JP2003147697A - 情報記録用紙 - Google Patents

情報記録用紙

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JP2003147697A
JP2003147697A JP2001338809A JP2001338809A JP2003147697A JP 2003147697 A JP2003147697 A JP 2003147697A JP 2001338809 A JP2001338809 A JP 2001338809A JP 2001338809 A JP2001338809 A JP 2001338809A JP 2003147697 A JP2003147697 A JP 2003147697A
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Mitsuhiro Sugino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低密度で剛度があり、高白色度で平滑度にも
優れ、記録適性に優れた情報記録用紙を提供する。 【解決手段】 広葉樹材から製造する機械パルプを含有
する情報記録用紙であり、好ましくはルンケル比4.0以
上の細胞壁厚を有し、容積重450 kg/m3以上の広葉樹材
をアルカリ過酸化水素溶液に含浸させた後、常圧または
加圧リファイニング処理を行うことにより製造された機
械パルプを含有する情報記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高白色度、高平滑
度、低密度、高剛度及び寸法安定性に優れた情報記録用
紙、特に電子写真用転写紙に関する。
【0002】
【従来の技術】情報用紙に求められる重要な品質として
嵩と白色度、不透明度など光学特性や情報記録機器中で
の用紙走行性、環境変化に対する寸法安定性があげられ
る。近年の環境保護気運の高まりに伴い、ユーザーから
古紙パルプ高配合品が求められつつある。情報記録機器
中での用紙の走行性には一定の紙のこわさ即ち剛度が必
要である。しかし、古紙パルプは、繊維が古紙パルプ化
工程を経ることで損傷を受け、厚さが低下するのみなら
ず、不透明度、剛度、寸法安定性を低下させてしまう欠
点があり、その解決が急務であった。
【0003】紙の剛度は厚さの3乗に比例すると言われ
ており、紙の嵩が重要である。また不透明度も嵩高であ
る方が非結合面積は多くなるため光の散乱が増え有利で
ある。紙の嵩高化、すなわち低密度化を行うためには、
化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを
抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り
潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファ
イナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパル
プのような機械パルプの方が繊維は剛直で、低密度化に
は効果的である。しかし碎木パルプやリファイナーパル
プは強力な機械的摩擦と剪断力をうけるため剪断力によ
ってパルプ繊維は微細化され繊維長が短くなる結果紙の
強度が低下してしまう。そのため、従来機械パルプは繊
維長が長い針葉樹から製造されており、リグニン含有量
が多く白色度の高いパルプが製造できないことから、高
白色度が要求される紙製品を製造するには使用されてこ
なかった。特に情報用紙は最近のカラー化に伴う色再現
性や商品価値の点で高白色度が求められており、従来の
機械パルプを使用することは適していなかった。また、
機械パルプのうちサーモメカニカルパルプは繊維の微細
化程度が少なく、シートの剛度は維持されるものの平滑
度が低下し、画像再現性に問題があった。
【0004】紙の低密度化の手法としては、パルプ原料
に界面活性剤を添加してパルプ表面の疎水化を行い、密
度の低いシートを製造する技術が既に公知となっている
が、高価な薬品を使用する必要があり薬品の消費量が増
加する欠点が生じていた。
【0005】また、情報用紙である電子写真用転写紙に
古紙を高配合した場合に生ずるしわや紙詰まりの改善を
目的として、機械パルプを一定量以上配合することを一
条件とする技術が、特許公報第2969368号、同3
003371号、同3003372号、同300337
3号に開示されている。これらの公報には機械パルプの
樹種や製法は開示されていないが、上記理由で針葉樹の
ものと考えられる。また、これらの公報には白色度や平
滑度に関する開示もされていない。
【0006】以上の点から、低密度で剛度があり、高白
色度で平滑度にも優れ記録適性に優れた情報記録用紙が
求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に鑑
み、本発明の課題は、特に古紙を高配合した場合でも低
密度で剛度があり、高白色度で平滑度にも優れ記録適性
に優れた情報記録用紙を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、情報記録
用紙に配合する機械パルプとして広葉樹より製造した機
械パルプとすることにより上記課題が解決されることを
見いだし本発明を完成した。
【0009】即ち本発明の第1の発明は、広葉樹木材チ
ップから製造した機械パルプを配合した情報記録用紙で
ある。
【0010】第2の発明は、広葉樹木材チップにアルカ
リ性無機塩を含浸させた後、常圧または加圧リファイニ
ングして得た機械パルプを配合した情報記録用紙であ
る。
【0011】第3の発明は、広葉樹木材チップにアルカ
リ性過酸化水素を含浸させ、あるいは更にキレート化剤
を含浸させた後、常圧または加圧リファイニングして得
た機械パルプを配合した情報記録用紙である。
【0012】第4の発明は、第3の発明において常圧ま
たは加圧リファイニングした広葉樹パルプを、そのまま
常温または加温下に所定時間保持した後、常圧または加
圧下で2次リファイニングして得たパルプを配合した情
報記録用紙である。
【0013】第5の発明は、広葉樹木材チップが、ルン
ケル比が4.0以上の細胞壁を有し、容積重が450k
g/m3以上の広葉樹の木材チップである上記第1から
第4の何れかの発明の情報記録用紙である。
【0014】第6の発明は、全パルプ中の少なくとも5
0重量%以上の脱墨パルプと5〜50重量%の上記第1
から第5の発明の広葉樹パルプを配合した情報記録用紙
である。
【0015】第7の発明は、情報記録用紙が電子写真用
転写紙である上記第1から第6の発明の情報記録用紙で
ある。 《ルンケル比の規定》本文中のルンケル比は、R. O. H.
Runkelが1940年にWachbl. Papierfabr.誌上で発表した
パラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/
(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛
直な繊維であることを示している。なお、本文中で表記
しているルンケル比はFiber Lab.(Kajaani社)により測
定された繊維幅、繊維壁厚より算出されたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録用紙に使用され
る広葉樹機械パルプとは、広葉樹材を原料とする機械パ
ルプで、リファイナーグランドウッドパルプ(RG
P)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモ
メカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メ
カニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サー
モメカニカルパルプ(APTMP)等が例示される。
【0017】これらの広葉樹機械パルプのなかでは、前
述のAPMP、APTMPは他の方法で得られる機械パ
ルプと比べ、嵩高で、高不透明度、高白色度で、強度の
高いパルプが得られるので、これらを使用することが好
ましい。
【0018】APMPは、広葉樹木材チップに水酸化ナ
トリウム、珪酸ナトリウムなど水溶性アルカリと、過酸
化水素を含む水溶液(以下アルカリ過酸化水素水溶液と
いう)を含浸させリグニンを分解した後、常温、大気圧
下でリファイニング処理を行って製造される。一方、A
PTMPはアルカリ過酸化水素水溶液を含浸させた後、
高温・加圧下でリファイニング処理を行って製造され
る。APMPもAPTMPもリファイニング処理後、再度アルカ
リ過酸化水素水溶液とともに常温または加温下において
5分以上保持することによって、より高白色度のパルプ
が得られる。APMP、APTMPを製造する際に使用
されるアルカリ過酸化水素水溶液は、基本的には絶乾チ
ップ重量に対して0.2〜2.0重量%の水酸化ナトリウム、
0.2〜2.0重量%の珪酸ナトリウムなどのアルカリと、0.
2〜5重量%の過酸化水素からなり、更にリグニンの分解
率と効率を向上するために0.01〜0.2重量%の硫酸マグ
ネシウム、0.05〜0.4重量%のキレート剤を含有する水
溶液であることが好ましい。
【0019】広葉樹木材チップにアルカリ過酸化水素水
溶液を含浸させる際、キレート剤と硫酸マグネシウムを
予めあるいは同時に含浸させることが好ましい。キレー
ト剤は広葉樹木材チップ中の金属と結合し、金属を除去
することにより過酸化水素の分解を防ぎ効率よくリグニ
ンを分解するためである。また、これら薬剤の含浸をチ
ップ内部まで効率よく行うために、木材チップを加圧し
て圧縮し、圧を解放しながら薬液を含浸させる、あるい
はチップを減圧下におきその状態で薬液を含浸させる方
法があり、前者の方法がより好ましい。更に、チップに
アルカリ過酸化水素溶液に含浸してリファイニングした
後、再度圧縮しながらアルカリ過酸化水素溶液に含浸
し、リファイニングをするのは好ましい方法である。ま
た、アルカリか酸化水素水溶液を含浸した状態を一定温
度、一定時間保持するのは、リグニンの分解に有効であ
る。
【0020】具体的なAPMP、APTMPの製造方法
を示せば以下のa)〜i)の工程である。
【0021】a) 木材チップを少なくとも4:1の圧縮比
以上で圧縮し、圧解放時にキレート剤水溶液を含浸させ
る工程: b) 前記含浸チップを5分以上、温度10℃〜80℃で保持
する工程: c) 前記保温含浸チップを更に少なくとも4:1の圧縮比
以上で再度圧縮し、圧解放時にアルカリ水溶液を含浸さ
せる工程: d) 前記アルカリ水溶液含浸チップを約10分〜1時間、
温度10℃〜80℃で保持する工程: e) 前記温度保持後のチップを更にアルカリ過酸水素水
溶液を含浸させて、加圧もしくは大気圧リファイニング
装置に通してチップを解繊し、漂白かつ柔軟化した木材
パルプを製造する工程: f) 前記製造パルプを温度50℃以上で5分間以上保持す
る工程: g) 前記製造パルプを濃度5%以下に希釈し、洗浄してか
ら、再度15%以上に濃縮する工程: h) 前記製造パルプを加圧もしくは大気圧でリファイニ
ングを行い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程: i) 必要に応じて得られたパルプを、酸化剤或いは還元
剤を用いて一段以上で漂白する工程 前記のa)工程においては、絶乾木材チップの約0.05〜0.
4%のキレート剤を使用するのが好ましく、また、c)工程
において、アルカリ性薬剤は、絶乾チップ重量に対して
約0.2〜2.0%の水酸化ナトリウム、約0.2〜2.0%の珪酸ナ
トリウム、約0.01〜0.2%の硫酸マグネシウム、約0.05〜
0.4%のキレート剤及び約0.2〜5%の過酸化水素を含有す
る水溶液であることが好ましい。
【0022】前記のe)工程において使用するアルカリ過
酸化水素水溶液は、c)工程で使用するアルカリ性薬剤と
同様のものであって良い。
【0023】リファイニングは一般の解繊装置を使用す
ることができ、好ましくはシングルディスクリファイナ
ー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリ
ファイナー、ツインディスクリファイナー等である。
【0024】一層高い白色度が求められる場合に行う前
記h)工程における酸化剤あるいは還元剤は、過酸化水
素、オゾン、過酢酸等の酸化剤或いはハイドロサルファ
イト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィ
ン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
【0025】本発明の情報記録用紙に使用される機械パ
ルプの製造は、広葉樹材を使用するが、中でもルンケル
比が4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重450 kg/m3以上の
広葉樹材を用いることが好ましい。このような特性を持
つ広葉樹材から作られたAPMP,APTMPは、繊維内腔(ルー
メン)が潰れにくく剛直であり、このパルプが配合され
たシートは針葉樹の機械パルプから作られたシートに比
べ、嵩高(低密度)、高白色度で、かつ比散乱係数が大き
く(不透明度が高い)、強度も強いものとなり、情報記録
用紙に用いるのに適したものであった。このような特性
を有する広葉樹材としては、ユーカリグロビュラス、ユ
ーカリユーログランディス、ユーカリナイテンス、ユー
カリレグナンス、ユーカリファスティガタ等を例示する
ことができる。入手性と品質を勘案すると中でもユーカ
リユーログランディス、ユーカリグロビュラスが特に好
ましい。
【0026】本発明の情報記録用紙は上記の嵩高機械パ
ルプ以外に、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒
クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NU
KP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒ク
ラフトパルプ(LUKP)等)、針葉樹の機械パルプ(グラ
ウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパ
ルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサ
ーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DI
P)を単独または任意の割合で混合して使用する。広葉
樹機械パルプ、特にAPMP、APTMPの使用は、脱墨パルプ
(DIP)を主材とする場合に効果が顕著であり、DIPと広葉
樹機械パルプの配合割合としては、9:1〜5:5程度
とすることによりDIP使用による前記問題点が好ましく
改善される。
【0027】本発明の情報記録用紙の抄造は、長網抄紙
機、ツインワイヤー抄紙機などの公知の抄紙機で行うこ
とができ、その抄造条件は特に規定されるものではな
く、抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれ
でも良い。
【0028】本発明の情報記録用紙は填料を使用しても
良い。填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオ
リン、イライト、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭
酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等を挙げるこ
とが出来る。その紙中填料率は、3〜20重量%であ
る。本発明で情報記録用紙に使用する内添サイズ剤は特
に限定されるものではなく、公知の内添サイズ剤の中か
ら適宜選択して使用することが出来る。好ましい内添サ
イズ剤としては、例えば、アルキルケテンダイマー系、
アルケニル無水コハク酸系、強化ロジン系、ロジンエマ
ルジョン系サイズ剤等を挙げることが出来る。通常、内
添サイズ剤の使用量は、好ましくはパルプ当たり0.0
5〜0.6重量%の範囲で調整される。
【0029】また、本発明の情報記録用紙には、必要に
応じて結着剤、導電剤等を含んだ塗工液を塗工すること
ができる。
【0030】結着剤の種類としては、原紙との接着力が
強くしかも用紙間のブロッキングを起こさなければ特に
限定されるものではない。このような結着剤としては、
酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプ
ン、カチオン化デンプンなどのデンプン類、ポリビニル
アルコール及びその誘導体、カゼイン、大豆タンパク質
類、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセ
ルロ−ス等のセルロース誘導体等が挙げられる。また必
要に応じて、例えばスチレン−アクリル樹脂、イソブチ
レン−無水マレイン酸樹脂、アクリルエマルジョン、酢
酸ビニルエマルジョン、ポリエステルエマルジョン、ス
チレン−ブタジエンラテックス、アクリルニトリルブタ
ジエンラテックス等の水分散性樹脂や、さらに消泡剤、
表面サイズ剤、水溶性高分子の耐水化剤、pH調整剤、
色相を調整する為の染料や有色顔料、蛍光染料等を本発
明の効果を損なわない範囲内で適宜併用することが可能
である。
【0031】また、電子写真方式よって良好な画像を得
るためには、用紙の電気抵抗値を調整するために通常塩
化ナトリウム等の導電剤を使用することが好ましく、特
に用紙焼却時の塩素化合物発生量を削減するためには、
非塩素系無機化合物であることが望ましい。非塩素系無
機化合物の導電剤の種類としては、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウ
ム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、及
び燐酸三ナトリウム等の非塩素系アルカリ金属塩を単独
又は併用して使用することがインクジェット記録におけ
るインク発色性の観点から特に好ましい。
【0032】上記塗工液を塗工する方法としては、各種
サイズプレス、各種ブレ−ド塗工、ロ−ル塗工、エア−
ナイフ塗工、バ−塗工等の公知の塗工方法を用いて、必
要に応じて片面または両面に設けることができるが、操
業性やコストの観点から、オンマシンで両面同時に塗布
できるサイズプレス塗工方法を用いることが好ましい。
更に、表面仕上げとして、マシンカレンダー、ソフトカ
レンダー、スーパーカレンダー等の各種カレンダー装置
を単独又は併用して使用することができる。
【0033】本発明の情報記録用紙は、電子写真用転写
紙、インクジェット記録用紙等に用いることができる。
また、顔料を含む塗工層を有する感圧複写紙、感熱記録
紙、電子写真用転写紙、インクジェット記録用紙などの
原紙として用いることもできる。
【0034】
【実施例】以下に典型的な例として電子写真用転写紙の
場合を実施例で示すが、この実施例は本発明の範囲を限
定するものではない。なお、特に断らない限り部および
%は重量基準である。 <嵩高な機械パルプの製造> CTMP (Chemithermo mechanical pulp, 製造例1, 4, 7) 薬液含浸装置を用いて、木材チップに、木材チップ絶乾
重量当たり2.0%の亜硫酸ソーダを含む薬液を含浸さ
せた。薬液含浸は1段浸透のみ行い、133℃、3分間予熱
を行った後に加圧型シングルディスクリファイナーを用
いて1次リファイニングを行った。2次リファイニングは
常圧型ダブルディスクリファイナーを用いて行い、カナ
ダ標準フリーネス(CSF)約100mLのパルプを調製した。な
お、リファイニング濃度は1次、2次共20%であった。 APTMP (Alkaline peroxide thermomechanical pulp, 製
造例2,5) 薬液含浸装置を用いて、木材チップに、木材チップ絶乾
重量当たり1.5%の苛性ソーダ、2.0%の珪酸ソー
ダ、0.05%の硫酸マグネシウム、0.3%のDTPA及
び2.5%の過酸化水素を含む薬液を含浸させた。前記
薬液含浸チップを温度約60℃で30分間保持した後、133
℃、6〜10秒間予熱を行い、加圧型シングルディスクリ
ファイナーを用いて1次リファイニングを行った。2次リ
ファイニングは常圧型ダブルディスクリファイナーを用
いて行い、カナダ標準フリーネス(CSF)約100mLのパルプ
を調製した。なお、リファイニング濃度は1次、2次共20
%であった。 APMP (Alkaline peroxide mechanical pulp, 製造例3,
6) 薬液含浸装置を用いて、木材チップに木材チップ絶乾重
量当たり0.2%のDTPAを含む薬液を含浸させた。前記
薬液含浸チップを温度約60℃で30分間保持した後、木材
チップ絶乾重量当たり1.5%の苛性ソーダ、3.0%
の珪酸ソーダ、0.1%の硫酸マグネシウム、0.2%
のDTPA及び2.0%の過酸化水素を含む薬液を調製し、
再度薬液含浸装置による薬液含浸と薬液含浸チップの保
持を実施した。アルカリ過酸化水素を含む薬液は1次リ
ファイナーに薬液含浸チップを供給する際にも添加し
た。1次リファイニングはチップ濃度20%で常圧型ダブ
ルディスクリファイナーを用いて行った。
【0035】得られたパルプはそのまま約60℃で30分間
保持し、残存薬品の漂白反応を進行させた後、パルプ濃
度を約4%まで希釈してpHを約4〜8に調整し、洗浄を行
った。洗浄したパルプは再度濃度約20%まで濃縮し、常
圧型ダブルディスクリファイナーを用いて2次リファイ
ニングを行い、カナダ標準フリーネス(CSF)約100mLのパ
ルプを調製した。
【0036】表1にパルプ製造処方を示す。
【0037】
【表1】 以下に実施例及び比較例における評価方法を示す。
【0038】試験条件23℃、50%RHの条件下で、(1)
〜(6)の評価を行った。 (1)坪量:JIS P 8124に準じて測定した。 (2)厚さ及び密度:JIS P 8118に準じて測定した。 (3)白色度:JIS P 8123に準じて測定した。 (4)不透明度:JIS P 8138に準じて測定した。 (5)平滑度:JIS P 8119に準じて測定した。 (6)クラーク剛度(横):JIS P 8143に準じて測定し
た。 (7) 電子写真(コピー)適性:キャノン製複写機
(NP6250機)でA4トレイを使用して連続200
枚印字し、定着しわ、重送、ジャム、印字後の紙揃いに
ついて評価した。定着しわ、重送、ジャムトラブル、印
字後の紙の不揃いが抑えられ良好なものを○とし、定着
しわ、重送、ジャムトラブル、印字後の紙の不揃いの何
れかが抑えられず不良なものを×とした。 [実施例1〜6及び比較例1〜4]表2中に示したパルプ配
合、及びパルプ絶乾重量に対して炭酸カルシウム及びカ
オリンをそれぞれ4重量%を加え、その他の薬品として
アルケニルコハク酸無水物、カチオン化デンプンをそれ
ぞれ0.1重量%、0.5重量%を添加したスラリーを
ツインワイヤー抄紙機で抄速550m/分で坪量64g
/m2の電子写真用転写紙を得た。
【0039】
【表2】 実施例1〜6では、低密度で剛度があり、高白色度で平
滑度、不透明度に優れ、コピー適性にも優れていた。特
にユーカリグロビュラスを用いた場合が優れていた。比
較例1のDIPのみでは、厚さが薄く剛度が低い、白色
度、不透明度が低く、コピー適性が不良であった。比較
例2〜4は20%を他の原料と置き換えているが、ラジア
ータパインCTMPと置き換えた比較例2では嵩と不透明
度、記録適性は改善されたが、平滑度が低下した。ま
た、LBKPと置き換えた比較例4では白色度以外は殆ど改
善されなかった。GPと置き換えた比較例3では全体的に
改善が認められたが、改善幅は低かった。
【0040】
【発明の効果】本発明により、特に古紙を高配合した場
合でも低密度で剛度があり、高白色度で平滑度にも優れ
記録適性に優れた情報記録用紙を得ることができた。ま
た、本発明で使用する嵩高機械パルプは、化学パルプと
同等の白色度を有し、高収率でもあることから化学パル
プの代替として機械パルプの使用促進にも寄与するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 卓也 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 杉野 光弘 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 (72)発明者 宮西 孝則 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4L055 AA03 AB12 AC01 AC09 BA14 BB03 EA04 EA18 EA25 FA12 FA13 FA30 GA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 広葉樹材から製造した機械パルプを含有
    する情報記録用紙。
  2. 【請求項2】 広葉樹材チップより、常圧または加圧リ
    ファイニング装置を使用して製造した嵩高な機械パルプ
    を含有する請求項1項に記載の情報記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記木材チップをアルカリ過酸化水素溶
    液に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処
    理を行って製造した嵩高な機械パルプを含有する請求項
    1または2のいずれかに記載の情報記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記木材チップをアルカリ過酸化水素溶
    液に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処
    理を行った後、薬液とともに常温または加温下において
    保持して製造した嵩高な機械パルプを含有する請求項1
    〜3のいずれかに記載の情報記録用紙。
  5. 【請求項5】 ルンケル比4.0以上の細胞壁厚を有し、容
    積重が450kg/m3以上である広葉樹材から製造した嵩高な
    機械パルプを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の情
    報記録用紙。
  6. 【請求項6】 全パルプ中の50重量%以上が脱墨パル
    プであり、前記広葉前記機械パルプの量が5〜50重量%
    である、請求項1〜5のいずれかに記載の情報記録用
    紙。
  7. 【請求項7】 情報記録用紙が電子写真用転写紙である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報
    記録用紙。
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