JP2007270407A - 印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙 - Google Patents
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Abstract
低密度でかつ白色度や平滑度が高く印刷品質が良好な印刷用塗工紙の製造方法及びその塗工紙を提供することにある。
【解決手段】
原紙に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、弾性ロールと金属ロールから構成され金属ロールの表面温度が90℃〜200℃の範囲でカレンダー処理した原紙に、塗工液を塗工・乾燥した後、弾性ロールと金属ロールから構成され金属ロールの表面温度が90℃〜200℃の範囲でカレンダーて処理することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法及び塗工紙。
Description
また、紙の軽量化の手法として、例えば、製紙用パルプとして機械パルプを10重量%以上含有し、填料として無定形シリケートをパルプ重量に対して3〜12重量%含有した原紙上に、顔料粒子が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布を有する顔料の塗工層を設けた塗工紙を金属ロールの温度が150℃以上のソフトニップカレンダーで処理することにより低坪量でも低密度で紙厚があり、不透明度と剛度を実用に足る状態に保つことができ、白紙光沢度は低いままで、相対的に印刷光沢度が高い画像を得ることが示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法では、特に低塗工量領域における塗工顔料による原紙被覆性は十分ではなく、不透明度、印刷適性ともに十分ではなかった。
一方、塗工紙の印刷適性を向上させる手法として、カレンダー装置を塗工部の直前に設け、厚さの復元力を保持した状態の圧縮直後の原紙に塗工するように構成したことを特徴とする塗工装置の有効性について述べた「塗工装置及びそれを用いた塗工紙の製造方法(特許文献2参照)」等があるが、これらの条件に合ったプレカレンダー処理では塗工後のカレンダー線圧を強めなくてはならない場合があり、そのため黄変が起こり白色度が低下することや強カレンダー線圧での処理を行うために密度が高くなるなどの問題があった。
以上より、従来の方法では軽量化と良好な印刷品質を両立させた印刷用塗工紙を得ることが困難であった。
本発明においては、塗工液を塗工・乾燥した後に行うカレンダー処理において、弾性ロールと金属ロールからなるカレンダーに通紙する際のニップ数が4ニップ以上であることが好ましく、より好ましくは5〜8ニップである。また、塗工液を塗工・乾燥した後に行うカレンダー処理においての金属ロールの表面温度は、130〜200℃が好ましい。また、原紙には、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、及び/またはパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することが好ましい。
本発明において、原紙を構成するパルプは、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることできるが、機械パルプを10重量%以上含有させることが好ましい。機械パルプは化学パルプに比べ繊維が剛直なので、機械パルプを配合した原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れることが少なく、全体として嵩高になるから、原紙内部の空隙量が増し、不透明度が向上し、同時に剛度も大きくなる。機械パルプは白色度や塗工適性等の点から製紙用パルプの60重量%以下とすることが好ましい。
(原紙に用いる填料は、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物、ゼオライト、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。配合量は、原紙重量当たり3〜20重量%程度である。これら填料は、紙料スラリーの抄紙適性や強度特性を調節する目的で、単独又は2種以上を混合使用してもよい。本発明においては、原紙に用いる填料として、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物を全量または一部に使用することが好ましい。この軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物を使用することにより、塗工紙密度は低く、十分な剛度を備えた塗工紙を製造することができる。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、紙を低密度化する効果に優れ、吸油量が大きく、不透明度を向上させる効果に優れるという特性を有する粒子である。また、カレンダー処理を行った後でも、低密度を維持し高平滑度といった相反する性質を発揮することができる。本発明においては、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を紙中填料として1〜25重量%の割合で含有していることが好ましく、3〜20重量%がより好ましく、更に好ましい範囲は3〜15重量%である。該紙中填料が1固形分重量%未満では、印刷用塗工紙の密度低下と不透明度向上効果は十分ではなく、25重量%を超えた場合は、層間強度が十分ではなくなり、印刷時に層間剥離現象が生じる場合があり、好ましくない。また、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、低密度化、剛度、不透明度、印刷適性のバランスをより良好にするために、軽質炭酸カルシウムとシリカとの固形分重量比が、軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70〜70/30であることが好ましい。軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70より小さい場合、塗工紙の印刷時の表面強度が劣る傾向にある。軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が軽質炭酸カルシウム/シリカ=70/30より多い場合、低密度化する効果が大きくない。軽質炭酸カルシウムについてはカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。なお、ロゼッタ型とは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子が毬栗状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。
本発明の原紙においては、パルプ、填料以外にも必要に応じ通常抄紙工程で使用される薬品類、例えば紙力増強剤、サイズ剤、消泡剤、着色剤、柔軟化剤などを使用することができる。
原紙の抄紙方法については、特に限定される物ではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよい。また、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレード等を用いて、澱粉、ポリビニルアルコールなどを予備塗工した原紙等も使用可能である。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m2程度のものが使用される。本発明においては、好ましくは30〜200g/m2であり、より好ましくは30〜130g/m2であり、更に好ましくは30〜60g/m2の軽量化においても本発明の効果を発揮することができる。
本発明の塗工層に用いられる顔料の種類は、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料であり、これらの無機顔料は必要に応じて単独または2種類以上併用して使用できる。本発明においては、塗料の塗工適性や塗工紙の品質など所望の性質を得るため、通常複数の顔料を併用することが好ましい。また、顔料の種類としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリンが高光沢度発現させるには、顔料100重量部当たり50重量以上含有することが好ましい。
本発明の塗工層に用いる接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などから、1種以上を適宜選択して使用することができる。これらの接着剤は、顔料100重量部に対して、5〜35重量部の範囲で使用される事が好ましく、より好ましくは7〜25重量部である。35重量部を超える場合は、塗料の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じる等のデメリットが生じ好ましくない。また、5重量部未満の場合は、十分な表面強度がえられず好ましくない。
本発明の塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。特に、白色度を高めるために蛍光染料を添加する方が好ましい。
本発明において、調整された塗工液を原紙に塗工する方法については、特に限定される物ではなく、公知の塗工装置を用いる事ができる。例えばブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が挙げられる。これらを用いて、原紙上に片面あるいは両面に1層以上塗工する。片面辺りの塗工量は3g/m2〜35g/m2で程度であり、3g/m2〜20g/m2であることが好ましく、より好ましくは3g/m2〜12g/m2であり、更に好ましくは3〜8g/m2の低塗工量でも、低密度で良好な印刷品質を有し、品質のバランスの優れた塗工紙を得ることができる。片面あたりの塗工量が3g/m2より少ない場合、十分な原紙被覆性が得られず、インキ着肉性に劣る。本発明においては、塗工速度が500m/分以上が好ましく、より好ましくは塗工速度が1000m/分以上である。
本発明において湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
本発明におけるこのようにして得られた塗工紙において、乾燥後に塗工紙のカレンダー処理を行うことが重要である。カレンダー処理前の塗工紙の水分は、5〜8%が好ましい。
後カレンダー処理は弾性ロールと金属ロールから構成されるカレンダー装置を1組としたものを1組以上用いて行わなければならない。カレンダー条件は、少なくとも金属ロールの表面温度が90℃〜200℃、ニップ数が1ニップ以上で処理する必要がある。また、本発明においては、低密度で、白色度、平滑性、印刷品質がバランス良く良好にするためには、ニップ数は4ニップ以上が好ましく、更に好ましくは5〜8ニップである。また、カレンダー線圧は、20kN/m程度以上であり、低密度、白色度の点からカレンダー線圧は低いほうが好ましく、カレンダー線圧は20〜200kN/mが好ましく、20〜120kN/mがより好ましい。これは、水分プロファイル、塗工紙の表面性を整えかつ白紙光沢度、印刷光沢度を向上させるために、比較的低い線圧で行うほうが密度ムラ発生防止、低密度化の点で有利になるからである。本発明においては複数のカレンダーロールで処理を行うことになるが、その形態としては、弾性ロールと金属ロールをひとつの組としたカレンダーを複数組設置した形態の物、カレンダーロールが垂直あるいは斜めに並べられた多段式の物どちらでもよい。但し、多段式の形態の物を使用する場合には、上段のロールの重さを下段のロールに加えることを抑制する機構を備えている物を使用するのが好ましい。
本発明においては、特に白紙光沢度が50%以上のグロス調の塗工紙で、より優れた効果を発揮することができる。また、塗工紙の坪量としては、好ましくは40g/m2〜160g/m2、より好ましくは40g/m2〜110g/m2 更に好ましくは40〜70g/m2の軽量の塗工紙においても優れた効果を発揮することができる。塗工紙の密度としては、好ましくは0.40g/cm3〜1.40g/cm3であり、より好ましくは0.40g/cm3〜1.15g/cm3である。
<評価方法>
(1)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(2)平滑度:JAPAN Tappi No5 王研式平滑度試験機で測定した。
(3)白色度:JIS P 8148に基づいて測定した。
(4)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(5)印刷面感:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物(4色50%ハーフトーン印刷部)の表面を目視にて評価した。◎:極めて良好、○:良好、△:やや劣る、×:劣る
[実施例1]
填料として軽質炭酸カルシウム、製紙用パルプとしてNBKP/LBKP/機械パルプ/脱墨上質古紙=60/5/10/25(%)を含有する紙料スラリーを、ツインワイヤー抄紙機にて抄速1000m/分で抄造し、軽質炭酸カルシウムが紙中に7%、坪量40g/m2、密度0.66g/cm3の中質紙の塗工原紙を得た。
次に、弾性ロールと金属ロールから構成されるソフトカレンダー装置を1組としたものを2組用い、金属ロールの表面温度が150℃、ニップ数が1ニップ、カレンダー線圧が50kN/m、通紙速度が1000m/minの条件で、金属ロールが塗工原紙のワイヤー面に接するように通紙して、プレカレンダー処理を行った。
微粒クレー(J.M.Huber社製japangloss)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度73%の微粒クレースラリーを調製した。得られた微粒クレースラリー70部(固形分)に微粒重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT-90)30部(固形分)を添加して、顔料スラリーを調製した。この様にして得られた顔料スラリーに、スチレンブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度20℃、ゲル含量85%)10部、ヒドロキシエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)6部を加えた後、さらに水を加えて固形分濃度60%とし、塗工液を調製した。
上記塗工液を上記プレカレンダー処理した原紙に、片面あたりの塗工量が8g/m2となるように1000m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工した後、塗工紙水分が5%となる様に乾燥した。
次に、弾性ロールと金属ロールから構成されるソフトカレンダー装置を1組としたものを6組用い、1組目〜6組目の金属ロールの面が塗工紙のW(ワイヤー)面→F(フェルト)面→F→W→W→F面の順に接するように、金属ロールの表面温度が150℃、ニップ数が6ニップ、カレンダー線圧が100kN/m、通紙速度が1000m/minの条件で通紙してカレンダー処理を行い、印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、プレカレンダー処理における金属ロールの表面温度を90℃、カレンダー線圧を75kN/mとし、塗工紙のカレンダー処理におけるカレンダー線圧を120kN/mと変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、塗工紙のカレンダー処理における金属ロールの表面温度を90℃、カレンダー線圧を150kN/mと変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において、後カレンダー処理におけるニップ数を2ニップ、カレンダー線圧を220kN/mと変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、プレカレンダー処理を実施せず、後カレンダー処理におけるカレンダー線圧を200kN/mと変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、プレカレンダー処理における金属ロールの表面温度を60℃、カレンダー処理線圧を100kN/mとし、後カレンダー処理におけるカレンダー処理線圧を180kN/mと変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、後カレンダー処理における金属ロールの表面温度を60℃、カレンダー線圧を180kN/mと変更した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1〜4は、低密度でかつ白色度や平滑度が高く、印刷面感などの印刷品質が良好な印刷用塗工紙を得ることができる。比較例1は、密度、平滑度、白色度、白紙光沢度、印刷面感に劣る。比較例2は、白色度、印刷面感に劣る。比較例3は、白紙光沢度、印刷面感に劣る。
[実施例5]
実施例1において、塗工用原紙に内添する填料として、軽質炭酸カルシウムのかわりに以下の製造例で調製した軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物に変更した中質紙を用いた以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
(製造例1:軽質炭酸カルシウムーシリカ複合物の調製)
反応容器中に市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名 アルバカー5970 SMI社製)10部を水に分散し、ここにSiO2濃度18.0wt/wt%、Na2O濃度6.1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を57部加えた後、水を加え、全量を200部とした。この混合スラリーをアジテータで十分に撹拌しながら加熱し、85℃としたスラリーに、10%硫酸溶液を撹拌しながら添加した。添加方法は、温度一定を保ち、硫酸添加後の最終pHは8.0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加し、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物スラリーを得た。このときの軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の平均粒子径は3.4μmであり、軽質炭酸カルシウムとシリカの固形分重量比は、70/30であった。
[比較例4]
実施例5において、プレカレンダー処理を実施せず、後カレンダー処理におけるカレンダー線圧を200kN/mと変更した以外は実施例5と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例5において、プレカレンダー処理における金属ロールの表面温度を60℃、カレンダー処理線圧を100kN/mとし、後カレンダー処理におけるカレンダー処理線圧を180kN/mと変更した以外は実施例5と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例6]
実施例5において、後カレンダー処理における金属ロールの表面温度を60℃、カレンダー線圧を180kN/mと変更した以外は実施例5と同様に印刷用塗工紙を得た。
評価結果を表2に示した。
表2から明らかなように、実施例1において、填料として軽質炭酸カルシウムの代わりに軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を用いた実施例5は、実施例1よりも更に低密度で、平滑度、白色度、白紙光沢度、印刷面感に優れる。比較例4は、平滑度、白紙光沢度、印刷面感に劣る。比較例5は、印刷面感に劣る。比較例6は、白紙光沢度、印刷面感に劣る。
[実施例6]
実施例1において、塗工用原紙として、填料として軽質炭酸カルシウムを原紙重量あたり7%含有し、製紙用パルプとし、NBKP/LBKP/機械パルプ/脱墨上質古紙=60/5/10/25(%)を用い、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花王製 KB−110)を原紙重量あたり0.3%含有する坪量40g/m2、密度0.58g/cm3の中質紙を用いた以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例7]
実施例6において、プレカレンダー処理を実施せず、後カレンダー処理におけるカレンダー線圧を200kN/mと変更した以外は実施例6と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例8]
実施例6において、プレカレンダー処理における金属ロールの表面温度を60℃、カレンダー処理線圧を100kN/mとし、後カレンダー処理におけるカレンダー処理線圧を180kN/mと変更した以外は実施例6と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例9] 実施例6において、後カレンダー処理における金属ロールの表面温度を60℃、カレンダー線圧を180kN/mと変更した以外は実施例6と同様に印刷用塗工紙を得た。
表3から明らかなように、実施例1において、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を配合した実施例6は、実施例1よりも更に低密度で、白色度、印刷面感が良好な印刷用塗工紙が得られる。比較例7は、平滑度、白紙光沢度、印刷面感に劣る。比較例8は、平滑度、印刷面感に劣る。比較例9は、平滑度、白紙光沢度、印刷面感に劣る。
Claims (5)
- 原紙に顔料および接着剤を含有する塗工液を塗工する印刷用塗工紙の製造方法において、弾性ロールと金属ロールから構成され金属ロールの表面温度が90℃〜200℃の範囲でカレンダー処理した原紙に、塗工液を塗工・乾燥した後、弾性ロールと金属ロールから構成され金属ロールの表面温度が90℃〜200℃の範囲でカレンダー処理することを特徴とする印刷用塗工紙の製造方法。
- 前記塗工液を塗工・乾燥した後のカレンダー処理において、弾性ロールと金属ロールからなるカレンダーに通紙する際のニップ数が2ニップ以上であることを特徴とする請求項1記載の印刷用塗工紙の製造方法。
- 前記塗工液を塗工・乾燥した後、カレンダー処理するときの金属ロールの表面処理温度が130〜200℃の範囲でカレンダー処理することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用塗工紙の製造方法。
- 前記塗工液を塗工・乾燥した後のカレンダー処理において、弾性ロールと金属ロールからなるカレンダーに通紙する際のニップ数が5〜8ニップであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかの製造方法で印刷用塗工紙であって、原紙に軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、及び/またはパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することを特徴とする印刷用塗工紙。
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