JP2005154951A - 印刷用艶消し塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】白色度及び不透明度が高く、かつ光沢度が低い両面塗工の印刷用艶消し塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設けた両面塗工紙であって、該原紙は填料として炭酸カルシウムを10〜20重量%、かつ全パルプ繊維に対し機械パルプを10〜40重量%含有し、ISO白色度77%以上の中性抄紙であり、該塗工層は全顔料に対し炭酸カルシウムを50〜100重量部、全顔料100重量部に対しスチルベン系蛍光塗料を0.5〜5重量部を含有し、かつ該スチルベン系蛍光塗料の被染着物質として水溶性高分子を全顔料100重量部に対し0.5〜10重量部を含有し、塗工量が固形分換算で片面当たり5〜12g/m、ISO白色度が84%以上、JIS P8138の測定による不透明度が85%以上、JIS P8142の測定による75度光沢度値が40%以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は印刷用艶消し塗工紙に関し、詳しくは、不透明度が高く光沢度が低く、さらに高白色で軽塗工量の印刷適性にすぐれた、艶消し印刷用紙に関する。
近年、印刷物のビジュアル化、カラー化、高級化志向等に伴い、原紙表面に塗工層(塗被層)を形成した一般の印刷用紙においては、塗工面の光沢度及び平滑性の向上、高白色化が要望されている。また、雑誌あるいはダイレクトメールの多頁化に伴い、印刷用紙においては前記の要望に加え、さらに軽量化が要望されている。
こうした要望に応じるものとして、(1)特開平9−302596号公報(特許文献1)には、原紙に顔料成分として平均粒子径0.3〜0.7μmのカオリンを用い、接着剤として澱粉誘導体を用いて調製した塗被液(塗工液)を塗布し塗被層を形成して軽量塗被紙を得ることが開示されている。
また、(2)特開平7−70986号公報(特許文献2)には、原紙に顔料成分として長径及び短径が3μm≦長径≦100μm、0.3μm≦短径≦4μmの条件を満足する針状炭酸カルシウムを用い、これと接着剤とを主成分とする塗被組成物を塗被した印刷用塗被紙が開示されている。
また(3)特開平11−286896号公報(特許文献3)には、原紙に顔料成分として軽質炭酸カルシウムを用い、接着剤として澱粉誘導体及び高分子共重合体ラテックスを用いて調製した塗被液を塗布し、塗被層を形成して塗被紙を得ることが開示されている。
しかし、これら(1)(2)(3)の塗被紙は塗被層を10g/m以下の軽塗工量で形成した場合には、インキ着肉性の点で印刷適性が必ずしも満足したものになっていないのが実情である。加えて、白色度も本発明者が満足する程度にまでは至っていない。
さらに、(4)特開2001−254294号公報(特許文献4)には、塗工層表面に離型剤を設けた艶消し塗被紙が開示されている。しかし、この塗被紙は離型剤を噴霧方式によって塗被紙表面に塗布することによって得られるため、噴霧条件(霧化された離型剤の粒子径、噴霧距離、噴霧圧力、噴霧角度、噴霧速度)の設定が非常に難しく、離型剤が均一に付着された塗被紙が得られにくいという問題がある。また、白色度も本発明者が満足する程度にまでは至っていないのが実情である。
特開平9−302596号公報 特開平7−70986号公報 特開平11−286896号公報 特開2001−254294号公報
本発明の目的は、原紙の両面に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層(塗被層)を軽塗工量(片面当たりの乾燥塗工量:12g/m以下)で塗工した、不透明度及び白色度が高く、光沢度が低い、印刷適性にすぐれた印刷用艶消し塗工紙を提供することにある。
本発明者らは、軽塗工量(片面当たりの乾燥塗工量:12g/m以下)で、高白色度の艶消し塗工紙を前記課題を達成するための研究検討を進めてきた結果、填料として炭酸カルシウムを内添させて白色度を高めた原紙を用い、この原紙上に塗工される塗工層に炭酸カルシウム、スチルベン系の蛍光染料、及びこの蛍光染料の被染着物質として水溶性高分子を配合することによって、所期の目的が達成されることを見出した。
本発明は、この知見に基いてなされたものであり、上記課題は次の(1)〜(5)によって達成される。
(1)原紙に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設けた両面塗工紙であって、該原紙は填料として炭酸カルシウムを10〜20重量%、かつ全パルプ繊維に対し機械パルプを10〜40重量%含有し、ISO白色度77%以上の中性抄紙であり、該塗工層は全顔料に対し炭酸カルシウムを50〜100重量部、全顔料100重量部に対しスチルベン系蛍光塗料を0.5〜5重量部を含有し、かつ該スチルベン系蛍光塗料の被染着物質として水溶性高分子を全顔料100重量部に対し0.5〜10重量部を含有し、塗工量が固形分換算で片面当たり5〜12g/m、ISO白色度が84%以上、JIS P8138の測定による不透明度が85%以上、JIS P8142の測定による75度光沢度値が40%以下であることを特徴とする印刷用艶消し塗工紙。
(2)前記塗工層に含有される炭酸カルシウム50〜100重量部の内、50〜70重量部が、粒子径分布においてd70/d30の比が1.5〜2.5である重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の印刷用艶消し塗工紙。
(3)前記機械パルプのカヤニ平均繊維長が0.50〜0.85mmであることを特徴とする請求項1または2記載の印刷用艶消し塗工紙。
(4)スチルベン系染料が、アゾ基を含まない4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体及びトリアジン誘導体から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用艶消し塗工紙。
(5)前記蛍光染料の被染着物質である水溶性高分子が澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースから選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用艶消し塗工紙。
請求項1に係る発明によれば、填料として炭酸カルシウムを用いISO白色度を77%以上に高めた原紙を用いることにより、この原紙上に塗工される塗工量は少なくて済み、軽量塗工紙を得ることができる。また、原紙には機械パルプが配合されていることから、用紙の不透明度が向上したものになっている。
さらに、塗工層には炭酸カルシウム、スチルベン系蛍光染料が配合されているため、塗工層のISO白色度が84%以上に高まり、また、顔料として炭酸カルシウムが大量に用いられていることから、JIS P8138による不透明度が85%以上となり、かつJIS P8142による75度光沢度を40%以下に低下できるようになる。また、スチルベン系蛍光染料の被染着物質として水溶性高分子を配合したことから、媒染剤なしで染着できるようになるとともに、他の接着剤を用いる必要がなくなる。
請求項2に係る発明によれば、塗工層に含有される炭酸カルシウムの内、50〜70重量部が粒子径分布においてd70/d30の比が1.5〜2.5である重質炭酸カルシウムを使用するため、不透明度をさらに高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、前記機械パルプのカヤニ平均繊維長を0.50〜0.85mmとしたため、不透明度が高くでき、かつ印刷平滑性に優れたものとなる。
請求項4に係る発明によれば、スチルベン系染料をアゾ基に含まない4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアミノ誘導体又はイソアジン誘導体に特定することで、白色度がより向上する。
請求項5に係る発明によれば、蛍光染料の被染着物質である水溶性高分子を澱粉、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメリルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)に特定したことで、蛍光染料の染着性が高まり、白色度がより向上する。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の原紙両面に塗工層を設けた印刷用艶消し塗工紙の原紙は、炭酸カルシウム(填料)を10〜20重量%内添し、全パルプ繊維の10〜40重量%を機械パルプを用いて中性抄紙によって得られたISO白色度77%以上のものである。
ここで使用される炭酸カルシウムは軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムのいずれでも良いが、原紙の白色度を向上させ、しかも抄紙機の耐ワイヤー磨耗性という観点からは軽質炭酸カルシウムの使用が望ましい。またその軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は、1〜3μmであることが望ましい。平均粒子径1μm未満であると、抄紙時の歩留まりが悪く、3μmを超えると、ワイヤー磨耗度が大きくなる問題が生じる。
また炭酸カルシウム(填料)の内添量が10重量%未満では所望の白色度が得られず、20重量%を超えると原紙の強度が低下し、抄紙工程あるいは塗工工程で断紙が発生し易くなる等の不具合の生じることがある。
原紙のパルプ繊維には、例えば針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプやリファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ストーングランドパルプ(GP)、プレッシャーライズドグランドパルプ(PGW)等の機械パルプ、脱墨処理パルプ(DIP)などがあげられるが、全パルプ繊維の10〜40重量%を機械パルプにしておく必要がある。機械パルプを使用する主目的は原紙の不透明度を向上することであるが、10重量%未満では所望の不透明度が得られず、また、40重量%を超えると所望の白色度が得られなくなるとともに、光および熱による退色が進行しやすくなる問題がある。
さらに、前記機械パルプのカヤニ平均繊維長が0.50〜0.85mmであると、不透明度が高く、印刷平滑性に優れた印刷用艶消し塗工紙が得られる。
機械パルプは不透明度を向上する効果は大きいが、反面、塗工紙の表面性にざらつき感を与え、特に軽量塗工においてはその影響が大きくなる。さらに、強制乾燥するオフセット輪転印刷においては、得られる印刷物の表面性(ざらつき感)にも大きく影響する。これら機械パルプによるざらつき感は、機械パルプの繊維長の影響を受け、平均繊維長(カヤニ平均繊維長)が0.50〜0.85mmの範囲であると、不透明度が高く、かつオフセット輪転印刷においてもざらつき感の少ない印刷用艶消し塗工紙が好適に得られることがわかった。繊維長は、パルプスラリーを叩解処理して調整されるが、平均繊維長を0.50mm未満にするには、叩解負荷が高く、エネルギーコストが高くなることと、抄紙工程においてパルプの脱水性が低下し、抄紙スピードの低下にも繋がる。一方、平均繊維長が0.85mmを超えると、塗工表面への繊維の浮出しが増し、またオフセット輪転印刷時の強制乾燥による機械パルプに起因するラフニング現象(ざらつき感)が増加する問題がある。
なお、原紙には、他の填料(例えば、タルク、カオリン等)が必要に応じて含有されていてもよく、さらに歩留まり向上剤、紙力向上剤、サイズ等の各種薬剤が適宜含有される。また、従来の原紙を抄紙する場合と同様に、原紙の表面強度を向上させるために、澱粉、ポリビニルアルコール等の公知のサイズプレス薬品を塗布することも可能である。
原紙は中性抄紙によって抄造されISO白色度77%以上のものである。原紙の白色度が高いため、この原紙上に塗工される塗工層の固形分付着量を低く抑えることができる、また、原紙は坪量25〜100g/mが使用されるが、市場ニーズが軽量塗工で、低坪量化へのシフトが進行していることを考慮すると、25〜65g/mの原紙がより好ましい。
一方、塗工層は顔料及び接着剤を主成分としており、顔料としては全顔料100重量部に対し50〜100重量部が炭酸カルシウムである。ここで用いられる炭酸カルシウムは、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムのいずれでも使用できる。炭酸カルシウムの配合量が全顔料の50重量%未満であると塗工層の白色度及び不透明度が所望の数値に達しないおそれが生じる。
塗工液のレオロジー特性を考慮すると、重質炭酸カルシウムの使用が望ましい。また重質炭酸カルシウムの配合量50〜100重量部の内、50〜70重量部は、その粒子径分布において、累積重量%が70%(d70)と30%(d30)の比(d70/d30)が1.5〜2.5の範囲にある重質炭酸カルシウムがより好適に使用される。d70/d30がこの範囲であると、光散乱係数が増加することと、塗工層を形成する顔料構造がより高い空隙率を有する構造になることから、不透明度の向上効果が大きい。また原紙の被覆性が良くなり、軽塗工量でも印刷適性に優れた印刷用塗工紙が得られる。d70/d30が1.5未満であると、塗工可能な塗工液のレオロジー特性を得るには、重質炭酸カルシウムスラリーの固形分濃度を低く設定する必要があり、引いては塗工液の固形分濃度の低下を招き、塗工適性が著しく低下する。またd70/d30が2.5を超えると、光散乱係数および塗工層の空隙率の低下、また原紙被覆性の改善効果もなくなる。d70/d30のより好ましい範囲は、1.8〜2.3である。該重質炭酸カルシウムの平均粒子径(d50)は特に限定されないが、インキ受理性、印刷光沢等の印刷品質、重質炭酸カルシウムの製造時のエネルギーコストなどを考慮すると、0.5〜1.0μmが望ましい。
なお、白色度は90%(ハンター白色度計)以上が好ましく、93%以上のものが白色度をより高める上で有利である。
塗工層に含有される顔料で炭酸カルシウム以外の白色顔料としては、通常の印刷用塗工紙を製造するのに使用されるカオリン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、シリカ、活性白土、タルク、チタンホワイト、サチンホワイト、レーキ等の無機顔料、およびプラスチックピグメント等の有機顔料があげられる。
塗工層の接着剤としては特に限定されるものではなく、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系ラテックス、エチレン酢酸ビニル重合体などのビニル系重合体ラテックス、これらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基などの官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス、酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白類など公知の種々の接着剤を使用することができる。また、これらの接着剤は単独で使用しても良いが、2種以上を混合しても良い。
塗工層にはスチルベン系蛍光染料が固形換算で全顔料100重量部に対し、0.5〜5重量部、好ましくは0.8〜3重量部含有される。0.5重量部未満の量では塗工層を所望の白色度まで引き上げることが難しく、一方、5重量部を超えると、いわゆる濃度消光の現象が現われ、白色度が低下するおそれが生じる。
スチルベン系蛍光染料としては、4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸の誘導体及びイソアジン誘導体が色調が白色であることから好ましく用いられる。また、スチルベン系蛍光染料は直接染料であるため、被染着物質として、澱粉、PVA、CMC、HEC等が用いられた場合には、これらの−OH基と染料分子の−SOH基との間の水素結合によって、媒染剤なしに染着できることから有利である。また、これら澱粉、PVA、CMC、HEC等の被染着物質は塗工層の接着剤として用いることができるため、敢えて他の接着剤を用いる必要がない点でも有利である。
勿論、澱粉、PVA、CMC、HEC等をスチルベン系蛍光染料で染着したものを、他の接着剤、顔料とともに配合して塗工層を形成することもできる。また、澱粉、PVA、CMC、HEC等以外の水溶性高分子を染着し、これを顔料、接着剤とともに混合し塗工層を形成することもできる。
接着剤の配合量は特に限定されるものではないが、一般に顔料に対し、固形分対比で2〜50重量%好ましくは5〜30重量%の範囲で調整される。
塗工液を形成する水性塗工液中には、必要に応じて、耐水化剤、架橋剤、消泡剤、着色剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合される。
塗工液濃度は40〜70重量%、好ましくは50〜68重量%の範囲内であることが好ましい。塗工液濃度が高い場合には、粘度が高くなりすぎ、塗工適性が悪化する。例えばフィルム転写方式では、ミストの発生や剥離パターン等の発生が多くなり、ブレード方式では、ストリーク、スクラッチ、ブリーディング等の塗工欠陥が発生しやすくなるなど操業性が劣る傾向にある。逆に低い場合には、塗工液が原紙にしみ込みすぎて、塗工後の表面性、面状が劣る傾向にある。
塗工液を原紙へ塗工し、乾燥させる方法としては、一般の塗工紙製造に用いる塗工装置と乾燥法が適宜使用され、塗工装置としては、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ツーロールサイズプレスコーター、ビルブレードコーター等の両面塗工装置を設けたオンマシンまたはオフマシンコーターによって、原紙上に一層あるいは多層に分けて塗工される。また、原紙上の湿潤塗被層を乾燥させる方法としては、従来から公知の熱風加熱、ガスヒーター加熱、高周波加熱、電気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、レーザー加熱、電子線加熱等の各種加熱乾燥方式が適宜採用される。
なお、塗工量は一般に乾燥重量で片面当たり5〜12g/m2 程度であるが、得られる印刷用艶消し塗工紙の白紙品質、印刷品質および塗被適性や高速塗工における乾燥能力等を考慮すると片面当たり6〜10g/m2 程度の範囲で調整することが望ましい。
かくして得られた塗工紙は要求される品質に応じ、オンあるいはオフのスーパーキャレンダー、マットキャレンダー、粗面化キャレンダーやソフトキャレンダー等で適宜加圧仕上げすることも可能である。
このようにして製造された塗工紙は、塗工層の固形分付着量が片面あたり5〜12g/mであり、ISO白色度が84%以上、JIS P8138で測定される不透明度が85%以上、JIS P8142で測定される75度光沢値が40%以下とされる。本発明の塗工紙はこのような数値を満たす軽量の艶消し塗工紙である。
次に実施例をあげて、本発明により具体的に説明する。ここでの部、%はともに重量基準である。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)20重量%、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)60重量%、平均繊維長0.75mmのサーモメカニカルパルプ(TMP)20重量%の比例構成になるパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに固形分対比でパルプに対して中性サイズ剤(アルキルケテンダイマー)0.5%、及び填料として灰分換算で平均粒子径1.8μmの軽質炭酸カルシウム15%を添加し、またサイズプレスで酸化澱粉を片面当り固形付着量が1.5g/mになるように塗布して、抄紙機を使用して抄造を行ない、ISO白色度79%で、米坪38g/mの原紙を得た。
一方、顔料としてd70/d30 2.0の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)60部、d70/d30 3.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)10部、クレー(平均粒子径0.3μm、白色度86%)30部、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス10部、リン酸エステル化澱粉3部を配合し、また助剤として蛍光染料(4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体)1部、ステアリン酸カルシウム0.5部を配合し、さらに水を加えて固形分濃度63%の塗工液を調製した。
この塗工液を上記の原紙に片面当たり乾燥重量で8g/mになるようにブレードコーターで両面塗工を行い、乾燥後、12段のスーパーカレンダーで平滑化処理して印刷用艶消し塗工紙を得た。この品質評価の結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、原紙のパルプとして、平均繊維長0.75mmのTMP10重量%、LBKP70重量%に、顔料としてd70/d30 2.0の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)70部、クレー(平均粒子径0.3μm、白色度86%)30部に塗工量を12g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例3)
実施例1において、原紙のパルプとして、平均繊維長0.75mmのTMP40重量%、LBKP40重量%に、顔料としてd70/d30 2.0の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)70部、d70/d30 3.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)30部に、塗工量を12g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例4)
実施例2において、原紙の炭酸カルシウムの配合量を10%に、顔料としてd70/d30 2.0の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)50部、クレー(平均粒子径0.3μm、白色度86%)50部に代えた以外は実施例2と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例5)
実施例1において、TMPの平均繊維長を0.5mmに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例6)
実施例1において、TMPの平均繊維長を0.85mmに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例7)
実施例1において、顔料としてd70/d30 1.5の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)60部、d70/d30 3.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)10部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例8)
実施例1において、顔料としてd70/d30 2.5の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)60部、d70/d30 3.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)10部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例9)
実施例1において、接着剤としてスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスおよびリン酸エステル化澱粉の配合量をそれぞれ5部および10部に、助剤として蛍光染料(4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体)の配合量を0.5部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例10)
実施例9において、蛍光染料(4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体)の配合量を5部に代えた以外は実施例9と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例11)
実施例1において、助剤としてPVAを0.5部加え、蛍光染料(4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体)の配合量を5部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例12)
実施例11において、PVAをCMCに代えた以外は実施例11と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例13)
実施例11において、PVAをCMCに代え、また塗工量を5g/mに代えた以外は実施例11と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例14)
実施例1において、蛍光染料をアシル誘導体からトリアジル誘導体に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(実施例15)
実施例1において、d70/d30 3.3の重質炭酸カルシウム10部を軽質炭酸カルシウム(平均粒子径0.4μm、白色度99%)10部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例1)
実施例1において、平均繊維長0.75mmのサーモメカニカルパルプ(TMP)の配合量を5重量%に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例2)
実施例1において、原紙の炭酸カルシウムの配合量を10%に、平均繊維長0.75mmのサーモメカニカルパルプ(TMP)の配合量を45重量%に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例3)
実施例1において、TMPの平均繊維長を0.90mmに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例4)
実施例1において、顔料としてd70/d30 2.0の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)40部、d70/d30 3.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)30部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例5)
実施例1において、顔料としてd70/d30 1.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)60部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例6)
実施例1において、顔料としてd70/d30 1.3の重質炭酸カルシウム(平均粒子径0.7μm、白色度95%)60部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例7)
実施例9において、蛍光染料(4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体)の配合量を0.4部に代えた以外は実施例9と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例8)
実施例1において、蛍光染料の配合量を5.5部に代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
(比較例9)
実施例1において、塗工量を3g/mに代えた以外は実施例1と同様にして印刷用艶消し塗工紙を得た。
Figure 2005154951
(注1)表面平滑性は、塗工紙の表面性、特にざらつき感を目視評価したもので、その評価基準は、◎の「ザラツキはほとんどない」、○の「ザラツキはわずかにある」、△の「ザラツキはあるが、実用上問題ない」、×の「ザラツキが多く、問題である」の4段階で評価した。
(注2)ISO白色度はJIS P8148に従い測定した。
(注3)不透明度はJIS P8138に従い測定した。
(注4)75度光沢度はJIS P8142に従い測定した。
表1の結果から明らかになるように、本発明の印刷用艶消し塗工紙は軽量で、表面性、印刷適性などの品質に優れものである。

Claims (5)

  1. 原紙に顔料及び接着剤を主成分とする塗工層を設けた両面塗工紙であって、該原紙は填料として炭酸カルシウムを10〜20重量%、かつ全パルプ繊維に対し機械パルプを10〜40重量%含有し、ISO白色度77%以上の中性抄紙であり、該塗工層は全顔料に対し炭酸カルシウムを50〜100重量部、全顔料100重量部に対しスチルベン系蛍光塗料を0.5〜5重量部を含有し、かつ該スチルベン系蛍光塗料の被染着物質として水溶性高分子を全顔料100重量部に対し0.5〜10重量部を含有し、塗工量が固形分換算で片面当たり5〜12g/m、ISO白色度が84%以上、JIS P8138の測定による不透明度が85%以上、JIS P8142の測定による75度光沢度値が40%以下であることを特徴とする印刷用艶消し塗工紙。
  2. 前記塗工層に含有される炭酸カルシウム50〜100重量部の内、50〜70重量部が、粒子径分布においてd70/d30の比が1.5〜2.5である重質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1記載の印刷用艶消し塗工紙。
  3. 前記機械パルプのカヤニ平均繊維長が0.50〜0.85mmであることを特徴とする請求項1または2記載の印刷用艶消し塗工紙。
  4. スチルベン系染料が、アゾ基を含まない4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸のアシル誘導体及びトリアジン誘導体から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用艶消し塗工紙。
  5. 前記蛍光染料の被染着物質である水溶性高分子が澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースから選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用艶消し塗工紙。
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