JP7121498B2 - 印刷用紙 - Google Patents
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(1) 原紙層の両面に顔料塗工層を設けた印刷用紙であって、前記顔料塗工層の塗工量が片面当たり0.5g/m2以上10g/m2以下、密度が0.8g/cm3以上、1.2g/cm3以下であり、紫色着色剤および/または青色着色剤を含有し、前記原紙層がパルプ100重量%に対し20重量%以上の機械パルプを含有する、印刷用紙。
(2)JIS P 8150の方法によって測定される紙の色相が、紫外線を含む測定においてb*値が-3.0以上5未満である(1)に記載の印刷用紙。
(3)前記原紙層が紫色着色剤および/または青色着色剤を含有する、(1)または(2)に記載の印刷用紙。
(4)前記紫色着色剤および/または青色着色剤の含有量が0.4~3.5mg/m2である、(1)~(3)のいずれかに記載の印刷用紙。
(5)前記印刷用紙のMD方向のISO曲げこわさが、25μNm2/m以上である、(1)~(4)のいずれかに記載の印刷用紙。
(6)前記顔料塗工層が、白色顔料100重量部に対して、平均粒子径が0.8μm以下の微粒炭酸カルシウムを15重量部以上含有する、(1)~(5)のいずれかに記載の印刷用紙。
(7)前記原紙層がパルプ100重量%に対し脱墨パルプを50重量%未満(0重量%を含む)含有する(1)~(6)のいずれかに記載の印刷用紙。
(8)原紙の両面に顔料塗工層を設けた密度が0.8g/cm3以上1.2g/cm3以下である印刷用紙の製造方法であって、パルプスラリーに着色剤を添加し、嵩高剤を添加せずに原紙を抄紙する工程、前記原紙の両面に片面当たり0.5g/m2以上10g/m2以下の顔料塗工層を塗工する工程、さらに顔料塗工層表面にカレンダー処理を行う工程を有する、上記方法。
本発明においては、印刷用紙に、紫色着色剤または青色着色剤から選ばれる1種以上を含有させる。本発明において着色剤または色材とは、白色以外の有色の顔料または染料をいう。顔料とは、水や油や有機溶剤などに不溶または難溶性または分散状態で存在する白色あるいは有色の粉体であり、無機と有機のものがある。本発明においては、無機、有機いずれのものでも良い。染料とは、可視光線を選択吸収または反射して固有の色を持つ有機色素のうち、適当な染色法により繊維や顔料等に染着するものをいい、溶媒(水や有機溶剤など)に可溶である。本発明においては、顔料を使用してもよいが、繊維への定着が良好であるという観点から紫色染料または青色染料を使用することが好ましい。
本発明における紫・青色着色剤の含有量は特に限定されないが、これらの着色剤の合計が、印刷用紙1m2あたり、0.4~3.5mgであることが好ましく、0.9mg~3.0mgであることがより好ましい。一般に、前記量が0.4mgより少ないと、顔料による光の吸収が少ないため、黄色味を打ち消して青色側に色相を変化させる効果や、不透明度に寄与する隠蔽性が不足するので好ましくない。また、一般に、前記量が3.5mgより多いと、着色剤による光の吸収量が多く、不透明度向上に大きく寄与するものの、色相が青色側に偏りすぎるため、青白く冷たい印象の白色となったり、白色とは感じられなくなる恐れがあるため、好ましくない。着色剤の含有量は、上記範囲内で、原料あるいは原紙などの白色度により適宜調節できる。本発明において数値範囲はその端点を含む。
本発明の紫・青色着色剤は、印刷用紙の原紙層、クリア塗工層、顔料塗工層から選択される少なくとも1層に含有されていればよいが、本発明の機械パルプの黄色味を打ち消す効果を得るためには、原紙層に含有させることが好ましい。
本発明の印刷用紙は公知の方法により製造することができる。例えば、本発明の印刷用紙は、以下に記載する抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して基紙を製造することができ、次いでコーターパートにて後述する塗工液を基紙上に塗工した後、アフタードライヤーパート、カレンダーパート、リールパート、ワインダーパートなどに供して製造することができる。また、印刷用非塗工紙の場合、抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して原紙を製造し、その原紙上に水溶性高分子(バインダー)をクリア塗工して製造することができる。
本発明の印刷用紙は少なくとも原紙層を有する。本発明に用いる原紙は、単層抄きであっても多層抄きであってもよい。本発明の原紙が多層構造を有している場合、原紙を構成する複数の層のいずれか1層以上に紫色着色剤および/または青色着色剤を含有させればよいが、本発明の効果を得るためには、顔料塗工層を設けた側の最外層に紫色着色剤および/または青色着色剤を含有させることが好ましい。紫色着色剤および/または青色着色剤を原紙層に存在させるためには、紫色着色剤および/または青色着色剤を含有する抄紙原料から原紙を抄紙すればよい。本発明の原紙の製法は特に制限されず、公知の原料を用いて公知の方法によることができる。
本発明の原紙の原料となるパルプは特に限定されない。例えば、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)等の機械パルプや、上質古紙パルプ、脱墨古紙パルプ、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプなどの古紙パルプ、あるいはセミケミカルパルプ(SCP)、化学パルプなどが挙げられる。脱墨パルプ(DIP)には、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプを使用できる。化学パルプとしては、クラフトパルプ法により製造したものと、亜硫酸パルプ法により製造されたものがあり、本発明においてはその両方を使用することができるが、クラフト法により製造した化学パルプ(以下、本明細書において、単にクラフトパルプ、ということがある)が生産コストの面から好適であり、より好ましくは少なくとも広葉樹クラフトパルプを含有することが好ましい。。一般に化学パルプは、その製造過程において木材由来成分のリグニンを除去していることから、パルプの白色度が高いが、その反面、製造した紙の不透明度が低くなる傾向があり、特に化学パルプを使用した低坪量の印刷用紙では不透明度を向上させることが大きな課題であったところ、本発明によれば、不透明度を向上させることができる。
本発明においては、原紙の填料として公知の填料を任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱酸による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素-ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用または併用できる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが不透明度向上のためにも好ましく使用され、粒子径分布や粒形が均一な軽質炭酸カルシウムがより好ましい。紙中填料率は特に制限されないが、1~40固形分重量%が好ましく、10~35固形分重量%がさらに好ましい。
本発明における原紙の抄紙方法は特に限定されず、トップワイヤー等を含む長網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマ、丸網抄紙機、長網抄紙機と丸網抄紙機を併用した板紙抄紙機、ヤンキードライヤーマシン等を用いて行うことができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、中性またはアルカリ性が好ましい。抄紙速度は、特に限定されない。
本発明の原紙の坪量は特に限定されず、20~350g/m2、更に好ましくは20~300g/m2である。前述のとおり、本発明の印刷用紙は、原紙が単層の場合は原紙層に機械パルプ及び紫・青色の着色剤を含有させた場合、多層の場合は原紙層のうち顔料塗工層を設けた側の最表層に機械パルプ及び紫・青色の着色剤を含有させた場合に、本発明の効果は顕著となる。また顔料塗工層を設ける前オンラインソフトキャレンダ、オンラインチルドカレンダなどにより、予め平滑化しておいてもよく、クリア塗工層と顔料塗工層をいずれも設ける場合は、クリア塗工層の前に平滑化してもよく、クリア塗工層の後に平滑化してもよいが、高い平滑化効果を得るために、クリア塗工層を設けた後に平滑化することが好ましい。
本発明の印刷用紙の原紙の紙中灰分は、5重量%以上であることが好ましく、より好
ましくは10重量%以上である。
本発明の印刷用紙は、上述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工性を向上させることができる。本発明においては、クリア塗工層に紫色着色剤および/または青色着色剤を含有させることができ、その場合、クリア塗工の塗工液中に紫色着色剤および/または青色着色剤を配合し、それを原紙上に塗工すればよい。クリア塗工の量は、片面あたり固形分で0.1g/m2以上2.0g/m2以下が好ましく、0.2g/m2以上1.5g/m2以下がより好ましい。
本発明の印刷用紙は、顔料塗工により顔料塗工層を設ける。本発明の印刷用紙における顔料塗工層は、単層であっても多層であってもよいが、片面当たり0.5~10g/m2の微塗工の顔料塗工層を設けるという観点から単層が好ましい。本発明の顔料塗工層が多層構造を有している場合、顔料塗工層を構成する複数の層のいずれか1層以上に紫色着色剤および/または青色着色剤を含有させてもよいし、原紙層に前記着色剤を含有させた場合は含有させなくてもよい。紫色着色剤および/または青色着色剤を顔料塗工層に存在させるためには、紫色着色剤および/または青色着色剤を含有する塗料を用いて顔料塗工を行えばよい。本発明において塗工方法は特に制限されず、公知の原料を用いて公知の方法によることができる。
本発明においては、オンラインソフトキャレンダ、オンラインチルドカレンダなどにより塗工前の原紙にプレカレンダー処理を行い、原紙を予め平滑化しておくことが、塗工後の塗工層を均一化する上で好ましい。この場合、処理線圧は、好ましくは20~100kN/m、より好ましくは50~100kN/mである。また、プレカレンダー処理する際の原紙の水分率も重要であり、水分率は3~5%が好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、以上のように得られた原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工・乾燥して塗工層を設けることができる。塗工は、原紙の表面片面でも両面でも良いが、カールしない、表裏の物性が異ならないということから、両面塗工が好ましい。
本発明の塗工層に用いる白色顔料としては、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができる。例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、これらの顔料を紫・青色顔料と区別するために「白色顔料」ということがある。本発明の印刷用紙は原紙に機械パルプを含むため、白色度が低くなる傾向がある。そのため、より高い白色度を与えることができる炭酸カルシウムを用いることが好ましく、より好ましくは重質炭酸カルシウムである。塗工液に重質炭酸カルシウムを配合する場合、その含有量は、白色顔料100重量部あたり50重量部以上が好ましく、75重量部以上がより好ましく、80重量以上がさらに好ましい。また、原紙上に均一な塗工層を形成させる、機械パルプによる原紙平滑度を顔料塗工層で補うという点から、少なくとも微粒炭酸カルシウムを含有することが好ましく、含有量は顔料塗工層の白色顔料100重量部に対し、15重量部以上含有することが好ましい。より好ましくは20重量部以上である。微粒炭酸カルシウムの平均粒子径は、Malvern社製Mastersizer等のレーザー回折式粒度分布測定機で測定した値で0.8μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.7μm以下である。
本発明で使用する接着剤(バインダー)について、特に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用することができる。例えば、好ましい接着剤として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体ラテックス、およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用することができるが、本発明においては印刷用紙の表面強度や、塗工液の粘度、保水性などの塗工適性の観点から、ラテックスと澱粉を併用することが好ましい。
本発明において、塗工液の調製方法は特に限定されず、コータの種類によって適宜調整できる。ブレード方式のコータを用いる場合は、塗工液の固形分濃度は40~70重量%が好ましく、より好ましくは60~70重量%である。塗工液粘度は60rpmで測定したB型粘度が500~2800mPa・sの範囲であることが好ましい。
本発明においては、通常用いられるコータであればいずれを用いても良い。オンマシンコータでもオフマシンコータでも良く、オンマシンコータであれば、サイズプレスコータ、ゲートロースコータなどのロールコータ、ビルブレイドコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータなどのコータを使用できるが、本発明においてはオンマシンブレードコータが好ましい。塗工速度は、特に限定されないが、現在の技術ではブレードコーターでは500~1800m/分、サイズプレスコータでは500~3000m/分が好ましい。
本発明における塗工液の塗工量は、片面あたり固形分で0.5g/m2以上10g/m2が好ましく、1g/m2以上8g/m2以下がより好ましい。原紙被覆性の観点から、下限はより好ましくは4.0g/m2がさらに好ましい。本発明においては、原紙に機械パルプを多く含有し、さらに塗工量が少ない微塗工の領域であっても、自然な白さを持った印刷用紙を得ることができる。
本発明において、湿潤塗工層を乾燥させる方法に制限はなく、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いることができる。
本発明においては、以上のように製造した紙を必要に応じて表面処理する。好ましい態様において、本発明の印刷用紙は、スーパーカレンダーや高温ソフトニップカレンダー等のカレンダーで表面処理を行うことができる。表面処理により、印刷用紙の平滑度や光沢性を向上させることができる。ただし、本発明の印刷用紙は、十分なこわさを持つために、密度を0.8g/cm3以上1.20g/cm3以下とする必要がある。そのため、本発明においては、高温ソフトニップカレンダー処理が好ましい。
また、金属ロールの表面温度が40℃~250℃の高温ソフトニップカレンダー処理であれば、線圧は60~400kN/cm、好ましくは、70~200kN/cm、より好ましくは100~150kN/mである。温度を上げると、塗工紙の表面の光沢、平滑度が向上し、紙厚や密度の低下を抑制することができる。
[坪量]
本発明の印刷用紙の坪量は、特に限定されないが、製造または輸送等のコスト削減という観点から、21g/m2以上370g/m2以下が好ましく、より好ましくは26g/m2以上320g/m2以下である。本発明によれば、低坪量であっても不透明度を高くすることができる。したがって、本発明においては、坪量が低い領域で効果を発揮しやすい。より効果が現れやすいのは、坪量が100g/m2以下であり、更に効果が表れやすいのは70g/m2以下の場合である。また、本発明の印刷用紙の調湿後の紙中水分は10%以下程度である。
本発明の印刷用紙の紙中灰分は、15重量%以上であることが好ましく、より好ましくは30重量%以上である。印刷用紙の灰分が15重量%より少ないと不透明度が十分に向上しないことがある。
本発明の印刷用紙は、蛍光増白強度が5.5以下であっても十分な白色度を得ることができるが、白色度を向上させる観点から蛍光増白強度は1.0以上であることが好ましい。
本発明の印刷用紙の不透明度は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
以下に記載する品質評価方法で、本発明の印刷用紙の品質を評価した。
(1)坪量:JIS P 8124に従って測定した。
(2)紙厚/密度:JIS P 8118に従って測定した。
(3)色相測定方法(a*、b*):JIS P8150に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS-35SPXにて、原紙または印刷用紙のフェルト面を紫外光を含む光源にて測定した。
(4)ISO白色度測定方法:JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS-35SPXにて、紫外光を含む光源にて測定した。
(5)不透明度測定方法:JIS P8149に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS-35SPXにて測定した。
(6)王研式平滑度:JIS P 8155に準じて測定した。
(7)灰分測定方法:JIS P8251に従って測定した。
(8)ISO曲げこわさ:ISO2493に従って測定した。
(5)見た目の白さ:印刷用紙表面の白さを室内蛍光灯照明下で目視にて評価した。色の白さについては白色度が必ずしも人の目で見たときの白さと相関しているわけではないためである。目視の評価は3段階とした。
○:自然な白さである
△:やや青み又は黄色味があるが概ね自然な白さである
×:青みが強く見える、あるいは黄ばんで見える。
(6)こわさ:印刷用紙を手でさばいた時のこわさを官能した。紙を手でさばいた際のこわさについては、必ずしもISO曲げこわさと一致するわけではないためである。官能評価は3段階とした。
〇:こわさが十分でありさばきやすい
△:ややこわさが不足しているがさばきやすい
×:こわさが不足しておりさばきにくい
塗工液に配合した各材料は以下の通りである。
1.顔料
・重質炭酸カルシウム(カービタル97、イメリス社製、D50=0.86μm)
・微粒重質炭酸カルシウム(カービラックス、イメリス社製、D50=0.63μm)
2.色材
・青色染料(ブルーRHリキッド アイゼンベーシックペーパー社製)
3.接着剤
・スチレン-ブタジエン系合成高分子ラテックス
・酸化澱粉
[紙料の調成]
パルプ100重量部に対し、広葉樹クラフトパルプ(LBKP、濾水度460ml)10重量%、針葉樹クラフトパルプ(NBKP、濾水度600ml)40重量%、晒サーモメカニカルパルプ(TMP、濾水度119ml)40重量%、脱墨古紙パルプ(DIP)10重量%を混合してパルプスラリーを調整した。このパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウムを紙中に16.5%、青色染料をパルプ固形分1tに対し4.2gとなるように添加して紙料を調成した。
顔料として、重質炭酸カルシウム 70重量部、微粒重質炭酸カルシウム 30部配合し、これらの白色顔料の合計に対して接着剤としてスチレン-ブタジエン系高分子ラテックスを2重量部、酸化澱粉を9重量部配合し固形分濃度が64重量%の塗工液を得た。なお、接着剤の配合量は、白色顔料100重量部に対する値である。
上記の紙料を用いて、抄紙速度が1100m/分にて、ツインワイヤーを有する抄紙機で抄紙して、続いて、上記の塗工液を原紙にブレードコーターで塗工量片面あたり表1に示す値になるように、塗工速度1100/分で両面に塗工して乾燥した。
抄紙、塗工を連続してオンラインで行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1100m/分であった。さらに高温ソフトニップカレンダーで2ニップ、最高処理温度200℃、処理線圧230kN/mの条件で表面処理して紙中水分4.5重量%の印刷用紙を得た。
紙料に添加する青色染料の量をパルプ固形分1tに対し20gとした以外は、実施例1と同様に印刷用紙を得た。
高温ソフトニップカレンダー処理を最高処理温度150℃、処理線圧150kN/mで2ニップに次いで、最高処理温度200℃、処理線圧150kN/mで2ニップの計4ニップの表面処理を行った以外は、実施例1と同様に印刷用紙を得た。
資料に青色染料を添加しない以外は、実施例1と同様に印刷用紙を得た。
紙料中の広葉樹クラフトパルプ(LBKP、濾水度460ml)2重量%、針葉樹クラフトパルプ(NBKP、濾水度600ml)28重量%、晒サーモメカニカルパルプ(TMP、濾水度119ml)3重量%、脱墨古紙パルプ(DIP)67重量%とした以外は、実施例1と同様に印刷用紙を得た。
Claims (6)
- 原紙層の両面に顔料塗工層を設けた、密度が0.8g/cm 3 以上1.2g/cm 3 以下である印刷用紙であって、
前記顔料塗工層の塗工量が片面当たり0.5g/m2以上10g/m2以下であり、前記顔料塗工層に含まれる白色顔料100重量部のうち80重量部以上が重質炭酸カルシウムであり、
前記原紙層が紫色着色剤および/または青色着色剤を含有し、前記原紙層に含まれるパルプ100重量%のうち30~50重量%がサーモメカニカルパルプであり、前記原紙層が10~40重量%の填料を含有しており、
JIS P 8150に基づいて紫外線を含む条件で測定した印刷用紙のb*値が-3.0以上5未満である、印刷用紙。 - 前記紫色着色剤および/または青色着色剤の含有量が0.4~3.5mg/m2である、請求項1に記載の印刷用紙。
- 前記印刷用紙の密度が0.96g/cm 3 以下であり、前記印刷用紙のMD方向のISO曲げこわさが25μNm2/m以上である、請求項1または2に記載の印刷用紙。
- 前記顔料塗工層が、白色顔料100重量部に対して、平均粒子径が0.8μm以下の微粒炭酸カルシウムを15重量部以上含有する、請求項1~3のいずれかに記載の印刷用紙。
- 前記原紙層が、脱墨パルプを含有しないか、または、パルプ100重量%に対し50重量%未満の脱墨パルプを含有する、請求項1~4のいずれかに記載の印刷用紙。
- 前記b*値が-0.5以上である、請求項1~5のいずれかに記載の印刷用紙。
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