JP4814448B2 - 印刷用塗工紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低密度かつ高白色度で印刷適性に優れた印刷用塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、印刷用塗工紙に求められる重要な品質の一つとして嵩があげられる。近年の環境保護気運の高まりに伴い、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用するうえで、紙の厚さは維持しつつ軽量化を図る、すなわち低密度化を施した紙製品がユーザーから求められている。
【0003】
紙の低密度化(嵩高化)の方法としては製紙用パルプに関して検討が行われる。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で効果的である。しかし、現行の機械パルプはリグニン含有量の高い針葉樹から製造されており、白色度の高いパルプが製造できないことから、高白色度が要求される紙製品を製造する場合に問題がある。また、機械パルプのうちサーモメカニカルパルプは比較的繊維長が長く、剛度が高いことから製造したシートの平滑度が低下することや、顔料を塗工する場合またはヒートセット型オフセット輪転機にて印刷する場合に、繊維が紙表面に浮き上がるラフニングが発生する問題がある。また、嵩高な原紙を使用した場合、繊維間強度が弱くなり、オフセット輪転印刷時において、インキを乾燥させた場合、塗工紙の含有水分が塗工紙表面から抜けず、ブリスターという表面に膨れが発生する問題があった。
【0004】
塗工紙用原紙の嵩高化として嵩高な填料の使用が考えられる。例えば特開平5-339898号公報には中空の合成有機物カプセルを配合することにより低密度化する手法が開示されている。しかしながらこのような合成有機物は紙力を低下させるため、印刷時の紙ムケや断紙などの問題がある上、十分な嵩高効果を得るには高配合する必要があるため、製造原価が高くなる等の問題もあった。特開昭52-74001号公報には、シラスバルーンを用いる方法が提案されている。しかしこれは、製紙用パルプとの混合性が悪く、また、それを配合した用紙も印刷むらが発生するなどの問題があった。
【0005】
塗工原紙の低密度化のその他の手法としては、パルプ原料に界面活性剤を添加してパルプ表面の疎水化を行い、密度の低いシートを製造する技術が特許第3093200号に記載されている。しかしながら、高価な薬品を使用する必要があり製造コストが増加、あるいは操業性等に劣るという問題があった。
【0006】
以上の様な背景から、低密度かつ高白色度でラフリング、耐ブリスター性などの印刷適性に優れた印刷用塗工紙の開発が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、低密度かつ高白色度で、ラフニング、耐ブリスター性などの印刷適性に優れた印刷用塗工紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意研究を行った結果、原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、広葉樹の木材チップをアルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処理を行って製造する機械パルプを原紙に含有することによって、低密度かつ高白色度で、ラフニング、耐ブリスターなどの印刷適性に優れた印刷用塗工紙を得ることができた。本発明においては、木材チップをアルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処理を行った後、薬液とともに常温または加温下において一定時間保持して製造することが好ましい。また、より嵩高で高白色度を得るために、ルンケル比4.0以上の細胞壁厚を有し、容積重が450kg/m以上である広葉樹の木材チップから製造する機械パルプを使用することが好ましい。また、本発明で用いる広葉樹から製造する機械パルプは、濾水度100mlの時のシート密度が0.45g/cm以下が好ましい。尚、この機械パルプのシートはJIS P 8228:1998に準じて作成したものである。
【0009】
本発明で用いるルンケル比は、R.O.H.Runkelが1940年にWachbl.Papierfabr.誌上で発表したパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。ルンケル比はFiber Lab.(Kajaani社)により測定された繊維幅、繊維壁厚より算出されたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の塗工原紙に使用される機械パルプとは、広葉樹を原料とする機械パルプで、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)等が挙げられ、嵩高、高不透明度、高白色度が得られる点からAPMP、APTMPを使用することが好ましい。
【0012】
APMPは、木材チップに例えば水酸化ナトリウム、過酸化水素、珪酸ナトリウムを含むアルカリ過酸化水素水溶液を含浸させ、大気圧でリファイニング処理を行って製造され、APTMPは高温・加圧下でリファイニング処理を行って製造されるものであり、より高白色度を得るためにリファイニング処理した後、更にアルカリ過酸化水素水溶液とともに常温又は加温下において5分以上保持される。
【0013】
より好ましくは、以下のa)〜i)の工程を経て、APMP、APTMPを製造することができる。
a)広葉樹の木材チップを少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、圧解放時にキレート剤を含浸させる工程:
b)前記含浸チップを5分以上、温度10℃〜80℃で保持する工程:
c)前記含浸チップを更に少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、解放時にアルカリ性薬液を含浸させる工程:
d)前記含浸チップを約10分〜1時間、温度10℃〜80℃で保持する工程:
e)前記処理チップを更にアルカリ過酸化物を含浸させて、加圧もしくは大気圧リファイニング装置に通してチップを解繊し、木材パルプを製造する工程:
f)前記製造パルプを温度50℃以上で5分間以上保持する工程:
g)前記製造パルプを濃度5%以下に希釈し、洗浄してから、再度15%以上に濃縮する工程:
h)前記製造パルプを加圧もしくは大気圧でリファイニングを行い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程:
i)必要に応じて得られたパルプが、酸化剤或いは還元剤を用いて一段以上で漂白される工程を経て製造される。
【0014】
前記のa)工程においては、約0.05〜0.4%のなどのキレート剤を使用するのが好ましく、また、c)工程において使用するアルカリ性薬剤は、絶乾チップ重量に対して約0.2〜2.0%の水酸化ナトリウム、約0.2〜2.0%の珪酸ナトリウム、約0.01〜0.2%の硫酸マグネシウム、約0.05〜0.4%のキレート剤及び約0.2〜5%の過酸化水素を含有する水溶液であることが好ましい。
【0015】
前記のe)工程において、漂白及び柔軟化がなされた木材チップには、一次リファイニング直前にキレート剤を含むアルカリ過酸化物が添加され、加圧もしくは大気圧リファイニング装置にてパルプ繊維に解繊される。リファイニングは一般の解繊装置で充分であり、好ましくはシングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等で解繊される。
【0016】
得られた嵩高機械パルプにより高い白色度が求められる場合には、1つ以上の公知の漂白工程によりパルプを更に漂白することができる。この場合には、過酸化水素、オゾン、過酢酸等の酸化剤あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
【0017】
上記製造工程を経て製造された機械パルプは、高白色度、高不透明度で、強度が強いものである。特にルンケル比4.0以上で容積重450kg/m以上の高容積重材から製造した機械パルプは、繊維内腔(ルーメン)がつぶれにくく剛直であるため、このパルプ繊維が配合されたシートは、嵩高構造を維持し、密度が低くすることができる。使用する樹種としては、ユーカリ属が好ましく、より好ましくはユーカリグロビュラス、ユーカリグランディス等である。また、使用する広葉樹機械パルプのシート密度が0.45g/cm以下が好ましく、より好ましくは0.35g/cm以下である。尚、本発明においては機械パルプの効果をより発揮させるために、上記嵩高な機械パルプを全パルプ中の5〜95重量%が好ましく、より好ましくは、5〜50重量%である。
【0018】
本発明の印刷用塗工紙の原紙としては上記の嵩高機械パルプ以外に、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を単独または任意の割合で混合して使用する。原紙の抄造は長網抄紙機、ギャップフォーマ、ハイブリッドフォーマ(オントップフォーマ)など公知の抄紙機にて行うことができる。その抄造条件は特に規定されるものではなく、抄紙時のpHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
【0019】
本発明の印刷用塗工紙の原紙は填料を含有しても良い。填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用する事ができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
【0020】
さらに、表面強度やサイズ性向上の目的で、水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行っても良い。水溶性高分子としては、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の表面処理材として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター等の塗工機によって塗布することができる。塗工原紙としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が30〜200g/m程度を用いることができる。
【0021】
本発明においては、以上のように得られた塗工原紙の上に顔料と接着剤を含有する塗工層を設ける。
【0022】
本発明で用いられる顔料は、特に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられている、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プラスチックピグメントなどの有機顔料であり、これらの顔料は必要に応じて単独または二種以上混合で使用することが出来る。
【0023】
本発明で用いられる接着剤は、特に制限は無く、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は顔料100重量部当たり5〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部程度の範囲で使用される。また、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常の塗工紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
【0024】
調整された塗工液は、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等を用いて、一層もしくは二層以上を原紙上に片面または両面に塗工する。本発明の塗工層の塗工量は、片面当たり5〜30g/mが好ましく、より好ましくは7〜20g/mである。塗工紙全体の坪量は、30〜200g/mが好ましく、より好ましくは30〜160g/mである。
【0025】
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いられる。
【0026】
本発明において乾燥された塗工紙は、そのまま、あるいはスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等のカレンダー処理によって得ることができる。本発明の印刷用塗工紙は、密度1.10g/cm以下、白色度80.0%以上のものが好ましい。
以上の様に、広葉樹から製造された嵩高な機械パルプを原紙に配合することにより、嵩高軽量かつ高白色度で、耐ブリスター性、ラフニングなどの印刷適性が良好な印刷用塗工紙が得られる。本発明の印刷用塗工紙は、オフセット印刷用塗工紙、凸版印刷用塗工紙、グラビア印刷用塗工紙等に使用することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。尚、特に断らない限り、例中の部、および%はそれぞれ、重量部および重量%を示す。
<嵩高機械パルプの製造>
(製造例1、4、7)
CTMP (ケミサーモメカニカル)法
薬液として亜硫酸ソーダを木材チップ絶乾重量当たり2.0%添加し、室温、減圧下で30分間含浸させた。薬液浸透後チップを取り出し、原料濃度40%となるように調整した。次にラボ用加圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BRP45−300SS)を用いて、一次リファイニングを行った。その後、パルプ濃度20%でラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BR−300CB)によって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で100mlに調整した。
(製造例2、5)
APTMP (アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ)法
木材チップを薬液(木材チップ絶乾重量当たり水酸化ナトリウムを1.5%、ジエチレントリアミンペンタ酢酸:DTPA0.3%、ケイ酸ナトリウム2.0%、硫酸マグネシウム0.05%となるように添加)中に室温、減圧(−760mmHg)下で30分含浸した。一度常圧まで戻した後、薬液に過酸化水素溶液を2.5%添加して再度室温、減圧下で1時間含浸させた。
【0028】
そのチップを温度60℃で30分間保持した後、ラボ用加圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BRP45−300SS)を用いて一次リファイニングを行った。その後、パルプ濃度20%でラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BR−300CB)によって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で100mlに調整した。
(製造例3、6)
APMP(アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ)
木材チップにDTPAを木材チップ絶乾量当たり0.2%となるように含浸させた後、水酸化ナトリウム1.5%、過酸化水素2.0%、ケイ酸ソーダ3.0%、硫酸マグネシウム0.1%、DTPA0.2%となるように薬液を添加し、薬液含浸時と一次リファイニング直前に木材チップに分割して浸透させた。
【0029】
そのチップを温度60℃で30分間保持した後、ラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BR−300CB)を用いて一次リファイニングを行った。得られたパルプはそのまま約60℃で30分間保持して残存薬品の反応を進行させた後、パルプ濃度を4%まで希釈してpHを4〜8に調整し、洗浄を行った。洗浄したパルプは再度、濃度20%まで濃縮し、ラボ用常圧リファイナー(熊谷理器工業(株)製 BR−300CB)によって二次リファイニングを行った。また、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)で100mlに調整した。
【0030】
表1に示した製造処方に従って薬液を調製し、嵩高な機械パルプを得た。製造例1〜7で得られたパルプを製造パルプ▲1▼〜▲7▼とする。
【0031】
【表1】
Figure 0004814448
[実施例1]
上記で得られた製造パルプ▲1▼をパルプ重量当たり30%、晒しクラフトパルプ(濾水度410ml)70%からなるパルプスラリーを配向性シートマシン(熊谷理器工業(株)製)を用いて、坪量64g/mの原紙を得た。
【0032】
次に顔料として重質炭酸カルシウムを80部、二級カオリンを10部、微粒カオリンを10部、分散剤としてポリアクリルソーダを0.05部、バインダーとしてカルボキシ変性スチレンブタジエンラテックスを11部、燐酸エステル化澱粉4部を加え、さらに水を加えて65%濃度に調整した塗工液を、塗工量が片面あたり14g/mとなるように、塗工速度800m/分でCLC(シリンダーラボコーター)で、原紙に両面塗工を行った後、スーパーカレンダー処理することにより印刷用塗工紙を得た。
[実施例2]
製造パルプ▲1▼に替えて製造パルプ▲2▼を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例3]
製造パルプ▲1▼に替えて製造パルプ▲3▼を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例4]
製造パルプ▲1▼に替えて製造パルプ▲4▼を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例5]
製造パルプ▲1▼に替えて製造パルプ▲5▼を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[実施例6]
製造パルプ▲1▼に替えて製造パルプ▲6▼を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例1]
製造パルプ▲1▼に替えて製造パルプ▲7▼を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例2]
製造パルプ▲1▼に替えてGP(アカマツ、濾水度64ml)を使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
[比較例3]
パルプとしてLBKP(濾水度410ml)のみを使用した以外は実施例1と同様に印刷用塗工紙を得た。
【0033】
得られた印刷用塗工紙は、以下の評価項目で評価し、結果を表2に示した。
〈評価項目〉
1.密度: JIS P 8118
2.白色度: JIS P 8123
3.ラフニング: ファイバーライジングテスター(商品名:FIBRO 1000、Fibro system社製)を用いて、ヒートセット後の繊維毛羽立ち数を測定した。この装置は水を試料表面に塗布(水滴量8.0μl)して、150℃で乾燥させた後、試料を折り曲げた時の表面状態をCCDカメラにより画像解析を行うものである。
4.耐ブリスター性:RI−II型印刷機(明製作所製)を用い、東洋インキ製(TKマーク617)を使用し、インキ量0.8cc一定で両面印刷して一昼夜調湿した後、この試験片を温度140℃に設定した恒温オイルバスに浸し、ブリスター(塗工紙表面のふくれ)の発生状況を目視判定した。
【0034】
○=発生しない、△=ときどき発生する、×=発生が著しい
【0035】
【表2】
Figure 0004814448
表2から明らかなように、実施例1〜6は、低密度、高白色度でラフニング、耐ブリスター性などの印刷適性に優れていた。比較例1は、白色度、ラフニング、比較例2は、密度、白色度、耐ブリスター性、比較例3は密度に劣っていた。
【0036】
【発明の効果】
高白色度を有する嵩高機械パルプを配合することにより、容易に低密度、高白色度でラフニング、耐ブリスター性などの印刷適性に適した印刷用塗工紙を得ることができた。

Claims (8)

  1. 原紙に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた印刷用塗工紙において、原紙に、容積重が450kg/m 以上であるユーカリ・グロビュラスの広葉樹材から製造した広葉樹機械パルプを含有することを特徴とする印刷用塗工紙。
  2. 前記広葉樹機械パルプが、亜硫酸ソーダを用いるケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)またはアルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)である、請求項1に記載の印刷用塗工紙。
  3. 広葉樹木材チップをアルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処理を行って製造する機械パルプを原紙に含有する、請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。
  4. 広葉樹木材チップをアルカリ過酸化水素溶液に含浸させてから、常圧または加圧リファイニング処理を行った後、薬液とともに常温または加温下において一定時間保持して製造する機械パルプである、請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  5. 前記広葉樹材が、ルンケル比4.0以上の細胞壁厚を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  6. 前記機械パルプの配合量が全パルプ中の5〜95重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  7. 前記機械パルプの配合量が全パルプ中の30〜95重量%である、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
  8. 前記広葉樹機械パルプが、濾水度を100mlにした該パルプからJIS P8222:1998に準じて作成したシートの密度が0.45g/cm以下となる広葉樹機械パルプである、請求項1〜7のいずれかに記載の印刷用塗工紙。
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