方向で遮蔽することができる。従って、中間層14から段ボールケース17の外面まで水分が染み出すことを防止することができる。中間層12、中間層13に遮水機能を付与することにより、本板紙10は、後述するように、遮水率を81%以上、好ましくは85%以上とすることができる。
このような遮水性と断熱性を中間層12及び13に付与し、中間層12及び13を発泡層とするために、本板紙10の抄紙時に、中間層12及び13の原料パルプ中に、少なくとも熱発泡性粒子と熱溶融性繊維とを配合する。
熱発泡性粒子は、中間層12及び13の各層のパルプ固形分に対して、固形分換算で1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%配合される。
すなわち、1層当りの熱発泡性粒子の配合量は30質量%未満とし、本板紙10のように、必要に応じて発泡層である中間層を2層以上設けることが好ましい。これにより、所定の遮水性、断熱性を得ながら、層間強度に優れ、貼合・製函時、使用時に層間剥離が発生しない板紙を効率的に得ることができる。
熱発泡性粒子の配合量が1層当り1質量%未満であると、熱発泡性粒子が発泡した状態であっても、熱発泡性粒子間の距離が長くなり、空隙が多くなるため、所定の遮水性、断熱性を付与することが難しくなる。一方、熱発泡性粒子の配合量が1層当り30質量%を超えても、板紙の遮水機能の向上は期待できず、製造コストが高くなるだけである。また、熱発泡性粒子の配合量が多くなるほど、断熱効果は高まるものの、板紙の層間強度が低下し、熱発泡性粒子の配合量が30質量%を超えると、後述する熱溶融性繊維を配合しても、所定の層間強度を得ることが難しくなり、これにより板紙の強度・剛度が低下してしまう。
本板紙10に使用することができる熱発泡性粒子としては、熱可塑性合成樹脂で構成された微細粒子外殻内に低沸点溶剤を封入したものである。なお、この熱発泡性粒子は、平均粒径が5〜30μmで、90〜200℃での加熱により直径が4〜5倍、体積が50〜130倍に膨張する。
外殻を構成する熱可塑性合成樹脂としては、例えば、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共重合体等を挙げることができる。
また、外殻内に封入される低沸点溶剤としては、例えば、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシラン等を挙げることができる。
このような熱発泡性粒子としては、例えば、松本油脂製薬株式会社製造の「マツモトマイクロスフェアF−20シリーズ」、「同F−30シリーズ」、「同F−36シリーズ」、「同F−46シリーズ」や、日本フィライト株式会社販売の「エクスパンセルWU」、「同DU」などを使用することができるが、本板紙10に使用する熱発泡性粒子はこれらに限定されるものではない。
しかしながら、本発明においては、一般的に紙乾燥工程の温度が130℃程度であることから、熱発泡性粒子の膨張開始温度は90〜130℃で発泡する低温膨張タイプが好ましい。
熱発泡性粒子は、外殻を構成する熱可塑性合成樹脂の軟化点以上に加熱され、同時に封入されている低沸点溶剤が気化し蒸気圧が上昇し、外殻が膨張して粒子が膨張し、膨張時は、内圧と殻の張力・外圧が釣り合って膨張状態が保持される。熱発泡性粒子は、一般的にはこの状態まで膨張させ、軽量化剤、嵩高化剤、クッション剤、断熱剤などとして利用されている。この膨張状態の熱発泡性粒子にさらに熱を加えて、過剰に熱を加えた場合には、膨張して薄くなった殻からガスが透過拡散し、内圧よりも殻の張力・外圧が大きくなってしまい、発泡した粒子が収縮してしまう。
本板紙10に使用される熱発泡性粒子は、乾燥工程でドライヤにより発泡させるが、上記理由により、膨張開始温度が90〜130℃の低温膨張タイプの熱発泡性粒子を用いることが好ましいのである。すなわち、膨張開始温度が90℃未満の熱発泡性粒子であると、乾燥工程のドライヤにより発泡させた場合、上述したように一旦膨張した粒子が再び収縮してしまい、所定の遮水性及び断熱性を中間層12及び13に付与することが難しくなる。
また、中間層12及び13に遮水性及び断熱性を付与して発泡層としても、貼合・製函時や、使用時に層間剥離を発生させない層間強度に優れる板紙とするため、中間層12及び13の原料パルプ中に熱溶融性繊維も配合されている。
熱溶融性繊維は、中間層12及び13の各層のパルプ固形分に対して1〜10質量%、好ましくは3〜8質量%配合される。
熱溶融性繊維の配合量が1質量%未満では、熱発泡性粒子を配合することによるパルプ繊維間結合の低下を抑制することができず、所定の層間強度を得ることが難しくなる。一方、熱溶融性繊維の配合量が10質量%を超えても、層間強度の向上効果は期待できず、製造コストが高くなるだけである。
熱溶融性繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系繊維、ポリエチレン(PE)系繊維、EVAビニロン(PVA繊維)系繊維、ポリエステル系繊維、アラミド系繊維、炭素繊維、レーヨン系繊維、アクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ガラス系繊維など種々のものが知られている。
しかしながら、本板紙10においては、熱発泡性粒子との接着性、パルプ繊維との接着性、原料パルプ中に混合して抄紙できること、抄紙機の乾燥工程で適切に溶融し熱発泡性粒子、パルプ繊維と接着することなどの点から、PET、ビニロン、PE、EVAなどを主原料とする熱溶融性繊維を用いることが好ましく、これらの中でも特にPETを主原料とする熱溶融性繊維が本板紙10の層間強度の向上効果に優れるので好ましい。
熱溶融性繊維の溶融温度としては、繊維表面が90〜130℃であるものが好ましい。具体的には、ソフィットN720/クラレ製、TJ04CN/帝人製、ビニロンバインダーSML/ユニチカ製、EA−CHOP/チッソ製、エステル4080/ユニチカ製、NBF/ダイワボウ製などが好適に使用できる。
この中間層12及び13の原料パルプとしては、上述した表層11の原料パルプと同様に公知の種々のものを用いることができるが、特に針葉樹クラフトパルプを30質量%以上含有させることが好ましい。
すなわち、この中間層12及び13の原料パルプには、熱発泡性粒子が配合されるため、パルプ繊維間の繊維間結合が弱くなり、得られる板紙の層間強度が低下するという問題が発生する。この問題の発生を防止するため、繊維長が長く、強度の高い針葉樹クラフトパルプを所定量含有させることが好ましい。なお、この針葉樹クラフトパルプはバージンパルプであっても、古紙に由来するものであってもよい。
遮水性及び断熱性が付与された発泡層である中間層12及び13の合計坪量は25〜80g/m、好ましくは30〜70g/mである。
すなわち、発泡層である中間層12及び13の合計坪量が25g/m未満であると、所定量の熱発泡性粒子を配合しても、発泡層の厚さが薄いため、所望とする遮水性を付与することができない場合がある。また、断熱効果も低下する。
一方、発泡層である中間層12及び13の合計坪量が80g/mを超えると、遮水性及び断熱性を付与するという点では優れるものの、本板紙10の坪量、すなわち板紙全体の坪量はほぼ決まっているため、発泡層以外の層の坪量が必然的に少なくなる。このため、収容物を保護、保管するという段ボールケース17として必要な強度を確保することが難しくなる。なお、発泡層である中間層12及び13以外の層の坪量を大きくすることも可能ではあるが、製造コストが高くなる等の問題が発生し、実用的でない。
次に、中間層14及び裏層15について説明する。
本板紙10の中間層14及び裏層15は、(a)本板紙10を段ボールケース17に加工する際の良好な貼合、製函適性を確保する、(b)段ボールケース17としての強度を確保する等の役目を担う層である。
また、本板紙10は、水分が多く出る冷凍食品などを収容するため、上記(a)及び(b)の役目を果たし、段ボールケース17に加工する際に中芯16との貼合適性に影響が出ない範囲で、中間層14及び裏層15に耐水性を付与することが好ましい。
このような耐水性を付与するために、中間層14及び裏層15の各層の原料パルプに対して、サイズ剤を固形分換算で0.3〜1.5質量%、好ましくは0.6〜1.5質量%添加して、JIS−P8140に基づいて測定した吸水度が30〜80g/mに調整することが好ましく、30〜50g/mであるとより好ましい。
すなわち、吸水度が30g/m未満であると中間層14あるいは裏層15の貼合・製函時の接着剤の接着性が悪くなり、特殊な接着剤が必要となると共に、本板紙10を古紙としてリサイクルする際にも溶解性が悪くなる。また、操業性が悪くなると共に、製造コストが高くなる。一方、吸水度が80g/mを超えると、貼合・製函時の接着剤が中間層14あるいは裏層15の紙層内に浸透してしまい、中芯16との接着性が悪くなる。また、多量の接着剤を塗布しなければならないという問題が生じる。
中間層14及び裏層15の原料パルプとしては、上述した表層11の原料パルプと同様に公知の種々のものを用いることができる。しかしながら、耐水性能を損なわず、本板紙10の強度を維持するという目的を損なわない範囲で、古紙パルプを可能な限り多く配合することが、エネルギー原単位や環境に与える負荷の軽減の点で、またコスト的にも有利であるので好ましい。
中間層14及び裏層15の合計坪量は、本板紙10の層構成や他の各層の坪量によっても変化するが、60〜175g/mとすることが好ましい。しかしながら、本発明の効果を損なわない範囲で、中間層14及び裏層15の合計坪量はできるだけ大きくすることがコスト的に有利であるので好ましい。
本板紙10は、上述したような表層11、中間層12、中間層13、中間層14、及び裏層15の原料パルプが抄紙機によって順に積層されて製造される。すなわち、本板紙10は、図1に示すように、抄紙機で、表層11の表面上に中間層12が積層され、中間層12の表面上に中間層13が積層され、中間層13の表面上に中間層14が積層され、中間層14の表面上に裏層15が積層されて形成される。抄紙機の型式によっては、この逆の順に積層される場合もある。
このように構成された本板紙10は、JIS−A1412の熱流計法に基づく熱伝導率が0.05W/(m・K)以下である。上述したように、本板紙10は、個包装された冷凍食品を収容し、搬送、保管に使用される段ボールケース17に用いられることが多いため、熱伝導率が0.05W/(m・K)より高くなると、外気の温度等が段ボールケース17の内部に伝わってしまい、冷凍食品が溶けてしまう可能性があり、保冷性、保温性を確保することができない。
また、J.TAPPI No.18−2に基づく層間強度が75mJ以上である。層間強度が75mJ未満であると、板紙が段ボールケースに加工された際、所定の強度を維持することができず、段ボールケースとしての役割を果たすことが難しくなる。
また、本板紙10は、後述する遮水性試験方法により測定された遮水率が81%以上、好ましくは85%以上である。
本板紙10の遮水率が81%未満であると、表層11が24時間以上水分と接した場合、表層11に吸収された水分が、中間層12及び13を透過し、さらに中間層14及び裏層15も透過し、段ボールケース17外面にまで浸透してしまう。この結果、段ボールケース17の外観が低下し、商品価値が低下してしまう。また、表層11がさらに長時間水分と接した場合、段ボールケース17の強度・剛度が低下してしまい、段ボールケース17としての役割を果たせなくなってしまう。
本板紙10の坪量は、段ボールケース17の大きさ及び使用目的によっても変化するが、160〜300g/mの範囲にあることが好ましく、160〜230g/mの範囲にあることがより好ましい。本板紙10の坪量が160g/m未満であると、段ボールケースとしての強度、剛度を確保することが難しくなる。一方、本板紙10の坪量を300g/mより大きくしても、過剰品質となると共に、製造コストが高くなるだけである。
なお、本板紙10の抄紙方法については、特に限定されるものではないので、酸性抄紙法、中性抄紙法、アルカリ性抄紙法のいずれであってもよいが、発泡層である中間層12及び13に熱発泡性粒子を定着剤で定着させ、効率的に遮水機能を発揮させるため、熱水抽出PHが5〜9となるように中性抄紙で製造することが好ましい。
また、抄紙機も特に限定されるものではないので、例えば長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網抄紙機、円網短網コンビネーション抄紙機等の公知の種々の抄紙機を使用することができる。
また、本板紙10の表層11には印刷が施されることが多いので、印刷光沢や表面強度を向上させたり、滑り性を調整するために、必要に応じて、本板紙10の表面に水溶性物質を主成分とした塗工液を塗工するなどにより、印刷適性を向上させる種々の手段を適用することが好ましい。
なお、このような水溶性物質としては、例えばポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉、加工澱粉、ポリスチレン−ブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系等のラテックス、ワックスエマルジョン等、この分野で通常用いられる公知の種々のものを単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
例えば、ポリビニルアルコールを表層11の表面に0.5〜3.5g/m、好ましくは0.7〜2g/m塗工することで良好な印刷適性を得ることができる。
更に、塗工装置を用いて表層11に顔料とバインダーを主成分とする塗工液を塗工すれば一層綺麗な印刷が可能となる。
また、本板紙10の表面に平滑化処理を施しても良い。この平滑化処理は、例えば加圧可能なロール間で本板紙10を加圧処理することにより実施することが好ましい。平滑化処理を施す際に、本板紙10の表層11の表面に接するロールは平滑な表面を有し、加熱可能な金属製ロールであることが好ましい。
なお、本板紙10における平滑化処理は、上記の平滑化処理の他、本板紙10を抄紙する過程で、例えば一対の金属ロールを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(マシンカレンダーによるカレンダー処理)、金属製ロールと樹脂製ロールとを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(ソフトカレンダーによるカレンダー処理)、ヤンキードライヤーによる乾燥処理等により実施することもできる。
また、本板紙10には、上述した耐油剤や定着剤、サイズ剤の他に、澱粉、填料、消泡剤、紙力増強剤、防滑剤、PH調整剤等が含有されていてもよい。
以上、本板紙10について、紙層が表層11、中間層12、中間層13、中間層14、及び裏層15の5層から成り、表層11を断熱層、中間層12,13を発泡層とした場合について説明したが、本発明はこのような板紙に限らず、例えば中間層14を発泡層とし、裏層15を断熱層としたり、中間層12を断熱層、中間層13,14を発泡層としたり、さらには、中間層14を断熱層及び発泡層にする等、本板紙10の使用目的によって、適宜その構成を変更することができる。
さらにまた、例えば図3に示すような4層の紙層から成る板紙、図4に示すような3層の紙層から成る板紙であっても良い。
すなわち、図3に示す板紙10′は、断熱性が付与された表層11、遮水性及び断熱性が付与された発泡層である2層の中間層12及び13、及び裏層15の4層の紙層から構成されている。このように遮水性が付与されていない中間層14を設けなくても、本発明の所望とする効果が付与された板紙10′を得ることができる。
また、図4に示す板紙10′′は、断熱性が付与された表層11、遮水性及び断熱性が付与された発泡層である中間層12、及び裏層15の3層の紙層から構成されている。このような構成としても、本発明の所望とする効果が付与された板紙10′′を得ることができる。
なお、本発明に係る板紙は、中間層の層数を増やして6層、7層・・・の紙層から成る板紙であっても良く、この場合は、中間層の少なくとも1層が、遮水性及び断熱性が付与された発泡層であれば、本発明の所望とする効果を得ることができる。
また、本発明に係る板紙が段ボールケース17に加工される場合について説明したが、本発明は、板紙の表層11が内面となり、裏層15が外面となるようにして、紙製容器等に加工しても、本願発明の所望とする効果を得ることができる。
本発明に係る多層抄き板紙の効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例において、配合、濃度等を示す数値は、固形分又は有効成分の質量基準の数値である。また、本実施例で示すパルプ・薬品等は一例にすぎないので、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではなく、適宜選択可能であることはいうまでもない。
本発明に係る29種類の板紙(これを「実施例1」ないし「実施例29」とする)と、これらの実施例1ないし実施例29と比較検討するために、3種類の板紙(これを「比較例1」ないし「比較例3」とする)を、表1に示すような構成で作製した。また、参考例として一般的な外装用段ボールを評価した。
Figure 0004616228
[実施例1]
<1>表層
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)70質量%と上白古紙パルプ30質量%とを配合した後に、離解フリーネスを400ccに調整した表層用の原料パルプに、硫酸バンドを0.5質量%、サイズ剤(商品名:R−22、近代化学株式会社製)を固形分換算で0.5質量%、乾燥紙力増強剤(商品名:ハーマイドRB−32、ハリマ化成株式会社製)を固形分換算で0.3質量%、湿潤紙力増強剤(星光PMC株式会社製 エピクロロヒドリン)を固形分換算で0.18質量%した。また、表層用の原料パルプには、太さが7.8dtex、長さが5mmの中空レーヨンに蓄熱蓄冷マイクロカプセル(PMED−5 三木理研工業製)を20質量%練り込んだ蓄熱蓄冷剤含有繊維を、その含有量がパルプの固形分に対して30質量%となるように添加し、表層用の原料スラリーを調整した。
<2>中間層(1)
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)30質量%と、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)10質量%と、上白古紙パルプ(LBKP)60質量%とを配合した後に、離解フリーネスを400ccに調整した中間層(1)用の原料パルプに、硫酸バンドを0.7質量%、サイズ剤(商品名:R−22、近代化学株式会社製)を固形分換算で0.5質量%、乾燥紙力増強剤(商品名:ハーマイドRB−32、ハリマ化成株式会社製)を固形分換算で0.7質量%、湿潤紙力増強剤(星光PMC株式会社製 エピクロロヒドリン)を固形分換算で0.3質量%添加する。また、中間層(1)用の原料パルプには、熱発泡性粒子(商品名:マツモトマイクロフェアー F−46、松本油脂製薬株式会社製)を、その含有量がパルプの固形分に対して10質量%となるように添加し、さらにこの熱発泡性粒子の定着剤として、セラフィックスST(明成化学工業社製)を有姿100%として1質量%、ファイレックスM(明成化学工業社製)を有姿100%として2質量%添加する。さらにまた、熱溶融性繊維(クラレ社製 ソフィットN720)を5質量%添加する。その後、中間層(1)用の原料パルプのPHを6.8に調整し、中間層用の原料スラリーを調整した。
<3>裏層
段ボール古紙パルプ70質量%と地券古紙パルプ30質量%とを配合した後に、離解フリーネスを300ccに調整した裏層用の原料パルプに、硫酸バンドを0.5質量%、サイズ剤(商品名:R−22、近代化学株式会社製)を固形分換算で0.5質量%、乾燥紙力増強剤(商品名:ハーマイドRB−32、ハリマ化成株式会社製)を固形分換算で0.4質量%添加して裏層用の原料スラリーを調整した。
これらの原料スラリーを用い、円網3層抄紙機にて表層、中間層(1)、及び裏層の紙層を抄き合わせて、表層の坪量を30g/m、中間層(1)の坪量を60g/m、裏層の坪量を130g/m、多層抄き板紙全体の坪量が220g/mである3層抄きの多層抄き板紙(実施例1)を得た。
[実施例2〜6]
熱発泡性粒子の含有量を表1に示すとおりに変更したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[実施例7〜11]
熱溶融性繊維の含有量を表1に示すとおりに変更したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[実施例12〜13]
膨張開始温度が表1に示す温度である熱発泡性粒子に変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[実施例14〜15]
溶融開始温度が表1に示す温度である熱溶融性繊維に変更したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[実施例16]
膨張開始温度が130℃である熱発泡性粒子、及び溶融開始温度が130℃である熱溶融性繊維に変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[実施例17〜19]
熱溶融性繊維の種類を表1に示すとおりに変更したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[実施例20〜24]
中間層を、遮水性及び断熱性を付与した発泡層である中間層(1)及び(2)の2層とし、発泡層である中間層(1)及び(2)の合計坪量を表1に示すとおりに変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。なお、中間層(2)の原料スラリーは、上述した中間層(1)の原料スラリーと同様のものを用いた。
[実施例25〜29]
蓄熱蓄冷剤含有繊維の含有量を表1に示すとおりに変更したことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[比較例1]
中間層(1)の原料パルプに熱発泡性粒子を添加しなかったことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[比較例2]
中間層(1)の原料パルプに熱溶融性繊維を添加しなかったことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[比較例3]
表層の原料パルプに蓄熱蓄冷剤含有繊維を添加しなかったことを除くその他の点は実施例1と同様にして得た多層抄き板紙。
[参考例1]
市販されている一般的な外装用段ボール原紙220g/mについて、実施例と同様に評価した。
表1中の「発泡層合計坪量(g/m)」とは、上記各試料の層剥離を行い、発泡層である中間層(1)、あるいは中間層(1)及び(2)の米坪をJIS−P8142に記載の「紙及び板紙―坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
なお、層剥離は以下の手順で行った。まず、各試料から得た各サンプルを室温の水に約1時間浸漬する。水に浸漬した各サンプルを、角を起点として10mmΦ程度の丸棒に巻き付けた後、丸棒を転がして各サンプルをしごく。この操作を各サンプルの四隅の全ての角を起点に繰り返し、各方向からサンプルにしごきの力を加える。これにより、各サンプルの層間の一部が剥離してくるので、これを利用して、裏層、中間層(1)、(中間層(2))、及び表層に分離して層剥離を行う。層剥離を行った後、各サンプルの各層を熱風乾燥機などで十分に乾燥し、試験に使用した。
これら全実施例、比較例、及び参考例についての品質評価、すなわち板紙(全層)の坪量、密度、層間強度、遮水率、保冷率、断熱性について評価試験を行った結果は、表2に示すとおりであった。
なお、表2中の「坪量(g/m)」とは、各試料全層、すなわち板紙全体の坪量で、JIS−P8142に記載の「紙及び板紙―坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
「密度(g/cm)」とは、JIS−P8142に記載の「紙及び板紙―坪量測定方法」に準拠して測定した坪量と、JIS−P8118に記載の「紙及び板紙―厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した厚さから算出した値である。
「層間強度(mJ)」とは、JAPAN TAPPI No.18−2に規定するインターナルボンドテスタ法により測定した値である。
「遮水率(%)」とは、下記の遮水性評価試験に基づいて測定した値である。遮水性評価試験とは、まず、板紙である各試料の表層が容器内面となるように、4つの側面同士、および側面と底面とに継目がないように折りたたみ、縦、横、高さが各15cmの容器を作成した。次に、この容器内に200ccの蒸留水を入れて、ポリエチレン製のシートで容器に蓋をし、20時間後に容器内の蒸留水をメスシリンダーに移し、蒸留水の残存量を測定した。なお、この蒸留水は23℃±1℃に調整している。この蒸留水残存量から、多層抄き板紙の遮水率(%)〔蒸留水残存量/200cc〕を測定して評価した試験である。なお、遮水性評価試験は、JIS−Z8703に記載の「試験場所の標準状態」に基づき、温度23℃±1℃、湿度50%±2%の条件下で行った。
「保冷率(%)」とは、下記の保冷性評価試験に基づいて測定した値である。保冷性評価試験とは、板紙である各試料の表層が容器内面となるように、4つの側面同士、および側面と底面とに継目がないように折りたたみ、縦、横、高さが各5cmの直方体の容器を作成した。次に、この容器の中に、蒸留水を冷凍庫で24時間凍らせて作製した27gの氷を入れて、容器に蓋をし、90分後に容器内に残った氷の質量(氷の残存量)を質量%で算出し、評価した試験である。なお、保冷性評価試験は、評価試験はJIS−Z8703に記載の「試験場所の標準状態」に基づき、温度23℃±1℃、湿度50%±2%の条件下で行った。
「断熱性(W/m・K)」とは熱伝導率であり、JIS−A1412の熱流計法に基づき、英弘精機株式会社製の熱伝導率測定器HC−110を用いて測定した値である。なお、測定は温度20℃の条件下で行った。
Figure 0004616228
表2に示すように、本発明に係る多層抄き板紙、すなわち実施例1〜実施例29に係る板紙であると品質評価に優れる、すなわち断熱性、遮水性に優れ、また、板紙を段ボールケースなどに加工する際の貼合・製函時、また使用時において層間剥離が発生することがないことが分かる。
本発明に係る多層抄き板紙の概略断面図である。 本発明に係る多層抄き板紙を用いて形成した段ボールケースの部分断面図である。 本発明の変更例に係る多層抄き板紙の概略断面図である。 本発明の他の変更例に係る多層抄き板紙の概略断面図である。
符号の説明
10,10A,10B,10′,10′′ 板紙
11 表層(断熱層)
12,13 中間層(発泡層)
14 中間層
15 裏層
16 中芯
17 段ボールケース

Claims (2)

  1. 少なくとも表層、裏層、及び前記表層と前記裏層との間に配置される1層又は複数層から成る中間層を有する多層抄き板紙であって、前記表層、前記裏層、及び前記中間層を含む全ての層の少なくとも1層は、蓄熱蓄冷剤として中空合成繊維に蓄熱蓄冷マイクロカプセルを練り込んだ蓄熱蓄冷剤含有繊維が配合された断熱層であり、また、前記中間層の少なくとも1層は、少なくとも熱発泡性粒子と熱溶融性繊維とが配合された発泡層であり、さらにまた、JIS−A1412の熱流計法に準じて測定した熱伝導率が0.05W/(m・K)以下であることを特徴とする多層抄き板紙。
  2. 前記断熱層は、前記蓄熱蓄冷剤含有繊維が前記断熱層のパルプ固形分に対して固形分換算で2〜50質量%配合されていることを特徴とする請求項1に記載の多層抄き板紙。
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