JP5344967B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷用塗工紙に関し、詳細には印刷品質に優れ、生産効率に優れた印刷用塗工紙に関する。
近年、印刷用紙においても輸送及び郵送コストの削減などのため軽量化に対する要求が非常に高くなってきている。しかし、単純に軽量化すなわち印刷用紙の坪量を下げると紙の厚さが低下し、冊子のボリューム感が損なわれるため好ましくない。求められている軽量化とは紙重量を低下させる一方で紙厚は低下させないこと、より好ましくは紙厚を増加させ嵩高化すること、即ち軽量嵩高化を意味している。一方、印刷物のビジュアル化やカラー化が進み、非塗工印刷用紙に比較し、紙表面に平滑な塗工層をインキ受理層とする印刷用塗工紙の需要も年々増加している。炭酸カルシウムやカオリンなどの無機顔料を主成
分とする塗工層は、パルプを主原料とする塗工原紙に比較して比重が重く、塗工紙の軽量化のためには塗工量を出来るだけ少なくする必要がある。また、嵩高化のためには、塗工原紙を嵩高化することが考えられる。しかし、原紙を嵩高化すると低密度となり空隙が多くなるので、塗工時に、塗料の原紙内部への浸透性が上がり、低塗工量で均一に原紙表面を被覆することが難しくなる。そこで、原紙の空隙量を減らすために塗工前に原紙をカレンダー処理すれば、紙厚が低下するため嵩高低密度紙は得られない。このように、塗工紙の軽量嵩高化のために、軽量嵩高な原紙を用いても、比重の高い無機顔料を主成分とする
塗料を単に塗布しただけでは塗料の浸透のため塗布量が多くなって軽量嵩高化を実現することは困難である。
原紙内部への塗料の浸透を抑制する方法としては、原紙と、塗料中の水との濡れ性を下げるために原紙にサイズ処理を施す方法が考えられる。しかし、細孔量の多い低密度原紙にこのような処理を施してもその効果は小さいものであった。また、塗工用澱粉、ポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性高分子を主成分とする表面処理剤を紙表面に塗工し、紙表面に塗膜を形成させ、その後に塗工される塗料の浸透を抑制する方法も考えられるが、軽量嵩高原紙ではその表面塗工剤も紙層に浸透してしまうため、紙表面に有効な浸透抑制塗膜を形成させることが難しかった。
また、塗工原紙にカチオン性ポリマーを塗工し、その上にアニオン性塗工組成物を塗工する塗工紙の製造方法が記載されている(特許文献1参照)。この方法では、塗料の浸透を抑制できる効果はあるものの、カチオン性ポリマーを単独で塗工した場合にはその粘度などの物性のため塗工適性を持たせるのが容易でなく、塗工した場合も次にアニオン性顔料塗料を塗工する場合に静電気的な相互作用によりその両塗工層の界面でゲル化が起こり、ブレード塗工においては塗工が困難である。更に、塗工紙を作製しても、塗工用澱粉やPVAを塗工した場合と比較し表面強度が劣るなどの問題があった。更に、水溶性カチオン
性アルミニウム化合物及び水溶性高分子化合物からなる水性液を支持体上に設けた後、顔料と接着剤を含有する塗工層を設ける顔料塗被紙が記載されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では両化合物の混合液を原紙に塗布するため、塗料中の水性高分子化合物はアルミニウム化合物により微小なゲル状物質となっており、このようなゲル化した高分子化合物は薄膜形成能に乏しいため、嵩高原紙表面に多数存在する空隙を埋め尽くすのが難しく、浸透抑制効果は不十分である。
特開平4−343794号公報 特開平9−273097号公報
上記した従来技術では、原紙内部への塗料の浸透を抑制することが不十分であり、低密度な印刷用塗工紙でありながら、インキ着肉性や印刷面感などの印刷品質や表面強度などの印刷適性が良好であるものを得ることは困難であった。
この様な状況を鑑みて、本発明の課題は、原紙内部への塗料の浸透を抑えることができ、低密度な印刷用塗工紙でありながら、インキ着肉性や印刷面感などの印刷品質および表面強度などの印刷適性に優れた印刷用塗工紙を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鋭意検討を行った結果、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を有する塗工紙において、原紙上に、主成分としてカチオン性合成ポリマーおよび澱粉を、乾燥重量比でカチオン性ポリマー:澱粉=1:99〜70:30含有する表面処理層を設け、その上に顔料および接着剤を主体とし、ポリアクリル酸系分散剤を含有するアニオン性塗工液を塗工乾燥することにより、低密度で、印刷適性に優れた印刷用塗工紙を製造して得ることができることを見出した。また、本発明においては、より効果的に塗工紙を製造するために、カチオン性合成ポリマーのカチオン化度が5meq/g以上であることが好ましい。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の印刷用塗工紙は、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を有する印刷用塗工紙において、原紙上に、主成分としてカチオン性合成ポリマーおよび澱粉を、乾燥重量比でカチオン性ポリマー:澱粉=1:99〜70:30含有する表面処理層を設け、その上に塗工した顔料および接着剤を主体とし、ポリアクリル酸系分散剤を含有するアニオン性塗工を設けることを特徴とする。
同様に、請求項2に係る発明の印刷用塗工紙は、上記カチオン性合成ポリマーのカチオン化度が5meq/g以上であることを特徴とする。
本発明によれば、原紙上にカチオン性合成ポリマーと澱粉を含有する表面処理層とその上に顔料と接着剤を主体とし、ポリアクリル酸系分散剤を含有するアニオン性塗工液を塗工乾燥したものである塗工層を有することで、次の効果が奏される。
(1)低密度な印刷塗工紙でありながら、インキ着肉性、印刷物面感などの印刷品質や表面強度などの印刷適性に優れた印刷用塗工紙が得られる。
(2)カチオン性合成ポリマーと澱粉を混合した塗工液を原紙にサイズプレス処理して表面処理層を設け、その上に顔料および水性接着剤を主体とするアニオン性塗工液を塗工することにより、原紙内部への塗料の浸透を抑制することができ、塗工作業性に優れる。

本発明においては、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を有する塗工紙において、原紙上に、主成分としてカチオン性合成ポリマーおよび澱粉を、乾燥重量比でカチオン性ポリマー:澱粉=1:99〜70:30含有する表面処理層を設け、その上に顔料および接着剤を主体とするアニオン性塗工液を塗工することが重要である。本発明の効果を発揮させる好ましい条件としては、上記カチオン性合成ポリマーのカチオン化度が5meq/g以上であることが好ましい。カチオン化度が5meq/g未満であると、澱粉と混合した場合にカチオン性が発現しなくなり好ましくない。また、カチオン性合成ポリマーと澱粉の
混合比率が1:99よりも低いとカチオン性が発現しなくなり好ましくない。また、70:30よりも高いと、その上に顔料塗工を行う際にストリークやロール汚れ、刃先汚れなどが発生し、生産が困難である。このため、カチオン性合成ポリマーと澱粉のより好ましい混合比率は1:99〜40:60である。
本発明で用いるカチオン性合成ポリマーとは、水媒体中でポリマー主体がカチオンに解離するものをいい、典型的なカチオン性基としては、一級、二級および三級アミノ基、ならびに四級アンモニウム塩が挙げられる。このようなカチオン性ポリマーであれば用いることができ、例えば、ポリアミン類および/またはポリアミド類とエピハロヒドリン類を反応して得られるポリマー(例えばジメチルアミンエピクロロヒドリン樹脂)、カチオン性ビニルモノマーを単独で重合した樹脂(例えばポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩)、カチオン性モノマーと他の共重合体モノマーとを共重合させた樹脂(例えば、カチオン性アクリルアミド系樹脂)、ポリビニルアミン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ホフマン変性を行ったアクリルアミド系樹脂、マンニッヒ変性を行ったアクリルアミド系樹脂、ポリアルキレンポリアミド系樹脂、ポリアミドポリ尿素系樹脂などが挙げられるが、これら以外のカチオン性ポリマーであっても本発明の効果を有するものであれば使用することができる。また、これらのカチオン性合成ポリマーの中では、低コストであり、また、分子量が低いため、澱粉と混合する際に粘度の上昇を抑制することができ、塗工適性に優れているといった点から、ポリアミン系を用いることが好ましい。
カチオン性合成ポリマーのカチオン化度は高い方が効果が高く、好ましくは5meq/g以上である。カチオン性合成ポリマーの塗工量は、乾燥重量で片面0.01〜2g/mが好ましい。カチオン性合成ポリマーの塗工量が乾燥重量で0.01g/m未満であると、カチオン性が発現にくくなり十分な効果が期待できず好ましくない。また、カチオン性合成ポリマーの塗工量が乾燥重量で2g/mより多くなると、その上に顔料塗工を行う際にストリークやロール汚れ、刃先汚れなどが発生しやすくなる。このため、カチオン性合成ポリマーのより好ましい塗工量は0.01〜2g/m乾燥重量である。
本発明で用いる、カチオン性合成ポリマーと混合して用いる澱粉としては、固形分で澱粉を30重量%以上、好ましくは60重量%以上含有するものである。使用される澱粉としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉などの澱粉を単独、あるいは混合して使用することができ、ノニオン系、カチオン系のヒドロキシエーテル化澱粉、酸化澱粉を使用することが好ましい。また、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等も一部混合して使用することができる。また、必要に応じて、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などの助剤を加えても良い。また、耐ブリスター性、ラフ
ニングの観点から、カチオン性合成ポリマーと澱粉を混合した塗工液の塗工量は、好ましくは片面0.01g/m以上であり、より好ましくは0.05〜3g/mで更に好ましくは0.10〜1.5g/mである。
本発明における印刷用塗工紙の原紙は、パルプ、填料と各種助剤からなる。パルプとしては、化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を用いることができるが、機械パルプは化学パルプ、半化学パルプに比べ、繊維が剛直なので、機械パルプを多く配合した原紙は抄紙工程でかかる各種の圧力で紙層が潰れることが少なく全体として嵩高になる。そのため、主にカチオン性ポリマーおよび澱粉で構成されたサイズプレス塗工液を原紙に塗工した場合に、塗工液の浸透が多くなる。機械パルプはカチオン性が発現の点から製紙用パルプの60重量%以下とすることが好ましい。
本発明の印刷用塗工紙の原紙は填料を含有しても良い。填料としては重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、無定型シリケート、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。本発明においては、無定型シリケート
、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有した嵩高な原紙でより効果を発揮することができる。紙中填料率は1〜40固形分重量%程度であり、10〜40固形分重量%が好ましく、12〜35固形分重量%が更に好ましい。
また、本発明においては原紙に用いる填料として、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物を全量または一部に使用することができる。この軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物を使用することにより、塗工紙密度は低く、十分な剛度を備えた塗工紙を製造することができる。軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、紙を低密度化する効果に優れ、吸油量が大きく、不透明度を向上させる効果に優れるという特性を有する粒子である。また、カレンダー処理を行った後でも、低密度を維持して高平滑度を有する相反した性質を発揮することができる。本発明においては、該軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を紙中填料として1〜25重量%の割合で含有していることが好ましく、3〜20重量%がより好ましく、更に好ましい範囲は3〜15重量%である。該紙中填料が1固形分重量%未満では、印刷用塗工紙の密度低下と不透明度向上効果は十分ではなく、25重量%を超えた場合は、層間強度が十分ではなくなり、印刷時に層間剥離現象が生じる場合があり、好ましくない。また、軽質炭酸カルシウム粒子の表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物は、低密度化、剛度、不透明度、印刷適性のバランスをより良好にするために、軽質炭酸カルシウムとシリカとの固形分重量比が、軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70〜70/30であることが好ましい。軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が軽質炭酸カルシウム/シリカ=30/70より小さい場合、塗工紙の印刷時の表面強度が劣る傾向にある。軽質炭酸カルシウムの固形分重量比が軽質炭酸カルシウム/シリカ=70/30より多い場合、低密度化する効果が大きくない。軽質炭酸カルシウムについてはカルサイト、アラゴナイトのいずれでも良く、また形状についても針状、柱状、紡錘状、球状、立方形状、ロゼッタ型のいずれでも良い。この中でも特にロゼッタ型のカルサイト系の軽質炭酸カルシウムを用いた場合に、特に優れた嵩高、不透明度改善効果が高い軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物が得られる。なお、ロゼッタ型とは、紡錘状の軽質炭酸カルシウム一次粒子が毬栗状に凝集した形状を指し、他の軽質炭酸カルシウムより高い比表面積と吸油性を示す特徴がある。
本発明においては、パルプ、填料の他に、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、嵩高剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。本発明においては、嵩高剤を含有する原紙を用いることにより、より効果を発揮することができる。具体的には、高級アルコールのエチレンおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、あるいはポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物などを使用することができ、これらを単独あるいは2種以上併用することができる。好ましくは多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミドなどの脂肪酸アミド化合物ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物である。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
また、本発明の原紙においては、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である界面活性剤等の嵩高剤(低密度化剤)を使用することにより、より低密度な印刷用塗工紙を得ることができる。パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物(以下、結合阻害剤と略称する)とは、疎水基と親水基を持つ化合物で、最近、製紙用で紙の嵩高化のために上市された低密度化剤(あるいは嵩高剤)は本発明の結合阻害剤として適しており、例えば、WO98/03730号公報、特開平11−200284号公報、特開平11−350380号公報、特開2003−96694号、特開2003―96695号公報等に示される化合物等が挙げられる。具体的には、高級アルコールのエチレンおよび/またはプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、あるいはポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物などを使用することができ、これらを単独あるいは2種以上併用することができる。好ましくは多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物等である。販売されている嵩高薬品としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、花王(株)のKB−08T、08W、KB110、115、三晶(株)のリアクトペイク、日本PMC(株)のPT−205、日本油脂(株)のDZ2220、DU3605、荒川化学(株)のR21001といった薬品があり、単独あるいは2種以上を併用してもよい。本発明の塗工紙は、原紙の透気性を向上するために、パルプの繊維間結合阻害剤をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部含有することが好ましく、特に0.2〜1.0重量部を含有することが好ましい。
原紙の抄紙方法については、従来から抄紙用に用いられている長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよい。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度のものが使用され、35〜200g/mが好ましい。また、本発明においては、原紙の密度が0.30〜1.20g/cm3のもので効果があり、好ましくは0.40〜0.80g/cm3、より好ましくは0.40〜0.65g/cmの嵩高な原紙において、本発明の効果を発揮するものである。
本発明のカチオン性ポリマーと澱粉を調製された表面処理液を原紙に塗布する方法については、特に限定されるものではなく、公知の塗布装置を用いることができる。特に、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなどが好ましい。本発明においては、原紙上に、カチオン性合成ポリマーと澱粉を混合して得られた表面処理液を上記方法にて塗布した後、更に顔料と水性接着剤を有する塗工液を塗工する。
本発明の塗工層に用いられる顔料の種類は、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコア−シェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。本発明においては、塗料の塗工適性や塗工紙の品質など所望の性質を得るため、通常複数の顔料を併用することが好ましい。また、顔料の種類としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリンが高光沢度を発現させるには、顔料100重量部当たり50重量以上含有することが好ましい。
本発明において用いる接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、あるいはポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成接着剤、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などのから、1種以上を適宜選択して使用することができる。これらの接着剤は、顔料100重量部に対して、5〜35重量部の範囲で使用される事が好ましく、より好ましくは7〜25重量部である。35重量部を超える場合は、塗料の粘度が高くなり、配管やスクリーンを通過しづらくなるといった操業性の問題が生じる等のデメリットが生じ好ましくない。また、5重量部未満の場合は、十分な表面強度が得られず好ましくない。
本発明の塗工液には、助剤として分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、
蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。特に分散剤については、
カチオン性の効果を強く発現させるために、アニオン性であるポリアクリル酸系のものを使用することが好ましい。
本発明において、原紙上に主にカチオン性合成ポリマーと澱粉を混合して得られた塗布液を塗布した後、顔料および水性接着剤を主体とするアニオン性塗工液を塗工する方法については、特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。特にブレードコーターで塗工する場合においては、他の塗工方式と比べ塗料にシェアがかかり塗料の浸透が多くなるため、カチオン性の発現が顕著となり、効果の発現が容易である。これらを用いて、原紙上に片面あるいは両面に必要に応じて3層以上塗工する。片面あたりの塗工量は0.1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは0.5〜20g/mである。また、塗工層を2層以上設ける場合、最外層の塗工量と最外層以外の内側層の塗工量の比は3:1〜1:3が好ましい。
湿潤塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
以上の様に塗工乾燥された塗工紙は、カレンダー処理を施さないまま、もしくはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑化処理を行うことができる。本発明おいて、カレンダー処理する場合は、印刷品質、作業性に優れ、表面強度が良好でかつ低密度であるより良好な印刷用塗工紙を得るためには、高温ソフトニップカレンダー処理をすることが好ましい。ソフトカレンダー処理条件としては、2ニップ以上が好ましく、2〜8ニップがより好ましい。温度条件としては、金属ロール表面温度が100〜250℃が好ましく、カレンダーの線圧としては、170〜350N/mが好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、白紙光沢度が40%以上、塗工紙の密度0.70〜1.15g/cm3でより効果を発揮するものである。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られたオフセット印刷用塗工紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)密度:JIS P 8118に基づいて測定した。
(2)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した。
(3)不透明度:JIS P 8138に基づいて測定した。
(4)インキ着肉性:東芝機械(株)のオフセット輪転機(4色)を用いてオフセット印刷インキ(東洋インキ製造(株)製 レオエックスM)を用いて印刷速度600rpmで印刷し、得られた印刷物(墨藍紅3色ベタ印刷部)の表面をJISP 8142に基づいて測定した。
(5)印刷物面感:ローランド平判印刷機(4色)にて、平判印刷用インキ(東洋インキ製 ハイユニティM)を用いて印刷速度8000枚/分で印刷し、得られた印刷物の面感を目視にて評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
(6)ローランド製オフセット枚葉印刷機(2色)にてオフセット枚葉用インキ(東洋インキ製 ハイユニティーM)を用いて印刷した後に、藍単色ベタ部の表面剥け状態を目視で評価した。
◎:極めて良好、○:良好、△:若干劣る、×:劣る
[実施例1]
〈カチオン性合成ポリマー配合表面処理(サイズプレス)液の調整〉
酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、SK−20)をクッキング後、カチオン性合成ポリマーとして印刷適性向上剤(星光PMC社製、PA6860(ポリアミン系樹脂) カチオン化度:7meq/g)を乾燥重量比でカチオン性合成ポリマー:澱粉比が30:70となるように混合し、固形分濃度5%のカチオン性合成ポリマー混合サイズプレス液を得た。
塗工原紙は化学パルプ100%、填料として軽質炭酸カルシウムを11%含有した密度0.74g/cm3で坪量69g/mの上質塗工原紙を用いた。
上記塗工原紙に調製したサイズプレス液をロッドメタリングサイズプレスを用いて、両面に2.0g/m塗工、乾燥し、73g/mの塗工原紙を得た。
(塗工液の調製)
微粒クレー(J.M.Huber社製japangloss)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度73%の微粒クレースラリーを調製した。得られた微粒クレースラリー70部(固形分)に微粒重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT-90)30部(固形分)を添加して、顔料スラリーを調製した。この様にして得られた顔料スラリーに、スチレンブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度20℃、ゲル含量85%)10部、ヒドロキシエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)6部を加えた後、さらに水を加えて固形分濃度65%とし、塗工液を調製した。
上記塗工液を上記サイズプレス処理した原紙に、片面あたりの塗工量が10g/mとなるように塗工速度1200m/minでブレードコーターを用いて両面塗工した後、塗工紙水分が5%となる様に乾燥した。その後、ショア硬度91°の弾性ロールを有する2ロール4スタックの高温ソフトカレンダーを使用し、1〜4ニップすべてが金属ロール表面温度150℃、線圧200kN/mの条件で4ニップのカレンダー処理し、印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
実施例1において表面処理液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から15:85に変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから270kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
実施例1において表面処理液の塗工量を両面2.0g/mから両面1.0g/mに変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから250kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
実施例1において表面処理液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から60:40に変更し、塗工量を両面2.0g/mから両面1.0g/mに変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから230kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
実施例1において、塗工用原紙として、塗工原紙は化学パルプ100%、填料として軽質炭酸カルシウムを11%含有し、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花王製 KB−110)を原紙重量あたり0.3%含有する坪量69g/m、密度0.68g/cm3の上質塗工原紙を用い、カレンダー処理線圧を200kN/mから220kN/mに変更た以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例6]
実施例1において、塗工用原紙に内添する填料として、軽質炭酸カルシウムのかわりに以下の製造例で調製した軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物に変更した、坪量69g/m、密度0.70g/cm3の上質塗工原紙を用い、カレンダー処理線圧を200kN/mから240kN/mに変更た以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
(製造例1:軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の調製)
反応容器中に市販ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(商品名 アルバカー5970 SMI社製)10部を水に分散し、ここにSiO濃度18.0wt/wt%、NaO濃度6.1wt/wt%のケイ酸ソーダ溶液を57部加えた後、水を加え、全量を200部とした。この混合スラリーをアジテータで十分に撹拌しながら加熱し、85℃としたスラリーに、10%硫酸溶液を撹拌しながら添加した。添加方法は、温度一定を保ち、硫酸添加後の最終pHは8.0、全硫酸添加時間は240分間となるように、一定速度で硫酸を添加し、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物スラリーを得た。このときの軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物の平均粒子径は3.4μmであり、軽質炭酸カルシウムとシリカの固形分重量比は、70/30であった。
[比較例1]
実施例1において表面処理液を塗布せず、カレンダー処理線圧を200kN/mから450kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、表面処理液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から0:100に変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから400kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
実施例1において、表面処理液中のカチオン性合成ポリマーをポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 Px−CVR)に変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから350kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例1において、表面処理液を主にカチオン性合成ポリマーと澱粉を混合した塗工液からカチオン化澱粉(エムスランドスターチ社製 EMCAT TOC カチオン化度0.2meq/g)に変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから300kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例5]
実施例1において、表面処理液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から0.5:99.5に変更し、塗工量を両面2.0g/mから両面4.0g/mに変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから350kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例6]
実施例1において、表面処理液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から80:20に変更し、カレンダー処理線圧を200kN/mから150kN/mに変更した以外は実施例1と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例7]
比較例2において、塗工用原紙として、塗工原紙は化学パルプ100%、填料として軽質炭酸カルシウムを11%含有し、パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物(花王製 KB−110)を原紙重量あたり0.3%含有する坪量69g/m、密度0.68g/cm3の上質塗工原紙を用い、カレンダー処理線圧を200kN/mから450kN/mに変更した以外は比較例2と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例8]
比較例2において、塗工用原紙に内添する填料として、軽質炭酸カルシウムのかわりに以下の製造例で調製した軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物に変更した、坪量69g/m、密度0.70g/cm3の上質塗工原紙を用い、カレンダー処理線圧を200kN/mから430kN/mに変更した以外は比較例2と同様に印刷用塗工紙を得た。
Figure 0005344967
表1に示した結果から次のことがわかる。
実施例1〜6は、比較例1〜8より密度が低いにも拘わらず、該比較例1〜8と比べて、インキ着肉性、印刷物面感及び表面強度が優れていることがわかる。実施例5及び6と比較例3とを比べると、両者はサイズプレス塗工量及びポリマーと澱粉の比が同じ条件のものであるが、カチオン性合成ポリマーを含有する実施例5及び6は、インキ着肉性及び印刷物面感が優れていることがわかる。
[実施例7]
〈カチオン性合成ポリマー配合サイズプレス液の調整〉
酸化澱粉(日本コーンスターチ社製、SK−20)をクッキング後、カチオン性合成ポリマーとして印刷適性向上剤(星光PMC社製、PA6860 カチオン化度:7meq/g)を乾燥重量比でカチオン性合成ポリマー:澱粉比が30:70となるように混合し、固形分濃度5%のカチオン性合成ポリマー混合サイズプレス液を得た。
塗工原紙は化学パルプ100%、填料として軽質炭酸カルシウムを15%含有した坪量
80g/mの上質塗工原紙を用いた。
上記塗工原紙に調製したサイズプレス液をロッドメタリングサイズプレスを用いて、両面に2.0g/m塗工、乾燥し、73g/mの塗工原紙を得た。
(塗工液の調製)
微粒クレー(EMC社製、ミラシーン)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度73%の微粒クレースラリーを調製した。得られた微粒クレースラリー20部(固形分)に微粒重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製 FMT-90)80部(固形分)を添加して、顔料スラリーを調製した。この様にして得られた顔料スラリーに、スチレンブタジエン共重合体ラテックス(ガラス転移点温度20℃、ゲル含量85%)10部、ヒドロキシエーテル化澱粉(ペンフォード社製 PG295)4部を加えた後、さらに水を加えて固形分濃度65%とし、塗工液を調製した。
上記塗工液を上記サイズプレス処理した原紙に、片面あたりの塗工量が9.5g/mとなるように塗工速度1200m/minでブレードコーターを用いて両面塗工した後、塗工紙水分が5%となる様に乾燥した。
[実施例8]
実施例7において片面あたりの塗工量を7.5g/mに変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例9]
実施例7においてサイズプレス液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から15:85に変更し、片面あたりの塗工量を8.5g/mに変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例10]
実施例7においてサイズプレス液の塗工量を両面2.0g/mから両面1.0g/mに変更し、片面あたりの塗工量を8.5g/mに変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[実施例11]
実施例7においてサイズプレス液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から60:40に変更し、塗工量を両面2.0g/mから両面1.0g/mに変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例9]
実施例7においてサイズプレス塗工を実施しなかった以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例10]
実施例7において、サイズプレス液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から0:100に変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例11]
実施例7において、サイズプレス液中のカチオン性合成ポリマーをポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール社製 Px−CVR)に変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例12]
実施例7において、サイズプレス液を主にカチオン性合成ポリマーと澱粉を混合した塗工液からカチオン化澱粉(エムスランドスターチ社製 EMCAT TOC カチオン化度0.2meq/g)に変更した以外は実施例7と同様の方法でオフセット印刷用塗工紙を得た。
[比較例13]
実施例7において、サイズプレス液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から0.5:99.5に変更し、塗工量を両面2.0g/mから両面4.0g/mに変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
[比較例14]
実施例7において、サイズプレス液のカチオン性合成ポリマー:澱粉比を30:70から80:20に変更した以外は実施例7と同様の方法で印刷用塗工紙を得た。
Figure 0005344967
表2に示した結果から次のことがわかる。
実施例7〜11は、比較例9〜14より密度が低いにも拘わらず、該比較例9〜14
と比べて、印刷物面感及び表面強度が優れていることがわかる。実施例7及び8と比較例11とを比べると、両者はサイズプレス塗工量及びポリマーと澱粉の比が同じ条件の
ものであるが、カチオン性合成ポリマーを含有する実施例7及び8は、印刷面感及び表面強度が優れていることがわかる。

Claims (2)

  1. 原紙上に表面処理層とその上に塗工層を有する印刷用塗工紙において、前記表面処理層が主成分としてカチオン性合成ポリマーおよび澱粉を、乾燥重量比でカチオン性合成ポリマー:澱粉=1:99〜70:30含有し、前記塗工層が顔料および接着剤を主体とし、ポリアクリル酸系分散剤を含有するアニオン性塗工液を塗工乾燥したものであることを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記カチオン性合成ポリマーのカチオン化度が5meq/g以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載の印刷用塗工紙。
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