JP6041755B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるラフ肌を持った印刷用塗工紙に関し、特に、ラフ肌でありつつも印刷適性に優れた印刷用塗工紙に関する。
近年、印刷用塗工紙はその性能や外観を改善するために、基紙の表面に各種の無機顔料又は有機顔料とバインダーから構成される塗料を塗布することで塗工層を設ける手法が一般化してきている。このような塗工層を設けることにより、印刷用インキによる印刷部位での光沢感やインキの色濃度が高くなり、印刷された画像の鮮明さがより際立つようになる。
印刷用塗工紙に要求される基本特性は、印刷時における塗工層強度(耐刷力)に優れ、印刷インキと親和性のある表面性(インキ着肉)と、印刷インキのセット性や乾燥性に優れる細孔構造を有しており、印刷光沢が高いことが挙げられる。
ところで、このような印刷用塗工紙は、各種印刷適性を付与するため又は外観性を向上させる目的でキャレンダーなどでの印刷用塗工紙表面の平滑化処理が行われることがある。平滑化処理がなされた印刷用塗工紙は、印刷光沢が向上し、さらにインク着肉が改善されることで、網点再現性も良化する。また、塗工層構造が緻密化することで塗工層の強度が向上し、耐刷力に優れた印刷用塗工紙とすることができる。
しかしながら、このような平滑化処理がなされた印刷用塗工紙は、印刷光沢が高くなる一方で、白紙光沢のムラが目立つようになるという問題があり、また、視覚的に落ち着いた印象も得られ難い。これらの点を重視して、白紙光沢度が低い、いわゆるマット調やダル調といわれる印刷用塗工紙を求めるユーザーも存在する。
このようなマット調やダル調といわれる印刷用塗工紙として、特許文献1には、原紙を嵩高な構成とし、顔料粒子が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布を有する顔料の塗工層を設け、比較的高温で低圧のソフトニップカレンダーで処理してなる艶消し塗工紙が開示されている。また、特許文献2には、塗工層を構成する顔料が、体積分布平均粒径2.0〜20ミクロンで、粒径の変動係数が0.6以下である澱粉を20質量%以上含む顔料とし、白紙光沢度を40%以下、王研式平滑度を500秒以上とする塗工紙が開示されている。
特開2000−345493号公報 特開平05−009894号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された印刷用塗工紙はカレンダー等での平滑化処理が行われるために、各種印刷適性が付与される一方で地合の不均一に準ずる紙層の緊度差がより顕著となり、インク吸収性のバラツキが生じるおそれがある。また、シワやロール汚れによる紙面欠陥を引き起こす原因ともなる。
さらに、オンマシンで平滑化処理を行うのであれば抄紙速度の低下にも繋がり、経済的な不利益を被るおそれもある。
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、平滑化処理を行わずとも各種印刷適性を満足し、ラフ肌でありながらも印刷光沢の高い印刷用塗工紙を提供することにある。
本発明の他の目的並びに作用効果については、以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上記課題を解決するため、本発明の印刷用塗工紙は、基紙に、顔料とバインダーとを含有する塗工層が設けられた印刷用塗工紙において、前記塗工層中の顔料には、炭酸カルシウムとプラスチックピグメントとが含まれ、前記塗工層中の炭酸カルシウムには、体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムとが、質量比で、重質炭酸カルシウム:軽質炭酸カルシウム=40:60〜60:40の範囲で含まれ、前記塗工層中のバインダーには、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとが含まれ、その含有割合が合成樹脂ラテックス100質量部に対してポリビニルアルコール8〜16質量部の範囲内であり、ベック平滑度が5〜40秒の範囲であることを特徴とするものである。
このような構成によれば、各種印刷適性を有し、特にオフセット印刷においては優れた印刷適性を満足し、ラフ肌でありながらも印刷光沢の高い印刷用塗工紙を提供することができる。
また、本発明の印刷用塗工紙においては、前記塗工層におけるプラスチックピグメントの含有量が、前記炭酸カルシウム100質量部に対して1〜10質量部の範囲であってもよい。このような構成によれば、塗工層の嵩高性、不透明度、印刷光沢及びインク吸収性を好適な範囲に制御しやすくなる。
また、本発明の印刷用塗工紙においては、前記塗工層の塗工量、が基紙の片面当たり固形分換算で8〜13g/m2の範囲であってもよい。このような構成によれば、インク吸収性、印刷光沢及び塗工層強度により優れた印刷用塗工紙とすることができる。
また、本発明の好ましい実施の形態においては、前記塗工層におけるバインダーの含有量が、顔料100質量部に対して12〜15質量部の範囲であってもよい。このような構成によれば、塗工層強度と印刷光沢により優れた印刷用塗工紙が得られる。
また、本発明は印刷用塗工紙の製造方法としても捉えることができる。
本発明に係る印刷用塗工紙の製造方法は、基紙を用意するステップと、顔料とバインダーとを含む塗工液を調製するステップと、前記塗工液を前記基紙表面に塗工し、塗工層を設けるステップと、を有する。また、前記塗工液中の顔料には、体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムと、プラスチックピグメントとが含まれ、前記重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムとの配合割合が、質量比で、重質炭酸カルシウム:軽質炭酸カルシウム=40:60〜60:40の範囲であり、前記塗工層中のバインダーには、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとが含まれ、その含有割合が合成樹脂ラテックス100質量部に対してポリビニルアルコール8〜16質量部の範囲内であり、得られた印刷用塗工紙のベック平滑度が5〜40秒の範囲であることを特徴とする。
そして、このような構成によれば、オフセット印刷適性をはじめとする各種印刷適性を有し、ラフ肌でありながらも印刷光沢の高い印刷用塗工紙を効率よく製造することができる。
また、本発明は印刷用塗工紙用の塗工液としても捉えることができる。
本発明に係る印刷用塗工紙用の塗工液は、顔料とバインダーとを含有し、前記顔料には、炭酸カルシウムとプラスチックピグメントとが含まれ、前記炭酸カルシウムとしては、体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムとが、質量比で、重質炭酸カルシウム:軽質炭酸カルシウム=40:60〜60:40の範囲で含まれ、前記塗工層中のバインダーには、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとが含まれ、その含有割合が合成樹脂ラテックス100質量部に対してポリビニルアルコール8〜16質量部の範囲内であることを特徴とするものである。
このような構成の塗工液を基紙の表面に塗工することで、ラフ肌の塗工面感を有する印刷用塗工紙を容易に製造することができる、
本発明によれば、平滑化処理を行わずとも各種印刷適性、特にオフセット印刷における各種印刷適性を満足し、ラフ肌でありながらも印刷光沢の高い印刷用塗工紙を提供することが可能となる。
各実施例で得られた印刷用塗工紙の構成を示す図表である。 各比較例で得られた印刷用塗工紙の構成を示す図表である。 各実施例で得られた印刷用塗工紙の物性及び評価結果を示す図表である。 各比較例で得られた印刷用塗工紙の物性及び評価結果を示す図表である。
本発明に係る印刷用塗工紙は、基紙の(少なくとも一方の面)表面に顔料とバインダーとを含有する塗工層を設けてなるものである。
先ずはじめに、本発明の印刷用塗工紙に係る基紙について説明する。本発明の基紙に使用される木材繊維としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプ、グランドパルプ、加圧式砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミメカニカルパルプ、ケミグランドパルプ等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ等の古紙パルプ等の一般的な木材パルプを適宜用いることができ、必要に応じて非木材パルプを使用してもよい。ここで、フレッシュな晒パルプを用いる場合には、環境を考慮し、ECFパルプやTCFパルプといった無塩素漂白パルプが望ましい。
また本発明において、基紙には必要に応じて、従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で1種類以上用いても良い。
本発明に係る印刷用塗工紙の基紙は、製紙原料を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を形成し、その後乾燥させることで得ることができる。
また本発明において、基紙の表面には強度を付与するなどを目的に、澱粉、ポリアクリルアマイド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の表面紙力増強剤や各種サイズ剤を、サイズプレス、ゲートロール、サイザーなどの装置を用いて塗布しても良い。
次に、塗工層の構成について説明を行う。本発明においては、塗工層には顔料として炭酸カルシウムとプラスチックピグメントを含有させる。
塗工層に用いる炭酸カルシウムとしては、体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムとの2種を含有させる。炭酸カルシウムは他の汎用顔料であるカオリンに比べて印刷時のインキセット性が高くなり、また、白色度を高くできることから有利である。
本発明においては、塗工層に体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムを含有させることにより、塗工層強度とインキセット性を向上させることができる。ここで、重質炭酸カルシウムの体積平均粒子径が、1μm未満となると塗工層強度が得られ難く、2μmを超えるとラフ肌の塗工層は得られやすいものの、過度に平滑性が低くなり、印刷適性が低下する。
また、塗工層に体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムを含有させることで塗工層の平滑性とインキ着肉性を向上させることができる。ここで、軽質炭酸カルシウムの体積平均粒子径が0.1μm未満となると粉落ちなどの塗工層強度の問題が生じ、0.6μmを超えると印刷光沢が低下する。
本発明において、塗工層中の重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムとの含有比率は、重質炭酸カルシウム:軽質炭酸カルシウム=40:60〜60:40の範囲とし、より好ましくは45:55〜55:45の範囲とし、最も好ましくは50:50の範囲とする。重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムとの2種をこのような比率で塗工層に含有させることで、重質炭酸カルシウムによる塗工層強度とインキセット性の向上効果と、軽質炭酸カルシウムによる塗工層の平滑性とインキ着肉性の向上効果とをバランスよく享受できる。
更に、体積平均粒子径が比較的大きい重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が比較的小さい軽質炭酸カルシウムとを上記含有比率で併用することにより、ラフ肌の塗工面感でありながらも、塗工層中で2種の炭酸カルシウムが適度な最密充填構造をとるためか、塗工層密度が上がり、印刷光沢が向上し、塗工層強度も更に向上する。該重質炭酸カルシウムと該軽質炭酸カルシウムとの含有比率が上記範囲と異なると、ラフ肌の塗工面感と表面強度及び印刷光沢とをバランスよく備えた印刷用塗工紙とすることができない。
なお、ここで「インキ着肉性」とは、インキが紙面若しくは塗工層にどの程度着肉しやすいかの指標を示すものであり、インキが着肉しやすい紙面はインキ着肉性に優れていると言える。また、ここで「インキセット性」とは、紙面に乗ったインキが乾燥し粘着性を失うまでの早さを示す指標であり、インキセット性に優れた紙面であれば着肉したインキが短い時間で乾くため、紙面にふれたロール等にインキが移りにくい。
本発明においては、塗工層に顔料としてプラスチックピグメントを含有させることで、塗工層を嵩高にでき、不透明度を向上させ、かつ、印刷光沢を向上させることができる。ここで用いるプラスチックピグメントとしては特に限定するものではないが、不透明度が向上しやすいという理由から中空構造を有するプラスチックピグメントを用いることが好ましい。
本発明において、塗工層に含有させる炭酸カルシウムとプラスチックピグメントとの含有比率については特に限定するものではないが、炭酸カルシウム100質量部に対し、プラスチックピグメントを1〜10質量部の範囲で含有させることが好ましく、2〜8質量部の範囲で含有させることがより好ましい。プラスチックピグメントの配合割合を上述の範囲とすることで、塗工層の嵩高性、不透明度、印刷光沢及びインク着肉性を好適な範囲に制御しやすくなる。プラスチックピグメントの配合割合が少なくなるにつれ塗工層の嵩高性、不透明度及び印刷光沢の向上効果は低下し、逆にプラスチックピグメントの含有量が多くなるにつれ塗工層のインク着肉性が低下する傾向がある。
また、本発明においては、塗工層中に炭酸カルシウムとプラスチックピグメント以外の顔料を含有させてもよい。このような顔料としては、例えば、カオリン、タルク、サチンホワイト、リトポン、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。但し、本発明の塗工層に用いる顔料は、あくまで炭酸カルシウムとプラスチックピグメントとを主成分とするものであり、その他の顔料の配合量をあまり多くすると本発明の目的とする効果を損ねる可能性があることから、その他の顔料の配合量については、塗工層に用いる顔料全量のうち5質量%未満とする。
本発明においては、塗工層にはバインダーとして、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコール(PVA)とを含有させる。ここで合成樹脂ラテックスとしては、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス、ウレタン系樹脂ラテックスなどを用いることができる。これらの合成樹脂ラテックスの中でも、塗工層強度を満足させやすいという理由から、スチレン−ブタジエン系ラテックスを使用することが最も好ましい。また、ここで用いるポリビニルアルコールはケン化度を問わず、シラノール変性やカルボキシ変性などの各種変性ポリビニルアルコールであってもよい。ポリビニルアルコールを用いることで、特に紙面が湿った条件下でのインキ着肉性が向上するため、オフセット印刷適性に優れた塗工層とすることができる。
本発明において合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとの含有比率は、合成樹脂ラテックス100質量部に対して、ポリビニルアルコールを8〜16質量部の範囲とする。合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとを上述の含有比率の範囲で併用することで、結果的に印刷適性に優れた塗工層とすることができる。ここで、ポリビニルアルコールの含有量が8質量部を下回ると、塗工層の耐水性が損なわれるため印刷時の湿し水を介しての印刷機ブランケットや版胴が汚れてしまい、結果として、印刷用紙をも汚して印刷適性を満足できなくなる。一方、ポリビニルアルコールの含有量が16質量部を上回ると、塗工層のインキとの親和性が乏しくなり、塗工層のインキ着肉性が劣るようになる。
本発明において、塗工層に用いるバインダーとしては、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールの他に、一般的な印刷用塗工紙の塗工層で汎用されるその他のバインダーを加えてもよい。このようなバインダーとしては、各種デンプン類、天然ゴムラテックスなどが挙げられる。但し、本発明の塗工層に用いるバインダーは、あくまで合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとを主成分とするものであり、その他のバインダーの配合量をあまり多くすると本発明の目的とする効果を損ねる可能性があることから、その他のバインダーの配合量については、塗工層に用いるバインダー全量のうち5質量%未満とする。
本発明において、塗工層におけるバインダーの含有比率は特に限定するものではないが、顔料100質量部に対してバインダーを12〜15質量部の範囲で含有させることが好ましい。本発明においては、塗工層に用いる顔料として炭酸カルシウムとプラスチックピグメントとを併用し、塗工層に用いるバインダーとしては合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとを併用するが、このような構成とした場合には顔料とバインダーとの含有比率を上記範囲とすることで、塗工層強度と印刷光沢により優れる印刷用塗工紙とすることができる。
本発明において塗工層には、顔料とバインダーの他に、必要に応じて着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光失活剤、分散剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤、各種界面活性剤、帯電防止剤、等の各種助剤を本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。
本発明において、塗工層の塗工量は基紙の片面当たり乾燥固形分で8〜13g/m2とすることが好ましい。ここで、塗工量が8g/m2に満たない場合は、塗工層のインク吸収性が損なわれ、インキセット性や印刷光沢を満足できないおそれがある。逆に、塗工量が13g/m2を超えると塗工層強度を満足できず、印刷時にピッキングなどのトラブルを生じるおそれがある。また、ラフ肌の塗工面感を得られやすいことから、塗工層は基紙の片面または両面に単層で設けることが好ましい。
本発明において塗工層は、前記した顔料とバインダーとを配合し、適当な固形分濃度に調製した塗工液を基紙上に塗工後、乾燥することで設けることができる。塗工液を基紙に塗工する方法としては公知の塗工機を用いることができ、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター等を使用できる。
塗工液塗工後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、本発明においては、特に限定されるものではない。また、塗工層の中のZ軸方向(厚み方向)におけるバインダー分布を制御する目的で、乾燥速度を速めた急速乾燥、反対に遅くした緩慢乾燥を適宜用いても構わない。また、塗工層の内部構造あるいは、表面形状やZ軸方向でのバインダー分布を制御する目的で、温度勾配を変化させても構わない。
先にも述べたように、本発明に係る印刷用塗工紙は、カレンダーなどでの平滑化処理を行わず、ラフ肌の塗工面感を得られるようにベック平滑度を40秒以下とする。好ましくは35秒以下とする。平滑度の下限は特に限定するものではないが、印刷適性を考慮した場合、5秒以上であることが好ましく、更に好ましくは10秒以上である。ここで平滑度のコントロール方法としては特に限定するものではなく、本発明における塗工層の構成であれば平滑化処理を行わなければ容易に達成できるが、前記エアーナイフコータ−を用いて塗工層を設けることで、より容易に達成することができる。
本発明において、印刷用塗工紙の坪量は特に限定するものではないが、印刷用紙としての適性を考慮すると50〜500g/m2の範囲とすることが好ましく、80〜300g/m2の範囲であることがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例中の部、及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
(実施例1)
<基紙の作成>
LBKP100部(カナディアンスタンダードフリーネス:CSF=560ml)を用いて調製したパルプスラリーに、パルプ100部に対し、カチオン澱粉1.0部、タルク5.0部、酸性ロジンサイズ剤0.2部、液体硫酸バンド1.0部を添加し、調製した紙料を円網式抄紙機で抄紙し、原紙を得た。上記原紙上に酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コンスターチ社製)6%をサイズプレスにより乾燥塗工量が片面当たり1.5g/m2となるようにオンマシンで両面に塗布し、シリンダードライヤーで乾燥することで基紙を得た。ここで得られた基紙の坪量は100g/m2であった。
<塗工液の調製>
軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)50部と、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.5μm)50部とを水に添加し、コーレス分散機にて乾燥固形分濃度で20%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにスチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)12部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)1部、中空プラスチックピグメント(商品名:AE−852、JSR社製)4部を順次、添加・攪拌し、更に水を添加して濃度を調整することで乾燥固形分濃度が25%の塗工液を得た。
<塗工層の形成>
基紙の両面に、片面当たりの塗工量が固形分換算で11g/m2となるようにエアナイフコーターで塗工液を塗工し、エアードライヤーで熱風乾燥して印刷用塗工紙を得た。得られた印刷用塗工紙の坪量は122g/m2であった。
(実施例2)
塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)50部を、軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−221GS、奥多摩工業社製、体積平均粒子径:0.49μm)50部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例3)
塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.5μm)50部を、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1200、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.8μm)50部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例4)
塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.5μm)50部を、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1800、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.25μm)50部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例5)
塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)の配合量を13部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)の配合量を2部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例6)
塗工層の形成において、塗工液の塗工量を基紙の片面当たり固形分換算で13g/m2と変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例7)
塗工層の形成において、塗工液の塗工量を基紙の片面当たり固形分換算で8g/m2と変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例8)
塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)の配合量を40部とし、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.5μm)の配合量を60部とした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例9)
塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)の配合量を60部とし、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.5μm)の配合量を40部とした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例10)
塗工液の調製において、中空プラスチックピグメント(商品名:AE−852、JSR社製)の配合量を8部とした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例11)
塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)12部を、アクリル共重合樹脂(商品名:モビニール735、クラリアントポリマー社製)12部に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例12)
塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)12部を、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス(商品名:Nipol SX1503、日本ゼオン社製)12部に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例1)
塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)の配合量を100部とし、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、白石カルシウム社製、体積平均粒子径:1.5μm)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例2)
塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)を配合せず、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、備北粉化工業社製、体積平均粒子径:1.5μm)の配合量を100部とした以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例3)
塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、備北粉化工業社製、体積平均粒子径:1.5μm)50部を、カオリン(商品名:KAOFINE、白石カルシウム社製、粒子径:2μm>が95〜100%)50部に変更した以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例4)
塗工液の調製において、重質炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1500、備北粉化工業社製、体積平均粒子径:1.5μm)50部を、重質炭酸カルシウム(商品名:SETACARB−HG、白石カルシウム社製、粒子径:1μm未満が90%以上)50部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例5)
塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:ブリリアント15、白石工業社製、体積平均粒子径:0.15μm)50部を、軽質炭酸カルシウム(商品名:白艶華PZ、白石工業社製、体積平均粒子径3.3μm)50部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例6)
塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)の配合量を13部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)の配合量を3部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例7)
塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)の配合量を1部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)の配合量を12部にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例8)
塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)の配合量を13部とし、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例9)
塗工液の調製において、中空プラスチックピグメント(商品名:AE−852、JSR社製)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
各実施例で得られた印刷用塗工紙の構成を図1に、各比較例で得られた印刷用塗工紙の構成を図2に、各実施例で得られた印刷用塗工紙の物性及び評価結果を図3に、各比較例で得られた印刷用塗工紙の物性及び評価結果を図4に、それぞれ示した。尚、図3,4中の各物性の測定及び評価についてはそれぞれ以下の方法で行った。
<DRYピック>
RI印刷機(明製作所製)を用いて、プロセスインキ 墨(TV15、東洋インキ社製)を0.4cc使用し、60rpmの印刷速度で5回刷りした後にゴムロールに付着した塗工層からの脱落物や原紙層からの繊維の脱落状況を観察し、塗工層強度として以下の3段階で評価した。
○:非常に良好(ゴムロール上に付着物が見られず、合格)
△:良好(ゴムロール上に付着物が散見されるが実用に供する範囲であり、合格)
×:不良(ゴムロール上に付着物が多く見られ、不合格)
<WETピック>
RI印刷機(明製作所製)を用いて、プロセスインキ 墨(TV15、東洋インキ社製)を0.4cc使用し、60rpm相当の印刷速度で手動1回刷りした後にゴムロールに付着した塗工層からの脱落物や原紙層からの繊維の脱落状況を観察し、塗工層強度として以下の3段階で評価した。尚、この際に、均一に水分を持たせたモルトンロールに印刷用塗工紙が付着するようにして、印刷用塗工紙上に10秒程度モルトンロールを接触保持した後にゴムロール上のインキを転写させるような工程とした。
○:非常に良好(ゴムロール上に付着物が見られず、合格)
△:良好(ゴムロール上に付着物が散見されるが実用に供する範囲であり、合格)
×:不良(ゴムロール上に付着物が多く見られ、不合格)
<インキセット性>
RI印刷機(明製作所製)を用いて、プロセスインキ 紅(東洋インキ社製)を0.4cc使用し、30rpmの印刷速度で1回刷りした後に、その印刷用塗工紙上のインキに転写紙(ミューコートネオス、北越紀州製紙社製)を、印刷直後から30秒後、60秒後、90秒後に印刷機のゴムロールと金属ロールに圧胴させて転写させた。
○:非常に良好(転写紙へのインキの転移が殆どなく、合格)
△:良好(転写紙へのインキの転移が少し認められるが、実用に供する範囲であり合格)
×:不良(転写紙へのインキの転移が多く、不合格)
<インキ着肉性>
RI印刷機(明製作所製)を用いて、プロセスインキ 藍(東洋インキ社製)を0.3cc使用し、30rpmの印刷速度で1回刷りした。その後、ベタ部でのインキ着肉性を目視評価した。
○:非常に良好(均一にインキが着肉されており、合格)
△:良好(インキの着肉がやや不均一であるが実用に供する範囲であり、合格)
×:不良(インキの着肉が不均一であり、不合格)
<WETインキ着肉性>
RI印刷機(明製作所製)を用いて、プロセスインキ 藍(東洋インキ社製)を0.4cc使用し、30rpmの印刷速度で1回刷りをした。尚、この際に均一に水分を持たせたモルトンロールに印刷用塗工紙が付着するようにして、印刷用塗工紙上に10秒程度モルトンロールを接触保持した後にゴムロール上のインキを転写させるような工程とした。これにより、水とインキが共存した場合での印刷適性を評価できる。
○:非常に良好(印刷濃度が高く、合格)
△:良好(印刷濃度がやや低いが実用に供する範囲であり、合格)
×:不良(印刷濃度が低く、不合格)
<白紙光沢度>
JIS P 8142:2005「紙及び板紙-75度鏡面光沢度の測定方法」に準拠し、光沢度計(GM−26D/村上色彩技術研究所製)を用いて入射角75°にて印刷用塗工紙表面の光沢度を測定した。
<印刷光沢度>
印刷用塗工紙に、RI印刷機(明製作所製)を用いて、プロセスインキ 紅(東洋インキ社製)を0.4cc使用し、30rpmの印刷速度で1回刷りをした。その後、23℃、50RH%条件下にて24時間放置してインキを乾燥させた後、JIS P 8142:2005「紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法」に準拠し、光沢度計(GM−26D/村上色彩技術研究所製)を用いて入射角60°にて印刷面の光沢度を測定した。
<ベック平滑度>
印刷用塗工紙の両面について、JIS P 8119に基づいて測定した。
図3の結果からも明らかなように、実施例1〜12で得られた印刷用塗工紙は、各種印刷適性を満足し、ラフ肌でありながらも印刷光沢の高い印刷用塗工紙であった。
比較例1で得られた印刷用塗工紙は、炭酸カルシウムとして体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムのみを配合したため十分な塗工層強度が得られず、DRYピック及びWETピックに劣る結果となった。
比較例2で得られた印刷用塗工紙は、炭酸カルシウムとして体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムのみを配合したため、インキセット性、インキ着肉性、WETインキ着肉性に劣る結果となり、また、ベック平滑度が低くなりすぎたことにより印刷適性も満足できないものであった。
比較例3で得られた印刷用塗工紙は、重質炭酸カルシウムの替わりにカオリンを配合したため十分なインキセット性が得られず、ベック平滑度が高くなりすぎ、ラフ肌の印刷用塗工紙を得ることができなかった。
比較例4で得られた印刷用塗工紙は、重質炭酸カルシウムとして体積平均粒子径が1μm未満と比較的粒径が小さいものを用いたため十分な塗工層強度が得られず、DRYピックとWETピックに劣る結果となった。
比較例5で得られた印刷用塗工紙は、軽質炭酸カルシウムとして体積平均粒子径が3.3μmと粒子径の比較的大きいものを用いたため、ベック平滑度が低くなりすぎたことにより印刷適性を満足できず、印刷光沢にも劣るものであった。
比較例6及び比較例7で得られた印刷用塗工紙は、スチレン−ブタジエン系ラテックスに対するポリビニルアルコールの配合量が多くなりすぎ、インキ着肉性に劣るものであった。特に、比較例7で得られた印刷用塗工紙はスチレン−ブタジエン系ラテックスの配合量が相対的に少なすぎたために塗工層強度にも劣るものとなり、DRYピックやWETピックなどの問題も見られた。
比較例8で得られた印刷用塗工紙は、ポリビニルアルコールを配合しなかったため、WETインキ着肉性に劣るものであった。
比較例9で得られた印刷用塗工紙は、プラスチックピグメントを配合しなかったため、印刷光沢度に劣るものであった。
以上述べたように、本発明によれば、いわゆるマット調やダル調といわれる風合いを有し、ラフ肌でありながらも各種印刷適性と印刷光沢の高い印刷用塗工紙が得られる。

Claims (3)

  1. 基紙に、顔料とバインダーとを含有する塗工層が設けられた印刷用塗工紙において、
    前記塗工層中の顔料には、炭酸カルシウムとプラスチックピグメントとが含まれ、
    前記塗工層中の炭酸カルシウムには、体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムとが、質量比で、重質炭酸カルシウム:軽質炭酸カルシウム=40:60〜60:40の範囲で含まれ、
    前記塗工層中のプラスチックピグメントの含有量が、前記炭酸カルシウム100質量部に対して1〜10質量部の範囲であり、
    前記塗工層中の顔料全量のうち、炭酸カルシウムとプラスチックピグメントの配合割合が合計95質量%以上であり、
    前記塗工層中のバインダーには、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとが含まれ、その含有割合が合成樹脂ラテックス100質量部に対してポリビニルアルコール8〜16質量部の範囲内であり、
    前記塗工層中のバインダーの含有量が、顔料100質量部に対して12〜15質量部の範囲であり、
    前記塗工層中のバインダー全量のうち、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールの配合割合が合計95質量%以上であり、
    ベック平滑度が5〜40秒の範囲であることを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記塗工層の塗工量が、基紙の片面当たり固形分換算で8〜13g/m2の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 基紙を用意するステップと、
    顔料とバインダーとを含む塗工液を調製するステップと、
    前記塗工液を前記基紙表面に塗工し、塗工層を設けるステップと、を有し、
    前記塗工液中の顔料には、体積平均粒子径が1〜2μmである重質炭酸カルシウムと、体積平均粒子径が0.1〜0.6μmである軽質炭酸カルシウムと、プラスチックピグメントとが含まれ、
    前記重質炭酸カルシウムと軽質炭酸カルシウムとの配合割合が、質量比で、重質炭酸カルシウム:軽質炭酸カルシウム=40:60〜60:40の範囲であり、
    前記塗工層中のプラスチックピグメントの含有量が、前記炭酸カルシウム100質量部に対して1〜10質量部の範囲であり、
    前記塗工層中の顔料全量のうち、炭酸カルシウムとプラスチックピグメントの配合割合が合計95質量%以上であり、
    前記塗工層中のバインダーには、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールとが含まれ、その含有割合が合成樹脂ラテックス100質量部に対してポリビニルアルコール8〜16質量部の範囲内であり、
    前記塗工層中のバインダーの含有量が、顔料100質量部に対して12〜15質量部の範囲であり、
    前記塗工層中のバインダー全量のうち、合成樹脂ラテックスとポリビニルアルコールの配合割合が合計95質量%以上であり、
    得られた印刷用塗工紙のベック平滑度が5〜40秒の範囲であることを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
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