JP3941483B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は印刷用塗工紙に関し、嵩高(低密度)でありながら、高い平滑性、白紙光沢度を有する印刷用光沢塗工紙に関するものである。
【従来の技術】
近年、印刷物のビジュアル化傾向やカラー化が進み、印刷用紙の高品質化の要求が高まってきている。一方で、輸送および郵便コストの削減などのため、印刷物の軽量化に対する要求も高い。従来、これらの二つの要望は相反するものであり、高品質印刷塗工紙は原紙坪量および塗工量が多く、また、表面処理による平滑化などにより、同一坪量で比較して密度の高いものであった。印刷物の軽量化には低坪量の用紙を選択することが可能であるが、密度が同等であれば軽量化に伴い紙厚も低くなり、冊子のボリューム感が損なわれるため好まれない。このため、嵩高な、すなわち同一坪量で比較して紙厚の高いもしくは同一紙厚で比較して坪量が低く、かつ高級印刷用途としての塗工紙の要求を満たす高品質な塗工紙が求められている。
嵩高化のための手法としては、嵩高なパルプおよび嵩高な填料の使用による塗工紙用原紙の嵩高化、および塗料組成物の塗工量減少、および得られる塗工紙の表面処理の緩和等が考えられる。
製紙用パルプとしては、化学薬品により繊維中のリグニンを抽出した化学パルプと、化学薬品を使用せずグラインダーで木材を磨り潰した砕木パルプやリファイナーで木材を解繊したサーモメカニカルパルプ等の機械パルプに大別される。一般的には、化学パルプと比較して機械パルプの繊維の方が剛直で低密度化には効果的である。しかしこれらの機械パルプは上質紙への配合は品質上問題があり、また中質紙においても、結束繊維等による紙ムケ等印刷欠陥を生じ易いためその配合量には限界がある。また、近年の環境保護気運の高まりや資源保護の必要性から、古紙パルプが配合されることが多くなっている。しかし古紙パルプは一般的に、上質紙、新聞紙、雑誌、塗工紙等が混合されてパルプ化されることが多いため、バージン(紙に抄かれていない未使用の)機械パルプと比較して密度が高い。以上のように、パルプ面のみで十分な用紙の嵩高化を達成することは、木材資源の保護や用紙の品質設計を考えた場合困難である。また、上述のパルプを配合したのみでは嵩高化と同時に剛度が高くなるため、用紙に十分な柔軟性を付与することは、困難であった。
また、塗工紙の塗工層は一般的に原紙に比較して密度が高い。このため、塗工層を設けない印刷用紙と比較して塗工紙の密度は高い。塗工紙の嵩高化のためには、塗料組成物の塗工量を少なくする事によっても達成される。これは、塗工紙全体に占める塗工層の比率が小さくなるためである。しかし、塗工量を少なくする事は同時に、塗工層による原紙の被覆性を低下させるため、白紙光沢度、平滑性、印刷光沢度などの印刷品質を低下せしめるため、目標とする品質を維持しながら塗工量を減少させることには限界があった。
塗工紙の印刷品質、特にインクの着肉濃度や画線部の光沢度(以下、印刷光沢度という)を向上するためには、塗工紙の平滑性を高める事が有効な手段の一つである。このため、光沢紙やダル調と呼ばれる艶消し塗工紙等の塗工紙では、スーパーカレンダーやソフトニップカレンダー等の表面平滑化処理を施すことが一般的である。しかし、これらの処理は用紙を加圧して表面の平滑性を高めるものであるため、同時に用紙の紙厚が低くなり、目標とする印刷品質を得るには十分な嵩高化を達成できない場合があった。
塗工紙用原紙の嵩高化として嵩高な填料の使用が考えられる。例えば特開平5−339898号公報には中空の合成有機物カプセルを配合することにより低密度化する手法が開示されている。しかしながらこのような合成有機物は紙力を低下させるため、印刷時の紙ムケや断紙などの問題がある上、十分な嵩高効果を得るには高配合する必要があるため、製造原価が高くなる等の問題もあった。特公昭52−39924号公報には、シラスバルーンを用いる方法が提案されている。しかしこれは、製紙用パルプとの混合性が悪く、また、それを配合した用紙も印刷むらが発生するなどの問題があった。
また、塗工紙用原紙の嵩高化の方法として薬品を使用する方法があり、WO98/03730号公報、特開平11−200284号公報、特開平11−350380号公報に示されている。しかしながら、このような有機化合物の薬品を含有させた嵩高化な塗工紙用原紙を用いて、印刷用光沢塗工紙を製造した場合、パルプの繊維間結合の強さが低下することにより、特にオフセット輪転印刷におけるインキ乾燥工程時に塗工紙の火ぶくれ(以下、ブリスターという)を引き起こす問題があった。また、スーパーカレンダーやソフトニップカレンダー等の表面平滑化処理を施すため、一般的な原紙や嵩高な填料を用いた原紙を用いた場合などに比べて、用紙がつぶれやすく、目標とする平滑性、白紙光沢度、印刷光沢度を得るには十分な嵩高化が達成できなかった。
【発明が解決しようとする課題】
この様な状況に鑑みて、本発明の課題は、嵩高でありながら白紙光沢度が高く、耐ブリスター性等の印刷適性に優れる印刷用塗工紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題について鋭意研究した結果、原紙上に顔料および接着剤を有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、パルプの繊維間結合を阻害する作用をもつ有機化合物をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部含有する原紙に、顔料としてプラスチックピグメントを顔料100重量部当たり1〜30重量部、粒子径が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布を有するカオリンを顔料100重量部当たり50〜99重量部含有する塗工層を設けることにより、嵩高で白紙光沢度が高く、塗工紙の透気性が良化し耐ブリスター性に優れることを見出した。
本発明において、プラスチックピグメントを用いることにより、塗工紙の透気性を向上させる効果が得られる理由は明らかではないが、プラスチックピグメントが塗工層中の顔料同士の間に入り込むことによって空隙ができることにより塗工層全体における透気性が良化するためと推定される。これにより、パルプの繊維間結合を阻害する作用をもつ有機化合物を含有させた嵩高な塗工紙用原紙の強度が低下しても、塗工層からの透気性が良いため、オフセット印刷におけるインキ乾燥工程時の塗工紙中の水蒸気が抜けやすく、塗工紙のブリスターを起こさないと考えられる。また、プラスチックピグメントは同時に白紙光沢度を向上させることから、白紙光沢度を高くする場合、プラスチックピグメントを用いない場合と比べて、表面処理を弱くすることができる。このため、パルプの繊維間結合を阻害する作用をもつ有機化合物を含有させ抄紙した原紙を比較的つぶさずにすみ、嵩高性を維持でき、白紙光沢度も高くし、耐ブリスター性を良好にしてバランスの良い印刷用塗工紙を得ることができる。
本発明において、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物は、以下の試験により選定することができる。目的の用紙を構成するパルプ組成物に絶乾パルプ100重量部に対し0.3重量部の試験しようとする有機化合物を配合したパルプスラリーを用いて、実験用配向性試験機(熊谷理機社製)で、回転速度900rpmにて抄紙し、JIS8209の方法に従ってプレス、乾燥を行った。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理した。この試験用紙を23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置した後、JIS P 8113に従って、引っ張り強さを測定する。引っ張り強さが低下する化合物が、本発明の繊維間結合阻害作用をもつ有機化合物である。この時の低下率が余り少ないものは嵩高効果が少なく、そのため多量に添加する必要がある。低下率が大きいものは少量の添加で嵩高効果がある。従って、引っ張り強さが低下する有機薬品であればいずれのものも使用可能であるが、0.3%配合時の低下率が5%〜30%のものが好ましく、特に8〜20%のものが好ましい。
本発明のパルプの繊維間結合を阻害する作用をもつ化合物(以下結合阻害剤と略称する)は、疎水基と親水基を持つ化合物であって、上記試験で引っ張り強度の低下作用を有するものである。最近、製紙用で紙の嵩高化のために上市された低密度化剤(あるいは嵩高剤)は本発明の結合阻害剤として適しており、例えば、WO98/03730号公報、特開平11−200284号公報、特開平11−350380号公報等に示される高級アルコールのエチレン及び/またはプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミンなどを例示することができ、好ましくは多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物等である。販売されている嵩高薬品としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、花王(株)のKB−08T、08W、KB110、115、三晶(株)のリアクトペイクといった薬品があり、単独あるいは2種以上を併用してもよい。本発明の印刷用塗工紙は、嵩高で耐ブリスター性を良好にするために、パルプの結合阻害剤をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部含有することが好ましく、特に0.2〜1.0重量部を含有することが好ましい。
【発明の実施の形態】
本発明の原紙には、パルプの繊維間結合を阻害する作用をもつ有機化合物以外には、通常のパルプ、填料等が配合される。本発明において原紙に配合されるパルプの種類等は特に限定されない。例えば広葉樹クラフトパルプ(以下、LBKPとする)、針葉樹クラフトパルプ(以下、NBKPとする)、サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ等が使用される。また、原紙に配合される填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水和珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料を使用する事が出来る。填料の使用量は、パルプ重量あたり6重量%以上が好ましい。さらに必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色顔料、染料、消泡剤などを含有しても良い。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、勿論、メカニカルパルプを含む中質原紙および回収古紙パルプを含む原紙も使用できる。更に表面強度やサイズ性の向上の目的で、原紙に水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行っても良い。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の、表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、およびシムサイザーなどのフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布する事ができる。また、本発明に使用される印刷用塗工紙原紙の坪量は、30〜200g/m2が好ましい。
本発明に用いるプラスチックピグメントは、密実型、中空型、または、コア/シェル構造をもつプラスチックピグメント等を必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。プラスチックピグメントの構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/又は、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じてこれらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。この共重合可能なモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレンやジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリルニトリル等のモノオレフィン系モノマーおよび、酢酸ビニル等のモノマーがある。また、必要に応じて例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等の、オレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類、ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピル等の、オレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N-メチロ−ルアクリルアミド、N-メチロールメタアクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-メトキシメチルメタアクリルアミド等の、オレフィン系不飽和アミドモノマー類、ジビニルベンゼンの如き、二量体ビニルモノマー等を少なくとも一種または二種以上の組み合わせで用いることができる。これらのモノマーは例示であり、この外にも共重合可能なモノマーであれば、使用することができる。本発明においては、被覆性、白色度、不透明性及び耐ブリスター性の向上に対する寄与が大きい中空型が好ましく、平均粒径が0.6〜1.5μmのものを配合することが好ましい。嵩高でかつ白紙光沢度が高く、オフセット印刷時での耐ブリスター性の良好なバランスの良い印刷用塗工紙を得るために、本発明のプラスチックピグメントの含有量は、好ましくは顔料100重量部当たり3〜25重量部、更に好ましくは5〜20重量部である。 本発明においては、塗工層に用いる顔料として、プラスチックピグメント以外に、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料等を必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、嵩高で耐ブリスター性を維持したまま、白紙光沢度および印刷光沢度を高くするためには、粒子径が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲のものが全体の65%以上含まれる粒径分布を有するカオリンを使用することが好ましく、その配合量は、好ましくは、顔料100重量部当たり50〜99重量部、さらに好ましくは75〜99重量部である。このように粒度分布がシャープな顔料を用いることは塗工層が粗になる傾向にあり、透気性が良化することから、耐ブリスター性向上のために好ましい。
本発明において使用する接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗被紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部に対して5〜50重量部、より好ましくは5〜25重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗被紙用塗被組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
原紙上に設ける塗工層は原紙の片面あるいは両面に、単層あるいは二層以上設ける。本発明の塗工量は、原紙の片面あたり5〜25g/m2が好ましく、より好ましくは7〜20g/m2である。塗被組成物を原紙に塗工するための方法としては、2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、およびブレードメタリングサイズプレスコーター、およびロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー等のフィルム転写型ロールコーターや、フラデッドニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、カーテンコーター、ダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができる。
また、白紙光沢、平滑性向上、及び品質向上のため、上述の方法で得られた塗工紙の表面処理を行う。表面処理の方法としては弾性ロールにコットンロールを用いたスーパーカレンダーや、弾性ロールに合成樹脂ロールを用いたソフトニップカレンダー等、公知の表面処理装置を用いる事が出来る。ソフトニップカレンダーは合成樹脂ロール表面の耐熱温度がコットンロールに比べて高く設定することが可能なため、高温での処理が可能である。そのため、ソフトニップカレンダーの使用は、同一の平滑性を目標とした場合、スーパーカレンダーに比べて処理線圧を低く設定でき、より低密度で平滑性の高い塗工紙が得られるため好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、特に密度が1.05g/cm3が以下、より好ましくは1.00g/cm3以下であり、白紙光沢度が60%以上、より好ましくは65%以上、塗工紙の坪量は160g/m2以下でより効果が顕著である。
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。尚、特に断らない限り、例中の部、および%はそれぞれ、重量部および重量%を示す。得られた印刷用光沢塗工紙について、以下に示すような評価法に基づいて、試験を行った。
<評価方法>(顔料の体積粒度分布測定)レーザ回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機械名:マスターサイザーS)を用いて、粒子の体積粒度分布を測定し、0.4μmから4.2μmの範囲に該当する粒子のパーセントを計算により求めた。
(坪量) JIS P 8124:1998に従った。
(密度) JIS P 8118:1998に従った。
(白紙光沢度) JIS P 8142:1998に従った。
(印刷光沢度)RI−II型印刷試験機を用い、東洋インキ製造株式会社製枚葉プロセスインキ(商品名:TKハイエコー紅 MZ)を0.30cc使用して印刷を行い、一昼夜放置後、得られた印刷物の表面をJIS P 8142:1998に従って測定した。
(透気抵抗度) JAPAN TAPPI No.5-2:1996に従った。
(耐ブリスター性)オイルバス法により評価した。25℃、60%RH条件下で24時間調湿したのち、155℃のシリコンオイルに3秒浸けた後、紙にできたブリスターを目視で評価した(5点法:(優)5←→1(劣))。
[結合阻害剤の選定] NBKP30部とリファイナーグランドパルプ(RGP)70部を1%スラリーとし、このスラリーに下記化合物0.3部を添加混合し、紙料を調整した。この紙料を熊谷理機社製実験用配向性抄紙機にて回転速度900rpmで抄紙し、JIS8209の方法に従ってプレス、乾燥を行った。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理し、テスト用試験紙を得た。この試験紙を温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後、JIS P 8113に従って引っ張り強度を測定した。測定した結果を表1に示した。
【表1】
Figure 0003941483
上記試験から、引張り強さの低下率が6%以上のものが好ましく、10%以上の低下率を示すものが特に本発明に適している。次に上記試験から、良好な結合阻害適性を示した花王KB110の1種について印刷用塗工紙を作成して評価した。
[実施例1]
製紙用パルプとして化学パルプを100重量部、填料として軽質炭酸カルシウムを12部、パルプの繊維間結合阻害剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110、花王株式会社製)を0.3部含有する坪量72g/mの原紙に、顔料としてブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、体積分布粒径0.40〜4.20μm:71.7%)80部、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)10部、プラスチックピグメント(Rohm & Haas Company社製、HP−1055、中空球形型、平均粒径約1.0μm、空隙率55%)10部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックスを15部、燐酸エステル化澱粉を3部加え、さらに水を加えて固形分濃度59%に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/mとなるように、塗工速度500m/分のブレードコーターで両面塗被・乾燥を行った後、スーパーカレンダー仕上げをして印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、体積分布粒径0.40〜4.20μm:71.7%)80部、プラスチックピグメント(日本ゼオン社製、V−1004、密実球形型、平均粒径約0.32μm)20部からなる顔料とし、62%濃度に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
塗工液に含まれる顔料として、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)18部、アメリカ産カオリン(ドライブランチカオリン社製、DBコート、体積分布粒径0.40〜4.20μm:61.9%)70部、プラスチックピグメント(Rohm & Haas Company社製、HP−1055、中空球形型、平均粒径約1.0μm、空隙率55%)12部からなる顔料とし、固形分濃度58%に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
塗工液に含まれる顔料として、アメリカ産カオリン(ドライブランチカオリン社製、DBコート、体積分布粒径0.40〜4.20μm:61.9%)80部、プラスチックピグメント(日本ゼオン社製、V−1004、密実球形型、平均粒径約0.32μm)20部からなる顔料とし、固形分濃度63%に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、体積分布粒径0.40〜4.20μm:71.7%)90部、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)5部,プラスチックピグメント(日本ゼオン社製、V−1004、密実球形型、平均粒径約0.32μm)5部からなる顔料とし、63%濃度に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
塗工液に含まれる顔料として、ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、体積分布粒径0.40〜4.20μm:71.7%)80部、重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製、FMT−90)20部からなる顔料とし、64%濃度に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
塗工液に含まれる顔料として、アメリカ産カオリン(ドライブランチカオリン社製、DBコート、体積分布粒径0.40〜4.20μm:61.9%)70部、重質炭酸カルシウム(三共製粉製、エスカロン1500、体積分布粒径0.40〜4.20μm:25.0%)30部からなる顔料とし、64%濃度に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
塗工液に含まれる顔料として、重質炭酸カルシウム(三共製粉製、エスカロン1500、体積分布粒径0.40〜4.20μm:25.0%)50部、ブラジル産カオリン(リオカピム社製、カピムDG、体積分布粒径0.40〜4.20μm:71.7%)50部からなる顔料とし、64%濃度に調整した以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
原紙にパルプの繊維間結合阻害剤として多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(KB−110、花王株式会社製)を含有しない以外は、実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
【表2】
Figure 0003941483
表2より原紙中にパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有していながら、耐ブリスター性に優れ,かつ嵩高で白紙光沢度、印刷光沢度の高い印刷用塗工紙であることが明らかである。
【発明の効果】
原紙中にパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有していながら、耐ブリスター性に優れ,かつ嵩高でありながら白紙光沢度、印刷光沢度の高い印刷用塗工紙を得ることができる。

Claims (4)

  1. 原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層を有する印刷用塗工紙において、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部含有する原紙上に、塗工層中の顔料として、プラスチックピグメントを顔料100重量部当たり1〜30重量部、粒子径が体積基準で0.4〜4.2μmの範囲に65%以上含まれる粒径分布を有するカオリンを顔料100重量部当たり50〜99重量部含有する塗工層を有することを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を絶乾パルプ100重量部に対し0.3重量部配合した原紙において、無配合の原紙に対してJIS P 8113に従って測定した引張り強さの低下率が5〜30%であるパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. パルプの繊維間結合を阻害する化合物が多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物を有することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 印刷用塗工紙の白紙光沢度が60%以上であり、密度が1.05g/cm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
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