JP3875501B2 - 低密度マットボード用紙及びその製造方法 - Google Patents

低密度マットボード用紙及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水彩画、版画、イラスト、写真等の額装に使用される低密度マットボード用紙及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水彩画、版画、イラスト、写真等の美術作品を額縁に入れて飾る際に、額装用としてマットボードが使用されている。上記マットボードの形態は、厚物の板紙同士を貼合した後、表面にファンシーペーパーや織布を貼付けたもので、額装時にはマットボードから絵画や写真を見せる部分を切り抜く加工を行うので、削刀性が良く切り口がきれいに仕上がることが要求される。また、額装後絵画や写真とともに室内等で長期間保管されるため、用紙が変色しないことや寸法変化を起こさないことが必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状使用されているマットボードは削刀性には優れているものの、額装後に長期間保管した際、紙の水分変化に伴い寸法が変化し、額縁との間に隙間が発生したり、絵画や写真がずれて見栄えが悪くなる等、寸法安定性については不十分であるのが実情である。
【0004】
これは、マットボード紙を構成する植物繊維が水分の影響を受けて、膨潤あるいは収縮することによるもので、植物繊維同士の結合力である水素結合力が強いほど水分の影響を受け易く、その結果前記寸法変化が発生し易くなるというものである。
【0005】
一方、昨今の地球環境問題から森林資源の有効利用が望まれており、使用済みのマットボード紙についても紙原料として再利用が促進されているが、製品の形状が貼合処理されたものであるため、焼却処分されている場合が多い。
【0006】
そこで本発明の主たる課題は、削刀性を維持しながら寸法安定性を改善し、紙の変色を抑え、さらに植物繊維の使用量も低減した低密度マットボード用紙の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の欠点を解決するため鋭意検討した結果、中性抄紙において、表層部にパルプ繊維のみで構成された密度、剛度が高い層を設け、内層部にパルプ繊維と熱発泡性粒子を混在させた低密度層を設けることで、削刀性を維持しながら寸法安定性を改善した低密度マットボード用紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、第一の発明における低密度マットボード紙は、少なくとも表層部と内層部を有し、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造し、かつ表層部が密度0.65〜0.90g/cm3に、内層部が0.2〜0.5g/cm3に調整された多層抄き用紙であって、内層部に熱発泡性粒子を含み、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする。
【0009】
また、第二の発明における低密度マットボード紙は、前記内層部において、含まれる熱発泡粒子が表層部側に多く偏在していることを特徴とする。
【0010】
また、第三の発明における低密度マットボード用紙は、一方の表層部が密度0.65〜0.90g/cm3、内層部が密度0.2〜0.5g/cm3、他方の表層部が密度0.65〜0.90g/cm3に調整され、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造した多層抄き用紙であって、前記内層部に熱発泡粒子を含み、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする。
【0011】
また、第四の発明における低密度マットボード用紙の製造方法は、木材パルプを主成分とする表層部湿紙と、木材パルプ及び発泡性粒子を主成分とする内層部湿紙とを、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造し抄合させた後、前記発泡性粒子が加熱発泡されるとともに、前記表層部の密度が0.65〜0.90g/cm3に、前記内層部の密度が0.2〜0.5g/cm3、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すように加熱乾燥することを特徴とする。
【0012】
また、第五の発明における低密度マットボード用紙の製造方法は、前記内層部湿紙は、木材パルプを主成分とする湿紙に発泡性粒子の分散液がスプレー塗布され、前記発泡性粒子が湿紙の厚さ方向でかつ紙層内に分布されていることを特徴とする。
【0013】
また、第六の発明における低密度マットボード用紙の製造方法は、木材パルプ及び発泡性粒子を主成分とする内層部湿紙を、木材パルプを主成分とする2つの表層部湿紙により挟み、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄き合せた後、前記発泡性粒子が加熱発泡されるとともに、2つの表層部の密度が0.65〜0.90g/cm3に、前記内層部の密度が0.2〜0.5g/cm3になるように加熱乾燥し、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする。
【0014】
また、第七の発明における低密度マットボード用紙の製造方法は、前記発泡性粒子が発泡性マイクロカプセルであることを特徴とする。
【0015】
また、第八の発明における低密度マットボード用紙の製造方法は、前記発泡性マイクロカプセルは、平均粒径が5〜30μmで、80〜200℃での加熱により直径が4〜5倍、体積が50〜130倍に膨張するマイクロカプセルであり、前記内層部湿紙の絶乾坪量換算重量に対し、1〜30重量%含有することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の低密度マットボード用紙及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0017】
本発明における低密度マットボード紙は、少なくとも表層部と内層部を有し、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造し、かつ表層部が密度0.65〜0.90g/cm3に、内層部が0.2〜0.5g/cm3に調整された多層抄き用紙であって、内層部に熱発泡性粒子を含み、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする。
【0018】
本発明における低密度マットボード紙は、少なくとも表層部と内層部とを有する複層構造の用紙であって、前記表層部及び内層部はいずれもpH6.0〜7.5に調整して抄造される。前記pHが6.0未満で抄造した場合、額装後の保管により、次第に黄色く変色する他、マットボード中の酸性物質の影響を受け、絵画や写真の画質が劣化する問題が生じる。また、前記pHが7.5を超えて抄造した場合、前記熱発泡性粒子の紙中への歩留りが低下する他、抄紙設備への粕付着が著しくなるため実用的でない。
【0019】
また、前記表層部は、コシを出すためマットボード用紙として通常の密度、具体的には0.65〜0.90g/cm3の密度層となっており、一方前記内層部は、熱発泡性粒子を含有することで植物繊維使用量を低減した低密度、具体的には0.2〜0.5g/cm3の密度層となっている。
【0020】
前記低密度マットボード用紙の表層部は、密度0.65〜0.90g/cm3、好ましくは0.65〜0.80g/cm3として仕上げられている。
【0021】
表層部の密度が0.65g/cm3未満では内層部のコシのない部分を十分に支えることができず、実用上コシに問題のあるものとなり、密度が0.9g/cm3を超えると、多層抄きの場合、製造工程の乾燥過程で、内層部に含まれる水分が蒸発する際、高密度の表層部を抜け切れず、内部に気泡となる、いわゆるふくれという現象が発生するようになる。
【0022】
一方、内層部は密度0.2〜0.5g/cm3、好ましくは0.3〜0.4g/cm3として仕上げられている。密度が0.2g/cm3未満では各層間の強度が著しく低下し、マットボード製品として使用した際、紙のめくれが発生しやすい他、表層部との密度差が大きくなり過ぎるため、前記削刀性が悪化し、切り口がきれいに仕上がらなくなり好ましくない。一方、密度が0.5g/cm3以上であると植物繊維の使用量を減らすことができず、本発明の目的を果たすことができない。
【0023】
更に本発明の低密度マットボード用紙は、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする。
【0024】
温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%を超えると、額装後に絵画や写真にズレを生じさせたり、額縁への装填が困難に成る。また、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの横方向の伸びが1.0%を超える伸びが生じると、額装後に絵画や写真にズレを生じさせたり、額縁への装填が困難に成るだけでなく、額縁自体の見栄えが悪くなる問題を発現する。
【0025】
本発明の、低密度マットボード紙は、表層部と熱発泡性粒子を含む内層部とで構成されているが、この場合、内層部の熱発泡性粒子は層全体に均一に分散されていても良いが、内層部の熱発泡性粒子を相対的に表層部側に多く偏在させるようにして抄合わせることもできる。こうすることによって、内層部表面側は抄合わされた表層部の密度に近くなり、低密度マットボード用紙全体のコシが強くなる。
【0026】
また、本発明の低密度マットボード用紙は、層全体に熱発泡性粒子を均一に分散した内層部を2つの表層部で(上部表層部、下部表層部)でサンドイッチするように多層抄きして得られたものでも好適に使用できる。この場合において、2つの表層部はそれらが密度0.65〜0.90g/cm3の条件を満たす範囲であれば、それぞれが異なった密度をもって構成されていても良い。さらに本発明の低密度マットボード用紙は表層部、内層部がそれぞれの密度を維持していれば、複数層の多層抄き用紙であっても良い。
【0027】
以上のように、本発明では、厚さ方向に密度の違う層を設けているが、全層に熱発泡性粒子を含む層とすると、熱発泡性粒子の樹脂の影響で表層部の摩擦抵抗が大きくなり、マットボード用紙の貼合や、ファンシーペーパーや織布を貼付ける工程で作業性が悪化するため、実用的でないものとなる。表層部に摩擦抵抗を大きくしない程度に少量の熱発泡性粒子を配合することも可能であるが、上記作業性及び経済的観点からはあまり好ましくない。
【0028】
本発明に使用される植物繊維としては、広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ、等木材繊維を含む主原料として、化学的に処理されたパルプ、木材以外の繊維原料であるケナフ、麻、葦等非木材繊維を主原料として化学的に処理されたパルプや、チップを機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、及びチップを柔らかくなるまで蒸解した後、レファイナー等でパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプ及びクラフトパルプ、セミケミカルパルプ、酵素漂白パルプを含むオフィス上物パルプを脱墨、漂白したパルプ、牛乳パックパルプ、上質断裁パルプ、コート断裁落ちパルプ、上白、特白、中白等未印刷のパルプから得られる回収パルプ等があげられる。
【0029】
また、上質植物繊維にポリエチレン、ポリプロピレン等を原料とした合成パルプを組み合わせたものや、合成パルプの他にもレーヨン繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の各種繊維を配合することは可能であるが、内層部は熱発泡性粒子の歩留りを考慮すると、植物繊維が50重量%以上で構成され、特に100重量%で構成されたものが、熱発泡性粒子の歩留りが良く、発明の効果が高い。
【0030】
内層部へ熱発泡性粒子を配合することで、低密度化の他寸法安定性改善効果が得られる。これは植物繊維間に熱発泡粒子が入り込み、繊維間の水素結合力が弱まることで、水分変動に伴う寸法変化が抑えられることによるものである。
【0031】
内層部における熱発泡性粒子の配合量は、内層部の植物繊維100重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜20重量部である。1重量部未満では、低密度化効果及び寸法安定性改善効果が殆どなく、20重量部を超える場合は繊維間の水素結合力が過剰に低下することによる紙層間強度の低下、表層部との密度差が大きくなり過ぎることによる削刀性悪化の問題が発生する他、経済性の面で劣る。
【0032】
植物繊維中には、熱発泡性粒子以外の薬品として、一般のマットボード用紙に使用される、各種の歩留り向上剤、紙力増強剤、サイズ剤、填料、染料、顔料等が目的に応じ適宜選択して使用される。また、木材パルプ(植物繊維)を主成分とする表層部原料と木材パルプ及び熱発泡性粒子を主成分とする内層部原料のpHを6.0〜7.5に調整するための薬品として、炭酸カルシウム、重曹、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が適宜選択して使用される。
【0033】
本発明の低密度マットボード用紙は、上記の如くpHを調整した後、表層部を構成するための水分率60〜80重量%の湿紙と、内層部を構成するための水分率60〜80重量%の湿紙とを抄合わせ、これを例えばドライヤーに密着させて熱発泡性粒子を発泡させるとともに、表層部の密度を0.65〜0.90g/cm3、内層部の密度を0.2〜0.5g/cm3になるように加熱乾燥して二層抄き用紙を製造する。
【0034】
また、この2つの紙層の抄き合せで本発明の低密度マットボード用紙を製造する場合には、水分率60〜80%に調整された湿紙に、熱発泡性粒子の分散液をスプレー塗布し、熱発泡性粒子が前記湿紙の厚さ方向でかつ紙層内に分布された状態の熱発泡性粒子含有湿紙(内層部を構成する湿紙)を作り、この内層部を構成する湿紙に当てるように抄き合わせ、これを例えばドライヤーに密着させて、熱発泡性粒子を加熱発泡させるとともに、表層部の密度を0、65〜0.90g/cm3、内層部の密度を0.2〜0.5g/cm3になるように加熱乾燥して2層抄き用紙を製造することができる。この方法によれば、表裏両面で密度の高い低密度マットボード用紙が製造できる。
【0035】
本発明の低密度マットボード用紙は、表層部/内層部/表層部の3層構成で製造することもできる。この製造方法は、各湿紙を3層抄き合わせて行うというだけで、抄紙の方法自体は前記と同様である。ただし、この場合は内層部を構成する湿紙は紙層全体に熱発泡性粒子が含有されていて良く、従ってこの湿紙は紙料中の熱発泡性粒子を分散させたものを用いることができる。さらに、4層以上の多層抄き紙で、本低密度マットボード用紙を作製しても良いことは前記のとおりである。
【0036】
本発明に使用する熱発泡性粒子は、マイクロカプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性マイクロカプセルである。このカプセルは、80〜200℃の温度での加熱により、体積が50〜100倍に膨張する平均粒径5〜30μmの粒子である。
【0037】
本発明で使用する熱発泡性マイクロカプセルは、前記したように、熱可塑性合成樹脂の微細粒子外殻内に低沸点溶剤を封入したもので、平均粒径が5〜130倍に膨張するものである。外殻を構成する熱可塑性合成樹脂としては、通常塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共重合体が使用され、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシラン等が使用できる。
【0038】
前記熱発泡性マイクロカプセルは、外殻を構成する熱可塑性合成樹脂の軟化点以上に加熱され、同時に封入されている低沸点溶剤が気化し蒸気圧が上昇し、外殻が膨張して独立気泡形成する。
【0039】
発泡性マイクロカプセルとしては、松本油脂製薬株式会社のマツモトマイクロスフェアーF−30D、同F−30gS、F−20D、F−50D、F−80Dや、日本フィライト株式会社のエクスパンセルWU、同DU等が知られているが、これに限るものではない。
【0040】
本発明の製造方法において、多層抄き紙とする為には、円網多層抄紙機ウルトラフォーマー多層抄紙機、ベルボンドフォーマー多層抄紙機等が使用できる。
【0041】
上記ワイヤーパートで表層部と内層部を重ね合わせた原料を乾燥させる方法として、ヤンキードライヤー、多筒ドライヤー、熱風ドライヤー、赤外線ドライヤー等が使用できる。
【0042】
本発明における低密度マットボード用紙の米坪は、200g/m2〜600g/m2であり、実用上、生産性の点で好ましくは300g/m2〜500g/m2である。また、表層部と内層部の米坪比率は1:1〜3.5であり、所望の紙厚により適宜設定される。
【0043】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、もちろん本発明はこれによって限定されるものではない。なお、ここでの部は重量基準である。
【0044】
〔実施例1〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部(絶乾米坪換算重量部、以下同じ)及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pH7.2に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)3部を添加し、水分率を75%、pH7.0に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.80g/cm3内層部の密度が0.45g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
【0045】
〔実施例2〕
広葉樹晒クラフトパルプ70部及び針葉樹晒クラフトパルプ30部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)1.5部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pH7.2に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)1.5部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)10部を添加し、水分率を75%、pH6.8に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.90g/cm3内層部の密度が0.33g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
【0046】
〔実施例3〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)3部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pH7.0に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)3部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)20部を添加し、水分率を60%、pH6.4に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.65g/cm3内層部の密度が0.23g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/ 2 表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
【0047】
〔実施例4〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)1部を添加し、水分率を75%、pH7.0に調整して表層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)10部を添加し、水分率を75%、pH6.8に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.75g/cm3内層部の密度が0.33g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
【0048】
前記実施例1〜4のマットボード用紙は剛度、層間強度、保管時の変色とも良好で、マットボード用紙としての紙質を満足するものであった。また、用紙の貼合やファンシーペーパーの貼り合せ加工の作業性、切り抜き加工の削刀性は問題なく、マットボードの形に成型できるものであった。さらに、寸法安定性も優れており、従来のマットボードの問題を解消したものとなった。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003875501
【0050】
〔比較例1〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部(絶乾米坪換算重量部、以下同じ)及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pHを7.1に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロスフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pHを7.1に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.80g/cm3内層部の密度が0.63g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の通常市販されているマットボード用紙と同等の用紙を得た。
このマットボード用紙は寸法安定性が劣っており、従来のマットボードの問題を解消することはできなかった。
【0051】
〔比較例2〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pHを7.2に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)30部を添加し、水分率を75%、pH6.5に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.80g/cm3内層部の密度が0.16g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
このマットボード用紙は層間剥離が発生する他、切り抜き加工の削刀性も劣っており、マットボード用紙としては不適な用紙であった。
【0052】
〔比較例3〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。この時のpHは5.0であった。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)10部を添加し、水分率を75%に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。この時のpHは5.2であった。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.80g/cm3内層部の密度が0.33g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
このマットボード用紙は保管時に変色し、マットボード用紙としては不適な用紙であった。
【0053】
〔比較例4〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)10部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)10部を添加し、水分率を75%、pHを7.8に調整して表層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)10部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)25部を添加し、水分率を75%、pHを7.8に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.60g/cm3内層部の密度が0.33g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪304g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
このマットボード用紙は、抄紙設備に多量のパルプ粕や紙粉が付着した他、熱発泡性粒子の紙中含有量が低下して寸法安定性が劣っており、マットボード用紙には不適な用紙であった。
【0055】
〔比較例5〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pHを7.2に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)10部を添加し、水分率を75%、pH6.8に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.93g/cm3内層部の密度が0.33g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
このマットボード用紙は、抄造時の乾燥工程で紙表面にふくれ現象が発生した他、切り抜き加工の削刀性も劣っており、マットボード用紙としては不適な用紙であった。
【0056】
〔比較例6〕
広葉樹晒クラフトパルプ80部及び針葉樹晒クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部を添加し、水分率を75%、pHを7.2に調整して表層部形成用の湿紙を調製した。
一方、広葉樹クラフトパルプ80部及び針葉樹クラフトパルプ20部からなるパルプに、炭酸カルシウム(商品名PC、白石カルシウム(株)製)2部、乾燥紙力増強剤(商品名:ポリストレロン、荒川化学(株)製)1部、湿潤紙力増強剤(商品名:WS525、日本PMC(株)製)0.5部、硫酸バンド5部、ロジンサイズ剤(商品名:AL−122、日本PMC(株)製)0.5部、熱発泡性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロフェアーF−30、平均粒径17μm、外殻の軟化温度80℃、松本油脂製薬(株)製)10部を添加し、水分率を75%、pH6.8に調整して内層部形成用の発泡性粒子含有の湿紙を調製した。
これら湿紙を用い、表層部の密度が0.58g/cm3内層部の密度が0.33g/cm3になるように円網多層抄紙機で抄き合せ、米坪450g/m2の表層部−内層部からなる2層構成のマットボード用紙を得た。
このマットボード用紙は、コシが弱く、マットボード用紙としては不適な用紙であった。比較例1〜6の評価結果をまとめて表2に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0003875501
【0058】
<評価方法>
1)切断面仕上り(削刀性):マットボード用紙をカッターナイフにて、厚み方向から45度の角度をつけて切断し、切断面を観察する。切断面に乱れがないものを○、切断面が乱れているものを×とした。
2)寸法安定性:マットボード用紙をA4縦目に断裁し、温度23℃のもとで、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸び率を、ピカ顕微鏡を使用した水中伸度測定法(J.TAPPI No.27)に準じて計測した。縦方向、横方向の伸びがそれぞれ0.3%以下、1.0%未満のものを○、いずれか一方でも前記数値を上回っているものを×とした。
3)変色:マットボード用紙を太陽光に30日間暴露させ、暴露前後の白色度を測定した。白色度低下率が10%未満のものを○、10%以上のものを×とした。
4)層間剥離:紙の端を1往復折り曲げ、表層と中層の剥がれ有無を観察した。
5)紙のコシ:テーパー剛度(JIS−P8125)を測定する。120N・m以上のものを○、120mN・m未満のものを×とした。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、以下に記載するような効果を奏する。
(1)優れた削刀性
(2)寸法安定性の改善
(3)紙の変色低減
(4)植物繊維の使用量低減

Claims (8)

  1. 少なくとも表層部と内層部を有し、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造し、かつ表層部が密度0.65〜0.90g/cm3に、内層部が0.2〜0.5g/cm3に調整された多層抄き用紙であって、内層部に熱発泡性粒子を含み、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする低密度マットボード用紙。
  2. 前記内層部において、含まれる熱発泡粒子が表層部側に多く偏在していることを特徴とする請求項1記載の低密度マットボード用紙。
  3. 一方の表層部が密度0.65〜0.90g/cm3、内層部が密度0.2〜0.5g/cm3、他方の表層部が密度0.65〜0.90g/cm3に調整され、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造した多層抄き用紙であって、前記内層部に熱発泡粒子を含み、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする低密度マットボード用紙。
  4. 木材パルプを主成分とする表層部湿紙と、木材パルプ及び発泡性粒子を主成分とする内層部湿紙とを、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄造し抄合させた後、前記発泡性粒子が加熱発泡されるとともに、前記表層部の密度が0.65〜0.90g/cm3に、前記内層部の密度が0.2〜0.5g/cm3、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すように加熱乾燥することを特徴とする低密度マットボード用紙の製造方法。
  5. 前記内層部湿紙は、木材パルプを主成分とする湿紙に発泡性粒子の分散液がスプレー塗布され、前記発泡性粒子が湿紙の厚さ方向でかつ紙層内に分布されていることを特徴とする請求項4記載の低密度マットボード用紙の製造方法。
  6. 木材パルプ及び発泡性粒子を主成分とする内層部湿紙を、木材パルプを主成分とする2つの表層部湿紙により挟み、表層部と内層部の少なくとも1層をpH6.0〜7.5条件下で抄き合せた後、前記発泡性粒子が加熱発泡されるとともに、2つの表層部の密度が0.65〜0.90g/cm3に、前記内層部の密度が0.2〜0.5g/cm3になるように加熱乾燥し、温度23℃、湿度を20%から80%に変化させたときの縦方向の伸びが0.3%以下、横方向の伸びが1.0%以下の寸法変化を示すことを特徴とする低密度マットボード用紙の製造方法。
  7. 前記発泡性粒子が発泡性マイクロカプセルであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の低密度マットボード用紙の製造方法。
  8. 前記発泡性マイクロカプセルは、平均粒径が5〜30μmで、80〜200℃での加熱により直径が4〜5倍、体積が50〜130倍に膨張するマイクロカプセルであり、前記内層部湿紙の絶乾坪量換算重量に対し、1〜30重量%含有することを特徴とする請求項7記載の低密度マットボード用紙の製造方法。
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