JP2009243001A - グラビア印刷用塗工紙 - Google Patents

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晴男 金野
Shoichi Endo
昭一 遠藤
Yasutaro Ito
康太郎 伊藤
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Abstract

【課題】 低密度で白色度が高く、かつ優れた印刷適性を備え、操業性に優れたグラビア印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】 本発明のグラビア印刷用塗工紙は、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けたグラビア印刷用塗工紙において、パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)が110〜200mLである広葉樹サーモメカニカルパルプを含有し、前記塗工層を設けた塗工紙を、100℃以上の金属ロールの高温カレンダーに通紙したことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、グラビア印刷用塗工紙に関し、低密度、高白色、高平滑且つ優れた印刷適性を兼ね備え、操業性に優れたグラビア印刷用塗工紙に関するものである。
印刷用塗工紙の中でもグラビア印刷は鮮やかな色調と深みのある画像を提供できることから、雑誌、カタログ、パンフレットなどの商業印刷分野等で用いられており、ますます需要が伸びている。その一方で、紙製品に求められる重要な品質の一つとして嵩が挙げられる。近年の環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用するうえで、紙の厚さを維持しつつ計量化を図る、すなわち、低密度化を施した紙製品がユーザーから求められている。
グラビア印刷は版材に硬い金属を用い、深さ2〜25μmの非常に小さなセル内のインキを高印圧下で紙に転移させ、そのインキ転移量によって階調を再現させる方式であり、塗工紙の平滑性や版に密着するためのクッション性が低い場合には、凸版や平版の印刷方式には見られないインキの非転移現象である印刷ドットの白抜け、いわゆるスペックルが発生する。
塗工紙の軽量化に関しては、従来以上の印刷品質を維持しつつ塗工原紙と塗工層の軽量化を図る必要がある。
塗工原紙の低密度化(嵩高化)の方法としては製紙用パルプに関して検討が行われている。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で、低密度化には効果的である。例えば、カナダ標準フリーネス(CSF)が85mL以下の機械パルプを10〜80重量%含む塗工原紙に、0.77〜0.95ml/gの範囲の沈降容積を有するカオリンを全顔料の10〜90重量%含有する顔料とバインダーからなる塗工液を片面あたり3〜15g/m塗工することで、グラビア印刷適性に優れ、低密度なグラビア印刷用塗工紙が得られることが知られている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、CSFが低いため原紙が低密度になりにくく、使用されている機械パルプは針葉樹から製造されているため白色度が低くなる。また、嵩高カオリンを多く配合する必要があり、ブレードの磨耗など操業性に問題がある。
塗工原紙の低密度化のその他の手法としては、パルプ原料に界面活性剤を添加してパルプ表面の疎水化を行い、密度の低いシートを製造する技術が既に公知となっているが、高価な薬品を使用する必要があり製造コストが増加、あるいは操業性等に劣るという問題があった。
そこで、塗工原紙に塗工層を設けて原紙被覆性を良好にする手法として、顔料として体積分布平均粒径3.5〜20μmであるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部あたり30〜90重量部含有することにより、低密度原紙に塗工した場合においても原紙被覆性が良好になることが知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、近年の更なる低坪量化、嵩高化に対しては、低塗工量で十分な原紙被覆性を維持することは困難である。また、顔料として堆積分布平均粒径3.5〜20μmであるデラミネーテッドクレーを顔料100重量部あたり30〜90重量部含有させた場合、塗料粘度は相対的に高くなり、塗工速度800m/min以上の高速塗工に適さない場合があること、カレンダ処理後においても白紙光沢度を高くすることは困難であった。また、原紙内に広葉樹機械パルプを10部以上配合し、塗工層を設ける前に、紙表面に中性サイズ剤を塗布することで、低密度、高白色且つグラビア印刷適性が良好になることが知られている(特許文献3参照)。しかし、この方法で用いる広葉樹機械パルプは、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプあるいはアルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプを使用するのが好ましいとされており、製造装置が複雑になり、また、中性サイズ剤を塗布する必要があるため、操業が煩雑になってしまう。
グラビア印刷適性を向上させる手法として、平滑性を付与する手法が考えられるが、一般的な方法である高線圧でスーパーカレンダー処理した場合、塗工層表面は平滑になるが、塗工紙密度が高くなる。
印刷方式の多様化に伴い、印刷用塗工紙に対する要求も高くなり、それに伴い様々な技術が開発されている。カレンダー仕上げ方法においても、従来のスーパーカレンダーに代わり、高温カレンダーによる方法が多数提案されており、仕上げ速度の高速化とともに、印面光沢度、不透明度および剛度等が相対的に向上されることが報告されているが、この手法のみを変更してグラビア印刷用塗工紙を得た場合においても、低密度のものを得ることは困難である。また、製紙用パルプとして機械パルプを10重量%以上含有し、填料として無定型シリケートをパルプ重量に対して3〜12重量%含有した原紙上に、顔料粒子が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布を有する顔料の塗工層を設けた塗工紙を剛性ロールの温度が150℃以上のソフトニップカレンダーで処理することにより低坪量でも低密度で紙厚があり、不透明度と剛度を実用に足る状態に保つことができ、白紙光沢度は低いままで、相対的に印刷光沢度が高い画像を得ることが示されている(特許文献4参照)。しかしながら、特に低塗工量領域における塗工顔料による原紙被覆性は十分ではなく、不透明度、印刷適性ともに十分ではなかった。また、低塗工量領域で塗料の流動性が悪くなり、塗工適性に劣る問題があった。
以上のように、従来の技術においては、低密度で、白色度が高く、操業性に優れ、所望の特性を持ったグラビア印刷用塗工紙を得ることは困難であった。
特開平04−352900号公報 特開2002−105889号公報 特開2003−293293号公報 特開2000−345493号公報
以上のような状況に鑑み、本発明の課題は、低密度で白色度が高く、かつ優れた印刷適性を備え、操業性に優れたグラビア印刷用塗工紙を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を行った結果、パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)が110〜200mLである広葉樹サーモメカニカルパルプを含有し、顔料と接着剤からなる塗工液の塗工層を設けた塗工紙を100℃以上の金属ロールからなる高温カレンダーに通紙することで、上記課題を解決できることを見出すに至った。パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)は、二次リファイニング処理後のものが適している。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のグラビア印刷用塗工紙は、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けたグラビア印刷用塗工紙において、パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)が110〜200mLである広葉樹サーモメカニカルパルプを含有し、前記塗工層を設けた塗工紙を、100℃以上の金属ロールの高温カレンダーに通紙したことを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明のグラビア印刷用塗工紙は、前記パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)が、二次リファイニング処理後の値であることを特徴とする。
請求項3に係る発明のグラビア印刷用塗工紙は、前記広葉樹サーモメカニカルパルプはルンケル比が4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重が450kg/m以上であることを特徴とする。
請求項4に係る発明のグラビア印刷用塗工紙は、前記広葉樹サーモメカニカルパルプの配合量が全パルプ中の5〜95重量%であることを特徴とする。
請求項5に係る発明のグラビア印刷用塗工紙は、前記カレンダー処理において、カレンダーニップ数が4ニップ以上であることを特徴とする。
本発明により、低密度で、高白色、高平滑且つ優れた印刷適性を兼ね備えたグラビア印刷用塗工紙を得ることができる。
本発明で用いられる広葉樹サーモメカニカルパルプは亜硫酸ナトリウムによるチップの予備処理工程、一次リファイニングによる解繊工程、二次リファイニングによる叩解工程を含む製造工程を経てパルプ化されるものが適している。
亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸処理は、チップを圧縮し、圧縮した状態、あるいは圧縮した後に亜硫酸ナトリウム水溶液に浸漬させ、圧を解放しチップを膨張させながら亜硫酸ナトリウムを含浸させることで達成できる。この亜硫酸ナトリウム水溶液含浸段階では、薬液をチップ中に十分含浸させることが重要である。圧縮比は4:1〜16:1にすることが重要であり、圧縮比が4:1より低い場合にはチップの復元力が弱く、チップ中への亜硫酸ナトリウム水溶液の浸透が不充分となるので好ましくない。16:1を超える圧縮比は装置的に非現実的である。なお、圧縮比とは圧縮前容積:圧縮後容積と定義する。亜硫酸ナトリウム水溶液の含浸を完全にするため、プレックススクリューまたはインプレッサーの後にサージビンを設けることもできる。
亜硫酸ナトリウムの添加率は、絶乾チップに対して0.5〜2.0重量% である。亜硫酸ナトリウム水溶液のpHによって、一次リファイニング後の平均繊維長が若干異なる。含浸させる亜硫酸ナトリウム水溶液の初期pHは4.5〜9.5であり、好ましくは7.0〜9.5である。このpH調整には硫酸または水酸化ナトリウムが使用される。この範囲ではpHが高いほど長繊維含量が多くなり、平均繊維長が大きくなる。pH=9.5を超えるとレベルオフするので、薬品効率が悪くなる。pH=4.5未満では機器の金属腐食の恐れがあるので好ましくない。
亜硫酸ナトリウム水溶液を含浸させたチップは、解繊を良好とする目的で一次リファイニングに先立って予熱処理することが好ましい。この場合の温度は100〜135℃が好ましい。プレヒーティングされたチップは1次加圧リファイナーで解繊される。用いる装置は加圧リファイニング装置であり、リファイナープレート(リファイナセグメント)を除き、他の条件は公知の方法でパルプ繊維に解繊される。リファイニング装置は、シングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等を用いることができるが、解繊時の濃度が高いほどパルプ繊維のフィブリル化が進行し高品質のパルプを得られることから、好適にはシングルディスクリファイナーが用いられる。リファイニング工程中のチップの濃度は約20〜60固形分重量%で実施するのが好ましく、処理温度は100〜180℃が好ましい。更に好ましくは120〜135℃である。
次いで、解繊パルプは常圧下で二次リファイナーに送られ、目標濾水度まで叩解される。装置としては、公知のリファイニング装置を用い、公知の条件で精砕し、所望のパルプ濾水度まで低下させる。この工程は常圧下で行い、リファイニング装置は一般の常圧型装置を用いるのが好ましく、濃度は約4〜60%で実施することができる。二次リファイナーは1段でも良いし、複数段であっても良い。
パルプの濾水度はCSFで110〜200mLである必要があり、好ましくは110〜150mLである。200mL以上だと原紙の表面が粗くなり、所望される表面平滑性が得られず、110mL以下だと原紙の表面平滑性にとっては好ましいが、原紙密度が高くなり、原紙の柔軟性も乏しくなる。
二次リファイニング後、必要に応じて漂白処理を施しても良い。漂白剤としては、BCTMPの製造に使用されている公知の漂白剤を使用でき、特に限定はない。好ましくは、過酸化水素などの過酸化物を使用する。この場合、金属イオンによる過酸化物の分解を防止する目的で、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)などのキレート剤を併用することもできる。これらの処理は公知の条件で実施することができる。パルプの濾水度は二次リファイニング後の値が、本発明の効果がより発揮される。
本発明のグラビア印刷用塗工紙に使用される機械パルプの製造は、広葉樹材を使用するが、中でもルンケル比が4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重450kg/m3 以上の広葉樹材を用いることが好ましい。このような特性を有する広葉樹材としては、ユーカリグロビュラス、ユーカリユーログランディス、ユーカリナイテンス、ユーカリレグナンス、ユーカリファスティガタ等を例示することができる。入手性と品質を勘案すると中でもユーカリユーログランディス、ユーカリグロビュラスが特に好ましい。本発明の広葉樹サーモメカニカルパルプは、全パルプ中の5〜95重量%使用することが好ましい。
なお、前記ルンケル比は、R. O. H. Runkelが1940年にWachbl. Papierfabr.誌上で発表したパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。ルンケル比はKajaani Fiber Lab.(Metso Automation社)により測定された繊維幅、繊維壁厚より算出されたものである。
本発明の塗工グラビア印刷用紙は上記の広葉樹サーモメカニカルパルプ(LTMP)以外に、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、針葉樹サーモメカニカルパルプ(NTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を単独または任意の割合で混合して使用する。抄造は長網抄紙機、ギャップフォーマ、ハイブリッドフォーマ(オントップフォーマ)など公知の抄紙機にて行うことができ、その抄造条件は特に規定されるものではなく、抄紙時のpHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
本発明の塗工原紙は填料を含有しても良い。填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用する事ができる。その紙中填料率は、3〜20重量%が好ましい。また、本発明の塗工原紙は硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加しても何ら問題はない。
本発明においては、以上の様に得られた塗工原紙の上に顔料と接着剤を含有する塗工層を設ける。
本発明に用いられる顔料は、特に制限は無く、塗工紙用に従来から用いられている、タルク、カオリン、クレー、デラミネーティッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔料は必要に応じて単独または二種以上混合して使用することができる。
本発明に用いられる接着剤は、特に制限は無く、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン-ブタジエン系、スチレン-アクリル系、エチレン酢酸ビニル系、ブタジエン-メチルメタクリレート系、酢酸ビニル-ブチルアクリレート系等の各種共重合体及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸-メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
調製された塗工液は、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターを用いて塗工原紙に塗工する方式、或いはオプティスプレーのような塗料をスプレーノズルにより塗工原紙に直接吹き付ける方式の塗工機等によって一層もしくは二層以上を原紙上に片面或いは両面に塗工する。本発明の塗工層の塗工量は、片面当たり5〜30g/mが好ましく、より好ましくは7〜20g/mである。塗工紙全体の坪量は、30〜200g/mが好ましく、より好ましくは30〜160g/mである。
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。このようにして得られた塗工紙は、弾性ロールと100℃以上に加熱された金属ロールからなる高温カレンダーに通紙して仕上げることが重要である。金属ロールの表面温度は、好ましくは150℃以上、300℃程度である。塗工紙の含有水分が適当であれば、100℃以上に加熱された金属ロールを用いることにより、低いニップ圧あるいは短いニップ滞留時間で塗工層を平滑化することができ、塗工紙の密度は低くなり、不透明度が高く、剛度がある低密度で嵩高な塗工紙となり、その上従来のスーパーカレンダーよりも処理速度が速く、巻取りの枠替えなどが省略できるため、効率よく生産でき操業性に優れる。また、高温ソフトニップカレンダーを用いる場合の好ましい条件としては、例えば、弾性ロールのショアーD硬度80〜100、好ましくは85〜97であって、通紙速度400〜3000m/分、線圧30〜500kg/cm、カレンダー前塗工水分5〜8%で、カレンダーニップ数2ニップ以上で処理を行うことが好ましい。本発明においては、顔料として特定の硫酸カルシウムを含む塗工層を有する塗工紙は、嵩高で有効塗工層が稼げるため、ソフトカレンダー処理することにより、より低密度で、印刷適性等に優れるものである。塗工紙の密度は、1.40g/cm〜0.60cmに、より好ましくは1.10g/cm〜0.60cmおいて、より顕著な効果を発揮するものである。また、本発明においては、特に坪量が40g/m以上120g/m以下のグラビア印刷用塗工紙において優れるものである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、勿論これらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。塗工液および得られたグラビア印刷用塗工紙について以下に示すような評価法に基づいて試験を行った。
<評価方法>
(1)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(2)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(3)白色度:JIS P 8148に基づいて測定した。
(4)PPSラフネス:ISO8791に準じてハードパッキング、1000kPaで測定した。
(5)網点欠落率:大蔵省式グラビア単色印刷機を用いて、印刷速度50m/分、印圧 20kgf/cmで印刷し、目視により評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
[実施例1]
ルンケル比4.7、容積重580kg/mのユーカリグロビュラスチップを用い、濾水度をCSFで135mLに調製された広葉樹サーモメカニカルパルプ20部、広葉樹クラフトパルプ20部、針葉樹クラフトパルプ35部、古紙パルプ25部を含有する坪量37g/m、密度0.70g/cmの原紙に、2級クレー(HUBER社製ハイドラプリント)27部、デラミネーティッドクレー(IMERYS社製アストラプレート)9部、焼成クレー(IMERYS社製αテックス)9部、重質炭酸カルシウム(FMT社製FMT97)45部、中空有機顔料(日本ゼオン社製MH8101)からなる顔料スラリーにアルカリ増粘型のスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス6.5部、合成保水剤0.8部を添加し、水を加えて固形分濃度65%とした塗工液を片面あたり8.5g/mになるように、塗工速度1200m/分のブレードコーターで両面塗工を行い、塗工紙を得た。
次いで、金属ロール表面温度150℃、弾性ロールショアD硬度90、通紙速度430m/分、線圧150kg/cm、カレンダーニップ数4ニップの条件でソフトニップカレンダー処理を行い、グラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、原紙のパルプ配合が広葉樹サーモメカニカルパルプ55部、広葉樹クラフトパルプ10部、針葉樹クラフトパルプ25部、古紙パルプ10部に変更した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例2において、広葉樹サーモメカニカルパルプの濾水度をCSFで110mLに調製された以外は実施例2と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例2において、広葉樹サーモメカニカルパルプの濾水度をCSFで170mLに調製された以外は実施例2と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、原紙のパルプ配合がグラウンドウッドパルプ20部、広葉樹クラフトパルプ20部、針葉樹クラフトパルプ35部、古紙パルプ25部に変更した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、原紙のパルプ配合が針葉樹サーモメカニカルパルプ20部、広葉樹クラフトパルプ20部、針葉樹クラフトパルプ35部、古紙パルプ25部に変更した以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、広葉樹サーモメカニカルパルプの濾水度をCSFで70mLに調製された以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、広葉樹サーモメカニカルパルプの濾水度をCSFで300mLに調製された以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、広葉樹サーモメカニカルパルプの濾水度をCSFで240mLに調製された以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
[比較例6]
実施例1において、カレンダーの金属ロール表面温度を70℃にした以外は実施例1と同様の方法でグラビア印刷用塗工紙を得た。
以上の結果を表1に示した。
Figure 2009243001

Claims (5)

  1. 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けたグラビア印刷用塗工紙において、
    パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)が110〜200mLである広葉樹サーモメカニカルパルプを含有し、前記塗工層を設けた塗工紙を、100℃以上の金属ロールの高温カレンダーに通紙したことを特徴とするグラビア印刷用塗工紙。
  2. 前記パルプのカナダ標準フリーネス(CSF)が、二次リファイニング処理後の値であることを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷用塗工紙。
  3. 前記広葉樹サーモメカニカルパルプはルンケル比が4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重が450kg/m以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷用塗工紙。
  4. 前記広葉樹サーモメカニカルパルプの配合量が全パルプ中の5〜95重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラビア印刷用塗工紙。
  5. 前記カレンダー処理において、カレンダーニップ数が4ニップ以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグラビア印刷用塗工紙。
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