JP2017057528A - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な白色度とインク着肉性を有し、印刷強度に優れる印刷用塗工紙を提供すること。【解決手段】本発明は、パルプを主成分とする基紙の少なくとも一方の面に、白色顔料と接着剤と蛍光増白剤とを含有する塗工層を有する印刷用塗工紙であって、前記塗工層の塗工量が基紙の片面あたり固形分換算で1〜5g/m2であり、前記白色顔料の5〜35質量%がカオリンであり、前記白色顔料に対して接着剤として重合度が1000〜2000のポリビニルアルコールを4.5〜11質量%含有し、前記白色顔料に対して接着剤を20〜40質量%含有する、ことを特徴とする印刷用塗工紙に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷用塗工紙に関する。更に詳しくは、顔料塗工層の塗工量が比較的少ないにもかかわらず、十分な白色度とインク着肉性を有し、更には、印刷強度に優れる印刷用塗工紙を提供することにある。
印刷用塗工紙は、カタログ、ポスター、写真集、書籍、チラシ等の分野で用いられ、印刷画像とのコントラストを高めるために高い白色度を求められている。さらに、コストを抑えつつ、オフセット印刷を好適におこなえるよう高いインク着肉性を有する印刷用塗工紙も求められている。
印刷用塗工紙では、顔料塗工層に白色度の高い顔料を用いたり、蛍光増白剤を含有させたりする方法により、高い白色度を付与しているものがある。また、顔料塗工層にインク吸収性の高い顔料を用いることや、顔料塗工層の平滑性を高くすることによりインク着肉性を向上させているものがある。このような印刷用塗工紙として、特許文献1には、炭酸カルシウムと蛍光増白剤とを含有する顔料塗工層を10g/m程度設け、カレンダ処理により平坦化された印刷用塗工紙が開示されている。しかしながら、印刷用塗工紙は、顔料塗工層の塗工量が大きくオフセット印刷時のインク着肉性不良が生じやすく、かつコストが高くなるという問題があった。
また、近年、印刷用塗工紙は、軽量であることも求められている。このような軽量の印刷用塗工紙としては、顔料塗工層の塗工量が比較的少ないものが知られており、例えば、特許文献2には、顔料塗工層の塗工量を両面で2〜6g/mとした微塗工紙が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示された印刷用塗工紙のように、顔料塗工層の塗工量が比較的少ない微塗工紙は、顔料塗工層に炭酸カルシウムや蛍光増白剤を含有させたとしても高い白色度と十分なインク着肉性を同時に得るのは困難であった。また、顔料塗工層の塗工量が少ないと、オフセット印刷時にピッキングを生じる印刷強度にも劣りやすいという問題がある。
特開2014−189924号公報 特開2001−329487号公報
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、顔料塗工層の塗工量が比較的少なく、その製造コストを抑えることができ、軽量で十分な白色度とインク着肉性を有し、更には、印刷強度に優れる印刷用塗工紙を提供することにある。
本発明の印刷用塗工紙は、パルプを主成分とする基紙の少なくとも一方の面に、白色顔料と接着剤と蛍光増白剤とを含有する塗工層を有する印刷用塗工紙であって、前記塗工層の塗工量が基紙の片面あたり固形分換算で1〜5g/mであり、前記白色顔料の5〜35質量%がカオリンであり、前記白色顔料に対して接着剤として重合度が1000〜2000のポリビニルアルコールを5〜10質量%含有し、前記白色顔料に対して接着剤を20〜40質量%含有することを特徴とする。
また、本発明の印刷用塗工紙は、前記塗工層JIS P−8119に規定されるベック平滑度が20秒以下であってもよい。
また、本発明の印刷用塗工紙は、前記蛍光増白剤が、前記白色顔料に対して1.5〜3.5質量%含有していることが好ましい。
また、本発明の印刷用塗工紙は、前記塗工層の表面のJIS P−8148に規定されるISO白色度が100%以上であることが好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、顔料塗工層の塗工量が比較的少ないにもかかわらず、十分な白色度とインク着肉性を有し、更には、印刷強度に優れる。
以下、本発明について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
本発明の基紙に使用するパルプとしては、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の木材化学パルプを主に用いることができる。他のパルプとしては、亜硫酸パルプ(SP)、ソーダパルプなどの化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ、古紙、ワラ、バガス、ヨシ、ケナフなど非木材パルプも本発明の目的とする効果を損ねない範囲で用いることができる。但し、退色しない、白色度が高いということから化学パルプが好ましい。化学パルプとは、木材をおよびその他の繊維原料を化学的に処理して作ったパルプであり、亜硫酸パルプ、クラフトパルプ、ソーダパルプなどがあるが、中でもクラフトパルプが好ましい。
原紙に含まれるパルプ全量に対し、LBKPを60〜85質量%およびNBKPを15〜40質量%含有させることが好ましい。NBKPを一定量含ませることにより、印刷用塗工紙の表面にラフ感を与えることができる。本発明の印刷用塗工紙は、塗工層の塗工量が比較的少ないことから、基紙の質感が印刷用塗工紙の表面に現れやすく、これを利用することで表面に非塗工紙のような凹凸を有する印刷用塗工紙とすることもできる。NBKPの配合量が15%を下回ると、求める非塗工紙に近い風合いが得られにくくなる。一方、NBKPの配合量が40質量%を上回ると基紙表面の凹凸が多くなりやすく、塗工層用の塗工液が基紙に浸透し易くなり、低塗工量では基紙を十分に被覆できず、白色度が低下するおそれがある。
基紙に用いるパルプの濾水度は、特に限定するものではないが、カナダ標準濾水度(フリーネス)(JIS P 8121−2:2012「パルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法」)で、300〜700ml/CSFとすることが好ましく、350〜600ml/CSFであることがより好ましく、400〜580ml/CSFが更に好ましい。
基紙には填料を含有させることが好ましい。使用する填料としては、特に限定するものではないが、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。これらの中でも、白色度を向上させやすい軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、酸化チタンを用いることが好ましい。なお、基紙のパルプ100質量部に対して、原紙の填料は1〜30質量部、好ましくは例えば、5〜20質量部使用すればよい。
本発明の基紙には、前記したパルプと填料以外の製紙用添加剤も本発明の目的を損なわない範囲で使用できる。このような製紙用添加剤としては、各種サイズ剤、紙力増強剤、硫酸バンド、濾水性向上剤、歩留向上剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤、高分子定着剤、消泡剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料等が挙げられる。特に、印刷用塗工紙の白色度が向上しやすいことから、蛍光染料を含有させることが好ましい。基紙の白色度は特に限定するものではないが、JIS P−8148に規定されるISO白色度で80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
基紙は前記パルプを主原料とする紙料を抄造することにより得ることができる。基紙の抄造方法としては、特に限定するものでなく、長網抄紙機、円網抄紙機、あるいは長網と円網のコンビネーション、ツインワイヤー抄紙機、オントップツインワイヤー抄紙機、短網抄紙機、傾斜ワイヤー抄紙機など公知の抄紙方法を用いることができる。抄紙は、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙のいずれの方式で抄紙することができる。基紙の坪量は、印刷用塗工紙の用途に応じて定めることができるが、好ましくは50〜700g/mである。
また、基紙の表面には必要に応じて、表面紙力剤、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤、蛍光染料など含有するサイズプレス液を塗布してもよい。塗布方法は特に限定するものではなく、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗布装置を用いることができる。
本発明の印刷用塗工紙は、白色顔料と接着剤と蛍光増白剤とを含有する塗工層を有する。ここで用いる白色顔料としては、白色度の高い白色顔料が好適であり、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、焼成カオリン、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、白土、合成非晶質シリカ、ベントナイト等の無機系の白色顔料を、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で用いることができる。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、ポリスチレン樹脂粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子、中空有機顔料、多孔質粒子等の有機白色顔料を用いることもできる。これらの白色顔料の中でも、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等の分散液がpH9〜12である白色顔料が、蛍光増白剤の増白効果を高め、褪色性を低減する効果があるため特に好ましい。逆に、酸化チタン、酸化亜鉛等の紫外線を吸収する白色顔料は、蛍光増白剤の性能を阻害する場合があるため使用には注意を要する。
本発明においては、塗工層に含有する白色顔料のうち、5〜35質量%、好ましくは10〜30質量%、また好ましくは15〜30質量%、例えば、15〜25質量%または25〜30質量%をカオリンとする。カオリンとしてはアスペクト比の高いデラミネーテッドカオリン、エンジニアードカオリンカオリンが好ましい。カオリンは炭酸カルシウムや二酸化チタンに比べて塗工層の白色度向上に寄与する白色顔料ではないが、インク着肉性の向上に効果がある。その理由は定かではないが、次のように推察される。即ち、本発明の印刷用塗工紙は塗工層の塗工量が比較的少ないため、カレンダ処理等の平滑化処理によっても高平滑な塗工層を得られ難く、インク着肉性は、塗工層の平滑性よりもオフセット印刷時の印圧により適度に塗工層表面が平坦化されるといったクッション性に左右される。そして、オフセット印刷時の印圧により塗工層表面が適度に平坦化されるためには、塗工層表面の凹凸が適度に少ないことが好ましい。従って、塗工層表面の凹凸が適度に少なくなり、なおかつ塗工層のクッション性が保たれる程度にカオリンを含有させる。カオリンの含有量が5%未満となると塗工層の表面の凹凸が多くなりインク着肉性を満足できなくなる。一方、含有量が35%を超えると塗工層の表面は平滑となり易いが、高い白色度が得にくくなる。また、カオリンは比較的粒子径が大きく、白色顔料全体の比表面積が小さくなるため、塗工層の強度が硬くなり、塗工層表面のクッション性が損なわれやすくなるためか、インク着肉性を満足できなくなる。本発明においては、例えば、白色顔料として、軽質炭酸カルシウムを68〜92質量%、およびカオリンを8〜32質量%使用することが好ましい。
尚、前述した塗工層のクッション性に係わるインク着肉性は一定加圧時の非接触面積率で評価できる。非接触面積率の測定によれば、オフセット印刷時の印圧による塗工層の表面状態をより再現しやすく、パーカー・プリント・サーフ(PPS)やベック平滑度などの、いわゆるエアリーク法による平滑度測定法よりも直接的に表面状態を把握することができる。ここで、一定加圧時における非接触面積率を測定する手段としては、例えば、PST2600(FIBRO system AB社製)を使用して測定することができる。以下、測定方法について説明する。
まず、特定のクランピング圧力(押し圧)及び特定の時間(例えば、押し圧は3.4MPa、クランピング時間は1.0秒)にて塗工紙をプリズムとバッキングプレートとでクランプする。次いで、塗工層の表面に押し当てたプリズムを介して塗工層の表面に斜め上方から光を当て、反射光を上部CCDカメラにて読み取る。そして、市販パーソナルコンピューターに取り付けたPST2600の専用画像解析基盤及び専用プログラムによって、測定画像からプリズム表面と塗工層表面との接触/非接触部を算出する。ここで、接触部とは、プリズム表面と塗工層の表面との微少非接触部面積が0.16mm未満の部分であり、非接触部とは、プリズム表面と紙表面との微少非接触部面積が0.16mm以上の部分である。非接触部は、面積に応じて階級分けされるため、オフセット印刷のインク着肉不良による画線部の欠けと相関するデータが得られる。面積の大きな非接触部が多いと、印刷インクが定着しにくくなり、印画部の欠けの原因となりやすい。以上の原理によって、いわゆるエアリーク法による平滑度測定法よりも直接的な表面状態測定を行うことが可能となる。本発明においては、測定部面積に対する前記非接触部の合計面積の割合を示す「非接触部の合計面積率(以下、「MA値」と記載することがある)」は、測定部面積に対する0.16mm以上の面積を有する非接触部の合計面積の割合であり、次に示す(数1)から求める。
MA値[%]=(0.16mm以上の面積を有する非接触部の合計面積[mm]÷測定部面積[mm])×100・・・(数1)
数1において、測定部面積とは、プリズムの押し当て面のうち、光を当てる実際の測定部分の面積である。また、測定条件は、押し圧3.4MPa、クランピンク時間1.0秒である。
本発明の印刷用塗工紙は、上記(数1)により求められたMA値が15.0%以下であることが好ましい。MA値が15.0%以下であればオフセット印刷時の印圧で塗工層の表面が均一となりやすく、インク着肉性の良好な印刷用塗工紙とすることができる。MA値が15.0%を超える場合は、塗工層のクッション性が乏しくなるためか、インク着肉性を損なうおそれがある。
本発明においては、塗工層に含有させる接着剤として、その一部に、ポリビニルアルコールを用いる。ポリビニルアルコールは蛍光増白剤との親和性が高く、蛍光増白剤と併用することで蛍光増白剤の増白効果等を高くすることが知られている。また、増膜性が高いことから少ない塗工量でも印刷強度の向上に効果がある。ここでポリビニルアルコールとしては、酢酸ビニル重合体をケン化反応させたものに限らず、エステル化、エーテル化、アセタール化、共重合化、シラノール変性、カルボキル変性、カルボニル変成等の変性したものを使用することができる。
本発明の実施形態例においては、また、ポリビニルアルコールの重合度は1000〜2000とする。ポリビニルアルコールは塗工層を形成するための塗工液の粘度を上昇させやすいが、重合度の比較的低いポリビニルアルコールを含有させることで塗工液の粘度の上昇を抑えることができる。しかし、重合度が1000未満となると塗工液の粘度が低くなりすぎることから基紙に塗工液が浸透し易くなり、少ない塗工量では塗工層で基紙を十分に覆えず、結果的に白色度を向上させ難い。更に塗工層の表面は塗工ムラが生じやすくなるためインク着肉性が悪くなる。一方、重合度が2000を超えると、塗工層の強度が硬くなり、前述した塗工層のクッション性が損なわれ、結果的にインク着肉性が悪くなる。さらには塗工液の粘度が上昇し、塗工液の固形分濃度を高くできず、また、塗工液中に凝集物が発生するなどの問題が生じる。
本発明の実施形態例においては、接着剤の一部として用いる重合度1000〜2000であるポリビニルアルコールの含有量は、白色顔料に対して4.5〜11質量%、好ましくは5〜10質量%、例えば、6〜8質量%とする。このような範囲でポリビニルアルコールを含有させることで蛍光増白剤の性能を効果的に発現させることができる。含有量が4.5質量%未満となると少ない塗工量では塗工層で基紙を十分に覆えず、また、蛍光増白剤の蛍光増白効果の向上も不十分となることから、結果的に印刷用塗工紙の白色度を向上させ難い。更には、印刷強度も満足できない。一方、含有量が11質量%を上回ると、前述した塗工層のクッション性が損なわれ、結果的にインク着肉性が悪くなる。さらに塗工液の粘度が上昇し、塗工ムラを生じるおそれがある。
塗工層に使用するポリビニルアルコール以外の他の接着剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ジアリルフタレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合体等のエマルジョン型接着剤又はエマルジョン型であるウレタン樹脂などの中から、1種以上を適宜併用することができる。なお、これらのバインダの重合度、ケン化度、Tg(ガラス転移温度)、MFT(最低造膜温度)などは、限定されず、また、これらの分子鎖中に架橋性の官能基を付加しても構わない。
本発明の実施形態例においては、塗工層中のポリビニルアルコール以外の他の接着剤の含有量は、白色顔料に対して15〜30質量%、好ましくは17〜25質量%とする。含有量が15質量%未満となると塗工層強度が劣り、オフセット印刷時でピッキングなどの問題が発生する恐れある。一方、含有量が30質量%を上回ると塗工層強度が硬くなり、また、平滑性が過度に高くなるため、インク着肉性を損ねるばかりか、塗工層中の接着剤の絶対量が多くなりすぎてインク乾燥不良を生じるおそれがある。
以上のとおり、本発明の印刷用塗工紙においては、塗工層中の接着剤の含有量は、ポリビニルアルコールと、他の接着剤との総量で、白色顔料に対して20〜40質量%とする。全接着材料が20質量%未満であると、印刷強度が劣るからである。さらに、全接着材料が40質量%より大きいと、平滑度が大きくなり、さらに、オフセット印刷時のインクの着肉性が劣るからである。
塗工層中に含有させる蛍光増白剤としては、特に限定するものではないが、蛍光染料が好ましく、スチルベン系、クマリン系、ピラゾリン系、ナフタルイミド系、ベンゾオキサゾール系、イミダール系、チアゾール系、ジスチリルビフェニル系の従来から慣用されているものを使用することができる。例えば、スルフォン酸基を一つまたは複数含むスチルベン系の化合物などである。スチルベン系の化合物としては、ジアミノスチルベン−ジスルフォン酸誘導体があげられ、可溶化剤の選定やスルフォン酸基の数等により、分散性が高く塗工用途に開発された蛍光染料が多く市販されている。
本発明の実施形態例においては、塗工層中の蛍光増白剤の含有量は、特に限定するものではないが、白色顔料に対して1.0〜4.0質量%とし、例えば、1.5〜3.5質量%、好ましくは2.0〜3.0質量%とすることが好ましい。含有量が1.0質量%未満となると高いISO白色度を得られないおそれがある。一方、含有量が4.0質量%を上回ると塗工層における蛍光増白剤の濃度が高くなりすぎ、蛍光消失(クエンチング)現象が起こるため、高いISO白色度を得られないおそれがある。
塗工層には、前記した白色顔料と接着剤と蛍光増白剤以外に、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で各種公知の製紙用添加剤を用いることができる。このような製紙用添加剤としては、分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤、増粘剤、架橋剤、離型剤、防腐剤、柔軟剤、ワックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化剤、可塑剤、着色染料、着色顔料、還元剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤等が挙げられる。
本発明の印刷用塗工紙は、基紙の少なくとも一方の面に白色顔料と接着剤と蛍光増白剤とを前述した範囲で含有する塗工層を有するものである。塗工層は基紙に塗工液を塗布し、乾燥することで設けることができる。基紙への塗工液の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、チャンプフレックスコーター、リップコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、フィルム転写型コーターなどの塗工方式を採用することができ、単層、多層塗工を問わない。塗工量が比較的少ないことと、塗料の液性からエアナイフコーター、サイズプレスコーター、フィルム転写型コーターが好ましく、さらに好ましくはエアナイフコーターである。
塗工層の乾燥方式は特に限定されるものではなく、一般的なものを使用することができ、例えば、熱風乾燥、赤外乾燥、常温乾燥、凍結乾燥等が挙げられるが、その乾燥効率から赤外線乾燥、熱風乾燥が好ましい。
塗工層の塗工量は、基紙の片面あたり固形分換算で1〜5g/mとする。好ましくは2〜4g/mとする。塗工量が1g/mを下回ると均一に基紙を被覆することが難しく、ISO白色度が低くなる。更に塗工層の表面は塗工ムラとなるためオフセット印刷時の印圧で塗工層の表面が均一にならず、インク着肉性が悪く印刷ムラを生じる。一方、5g/mを上回るとより均一に被覆することができ、高いISO白色度は得られるが、オフセット印刷時のインク着肉性不良を生じる。
本発明の印刷用塗工紙は、基紙に塗工層を設けた後でカレンダ処理してもよいが、前述した塗工層のクッション性を損ねることがあるためカレンダ処理を行わず、ベック平滑度が20秒以下となるように調整することが好ましい。好ましくはベック平滑度を15秒以下とする。
本発明の印刷用塗工紙は、印刷画像とのコントラストを高めるために、ISO白色度は98.5%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましく、更に好ましくは100%以上である。塗工層の塗工量が比較的少ない印刷用塗工紙ではISO白色度を100%以上とすることは困難となるが、本発明の印刷用塗工紙の構成によれば、多くの実施形態例においてISO白色度を100%以上とすることが比較的容易に可能となる。
以下、本発明に係る印刷用塗工紙の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」及び「%」は特に断らない限り、乾燥固形分での「質量部」及び「質量%」を示す。
(実施例1)
<基紙の抄造>
広葉樹漂白クラフトパルプ80部と針葉樹漂白クラフトパルプ20部とを混合し、カナディアン・スタンダード・フリーネス510mLに叩解してパルプスラリーを得た。得られたパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−121、奥多摩工業社製)15部、両性澱粉(商品名:ケート3210、王子ナショナル社製)1部、中性ロジンサイズ剤(商品名:CC1401、星光PMC社製)0.3部、蛍光増白剤(商品名:ケイコールBULC、日本化薬)0.03部を加えて原料スラリーとし、円網式抄紙機にて表層/中層/中層/裏層の構成となるように各層同じ原料スラリーを用いて4層抄き合わせで抄紙し、更に2本ロールサイズプレスにて、変性ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:ST−5000、星光PMC社製)の5%水溶液を、基紙の両面当たり40ml/m(固形分換算で2g/m)となるように塗布して乾燥し、基紙を得た。得られた基紙の坪量は230g/mであった。
<塗工層用塗工液の調製>
軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP123、奥多摩工業社製)70部、デラミネートカオリン(商品名:センチュリーHC、ブラジルIRCC社製)30部を水中に分散して混合し、更に、接着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)17質量部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)5部、蛍光増白剤(商品名:ケイコールKSL−T、日曹商事社製)2.0部、ステアリン酸カルシウム(商品名:SNコート950C、サンノプコ社製)0.5部を添加して分散し固形分濃度が30%の塗工層用塗工液を得た。
<印刷用塗工紙の作製>
基紙の片面に塗工層用塗工液を塗工量が固形分換算で3g/mとなるようにエアナイフコーターで塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥して印刷用塗工紙を得た。
(実施例2)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)5部を、ポリビニルアルコール(商品名:PVA120、重合度2000、クラレ社製)5部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例3)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)5部を、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、重合度1700、クラレ社製)5部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例4)
塗工層用塗工液の調製において、蛍光増白剤(商品名:ケイコールKSL−T、日曹商事社製)の配合量を1.5部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例5)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)の配合量を10部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例6)
塗工層用塗工液の調製において、蛍光増白剤(商品名:ケイコールKSL−T、日曹商事社製)の配合量を3.5部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例7)
塗工層用塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とし、印刷用塗工紙の作製において、塗工量を固形分換算で1g/mとした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例8)
塗工層用塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とし、印刷用塗工紙の作製において、塗工量を固形分換算で5g/mとした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例9)
塗工層用塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP123、奥多摩工業社製)の配合量を90部、デラミネートカオリン(商品名:センチュリーHC、ブラジルIRCC社製)の配合量を10部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例10)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)の配合量を10部とし、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を30部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例11)
塗工層用塗工液の調製において、デラミネートカオリン(商品名:センチュリーHC、ブラジルIRCC社製)30部を、2級カオリン(商品名:ハイドラスパース、CaMin社製)30部に変更し、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例12)
塗工層用塗工液の調製において、デラミネートカオリン(商品名:センチュリーHC、ブラジルIRCC社製)30部を、エンジニアードカオリン(商品名:コンツアー1500、イメリス社製)30部に変更し、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例13)
塗工層用塗工液の調製において、蛍光増白剤(商品名:ケイコールKSL−T、日曹商事社製)の配合量を1.2部とし、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(実施例14)
塗工層用塗工液の調製において、蛍光増白剤(商品名:ケイコールKSL−T、日曹商事社製)の配合量を4部とし、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例1)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)の配合量を4部、とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例2)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)の配合量を12部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例3)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)5部を、ポリビニルアルコール(商品名:PVA124、重合度2400、クラレ社製)5部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例4)
塗工層用塗工液の調製において、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110、重合度1000、クラレ社製)5部を、ポリビニルアルコール(商品名:PVA105、重合度500、クラレ社製)5部に変更した以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例5)
塗工層用塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とし、印刷用塗工紙の作製において、塗工量を固形分換算で0.5g/mとした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例6)
塗工層用塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とし、印刷用塗工紙の作製において、塗工量を固形分換算で7g/mとした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例7)
塗工層用塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP123、奥多摩工業社製)の配合量を100部とし、デラミネートカオリン(商品名:センチュリーHC、ブラジルIRCC社製)を配合せず(即ち、配合量0部)、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例8)
塗工層用塗工液の調製において、軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP123、奥多摩工業社製)の配合量を60部、デラミネートカオリン(商品名:センチュリーHC、ブラジルIRCC社製)の配合量を40部とし、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を25部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例9)
塗工層用塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を10部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
(比較例10)
塗工層用塗工液の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:L−1432、旭化成社製)の配合量を40部とした以外は実施例1と同様にして印刷用塗工紙を得た。
<印刷用塗工紙の評価>
各実施例及び比較例で得られた印刷用塗工紙について、23℃×50%RHの条件で調湿後、以下の方法により各評価を行った。結果を表1に示す。
(ISO白色度)
分光色彩計(商品名;PF−10、日本電色工業社製)を使用し、JIS P−8148に準拠して塗工層の表面のISO白色度を測定した。
(ベック平滑度)
JIS P−8119に準拠して塗工層の表面のベック平滑度を測定した。
(インク着肉性)
PST−2600(FIBRO System AB製)を用いて、塗工層の表面のMA値を測定した。MA値が小さいほどインク着肉性が良いことを示し、15%以下のものを合格とした。
測定条件:クランピング圧力3.4MPa、単位%(測定時間1秒後の非接触面積率)
(印刷強度)
RIテスター(商品名;RI−III型、IHI機械システム製)を用いて、タック値15の墨インク(商品名;TV−15、東洋インキ製)0.4gを温度30℃で練り、圧胴回転数60rpmの条件で数回印刷し、塗工面の剥け(ピッキング)の程度を、官能的に(◎;良)、(○;可)、(△;不可)、(×;不可)の4段階評価し、○以上を合格とした。
Figure 2017057528
表1に示された結果から明らかなように、実施例1〜14で得られた印刷用塗工紙は、いずれもISO白色度が高く、MA値も比較的低いことからオフセット印刷時のインク着肉性が良好であることが推察される。また、印刷強度にも優れるオフセット印刷用紙であった。
これに対して、比較例1で得られた印刷用塗工紙は塗工層中のポリビニルアルコールの含有量が少なすぎて、塗工液の粘度が低くなることから基紙に塗工液が浸透し易くなり、且つポリビニルアルコールによる蛍光増白剤の蛍光増白効果が十分に得られなかったためか、ISO白色度が低くなる傾向となった。また、印刷強度に劣るものであった。比較例2で得られた印刷用塗工紙では塗工層中のポリビニルアルコールの配合量が多すぎたため、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインクの着肉性が劣ることが予想されるものであった。
比較例3で得られた印刷用塗工紙は塗工層中のポリビニルアルコールの重合度が大きすぎたため、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインクの着肉性が劣ることが予想されるものであった。比較例4で得られた印刷用塗工紙は塗工層中のポリビニルアルコールの重合度が小さすぎて、基紙に塗工液が浸透し易くなり、塗工層の被膜が不均一となったため、ISO白色度が低くなる傾向となった。また、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインク着肉性が劣ることが予想されるものであった。更にまた、印刷強度に劣るものであった。
比較例5で得られた印刷用塗工紙は塗工量が少なすぎて、塗工層で基紙表面を均一に被覆できず、ISO白色度が低くなる傾向となった。また、MA値が大きくなりオフセット印刷時のインク着肉性が劣ることが予想されるものであった。更にまた、印刷強度に劣るものであった。比較例6で得られた印刷用塗工紙は塗工量が多すぎて、塗工層が硬くなったためか、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインク着肉性が劣ることが予想されるものであった。
比較例7で得られた印刷用塗工紙は塗工層中のカオリンの配合量が少なすぎて、塗工層の表面に凹凸が残るためか、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインク着肉性が劣ることが予想されるものであった。比較例8で得られた印刷用塗工紙は塗工層中のカオリンの配合量が多すぎて、ISO白色度が低くなる傾向となるばかりか、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインク着肉性が劣ることが予想されるものであった。
比較例9で得られた印刷用塗工紙は、塗工層中の接着剤の含有量が少なすぎて印刷強度に劣るものであった。比較例10で得られた印刷用塗工紙は、塗工層中の接着剤の含有量が多すぎて、MA値が大きくなり、オフセット印刷時のインクの着肉性が劣ることが予想されるものであった。

Claims (4)

  1. パルプを主成分とする基紙の少なくとも一方の面に、白色顔料と接着剤と蛍光増白剤とを含有する塗工層を有する印刷用塗工紙であって、
    前記塗工層の塗工量が基紙の片面あたり固形分換算で1〜5g/mであり、
    前記白色顔料の5〜35質量%がカオリンであり、
    前記白色顔料に対して接着剤として重合度が1000〜2000のポリビニルアルコールを4.5〜11質量%含有し、
    前記白色顔料に対して接着剤を20〜40質量%含有する、
    ことを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記塗工層のJIS P−8119に規定されるベック平滑度が20秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 前記蛍光増白剤が、前記白色顔料に対して1.5〜3.5質量%含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 前記塗工層の表面のJIS P−8148に規定されるISO白色度が100%以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の印刷用塗工紙。
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