JP2010121233A - 印刷用顔料塗被紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ゲートロールを除くフィルムサイザー、メタリングサイズプレス等と呼ばれる転写型塗工機によって、生産効率が良好で、塗被紙面上に塗被ムラの欠点がなく、印刷上りも良好な、嵩高な印刷用顔料塗被紙を得ることである。
【解決手段】本発明に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法は、塗被用支持体を抄造する工程と、前記塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有し、固形分濃度が64質量%以上69質量%以下の塗料を、フィルムサイザーによって塗被し、乾燥する工程と、カレンダー処理によって密度0.85g/cm以下に仕上げる工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、印刷用顔料塗被紙において、生産効率が良好で、塗被紙面上に塗被ムラの欠点がなく、印刷上りも良好な、嵩高な印刷用顔料塗被紙及びその製造方法に関する。
従来、顔料塗被紙は、インクの吸収性が均一で印刷後の映えがよく、印刷のヴィジュアル化につれて益々用いられている。顔料塗被紙を製造するための塗工機としては、従来ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター等が用いられている。これらのコーターによって製造された塗被紙は、印刷品質や塗工操業性にそれぞれ利点、欠点をもつが、近年ではフィルムサイザー(別名が「メタリングサイザー」であるが、本発明では以降「フィルムサイザー」と表記する。)と呼ばれる塗工機も用いられるようになった。
フィルムサイザーは、ゲートロールコーターと類似して、アプリケータロールと呼ばれるロール上に塗料を前計量した後、紙匹に塗料を転写して塗被する装置である。フィルムサイザーは、前計量を片側2本のロールで行う構成のゲートロールコーターに比べて、小径のロッドで前計量するので省スペースが図られ、塗料の溜まり部分によるボイリングと呼ばれる塗料のハネによって周囲を汚さず、また、ロール表面積が少ないためロール上での塗料の乾きが起こりづらいなどの利点がある。
しかしながら、フィルムサイザーは転写型塗工機であるに代わりはなく、アプリケータロールからの紙離れのときに紙匹がバタバタする現象(スチーリング)が発生し、いずれかの塗被紙面には不規則な塗被パターンが生じたり、塗料性状・原紙性状によっては塗料の被覆性不足による塗被ムラを生じたりすることがある。
そこで、塗被紙面上に不規則な塗被パターンを生じるスチーリングを防止したり、塗料の被覆性を改善したりする方法が、塗料・塗被工程・原紙の観点で提案されている(例えば、非特許文献1又は2を参照。)。すなわち、塗料のスチーリング対策として、トップ用とボトム用との塗料固形分濃度に差をつける、顔料中の板状粒子を減らす、塗被量を減らすことが記載されている。また、塗被工程でのスチーリング対策として、トップとボトムアプリケータロールとの硬度差・速度差をつける、紙匹のテンションを増加させる、抄速を下げることが記載されている。さらに、原紙のスチーリング対策として、坪量を増やす、表裏の二面性を付与することが記載されている。
さらに、最近では印刷用紙の軽量化・嵩高化が急速に進行している。印刷用紙の軽量化・嵩高化を進めるためには、塗被量を少なくすることも考えられる。
また、軽量化・嵩高化を進めるためには、原紙を嵩高くすることも考えられる。原紙を嵩高くするには、嵩高いパルプを使用する、パルプ叩解度を粗くする、嵩高くなるような填料を用いる、繊維間結合を阻害させるような有機化合物を用いることが配合面では実施されている(例えば、特許文献1を参照。)。
Coating Conference 2000(Tappi MSP Forum III) KCL Communications 8 2003,11,24 Interactions between base paper and coating color in MSP coating 特開2005−163253号公報
しかし、スチーリングは、非特許文献1又は2に記載された対策で改善される傾向にはあるが未だ解消には至っていない。
また、塗料の原紙への被覆性不足による塗被ムラは、塗料性状・原紙性状によって変化するが、概して塗被量を多くすることによって被覆性が改善され、同時に印刷適性も改善される。一方、本発明者らは塗被量を多くすると、スチーリングは発生しやすくなることを経験している。そして、スチーリングの酷い場合には、アプリケータロール出口でシワが発生し、大量に損紙を発生する場合がある。
さらに、印刷用紙の軽量化・嵩高化の要請に応える為、塗被量を少なくすることはスチーリングを発生しづらい方向とする。しかし、被覆性不足による塗被ムラの発生が生じやすく、また印刷適性、特にインキ濃度が低下しやすいという観点から、塗被量を下げることは望ましくない。
また、特許文献1の技術のように、原紙を嵩高くすることは、原紙表面が粗くなり、転写型塗工機で原紙を均一に塗料で被覆することが難しくなる。同様に、原紙を嵩高くすることは、原紙の空隙が多くなることにつながり、空隙内に塗料が圧入されることから転写型塗工機による原紙を均一に塗料で被覆することが難しくなる。
このように、スチーリングの改善方法及び塗料被覆性の改善方法を示唆する提案はあるものの、ゲートロールを除くフィルムサイザー、メタリングサイズプレス等と呼ばれる転写型塗工機によって製造される印刷用顔料塗被紙において、塗被紙面上に塗被ムラの欠点がなく、印刷上りも良好で嵩高な製品は未だ満足されていないのが現状である。
そこで本発明の目的は、ゲートロールを除くフィルムサイザー、メタリングサイズプレス等と呼ばれる転写型塗工機によって、生産効率が良好で、塗被紙面上に塗被ムラの欠点がなく、印刷上りも良好な、嵩高な印刷用顔料塗被紙を得ることである。
本発明者らは、全顔料に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上、固形分濃度を64質量%以上とする塗料を用いることによってフィルムサイザーによる塗被であっても、アプリケータロールからの紙離れが良好となり、スチーリングの発生が防止できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法は、塗被用支持体を抄造する工程と、前記塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有し、固形分濃度が64質量%以上69質量%以下の塗料を、フィルムサイザーによって塗被し、乾燥する工程と、カレンダー処理によって密度0.85g/cm以下に仕上げる工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法では、前記塗料の乾燥質量基準による塗被量を、両面で17〜24g/mとすることが好ましい。塗被量をこのような範囲とすることで、より、スチーリング及び被覆性不足のための塗布ムラが発生しにくくなり、印刷適性に優れる。
本発明に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法では、前記塗被用支持体を抄造する工程おいて、繊維間結合を阻害する有機化合物を、パルプ固形分100質量%に対して0.2〜0.8質量%添加することが好ましい。前記有機化合物をこのような範囲で添加することで、嵩高な風合いが得られやすくなり、また塗被ムラが生じにくい。
本発明に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法では、本発明に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法で製造され、塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有した塗被層を有し、密度が0.85g/cm以下であることを特徴とする。
本発明を実施することによって、ゲートロールを除くフィルムサイザー、メタリングサイズプレス等と呼ばれる転写型塗工機による、塗被紙面上に塗被ムラの欠点がなく、印刷上りも良好で、嵩高な印刷用顔料塗被紙の製造ができる。
本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。また、発明の効果を奏する限り、実施形態を変形してもよい。
本実施形態に係る印刷用顔料塗被紙の製造方法は、塗被用支持体を抄造する工程(以下、「抄造工程」という。)と、塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有し、固形分濃度が64質量%以上69質量%以下の塗料を、フィルムサイザーによって塗被し、乾燥する工程(以下、「塗被・乾燥工程」という。)と、カレンダー処理によって密度0.85g/cm以下に仕上げる工程(以下、「仕上げ工程」という。)と、を有する。
まず、抄造工程について説明する。本発明に用いられる塗被用支持体(以下、「原紙」という。)は、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ及びこれらを含む新聞・雑誌等を脱墨して得られる古紙パルプが単独又は任意の比率で混合して用いられ、必要に応じて、タルク、炭酸カルシウム、クレー、ホワイトカーボン等の製紙用填料、カチオン澱粉、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、ロジン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸等のサイズ剤、色相調整のための蛍光染料、着色剤及び歩留り向上剤等が添加されたパルプ組成物として、シングルワイヤー又はツインワイヤーを有する通常の抄紙機によって抄造される。
塗被紙密度が0.85g/cm以下の嵩高な風合いを得るために、特に好ましくは、原紙に繊維間結合を阻害する有機化合物を、パルプ固形分100質量%に対して0.2〜0.8質量%添加する。より好ましくは、パルプ固形分100質量%に対して0.3〜0.6質量%である。パルプ固形分100質量%に対して0.2質量%未満の添加では、塗被紙の密度が0.85g/cmを超え、嵩高への効果がない。一方、パルプ固形分100質量%に対して0.8質量%を超える添加では、嵩高な風合いを得ることができるが、原紙の表面が粗くなったり多孔性が増して吸油度が増加したりするため、表面を均一に塗被することができずに塗被ムラを発生したり、塗料が沈みこむため、印刷後の視感インキ濃度が低い印刷上がりになったりしてしまう。
繊維間結合を阻害する有機化合物としては、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物を含有する化合物、非イオン界面活性剤、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなる化合物等が知られている。これらの化合物による嵩高の機構については明らかではなく、しかも嵩高剤として上市されている薬品の組成は同一ではないが、いずれにしても抄紙時にパルプ繊維に定着し、パルプ繊維間の結合距離を増すことによって嵩高性が発現すると考えられている。
次に塗被・乾燥工程について説明する。この工程では、原紙に顔料及び接着剤を主成分とする塗料をオンマシンでゲートロールを除くフィルムサイザーで塗被・乾燥する。原紙の表面に塗被する塗料は、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有し、固形分濃度を64質量%以上69質量%以下とする。重質炭酸カルシウムの配合の上限は、全顔料100質量部に対して100質量部であり、これはすなわち、顔料全てを重質炭酸カルシウムとする場合である。重質炭酸カルシウムの配合部数は、全顔料100質量部に対して60質量部以上、より好ましくは80質量部以上とする。重質炭酸カルシウムの配合部数は、多いほど、塗料の流動性は改善され、固形分濃度も上げることができ、所定の塗被量をスチーリングの発生がなく、かつ、均一な塗被面を得ることができる。重質炭酸カルシウム60質量部未満では、塗料の流動性が悪化するためか、固形分濃度64質量%以上の場合には、スチーリングの発生が認められる。固形分濃度が64質量%未満では、スチーリングの発生がないもののフィルムサイザーの操業条件、例えばロッドの加圧、ロッド径の変更、アプリケータニップ圧を調整しても、所望の塗被量を原紙上に均一に塗被することが困難である。塗料の固形分濃度の上限は69質量%であり、これよりも高いと塗被量が大きくなりすぎて密度が高くなってしまう。
重質炭酸カルシウムは、乾式で粉砕された乾式重質炭酸カルシウム、湿式で粉砕された湿式重質炭酸カルシウムが利用できるが、流動性がより良好な湿式重質炭酸カルシウムの使用が望ましい。湿式重質炭酸カルシウムは、粉砕の程度によって粒度の異なる種類のものを利用できるが、粒径2μmアンダーの累積度が60%である粗めの#60、該累積度が90%である#90、該累積度が97%である#97等や、粒度分布が比較的狭い範囲に調整されたいわゆるエンジニアード重質炭酸カルシウムを塗被紙白紙光沢や不透明度の観点から適宜選定する。
塗料には、重質炭酸カルシウム以外の顔料として、クレー、デラミクレー、焼成クレー、酸化チタン等の無機顔料、プラスチックピグメント等の有機顔料を適宜配合できる。
塗料に含有させる接着剤としては、酸化澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、スチレン−ブタジエン共重合体に代表される共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール等の合成樹脂系接着剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体を適宜使用することができる。
また、塗料には必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤(染料、顔料)、蛍光染料等の通常用いられている各種助剤が適宜使用できる。
塗料の塗被量は、乾燥質量基準で、両面で17〜24g/mとすることが好ましい。より好ましくは、両面で18〜22g/mとする。両面当たりの塗被量としたのは、フィルムサイザーは通常同時に両面を塗被する工程に用いられるためにそれぞれの片面塗被量が定かでないためである。平滑度、吸油度に原紙の表裏差がある場合、平滑度の劣る面又は吸油度の多い面に塗被量を増して塗被する場合が多い。塗被量が両面当たり17g/m未満では、スチーリングは良好なものの、原紙平滑が粗い場合や空隙が多い場合には、表面を均一に覆うことができず、塗被ムラが発生したり、又、印刷後の視感インキ濃度が低い印刷物になったりしてしまう。一方、塗被量が両面当たり24g/mを超えると、スチーリングが目立ちやすくなり、いずれか片側の塗被紙表面に不規則な塗被パターンが発生する。または酷い場合には、アプリケータロール出口でシワが発生したりして、大量に損紙を発生する場合もある。シワの発生が何故起きるのか明らかではないが、原紙への塗料からの過度な水分移動とスチーリングとが組み合わさって起きるものと本発明者らは考えている。
フィルムサイザーによって塗被された塗被紙は、その後乾燥される。塗工後の乾燥方式としては熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、本発明においては特に限定されるものではない。乾燥温度は、例えば80〜150℃、好ましくは90〜140℃となるようにする。
次に仕上げ工程について説明する。仕上げ工程では、抄造マシン工程の中で金属−金属で組み合わされた多段のマシンカレンダー及び/又は高温金属ロールと樹脂ロールとで構成されるソフトカレンダーによって、密度が0.85g/cm以下になるよう仕上げされる。密度が0.85g/cmを超える場合は、嵩高性が失われ好ましくない。また、塗被紙の密度は、0.71g/cm以上であることが好ましい。密度が0.71g/cm未満であると、塗被面の被覆性が劣り、塗工紙強度が劣って紙ムケする場合がある。
以上の工程を経て得られた本実施形態に係る印刷用顔料塗被紙は、塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有した塗被層を有し、密度が0.85g/cm以下である。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。塗料の配合、組成、濃度などを示す数値は、固形分又は有効成分の質量を基準とする数値である。また、「部」は質量部、「%」は質量%を意味する。
<紙試験方法>
坪量:JIS P 8124:1998「紙及び板紙−坪量測定方法」に準じて測定。
厚さ:JIS P 8118:1998「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準じて測定。
密度:JIS P 8118:1998「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準じて測定。
スチーリングによる枝状パターンの発生:塗被紙の表裏を観察し、枝状パターンの発生が認められ、実用上問題がある場合を「有り」、枝状パターンの発生が認められず、実用上問題がない場合を「無し」とする。
被覆性不足による塗被ムラ:塗被紙の表裏を観察し、認められず、実用上問題がない場合を「○」、白紙面のムラが認められ、実用上問題がある場合を「×」とする。
印刷後の視感インキ濃度:三菱ダイヤ4色機によって11,000枚/時で印刷後、4色重ね部を目視で観察し、印刷面に白茶けを感じず、実用上問題がない場合を「○」、白茶けを感じ、実用上問題がある場合を「×」とする。
(実施例1)
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)100質量%のパルプをカナダ標準フリーネス450ml(CSF)に叩解し、原紙灰分が8質量%となるように軽質炭酸カルシウムを添加し、さらに嵩高剤としてPT8104(星光PMC製 脂肪酸系誘導体)を対パルプ固形100質量%に対し、0.5質量%で添加し、オントップワイヤー方式の抄紙機で坪量80g/mの上質原紙を抄造した。この原紙にオンマシンフィルムサイザーで、次に示す塗料を両面17g/m(乾燥質量基準による塗被量、以下単に「乾燥塗被量」ということもある。)となるように塗被した。
[塗料配合]
(顔料)
質式重質炭酸カルシウム カービタル90(イメリスミネラルズジャパン製)60質量部
二級クレー ハイドラスパース(ヒューバー社製) 40質量部
(バインダー)
燐酸エステル化澱粉 MS#4600(日本食品化工製) 3質量部
SBRラテックス 0613 (JSR製) 12質量部
(塗料固形分濃度) 64.5質量%
次にカレンダー仕上げを行った。すなわち、前記配合の塗料を塗被、乾燥後、金属−金属ロールで構成された5段のマシンカレンダーのうち、2段1ニップを用いて線圧25kg/cmで処理し、密度0.81g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(実施例2)
原紙抄造における嵩高剤の添加率を0.7質量%、実施例1の塗料配合の調整において、質式重質炭酸カルシウムを90質量部、二級クレーを10質量部、塗料固形分濃度を66.5質量%にして、両面乾燥塗被量を21g/mにした以外は、実施例1と同様にして密度0.84g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(実施例3)
実施例1の塗料配合の調整において、質式重質炭酸カルシウムを100質量部、塗料固形分濃度を68.5質量%にして、両面乾燥塗被量を23g/mにした以外は、実施例1と同様にして密度0.85g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例1)
実施例1の塗料配合の調整において、質式重質炭酸カルシウムを50質量部、二級クレーを50質量部、塗料固形分濃度を64.5質量%にした以外は、実施例1と同様にして印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例2)
実施例1の塗料配合の調整において、質式重質炭酸カルシウムを50質量部、二級クレーを50質量部、塗料固形分濃度を62質量%にした以外は、実施例1と同様にして印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例3)
両面乾燥塗被量を15g/mにした以外は、比較例2と同様にして密度0.82g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例4)
原紙抄造における嵩高剤を無添加とした以外は、比較例3と同様にして密度0.87g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例5)
原紙抄造において嵩高剤の添加量を1質量%とした以外は、比較例1と同様にして密度0.79g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例6)
両面乾燥塗被量を25g/mとした以外は実施例1と同様にして密度0.87g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
(比較例7)
塗料固形分濃度を63質量%とし、両面乾燥塗被量を16g/mにした以外は実施例1と同様にして密度0.81g/cmの印刷用顔料塗被紙を得た。
以上のように作製した実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例7の印刷用顔料塗被紙の評価結果を表1に示した。
Figure 2010121233
表1から明らかなように、重質炭酸カルシウムを60質量部以上、塗料固形分濃度を64質量%以上にすることによって、スチーリングによる塗被パターンや被覆性不足による塗被ムラがなく、印刷後の視感インキ濃度も高い嵩高な顔料塗被紙が得られた(実施例1〜3)。
重質炭酸カルシウムが60質量部未満の場合及び重質炭酸カルシウムが60質量部未満かつ塗料固形分濃度が64質量%未満の場合は、スチーリングによるパターンが発生した(比較例1及び比較例2)。重質炭酸カルシウムが60質量部以上であるが塗料固形分濃度が64質量%未満の場合は、被覆性不足による塗被ムラが生じ、印刷後の視感インキ濃度が不足した(比較例7)。
塗被量が少ない場合は、被覆性不足による塗被ムラの発生や印刷後の視感インキ濃度が不足し(比較例3)、原紙に嵩高剤を添加しないと、嵩高くならない(比較例4)。原紙に嵩高剤を添加しすぎると、原紙内に塗料が浸み込み、被覆性不足による塗被ムラが生じたり、印刷後の視感インキ濃度も出なくなったりする(比較例5)。塗被量を24g/mを超えて塗被すると、スチーリングによる塗被パターンが発生し、また、嵩高とすることができなかった(比較例6)。

Claims (4)

  1. 塗被用支持体を抄造する工程と、
    前記塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有し、固形分濃度が64質量%以上69質量%以下の塗料を、フィルムサイザーによって塗被し、乾燥する工程と、
    カレンダー処理によって密度0.85g/cm以下に仕上げる工程と、を有することを特徴とする印刷用顔料塗被紙の製造方法。
  2. 前記塗料の乾燥質量基準による塗被量を、両面で17〜24g/mとすることを特徴とする請求項1に記載の印刷用顔料塗被紙の製造方法。
  3. 前記塗被用支持体を抄造する工程おいて、繊維間結合を阻害する有機化合物を、パルプ固形分100質量%に対して0.2〜0.8質量%添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用顔料塗被紙の製造方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載の印刷用顔料塗被紙の製造方法で製造され、塗被用支持体の両面に、全顔料100質量部に対して重質炭酸カルシウムを60質量部以上100質量部以下で含有した塗被層を有し、密度が0.85g/cm以下であることを特徴とする印刷用顔料塗被紙。
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