JP4433551B2 - 段ボールシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛度が高く、高い耐久性を保持することのできる段ボールシートであり、特に、多色のフレキソ、オフセット印刷を施す場合に要求される、印刷面感を向上させた低米坪で剛度の高い段ボールシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の段ボールは古紙を主体としたものが用いられておりその圧縮強度を高くするには米坪を高くする方法がとられる。しかし、最近の環境問題の変化や容器包装の簡略化によりゴミの量を減量しようとする動きがある。各種包装容器の減量化はゴミ問題だけでなく、地球温暖化の対策としても要請されている。段ボールなどの包装材料として用いる場合においてもその環境負荷を最小限にすることが求められている。特に、二酸化炭素の放出にともなう地球温暖化の問題では、パルプの出発物質となる木材が二酸化炭素を固定するとはいっても、その使用は最小限にすべきである。そのため、省資源包装を目的として二重包装を廃止したり、包装そのものを省略する方法もとられているが、内容物の保護が、包装の目的であり、その信頼性を格段に向上させるという意味で、環境負荷の少ない軽量で剛度の高い段ボールシートを使用することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
段ボールシートは段ボール箱を始めとする容器素材としての利用が主である。特に、その構造から発現される高い箱圧縮性能を利用して、比較的低米坪な原紙を用い、段高を低くして段山数を増やしたマイクロフルートと称される段ボールなども開発されている。このような段ボールの段高は1.2mm、0.8mm、0.5mmなどの小さいものであるが、近年、坪量が300〜600g/cm2の白板紙代替としての使用事例も見られるようになってきた。
【0004】
このような使用事例、たとえば白板紙使用と同様のオフセット印刷やグラビア印刷を施した場合、段ボール構造形成後のシート表面にウォッシュボードパターンと称される、中芯の段山構造が出っぱって洗濯板状に浮き出て見える波状パターンが残存しやすく、波状部の山部分と谷部分で印刷濃度に差が出て中芯の段跡が出てしまい面感を損ない問題であった。一方、紙器として使用する場合の箱圧縮強度は同一坪量の板紙を使用したものの箱圧縮強度と比較すると、段ボールシートは中芯と外装シートによる段ボール構造をとるために厚さが厚くなり、また段ボール構造体として形状的にも強くすることができ、同一重量では強度は強くでき、有利である。しかし、先に述べた印刷を施した場合、高い印圧がかかり、段ボールの構造、すなわち、波形を形成した中芯シートの両側にシートを貼りつけた段ボール構造の段高が潰れてしまい、本来発現すべき強度が出なくなってしまうことなどの問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は段ボール用の紙シートの密度に注目し、上記目的を達成するため、▲1▼波形に成形した中芯の両面、あるいは片面に平坦な紙シートを貼合した段ボールシートにおいて、該紙シートの少なくともいずれかが機械パルプ、カールドファイバー、またはマーセル化パルプの少なくとも1種から選ばれたパルプを主体とする紙層を含み、その紙層の密度が0.20〜0.60g/cm3であることを特徴とする段ボールシートとし、▲2▼紙シートが3層以上の多層抄き合わせ紙シートであり、その紙シートの最外層の密度が0.70〜0.90g/cm3であることを特徴とする▲1▼記載の段ボールシート、▲3▼波形に成形した中芯の両面にあるいは片面に平坦な紙シートを貼合した段ボールシートにおいて、該紙シートの少なくともいずれかが3層以上の多層抄き合わせ紙シートであり、さらに該シートが機械パルプ、カールドファイバー、またはマーセル化パルプの少なくとも1種から選ばれたパルプを主体とする紙層を含み、該紙シートの全体の密度が0.40〜0.70g/cm3であることを特徴とする段ボールシート、を用いるものとした。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる紙シートは、段ボールにした場合の剛度と印刷性能を向上させるために用いられるものであり、抄紙機の複数のワイヤーパートから抄きあげた多層のシートを乾燥して得られるものである。さらにシート全体の密度が0.50〜0.70g/cm3の嵩高シートである。この密度で嵩高であり剛度の高いシートを得るためには、このシートのいずれかの層が、0.20〜0.70g/cm3の密度をもつことが必要である。複層の場合はこれらの密度のものをおのおの適宜選んで構成する。これら複層構造以上のシートの場合は、段ボール箱の外側に位置する部位に配置する紙シートの層構成において、オモテ面には、密度が0.70〜0.90g/cm3のものからなる紙層を形成して前記紙粉などの発生を防止して対応することが好ましい。
【0007】
3層以上の構成からなるシートの場合、中層は密度が0.20〜0.60g/cm3と低くして嵩を得るための層として形成し、この中層に接して外層として形成される紙層の密度を0.70〜0.90g/cm3と高くして形成することにより中層に形成された低密度層のヤング率の低下を、外層の高密度層を加えることにより補完するとともに、サンドイッチ構造を作り、剛度が高い包装材料を得ることができる。これらのサンドイッチ構造で示す、外層とは中層よりも外側に位置する層であり中層と実質的に接しているか、あるいは別の層を介して外側に位置している層であり、最外層に存在する層を指す。これらのサンドイッチ構造は低い密度の中層を、それより高い密度の外層で補完するように構成されていればよく、つまり、低密度な中層以外の層はすべて外層とした構成である。
【0008】
シートの剛度Sはシートを片持ち梁と考えたとき、S=E・I/B・W=E・T3/12・W、(E:ヤング率MPa、I:断面二次モーメントN・cm2、B:試料巾mm、W:試料重量kg、T:試料厚さmm)で示され、剛度Sはヤング率とシート厚さの3乗に比例すると考えることができる。
【0009】
さらに板紙のような積層構造のシートの剛度は、Tappi Nov、1963、Vol.46、No.11のA.T.Lueyによると、同様に前述の式を用いて、それぞれの層のヤング率と断面二次モーメントから、各層の剛度値を求め、それら各層の剛度値の和で全層の剛度値が求められるとしている。この考え方に基づけば、紙の厚さ中心からの距離が遠いほど、すなわち紙厚さが厚いほど剛度が出るので、中層は嵩高にすれば良い。また、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示されるのでヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果的である。
【0010】
このことから、中層の密度は0.20〜0.60g/cm3である。0.20g/cm3未満にしようとすると層間強度の低下が激しく、0.60g/cm3を越えると目的とする最終的なシートの密度を得ることができない。さらに好ましい中層の密度は0.30〜0.50g/cm3である。外層に形成する紙層の密度は、0.70〜0.90g/cm3である。0.70g/cm3未満であるとヤング率の低下を招き、剛度の向上が期待できない。一方、外層の密度は高い方がヤング率向上という意味では良いが、抄紙段階で0.90g/cm3を越える密度を得ることは実質的に困難であるのが現状である。
【0011】
このように、剛度を向上させるため、中層のいずれの側にも外層を形成し、さらに外層のヤング率を上げることが好ましいが、外層の一方の面のみ、密度、ヤング率を高くした外層を設け、その外層のみの高密度化で全体の密度が上昇することを抑止する方法も可能である。この方法により、もう一方の面では密度、ヤング率は上げずに、全体の厚さを薄くすることなく、剛性とヤング率をバランスさせて、なお、操業性を改善することもできる。ただし、表と裏のいずれの外層も密度、ヤング率を高くした場合に比べ、剛度向上の程度は小さくなる。しかしながら、外層に高いヤング率を持たない場合や一層で構成して全体の密度を0.50〜0.70g/cm3とした場合に比べて、前述したようにサンドイッチ構造をとるために、剛性の高いシートを得ることができる。
【0012】
外層に用いる密度を高くするパルプとしては、特段の制約はなく、どの種類のパルプを選択してもかまわないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉樹)パルプの叩解度を高くして剛度を失わないようにする。これらサンドイッチ構造を効果的なものとするためには、最外層の坪量は15〜100g/cm2であることが好ましい。すなわち15g/cm2未満であると抄紙できないか、できても高ヤング率発現の効果は小さい。一方100g/cm2を越えると相対的に中層の坪量が減り、嵩高な構造ができにくいからである。
【0013】
シートの製造方法として、一般には約5ステーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/cm2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを展開してウエットシートを形成する。たとえばまず最外層に位置する外層を形成するワイヤーパートに40g/cm2程度のパルプ層を形成して脱水したのち毛布に転移させる。次に中層も同様に別のワイヤーパートで紙層を形成し毛布に乗った最外層を重ね合わせて2層を形成する。この2層をさらに別のワイヤーパートで形成した紙層に重ね合わせる手法を繰り返し、最後にもう一方の最外層を形成し、全体で4〜10層程度の多層抄き板紙を得る。
【0014】
一方、中層に用いるパルプのフリーネスが再離解状態で200ml未満であると抄紙後の水切れが悪い状態で、抄紙、窄水されるため、吸引堆積しパルプ繊維は抄紙後、嵩高、低密度化とは逆に、緻密な構造になりやすい。そのため、所望のバルキーな構造を作りにくくなるので得策ではない。650mlを越えると、低密度になりすぎて、抄き合わせ後、プレス、搾水される際に、バルーン状のフクレが発生しやすくなることがある。さらに、これら、JIS P 8121のカナダ標準形に準じて、使用するパルプを再離解して測定することは、良好な操業性を示した製品を使用して必要なパルプ特性を短時間で把握するのに有効である。再離解状態で200〜650mlのフリーネスを示すような紙料は、そこに用いるパルプの種類に関わらず、混合紙料の状態でのカナダ標準型フリーネスで250〜700mlとすれば良い。機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば特に制限はないが、クラフトパルプや機械パルプを主体とするものが好ましい。
【0015】
外層、特にオモテ層は、オフセット印刷やフレキソ印刷して使用されるので、紙器箱に用いられる、いわゆるコートボールなどの白板紙と同様の表面性を持つことが好ましい。コートボールでは、原紙がカバーリングできる塗工量として20g/m2程度以上を塗工しているので、この程度以上の塗工をしていることが好ましい。その塗工は、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、バーコーターやチャンピョンコーターなどが適宜使用できる。
【0016】
紙シートの坪量は30〜750g/m2、好ましくは50〜400g/m2である。紙シートの平滑度は王研式平滑度で1秒〜1000秒が好ましい。紙シートの吸水度は、コブ吸水度(JIS P8140「紙および板紙の吸水度測定法」2分)で5g/m2〜100g/m2が好適である。吸水度が5g/m2未満だと塗料水分が原紙に染み込まず乾燥性が悪くなり、吸水度が100g/m2を越えると塗料が紙シートに染み込みすぎて塗膜層の厚さが小さくなり、多くの塗工量が必要となる。
【0017】
段ボールシートで形成される箱の強度は、箱構造および段ボールシートすなわち、フルートと呼ばれる中芯とライナーから構成される構造体の強度に依存する。フルートはその形状、大きさ、高さ、ピッチで異なるがA、B、C、E、F、Gフルートと呼ばれてその大きさを区別している。これらフルートによる形状、大きさ、高さ、ピッチで段高、段数は規定されるのはもちろんである。さらに、これらをそれぞれ構成する原紙の強度によって最終的な箱強度や段ボールシートの強度が論じられるのは言うまでもない。
尚、本発明において使用可能な中芯の素材については特に限定はなく、通常の段ボールの中芯として使用されている中芯原紙の他、最終的な段ボールシート、及び構造体に要求される強度や性能に応じて適宜任意に選択することが可能である。また耐水、撥水加工等を任意に施すことも可能である。
【0018】
段ボールシート、及び段ボールシートを構成する原紙の強度から、最終的な箱強度を推定する試みは古くから行われており、箱圧縮強度の計算による推定式がいくつも示されている。それらは、たとえば、ケリカット、マルテンフォルト、マッキー、ウォルフ等の式であり、シート厚さ、シートのリングクラッシュ値からエンドクラッシュそして、段ボール箱の縦横の箱寸法から推定する箱強度は現実の箱強度と相関があることが示されている。たとえば、ケリカットの式は、構成原紙のリングクラッシュ値を測定して、箱の周辺長と段ボールのフルート種類、の関係から段ボール箱の圧縮強度を算定する式として、箱圧縮強さ(P)=PX(総合リングクラッシュ値:オモテと裏のライナーのリングクラッシュ値+中芯原紙のリングクラッシュ値×段繰り率)×[aX2(各フルートにおける定数)/(箱の周辺長Z/4)]の3/2乗 ×箱の周辺長Z×箱のフルートによる定数J として示している。これらからシート全体の厚さと原紙のリングクラッシュ値が箱強度に影響を与えることが示される。
【0019】
段ボールシートの表面、特にケースの表面側になるダブル側ライナーの表面が洗濯板状に凸凹な状態になる現象をウォッシュボードパターンと呼ぶ。これらが発生すると段頂部分が出っぱって外観の見栄えが悪くなるのみならず、印刷かすれが発生しやすい。そのため印圧を上げて印刷するとシートが潰れてしまう。その結果前述したようにシート厚が薄くなり、箱強度が低下することになる。特に紙器箱代替として使用されるマイクロフルートと呼ばれる段高の低く小さい段ボールシートは高い印圧で印刷されるため、ウォッシュボードパターンの発現と厚さ低下による強度低下が発生しやすい。
【0020】
そのため、強度特性とオフセット印刷適性、特に印刷後表面性の変化について、鋭意検討したところ、段ボールシートを構成する紙シートについて嵩高で密度を低下させ、さらに、圧縮率を高くすると、ウォッシュボードパターンを発生しにくくでき、印圧を下げても印刷性を保つことができ、結果としてシート厚さの目減りを少なくすることができるため、箱強度の低下も押さえられることに有効であることを見出した。すなわち、波形に成形した紙シート1を平坦な紙シート2、3でサンドイッチ状に貼り合わせた段ボール用シートにおいて、該段ボール用紙シートの少なくともいずれか一つが機械パルプ、カールドファイバー、またはマーセル化パルプの少なくとも1種から選ばれたパルプを主体とする紙層を含み、その紙層の密度が0.20〜0.70であることを特徴とする段ボール用紙シートを使用し、また、そのシートの、少なくともいずれか一つが3層以上の多層抄き合わせであり、その紙シートの最外層の密度が0.70〜0.90であることを特徴とする段ボール用紙シートを使用することである。これらのシートを用いれば、表層は密度が高く、良好な印刷性を維持し、中層の密度が低いため、クッション性を有することで表面の変形が押さえられることが考えられる。
【0021】
これらの理由は、シートの厚さ方向に荷重をかけたときの潰れ具合の程度としての圧縮率が30kgf/cm2の荷重値のとき、一般のライナーでは10〜18%であるのに対して、これらの紙シートでは、20〜50%にも及ぶからである。さらに、段ボールシート平面に対しての強度値であるフラットクラッシュ値は、一般の段ボールに使用されるライナーを使用した場合、Bフルートでは1.8から2.5kg/cm2であり、マイクロフルートでは2.0からおおよそ5.0kg/cm2程度であるのに対して、前述の紙シートを使用するとフラットクラッシュ値を、それぞれ、おおよそ20%から50%まで上げて、Bフルートでは2.2から3.0kg/cm2であり、マイクロフルートでは2.5からおおよそ7.0kg/cm2とすることができる。オフセット印刷の印圧は、3.0から6.0kg/cm2程度の圧力がかかるため、これ以下であれば段ボールシートは変形してしまうが、3.0から4.0kg/cm2程度まで向上させれば変形を小さくできるからである。
【0022】
また、段ボールシート形成の接着貼合時にすら、オモテ面のダブルフェーサー部分と裏面のシングルフェーサー部分いずれも、段山形状の影響を受け、ライナーには凹凸が発現する傾向があるが、この紙シートを用いれば、紙シート自体にクッション性があるために貼合時にこのように発生する凸凹の形成をより少なくすることができる。すなわち、貼合時に段繰りロールの段頂部分がライナーを押し付ける圧力は5.0〜50kg/cm2かかるが、20〜50kg/cm2の圧力をかけたときの厚さ方向の変位量は、前述したように一般のライナーに比べて、本発明の紙シートでは倍以上にすることができるため、シート自体で圧力を吸収して凹凸発生を押さえることができるからである。さらにこの凹凸発生が少ないことで、段形成後に加熱圧着する工程で、熱盤を通過する際に、突端部分で熱盤に接触するとその部分で紙表面が金属面に擦られて光沢が出てしまい、醜くくなることも抑止できる。すなわち、貼合接着時に凹凸発生が少ない本発明のシートでは、面全体で熱をうけ、異常光沢が出にくくなると考えることができる。
本発明で示されるシートに使用の製法や製造条件は特に制限されるものではなく、前述の規定条件を有していればかまわない。
【0023】
【実施例】
以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下において部、%とあるのはすべて重量部、及び重量%を示す。
<実施例1>
熊谷理機工業製の配向性抄紙機を用い、ワイヤースピード300m/minで熊谷理機工業製のパルプ叩解機を用いて以下の▲1▼〜▲3▼の三種類のパルプをそれぞれ叩解し、順次、抄紙し、抄き合わせていく。抄き合わせる際に、各層の表側(フェルトサイド)へ王子コーンスターチの澱粉ONL510を澱粉濃度2.0%として霧吹きスプレーで固型分付着量が1.0g/m2となるようにスプレーした後、抄き合わせる。▲1▼市販NBKP、450mlcsf、30g/m2、▲2▼ラジアータパインTMP350mlcsf、120g/m2、▲3▼市販NBKP450mlcsf、30g/m2。さらに由利ロール機械のキャレンダーのエア圧制御で、ニップ圧を10kg/cmとして、30m/minのスピードで抄き合わせた湿紙状のシートを敷島カンバス製のモノプラスチックカンバスシートに挟み加圧処理する。その後、フエロタイプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機を用いて乾燥する。さらにその後20℃・65%RHで調湿し、由利ロール機械のキャレンダーでニップ圧を20kg/cmとして、20m/minのスピードでキャレンダー処理して塗工前の原紙を得る。その後20℃・65%RHで調湿し、坪量、厚さ、密度等の紙質を測定する。
【0024】
この塗工原紙シートに後述の塗料を塗工する。アンダーコート塗料をマイヤーバーで10g/m2下塗りしイスズ社製の熱風乾燥機内で105℃、1分間乾燥させ、そののち上塗り塗料を前述のアンダーコート塗料を塗工した原紙に乾燥重量10g/m2になるようにマイヤーバーで塗工し、イスズ社製の熱風乾燥機内で105℃、1分間乾燥させ、次いで表面温度140度のグロスキャレンダーで15kg/cmのニップ圧でキャレンダー処理して塗工紙を得た。
【0025】
得られた抄紙塗工後のシートに中芯(B級中芯115g/m2 高崎三興製紙製中芯シート)の片面にコーンスターチ(王子コーンスターチ製、酸化澱粉王子エースA)を接着剤として塗布し、テストコルゲーターのF段ロール(120段/30cm)を用いて貼合する。次に、前記中芯の反対面にも同様にコーンスターチ(王子コーンスターチ製、酸化澱粉王子エースA)接着剤を塗布し、ライナー(D級ライナー120g/m2、高崎三興製紙製)を貼合して両面段ボールを製造する。そして、この両面段ボールをキャンパスで押さえながら熱盤で180℃前後に加熱し、この熱でデンプンを糊化してライナと中芯を強固に接着する。接着した段ボールシートは、乾燥させた後、カッターで所定寸法に断裁して、一定寸法の段ボールシートとする。
【0026】
<実施例2>
原紙の配合が▲1▼市販NBKP、450mlcsf、30g/m2、▲2▼カールドファイバー650mlcsf/ラジアータパインTMP550mlcsf=10/90、120g/m2▲3▼市販NUKP450mlcsf、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の条件で抄紙、塗工、貼合を行って段ボールシートを製造した。
【0027】
<実施例3>
原紙の配合が▲1▼市販NBKP、450mlcsf、30g/m2、▲2▼マーセル化パルプ550mlcsf/ラジアータパインTMP550mlcsf=10/90、120g/m2、▲3▼市販NUKP450mlcsf、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の条件で抄紙、塗工、貼合を行って段ボールシートを製造した。
【0028】
<比較例1>
原紙の配合が▲1▼市販NBKP、450mlcsf、30g/m2、▲2▼市販NUKP、450mlcsf、120g/m2、▲3▼市販NUKP450mlcsf、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の条件で抄紙、塗工、貼合を行って段ボールシートを製造した。
【0029】
<比較例2>
原紙の配合が▲1▼市販NBKP、450mlcsf、30g/m2、▲2▼新聞古紙、250mlcsf、120g/m2、▲3▼市販NUKP450mlcsf、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の条件で抄紙、塗工、貼合を行って段ボールシートを製造した。
【0030】
<比較例3>
原紙の配合が▲1▼市販NBKP、450mlcsf/ラジアータパインTMP550mlcsf=20/80配合として抄き合わせしない一層抄きとして坪量を180g/m2としたこと以外の他の条件は、実施例1と同様の条件で、抄紙、塗工、貼合を行って段ボールシートを製造した。
【0031】
上記の実施例1〜3、比較例1〜3についての紙質を表1に示した。各紙質評価の測定法は以下の方法によった。
<圧縮率>
テンシロンで縦×横=50mm×50mmのシートに荷重を1.0mm/secのスピードででかけていき、その変位量を測定する。30kgf/cm2の荷重値をかけたときの厚さ/荷重0の時の厚さ=圧縮率%として表記する。
<ウォッシュボードパターン>
オフセット印刷機(三菱重工製8色枚葉印刷機)で印刷前後の厚さを計測するとともに、印刷後の表面のウォッシュボードパターンの良否を面感で○×評価する。
【0032】
〔塗料配合〕
上塗り:カオリン(エンゲルハード社製、ウルトラホワイト90)/炭酸カルシウム(白石工業社製、ブリリアント15)/酸化チタン(トーケムプロダクツ社製、TCA333)=50/35/15、およびラテックス(旭化成社製、L1410)/尿素リン酸エステル化澱粉(日本食品化工社製、MS4600)=15/5。(固型分重量基準の配合部数、以下同じ)
下塗り:カオリン(シール社製、カオブライト)/炭酸カルシウム(備北粉化社製、ソフトン2200)=50/50、およびラテックス(JSR社製、0668)/尿素リン酸エステル化澱粉(日本食品化工社製、MS4600)=15/5。
【0033】
【表1】
Figure 0004433551
【0034】
【発明の効果】
以上に述べた方法により製造された段ボールシートは、貼合後、オフセット印刷後に発生するウォッシュボードパターンが少なく面感が良好で、さらに印刷後の段潰れも小さいため、段ボールとして使用する際の箱圧縮強度も低下することなく使用できる。

Claims (1)

  1. 波形に成形した中芯の両面平坦な紙シートを貼合した段ボールシートにおいて、該紙シートの少なくともいずれかが3層以上の多層抄き合わせ紙シートであり、さらに該紙シートが機械パルプ、カールドファイバー、またはマーセル化パルプの少なくとも1種から選ばれたパルプを主体とする密度が0.20〜0.70g/cm である紙層を有し、該紙シートの最外層の紙層の密度が0.70〜0.90g/cm であり、該紙シートの全体の密度が0.40〜0.70g/cm であることを特徴とする段ボールシート。
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