JPH03227500A - 複数の層から成るオフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は新聞用紙、特に表面強度に優れたオフセット印
刷用新聞用紙に関する。

［従来技術］ 新聞輪転機は従来の凸版印刷に代わりオフセット印刷化
が進み、近年のカラー化、新聞社の分散工場化に伴う輪
転機の増設、改造はほとんどオフセット輪転機となって
いる。

オフセット印刷ではインキに耐水性を付与する必要から
凸版印刷よりインキの夕、ツクが高く、それだけオフセ
ット印刷用の新聞紙には表面強度が必要であり、表面強
度が弱いとブランケットやガイドロールに紙粉が堆積し
、印刷品質の劣化を引き起こしたり、走行性に問題をお
よぼす場合もある。

一般に新聞紙には砕木パルプ（以下ＧＰと略す）サーモ
メカニカルパルプ（以下ＴＭＰと略す）等の機械パルプ
と、クラフトパルプ等の化学パルプ（以下ＣＰと略す）
及び故紙パルプ（以下ＤＩＰと略す）が配合されている
。これらのパルプの性質は一長一短があり、ＧＰは不透
明度に優れるが、強度は弱い。ＴＭＰは不透明度はやや
優れた性質を示すが、使用するチップによっては放射柔
細胞が紙粉となりやすく、表面強度が劣る。ＣＰは強度
は強いが、不透明度が低下する。ＤＩＰは密度が高く嵩
が低いので、増連（巻取長さの延長）には適するが、不
透明度、剛度の低下を生ずる。このようにこれらのパル
プはそれぞれの性質に背反性を有しており、従来の新聞
紙はこれらのパルプを一様に混合し、パルプ配合を変化
させることにより品質をコントロールしていた。

このような状況下で新聞用紙の表面強度を増すための対
応としてパルプ強度の強いＣＰの増配、あるいは強度低
下を避けるためにカレンダーやブレーカ−スタックで余
り紙をつぶさない等の手段がとられていた。しかしカレ
ンダー等で紙をつぶさないと巻取径が増すので、増速に
伴う巻取径の制限をオーバーしてしまうといった問題や
、紙の平滑度が低下するので印刷品質の低下といった問
題を生ずる。また化学パルプの増配によっても表面強度
のアップができるが、不透明度の低下やコストアップ、
反省資源といった問題がある。さらに、化学パルプ配合
を増加させる場合を想定すると、前述のパルプの持つ背
反性により、バランス上池のバージンパルプの配合率も
増加させる必要があり、結果として、省資源、省エネル
ギーであるＤＩＰの配合率が減ってしまう。

またパルプ配合を変えずに表面強度を向上させる手段と
して、紙表面にサイズプレスによりデンプン等を塗布す
る方法もとられるが、このような紙は水を吸いに（＜、
ドライヤーを備えていないオフセット印刷機ではインキ
と湿し水のバランスを崩したり、インキの乾きが遅いた
め印面汚れを発生するなど弊害も多い。

いずれにしても当業者にとってオフセット印刷用新聞用
紙として必要とする表面強度を得るための満足な手段は
見当たらないのが現状である。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は上述した状況に鑑み新聞用紙に要求される高速
印刷中に断紙を起こさない強度と、一般の印刷用紙に比
べ坪量が軽いがために必然的に厚さが薄くなるにもかか
わらず、印刷した文字が裏から透けて見えることのない
不透明度といった品質を満足しつつ、且つ表面強度の強
いオフセット印刷用新聞用紙の提供を課題とした。

［課題を解決するための手段］ 上記課題はオフセット印刷用新聞紙として抄紙機のワイ
ヤーパートにおいて故紙パルプと機械パルプを含む内層
の両面に、化学パルプを主原料とする外層を形成した複
数の層からなるオフセ・ノド印刷用新聞用紙、また抄紙
機のワイヤーノで一トにおいて、内層とこの内層の両面
に内層より微細繊維の比率を高くした外層を形成した複
数の層から成るオフセット印刷用新聞用紙とすることに
より解決された。

すなわち本発明の第１の発明はオフセット印刷用新聞用
紙として表面強度が弱いＤＩＰ、ＧＰ。

ＴＭＰを内層に配置し、その両面に表面強度の強い化学
パルプを外層に配置した構造としたことにある。

化学パルプとしてはＫＰが代表的なものであるが本発明
に於いては他の化学パルプであってもかまわない。

各パルプの使用割合は従来の新聞用紙と同程度で良く一
般的にはＣＰ１５％〜３０％、ＧＰＩＯ〜２５％。

ＴＭＰ１５〜３５％、ＤＩＰ２０〜５５％である。従来
の新聞用紙はこれらのパルプを一様に混合して形成して
いたが、本発明における最も好ましい形は、上記パルプ
のＤＩＰ、ＧＰ、ＴＭＰ’Ｊの故紙パルプと機械パルプ
の所定割合を一様に混合して内層の原料とし、ＫＰ等の
化学パルプを全て外層の原料として抄紙機のワイヤーパ
ートで三層に形成したものである。しかし本発明はこの
形に限定するものではな（、パルプの性質や要求品質を
考慮して内層に少量の化学パルプを、外層に少量の故紙
パルプや機械パルプを配合して形成してもよい。

本発明の課題を達成する第２の発明はパルプの繊維長の
長短によってもパルプ性質が異なる点に着目してなされ
たものであり、同じパルプ配合であっても紙表面に微細
繊維が多い紙は少ない紙に比べ表面強度に優るという知
見に基ずくものである。各パルプの微細繊維の表面強度
に対する効果はＣＰが最も高いが、機械パルプの微細繊
維が形成する紙層も全体パルプの紙層より表面強度の強
いものとなる。従って内層とするパルプの種類や配合は
特に限定するものではなく、従来の新聞用紙を構成する
のに使用されていたもので差し支えない。本発明の最も
好ましい形は、配合するパルプを予め篩分けし、微細繊
維の多い部分を外層用紙料とし、少ない部分を内層用紙
料として抄紙機のワイヤーパートにおいて内層の両面に
微細繊維の比率を内層よりも高くした外層を形成するこ
とによりパルプ配合を変えずに表面強度を改善すること
ができる。

本発明の目的とする多層紙を抄紙機のワイヤーパートで
形成させる設備としては、ＢＥＬＯＩＴ社、　　ＶＡＬ
ＭＥＴ−ＫＭＷ社等においてマルチレイヤーへラドボッ
クスが開発されてお５す、このマルチレイヤーへラドボ
ックスを現在の単一原料層を吐出する機構のヘッドボッ
クスと置換することにより上記の多層紙の形成が可能と
なる。

［作　用］ 本発明では表面強度が強いＣＰを外層とし、不透明性に
優れたＧＰ、ＴＭＰを内層に配置するので、強度、不透
明度を損なうことなく印刷強度に優れたオフセット用新
聞用紙を、また表面強度が強い微細繊維が多い外層を内
層の両面に形成することにより印刷強度に優れたオフセ
ット印刷用新聞用紙を得ることができる。

［実施例］ 以下に本発明の代表的な実施例を記載するが本発明は下
記の実施例の範囲に限定されるものではない。

実ｕｎｉ 熊谷理機工業社製０ＲｒＥＮＴＥＤ　５ＨＥＥＴ　ＦＯ
ＲＭＥＲニＪ：リワイヤースピード７５０ｍ／ｗｉｎで
外層用の化学パルプ、あらかじめ混合されているＧＰ、
　　ＴＭＰ、　　ＤＩＰから成る内層用原料、再度外層
用の化学パルプを順次供給し紙層を形成し、脱水、乾燥
することにより、厚さ方向で異なった原料層からなる三
層紙を作製し、印刷による表面強度、その他の紙質を評
価した。

印刷はプリューフバウ印刷適性試験機を用い５゜Ｘ２０
０ｍｍの版面を有するブランケット版に、東洋インキ製
Ｗｅｂ　Ｚｅｔｔ　ＬＦ墨を２００＝＝供給し湿し水と
してインプロパ／−ルｌＯ％液を１０＝＝を供給後直ち
に印圧６０ＯＮ、　　スピード２．ｈ／ｓにて２２℃５
５％に調湿された部屋において印刷した。表面強度はウ
ェット印刷部の繊維のムケの状態の官能評価により、ま
た他の紙質はＪＩＳ規格により測定した。

表面強度はムケが全くみられないものを１とし、全面に
ほぼ一様にムケがみられるものを５として順次格付けし
、評価が３以上のものは実用不可とし、本発明外である
。

作製した試料の内層と外層のパルプ配合及びその坪量比
を第１表に示した。なお表中のＦｒｅｅｎｅｓｓはＣＡ
ＮＡＤＩＡＮ　５ＴＡＮＤＡＲＤ　ＦＲＥＥＮＥＳＳの
ことである。

坂較五↓ 実施例１と同じパルプ配合率の混合原料を作り、実施例
１同じ（、熊谷理機工業社製０ＲＩＥＮＴＥＤ　５ＲＢ
ＥＴ　ＦＯＲＭＥＲによりスピード７５’Ｏｍ／ｗｉｎ
で混合原料を供給し脱水、乾燥することにより、単層紙
を作製し、実施例１と同じ印刷による表面強度、その他
の紙質を評価した。

結果を第１表に示したが、本実施例及び比較例で作られ
る紙は実際の抄紙機と同じように、繊維配向性に異方性
を生じ、引き裂き、引っ張り、剛度といった品質は抄紙
方向（Ｍａｃｈｉｎｅ　ＤｉｒｅｃｔｉｏｎＭＤ）とそ
の直交方向（Ｃｒｏｓｓ−ｍａｃｈｉｎｅ　Ｄｉｒｅｃ
ｔｉｏｎＣＤ）で異方性があるので、これらの品質につ
いてはＭＤＸＣＤの平方根で評価した。本発明の三層紙
である実施例１は、標準的な新聞紙の物性を備えている
と思われる比較例１と同等の強度、と不透明度、同等以
上の白色度剛度を有し、かつ印刷による表面強度に優れ
ていた。

実ＪＬ附」ユ 内層パルプをＤＩＰとし、外層パルプを第２表に示すよ
うにＮＢＫＰ、ＬＢＫＰとして実施例１と同じ方法で試
料番号１〜３の紙を作製し、実施例１と同じ試験を行っ
た。外層と内層の原料及びその坪量比を第２表に示した
。全ての紙は総評量６０ｇ／ｄを目標として作製された
。

匿蛛五ｌ 内層パルプをＤＩＰとし、外層パルプを第２表に示すよ
うにＧＰ、ＴＭＰ、ＤＩＰとして実施例１と同じ方法で
試料番号４〜６の紙を作製し、実施例１と同じ試験を行
った。外層と内層の原料及びその坪量比を第２表に示し
た。全ての紙は総坪量６０ｇ／ｍを目標として作製され
た。結果を第３表に示したが、針葉樹（Ｎ）、広葉樹（
Ｌ）にかかわらず外層にＫＰを配置した試料番号１〜３
は表面強度に優れており、他の紙質も基準とした比較例
１と同等であり、オフセット印刷用新聞用紙として適し
たものであった。

実」１阿」− Ｇ　Ｐ　（Ｆｒｅｅｎｅｓｓ　５８）　Ｔ　Ｍ　Ｐ　（
Ｆｒｅｅｎｅｓｓ　１００）　Ｄ　ＩＰ　（Ｆｒｅｅｎ
ｅｓｓ　１７５）Ｎ　Ｂ　Ｋ　Ｐ　（Ｆｒｅｅｎｅｓｓ
　６６０）の４種のパルプをＧＰ＝１５％、ＴＭＰ＝３
０％、　　ＤＩＰ−３５％、ＮＢＫＰ＝２０％の重量比
率で混合し、この混合パルプをＪ　Ｉ　５−Ｐ−８２０
７に制定されている篩分は試験機により８０メツシユオ
ンと８０メツシユバスに２分割した。以下ではこの８０
メツシユオンを長繊維分、８０メツシュパスを微細繊維
分と呼ぶことにする。この時の長繊維分と微細繊維分の
重量比は６３：３７であった。

そこでトータルの坪量を４５ｇ／ｒｄ両外層の坪量を８
、５ｇ／ｒｒＩとして、外層における微細繊維分の重量
比かもとの混合パルプ（３７％）より多く、紙全体の繊
維構成はもとの混合パルプと同じにした第４表の試料番
号１〜３に示す３種類の三層紙を実施例１と同じ方法で
作製し、実施例１と同じ試験を行った。

匿軟爽１ 外層における微細繊維分の重量比かもとの混合パルプ（
３７％）と同じ又はそれ以下で、紙全体の繊維構成はも
との混合パルプと同じにした第４表の試料番号４〜６に
示す３種類の三層紙を実施例１と同じ方法で作製して比
較例３の紙とし、実施例１と同じ方法で評価試験を行っ
た。

結果を第５表に示すが、外層の微細繊維分が増すに従っ
て、裂断長と不透明度は標準となる試料番号４より若干
低い数値であるが、実用上差し支えない品質であり表面
強度が強くオフセット印刷用新聞用紙として優れた適性
を有している。

匿Δ五工 まず最初にＬ　Ｂ　Ｋ　Ｐ　（Ｆｒｅｅｎｅｓｓ　３０
０）、　　Ｔ　Ｍ　Ｐ（Ｆｒｅｅｎｅｓｓ　１７０）、
　　Ｇ　Ｐ　（Ｆｒｅｅｎｅｓｓ　７２）をそれぞれ実
施例３と同様にＪ　ｌ５−Ｐ−８２０７に制定されてい
る篩分は試験機により８ｏメツシユオンの長繊維分と８
０メツシユパスの微細繊維分に分割した。

続いて内層パルプをＤＩＰとし、外層パルプとして前記
の微細繊維分を用い、実施例１と同じ方法で第６表に示
す様な２層紙を作製し、実施例１と同じ印刷試験を行っ
た。結果を第６表に示すが、坪量にして２ｇ／ｒｒｒの
微細繊維の存在により印刷時の表面強度は強くなり、そ
の効果はＫＰ由来の微細繊維が最も大きかった。

／ 第 表 ＊ 印の紙質の評価はＭＤｘＣＤの平方根で示した。

［効　果］ 本発明はオフセット印刷用新聞用紙において、抄紙機の
ワイヤーパート上でＩ）ＩＰ及び機械パルプを主原料と
する内層の両面に、化学パルプを主原料とする外層を形
成することにより、また、抄紙機のワイヤーパートにお
いて内層とこの内層の両面に内層より微細繊維の比率を
高くした外層を形成することにより、表面強度に優れ高
速オフセット印刷に耐える新聞用紙となるとともに、白
色度、剛度にも優れた新聞用紙を得ることができた。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）抄紙機のワイヤーパートにおいて故紙パルプと機
   械パルプを含む内層の両面に、化学パルプを主原料とす
   る外層を形成したことを特徴とする複数の層からなるオ
   フセット印刷用新聞用紙。
2. （２）抄紙機のワイヤーパートにおいて、内層とこの内
   層の両面に内層より微細繊維の比率を高くした外層を形
   成したことを特徴とする複数の層から成るオフセット印
   刷用新聞用紙。