JP4352939B2 - 嵩高グロスコート紙 - Google Patents

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Description

本発明は塗工紙に関するものであり、更に詳しくは、低密度で、嵩があり、白紙光沢度が高く、印字品質が良好な印刷用紙に関するものであり、特にノンインパクト記録用紙あるいはコピー用紙に使用される嵩高グロスコート紙に関するものである。
今日の紙の世界でも重厚長大の時代から軽薄短小の時代への転換傾向は着実に進行しており、特に、印刷用紙の世界では用紙の軽量化指向が顕著である。この傾向は、景気の低迷の長期化による企業収益の悪化、急便料金改定によるコストアップ等の経済事情の変化に対応しての原価削減(資材コスト削減、倉庫保管料削減)や、省資源・環境保護運動の高まりといった社会的な要求、また、消費者の持ち運び時の負担軽減や家庭内、図書館内などでの収納スペース減など様々な要因により進んでいる。刷用紙の世界でも、書籍にした場合の持ち運びは楽なほうがいいが、用紙の紙厚が減ると高級感がなくなるということで、紙厚は変えることなく軽量化を図ることが求められており、高印字品質を保ったまま嵩高化することが検討されてきた。
その中で、グロスコート紙の分野では、嵩高で高光沢な高印字品質を達成するのは難しく、非塗工紙や艶消し塗工紙の開発と比べ、グロスコート紙の開発は遅れを取っていた。グロスコート紙に関しては、光沢度を高くする手段として、塗料処方の組成分の選択(顔料選定等)や塗工方式の選択、カレンダー処理などの仕上げ工程の採用等が行われているが、高印字品質を保つために塗工量が多くなることや、カレンダー処理を施す(表面処理により高光沢の達成)ことなどの影響から、高グロスではあっても密度の高いものが多かった。
特に、嵩高な原紙に塗料を塗布すると、原紙への塗料の浸透量が多く、被覆性が落ちるため、均一な塗工表面層を達成するには塗工量を多くする必要があることから、嵩高原紙の低密度特性を維持しながら、高光沢表面を有する塗工層を形成することは難しかった。この解決策としては、原紙のサイズ性を上げて塗料の浸透を防ぐという手段も考えられるが、原紙の空隙が極めて大きいことから塗料の浸透抑制に十分な効果を発揮させることは出来ない。
また、原紙の被覆性と高印字品質の両方を達成するために、2段塗工で下塗り層と上塗り層を形成するという手段で対応することが考えられる。この場合、表面光沢度の出やすい2段塗工層とするために、下塗り層の表面を平滑性の高い仕上がりとすることが有効であるが、原紙の空隙が大きい嵩高原紙では、下塗り層塗料が原紙に浸透してしまうことから、均一かつ平滑性の高い下塗り層表面を得るためには下塗り層の塗工量を増やす必要があり、原紙の嵩高性が損なわれることとなる。仮に下塗り層の塗工量を抑えると、上塗り層の塗工量を増やしても、原紙の凹凸の影響をうけて印字面の平滑性が悪くなることから、2段塗工の効果が十分に発揮させることができず、いずれにしても密度が高くなってしまうという問題があった。
例えば、特許文献1には、塗料中の顔料を規定し、塗工紙密度の低いオフセット印刷用紙が開示されているが、光沢度は30%未満と低く、グロスコートの範疇に入るものではない。また、特許文献2には、嵩高化した原紙にプラスチチックピグメントを配合した塗料を塗布して形成されている、白紙光沢度が60%以上であり、密度が1.05g/cm3以下の印刷用塗工紙が開示されているが、これは嵩高化した原紙に直接塗料を塗布しているため、特に印刷後の平滑性(印字のベタ部でのザラツキ感)が悪いことが予想され、高印字品質を達成することは困難であると考えられものであり、実施例をみても光沢度70%を達成してるものは記載されていない。また、特許文献3や特許文献4には、下塗り層を設けて印刷適性の向上、印刷品質の向上を図っているものが開示されているが、いずれも1.0g/cm3 という低密度で70%以上という高光沢度を達成するまでには到っていない。
特開平2002−194698号公報 特開平2003−171893号公報 特開平3−97997号公報 特開平7−238495号公報
本発明は、低密度でありながら光沢度が高く、特に、印刷後の平滑性(印字後の画質にザラツキ感がない)が良好で、高品質印字が可能な嵩高グロスコート紙を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、低密度でありながら光沢度が高く、更に印刷後の平滑性(印字面平滑)が良好であり、印字後の画質にザラツキ感のない高品質印字性に優れた嵩高グロスコート紙を提供するために鋭意検討を重ねた結果、塗工層を3層構造とし、下塗り層(第1層)、中層(第2層)を設け、プラスチックピグメント(PP)又はサチンホワイトを全顔料の1〜15重量%含有した上塗り層(第3層、すなわち最外層)を設けることで、従来にない嵩高グロスコート紙を作製できることを見出した。すなわち、上記3層構造の塗工層の第1層には、原紙の空隙を埋めることを目的として、平均粒子径の比較的高い顔料を含有する塗工液を塗布することが効果的であり、第3層には、表面の均一性を向上せしめること(平滑性の向上)を目的として、平均粒子径の比較的小さい顔料を含有する塗工液を塗布することが効果的であることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)密度0.50〜0.75g/cm 嵩高原紙面に、顔料とバインダーを主成分とする片面当たりの総塗工量が5〜15g/m 3層構造の塗工層を有しており、該3層構造の塗工層の第1層(最内層)が、顔料の平均粒子径が2〜15μmで、顔料/バインダー比が20/80〜60/40の範囲であり、片面当たりの塗工量が0.5〜3g/m の塗工層であり、第2層(中間層)が、顔料の平均粒子径が0.1〜3μmで、片面当たりの塗工量が1〜6g/m の塗工層であり、第3層(最外層)が、全顔料に対してプラスチックピグメント及び/又はサチンホワイトを1〜15質量%含有する塗工層であることを特徴とする、白紙光沢度が70%以上で、密度が1.00g/cm以下の嵩高グロスコート紙。
(2)前記嵩高原紙は、多価アルコールと脂肪酸エステルの化合物、非イオン界面活性剤、油脂系非イオン性界面活性剤、糖アルコール系非イオン性界面活性剤、糖系非イオン性界面活性剤、多価アルコール型非イオン性界面活性剤、高級アルコール、脂肪酸ビスアマイド系、脂肪酸と多価アミンの縮合物、高級アルコール又は高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸ポリアミド、脂肪酸ポリアミドアミン、アルキレンオキサイドオリゴマーから選ばれる少なくとも1種の嵩高効果のある薬品を含有する嵩高原紙であることを特徴とする、(1)項記載の嵩高グロスコート紙。
本発明の嵩高グロスコート紙は、嵩高な原紙に塗工層を3層設け、第3層に特定の顔料を含有せしめることにより、密度1.0g/cm3以下で、白紙光沢度70%以上であるという嵩高で高光沢性を備えており、印刷適性が良好で、印刷用紙としてのみならず、雑誌、写真集用紙として使用でき、また、ノンインパクト記録用紙、コピー用紙にも使用可能である嵩高グロスコート紙である。
本発明の嵩高グロスコート紙は、嵩高原紙面に顔料とバインダーを主成分とする3層構造の塗工層を有しており、該3層構造の塗工層の第3層(最外層)が、全顔料に対しプラスチックピグメント及び/又はサチンホワイトを1〜15質量%含有する層であり、白紙光沢度が70%以上で、密度が1.00g/cm3以下、好ましくは1.00〜0.80g/cm3であることを特徴とする。
本発明の嵩高グロスコート紙に使用される原紙は、塗工紙の密度を低いものにするために低密度のものである。このような原紙としては、密度が0.50〜0.75g/cm3の低密度紙であれば使用可能であり、嵩高パルプや嵩高填料といわれるものを使用して製造されているものも使用可能であるが、塗工紙として高光沢なものを得るためには、紙の地合いや平滑性が高いものが好ましいため、嵩高効果のある薬品を含有しているものが好ましい。嵩高効果のある薬品とは、一般に嵩高剤、紙厚向上剤といった薬品のことである。
上記のような嵩高剤、紙厚向上剤としては、例えば、多価アルコールと脂肪酸エステルの化合物、非イオン界面活性剤、油脂系非イオン界面活性剤、糖アルコール系非イオン界面活性剤、糖系非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、高級アルコール、脂肪酸ビスアマイド系、脂肪酸と多価アミンの縮合物、高級アルコール又は高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸ポリアミド、脂肪酸ポリアミドアミン、アルキレンオキサイドオリゴマーであり、多価アルコールと脂肪酸エステルの化合物、脂肪酸ビスアマイド系、脂肪酸と多価アミンの縮合物といったものが特に好ましい。市販されているものとしては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、三唱(株)のリアクトペイク、花王(株)のKB−115、星光PmCのPT−8102といった商品名のものが挙げられ、それらは単独あるいは2種以上を併用してもよい。
また、嵩高原紙の製造に使用されるパルプとしては、通常の叩解によるパルプとしてLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、RGP、TMP等の機械パルプ、DIP等が使用でき、マーセル化処理を施したパルプ、カールドファイバー処理された嵩高パルプが使用可能である。通常のサイズ剤、紙力剤、硫酸バンド、歩留向上剤、着色顔料、染料、消泡剤等の内添薬品、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、ホワイトカーボン、酸化チタン等の填料、中でも無定型シリカ、無定型シリケート、ゼオライトなどの粒子中にマイクロポーラスを有するもの、針状、柱状、イガグリ状炭酸カルシウムのようにアスペクト比の高い嵩高填料を使用することが原紙の嵩高化には効果がある。
原紙の抄紙方法は特に限定されるものではなく、長網多筒式抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等いずれであっても良く、抄紙することができる。
原紙の低密度化を達成するためには、嵩高剤の選択、低密度パルプの選択、低密度填料の配合等のみならず、プレス圧の低減やプレス形態等を適宜選択することが有効である。また、低密度の原紙を得るためには、マシンカレンダーでの処理はしない方が好ましい。ただし、密度の向上を伴わなず、また0.75g/cm3以下の密度を達成出来るものであれば、マシンカレンダー処理をして原紙の平滑性を向上しても良い。密度の上昇を抑えて光沢を付与するためには、ソフトニップカレンダーや熱カレンダーなどの処理が好ましい。密度0.75g/cm3以下で、かつ平滑性を高めた原紙を使用することができれば、第1層(下塗り層)の塗工量を少なくすることが可能となり、密度1.00g/cm3以下の嵩高グロスコート紙を得ることが可能になる。ただし、いずれのカレンダーを用いる場合でも、平滑化処理をすることで原紙密度は高くなっていくため、より嵩高な塗工紙を達成するためには、できるだけ低密度の原紙を用いることが好ましい。本発明は、このような表面性の悪い低密度の嵩高原紙を使用した嵩高グロスコート紙の発明であり、原紙の密度は低ければ低いほど好ましいといえる。原紙の密度が0.50g/cm3未満になると強度の低下が大きいだけでなく、空隙が大きくなり第1層の塗料のしみ込みが多くなるので好ましくない。
本発明の嵩高グロスコート紙は、原紙上に3層の塗工層を持つことが重要である。3層の塗工層のうち、第1層の塗工層は、低密度原紙の表面にある空隙を被覆し、高平滑な表面を形成するための層である。第1層の塗工層を形成するための塗料に使用する顔料としては、平均粒子径が2〜15μm、好ましくは2〜10μm、更に好ましくは3〜8μmのものである。平均粒子径が15μmを超えて大きいと原紙表面の空隙を埋めることができず、平滑性も上がらず、粉落ちなどの問題をおこす恐れもある。また平均粒子径が2μm未満のものでは、空隙を埋めるのに塗料が多量に必要となり、低密度化を達成できない。
第1層の塗工層の塗工量は、片面0.5〜3g/m2であることが必要であり、好ましくは0.5〜2g/m2、更に好ましくは0.5〜1.5g/m2以下である。3g/m2 を超えて塗工することは密度の上昇をまねき、3層構造にするメリットがなくなるため好ましくない。0.5g/m2未満では70%以上の高い光沢を得ることができないため好ましくない。上記数値範囲内で、原紙表面の被覆性を達成できる限り、塗工量は少ないほうが好ましい。
本発明の嵩高グロスコート紙において、3層構造の塗工層のそれぞれに使用されるバインダーとしては、水溶性樹脂、水分散性樹脂エマルジョンから選択される水系バインダーを単独、又は2種類以上混合して用いる。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の変性澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アクリル系水溶性樹脂、スチレン・マレイン酸系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、変性ポリアクリルアミド樹脂、カチオン化澱粉、水溶性ポリエステル樹脂等をあげることができる。また、水分散性樹脂エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン等が挙げられる。しかし、操業性や塗工適性を妨げないバインダーであれば、これらに限定されるものではない。
第1層の塗工層用のバインダーとしては、原紙への浸透を防ぐため、塗料の保水度や粘度は高い方が好ましく、保水性を考慮し澱粉などの保水度を高くするバインダーを選択することが好ましい。顔料とバインダーの比率(P/B質量比)については、顔料が少ないと原紙の空隙を埋める効果が低減し、逆に顔料が多いと層密度が高くなることため、P/B質量比は20/80〜60/40の範囲にあることが好ましい。
本発明の嵩高グロスコート紙の第2層は、薄く均一な塗工層であることが必要である。第2層塗工後の面を均一かつ平滑に仕上げるために、顔料としては平均粒子径が0.1μm〜3μm、好ましくは0.1μm〜2μmの顔料を主成分とするものである。平均粒子径が3μmを超えたものを主成分とする顔料を使用すると表面性が悪化し、その上に形成される第3層の塗工量を多くすることが必要となるため密度が高くなってしまう。平均粒子径が0.1μm未満のものを主成分とする顔料を使用する場合には、粉落ちの問題を回避するためにバインダー比率を高くすることが必要となり、第1層の塗工層上に均一な面を形成させるが困難になる。また、顔料に針状のものが含まれていると嵩高効果が高くなるため好ましい。塗工量は片面1〜6g/m2であることが好ましく、更に好ましくは2〜4g/m2である。
第2層の塗工層用のバインダーとしては、前記第1層の塗工層用バインダーとして例示されたものの中から選択できるが、塗工方法の違いによって生じる塗料濃度や粘度の関係、又は品質(強度)との兼ね合いから、バインダーとしては1種類、もしくは数種類を選び出し組み合わせて使用されるが、その際、助剤(保水剤や増粘剤、消泡剤等)の役割も大きいので、それぞれの組み合わせを選択していくことも必要である。
本発明の嵩高グロスコート紙における3層構造の塗工層の第3層(最外層)には、全顔料に対して1〜15質量%、好ましくは2〜12質量%、更に好ましくは3〜10質量%のプラスチックピグメント又はサチンホワイトが含まれていることが重要である。プラスチックピグメントは比重が軽く、容積が大きいため、嵩高化に効果があるだけでなく、熱可塑性であることから、比較的低温、低圧のカレンダー条件で光沢度の向上に効果があるためこのましい。また、サチンホワイトは比重が軽く、粒径が小さいことから、嵩高と光沢度の発現に効果があるので好ましい。中でも粒径0.1μm〜3μmのものが光沢度向上、嵩高性向上に効果があるため好ましい。
これらの顔料は、全顔料に対して15質量%を越えて使用する場合、コスト上昇問題のみならず、強度の低下、粘度の上昇による操業性の低下等の原因となることが考えられるため好ましくない。また、1質量%未満では光沢度向上に効果がないため好ましくない。
第3層の塗工層における塗工量は、片面当たり3〜13g/m2が良く、好ましくは3〜10g/m2、更に好ましくは3g/m2〜7g/m2である。塗工量が13g/m2を超えると密度の増加につながり、また、3g/m2未満では光沢度の発現性が悪くなるし、印字後の平滑性も悪化することから好ましくない。
第3層の塗工層に使用するバインダーとしては、前記第1層及び第2層の塗工層に使用されるものが使用可能であり、製品の強度や塗工工程の操業性の観点から1種類〜数種類のバインダーを適宜選択して使用することができる。また、塗工工程の操業性を良くするためには、助剤(保水剤や増粘剤、消泡剤等)の役割も大きいので、それぞれの組み合わせを選択していくことも必要である。
第3層の塗工層における顔料とバインダー比は、第1層及び第2層に使用されている塗料組成との関係や、第3層形成のために採用する塗工方式等によって調整しうるものであり、特に限定されるものではないが、製品の強度や印刷品質等の関係からP/B=10/90〜90/10であることが好ましい。
本発明の嵩高グロスコート紙における第1層から第3層までの合計塗工量は片面当たり5〜15g/m2であることが好ましい。この合計塗工量が片面当たり15g/m2を超えると、本発明の目的である低密度化が充分に達成できなくなってしまうため、塗工量は15g/m2以下であることが好ましい。
本発明の嵩高グロスコート紙における3層構造の塗工層を形成するためには、ゲートロール塗工、サイズプレス塗工等の塗工装置を設けたオンマシンコーター、バー塗工、ロール塗工、ブレード塗工、エアナイフ塗工、リバースロール塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、スリットダイ塗工等のオフマシンコーターや含浸機を利用し、さらに塗工液組成物の物性を適宜調整して、原紙面に塗工液組成物を塗工、含浸する塗工方法を採用することができる。
また、特に限定されるものではないが、第1層を形成するための塗工方法としては、操業上の効率を考えると、塗工液の紙層へのしみ込みがなく、塗工液が紙表面に残るゲートロール塗工、サイズプレス塗工等の塗工装置を設けたオンマシンコーターによる塗工が好ましい。第2層を形成するための塗工方法としては、塗工面の均一性、密度向上の抑制の点でカーテン塗工やブレードコーター塗工が好ましく、第3層は、塗工面の均一性、平滑性、光沢性などを考えると、高濃度、高粘度で塗布することが可能な塗工方法であるブレードコーター塗工を選択することが好ましい。
上記の塗工方法によって3層構造の塗工層が形成された塗工紙に対しては、塗工後、カレンダー処理を行うことが好ましい。光沢度を上げるためには高圧でカレンダー処理することが有効であるが、嵩高性が損なわれるため好ましくないので、カレンダー処理としては低圧カレンダー処理が好ましく、ソフトニップカレンダーや熱カレンダー等のように、密度の向上を抑え、かつ光沢度、平滑性を向上させることが可能なカレンダー処理を選択することが好ましい。
本発明の3層構造の塗工層をもつ嵩高グロスコート紙は、白紙光沢度が70%以上で、密度が1.0g/cm3以下のものである。該嵩高グロスコート紙は印字品質が良好であり、印刷用紙、ノンインパクト記録用紙、コピー用紙に使用可能な嵩高グロスコート紙である。
以下、実施例に基いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
<評価方法>
坪量:JIS P 8124 に準拠して測定した。
紙厚:JIS P 8118 に準拠して測定した。
密度:坪量を紙厚で割った値を密度(g/cm3)とした。
平均粒子径:レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000J:島津製作所社製)を用いて粒子の体積粒度分布を測定し50%の値を求めた。
光沢度:JIS P 8142 に準拠し、角度75°を用いて測定した。
印面平滑度:印刷試験機(RI−3、明製作所製)で、印刷インクとしてベストSP墨(東華色素化学社製)を用いて印刷して黒ベタ部のムラを、以下の基準で目視評価した。
◎:ムラがなく、問題のない良好なレベルである。
○:ムラがなく、良好なレベルである。
△:ムラがみられ、問題のあるレベルである。
×:ムラがあり、問題のあるレベルである。
実施例1
<原紙>
叩解した広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)100%からなるパルプスラリーに嵩高剤〔「KB−115」花王(株)製〕を絶乾パルプに対して3.0%含有させて、坪量60g/m2、密度0.66g/cm3、王研式平滑度10秒の原紙基材を得た。
<第1層塗工層>
顔料として平均粒子径3.0μmである炭酸カルシウム(カルライトSA:白石カルシウム社製)を40部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)を0.05部、酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)70部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)を15部加えて濃度30%とし、ゲートロールにて片面1.5g/m2として両面塗布した。
<第2層塗工層>
顔料として微粒カオリン(アマゾン88:三菱商事社製)30部、平均粒子径1.2μmである重質炭酸カルシウム(FmT−90:ファイマテック社製)70部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)を0.05部とし、バインダーとしてカルボキシル変性スチレン・ブタジエン共重合体(JSR0693:日本合成ゴム社製)を10部、酸化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)を3部とし、カーテン塗工にて片面3g/m2として両面塗布した。
<第3層塗工層>
顔料として中空プラスチックピグメント(HP1055:日本ゼオン社製)を5部、構造性カオリン(アストラプラス:ソマール社製)75部、重質炭酸カルシウム(カービタル95:イメリスミネラルズ・ジャパン社製)20部、バインダーとしてカルボキシル変性アクリルエマルジョン(AE604:JSR社製)13.5部、保水剤(アルコガムL−29K:日本エヌエスシー社製)0.1部として濃度58%に調製し、ブレード塗工にて片面6g/m2として両面塗工した。この塗工紙にカレンダー処理をして、密度0.92g/cm3、白紙光沢度76%の嵩高グロスコート紙を得た。
実施例2
実施例1において、第2層塗工層の塗工方法をブレード塗工に変更し、第3層塗工層のプラスチックピグメントをサチンホワイト(サチンホワイト:白石カルシウム社製)2部に変更し、微粒カオリンを78部とし、片面塗工量を7g/m2とした以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理をして、密度0.95g/cm3、白紙光沢度72%の嵩高グロスコート紙を得た。
実施例3
実施例2において、第1層塗工層の塗工量を2.5g/m2とし、第2層塗工層の塗工量を5.0g/m2とし、第3層塗工層はプラスチックピグメント8部、微粒カオリン72部とし、塗工量を8g/m2とした以外は実施例2と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を実施して、密度1.00g/cm3、白紙光沢度70%の嵩高グロスコート紙を得た。
実施例4
実施例1と同様の原紙を用い、第1層塗工層は顔料として平均粒子径5μmである炭酸カルシウム(ED−V:米庄石灰社製)を40部、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ(アロンT−40:東亜合成社製)を0.05部、酸化澱粉を60部加えて、濃度30%とし、ゲートロールにて片面1.5g/m2として両面塗布した。第2層塗工層は実施例2と同様の方法で塗工し、第3層塗工層は、中空プラスチックピグメントを10部、微粒カオリンを70部とし、片面塗工量を7g/m2とした以外は実施例2と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を実施して、密度0.98g/cm3、白紙光沢度76%の嵩高グロスコート紙を得た。
実施例5
実施例1の方法において、パルプスラリーに嵩高剤の代わりに嵩高填料(「チキソレックス17」ローディア社製)を含有させたこと以外は、実施例1と同様の方法で原紙基材を調製した。得られた原紙基材は、坪量60g/m2、密度0.72g/cm3、王研式平滑度9秒であった。この原紙基材を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を製造した。この塗工紙にカレンダー処理を施して密度0.98g/cm3、白紙光沢度74%の塗工紙を得た。
比較例4
実施例1の方法において、第1層の片面塗工量を0.6g/m、第2層の片面塗工量
を1.1g/m、第3層の片面塗工量を3.1g/mとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を施して密度0.98g/cm、白紙光沢度71%の嵩高グロスコート紙を得た。
比較例5
実施例1の方法において、第1層の片面塗工量を0.3g/mとしたこと以外は、実
施例1と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を施して密度0.96g/cm、白紙光沢度74%の嵩高グロスコート紙を得た。
比較例6
実施例1で用いた原紙基材にカレンダー処理を施して、密度0.76g/cm、王研
式平滑度42秒の原紙基材を製造した。この原紙基材を用いた以外は、実施例6と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を施して密度1.00g/cm、白
紙光沢度72%の嵩高グロスコート紙を得た。
比較例1
第3層塗工層の顔料を平均粒子径1.0μm(ソフトン2200:白石カルシウム社製)に変更、第3層塗工層の中空プラスチックピグメントを0部、微粒カオリンを80部とし、塗工量を10g/m2とした以外は実施例3と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を実施して、密度1.15g/cm3、白紙光沢度65%の嵩高グロスコート紙を得た。
比較例2
叩解した広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)100%からなるパルプスラリーを用い抄紙し、マシンカレンダーで処理したのち、坪量60g/m2、密度0.78g/cm3、王研式平滑度40秒の原紙基材を得た。得られた原紙に第1層塗工層は塗工せず、第2層塗工層は塗工量を7g/m2とし、第3層塗工層は、プラスチックピグメントを12部、微粒カオリンを68部とし、塗工量を10g/m2とした以外は実施例4と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を実施して、密度1.08g/cm3、白紙光沢度70%の嵩高グロスコート紙を得た。
比較例3
実施例1と同様の原紙を用い、第1層塗工層は塗工せず、第2層塗工層の塗工量を10g/mとし、第3層塗工層のプラスチックピグメントを16部と、塗工量を10g/mとした以外は実施例4と同様の方法で塗工紙を得た。この塗工紙にカレンダー処理を実施して、密度0.98g/cm、白紙光沢度70%の嵩高グロスコート紙を得た。
実施例1〜及び比較例1〜 の評価結果を表1に示す。
Figure 0004352939
表1から、3層構造の塗工層を有する嵩高グロスコート紙の最外層である第3層塗工層がプラスチックピグメント又はサチンホワイトを含有する塗工層である本発明の嵩高グロスコート紙は、第3層塗工層がプラスチックピグメント又はサチンホワイトを含有していない塗工層である比較例1のものに比べて白紙光沢度に優れているのみならず、総塗工量が比較例1に比べて少なくて済み、その結果、低密度化が達成されている。また、第3層塗工層を持たない比較例2及び比較例3の場合は、プラスチックピグメントやサチンホワイトの添加量を増やし、かつ総塗工量を増やすことによって所望の白紙光沢度を達成することは可能であるが、坪量が多くなり、密度も高くなって嵩高塗工紙として劣るものとなる。また、第3層の片面塗工量が多くなっている比較例4、第1層の片面塗工量が少なくなっている比較例5、嵩高原紙の嵩密度が高くなっている比較例6の各嵩高グロスコート紙に比べて、実施例1〜5の本発明の嵩高グロスコート紙は、印面平滑性の評価がよいものとなっている。

Claims (2)

  1. 密度0.50〜0.75g/cm 嵩高原紙面に、顔料とバインダーを主成分とする片面当たりの総塗工量が5〜15g/m 3層構造の塗工層を有しており、該3層構造の塗工層の第1層(最内層)が、顔料の平均粒子径が2〜15μmで、顔料/バインダー比が20/80〜60/40の範囲であり、片面当たりの塗工量が0.5〜3g/m の塗工層であり、第2層(中間層)が、顔料の平均粒子径が0.1〜3μmで、片面当たりの塗工量が1〜6g/m の塗工層であり、第3層(最外層)が、全顔料に対してプラスチックピグメント及び/又はサチンホワイトを1〜15質量%含有する塗工層であることを特徴とする、白紙光沢度が70%以上で、密度が1.00g/cm以下の嵩高グロスコート紙。
  2. 前記嵩高原紙は、多価アルコールと脂肪酸エステルの化合物、非イオン界面活性剤、油脂系非イオン性界面活性剤、糖アルコール系非イオン性界面活性剤、糖系非イオン性界面活性剤、多価アルコール型非イオン性界面活性剤、高級アルコール、脂肪酸ビスアマイド系、脂肪酸と多価アミンの縮合物、高級アルコール又は高級脂肪酸のポリオキシアルキレン付加物、高級脂肪酸エステルのポリオキシアルキレン付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のポリオキシアルキレン付加物、脂肪酸ポリアミド、脂肪酸ポリアミドアミン、アルキレンオキサイドオリゴマーから選ばれる少なくとも1種の嵩高効果のある薬品を含有する嵩高原紙であることを特徴とする、請求項1記載の嵩高グロスコート紙。
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