JP4738662B2 - 新聞用紙 - Google Patents
新聞用紙 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4738662B2 JP4738662B2 JP2001236791A JP2001236791A JP4738662B2 JP 4738662 B2 JP4738662 B2 JP 4738662B2 JP 2001236791 A JP2001236791 A JP 2001236791A JP 2001236791 A JP2001236791 A JP 2001236791A JP 4738662 B2 JP4738662 B2 JP 4738662B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pulp
- hardwood
- newsprint
- mechanical pulp
- hydrogen peroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は低密度でかつ、不透明度や白色度のような光学特性に優れた新聞用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用することや物流コストの削減という点から新聞用紙の軽量化がユーザーから求められている。一方、近年の環境保護気運の高まりに伴い、新聞用紙への古紙パルプの増配も望まれている。しかしながら、軽量化の動きの中で高密度、低不透明度である古紙パルプの増配は新聞用紙の嵩、及び不透明度の観点から制限されており、これらを解決するため嵩高化、高不透明度化の手段が必要であった。
【0003】
紙の嵩高化、すなわち低密度化の方法としては製紙用パルプに関して検討が行われてきた。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、またはサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で、低密度化には効果的である。しかし、砕木パルプは比散乱係数が高く高不透明度を紙に寄与するものの、強度が弱く、また原料となる丸太の確保も困難になってきている。また、砕木パルプは一般にリファイナーメカニカルパルプよりも嵩がでにくい。一方、針葉樹リファイナーパルプは嵩が出やすく強度も強い反面、比散乱係数が低く、紙の不透明度にあまり寄与しない。
【0004】
また、機械パルプのうちサーモメカニカルパルプは繊維長が長く、剛度は高いが、製造したシートの平滑度が低下することが問題であった。
【0005】
新聞用紙の低密度化の手法として、特許公報第3041297号には多価アルコールと脂肪酸エステルから成る嵩高剤を添加してパルプ繊維表面の疎水化を行い、密度の低い新聞用紙を製造する方法が記載されているが、高価な薬品を使用する必要がありコストが増加することや紙の強度が低下する欠点が生じていた。
【0006】
また、高不透明度化の方法としては填料の増添も考えられるが、これも紙の強度や嵩を低下させ、また、紙粉の原因となるため添加率は制限されると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高不透明度、嵩高でかつ印刷適性に優れた新聞用紙を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、広葉樹より製造した機械パルプは針葉樹より製造した機械パルプに比べ繊維は細かく光学特性も高いことから、新聞用紙の不透明度向上に効果的であると考え、広葉樹材、より好ましくはルンケル比4.0以上の厚い細胞壁を有し、450kg/m3以上の高容積重をもつ広葉樹材、化学薬品処理を施して製造される嵩高な機械パルプを配合することにより、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明で定義しているルンケル比は、R.O.H.Runkelが1940年にWachbl.Papierfabr.誌上で発表したパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。なお、明細書中で表記しているルンケル比はFiber Lab.(Kajaani社)により測定された繊維幅、繊維壁厚より算出されたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の新聞用紙に使用される広葉樹機械パルプとは、広葉樹材を原料とする機械パルプで、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)、アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)等が例示される。
【0011】
本発明で使用する広葉樹機械パルプとしては、前述のAPMP、APTMPは嵩高で、かつ高不透明度、高白色度で、強度の高いパルプが得られるので、これらを使用することが好ましい。APMPは、木材チップに水酸化ナトリウム、過酸化水素、珪酸ナトリウムを含むアルカリ過酸化水素水溶液を含浸させ、大気圧でリファイニング処理を行って製造され、APTMPは高温・加圧下でリファイニング処理を行って製造される。さらに、リファイニング処理後、アルカリ過酸化水素水溶液とともに常温または加温下において5分以上保持することによって、より高白色度のパルプが得られる。APMP、APTMPを製造する際に使用されるアルカリ過酸化水素水溶液は、絶乾チップ重量に対して0.2〜2.0重量%の水酸化ナトリウム、0.2〜2.0重量%の珪酸ナトリウム、0.01〜0.2重量%の硫酸マグネシウム、0.05〜0.4重量%のキレート剤及び0.2〜5重量%の過酸化水素を含有する水溶液であることが好ましい。
【0012】
また、APMP、APTMPは以下のa)〜i)の工程で製造されることが好ましい。
a)広葉樹木材チップを少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、圧解放時にキレート剤を含浸させる工程
b)前記含浸チップを5分以上、温度10℃〜80℃で保持する工程
c)前記含浸チップを更に少なくとも4:1の圧縮比以上で圧縮し、解放時にアルカリ性薬液を含浸させる工程
d)前記含浸チップを約10分〜1時間、温度10℃〜80℃で保持する工程
e)前記処理チップを更にアルカリ過酸化物を含浸させて、加圧もしくは大気圧リファイニング装置に通してチップを解繊し、木材パルプを製造する工程
f)前記製造パルプを温度50℃以上で5分間以上保持する工程
g)前記製造パルプを濃度5%以下に希釈し、洗浄してから、再度15%以上に濃縮する工程
h)前記製造パルプを加圧もしくは大気圧でリファイニングを行い、所望の濾水度を有するパルプを得る工程
i)必要に応じて得られたパルプが、酸化剤あるいは還元剤を用いて一段以上で漂白される工程を経て製造される。
【0013】
前記のa)工程においては、0.05〜0.4%のキレート剤を使用するのが好ましく、また、c)工程において、アルカリ性薬剤は、絶乾チップ重量に対して0.2〜2.0重量%の水酸化ナトリウム、0.2〜2.0重量%の珪酸ナトリウム、0.01〜0.2重量%の硫酸マグネシウム、0.05〜0.4重量%のキレート剤及び0.2〜5重量%の過酸化水素を含有する水溶液であることが好ましい。
【0014】
前記のe)工程において、漂白及び柔軟化がなされた木材チップには、1次リファイニング直前にキレート剤を含むアルカリ過酸化物が添加され、加圧もしくは大気圧リファイニング装置にてパルプ繊維に解繊される。リファイニングは一般の解繊装置で充分であり、好ましくはシングルディスクリファイナー、コニカルディスクリファイナー、ダブルディスクリファイナー、ツインディスクリファイナー等で解繊される。
【0015】
アルカリ過酸化水素水溶液中の過酸化水素によりチップは漂白されるが、過酸化水素の反応効率を高めるため、金属イオンを除去しておくことが望ましい。従って、アルカリ過酸化水素水溶液を添加する前の工程でキレート剤により金属イオンと錯体形成させて、過酸化水素の分解を防止する。キレート剤としては、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン)酢酸、あるいはそれらのアルカリ金属塩が好ましい。
【0016】
得られた広葉樹機械パルプにより高い白色度が求められる場合には、1工程以上の公知の漂白工程によりパルプを更に漂白することができる。この場合には、過酸化水素、オゾン、過酢酸等の酸化剤、あるいはハイドロサルファイト(亜二チオン酸ナトリウム)、硫酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアミジンスルフィン酸(FAS)等の還元剤を用いることができる。
【0017】
上述の広葉樹機械パルプにおいて、特にルンケル比4.0以上で、容積重450kg/m3以上の高容積重材から製造された広葉樹機械パルプは、繊維内腔(ルーメン)がつぶれにくく剛直であるため、このパルプ繊維が配合された紙は、嵩高構造を維持し、密度が低下する。このような樹種としては、ユーカリ属、特にユーカリ・グロビュラス、ユーカリ・グランディス、ユーカリ・ユーロフィラ、ユーカリ・ナイテンス、ユーカリ・レグナンス等が好ましい。
【0018】
さらに、カナダ標準濾水度100mlに調製し、JIS P 8222 : 1998に準じて手抄き紙を作成した時、該手抄き紙の密度が0.45g/cm3以下となる広葉樹機械パルプであれば、嵩高な新聞用紙を製造することが可能となる。
【0019】
本発明の新聞用紙は上記の広葉樹から製造された機械パルプ以外に、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、針葉樹の機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RMP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を単独または任意の割合で混合して使用する。
【0020】
本発明の新聞用紙は、広葉樹機械パルプの含有率が5〜95重量%の範囲で製造することが可能である。近年、省資源の観点から脱墨パルプの配合率を高くすることが求められているので、広葉樹機械パルプの含有率が5〜60重量%で、かつ脱墨パルプの含有率が40〜95重量%であることが好ましい。
【0021】
本発明の新聞用紙は長網抄紙機、ギャップフォーマ、ハイブリッドフォーマ(オントップフォーマ)など公知の抄紙機にて抄造することができる。その抄造条件は特に規定されるものではなく、抄紙時のpHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
【0022】
本発明の新聞用紙は填料を含有しても良い。填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用する事ができる。
【0023】
また、本発明の新聞用紙は硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加しても何ら問題はない。
【0024】
さらに、表面強度やサイズ性向上の目的で、水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行っても良い。水溶性高分子としては、澱粉、酸化澱粉、加工澱粉、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター等の塗工機によって塗布することができる。
【0025】
以上の様に、広葉樹機械パルプを配合することにより、高白色度、高不透明度でかつ嵩高で、強度の高い新聞用紙が得られる。例えば、広葉樹材から製造されたAPMPあるいはAPTMPを配合することにより、坪量35〜50g/m2、白色度53%以上、不透明度90%以上、密度0.6g/cm3以下である新聞用紙を製造することが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を示すが、この実施例は本発明の範囲を限定するものではない。なお、説明中%は重量%である。
【0027】
<機械パルプの製造>
表1に示した広葉樹木材チップあるいは針葉樹木材チップより、ラボスケールの装置を用い、以下に示す方法にて機械パルプを製造した。
【0028】
[製造例1、4、7]
ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)の製造
亜硫酸ナトリウムを木材チップ絶乾重量当たり2.0%添加し、室温、−760mmHgの減圧下で30分間含浸させた。薬液浸透後チップを取り出し、原料濃度40%で、ラボスケール加圧リファイナー(熊谷理器工業製 BRP45-300SS)を用いて、温度133℃で一次リファイニングを行った。さらに、パルプ濃度20%に調製し、ラボスケール常圧リファイナー(熊谷理器工業製 BR-300CB)によって、大気圧下で二次リファイニングを行った。この時、二次リファイニング後の濾水度はカナダ標準フリーネス(CSF)100mlに調整した。
【0029】
[製造例2、5]
アルカリ過酸化水素サーモメカニカルパルプ(APTMP)の製造
木材チップを薬液(木材チップ絶乾重量当たり水酸化ナトリウムを1.5%、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)0.3%、ケイ酸ナトリウムを2.0%、硫酸マグネシウムを0.05%となるように添加)中に室温、−760mmHgの減圧下で30分含浸した。一度常圧まで戻した後、薬液に過酸化水素溶液を木材チップ絶乾重量当たり2.5%となるように添加して再度室温、−760mmHgの減圧下で1時間含浸させた。次に、チップを温度60℃で30分間保持した後、原料濃度40%で、ラボスケール用加圧リファイナー(熊谷理器工業製 BRP45-300SS)を用いて、温度133℃で一次リファイニングを行った。その後、パルプ濃度20%に調製し、ラボスケール常圧リファイナー(熊谷理器工業製 BR-300CB)によって、大気圧下で二次リファイニングを行った。この時、二次リファイニング後の濾水度はCSF100mlに調整した。
【0030】
[製造例3、6]
アルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)の製造
木材チップにDTPAを木材チップ絶乾重量当たり0.2%となるように−760mmHgの減圧下で含浸させた後、木材チップ絶乾重量当たり水酸化ナトリウムを1.5%、過酸化水素を2.0%、ケイ酸ナトリウムを2.0%、硫酸マグネシウムを0.1%、DTPAを0.2%となるように薬液を、−760mmHgの減圧下で薬液含浸時と一次リファイニング直前に木材チップに分割して浸透させた。次に、木材チップを温度60℃で30分間保持した後、原料濃度40%で、ラボスケール常圧リファイナー(熊谷理器工業製 BR-300CB)を用いて、大気圧下で一次リファイニングを行った。得られたパルプはそのまま60℃で30分間保持して残存薬品の反応を進行させた後、パルプ濃度を4%まで希釈してpHを7に調整し、洗浄を行った。洗浄したパルプは再度、濃度20%まで濃縮し、ラボスケール常圧リファイナー(熊谷理器工業製 BR-300CB)によって、大気圧下で二次リファイニングを行った。この時、二次リファイニング後の濾水度はCSF100mlに調整した。
【0031】
表1に示した製造処方に従って薬液を調製し、機械パルプを製造し、さらに得られたパルプからJIS P 8222 : 1998に従って手抄き紙を作製し、JIS P 8148に準じて白色度、及びJIS P 8138に準じて不透明度を測定し、結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
製造例1〜6の広葉樹機械パルプは製造例7の針葉樹機械パルプと同等の不透明度を有しながら、より高白色度のパルプであった。特に、製造例2、5のAPTMP、製造例3、6のAPMPは白色度が顕著に高くなった。
【0033】
<新聞用紙の製造>
[実施例1〜12及び比較例1〜8]
製造例1〜7で製造した機械パルプ、さらにアカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を用い、表2に示したパルプ配合の混合パルプスラリーに、パルプ絶乾重量に対してシリカ系填料を対パルプ重量当たり1%となるように加えて紙料を調製した。この紙料よりTappi標準角型手抄き機を使用して、JIS P 8222 : 1998に従って手抄き紙を作製し、評価を行った。ただし、比較例5のみシリカ系填料の添加率を4%とした。
【0034】
実施例及び比較例で製造した新聞用紙を23℃、50%RHの条件下で調湿後、以下の項目を測定し、結果を表3に示した。
・坪量:JIS P 8124に準じて測定した。
・厚さ及び密度:JIS P 8118に準じて測定した。
・白色度:JIS P 8123に準じて測定した。
・不透明度:JIS P 8138に準じて測定した。
・引張り強さ:JIS P 8113に準じて測定した。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
表3に示したように、比較例1と比較例2の新聞用紙と比較すると、同じパルプ配合及び填料配合率で坪量のみを約3g/m2低下させると、不透明度、強度が低下する。比較例2に対してDIPを増配した比較例3、4の新聞用紙では、強度は向上したが不透明度が低下した。また、不透明度対策として填料を増添した比較例5の新聞用紙では強度が極端に低下した。同様に不透明度対策としてパルプの一部をGPと置き換えた比較例6〜8の新聞用紙では強度が低下した。これに対して、広葉樹機械パルプを使用した実施例1〜16の新聞用紙では、DIPを60%あるいは70%配合した場合でも不透明度、強度が坪量が約3g/m2高い比較例1の新聞用紙と同等以上であった。特に、ユーカリ・グロビュラスのAPMPの配合率が高い実施例13〜16の新聞用紙では高白色度でありながら、非常に高い不透明度を有していた。
【0037】
【発明の効果】
広葉樹機械パルプを配合することにより、容易に低密度で不透明度の高い新聞用紙を製造することが可能となり、このことにより古紙パルプの増配が可能になることから環境面からも大きく貢献する。また、本発明で使用する嵩高機械パルプは、化学パルプと同等の白色度を有し、高収率であることから化学パルプの代替として機械パルプの使用促進にも寄与するものである。
Claims (6)
- 容積重が450kg/m3以上であるユーカリ・グロビュラスの広葉樹材から製造したアルカリ過酸化水素メカニカルパルプ(APMP)である広葉樹機械パルプを含有する新聞用紙であって、該広葉樹機械パルプの含有率が5〜60重量%、脱墨パルプの含有率が40〜95重量%である、上記新聞用紙。
- 広葉樹木材チップを水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、過酸化水素、キレート剤を含むアルカリ過酸化水素水溶液に含浸させてから、常圧リファイニング処理を行って製造したAPMPである広葉樹機械パルプを含有する、請求項1に記載の新聞用紙。
- 広葉樹木材チップを水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、過酸化水素、キレート剤を含むアルカリ過酸化水素水溶液に含浸させてから、常圧リファイニング処理を行った後、薬液とともに常温または加温下において保持して製造したAPMPである広葉樹機械パルプを含有する、請求項1または2に記載の新聞用紙。
- 前記広葉樹材が、ルンケル比4.0以上の細胞壁厚を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の新聞用紙。
- 坪量35〜50g/m2、白色度53%以上、不透明度90%以上、密度0.6g/cm3以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の新聞用紙。
- 前記広葉樹機械パルプが、カナダ標準濾水度を100mlに調製した該パルプよりJIS P8222:1998に準じて手抄き紙を作成した時、該手抄き紙の密度が0.45g/cm3以下となる広葉樹機械パルプである、請求項1〜5のいずれかに記載の新聞用紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236791A JP4738662B2 (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 新聞用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001236791A JP4738662B2 (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 新聞用紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003049385A JP2003049385A (ja) | 2003-02-21 |
JP4738662B2 true JP4738662B2 (ja) | 2011-08-03 |
Family
ID=19067997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001236791A Expired - Fee Related JP4738662B2 (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 新聞用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4738662B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4275936B2 (ja) * | 2002-12-24 | 2009-06-10 | 日本製紙株式会社 | 機械パルプの製造方法 |
JP4722439B2 (ja) * | 2004-09-16 | 2011-07-13 | 大王製紙株式会社 | クラフト包装用紙とその製造方法 |
JP4911887B2 (ja) * | 2004-09-29 | 2012-04-04 | 大王製紙株式会社 | 高平滑更紙 |
JP2006124885A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Daio Paper Corp | 中性新聞用紙およびその製造方法 |
JP4766867B2 (ja) * | 2004-11-15 | 2011-09-07 | 大王製紙株式会社 | 高平滑更紙 |
JP4943210B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2012-05-30 | 日本製紙株式会社 | オフセット印刷用新聞用紙 |
JP4640677B2 (ja) * | 2006-10-06 | 2011-03-02 | 丸住製紙株式会社 | 新聞用紙 |
FR2937656B1 (fr) * | 2008-10-24 | 2010-11-19 | Arkema France | Procede de fabrication de pate a papier |
Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5365401A (en) * | 1976-11-23 | 1978-06-10 | Defibrator Ab | Method and apparatus for continuously producing pulp from fibrous lignocellulose material |
JPS54138602A (en) * | 1978-04-20 | 1979-10-27 | Hitachi Shipbuilding Eng Co | Apparatus for producing chemi * thermomechanical pulp by liquid phase cooking system |
JPS5685488A (en) * | 1979-12-17 | 1981-07-11 | Mitsubishi Gas Chemical Co | Hydrogen peroxide refiner bleaching method of pulp |
JPS588195A (ja) * | 1981-07-08 | 1983-01-18 | 王子製紙株式会社 | 機械パルプの製造方法 |
JPS6241389A (ja) * | 1985-08-13 | 1987-02-23 | 日立造船株式会社 | 繊維質原料の機械パルプ化法 |
JPH03227500A (ja) * | 1989-12-16 | 1991-10-08 | Jujo Paper Co Ltd | 複数の層から成るオフセット印刷用新聞用紙 |
JPH06133657A (ja) * | 1992-10-23 | 1994-05-17 | Nippon Paper Ind Co Ltd | ユーカリプタス グロブラスの大量クローン増殖方法 |
JPH06220788A (ja) * | 1991-04-17 | 1994-08-09 | Elf Atochem Sa | 製紙用高収率高漂白度パルプの製造方法 |
JPH08280282A (ja) * | 1995-04-12 | 1996-10-29 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | ユーカリ・グロブラス(E.globulus)のクローン苗培養法 |
JPH0978491A (ja) * | 1995-09-13 | 1997-03-25 | Nippon Paper Ind Co Ltd | 中性新聞用紙及びその製造方法 |
JPH11200278A (ja) * | 1997-09-16 | 1999-07-27 | Metsae Serla Oy | ペーパーウェブの製造方法 |
JP2000273796A (ja) * | 1999-03-26 | 2000-10-03 | Oji Paper Co Ltd | 新聞用紙 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH510168A (it) * | 1969-07-30 | 1971-07-15 | Vita Mayer & C Gia | Processo per la produzione di paste ad alta resa ed alto grado di bianco per uso cartario |
-
2001
- 2001-08-03 JP JP2001236791A patent/JP4738662B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5365401A (en) * | 1976-11-23 | 1978-06-10 | Defibrator Ab | Method and apparatus for continuously producing pulp from fibrous lignocellulose material |
JPS54138602A (en) * | 1978-04-20 | 1979-10-27 | Hitachi Shipbuilding Eng Co | Apparatus for producing chemi * thermomechanical pulp by liquid phase cooking system |
JPS5685488A (en) * | 1979-12-17 | 1981-07-11 | Mitsubishi Gas Chemical Co | Hydrogen peroxide refiner bleaching method of pulp |
JPS588195A (ja) * | 1981-07-08 | 1983-01-18 | 王子製紙株式会社 | 機械パルプの製造方法 |
JPS6241389A (ja) * | 1985-08-13 | 1987-02-23 | 日立造船株式会社 | 繊維質原料の機械パルプ化法 |
JPH03227500A (ja) * | 1989-12-16 | 1991-10-08 | Jujo Paper Co Ltd | 複数の層から成るオフセット印刷用新聞用紙 |
JPH06220788A (ja) * | 1991-04-17 | 1994-08-09 | Elf Atochem Sa | 製紙用高収率高漂白度パルプの製造方法 |
JPH06133657A (ja) * | 1992-10-23 | 1994-05-17 | Nippon Paper Ind Co Ltd | ユーカリプタス グロブラスの大量クローン増殖方法 |
JPH08280282A (ja) * | 1995-04-12 | 1996-10-29 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | ユーカリ・グロブラス(E.globulus)のクローン苗培養法 |
JPH0978491A (ja) * | 1995-09-13 | 1997-03-25 | Nippon Paper Ind Co Ltd | 中性新聞用紙及びその製造方法 |
JPH11200278A (ja) * | 1997-09-16 | 1999-07-27 | Metsae Serla Oy | ペーパーウェブの製造方法 |
JP2000273796A (ja) * | 1999-03-26 | 2000-10-03 | Oji Paper Co Ltd | 新聞用紙 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003049385A (ja) | 2003-02-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20140000825A1 (en) | Chemical Activation and Refining of Southern Pine Kraft Fibers | |
CN114008267A (zh) | 精制的纤维素纤维组合物 | |
CN111936698A (zh) | 氧化微原纤化纤维素纤维和其组合物 | |
JP4738662B2 (ja) | 新聞用紙 | |
JP4814448B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP5550946B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP4799774B2 (ja) | 印刷用紙 | |
JP5925995B2 (ja) | フラッフ化パルプを含有する紙 | |
WO2015012167A1 (ja) | クラフト紙及びクラフト紙の製造方法 | |
JP4298663B2 (ja) | マーセル化パルプの製造方法およびこれを含有した嵩高紙 | |
JP2003027385A (ja) | 機械パルプの製造方法 | |
JP4501329B2 (ja) | グラビア印刷用塗工紙 | |
JP5729095B2 (ja) | 広葉樹機械パルプの製造方法 | |
JP2008248417A (ja) | 広葉樹機械パルプ | |
JP2002294574A (ja) | 嵩高パルプの製造法 | |
JP6927403B1 (ja) | 紙の製造方法 | |
US20040084161A1 (en) | Method for the production of fiber pulp | |
JP2650981B2 (ja) | 紙の製造方法 | |
JP5118369B2 (ja) | 印刷用塗工紙及びその製造方法 | |
JPH0849187A (ja) | オフセット印刷用塗工紙 | |
JP2006225774A (ja) | 嵩高印刷用紙およびその製造方法 | |
JP2021183750A (ja) | 紙の製造方法 | |
JP2003278091A (ja) | 嵩高紙 | |
JPH1046494A (ja) | オフセット輪転印刷用塗被紙の製造方法 | |
JP2007314916A (ja) | 中性紙及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080213 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20080314 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100629 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20100726 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100909 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101105 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110303 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20110314 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110331 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110427 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |