JP5108442B2 - 紙袋用紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は2層以上を積層してなる紙袋用紙およびその製造方法に関する。
近年、種々植物性の原料を配合して模様を形成した紙が提案されている。例えば、和紙原料のコウゾ、ミツマタ等の黒外皮を配合したものや、綿実殻を粉砕して抄き込んだ紙が提案されている。さらに、産業廃棄物として棄却されている食品副産物を有効利用する技術が提案されており、その中でも緑茶飲料や紅茶飲料の残渣である茶殻に着目した技術として、例えば特許文献1には茶殻の抗菌機能を生かした各種下敷きの紙への利用が開示され、また特許文献2には茶殻を配合した段ボールライナーが開示されている。茶殻は、一部は堆肥化、乾燥して燃料化する等の利用が行われているが、資源の有効利用の観点から上述のような有効利用が望まれている。
特開2004−143640号公報 特開2007−046182号公報
しかしながら、茶殻の配合量は、資源の有効利用の観点からは高配合が好ましいが、茶殻を配合することにより強度が低下するという問題があり、特許文献1及び2においても、茶殻を配合しながらも強度が高く、かつ印刷適性に優れた手提げ袋、角底袋や包装紙などの用途にも使用できる紙袋用紙としての使用は開示されていない。このような紙袋用紙は、特許文献1等に開示されている段ボールライナーより高い強度が要求される。
本発明は、特に紙袋用紙、例えば包装用の紙袋に使用する紙袋用紙としての使用に適した強度を有し、配合した茶の脱落が抑えられ、印刷適性を有する紙袋用紙、さらには製袋加工適性を有する紙袋用紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の紙袋用紙は、茶茎と茶葉とからなる茶及び針葉樹パルプを原料に含み、第1層及び第2層の少なくとも2層が積層された多層抄き紙からなり、全原料中に占める前記茶の割合が固形分換算で1〜30質量%であり、少なくとも第1層は茶を含み、全原料中に占める前記針葉樹パルプの割合が固形分換算で40〜80質量%である。好ましくは、JIS−P3401のクラフト紙3種の紙質強度を満たすものであることが好ましい。また、前記茶として、好ましくは茶殻を使用する。さらに、前記茶は、好ましくは、前記茶茎と前記茶葉の質量比率が固形分換算で10:90〜95:5とする。
また、本発明は、上述の紙袋用紙の製造方法であって、パルプ、茶および水を加え原料を混合する工程(a1)、及び混合した原料を解繊する工程(a2)からなる第1層の原料調整工程(a)を少なくとも有する。本発明においては、茶は茶茎を含み、茶茎は十分に解繊されることが好ましい。茶を単独で解繊するのではなく、パルプと混合してから解繊することにより、十分な解繊を行うことができる。なお、前記工程(a1)において混合する茶の含水率は70質量%以上であることが好ましい。
本発明によると、茶を配合することにより十分な消臭性が付与され、しかも紙袋用紙として十分な強度を備え、かつ優れた印刷適性を有する紙袋用紙が提供される。
以下、本発明に係る茶配合の紙袋用紙の好ましい実施形態を説明する。なお、以下では、本発明を、表層、中層、及び裏層の3層の紙層からなり、手提げ袋、角底袋等の用途に用いられる紙袋用紙に適用した場合について説明する。
本実施形態の紙袋用紙は、パルプ及び茶を原料として含む。紙袋用紙の裏層(紙袋に加工した場合の最内層)には茶が配合されている。
(茶)
本実施形態の紙袋用紙に配合される茶は、緑茶、烏龍茶、紅茶のように茶葉と茶茎にて構成される茶である。本実施形態において、茶は裏層(最内層)に配合されているが、他の層に配合されていてもよい。茶は、紙袋用紙の全原料中に占める割合が固形分換算で1〜30質量%となるように配合される。全原料中に占める茶の割合は、固形分換算で好ましくは10〜25質量%、より好ましくは12〜20質量%とする。茶の配合量が1質量%を下まわると十分な消臭性が得られなくなる。また、資源リサイクルの観点から効率が悪いという問題が発生する。また、茶の配合量が30質量%を上まわると、消臭効果は良好となるが強度の低下や茶の脱落が起こりやすくなる。
配合する茶は、好ましくは、茶茎と茶葉との比率が固形分換算質量で10:90〜95:5となるようにする。さらに好ましくは、茶茎と茶葉の比率が15:85〜80:20、より好ましくは20:80〜50:50となるようにする。茶茎と茶葉は、木茎選別機を用いて分離することができる。したがって、木茎選別機で茶茎と茶葉に分離した後、所定の割合でこれらを配合し、原料に用いる茶を調整することができる。茶茎は繊維状に解繊することができ、茶葉は細かく切断し配合される。茶茎及び/又は茶葉を配合した紙の強度低下は茶茎に比べ茶葉の方が強度低下が大きい。茶茎の比率が10質量%未満の場合、茶茎に比べて茶葉は解繊しても繊維状とはならないので、パルプとの絡まりが少なく脱落が大きく高配合できなくなる。また、茶茎の比率が95質量%を超える場合、茶茎の解繊工程で高負荷となり処理量を減らさなければ、繊維長をコントロールできないため、処理能力の低下が起こり好ましくない。
茶は、緑茶、烏龍茶、紅茶などを抽出後の茶茎及び茶葉(以下、「茶殻」と称する)を使用することが好ましい。また、茶殻を乾燥することなく使用することにより、乾燥に係るエネルギー負荷を低減できる。また、乾燥したものを使用すると後の解繊工程において繊維状に解繊できず、茶茎が短く切断され茶茎の太さが0.5mm以下となりにくい。茶茎の太さが0.5mmを越えていると、抄紙機で紙を製造する際、紙切れの要因となる。また、抄紙機に使用されているワイヤーの目詰まりの原因となるため操業性が悪くなる。湿潤の茶茎及び茶葉は、含水率85%以上であるが、輸送するため脱水処理し含水率70%に調整する。脱水処理した湿潤の茶茎及び茶葉は、水と接触すると直ちに水を吸収し含水率85%以上となる。しかしながら含水率が8%未満の乾燥の茶茎及び茶葉は水に1時間以上720時間未満浸漬させたものを用いる。浸漬時間が1時間未満の場合、茶茎及び茶葉が解繊工程にて解繊できず、茶茎が短く切断される。また、720時間以上水に浸漬させると、茶葉が腐敗するため好ましくない。また、使用する茶の含水率は限定されないが、好ましくは70質量%以上とする。含水率が70%未満の場合は、解繊工程を経ても太さが0.5mmを超えるものが残りやすく好ましくない。湿潤状態にある茶を用いた後の解繊工程により、茶茎が長さ10mm以下、太さ0.5mm以下の繊維状となり、また茶葉は擂り潰され0.5mm角以下となるように処理されることが好ましい。このように解繊された茶は、他の原料とともに紙袋用紙の原料として用いられる。
茶の解繊工程においては、茶のみを湿式解繊するよりもパルプを混合して湿式解繊することが好ましい。茶のみを湿式解繊する場合、茶茎が浮上した状態となり所定の解繊状態とすることが難しいため、原料のパルプ(全部または一部)と混合して湿式解繊することが好ましい。茶の湿式解繊においては、茶とパルプと水を混合した後、解繊機で離解、叩解し茶混合スラリーを調整する。
解繊機としては、ボールミル、ターボミル、カッターミル、ハンマーミル、ダブルディスクリファイナー(DDR)、シングルディスクリファイナー(SDR)等公知の解繊機を用いることができる。本発明ではカッティング叩解機能が高いSDRを使用することが好ましい。叩解は使用する解繊機の種類、構造、歯の形状、処理条件(温度、圧力、回転数)などにより決まる。機器の構造上、ボールミル、ターボミル、カッターミル、ハンマーミル、DDRは、低速回転で叩解する粘状叩解であるため、繊維を揉み解しフィブリル化(繊維を毛羽立たせる)する効果が大きい。一方、パルプ繊維に比べ太く長い茶茎を解繊するにはSDRの高速回転するプレート間を通すことで、繊維を解繊すると同時に繊維長をコントロールすることができるため、本発明ではカッティング叩解機能に優れているSDRを使用することが好ましい。
(原料パルプ)
本実施形態の紙袋用紙の各層に用いられる原料パルプとしては、例えば広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、または離解・脱墨・漂白古紙パルプ、あるいは、ケナフ、麻、葦等の非木材繊維から化学的にまたは機械的に製造されたパルプ等の公知の種々のパルプを使用することができる。
原料パルプとして、種々のパルプを組み合わせて用いることができるが、針葉樹パルプ(NKP;NBKP、NUKP、NSBKPが含まれる)の全原料に占める割合が固形分換算で40〜80質量%になるようにする。茶を配合するため、茶葉の解繊物が繊維間結合を阻害し、紙袋用紙の強度低下を招く恐れがあるため、NKPの配合量を茶の配合量に合わせて調整する。茶茎は、繊維状に解繊するため、茶葉に比べて強度低下は小さいものの、木材パルプ繊維との絡み合いが少なく強度低下を招く恐れがある。針葉樹パルプの全原料に占める割合は好ましくは45〜75質量%、より好ましくは50〜70質量%とする。全原料に占めるNKP配合率が40質量%を下まわると、紙袋用紙として十分な引張強さ、引裂強さを得ることが難しくなる。また、全原料に占めるNKP配合率が80質量%を上まわると紙袋用紙としての製袋加工適性が低下する。
(裏層:第1層)
本実施形態の紙袋用紙の裏層は、手提げ袋、角底袋等に袋加工される際に内側面となる層であり、1)製袋加工時の破袋、罫線割れ、角割れを防止する、2)消臭機能を付与する、3)美粧性に富んだ独特の模様紙を提供する等の役目を担う層である。
裏層の原料パルプとしては限定されることなく、例えば上記に例示したパルプの中から選択することができるが、裏層として適した特性を有しつつ、紙袋用紙としての各種品質特性等をバランスよく効率的に達成するために、裏層の原料パルプとしては、LBKP、NBKP、LUKP、NUKP、LSBKP、NSBKP、あるいは切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙から製造された古紙パルプを用いることが好ましい。
原料パルプと上述の茶を混合して裏層の原料スラリーを調整する。裏層の原料スラリーのフリーネスは280〜430mLとすることが好ましく、280〜380mLとすることがより好ましい。なお、本明細書においてフリーネスの値は、JIS−P8220に準拠して標準離解機にて紙袋用紙を離解処理した後、JIS−P8121に準拠してカナダ標準濾水度試験機にて濾水度を測定した値とする。すなわち、裏層の原料パルプのフリーネスが280mL未満であると、原料パルプの繊維長が短くなるため、紙袋に加工される場合、製袋加工時に破袋、罫線割れ、角割れが発生しやすくなる。一方、フリーネスが430mLを超えると、繊維長が長く引張強度の低下するおそれがある。
(表層:第3層)
本実施形態の紙袋用紙の表層は、1)印刷適性を確保する、2)美粧印刷を施した手提げ袋、角底袋等への製袋加工時の破袋、罫線割れ、角割れを防止する、3)バーコード印刷の読み取り低下の防止等の役目を担う層である。
表層の原料パルプとしては限定されることはなく、例えば上記(原料パルプ)に例示したパルプの中から選択することができる。これらの中でも特に、表層として適した特性を有しつつ、紙袋用紙としての各種品質特性等をバランスよく、効率的に達成するためにLBKP、NBKP、LUKP、NUKP、LSBKP、NSBKP、あるいは切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙から製造された古紙パルプを用いることが好ましい。
表層の原料に占めるNKPの配合率は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、さらに好ましくは40〜60質量%とする。表層の原料に占めるNKPの配合率は20質量%を下まわると製袋加工時に罫線割れが発生しやすくなる。また、表層の原料に占めるNKPの配合率が80質量%を上まわると紙の平坦性が悪くなり、不透明度が低下し中層の色が透けて見えるため印刷適性が低下する。表層は、屋号、商品等の印刷を行うため、印刷適性を確保しながら、茶を配合した裏層、中層の強度低下を補い、製袋加工適性を満たすものである。
表層の原料パルプは染料及び/または顔料を内添または外添することにより着色してもよい。表層の原料パルプを着色することで、紙袋用紙の表面を任意の色調に調整することができる。
また、表層の原料スラリーのフリーネスは280〜430mLとすることが好ましく、280〜380mLとすることがより好ましい。表層の原料パルプのフリーネスが280mL未満であると、原料パルプの繊維長が短くなるため、製袋加工時に破袋、罫線割れ、角割れが発生しやすくなる。一方、フリーネスが430mLを超えると、繊維長が長く引張強度が低下するおそれがある。
(中層:第2層)
本実施形態の紙袋用紙の中層は、1)紙袋用紙として必要な強度を得る、2)安価な古紙パルプを使用できる等の役目を担う層である。中層は、これらの中でも特に1)の役割、すなわち必要な強度を得る役割が大きい。中層の原料パルプとしては、限定されることはなく、例えば上記に例示したパルプの中から選択することができるが、古紙パルプを可能な限り多く配合することが、エネルギー原単位や環境に与える負荷の軽減の点から好ましい。古紙パルプとしては、切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、または離解・脱墨・漂白古紙パルプ等を使用することができる。これらの古紙パルプの中でも特に、紙袋用紙の中層の隠蔽効果、多層抄き紙としての各種品質特性をバランスよく、効率的に得るために、引張強度や引裂強度などが高く、切茶古紙、無地茶古紙、雑袋古紙から製造される古紙パルプを用いることが好ましい。
中層の原料スラリーのフリーネスは300〜500mLとすることが好ましく、350〜450mLとすることがより好ましい。フリーネスが300mL未満であると、繊維長が短くなるため、紙袋用紙の引裂強度が低下傾向となり、製袋加工時に破袋や、罫線割れ、角割れ等の破れが発生しやすくなる。一方、フリーネスが500mLを超えると、紙袋用紙の引張強度が低下傾向となるため、製袋加工時の破れが発生しやすくなる。
(抄紙)
上述の各層の原料スラリーに、さらに硫酸バンド、サイズ剤等の添加剤を加え、3層抄紙機によって抄紙する。なお、原料スラリーに紙力増強剤を内添させたり、抄紙時に紙力増強剤を噴霧したりしてもよい。
(紙袋用紙)
本実施形態の紙袋用紙の坪量は、特に限定されるものではないが、例えば60〜350g/mが好ましく、100〜220g/mであるとより好ましい。坪量が60g/m未満であると、多層での構成が困難となる。一方、坪量が350g/mを超えると、多層抄き紙としては坪量が大きすぎ、また厚みが厚くなりすぎるため、手提げ袋や、角底袋等の用途に適さない。本明細書において坪量とは、JIS−P8113に準拠して測定した値である。
本実施形態の紙袋用紙は、好ましくは、縦方向(抄紙機流れ方向)の比引張強さが51.6N・m/g以上、横方向(抄紙機幅方向)の比引張強さが20.8N・m/g以上であり、縦方向の比引裂強さが9.08mN・m/g以上、横方向の比引裂強さが9.92mN・m/g以上を満たすものとする。すなわち、JIS−P3401に規定するクラフト紙3種の引張強さ、引裂強さを満たすことができる。クラフト紙3種(引張強さ、引裂強さ)の規定を満たすことで、手提げ袋、角底袋等の用途として有用である。すなわち、坪量が120g/mである場合、引張強度が縦6.2kN/m以上、横2.5kN/m以上で、かつ引裂強度が縦1090mN以上、横1190mN以上であることが好ましい。ここで、引張強さとは、JIS−P8113に準拠して測定した値であり、比引張強さは前記記載の値を米坪で除した値、引裂強さとは、JIS−P8116に準拠して測定した値であり、比引裂強さは前記の値を米坪で除した値である。
また、本実施形態の紙袋用紙は印刷適性を有するものであり、印刷適性を向上させる種々の手段を適用することが好ましい。例えば、印刷光沢や表面強度を向上させたり、滑り性を調整したりする。必要に応じて、表面に水性物質を主成分とする水性組成物を塗布しても良い。このような水性物質としては、例えばポリアクリルアミド及びその誘導体、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉、加工澱粉、ポリスチレン−ブタジエン系、アクリル系、ポリ酢酸ビニル系等のラテックス、ワックスエマルジョン等、この分野で通常用いられる公知の種々の材料を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また、本実施形態の紙袋用紙は、その表面に平滑化処理を施しても良い。この平滑化処理は、例えば加圧可能なロール間で紙袋用紙を加圧処理することにより実施することが好ましい。
本実施形態の紙袋用紙における平滑化処理は、上記の平滑化処理の他、抄紙する工程で、例えば一対の金属ロールを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(マシンカレンダーによるカレンダー処理)、金属製ロールと樹脂製ロールとを一組または複数組備えたカレンダーロールによるカレンダー処理(ソフトカレンダーによるカレンダー処理)、ヤンキードライヤーによる乾燥処理等により実施することができ、平滑化処理を施す際に、紙袋用紙の表層表面に接するロールは加熱可能な金属製ロールであることが好ましい。
(他の実施形態)
上記実施形態においては、表層、裏層、及び中層の3層の紙層からなる紙袋用紙について説明したが、本発明はこのような紙袋用紙に限らず、この他、例えば表層、表下層、中層、及び裏層の4層の紙層を有する紙袋用紙、さらには5層以上の紙層を有していても良い。
上記においては原料に用いられる茶として緑茶、紅茶、烏龍茶の茶葉及び茶茎にて構成される茶を用いたが、カテキン等の成分は、紅茶やウーロン茶より緑茶の方が多く含むため、茶としては緑茶を用いることが好ましい。また、上記においては、茶として茶殻を用いたが、抽出前の茶茎及び茶葉を用いてもよい。ただし、資源の有効利用の点から茶殻を使用することが好ましい。
実施例1〜38、比較例1〜13の紙袋用紙を製造し、下記に示す評価を行った。各紙袋用紙は3層(表層、中層、及び裏層)からなる構成とした。
(紙袋用紙の製造)
<1>表層(第3層)
表層用の原料パルプとして針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)及び茶の配合比を表1に記載の通りとし、離解フリーネスが330mLになるように調整した。そして、この表層用の原料パルプに、硫酸バンド40kg/t、サイズ剤(近代化学工業株式会社製、「R50」)を固形分換算で3kg/tを添加して表層用の原料スラリーを生成した。なお、使用した茶は、裏層に使用したものと同じである。
<2>裏層(第1層)
針葉樹クラフトパルプと茶とからなる原料において、原料中の茶の配合率が固形分換算で表1に記載の通りとなるように配合した。その後シングルディスクリファイナーを通して茶を解繊処理した。そして、パルプと茶の混合スラリーに硫酸バンド40kg/t、サイズ剤を固形分換算で3kg/tを添加して裏層用の原料スラリーを生成した。なお、離解フリーネスは300mLとなるように調整した。原料の茶としては表1に記載の茶A〜Jのいずれかを用いた。各茶の茶茎と茶葉の質量配合比率は表2に記載の通りであり、茶A〜Jはお茶を抽出した後の湿潤状態の茶茎及び茶葉で含水率が70質量%のものを使用した。
なお、上述の調整方法は、表1に記載の茶の解繊方法が「混合」である場合であり、表1に記載の茶の解繊方法が「単独」である場合は、茶を6%濃度に調整し、SDRを通して茶を解繊処理した後、茶の配合比率が固形分換算で表1の通りとなるよう調整した。その後の茶の解繊工程が無い点以外は、上記「混合」と同様の方法にて原料スラリーを生成した。
<3>中層(第2層)
針葉樹クラフトパルプと茶とからなる原料を原料中の茶(含水率が75%)の配合率が固形分換算で表1に記載の通りとなるように調整した。この原料スラリーをシングルディスクリファイナーを通して茶を解繊処理した。この中層用の原料スラリーは離解フリーネスが400mLになるように調整し、硫酸バンド40kg/t、サイズ剤(近代化学工業株式会社製、「R50」)を固形分換算で3kg/t添加した。使用した茶は、裏層に使用したものと同じである。
なお、上述の調整方法は、表1に記載の茶の解繊方法が「混合」である場合であり、表1に記載の茶の解繊方法が「単独」である場合は、茶を6%濃度に調整し、SDRを通して茶を解繊処理した後、茶とパルプを固形分換算で表1の通りとなるよう調整した。その後の茶の解繊工程が無い点以外は、上記「混合」と同様の方法にて原料スラリーを生成した。
<4>抄紙
これらの原料スラリーを用い、円網3層抄紙機にて表層、中層、及び裏層の紙層を抄き合わせて、各層の付け量が表層30g/m、中層30g/m、裏層60g/m、多層抄き紙全体の坪量が120g/m、である3層の紙袋用紙を製造した。
(評価)
<1>比引裂強さの測定
JIS−P8116に準拠して測定した。
<2>比引張強さの測定
JIS−P8113に準拠して測定した。
<3>茶茎の大きさ
解繊後の茶を確認し、以下のように評価した。
○:茶茎の直径が0.5mm以上あるものが残存していない
×:茶茎の直径が0.5mm以上あるものが残存している
<4>脱落
3M社製Scotch811−1−18を用いて茶の配合面にテープを貼り、剥がした後の茶の脱落を以下のように観察し評価した。
○:脱落なし
△:僅かな脱落あり
×:多数脱落あり
<5>消臭性
テドラーバック(5L)中に紙袋用紙および悪臭ガスを注入し、2時間後のガス濃度を検知管を用いて測定し式(1)により減少率(%)を求め以下のように評価した。
減少率(%)={(コントロールガス濃度―試料ガス濃度)/コントロールガス濃度}×100
・・・式(1)
悪臭ガス :アンモニア(初期濃度100ppm)
:トリメチルアミン(初期濃度28ppm)
サンプル :10cm×10cm
ガス量 :3L
○:減少率30%以上
×:減少率30%未満
<6>製袋加工適性
紙を平判にカットし、製袋加工機を用いて評価した。自動給紙適性、加工後の割れを評価し総合評価した。
○:問題なし(自動給紙、割れ、破れなし)
△:やや問題があるが使用できるレベル
×:問題あり
<7>印刷適性
紙袋用紙をA4サイズにカットし、セイコーエプソン社製のカラープリンター(PM−820C)にて文字サイズ8pt、9pt、10.5ptで文字カラー黒にて「あ」の文字を50字任意箇所に印刷した後に「あ」の文字のかすれ、茶の脱離による文字の消失、文字のズレを観察した。
○:問題なし(茶の脱落、文字のズレ、文字のかすれが無い)
△:茶の脱落による文字の消失は無いが、文字のかすれや文字のズレがある
×:文字のズレ、茶の脱落による文字の消失、文字のかすれがある
Figure 0005108442
Figure 0005108442
表1に示す結果より、原料中に占める茶の配合率が1.0質量%を下回る、比較例1、8、11(0.0質量%)は十分な消臭性、美粧性が得られない。また、茶の配合率が30質量%を上回る比較例2(35.0質量%)は、比引裂強さ及び比引張強さがJIS P 8113に準拠した比引張強さが縦51.6N・m/g以上かつ横20.8N・m/g以上であり、JIS P 8116に準拠した比引裂強さが縦9.08mN・m/g以上かつ横9.92mN・m/g以上を満たさず、また茶の脱落も確認された。
針葉樹パルプの配合率が30質量%であり、低い配合率の比較例3は、引裂強度及び引張強度がJIS P 8113に準拠した比引張強さが縦51.6N・m/g以上、横20.8N・m/g以上であり、JIS P 8116に準拠した比引裂強さが縦9.08mN・m/g以上、横9.92mN・m/g以上を満たさなかった。また、針葉樹パルプの配合率が85質量%である比較例4は製袋加工適性が悪く、紙袋用紙としての使用に適さないものであった。また、表層(第3層)に茶を含む比較例5〜13は、印刷適性がないものであった。
茶の解繊方法が「単独」である実施例31〜38では、茶茎の解繊が十分ではなく、抄紙工程においてやや目詰まり等が発生しやすかった。
本発明の紙袋用紙は、手提げ袋、角底袋等の用途に用いられる紙袋用紙に有用である。

Claims (4)

  1. 茶茎と茶葉とからなる茶及び針葉樹パルプを原料に含み、表層、裏層、及び中層の少なくとも3層の紙層からなる多層抄き紙からなり、
    前記茶は、前記茶茎と前記茶葉の質量比率が固形分換算で10:90〜95:5であり、
    全原料中に占める前記茶の割合が固形分換算で1〜30質量%であり、少なくとも裏層は茶を含み、表層は茶を含まず、中層は茶を含むか又は含まず、
    全原料中に占める前記針葉樹パルプの割合が固形分換算で40〜80質量%であり、印刷適性を有する紙袋用紙。
  2. JIS P 8113に準拠した比引張強さ(縦)が51.6N・m/g以上、比引張強さ(横)が20.8N・m/g以上であり、JIS P 8116に準拠した比引裂強さ(縦)が9.08mN・m/g以上、比引裂強さ(横)が9.92mN・m/g以上を満たす、請求項1に記載の紙袋用紙。
  3. 請求項1又は2に記載の紙袋用紙の製造方法であって、
    パルプ、茶および水を加え原料を混合する工程(a1)、及び混合した原料を解繊する工程(a2)からなる第1層の原料調整工程(a)を少なくとも有し、
    前記工程(a1)において混合する茶の含水率は70質量%以上である、
    紙袋用紙の製造方法。
  4. 茶茎と茶葉とからなる茶及び針葉樹パルプを原料に含み、表層、裏層、及び中層の少なくとも3層の紙層からなる多層抄き紙からなり、
    前記茶茎と前記茶葉の質量比率が固形分換算で10:90〜95:5であり、
    全原料中に占める前記茶の割合が固形分換算で1〜30質量%であり、少なくとも、紙袋に加工した際の最内層である裏層は茶を含み、表層は茶を含まず、
    全原料中に占める前記針葉樹パルプの割合が固形分換算で40〜80質量%であり、印刷適性を有する紙袋。
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