JP2003293293A - グラビア印刷用塗工紙 - Google Patents
グラビア印刷用塗工紙Info
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Abstract
りわけスペックルに対して優れたグラビア印刷用塗工紙
を提供する。 【解決手段】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を
設けたグラビア印刷用塗工紙において、該原紙に広葉樹
機械パルプを含有させ、該塗工層を設ける前に中性反応
型サイズ剤を塗布することを特徴とするグラビア印刷用
塗工紙。前記広葉樹機械パルプが広葉樹木材チップをア
ルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧または加
圧リファイニング処理を行って製造する。また、前記広
葉樹機械パルプを、ルンケル比4.0以上の細胞壁厚を
有し、容積重が450kg/m3以上である広葉樹材か
ら製造する。
Description
プを含有し、低密度かつ高白色度を有するグラビア印刷
用塗工紙に関して、特にスペックルが減少し、地合, 平
滑性を改良したグラビア印刷用塗工紙に関する。
やかな色調と深みのある画像を提供できることから、ま
すます需要が伸びている。その一方で昨今、紙製品に求
められる重要な品質の一つとして嵩があげられる。近年
の環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造され
る製紙用パルプを有効に活用するうえで、紙の厚さは維
持しつつ軽量化を図る、すなわち低密度化を施した紙製
品がユーザーから求められている。
さ2〜25μの非常に小さなセル内のインキを高印圧下で
紙に転移させ、そのインキ転移量によって諧調を再現さ
せる方式であり、塗工紙の平滑性や版に密着するための
クッション性が低い場合には凸版や平版の印刷方式には
見られないインキの非転移現象である印刷ドットの白抜
け、いわゆるスペックルが発生する。
性を従来或いは従来以上の品質を維持しつつ塗工原紙と
塗工層の軽量化を図る必要がある。
は製紙用パルプに関して検討が行われる。一般的に製紙
用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行
うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であ
るリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダー
で木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精
砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメ
カニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直
で、低密度化には効果的である。しかし砕木パルプやリ
ファイナーパルプは、強力な機械的摩擦と剪断力を受け
るため剪断力によって、パルプ繊維は微細化され繊維長
が短くなる結果、紙の強度が低下してしまう。そのた
め、従来機械パルプはリグニン含有量の高い針葉樹から
製造されており、白色度の高いパルプが製造できないこ
とから、高白色度が要求される紙製品を製造する場合に
問題がある。特に、最近のフルカラー化に対応するグラ
ビア印刷用塗工紙において、画像再現性や高品質化の点
で高白色度が求められており、従来の機械パルプを使用
することには適していなかった。また、機械パルプのう
ちサーモメカニカルパルプは比較的繊維長が長く、シー
トの剛度は維持されるものの、平滑度が低下し、、これ
らのシートに顔料を含有する塗工層を設けた場合、繊維
が紙表面に浮き上がるラフニングが発生したり、画像再
現性に劣るという問題があった。
は、パルプ原料に界面活性剤を添加してパルプ表面の疎
水化を行い、密度の低いシートを製造する技術が既に公
知となっているが、高価な薬品を使用する必要があり製
造コストが増加、あるいは操業性等に劣るという問題が
あった。
再現性適性については塗工原紙よりむしろ塗工層による
ところが大半であるとされており、塗工層の平滑性やク
ッション性も重要である。従って、塗工原紙の低密度化
を進めるとともに、塗料が原紙中に適度に浸透し、塗工
層表面の平滑性を維持することが必要である。塗工時に
おける塗工原紙中への塗料浸透を抑制するためには、塗
工原紙中に填料を増配し灰分を増やすこと、塗工前に原
紙にカレンダー処理を施して原紙中の細孔を少なくする
手法が有効である。しかしながら、填料の高配合化によ
り強度は低下することや、過度のカレンダー処理を行っ
た場合には紙の密度が上昇し、クッション性が損なわれ
ることが問題であった。以上の点より、低密度を維持し
つつ、高白色度でスペックルの少ないグラビア印刷適性
に優れたグラビア印刷用塗工紙の開発が望まれていた。
み、本発明の課題は、低密度を維持しつつ高白色度で特
にスペックルの少ないグラビア印刷適性に優れたグラビ
ア印刷用塗工紙を提供することにある。
について鋭意研究を行った結果、原紙に顔料と接着剤を
含有する塗工層を設けたグラビア印刷用塗工紙におい
て、該原紙に広葉樹機械パルプを含有させ、該塗工層を
設ける前に反応型中性サイズ剤、好ましくはアルキルケ
テンダイマー系サイズ剤を塗布することにより、低密度
を維持しつつ高白色度で特にスペックルの少ないグラビ
ア印刷適性に優れたグラビア印刷用塗工紙を得ることが
できた。本発明の広葉樹機械パルプは、広葉樹の木材チ
ップをアルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧
または加圧リファイニング処理を行って製造する機械パ
ルプを使用することが好ましい。また、より嵩高で高白
色度を得るために、ルンケル比4.0以上の細胞壁厚を
有し、容積重が450kg/m3以上である広葉樹の木材チ
ップから製造する機械パルプを使用することが好まし
い。本発明のルンケル比は、R. O. H. Runkelが1940年
にWachbl. Papierfabr.誌上で発表したパラメータであ
り、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で
算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維である
ことを示している。ルンケル比はKajaani Fiber Lab.(M
etso Automation社)により測定された繊維幅、繊維壁厚
より算出されたものである。
使用される機械パルプとは、広葉樹を原料とする機械パ
ルプで、リファイナーグランドウッドパルプ(RG
P)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモ
メカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メ
カニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サー
モメカニカルパルプ(APTMP)等が例示される。こ
れらの広葉樹機械パルプの中では、前述のAPMP、A
PTMP法は他の方法で得られる機械パルプと比べ、嵩
高で、高不透明度、高白色度で、強度の強いパルプが得
られるので、これらを使用すること好ましい。
トリウム、珪酸ナトリウムなど水溶性アルカリと、過酸
化水素を含む水溶液(以下アルカリ過酸化水素水溶液と
いう)を含浸させリグニンを分解した後、常温、大気圧
下でリファイニング処理を行って製造される。一方、A
PTMPはアルカリ過酸化水素水溶液を含浸させた後、
高温・加圧下でリファイニング処理を行って製造され
る。APMPもAPTMPもリファイニング処理後、再度アルカ
リ過酸化水素水溶液とともに常温または加温下において
5分以上保持することによって、より高白色度のパルプ
が得られる。APMP、APTMPを製造する際に使用
されるアルカリ過酸化水素水溶液は、基本的には絶乾チ
ップ重量に対して0.2〜2.0重量%の水酸化ナトリ
ウム、0.2〜2.0重量%の珪酸ナトリウムなどのア
ルカリと、0.2〜5重量%の過酸化水素からなり、更
にリグニンの分解率と効率を向上するために0.01〜
0.2重量%の硫酸マグネシウム、0.05〜0.4重
量%のキレート剤を含有する水溶液であることが好まし
い。
溶液を含浸させる際、キレート剤と硫酸マグネシウムを
予めあるいは同時に含浸させることが好ましい。キレー
ト剤は広葉樹木材チップ中の金属と結合し、金属を除去
することにより過酸化水素の分解を防ぎ効率よくリグニ
ンを分解するためである。また、これら薬剤の含浸をチ
ップ内部まで効率よく行うために、木材チップを加圧し
て圧縮し、圧を解放しながら薬液を含浸させる、あるい
はチップを減圧下におきその状態で薬液を含浸させる方
法があり、前者の方法がより好ましい。更に、チップに
アルカリ過酸化水素溶液に含浸してリファイニングした
後、再度圧縮しながらアルカリ過酸化水素溶液に含浸
し、リファイニングをするのは好ましい方法である。ま
た、アルカリか酸化水素水溶液を含浸した状態を一定温
度、一定時間保持するのは、リグニンの分解に有効であ
る。
を示せば以下のa)〜i)の工程である。
以上で圧縮し、圧解放時にキレート剤水溶液を含浸させ
る工程: b) 前記含浸チップを5分以上、温度10℃〜80℃で保持
する工程: c) 前記保温含浸チップを更に少なくとも4:1の圧縮比
以上で再度圧縮し、圧解放時にアルカリ水溶液を含浸さ
せる工程: d) 前記アルカリ水溶液含浸チップを約10分〜1時間、
温度10℃〜80℃で保持する工程: e) 前記温度保持後のチップを更にアルカリ過酸水素水
溶液を含浸させて、加圧もしくは大気圧リファイニング
装置に通してチップを解繊し、漂白かつ柔軟化した木材
パルプを製造する工程: f) 前記製造パルプを温度50℃以上で5分間以上保持す
る工程: g) 前記製造パルプを濃度5%以下に希釈し、洗浄してか
ら、再度15%以上に濃縮する工程: h) 前記製造パルプを加圧もしくは大気圧でリファイニ
ングを行い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程: i) 必要に応じて得られたパルプを、酸化剤或いは還元
剤を用いて一段以上で漂白する工程 前記のa)工程においては、絶乾木材チップの約0.05
〜0.4%のキレート剤を使用するのが好ましく、ま
た、c)工程において、アルカリ性薬剤は、絶乾チップ
重量に対して約0.2〜2.0%の水酸化ナトリウム、
約0.2〜2.0%の珪酸ナトリウム、約0.01〜
0.2%の硫酸マグネシウム、約0.05〜0.4%の
キレート剤及び約0.2〜5%の過酸化水素を含有する
水溶液であることが好ましい。
酸化水素水溶液は、c)工程で使用するアルカリ性薬剤と
同様のものであって良い。
ることができ、好ましくはシングルディスクリファイナ
ー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリ
ファイナー、ツインディスクリファイナー等である。
記h)工程における酸化剤あるいは還元剤は、過酸化水
素、オゾン、過酢酸等の酸化剤或いはハイドロサルファ
イト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィ
ン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
る機械パルプの製造は、広葉樹材を使用するが、中でも
ルンケル比が4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重45
0 kg/m3以上の広葉樹材を用いることが好ましい。この
ような特性を持つ広葉樹材から作られたAPMP,APTMPは、
繊維内腔(ルーメン)が潰れにくく剛直であり、このパル
プが配合されたシートは針葉樹の機械パルプから作られ
たシートに比べ、嵩高(低密度)、高白色度で、かつ比散
乱係数が大きく(不透明度が高い)、強度も強いものとな
り、グラビア印刷用塗工紙に用いるのに適したものであ
った。このような特性を有する広葉樹材としては、ユー
カリグロビュラス、ユーカリユーログランディス、ユー
カリナイテンス、ユーカリレグナンス、ユーカリファス
ティガタ等を例示することができる。入手性と品質を勘
案すると中でもユーカリユーログランディス、ユーカリ
グロビュラスが特に好ましい。本発明の広葉樹機械パル
プは、全パルプ中の5〜50重量%使用することが好ま
しい。
高機械パルプ以外に、原料パルプとして化学パルプ(針
葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパ
ルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)また
は未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラ
ウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパ
ルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサ
ーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)
を単独または任意の割合で混合して使用する。抄造は長
網抄紙機、ギャップフォーマ、ハイブリッドフォーマ
(オントップフォーマ)など公知の抄紙機にて行うことが
でき、その抄造条件は特に規定されるものではなく、抄
紙時のpHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
い。填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリ
ン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用す
る事ができる。その紙中填料率は、3〜20重量%が好
ましい。また、本発明の塗工原紙は硫酸バンドや各種の
アニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の
歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ
剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することがで
きる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピ
ッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要
に応じて添加しても何ら問題はない。
反応型中性サイズ剤の塗布を行う。反応型中性サイズ剤
としては、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水
コハク酸系などがある。このサイズ剤がグラビア印刷適
性を良化させる理由は詳細には解明されていないが、恐
らく効率良く原紙に疎水性を付与することができるた
め、塗工時には原紙中への塗工液浸透を抑制し、原紙表
面上に均一な塗工層を形成することに起因すると考えら
れている。特にグラビア適性をより良化させるためにア
ルキルケテンダイマー系サイズ剤を使用することが好ま
しい。反応型中性サイズ剤の塗布量は0.3〜2.0g
/m2を塗布することが好ましい。また、反応型中性サ
イズ剤には表面強度の向上を目的として水溶性高分子を
混合して使用することも可能である。水溶性高分子とし
ては、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-マレイン
酸共重合体等の通常表面処理剤として使用されるものを
単独、あるいはこれらの混合物を使用することができ
る。また表面処理剤は、通常、塗工原紙が予備成形され
た後に2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコ
ーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリン
グコーターを用いて塗工原紙に塗工する方式、或いはオ
プティスプレーを用いてスプレーノズルにより塗工原紙
に直接吹き付ける方式の塗工機によって塗布することが
でき、場合によってはカレンダーにおけるサイズ剤の添
加により、又は噴霧により又は他の被覆技術により行わ
れる。反応型中性サイズ剤を施された塗工原紙は、典型
的には、公知の乾燥技術を用いて高温で乾燥される。塗
工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が30
〜200 g/m2程度を用いることができる。
工原紙の上に顔料と接着剤を含有する塗工層を設ける。
く、塗工紙用に従来から用いられている、タルク、カオ
リン、クレー、デラミネーティッドクレー、重質炭酸カ
ルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コ
ロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラ
スチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔
料は必要に応じて単独または二種以上混合して使用する
ことができる。
無く、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン-
ブタジエン系、スチレン-アクリル系、エチレン酢酸ビ
ニル系、ブタジエン-メチルメタクリレート系、酢酸ビ
ニル-ブチルアクリレート系等の各種共重合体及びポリ
ビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル
酸-メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着
剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化
澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシ
エチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリ
ン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤1種類以上
を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料10
0重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは10〜
30重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じ
て分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤
等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使
用される。
バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、
リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプ
レスコーター、ゲートロールコーターを用いて塗工原紙
に塗工する方式、或いはオプティスプレーのような塗料
をスプレーノズルにより塗工原紙に直接吹き付ける方式
の塗工機等によって一層もしくは二層以上を原紙上に片
面或いは両面に塗工する。本発明の塗工層の塗工量は、
片面当たり5〜30g/m2が好ましく、より好ましく
は7〜20g/m2である。塗工紙全体の坪量は、30
〜200 g/m2が好ましく、より好ましくは30〜
160g/m2である。
えば蒸気加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒ
ータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータ
ードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いら
れる。本発明において乾燥された塗工紙は、そのまま、
或いはスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロス
カレンダー等のカレンダー処理によって得ることができ
る。
ルプを配合し、塗工前に反応型中性サイズ剤を原紙に塗
布することにより、高白色度かつ低密度で嵩高を維持し
つつ、グラビア印刷時の品質、特にスペックル数が著し
く減少できるグラビア印刷用塗工紙を得ることができ
る。
の範囲を限定するものではない。なお、特にことわらな
い限り、例中の部、及び%はそれぞれ重量部及び重量%
を示す。 <嵩高広葉樹機械パルプの製造>広葉樹機械パルプはす
べて、ラボスケールにおいて製造を行った。
重580kg/m3、ルンケル比4.7)にジエチレン
トリアミンペンタ酢酸:DTPAを木材チップ絶乾重量
当たり0.2%となるように含浸させた後、水酸化ナト
リウム1.5%、過酸化水素2.0%、ケイ酸ソーダ
3.0%、硫酸マグネシウム0.1%、DTPA0.2
%となるように薬液を添加し、薬液含浸時と一次リファ
イニング直前に木材チップに分割して浸透させた。
した後、ラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業 BR
−300CB)を用いて一次リファイニングを行った。
得られたパルプはそのまま約60℃で30分間保持して
残存薬品の反応を進行させた後、パルプ濃度を約4%ま
で希釈してpHを約4〜8に調整し、洗浄を行った。洗
浄したパルプは再度、濃度約20%まで濃縮し、ラボ用
常圧リファイナー(熊谷理器工業 BR−300CB)
によって二次リファイニングを行った。また、二次リフ
ァイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CS
F)で100mLに調製した。
用いて、表1に示した様に紙料を調製し、Tappi標準法に
基づき角型手抄き機を使用して坪量64g/m2を目標
に抄紙し、手抄き紙を作成した(JIS P 8222 : 1998)。
2を目標に表2に示した3種の表面処理剤を塗布した。
塗布した後にシリンダードライヤーを用いて乾燥を行っ
た。
%とした。この塗料を、片面当たりの塗工量が14g/
m2になるように、手塗りブレードコーターで両面塗工
を行った。塗工後にスーパーカレンダー処理(線圧20
0kg/cm、温度75℃、速度10m/min.)を
行った。
て行った。その結果を表1に示に示した。 塗工量:塗工後サンプルを乾燥し、下式から算出した。 {塗工後重量(g)−塗布前原紙重量(g)}]/{原
紙面積(m2)} 密度:JIS P 8118 白紙光沢度:JIS P 8142 バーンアウト試験:塗工紙サンプルをバーンアウト液
(塩化アンモニウム:イソプロピルアルコール:水=
2.5:47.5:50)に含浸後、オーブン中で20
5〜210℃、120分間加熱を行った。この処理によ
り原紙は黒く炭化し、塗工層中の顔料は白いままサンプ
ル中に残存する。この結果を利用して塗工紙の顔料分布
状態を観察することができる。 L値:塗工層がより原紙表面上に存在すれば、バーンア
ウト試験後のサンプルの明度(L値)は高くなる。aufinde
r(クラボー(株)製)を用いてバーンアウト後のサンプル
の画像を取り込み、L値を測定した。 スペックル: 大蔵省式グラビア印刷機(熊谷理器工業
(株)製)を用いて、印刷速度40m/分、印圧100
kgf/cmで印刷し、印刷された塗工紙の20%ハー
フトーン部における網点欠落状態をスペックル数として
目視により評価し、スペックル数が非常に少なく良好な
場合を◎、スペックル数が少なく良好な場合を○、スペ
ックル数が少なくなく、やや不良の場合を△、スペック
ル数が多く、不良の場合を×とした。
配合してそのまま塗工液を塗工した場合には、比較例1
に示したGPを配合した場合と比較して塗工量が増加
し、白紙光沢度も低下する結果となった。比較例3、4
の様に、塗工前にサイズ剤を原紙に塗布したところ、白
紙光沢度が上昇し、塗工量も減少した。
しく向上したのは、サイズ剤としてAKDを原紙に塗布
した場合であった。バーンアウト試験後のL値を測定し
たところ、他の表面処理剤と比べて高い結果が得られ、
原紙中への塗工液浸透が抑制されていた。また、白色度
もGPを使用する場合と比べて向上し、紙の軽量化も達
成できた。
ル数の測定を行った。スペックル数は紙へのインキ転移
不良数を示すため、スペックル数が少ないほど印刷再現
性適性に優れているとみなすことができる。AKDを塗
工前に原紙に塗布した実施例1、2は、比較例よりも著
しくスペックル数が減少しており、グラビア印刷時にお
ける大幅な印刷再現性適性の向上が認められた。本発明
においては、特に白色度80%以上、密度1.05g/
cm3以下でグラビア適性に優れたグラビア印刷用塗工
紙を得ることができた。
広葉樹機械パルプを配合、そして塗工前に反応型中性サ
イズ剤を原紙に塗布することで、容易に低密度な塗工印
刷用紙を製造することが可能となった。特に本発明はグ
ラビア印刷時に優れた印刷再現性適性を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を
設けたグラビア印刷用塗工紙において、該原紙に広葉樹
機械パルプを含有させ、該塗工層を設ける前に反応型中
性サイズ剤を塗布することを特徴とするグラビア印刷用
塗工紙。 - 【請求項2】 前記広葉樹機械パルプが広葉樹木材チッ
プをアルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧ま
たは加圧リファイニング処理を行って製造することを特
徴とする請求項1記載のグラビア印刷用塗工紙。 - 【請求項3】 前記広葉樹機械パルプを、ルンケル比
4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重が450 kg/
m3以上である広葉樹材から製造することを特徴とする
請求項1または2に記載のグラビア印刷用塗工紙。 - 【請求項4】 前記広葉樹機械パルプの配合量が5〜5
0重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のグラビア
印刷用塗工紙。 - 【請求項5】 前記反応型中性サイズ剤がアルキルケテ
ンダイマー系である請求項1〜4のいずれかに記載のグ
ラビア印刷用塗工紙。
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