JP2004300595A - 印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙。 - Google Patents

印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙。 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルム転写方式で塗工した際の塗工適性が良好であり、低密度で実用に適した剛度を有し、印刷光沢度、インキ着肉性等に優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙の製造方法およびその塗工紙を提供することにある。
【解決手段】原紙上の顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、填料として無定型シリケートを原紙重量当たり3〜12重量%含有する原紙に、顔料100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を0.1重量部以上2.0重量部未満含有した塗工液を、フィルム転写方式で塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法及び印刷用塗工紙。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム転写方式で塗工し、低密度にも関わらず優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、印刷物に対し、写真や図案を多用し、更にカラー化するなどにより、視覚的に内容を強力に伝達しようとする強い要望がある。一方、省資源、輸送および郵送コストなどの点から印刷物の軽量化にたいしても強い要望がある。この二つの要素は相反する物であり、高品質印刷塗工紙は原紙および塗工量が多く、また表面処理による平滑化などにより、同一坪量で比較して密度が高いものであり、軽量化の要望にそぐわない。印刷物の軽量化には低坪量の用紙を選択することが可能であるが、密度が同等であれば軽量化にともない紙厚も低くなり、冊子のボリューム感を損なうため好まれない。このため、すなわち同一坪量で比較して紙厚の高い、もしくは同一紙厚で比較して坪量の低く、すなわち低密度(嵩高)でかつインキ着肉性等の印刷適性が良好な塗工紙が求められている。
一方、低コストで効率的に塗工紙を製造するために、抄紙機と塗工機が一体化したオンマシンコーターが幅広く用いられている。オンマシンコータの塗工方式には、主としてフィルム転写方式とブレード塗工方式が用いられている。フィルム転写方式は、計量されたアプリケーターロール上の塗工液を原紙に転写する方式であり、塗工時に原紙にかかる負荷がブレード塗工方式と比較して相対的に小さいため、操業時の断紙トラブル等が少ないという利点がある。特に効率化を考えた場合、マシン上のサイズプレス部分にフィルム転写方式を用いることにより、マシン上で塗工紙が生産されるため、通常のマシンで原紙を抄造した後に、別途コータで塗工する場合に比べて、効率的である。しかし、フィルム転写塗工は、アプリケータロール上の塗工液が原紙へ転写する際の転写性に限界があるため、ブレード塗工と比較して高塗工量を得ることが困難であること、原紙に転写されない塗工液が塗工時に飛散すること(以下ミストという)が問題となっている。
【0003】
フィルム転写塗工方式をもちいて高塗工量にする方法のひとつに、アプリケーターロール上の塗工液の原紙への転写性を向上させる方法がある。アプリケーターロール上の塗工液の原紙への転写性を改善する方法として、塗工液の保水性を低くし、アプリケーターロールが原紙に接触する際に、塗工液が原紙へしみ込みやすくする(転写しやすくする)手法がある。しかし、相対的に塗工液の原紙への転写性は良好になるものの、塗工量の絶対量を大きく左右する事は困難であり、ブレード塗工と比較して高塗工量にし、優れた印刷適性を備えた塗工紙を得るという本来の目的を達成することは困難である。
【0004】
フィルム転写塗工をもちいて高塗工量にする他の手法のひとつとして、アプリケーターロール上の塗工液の絶対量を増やし、原紙へ転写する絶対量を増やす方法がある。しかし、一般的に用いられている塗工液を用いて、アプリケーターロール上の塗工液を増やした場合、原紙への転写率に限界があるため、アプリケータロール上から原紙へ転写する絶対量が増加すると同時に、転写せずにアプリケータロール上に残る絶対量も増加する。転写せずにアプリケータロール上に残った塗工液の一部はミストとなって飛散するめ、転写せずにアプリケータロール上に多量の塗工液が残るということは、ミストの絶対量が増え製造時のトラブルの要因になり、特に高速塗工ほど問題になる。
【0005】
アプリケータロール上の塗工液の絶対量を増やす方法として塗工液濃度を高くする手法が一般的であるが、塗工液濃度を高くした場合、塗工液粘度も同時に高くなる。フィルム転写塗工方式であるトランスファーロールコーターは、アプリケーターロールの外側に配置されているインナーロールと更に外側のアウターロール間のニップ上に塗工液が供給されるコーターである。インナーロールとアウターロールは共に常時回転しているため、塗工液粘度が高い場合塗工液は跳ね上がり(以下ボイリングという)、操業上大きなトラブルとなる。
【0006】
メタードフィルム転写塗工方式を用いて、特定の式に該当する塗工液を塗工することによって、操業性が良好で印刷適正に優れた印刷用塗工紙が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、白紙光沢度に比べて印刷光沢度が高くなく、印刷適性に劣り、またボイリングなどが発生する問題があった。
低密度にも関わらず優れた印刷適性を備えたオフセット印刷用塗工紙を製造するには、低密度の原紙を使用する必要がある。低密度で紙厚と不透明度を保ちながら原紙を軽量化する方法として、中空の合成有機物のカプセルを配合する方法、抄紙時のドライヤー熱で発泡させる合成有機発泡性填料(例えば日本フィライト株式会社製EXPANSEL)を配合する方法等が知られているしかし、これらの方法は、抄紙時の乾燥条件など、安定した操業条件を得ることが困難であり、大量生産が必要な品種には適当とはいえない。また、填料ではないが、微細フィブリル化セルロースを添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしこの方法では、微細フィブリル化セルロースを別に調整する必要があり操業上煩雑になり、実用的ではない。
【0007】
また、機械パルプを10重量%以上、填料として無定型シリカを紙重量あたり2〜12重量%含有した原紙上に塗工層を設けることにより、嵩高で剛度が高い塗工紙を製造できることが知られている(特許文献3参照)。しかしながら、このような嵩高な塗工原紙をフィルム転写塗工方式に用いた場合、塗工時に塗料は原紙にしみ込みやすくなり、フィルム転写塗工では塗工量の上限に制限があるため、低塗工量では塗料の原紙被覆性は著しく劣り、印刷適性は劣る。
このように、従来の技術の単なる応用では、フィルム転写方式の塗工を用いた際に、塗工適性が良好で、低密度で印刷適性に優れた印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
【0008】
【特許文献1】特開2000−256988号公報
【特許文献2】特開平8−13380号公報
【特許文献3】特開平11−279988号公報
【発明が解決しようとする課題】
このような状況に鑑みて、本発明の課題は、フィルム転写方式で塗工した際の塗工適性が良好であり、低密度で実用に適した剛度を有し、印刷光沢度、インキ着肉性等に優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙の製造方法およびその塗工紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題について鋭意研究した結果、原紙上に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、填料として無定型シリケートを原紙重量当たり3〜12重量%含有する原紙に、顔料100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を0.1重量部以上2.0重量部未満含有した塗工液を、フィルム転写方式で塗工して製造することにより、塗工適性が良好で、印刷光沢度、インキ着肉性に優れた印刷適性を備えた印刷用塗工紙を得ることができ、前記課題が解決されることを見いだし本発明を完成した。
【0010】
本発明においては、PVAを0.1重量部以上2.0重量部未満塗工液に配合することにより、フィルム塗工方式での原紙への転写性が飛躍的に向上し、塗工量が多くなり、原紙被覆性が良好になり、印刷光沢度、インキ着肉性等が良好になった。また、塗工液粘度が高くなりすぎないために、ミストやボイリング等が発生せず、塗工適性も良好であった。更にこれらの塗工液を用いた場合、本発明で用いる、填料として無定型シリケートを原紙重量あたり3〜12重量%を含有する嵩高な原紙に塗工しても、原紙へ塗工液がしみ込みすぎることなく、塗工液が原紙表面付近に塗工され、原紙被覆性が良好で印刷適性等に優れていた。
本発明においては、印刷適性を向上させるために、片面あたりの塗工量は7g/m以上であることが好ましく、更に好ましくは10g/m以上である。また、フィルム転写方式で塗工した場合の塗工量が10g/mを超えてもボイリングやミストの発生がなく塗工適性が良好であり、印刷適性に優れるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、原紙に顔料および接着剤を含有する塗工液をフィルム塗工方式で塗工することにより、印刷用塗工紙を得るものである。本発明で用いる原紙は、内添填料として、無定型シリケートを原紙重量あたり3〜12重量%となるよう添加することが重要である。無定型シリケートを原紙重量あたり3重量%未満添加した場合、原紙は嵩高にならず、この原紙を用いて塗工紙を製造した場合、低密度塗工紙を製造することは困難である。無定型シリケートを原紙重量あたり12重量%越えて添加した場合、原紙の層間強度は著しく低下し、この原紙を用いて塗工紙を製造した場合、オフ輪印刷時にブリスターが発生したり、ブランケット通過時に層間剥離が発生したりする。
【0012】
本発明の無定型シリケートは、含水ケイ酸の軽金属塩であって、含水ケイ酸ナトリウム、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウムナトリウム、含水ケイ酸カルシウム、含水ケイ酸マグネシウム等を例示することができる。これら無定型シリケートは、単独で使用しても、2種以上併用しても良い。
【0013】
填料は紙料スラリーの抄紙適性や強度特性を調節する目的で、無定型シリケート以外に少量のタルク、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタンを混合しても良い。
【0014】
原紙を構成するパルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒しまたは未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ(故紙パルプ)を単独または任意の割合で混合使用する。
【0015】
原紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中填料以外に必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色剤、染料、消泡剤等を含有しても良い。
【0016】
塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度の紙ベースや板紙ベースの原紙が適宜用いられている。原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン、二者を併用した板紙マシン、ヤンキードライヤマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、勿論、メカニカルパルプを含む中質原紙および回収古紙パルプを含む原紙も使用できる。また、サイズプレス、ビルブレード、ゲートロールコータ、プレメタリングサイズプレスを使用して、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙や、ピグメントと接着剤を含む塗工液を1層以上予備塗工した塗工原紙も使用可能である。
【0017】
本発明原紙上の塗工層においては、塗工用顔料100重量部あたりポリビニルアルコール(PVA)を0.1重量部以上2.0重量部未満含有することが重要である。PVAは顔料塗工用接着剤(以下バインダーという)として紙塗工分野にも従来から用いられているが、塗工液の粘度が塗工紙の一般的なバインダーであるスチレン−ブタジエン系ラテックス(以下SBラテックスという)、各種澱粉を配合した場合と比較して高いため、低濃度塗工が一般的である特殊紙、情報用紙分野での使用に限定されていた。PVAを2.0重量部以上多く配合した場合、塗工液粘度が一般的な塗工適性範囲より高くなるため、塗工液濃度を下げて粘度を低くする必要がある。フィルム転写塗工において、低濃度塗工液を用いて塗工量を増やすには、アプリケーターロール上の塗工液の絶対量を増やし、原紙へ転写する絶対量を増やす方法がある。しかし、低濃度塗工液を用いて、アプリケーターロール上の塗工液を増やした場合、原紙への転写率に限界があるため、アプリケータロール上から原紙へ転写する絶対量が増加すると同時に、転写せずにアプリケータロール上に残る絶対量も増加する。転写せずにアプリケータロール上に残った塗工液の一部はミストとなって飛散するめ、転写せずにアプリケータロール上に多量の塗工液が残るということは、ミストの絶対量が増え製造時のトラブルの要因になる。また、塗工液粘度が高い場合、フィルム転写塗工方式であるトランスファーロールコーターのインナーロールとアウターロール間でボイリングが発生し、操業上大きなトラブルとなる。
【0018】
また、PVAを0.1重量部より少なく配合した場合、塗工液の転写性改善効果は十分なものではなく、課題を達成することは困難である。
【0019】
そこで、PVAをバインダーとしてではなく助剤として0.1重量部以上2.0重量部未満配合することにより、塗工液の原紙への転写性が飛躍的に良好になることを見出した。また、塗工液の転写性、塗工液粘度のバランスを考慮すると、最も好ましいPVAの配合量は0.1〜1.0重量部である。また、PVAの重合度は、500〜3000が好ましい。
【0020】
本発明の塗工液に用いられる顔料としては、特に制限はなく、発明の目的を損なわない範囲で複数の顔料を併用することができる。顔料としては、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。好ましくは、印刷適正を向上させるために、カオリンを顔料100重量部当たり75重量部以上配合することが好ましい。
【0021】
本発明の塗工液に用いられる接着剤としては塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいは無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で使用される。
【0022】
本発明の塗工液には、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を使用しても良い。また、塗工適性、印刷適正を良好にするために、本発明の塗工液の固形分濃度は、45〜65重量%に調節することが好ましい。
【0023】
本発明においては、調整された塗工液を、トランスファーロールコーター、メタリングサイズプレスに代表されるフィルム転写方式で、一層もしくは二層以上を原紙上に片面づつもしくは両面同時に両面塗工する。片面あたりの塗工量は7g/m以上であることが好ましく、更に好ましくは10g/m以上であり、特に好ましくは12g/m2以上である。片面あたりの塗工量が7g/mより低い場合、十分な原紙被覆性が得られず、十分なインキ着肉性を得ることは困難である。本発明においては、フィルム転写方式で塗工した場合、塗工量が10g/m以上でもボイリングやミストの発生がなく塗工適性が良好であり、印刷適性に優れるものである。トランスファーロールコーターの場合、アプリケーターロールに対するインナーロール及びアウターロールの周速比は、50〜95%が好ましい。本発明において、特に塗工速度が1000m/分以上、より好ましくは1100m/分以上の高速時にミストやボイリングの発生を抑えることができる。
【0024】
湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例えば蒸気過熱シリンダー、加熱熱風エアドライヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等各種の方法が単独または併用して用いられる。
【0025】
以上の様に塗工乾燥された塗工紙は、スーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行っても良く、平滑化処理を行っても低密度が維持されるものである。本発明の効果は、特に坪量が25〜120g/mの塗工紙において優れるものである。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量%を示す。尚、塗工液および得られたオフセット印刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
〈評価方法〉
(1)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(2)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(3)印刷光沢度:東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、B縦サイズの版とオフセット印刷用インキ(東洋インキ製 レオエコーM)を用いて印刷速度500rpmで印刷し、得られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P 8142に基づいて測定した。
(4)剛度:JIS P8143に基づいて測定し、評価は以下の基準で行った。◎極めて良好、○:良好,△:やや劣る、×:劣る
(5)層間剥離:東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、B縦サイズの版とオフセット印刷用インキ(東洋インキ製 レオエコーM)を用いて印刷速度500rpmで印刷し、両面4色ベタ印刷部の層間剥離の発生の程度を4段階で目視評価した。◎:非常に優れる、○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り
(6)インキ着肉性:東芝オフセット輪転機(4色)を用いて、B縦サイズの版とオフセット印刷用インキ(東洋インキ製 レオエコーM)を用いて印刷速度500rpmで印刷し、得られた印刷物(藍単色ベタ印刷部)のインキ着肉性を4段階で目視評価した。◎:非常に優れる、○:優れる、△:やや問題有り、×:問題有り
(7)ミスト発生量:フィルム転写塗工時のミスト発生量を、特開平11−333353号公報に基づいて測定し、以下の基準で評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(8)塗工液転写性:フィルム転写塗工における塗工液の転写性を、塗工アプリケーションへの塗工液供給量と塗工量の関係から測定し、以下の基準で評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
(9)ボイリング:トランスファーロールコーターのインナーロールとアウターロール間におけるボイリングの程度を、以下の基準で目視評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
[実施例1]
微粒クレー(IMERYS社製DB−GRAZE)26部、一級クレー(IMERYS社製DB−PRIME)26部、二級クレー(J.M.HUBER社製HS−H)26部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−90)22部からなる顔料に、分散剤として対顔料でポリアクリル酸ソーダ0.2部を添加して、セリエミキサーで分散し、固形分濃度が70%の顔料スラリーを調整した。このようにして得られた顔料スラリーにスチレンブタジエンラテックス(ガラス転移温度20℃)16部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉4部、PVA(クラレ社製PVA117)を0.5部加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を得た。塗工原紙用内添填料として、含水ケイ酸アルミニウムソーダを原紙重量当たり6重量%となるよう添加した坪量62g/mの中質紙に片面あたりの塗工量が、固形分で14.0g/mになるように、1200m/分の塗工速度のトランスファーロールコーターで両面塗工を行い、紙水分が5.5%になるように乾燥した。トランスファーロールコーターのアプリケーターロール:インナーロール:アウターロールの周速比は100:70:70と一定、各ロール間の圧力も一定とし、塗工量は塗工液濃度を変更することにより調整した。
【0027】
次いで、ロール温度70℃、2ニップ、カレンダー線圧15kg/cm、通紙速度1200m/分でソフトニップカレンダー処理を行いオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、片面あたりの塗工量を固形分で12.0g/mなるように両面塗工を行なった以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、片面あたりの塗工量を固形分で7.5g/mなるように両面塗工を行なった以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において、PVAの配合量を1.5部に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、片面あたりの塗工量を固形分で6.5g/mなるように両面塗工を行なった以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[実施例6]
実施例1において、顔料配合を一級クレー(IMERYS社製DB−PRIME)25部、二級クレー(J.M.HUBER社製HS−H)25部、微粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−90)25部、粗粒重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT−75)25部に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、PVAの配合量を0.05部に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、PVAの配合量を2.5部に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、原紙を塗工原紙用内添填料として、含水ケイ酸アルミニウムソーダを原紙重量当たり2重量%となるよう添加した坪量62g/mの中質紙に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、原紙を塗工原紙用内添填料として、含水ケイ酸アルミニウムソーダを原紙重量当たり13重量%となるよう添加した坪量62g/mの中質紙に変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
【0028】
以上の結果を表1に示した。
【0029】
【表1】
Figure 2004300595
【0030】
【発明の効果】
本発明により、フィルム転写方式で塗工した際、ミストやボイリンブの発生が抑えられ、塗料転写性などの塗工適性が良好であり、印刷光沢度、インキ着肉性が良好で優れた印刷適性を備えオフセット印刷用塗工紙を効率よく得ることができる。

Claims (3)

  1. 原紙上の顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、填料として無定型シリケートを原紙重量当たり3〜12重量%含有する原紙に、顔料100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を0.1重量部以上2.0重量部未満含有した塗工液を、フィルム転写方式で塗工することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
  2. 片面あたりの塗工量が7g/m以上であることを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法で製造された印刷用塗工紙。
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